当社グループは、企業理念及び経営方針の実現が、企業価値の向上につながるものと考えています。これらの実現に向け、「人と地球のいのちを守る」という企業スローガンを掲げ、今後も企業価値の向上に邁進してまいります。
企業理念
当社は、心を込めたモノづくりと、絶えざる技術革新によって「安全で住みよい豊かな社会」に貢献し、真摯な企業活動を通じて社会との調和を図ります
経営方針
・ お客様の立場に立って、優れた製品を適正な価格で提供する
・ 収益を重視し、常に最大の価値を求め、透明で力強い経営を目指す
・ 創造性と行動力のある人材を育成する
当社グループは、経営資源の最適な配分により、事業競争力を最大限に引き出すことで、企業価値の最大化に取り組んでおります。
また、2025年度を最終年度とする中期経営計画「Morita Reborn 2025」を策定し、以下の経営指標を掲げ、着実な成長を目指してまいります。
①営業利益率 12%
②ROE(自己資本利益率) 10%
③DOE(株主資本配当率) 2.5%以上を目安
④営業利益の過去最高の更新
⑤成長戦略投資枠(M&A含む) 200億円
当社グループの主力事業である、消防・防災分野における先端技術開発を強化し、変化する社会に新たなソリューションを提供することにより、多様化、大規模化する災害から一人でも多くの命を守り、世界の安全・安心な社会に貢献いたします。
当社グループの主力事業である消防車輌事業は、新製品の開発から販売に至るまで、通常3年から5年かかり、また、海外展開におきましても長期的な視点での事業開発戦略が重要となることから、短期的な視点での経営を招かないために、中期経営計画「Morita Reborn 2025」は、2025年度を最終年度とする7ヵ年という期間で設定しました。
中期経営計画「Morita Reborn 2025」では、グローバルな総合防災ソリューション企業へと飛躍すべく、以下の基本方針を確実に実行してまいります。
①既存事業の収益力強化
②海外事業・新規事業の育成、拡大
③基礎研究力・新商品開発力の強化
④革新力を持った人財の育成
⑤CSR活動の推進
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況について
当社グループは、消防車、消火器、防災設備、環境保全車輌、環境機器の製造販売及び環境プラントの設計・施工を主な事業としております。主な売上先は官公庁及び一般企業のため、国の政策や経済状況の影響を受ける可能性があります。
(2) 製品の欠陥について
当社グループは、法で定められた安全基準及び独自の厳しい規格に基づき製品の製造を行っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来にリコール等が発生しないという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥は経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 部品調達について
当社グループは、多数の取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、取引先の経営状態や生産能力の事情による納品の遅延、価格の高騰等が生じた場合、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は蓄積され、将来にわたって規則的に認識されるため、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの影響を軽減するために、当社及び一部の連結子会社は2018年6月1日付で確定給付企業年金制度の一部を確定拠出企業年金制度へ移行する施策を実施しております。
(5) 海外市場での活動について
当社グループは、海外市場においても事業を行っておりますが、カントリーリスクや為替変動リスクなど特有のリスクが存在します。政治又は法律の変化、経済状況の変動等、予測困難な事態が発生した場合、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 自然災害等について
地震、台風等の自然災害や、火災、停電等の事故災害が発生した場合、当社グループの設備等が被害を被り、事業展開に影響を及ぼす可能性があります。又、損害を被った設備等の修復費用が発生し、経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 季節変動について
売上高のうち、消防車輌事業の官公庁向け売上高の占める割合が高いこと等から、当社グループの業績は、上半期より下半期に集中する傾向があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境は改善傾向となるなど緩やかな回復基調が続きましたものの、米中貿易摩擦問題や中国経済の減速など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「Morita Advance Plan 1000」の最終年度として、企業価値の向上に向けた諸施策に取り組んでまいりました。
「Morita Advance Plan 1000」では、「人と地球のいのちを守る」というスローガンのもと、経営理念に掲げております「心を込めたモノづくりと絶えざる技術革新によって、安全で住みよい豊かな社会に貢献する企業」を目指し、連結売上高1,000億円、営業利益100億円を経営数値目標として諸施策を推進してまいりました。対象期間中に連結売上高、営業利益ともに過去最高を更新したものの、新規市場の開拓が想定したスピードでは進捗しなかったこともあり、経営数値目標には届きませんでした。一方で、将来の発展の礎となる新商品を数多く市場投入するなど積極的な投資活動を実施するとともに、2016年1月に買収したフィンランドのBRONTO SKYLIFT OY ABを足掛かりにした海外事業の拡大を図るなど、取り組みの成果も着実に現れ始めております。
当連結会計年度の業績につきましては、消防車輌事業が順調に推移した結果、売上高は前年同期比6,021百万円増加し、91,524百万円(7.0%増)、営業利益は前年同期比999百万円増加し、9,483百万円(11.8%増)、経常利益は前年同期比1,074百万円増加し、10,104百万円(11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比650百万円増加し、6,391百万円(11.3%増)となり、売上高及び親会社株主に帰属する当期純利益において過去最高を更新いたしました。
また、当社グループは、経営資源の最適な配分により、事業競争力を最大限に引き出すことで、企業価値の最大化に取り組んでおり、売上高営業利益率、ROE(自己資本当期純利益率)の向上に努めてまいりました。当連結会計年度におきましては、売上高営業利益率は10.4%(前年同期は9.9%)、ROEは10.0%(前年同期は9.8%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
消防車輌事業は、中国の制度変更による生産の混乱があったものの、国内外ともに好調に推移したため、前年同期比では売上高は4,845百万円増加し、54,626百万円(9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は727百万円増加し、6,255百万円(13.2%増)となりました。
防災事業は、消火器及びパッケージ型自動消火設備「スプリネックス」等の売上が概ね堅調に推移したため、前年同期比では売上高は364百万円増加し、21,626百万円(1.7%増)、セグメント利益(営業利益)は15百万円増加し、2,117百万円(0.7%増)となりました。
産業機械事業は、製品の受注・売上が順調に推移したことから、前年同期比では売上高は582百万円増加し、4,709百万円(14.1%増)、セグメント利益(営業利益)は189百万円増加し、381百万円(98.8%増)となりました。
環境車輌事業は、前連結会計年度の工場移転による生産部門の混乱が解消されたことから、前年同期比では売上高は229百万円増加し、10,561百万円(2.2%増)、セグメント利益(営業利益)は169百万円増加し、781百万円(27.7%増)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
4 防災事業の防災機器部門は見込生産を行っているため、上記の実績には含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、販売実績が総販売実績の100分の10以上となる相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は、117,218百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,784百万円増加いたしました。
流動資産は、62,344百万円となり3,644百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が4,094百万円、たな卸資産が1,428百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2,383百万円減少したことによるものです。
固定資産は、54,873百万円となり860百万円減少いたしました。うち、有形固定資産は、34,581百万円となり576百万円減少いたしました。無形固定資産は、4,251百万円となり978百万円減少いたしました。投資その他の資産は、16,040百万円となり693百万円増加いたしました。
流動負債は、33,191百万円となり1,649百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1,625百万円減少したことによるものです。
固定負債は、16,418百万円となり472百万円減少いたしました。
純資産は、67,607百万円となり4,906百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益6,391百万円の計上により増加した一方で、剰余金の配当により1,311百万円減少したこと及び為替換算調整勘定が685百万円減少したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の54.0%から56.8%となりました。
セグメントごとの資産は次のとおりであります。
消防車輌
消防車輌事業の資産は前年同期に比べ421百万円減少し、48,841百万円となりました。
防災
防災事業の資産は受取手形及び売掛金の減少等により、前年同期に比べ1,451百万円減少し、26,903百万円となりました。
産業機械
産業機械事業の資産は前年同期に比べ16百万円減少し、3,755百万円となりました。
環境車輌
環境車輌事業の資産は前年同期に比べ104百万円増加し、16,997百万円となりました。
全社
全社の資産は現金及び預金の増加等により、前年同期に比べ4,488百万円増加し、21,239百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,010百万円増加の13,182百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ1,175百万円増加し、8,389百万円の収入(前年同期は7,213百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益1,022百万円、売上債権の増減額4,359百万円、未払消費税等のその他の増減額933百万円、法人税等の支払額642百万円によるものです。一方、主な減少要因は、仕入債務の増減額5,979百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ945百万円増加し、1,427百万円の支出(前年同期は2,372百万円の支出)となりました。主な増加要因は、有形固定資産の取得による支出が845百万円減少したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ543百万円増加し、2,966百万円の支出(前年同期は3,509百万円の支出)となりました。主な増加要因は短期借入金の純増減額640百万円によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
内部資金又は借入れにより資金調達することとしております。借入れによる資金調達に関しては、運転資金については主に短期借入金で調達しており、生産設備や企業買収などの長期資金は固定金利の長期借入金で調達しております。
2019年3月末現在、短期借入金1,124百万円、1年内返済予定の長期借入金816百万円、長期借入金7,948百万円となっております。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当連結会計年度における当社及び連結子会社の研究開発費の総額は、
消防車輌事業におきましては、福祉・介護、高齢化社会という社会的課題に向けた対策として、はしご車「SUPER GYRO LADDER」に、車いす対応バスケットの装備と、最大矯正角度11度に対応した高機能タイプを開発しました。はしご先端のバスケット構造を大幅に見直し、大型化、搭乗間口の拡大、側面乗降スロープ等を採用したことで、車いす乗車のままでもスムーズな救助が行えます。また、はしご車の安全操作においては、モリタのジャイロ方式傾斜矯正装置を進化させ、ターンテーブル上部を常に水平に保つ傾斜矯正角度の範囲を従来の最大7度から最大11度へ向上させました。さらに付帯するジャイロディスプレイとジャッキ操作装置の操作性の向上に取り組み、これらにより、より効率的な消防・救助活動を可能とした業界トップレベルのはしご車を開発しました。一方で、船舶用CAFS(圧縮空気泡消火装置)の開発として、2017年度において船舶既設の電源と消火栓水を利用したCAFS試作品(ノズルからの泡放射程12m以上、泡放射量約450L/min)を完成させましたが、2018年度は、CAFS性能を維持した上で、電源を使用しない船舶既存のエア配管設備から圧縮空気を有効活用できるCAFSユニットの構想設計及び性能試験を実施し、商品化に向け取り組みました。また、新たなソリューションとして、消防隊員の安全な活動をサポートする無線通信機能付き携帯警報器を開発しました。消防隊員が活動中動けなくなった場合に、光と大音量の警報音で隊員の危険を周囲に知らせる従来の機能に加え、無線通信機能を付けることにより、各消防隊員の周囲温度や危険な状況を指揮隊がタブレット端末画面を用いてリアルタイムで把握し、指揮隊から警報器に退避命令を一斉送信することで、逃げ遅れによる事故を防ぐこともできます。また、警報器は、可燃性ガスや引火性液体などがある危険なエリアでも安心して使用できるよう国内防爆規格の型式検定にも合格しました。
これら消防車輌事業にかかる研究開発費は、
防災事業におきましては、消火器部門において、生産性向上を目指し、アルミ製蓄圧式消火器「アルテシモ」シリーズの主力機種である「アルテシモⅡ」10型(消火薬剤量3㎏・掛け具付き)の製造ラインを自動化しました。また、「防災をライフスタイルに。」をコンセプトに生活者のライフスタイルに寄り添うブランド「+maffs」を立ち上げ、住環境に調和させた新たなデザインの住宅用消火器を2019年1月より販売開始しました。設備部門においては、法改正に伴う小規模福祉施設へのスプリンクラー設備等の需要増に対応すべく、パッケージ型自動消火設備Ⅱ型「スプリネックスミニ」シリーズのCPW13161型の生産性・安定供給性の向上に取り組み、CPW13161B型を2018年9月より販売を開始しました。また、パッケージ型自動消火設備Ⅰ型「スプリネックス」シリーズでは、格納箱の内製化を推進させ生産性向上を実現しました。
これら防災事業にかかる研究開発費は、
産業機械事業におきましては、廃棄物用破砕機プラントで発生する爆発事故の被害を最小化すべく、防災設備の開発に取り組み、爆発抑制装置「ハイパーガード」を新たな製品ラインナップに追加し販売を開始しました。今後、国内での破砕選別処理の増加が見込まれる雑品スクラップ等の雑多な廃棄物を、安全・安心に破砕処理し、リサイクル資源の国内循環を促進すべく、引き続きさらなる技術開発に取り組んでまいります。また、切断機においては、前年度開発した高効率切断機の製品シリーズの拡大を図り、400型、800型、1000型を市場投入しました。従来機比約20%のランニングコスト削減を可能とする開発技術により、ユーザーにとっての生産性向上、及び省エネニーズに応え、低炭素社会、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。
これら産業機械事業にかかる研究開発費は、
環境車輌事業におきましては、塵芥収集車において、力強い外観デザインと安全性、メンテナンス性に配慮し、フルモデルチェンジした中型プレス式塵芥車「Press Master(プレスマスター)PB7型」の販売を、2019年3月より開始しました。また、回転押出式塵芥車や全高制限塵芥車などのシリーズ開発を行い、製品ラインナップの充実を図りました。引き続き、更なる利便性向上と生産性向上の実現に取り組んでまいります。衛生車においては、オペレーターの労働環境の改善と、作業現場周辺や車輌の保管場所等で発生する不快な臭いの抑制を目指し、花王株式会社と臭気対策技術に取り組み、真空ポンプオイル用添加香料「ミラクルチェンジャーJ01」を共同開発し、2018年11月より販売を開始しました。お客様のニーズに応えるべく、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。
これら環境車輌事業にかかる研究開発費は、