第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、多様化する「食」に対するニーズの変化に対応し、お客様のみならず社会に貢献できる「進化する企業」を目指し、これを満たすため、独自の技術に基づくオリジナル製品を創造し、より快適でより効率的な食環境へ向けての新たな提案と迅速かつ高品質なサービスを提供することをグループの経営理念に掲げ、その実現・実行を目指しております。

このため、遵法はもとより社会と社員から信頼される会社づくり、透明性のある経営、議論のできる経営の実践、事業活動と環境との調和、働きやすい職場環境の実現に向け、努力してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 長期的なありたい姿の実現に向け、持続可能な事業モデルへの変革を推進し、将来事業成長加速の基盤となる経営ビジョンを策定し、経営戦略及び目標とする経営指標の水準を定めております。

 長期的なありたい姿としては、「これから伸び行く新たな市場並びに未開拓市場で先手を取り、存在感を高めることで、世界No.1を目指す」ことと、「『食』に関わるお客様及び社会の課題を、製品・サービスの提供を通して解決することで、地球の未来に貢献する」ことを掲げております。

 今後の戦略の方向性としましては、多様化する顧客ニーズ及び社会から要請される課題解決に向けて積極的な取り組みを強化するとともに、持続的成長を可能とするグローバルな事業基盤と安定的な収益基盤を構築していきます。

 日本においては、既存飲食市場を深掘しつつ、成長を求め飲食外市場開拓を一段と強化します。具体的には環境変化が速い飲食市場及び多様な顧客を有する飲食外市場の顧客に対応するため、新たな販売モデルを確立することを目指します。また、海外においては、既存市場の成長を最大化しつつ、伸び行く新興市場への他社に先行した進出と事業拡大を行っていきます。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループでは、2022年度を初年度とする5ヵ年経営ビジョンを策定し、経済価値及び社会・環境価値それぞれの継続的な向上を目指し、目標とする経営指標を定めております。経済価値向上に向けては、連結売上高及び連結売上高営業利益率を重要な経営指標と捉え、それらの継続的な向上を目標としております。目標とする経営指標の水準として、2026年度連結ベースでは売上高4,500億円、売上高営業利益率14%以上(M&Aのれん償却前)を掲げ、ROE、ROIC等の資本効率の向上を図りながら、持続的成長と企業価値向上を目指していきます。社会・環境価値向上に向けては、世界的な環境問題解決の実現に貢献すべく、CO2排出削減の目標を掲げております。また、全ての社員が多様な価値観を共有し、誇りを持って働くことができる活力ある職場風土への進化を目指し、女性役職者の育成・登用の目標を掲げるとともに、社員の働きがい向上に継続的に取り組んでまいります。

 

(4)対処すべき課題

フードサービス業界を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による経済・社会活動の停滞が徐々に緩和され、人の流れが活発化し、客数の増加や価格改定による客単価増などの明るい兆しも見え始めました。一方で、今後も業界の垣根を越えた競争の激化、人手不足や人件費の上昇、原材料や物流費の高騰などの懸念材料については継続が予想されます。

当社グループでは、ステークホルダーとの対話を通じて社会課題と事業の関係性を整理し、社会と事業、双方からの重要度によって項目を整理することで、今後の活動の方針にも活かせるものと考えています。フードサービス業界が抱える課題として「市場規模の縮小」「中食・食品宅配市場の拡大」「人手不足」といった点がある中、食のバリューチェーンにおけるお客様及び社会の課題解決のため、取り組むべき対処すべき課題として抽出した以下6つの項目について、引き続き解決に向けた努力を行ってまいります。

①気候変動への対応

 日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」を発表しました。2050年までに日本全体の温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを掲げたこの宣言の実現に向けて、多くの企業が温室効果ガス排出量削減の取り組みを加速しています。

 気候変動が社会に与える影響は大きく、当社グループにおいても取り組むべき重要な社会課題だと捉えています。脱炭素社会の実現に向け、2030年の中間目標として事業活動からの二酸化炭素排出量(スコープ1&2)の50%削減(2014年実績比)を目指します。さらに2050年のカーボンニュートラルに向けて環境負荷低減を実現する製品・サービスの提供、環境技術の開発を推進していきます。2022年2月にはTCFD提言への賛同を表明し、ステークホルダーとの良好なコミュニケーションのため、TCFDフレームワークに基づく情報開示を進めています。

 

②持続可能なサプライチェーンマネジメント

 企業がサプライチェーンを通じて、間接的にでも途上国の環境破壊や人権侵害に加担しているとされれば、ネガティブキャンペーンの対象となり、消費者からボイコットされるなどのレピュテーションリスクやブランドリスクにつながる可能性がますます高まってきております。グローバル企業として、その活動がサプライチェーンに及ぼしている影響の大きさを理解し、サプライチェーンが抱える社会的課題の解決に取り組むことが今後の当社グループの持続的な成長に不可欠と考えています。

 また、健全なサプライチェーンのもとでこそ、消費者により安全・安心な製品・サービスをお届けできると考えています。

 当社グループは、法令を遵守し、環境や人権に配慮したサプライチェーンにより、廃棄物を最小限に抑え、健康で安全な労働条件を促進してまいります。

 

③新たな顧客価値の創造

 先進国の経済・社会構造は,モノ中心の経済・社会からサービスや情報中心の経済・社会に大きく変わろうとしております。お客様が望む価値を確実に提供し続け、お客様との関係をより長期的且つ強固なものにすることで、顧客満足を獲得し、企業は成長を持続することができます。顧客価値創出のためには、お客様の立場になって考え、一人ひとりの声に耳を傾けることからはじめる必要があります。これらの環境変化を踏まえた上で、機会としては、お客様の満足度向上によるブランドへの信頼獲得やステークホルダーへの適切な情報公開による信頼獲得、リスクとしては、製品の品質クレーム・トラブルによるお客様からの信頼低下といった点が想定されます。

 これらの機会やリスクに対応するために、顧客接点を継続的に保ち、さらにこれを増やす取り組みとして、国内外問わず数多くの商品展示会に出展し、お客様の声に耳を傾け、顧客ニーズを把握しております。お客様がお困りになっていると思われるシチュエーションを展示ブース内に再現し、課題解決を図る当社製品のデモンストレーションを実施しております。

 また、昨今の非対面でのコミュニケーションニーズも踏まえ、フィジカル・バーチャル両面でお客様とのコミュニケーションをより深め、「こんなものが欲しかった」、「こういうサービスをして欲しかった」といった“お客様が知らなかったサービス”を“お客様が気づく前に”提供できるよう最適なソリューションの提案や製品・サービス開発を行ってまいります。

 

④安全・安心な食環境づくりへの新たな提案

 私たち人間が生きていくためには食が欠かせませんが、近年、急速な経済発展に伴い、我が国の生活水準が向上すると共に、社会経済構造や国民の食に関する価値観など「食」をめぐる状況が変化し、食生活のあり方も多様化してきています。このような中、核家族化の進展や地域社会の弱体化などにより、食の大切さに対する意識が希薄化すると共に、健全な食生活や古くから各地で育まれてきた多彩な地域の食文化が失われつつあることが危惧されています。「食べる」ことはヒトが生きるために不可欠な行為ですが、社会情勢や経済状況、地域の文化の影響を色濃く受けるものでもあります。

 よりよい製品やサービスを世界各地で販売することにより、世界各地での食文化へ貢献し、どのような状況においても、より良い状態で食を世界各地の人々に届けることは、私たちの使命です。食べることを通じた豊かな暮らしに貢献できると考えています。

 

⑤社員の働きがいの向上

 事業を通じてお客様・社会に貢献し、会社と社員が共に進化・成長し続けるためには、社員の働きがいの向上が大切です。当社グループでは、活力にあふれる社員がポテンシャルを最大限に発揮する会社であり続けるために、「社員一人ひとりの成長に向けた機会づくり」「活力あふれる職場風土づくり」を通じ、社員の働きがいの向上に取り組んでいます。

 「社員一人ひとりの成長に向けた機会づくり」としては、次世代経営者育成研修、グローバル人材育成プログラム、サービス研修、等のOff-JTを通じた能力開発と共に、一人ひとりの「将来ありたい姿」の実現に向けたキャリア開発を進め、成長を実感できる機会及び場の提供に取り組んでいます。

 「活力あふれる職場風土づくり」としては、多様な人材が個性や能力を発揮できる環境の創出に向け、多様な人材の採用、働きやすい職場環境づくりを進めています。

 様々なライフステージ・生活スタイルの社員が働きやすいように人事制度を整えると共に、職場内コミュニケーションの更なる活性化、互いを尊重する風土づくりに取り組んでいます。定期的に社員意見調査を行い、現状を確認すると共に課題点を明確にすることにより、今後も継続して社員の働きがいの向上に取り組んでまいります。

 

⑥経営基盤の強化

 取締役会の実効性向上や内部統制の強化・充実等により、コーポレートガバナンスの実効性向上に努めます。また、コンプライアンスに関するリスクの予防措置や教育等の施策を実施し、法令遵守と風通しの良い企業文化の醸成を図ることで、持続的成長と社会からの信頼性の向上に努めます。

 お客様に安全と安心を提供することは企業の社会的責任であり、当社グループは、製品に関わる法令遵守と製品事故の撲滅に取り組むことで、安全性の高い製品を提供し、競争力の強化と社会からの信頼性向上に努めます。

 当社グループはもとより、パートナーやサプライチェーン全体に対して、企業の社会的責任を強く意識した事業運営を促すことで、サプライチェーン上の環境・人権等のリスク低減を図ります。

 

2【事業等のリスク】

 

1.当社のリスク管理体制

 当社は、当社グループの事業活動に関するリスク管理を所管するコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、毎月1回開催することにより、リスク管理のグループへの推進と情報の共有化を図り、リスクへの迅速な対応とリスク顕在化の回避及び軽減等の決定を行っております。委員は、社外取締役を含む全取締役で構成されており、取締役会が定めたリスク管理規程に従って、事務局である法務部を所掌する執行役員がコンプライアンス・リスク管理統括責任者に指名されてリスク管理体制の運用に当たっています。

 当社グループは、リスク・リストを定め、各リスク分野を所掌する部署は、各々の職務分掌に基づいて担当職務ごとにこれらのリスクを管理(リスク・マッピング)し、重要度と脆弱性が高いと分類されたリスクについては、優先   的に対策を立案し、随時実践して行くこととしています。

 また、リスク管理規程に基づくリスク管理情報報告の制度の下、日常の事業活動の中で各部署あるいは各グループ会社で認識されたリスクは、随時コンプライアンス・リスク管理統括責任者に報告されることとしています。認識されたリスクについては、コンプライアンス・リスク管理委員会にて社外取締役からも助言や指導を得て、対策の立案と推進に活かしています。

 

2.事業等のリスク

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性のある主要なリスクは以下のとおりです。これらは必ずしも全てのリスクを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。また、特定された主要なリスクに対して 講じている各々の対応をしても全てのリスクの発生を排除することができず、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、記載事項のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報等に基づいて、当社グループが判断したものです。

 

(1)気候変動に関連するリスク

 気候変動が社会に与える影響は大きく、当社グループとしても気候変動への対応を取り組むべき重要な社会課題と捉えています。脱炭素社会の実現に向け、当社は2030年の中間目標として事業活動からの二酸化炭素の排出量を2014年比で50%削減を目指しております。将来低炭素化が進む想定においては、原材料調達コストの上昇、冷媒規制の強化対応、製品の脱炭素向上のための研究開発費・設備投資負担の増加等のリスクがあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 二酸化炭素排出量の削減に向け使用電力CO2換算係数の改善や省エネ設備の導入や設備の運用改善などに取組んでいきます。また、代替フロンも含め温暖化ガスを排出する冷媒への規制が世界的に強化されつつある中、地球温暖化係数の低い自然冷媒冷凍冷蔵庫への切り替えなどを通じて、より環境保護性能に優れた製品と省エネ・省力化に寄与する製品の提供を目指すことにより、サプライチェーンも含めた温暖化ガス削減に取り組む活動を進めております。

 

(2)天候・災害等について

 当社グループの主力製品は、製氷機、冷蔵庫等ですが、用途の特性上需要期の天候が業績に影響を及ぼします。また、地震・風水害等の大規模自然災害、テロ等の人為的災害及び感染症等が発生した場合、当社グループの設備、情報システム、取引先等の操業等に影響が出る可能性があります。このような災害発生時には、当社グループの生産活動及び販売活動に大きな影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新型コロナウイルス感染症などの重大な感染症が拡大した場合、当社グループの営業・生産活動等に影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 自然災害等への備えとして、BCP(事業継続計画)を策定すると共に必要な保険を付保して、災害等発生時にも事業及び財政状態等への影響を最小限に抑えています。

 新型コロナウイルス感染症に対しては、引き続きグローバル・レベルで社員の感染防止策を適切に実践しつつ営業・生産活動を展開すると共に、生産性の向上やコスト削減、製品の安定供給等にも取り組んでおります。また、アフターコロナにおける生活様式やマーケットの変化に対しては新たな市場や需要の開拓により対応し、経営成績等への影響の極小化に引き続き努めています。

 

(3)製品の品質について

 当社グループが生産している製品及び他社仕入商品については、高品質な製品を安定供給するという基本方針の下、厳重な品質管理をして出荷しています。しかしながら、万一、市場クレームの発生等によって想定を超える品質問題が発生した場合には、製品・部品の不具合点検と交換による費用が発生することに加え、企業イメージや社会的評価が低下する可能性があり、その場合には当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社は、品質保証部が、全社的立場から品質改善や品質管理を徹底・強化すると共に、グローバル製造部による海外各国の製造拠点に対する製造品質支援も定着し、さらなる品質向上に努めています。万一品質問題が発生したときは、品質保証部、法務部その他の関係部署が連携して解決に万全を期す体制を整備すると共に、PL保険(生産物賠償責任保険)を付保して財政状態等への影響を軽減する措置を取っています。また、海上輸送や国内輸送中に生じ得る製品等の毀滅リスクを低減すべく、保険会社の知見を活用したloss prevention(損失予防)活動を強化しています。

 

(4)原材料・部品の調達について

 当社グループの製品における原材料、部品等は、市況の変動等により調達価格が高騰した場合は製造コストに影響を及ぼします。製造コストの低減や製品価格への転嫁が困難な状況においては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、新型コロナウイルス感染拡大で顕在化した世界的サプライチェーンの混乱や中国ロックダウン等を起因とする部材の調達難が起こった場合には、当社の製品製造にも少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社の調達活動において、間接的にでも環境や人権問題が発生し適切な対応が取られていない場合、顧客との取引の停止や行政罰、また、社会的信頼の喪失につながる可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社グループは、市況の変動等による原材料価格の変動リスクを吸収し得る製造原価低減策やIT投資による業務効率化向上施策及びその他の経費節減を継続し、高利益体質への強化を引き続き図ってまいります。

 また、半導体等部材の調達懸念に対しては、代替可能材料や部品を積極的に取り入れています。その調達先も複線化する等グローバルで見直し、部品の確保等により需要回復に対応した増産に努めています。また、部材価格や物流費の高騰に対しては予実管理を強化すると共に、自社努力のみでは収益性の改善は困難と判断した場合は、製品価格の改定を実施しております。

 当社グループは対処すべき重要な課題の一つに持続可能なサプライチェーンマネジメントを掲げ、環境や人権に配慮した責任ある調達活動を目指しています。また、EUを始め各国で制定されつつある人権デューディリジェンスの法令化に対応し、契約への反映等コンプライアンスの徹底を目指しております。

 

(5)価格競争について

 当社グループを取り巻く事業環境は、フードサービス産業における競争が激化するなか、競合他社との競争は大変厳しくなっております。当社のコスト低減レベルを超えて低価格競争が激化した場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社グループは、製品の品質、コスト(労務費、物流コスト等を含む)、技術・サービス等のあらゆる面で、継続的かつ積極的に競争力の向上に努めています。特に、より高品質で独創的な、環境保護性能に優れた製品や省エネ・省力化に寄与する製品の提供により他社との差別化を推進し、市場シェアの拡大を目指しています。また、各地域の需要動向、製造コスト等を総合的に勘案した上で、製造拠点や供給方法の最適化を進めていきます。

 

(6)情報セキュリティについて

 当社グループは、事業活動を通じて、取引先等の個人情報あるいは機密情報を入手することがあります。これらに加え、技術、契約、人事等に関する当社グループの機密情報について、サイバー攻撃等による不正アクセスや保存情報の破壊、漏洩等が発生した場合には、当社グループの事業継続に支障を生じさせる等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社は、情報セキュリティ管理について、適切な技術対策、社内管理体制の整備、社員への教育等の対策の実施を進めています。技術的には、従来の入口対策(不正アクセスや不正ソフトウェア等の侵入を防ぐ対策)に加えて、システム・ネットワーク監視や出口対策(機密情報等の漏洩を食い止める方策)を導入し運用しています。また、標的型攻撃メール等のセキュリティ・インシデントを想定した訓練を実施しています。2022年には新たにグローバルでのサイバー保険を付保し、インシデント発生時にも事業及び財政状態等への影響を最小限に抑えています。

 また、新型コロナウイルス感染症対策の一環としてテレワーク制度が導入されたのに合わせて、情報セキュリティに配慮した勤務環境を提供する必要から、暗号化通信によるネットワーク環境の提供と、会社指定デバイス以外からのネットワークへの接続を制限するなどの対策を取っています。

 

(7)法的規制等について

 当社グループは、事業活動を行う国や地域において、食品衛生規制、環境保護規制、贈賄防止法、投資許認可、安全規制、輸出入規制、人権や労働関係法制等の様々な政府規制の適用を受けています。また、経済関連法令の主なものとして、独占禁止法・競争法、知的財産権に関する法令、法人税、関税、付加価値税、為替取引等の税法の多岐に渡るものがあげられます。とりわけ環境保護関係では、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、有害物質の使用、廃棄物処理、製品リサイクル等を規制する様々な法令の適用を受けております。

 このような規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限され、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社ではコンプライアンスをコアバリューの一つと位置付け、法務部を中心に法令遵守を徹底する活動に力を入れると共に、万一、法令違反、不適合等の問題が発生した場合にも適切に解決する体制を強化しています。また、毎年、強化すべきトピックを取り入れたコンプライアンス研修を当社グループ全社員向けに実施し、法改正時には関係者に要点を周知徹底することで意識と知識の向上に努めると共に、法令違反や不適合などの行為については内部通報制度などでこまめに拾っていくという、人づくり・仕組づくりを実施しています。

 

(8)知的財産権について

 当社グループが生産・販売する製品に関連して保有する知的財産権を、第三者が不正に使用して類似製品を製造、販売することを完全には防止できない可能性があります。一方、当社グループが製品を開発する際は、第三者の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っていますが、第三者から侵害訴訟を提起された場合、当社グループの信用低下や損害賠償責任の発生等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社グループは、技術企画部が知的財産権を管理し、当社の知的財産を保護し、第三者の知的財産権の侵害を防止する体制を取っています。また、法務部に知的財産関係の知見を豊富に有する人材を配置し、全社的に管理体制を強化しています。2020年に海外で発見された模倣品を排除する方策を、当該国の政府担当部局と協力して取っています。

 

(9)重要な訴訟事件等について

 当社グループの事業活動に関して重要な訴訟その他の法手続が提起又は開始されるリスクは皆無ではありません。当報告書作成の時点では、重要な訴訟等はありませんが、万一、将来提起され、不利な判断がなされた場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社では、2020年3月に法務部を新設し、グローバル法務の知見の豊富な人材を採用し、紛争処理、紛争予防及び渉外法務を3本柱として法務理体制を強化しています。

 

(10)企業買収等について

 当社グループは、既存の事業基盤の拡大やシナジーを創出するため、あるいは新たな事業分野への進出のために、企業買収や事業提携を行うことを成長戦略として位置付けております。その実施に際しては十分な検討を行いますが、買収後の事業計画が当初の計画通りに進捗しない場合には、のれん等の減損処理あるいは多額の資金投入が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社グループは、企業買収等を行う場合、買収前には、外部専門家によるデューディリジェンスの実施や事業計画の妥当性検証を十分に行うことでリスク軽減を図るとともに、買収後には、想定した効果を創出すべくPMI(post-merger integration)において組織力を積極的に発揮し、事業計画の達成に取り組んでおります。

 

(11)政治経済の状況について

 当社グループが事業活動を行う主要な市場における政治経済の状況や変動は、当社グループ製品の主な販売先であるフードサービス産業、流通業界等の企業業績動向に影響を及ぼします。特に、ロシアのウクライナ侵攻を始めとした米州、欧州、アジア各国における地政学リスクの高まりや、各国の物価上昇や金融・経済政策の影響による経済環境の悪化等は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社グループは、国内及び海外における政治、経済及び社会のリスクをグループ会社ごとに見える化し、各種のリスクに適時適切に対応することにしています。

 

(12)為替相場の変動について

 当社グループは需要地生産を中心としているため、輸出入取引に係る為替相場の変動による影響は限定的ですが、部材の調達等を外貨建てで取引しているものもあり、為替動向によっては製造コストや売上高に影響を及ぼす可能性があります。また、連結財務諸表の作成にあたって、各グループ会社の現地通貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目を円換算しているため、換算時の為替レートによりそれらの項目の円換算額が影響を受けます。加えて、当社が保有する外貨建預金や海外の関係会社に対する投資を換算する際の為替相場の変動は、当社グループの財政状態、包括利益を含む経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 当社が保有する外貨建預金や海外の関係会社に対する投資については、主要な通貨別の為替換算による影響額を継続的モニタリングし、ポジションを見直す等随時必要な措置を取って為替リスクの低減を図っています。

 

(13)人材確保、育成について

 当社グループは、2022年12月末現在において内外拠点に研究開発人員を約520名、国内販売会社に営業人員約3,200名、サービススタッフ約2,600名を擁し、グローバルに技術、製造、販売、サービスの各部門に配置するプロフェッショナル人材及び経営人材を重要な人的資本と位置付け、その育成、拡充に力を入れております。労働人口が減少傾向にあるわが国を始め労働市場において人材の確保のための競争は激化しており、優秀な人材の採用や育成、雇用の継続が困難になった場合は、結果として当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(リスクへの対応)

 経営ビジョンと長期的にありたい姿の実現に向けて、重要課題の1つに社員の働きがいの向上を掲げています。そのために、一人ひとりの成長に向けた機会作りとして教育制度を整備し、次世代経営者の育成と社員教育の充実に努めております。また、活力ある職場風土づくりとして社員満足度調査(ES)を毎年実施し、社員の働きがいの向上に取組んでおります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルスの新変異種の出現による感染症再拡大に始まり、物価高や為替相場の変動といった厳しい環境に見舞われたものの、ウィズコロナの浸透による社会経済活動の正常化に向けた着実な動きが見られました。海外では、国内よりも早期に経済の回復が進んだ一方、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、欧米の歴史的なインフレとそれに対応する利上げの発生や、中国のゼロコロナ政策の影響による経済成長の鈍化等、先行き不透明な状況が継続しました。

このような環境の中、当社グループは、国内では、段階的に回復する飲食市場への拡販及び流通販売業や加工販売業等の飲食外市場への拡販と新規顧客の開拓に注力しました。上半期においては世界的なサプライチェーンの混乱や中国ロックダウン等を起因とする部材の調達難が起こり製品供給への制約が生じましたが、7月以降は段階的に緩和に向かいました。一方、部材価格の高騰は継続しており、自社努力のみでは収益性の改善は困難と判断し、6月には製品価格の改定を実施しております。

海外では、経済の持ち直しに伴う需要の回復への対応に注力する一方で、一部製品においては、部材の調達難が起こり製品供給への制約が生じました。また、世界的な部材価格や物流費の高騰、米国を中心とした人手不足や人件費の上昇等の影響を受ける中、製品価格の改定を随時実施し、収益性の維持に努めました。

 

イ.経営成績

当連結会計年度の業績は、売上高は3,213億38百万円(前期比17.1%増)、営業利益は279億15百万円(同12.0%増)となりました。保有外貨資産等の円換算評価による為替差益90億32百万円を計上したこと等により、経常利益は377億63百万円(同21.2%増)となりました。また、特別損失として事業構造改革費用31億22百万円を計上したこと等により親会社株主に帰属する当期純利益は243億45百万円(同12.3%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

1.日本

日本におきましては、上半期は部材の調達難が起こり、代替部品の確保等に努め生産活動は継続したものの、製品の納品までのリードタイムが長期化しておりました。また、代替部品の調達にかかる費用や部材価格の高騰が利益に大きく影響していた中、6月に製品価格の改定を実施しております。下半期は部材の調達難が段階的に緩和し、ほぼ全ての製品が通常生産可能となり、特に主力製品である冷蔵庫、製氷機及び食器洗浄機等の拡販に努めました。その結果、売上高は1,934億7百万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は192億99百万円(同17.1%増)となりました。

2.米州

米州におきましては、部材の調達難による製品供給への制約も生じる中、経済の回復に伴う強い需要に対して、製氷機、ディスペンサ等の拡販に努めました。また、製品価格の改定によって収益性の維持に努めた一方で、急激なインフレに伴う部材価格や人件費の高騰の影響を受けました。その結果、売上高は797億3百万円(前期比30.4%増)、セグメント利益は54億47百万円(同3.0%減)となりました。

3.欧州・アジア

欧州・アジアにおきましては、欧州において製氷機部材の調達難・供給制約があったものの、飲食店向けを中心に主力製品の拡販に努めました。また、インドにおいては冷蔵庫の販売が好調に推移しました。その結果、円安による為替換算の影響もあり、売上高は571億58百万円(前期比44.9%増)、セグメント利益は48億20百万円(同39.9%増)となりました。

 

ロ.財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ437億57百万円増加し、4,222億27百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ175億94百万円増加し、3,282億40百万円となりました。主な要因は、生産増に対応した原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ261億62百万円増加し、939億86百万円となりました。主な要因は、のれんの増加によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ109億92百万円増加し、1,296億円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ85億38百万円増加し、1,029億87百万円となりました。主な要因は、仕入増加に伴う支払手形及び買掛金の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ24億53百万円増加し、266億12百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ327億65百万円増加し、2,926億27百万円となりました。主な要因は、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加によるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ50億53百万円増加し、1,866億69百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、51億70百万円の収入(前期は273億43百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が346億32百万円ありましたが、棚卸資産の増加169億25百万円、法人税等の支払額135億94百万円あったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、19億41百万円の収入(前期は52億38百万円の収入)となりました。主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が187億48百万円、有形固定資産取得による支出51億56百万円でありましたが、一方で定期預金の純減による収入が270億48百万円あったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、133億49百万円の支出(前期は81億22百万円の支出)となりました。主な要因は、配当金の支払額が123億6百万円あったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

70,893

110.6

米州(百万円)

68,824

162.5

欧州・アジア(百万円)

45,234

148.7

合計(百万円)

184,952

135.1

(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

ロ.商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

49,710

111.6

米州(百万円)

3,154

137.2

欧州・アジア(百万円)

6,421

105.9

合計(百万円)

59,286

112.0

(注)金額は、仕入価格によっております。

 

ハ.受注実績

当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

ニ.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前期比(%)

日本(百万円)

186,439

106.4

米州(百万円)

79,054

130.4

欧州・アジア(百万円)

55,845

144.9

合計(百万円)

321,338

117.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績等の分析

1.経営成績

売上高は3,213億38百万円(前期比17.1%増)となりました。セグメントごとの売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、日本は1,934億7百万円(同6.9%増)、米州は797億3百万円(同30.4%増)、欧州・アジアは571億58百万円(同44.9%増)となりました。海外売上高は1,348億99百万円(同36.1%増)となり、連結売上高に占める海外売上高比率は42.0%(同5.8ポイント増)となりました。

売上原価は2,095億19百万円(前期比19.9%増)となりました。売上総利益は1,118億19百万円(同12.2%増)となりました。売上総利益率は34.8%(同1.5ポイント減)となりました。

販売費及び一般管理費は839億3百万円(前期比12.2%増)となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は26.1%(同1.1ポイント減)となりました。営業利益は279億15百万円(同12.0%増)となりました。セグメント利益は日本は192億99百万円(同17.1%増)、米州は54億47百万円(同3.0%減)、欧州・アジアは48億20百万円(同39.9%増)となりました。

営業外収益は為替差益が90億32百万円あったこと等により110億51百万円(前期比69.8%増)となりました。営業外費用は12億3百万円(同337.1%増)となりました。経常利益は377億63百万円(同21.2%増)となりました。

特別利益は81百万円(前期比32.4%減)となりました。特別損失は事業構造改革費用を計上したこと等により32億12百万円(同5,794.3%増)となりました。税金等調整前当期純利益は346億32百万円(同10.9%増)となりました。

法人税等合計は97億39百万円(前期比5.5%増)となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は5億46百万円(同69.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は243億45百万円(同12.3%増)となりました。

なお、経営成績に影響を与える要因の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 」もご覧ください。

 

2.財政状態

財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ロ財政状態」のとおりであります。

 

3.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

また、事業運営上必要な資金を確保すると共に、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。事業活動に必要な資金については、主に内部資金を活用しております。また、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は18億97百万円、現金及び現金同等物の残高は1,866億69百万円となりました。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

(株式及び持分取得による会社の買収)

 当社は、2022年1月18日取締役会の書面決議にて、当社の連結子会社であるHoshizaki Europe Holdings B.V.を通じてイタリア共和国の業務用製氷機メーカー Brema Group S.p.A.社の全株式及びFinimma S.r.l.社の全持分を取得し、子会社化(当社の孫会社化)することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご覧ください。

 

(当社連結子会社による株式取得(孫会社化)の件)

 当社は、2022年7月15日取締役会において、当社の連結子会社である星崎(中国)投資有限公司を通じて中華人民共和国(以下、中国)の厨房設計・施工会社である北京東邦御厨科技有限公司の株式の一部を取得し、子会社化(当社の孫会社化)することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご覧ください。

 

(会社分割)

 当社は、2022年10月14日開催の取締役会決議に基づき、会社分割により中間持株会社であるホシザキ販売株式会社を2023年1月5日付で設立いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご覧ください。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、日本では当社及び株式会社ネスターが製品の研究開発を行っており、米州ではHOSHIZAKI AMERICA,INC.、LANCER CORPORATION等が、欧州・アジアではHOSHIZAKI EUROPE LIMITED、Western Refrigeration Private Limited等が行っております。当社グループにおける研究開発部門では、市場情報収集から要素開発、試作、設計、生産フォローアップまでの一貫した研究開発体制を持つことで、最終顧客の多種多様なニーズに対応しております。当連結会計年度は、新規開発及びモデルチェンジを中心とした開発活動と、収益性を向上させるためのコスト低減活動を行っております。

なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は4,623百万円となっており、セグメントごとの研究開発費は、日本は2,979百万円、米州は1,254百万円、欧州・アジアは389百万円となっております。当社グループにおける研究開発部門に所属する従業員は合計524名となっており、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

(1)日本

①当社

(冷蔵庫)

地球環境に影響をおよぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を使用した冷蔵庫・冷凍庫シリーズを開発し、製品化いたしました。環境に影響を及ぼす特定フロンや代替フロンに代えて自然冷媒を用いることで、従来製品に比べ地球温暖化係数(GWP)を約99%削減しました。また、当社独自構造により、業界規格の安全基準を国内で初めてクリアし、より高い安全性を担保しております。

 

(ショーケース)

テーブル形ショーケース RTS-90SNDを開発し、製品化いたしました。従来、RTSシリーズの製品幅900mmタイプは、奥行450mmのラインナップのみでしたが、この度、コンパクトさと収納量を両立した奥行600mmの製品をシリーズに追加いたしました。

 

(製氷機)

欧州・豪州・東アジア・東南アジア向けのクレセントアイスメーカーKM中形シリーズのモデルチェンジを行い、製品化いたしました。業界初の流量可変自動洗浄機能を標準搭載し、密閉性を向上させたパッキン付きステンレス製ドアを採用しました。

 

(洗浄機)

予備洗い付システム食器洗浄機P-SJWを開発し、製品化いたしました。飲食店等にご使用いただいている食器洗浄機に、食器が入った洗浄機用ラックの搬送、予備洗い、本洗浄、ラックを棚に収納するまでを全て自動で行う製品です。

 

(ディスペンサ)

ティーディスペンサーPTEシリーズのモデルチェンジを行い、製品化いたしました。環境保護や節約の観点からマイボトルの利用が増えている中で、マイボトルにも注ぎやすいよう、注出口を高くしました。また、今回新たに最大4種類の飲料をそれぞれホットとコールドで注出できるバリエーションを追加しました。

生ビールディスペンサーDBF-T43TDを開発し、製品化いたしました。横幅が約30cm、奥行約44cmのコンパクトサイズで、3種類の飲料を提供できる製品として業界最小の設置スペースとなります。小規模な飲食店などにも導入しやすい製品となっております。

人感センサー仕様のキューブアイスディスペンサーDIM-30D-1-Sを開発し、製品化いたしました。不特定多数の利用者が機器へ接触することに対する不安や衛生面といった課題解決が求められているなか、氷放出のための操作に赤外線センサーを採用し、スイッチに触れることなく氷を放出できるようにしました。

 

(その他)

デッキオーブンHDO-1Aを開発し、製品化いたしました。小規模店舗のカフェ等で焼きたてパンを提供する場合に導入しやすい小型の製品です。デッキオーブンの基本機能であるパンの焼成にこだわっただけでなく、細かなヒーター出力調節ができるため洋菓子にも対応できます。

小形スチームコンベクションオーブンMIC-1Aを開発し、製品化いたしました。設置スペースが限られる店舗にも導入しやすいコンパクトな製品で、オープンキッチン等の空間にも調和するデザインとしました。見やすい液晶画面やシングルアクションハンドルを採用することで日常の使い勝手の良い仕様となっています。当社シリーズ製品と同様に、蒸気発生方式にはIH方式を採用し正確で安定した蒸気で理想の仕上がりを実現します。

プレハブ冷蔵/冷凍用冷却ユニットのモデルチェンジを行い、製品化いたしました。新冷媒としてR448A(GWP 1386)を採用することで低GWP化を実現し、フロン排出抑制法に基づく環境影響度の目標達成をしております。

電解水生成装置WOXのモデルチェンジを行い、製品化いたしました。一度により多くの食品殺菌や調理器具類の除菌を行いたいお客様のニーズにお応えするため、次亜塩素酸水の生成流量を4.0L/分から5.0L/分に向上させました。また、次亜塩素酸水の食品殺菌効果を示す重要な基準の一つに有効塩素濃度があります。この濃度を注出中に随時表示する機能を追加することにより、食品殺菌に適した次亜塩素酸水が注出できていることを簡単に確認できるため、より安心してご使用いただけます。

小形ラピッドチラーHRC-2Aを開発し、製品化いたしました。国内最小の外形寸法を実現し、今までスペースの問題で、粗熱取機が設置できなかったお客様へも導入しやすい製品を開発しました。常温で食材を冷ます場合は、調理台などに食材を広げて冷ます必要がありましたが、小型粗熱取機を導入することで、場所を取ることなく、効率よく作業が行えるようになります。

 

(2)米州

①HOSHIZAKI AMERICA,INC.

ピザ調理用テーブル形冷蔵庫のモデルチェンジを行いました。冷気分配の効率化や温度調整の自動化により、食材を冷やしすぎることなく、鮮度を維持して保存することが可能です。これらの点が評価され、全米レストラン協会主催のKitchen Innovations(R)賞を、日系メーカーとしては唯一受賞しました。

 

②LANCER CORPORATION

ランサー上海を拠点とした中国・アジア市場開拓のため、自然冷媒を使用した環境配慮型の小型飲料ディスペンサを開発・製品化いたしました。中国・アジアの比較的狭いキッチンに合うように従来モデルに比べて小型にしており、厨房内の空間を有効に活用できます。また、内部ユニットをカートリッジ式にしたことで取り外しが可能になり、機器のメンテナンス性が向上しました。

 

(3)欧州・アジア

①HOSHIZAKI EUROPE LIMITED

大形クレセントアイスメーカーの販売ラインナップを強化し、本格的に販売を開始いたしました。欧州では地球温暖化に大きな影響を与える冷媒の使用を制限したFガス規制(※)が世界に先駆けて施行されています。本製品も同規制に適合した環境配慮型の製品であり、こうした環境負荷低減に効果的な製品は欧州市場で特に高く評価される傾向にあります。

※Fガス規制…高 GWP(地球温暖化係数)の冷媒を使用する機器の販売を禁止する規制

 

②Western Refrigeration Private Limited

主力の業務用冷蔵ボトルショーケースの新モデル4機種を開発・製品化いたしました。本製品は自然冷媒を採用し、従来製品に比べ消費電力を最大 17.8%低減させており、ユーザーと環境にさらに優しい製品として進化しています。