当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「水と人とのやさしいふれあい」を経営理念とし、地球環境保護にポンプ事業及びそれに附帯する事業を通じて貢献することを目指す上で、「創造・調和・情熱」を大切にし、独自の技術で広く社会に新しい流れを生み出し、熱意と信頼の和を育み人の心に潤いを提供し、柔軟な発想と独創性のもと常に前向きにチャレンジすることを基本方針としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、創業100周年を迎えた2024年3月期までの3年間における中期経営計画「NEXT 100」から、次の100年へ向け経営基盤を更に強化すべく、より“シンカ”(深化、新化、進化)させた新たな中期3ヵ年経営計画「Transformation 2027」を2030年に向けて取組むべきマテリアリティを踏まえた当社グループが目指すべき姿へのフォアキャスティングと位置づけ、「ものづくり」を軸とした改革を進めながら様々な課題に挑戦し、事業活動を通じて持続的な社会と企業価値向上の実現を目指すことを基本方針としております。
国内部門におきましては、近年益々重大な影響が懸念される異常気象への対策として、災害復旧用水中ポンプの供給体制をさらに強化するほか、2023年4月より発足しました『ものづくり革新プロジェクト』の中核事業として、当社のマザー工場である京都工場の新棟建設と、京都工場内設備への投資を行っております。本プロジェクトへの投資により、モータ内製化実現、最新設備の導入による生産効率向上や事業継続計画(BCP)対策の強化を図ります。
また、海外部門におきましては、グローバル戦略による経営基盤の強化を当社グループの最重要の経営課題と位置づけ、世界各国の多様なニーズに対応するために、2024年7月に設備産業分野に強みを持つイタリアのポンプメーカーであるZENIT INTERNATIONAL S.P.A.を完全子会社化しております。これにより製品ラインナップの補完・強化や両社の販売ネットワークを通じた売上の拡大、また新製品開発における両社技術の融合など、当社グループの長期的な成長基盤・収益基盤の拡大に結びつけ、企業価値向上の実現を図ってまいります。
さらには、サステナビリティの実現に向けて、新ブランドスローガン「For The Earth, For All The People」という当社グループ共通の価値観の下、持続可能な社会の実現に向けて「地球」そして「かかわるすべての人」この2つの軸を中心として、社会の課題解決に貢献してまいります。
・資本コストや資本収益性を意識した経営を行うことにより、業績向上及びROEの向上を図ります。長期的(2030年3月期まで)にはROE10%以上を目標としております。
・1株当たり年間配当金につきましては連結配当性向30%以上を目標とし、さらなる利益成長ならびに株主還元に努めてまいります。
当社グループは、長期経営計画「Tsurumi Vision 2030」を策定しておりますが、まず当社が2030年に向けて取組むべきマテリアリティを設定し、そのマテリアリティを踏まえた目指すべき姿・提供する価値はマテリアリティと相関関係にあり、事業活動を通じて持続的な社会と企業価値向上の実現を目指してまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、中国経済の減速や、金融市場におけるボラティリティの高さ、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高止まり、食品をはじめとした各種生活必需品の値上げによる買い控え、さらには米国の関税政策の動向など、日本経済そして世界経済への多大な影響が懸念され、国内外における景気の先行きが不透明な状況は今後も一定期間は継続するものと予想されます。
当社グループにおきましては、2年目となる中期3ヶ年経営計画「Transformation 2027」のもと、これからの100年に向かって経営基盤を更に強化すべく、「ものづくり」を軸とした改革を進め、当社グループ製品が社会インフラに対して必要不可欠なものであるという責任を十分に踏まえた上で、万全な体制で製品を供給し続けることができるよう努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、水を通じて100年にわたり地球環境と社会を支える活動を行ってまいりました。
近年、世界で持続可能な開発に向けた様々な課題解決が求められており、当社グループは「For The Earth, For All The People」をブランドスローガンとして掲げ、事業活動を通じて地球環境の共存と社会の発展に貢献していくとともに、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指しております。
ESG経営の推進に関しては、2021年度にSDGs推進室(現:戦略企画部)を発足しESGに関する取組を強化するとともに、当連結会計年度よりスタートした中期3ヶ年経営計画「Transformation 2027」において、「ESG経営の更なる推進」を柱の一つとして全社的な取組を更に加速させております。
For The Earth, For All The People
地球のために、かかわるすべての人のために
Earth 地球のために
●ISO14001に基づく環境マネジメントシステム
●環境長期目標「Green Plan 2030」達成に向けたGHG削減取組
・Scope1:電気自動車・ハイブリッド車への入替えや暖房の電化による燃料使用量削減
・Scope2:太陽光発電設備の導入による創エネや事業拠点での再エネ利用
・Scope3:高効率・省エネ製品の提供によるGHG削減
●環境関連機器提供による水資源への貢献
People かかわるすべての人のために
●社会インフラ整備や災害対策に貢献する信頼性の高い製品・ソリューションの提供
●従業員の成長と働きがいの向上
・自律型人財の育成
・エンゲージメントの向上
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・健康経営の推進
●スポーツ支援の推進
・カヌースポーツの普及活動
・バスケットボールを通じた地域貢献活動
(1)ガバナンス
取締役会
取締役会は、経営会議や取締役会の下に設置される各委員会の報告を受け、気候変動関連や自然関連を含むサステナビリティ関連の重要事項についての判断並びに各委員会での協議・決定事項についてレビューを行っています。
取締役会を代表する責任者は株式会社鶴見製作所の代表取締役社長であり、同時にサステナビリティ関連の責任者になります。
サステナビリティ戦略委員会
サステナビリティ戦略委員会は、サステナビリティ関連のリスク・機会における課題・対応策の協議・承認を行うために設置しております。委員長は常務取締役管理部門統括が務め、委員長がテーマに応じて役員および従業員等を委員として都度招集(年1回以上)します。気候変動関連や自然関連を含むサステナビリティ関連の協議・決定事項は取締役会へ定期的(年1回以上)に報告し、レビューを受けております。
リスク管理委員会
リスク発生の可能性を認識した上で、取締役会と所管部署との綿密な連携と情報共有を図るために、リスク管理委員会を設置しております。委員長は常務取締役管理部門統括が務め、委員長がテーマに応じて役員および従業員等を委員として都度招集(年1回以上)します。不正を含めたリスク評価を行う仕組みとなっており、リスク対策の協議・決定事項は取締役会へ定期的(年1回以上)に報告し、レビューを受けております。また、必要に応じて会計監査人、弁護士等の助言指導を受けております。
(2)戦略
①気候変動関連・自然関連
気候変動関連については戦略検討では主要なリスク・機会の抽出・特定およびシナリオ分析によって、特定したリスク・機会への対応策を立案しております。シナリオ分析では、IPCCの第6次評価報告書やIEAのWEOを参照し、2030年時点の1.5℃および4℃シナリオを想定しております。なお、検討は社内外の環境・情報の変化を踏まえて毎年度実施しており、2024年度の検討結果は以下の通りです。
IPCC:気候変動に関する政府間パネル
IEA :国際エネルギー機関
◎リスク・機会の抽出
◎シナリオに基づく評価と対応策
想定した気候変動シナリオ
・1.5℃シナリオ(IPCCのSSP1-1.9シナリオやSSP1-2.6シナリオ、IEAのNZEシナリオを参照)
世界のGHG排出量ネットゼロを達成するために、厳しい規制や技術革新が行われ、脱炭素社会への移行に伴う市場や顧客嗜好変化が事業に影響を与える環境を想定
・4℃シナリオ(IPCCのSSP3-7.0シナリオやSSP5-8.5シナリオ、IEAのSTEPSシナリオを参照)
世界の気候変動対策の取組に差があるため、規制や技術革新は大きなものにならない一方で、気温上昇・降雨などの気候変動による社会の変化が事業に与える環境を想定
◎シナリオ分析による主要なリスク・機会と対応策
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項目 〇:リスク●:機会 |
財務インパクト |
対応策 |
時間軸 |
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〇炭素税の導入 〇地球温暖化への対策不足 〇情報開示不足 |
小 |
『自社のGHG排出量(Scope1・2)の削減』 1.5℃シナリオ下では、炭素税が導入される可能性があります。企業成長に伴って製品生産時のGHG排出量は増加するため、炭素税が導入された場合には、減益のインパクトが大きくなります。また、炭素税の導入の有無には関係なく、GHG排出量の削減に取組まないことによって当社の評判が低下し、減益のインパクトが発生する可能性があります。 これらのリスクに対応するために当社では、2030年時点で自社のGHG排出量を2014年度比50%削減を掲げた環境長期目標「Green Plan 2030」を社内外に開示して、GHG排出量の削減に取組んでいます。具体的な削減策としては、照明器具のLED化や太陽光発電設備の導入、電気自動車・ハイブリッド車への入替えや暖房の電化等があります。これらの削減策の拡大や別の効果的な削減策を実施していくことで気候変動の緩和に貢献していくとともに、当社のリスク低減を図っていきます。 |
短~長期 |
|
〇低炭素技術への投資 ●省エネ製品の需要増加 |
大 |
『製品ラインアップの拡充による幅広いニーズへの対応』 気候変動がポンプ市場に及ぼす影響の例としては、陸上ポンプが選択されるフィールドでの製品の耐水化や高効率のモータを搭載したポンプ需要等があります。これらの需要を満足する製品仕様は地域ごとに異なるため、世界各国の多様なニーズに対応するには、より幅広い製品ラインアップが必要となります。当社は、2019年度から設備産業分野に強みを持つZENIT INTERNATIONAL S.P.A.(以下、ZENIT社)との間で技術・業務提携し製品ラインアップの補完・強化や両社の販売ネットワークを通じた売上の拡大、また、両社技術の融合を通じた新製品開発等に取組んできました。2024年度にはZENIT社の連結子会社化を完了しており、販売及び技術でのシナジー効果をより一層高めることで、多様な市場におけるニーズ獲得、売上拡大を目指していきます。 |
短~長期 |
|
〇電源構成の変化 ●新しい発電市場への対応 |
中 |
『電力市場の動向と需要の把握』 DXやGXの進展に伴う電力需要増加が見込まれる中で、電力市場にはエネルギーの安定供給と脱炭素化の両立を図っていくことが求められており、今後様々なシナリオ(共有社会経済経路:SSP)をたどる可能性があります。 当社の製品群の販売機会として、地熱やバイオマス、太陽光を含む従来市場は今後も短期・中期・長期的な需要を見込んでいます。これらの市場には従来どおり対応していくとともに、長期的には火力発電のゼロエミッション化に向けた新市場・新技術の拡大が期待されるため、新市場に対応するためのリソース配分を行い、将来可能性のある様々な状況下でのリスク低減と機会獲得を図っております。 |
短~長期 |
|
●浸水対策ニーズの増加
|
中 |
『降雨強度増加に対応する日本での需要増加』 2030年時点における日本の降雨強度変化は1.1倍と予測され、日本国内ではBCP対策等の適応策に貢献する製品売上の増加の可能性があります。案件獲得に向けて既存ラインアップと知見によるソリューション提案活動を進めていくとともに、ニーズの多様化に対して製品開発やサービス・サポート体制の整備等を行っております。 |
短~長期 |
|
〇顧客行動の変化 ●カーボンフットプリントへの対応 ●環境意識の高い顧客への販売機会 |
小 |
『製品使用時のGHG排出量削減に貢献する製品ラインアップ』 製品使用時のGHG排出量削減に貢献する製品ラインアップを充実させていくことは、環境意識の高い顧客の獲得に繋がると考えられます。例えば、建設現場で多く使われるポンプに水位検知機能を付加した電極式自動型水中ポンプは、空運転を減らすとともに、無駄な運転が削減された時間に相関してGHG排出量の削減が期待でき、また、下水道や排水処理で使用されるノンクロッグ型スマッシュポンプは、新機構搭載によって高効率と通過性能の両立を実現しており、GHG排出量の削減に貢献する製品となっております。このような製品の特長を活かして販売機会の獲得を目指していくとともに、カーボンフットプリントの算定に顧客行動の変化に柔軟に対応しております。 |
短~長期 |
|
〇異常気象の激甚化 〇材料価格の上昇 ●部品生産体制の構築 |
大 |
『サプライチェーンの強化による調達リスクの低減』 当社では、ハザードマップに基づく浸水や洪水被害のシミュレーションを活用し、想定被害額の算定を行っております。1.5℃および4℃シナリオのもと、2030年時点での気温上昇は1.5℃と予測され、洪水の発生頻度が約2倍になると見込まれており、特にサプライチェーンの寸断リスクが高まることが懸念されております。 当社では、2023年度から『ものづくり革新プロジェクト』として約100億円を投資し、モータ生産棟をはじめとする生産体制強化のための設備投資を推進しております。主要部品の内製化は、外部調達の依存度を低下させ、調達リスクを分散し、また、グループ会社であるアロイテクノロジーにも約10億円を投資し、高精度なステンレス鋼や高クロム鋳鉄の加工設備を導入することで一貫生産体制の確立を目指しています。これらのサプライチェーンの自社化への投資により調達リスクの低減と安定供給体制の構築を図ってまいります。 |
短~中期 |
|
〇平均気温の上昇 |
中 |
『生産性の向上と働きやすい環境の整備』 1.5℃および4℃のシナリオの両方で、気温の上昇に伴う労働環境の悪化が発生するため、労働生産性の低下や安全性の確保が問題になります。 当社は、2023年度からスタートした『ものづくり革新プロジェクト』において、フレキシブル生産システム(FMS)による無人加工技術を導入することで、従来の生産体制の生産性向上を図るとともに、気温上昇による労働環境変化に対応できる体制構築を行っております。また、鋳造事業において、3D砂型造形技術を活用することで、歩留まり改善や図面との整合性が高い砂型を活用することで後工程の工数削減に取組んでおります。このような取組により、生産性の向上と安定した製造体制の確立とともに、従業員が働きやすい環境を目指しております。 |
短~中期 |
気候変動の緩和に関しては、Scope1およびScope2の算定と影響度の高いGHG排出源を特定しており、環境長期目標と具体的な削減策を環境マネジメントシステムに整合させて、取組を推進しております。気候変動の適応に関して、販売サイドでは販売機会が増加すると判断しております。従来市場についてはこれまでどおり注力しつつ、それらの市場拡大や新市場の動向を注視して、リソースの適切な分配を行ってまいります。生産サイドではすでに進んでいる投資計画が生産性を向上させるとともに調達リスクを低減する効果を有しております。技術サイドではGHG削減や顧客嗜好に対応する製品ラインアップをすでに取り揃えております。これらの分析結果から、1.5℃および4℃シナリオのいずれにおいても、当社は高いレジリエンスを有していると判断しております。
自然関連については、2024年度は当社グループの日本国内の直接操業が該当するセクターおよび当社グループの生産拠点が位置する地域を評価の対象にしました。直接操業のセクターを対象にした評価は、ENCOREを用いて該当する産業の自然関連の依存・影響を抽出し、可視化したヒートマップを作成しました。生産拠点の地域を対象にした評価は、Aqueduct Water Risk Atlasを用いて水リスクの程度を評価しました。評価結果としましては、「Water Stress」のラベルが「Medium」以上の生産拠点のある地域は上海のみでした。
「影響」に関するヒートマップは、騒音や油の浸出の可能性を示唆しました。これらの可能性については、各種法令法規を遵守することは当然として、その上で潜在的なものを特定し、監視することを日常点検や事業活動等の日々の運用管理で実施しております。また、水リスクに関しては、ハイリスクな拠点として上海工場が特定されました。従来どおり、BCP対策は必要となりますが製造時に水を使用しないことから現時点での影響は小さいと判断しております。
②人的資本
当社は2030年度に向けたマテリアリティとして、“従業員の成長と働きがいの向上”を掲げております。鶴見製作所として価値を創出する根源は“人”であると考えており、従業員の成長意欲を高めながら、働きがいのある職場環境を整備してまいります。
・自律型人財の育成
職務遂行に必要な「意識」と「スキル」を段階的に高めることで、当社の持続的な発展を担う基幹人財を中長期的に育成・輩出していく方針です。さらに管理専門職に必要な多面的視点を養うため、若手・中堅社員におけるジョブローテーションを積極的に展開してまいります。
具体的には、市場と価値観の変化に応じたテーマで視座を高め、ディスカッションを通して交流を促す「階層別研修」と各職種それぞれの専門知識を高める「技術・生産系教育」を軸に、システム要員向けのデジタル研修、資格取得や自己研鑽を促す通信教育、豊かな人生設計を啓発するDC継続教育など各種プログラムを織り交ぜる形で、1人1人の「成長を動機づける」人財育成に取組みます。
・エンゲージメントの向上
前期より「上司の部下に対する働きかけ」を測定、自発的な意思を尊重した人事異動を目的として社内公募制度を開始し、働きがいの向上に努めております。また、2024年度からは社員同士の連携や視野拡大を基に『10%ルール』を開始しました。『10%ルール』では、業務時間内の10%を「普段とは異なる業務」を行う制度で、新しいことに挑戦する経験を通じて、新しいアイデアの創出、他部門との連携強化とともに、10%の時間を捻出するための現在の業務の効率化を目指しております。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
当社グループが継続的に発展していくため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを重要な課題と捉え、働きがいも含めた職場の価値を高める活動として女性活躍の推進・ワークライフバランスの実現・障がい者雇用等を推進しております。
具体的には、女性活躍の推進として女性社員が就業意欲をもって長く働き続け、その個性と能力を十分に発揮できるような組織を整備することで、女性活躍推進法に基づく行動計画の実現を目指します。
また、ワークライフバランスの実現として、社員がやりがいを感じながら職務を果たす一方で、子育て・介護・地域社会、自己啓発等との両立をサポートするため、次世代育成支援対策法に基づく行動計画の実現を目指します。
さらには、2021年4月1日に設立した特例子会社ツルミテクノロジーサービスのビジネスサポート部に、様々な業務に従事できる環境を整備することで、障がい者の自立と社会参加をより確かなものとする雇用推進に努めております。
(3)リスク管理
当社は、サステナビリティ所管部署が気候変動関連や自然関連を含むサステナビリティ関連のリスクを抽出し、気候変動関連のリスクについてはシナリオ分析を用いて評価しております。この抽出・評価プロセスは毎年度実施しております。特定したリスクおよび機会とその評価をサステナビリティ戦略委員会が再度議論したのち、取締役会に報告しております。同様にリスク管理委員会は評価した事業リスクを取締役会に報告しております。
取締役会においては、各委員会での報告事項を踏まえて、中期経営計画をはじめとした企業戦略等について協議・策定しており、自社のサステナビリティを巡る取組を考慮した上で、経営資源の配分や戦略実行について、適切に監督しております。
(4)指標と目標
①気候変動関連・自然関連
当社は、気候変動関連の評価指標として、GHG排出量の削減率とGHG排出原単位の削減率を用いております。
目標として環境長期目標「Green Plan 2030」を掲げ、企業活動のあらゆる側面からGHG排出量の削減に取組んでおります。自然関連の指標と目標に関しては、今後の分析結果から重要となる指標を見極めた上で、目標設定を行います。なお、GHG排出量の推移や目標に対する実績、取水・排水量等の数値は当社ホームページのESGデータ集に掲載しております。
Green Plan 2030
1.自社の活動におけるGHG排出量を2030年までに2014年度比で50%削減
2.サプライチェーンの活動におけるGHG排出原単位を2030年までに2014年度比で30%削減
2024年度の実績
自社活動におけるGHG排出量(Scope1 + Scope2) :
GHG削減の主な取組
・電気自動車やハイブリッド車への入替えによるガソリン削減
・京都工場モータ生産棟及び近畿支店への太陽光発電設備の導入による創エネ
・再エネ利用拠点:大阪本店、東京本社、東北支店、四国支店、北関東支店、高崎営業所
CDPスコア(気候変動):B
CDPは、気候変動対応の戦略を評価する国際的な団体で、企業の開示情報分析し、8段階(A~D-)で評価しております。当社の評価「B」スコアは、マネジメントレベルとされ「自社の環境リスクやその影響を認識し、行動している」ことを示しております。
②人的資本
・自律型人財の育成
当社は、当期におきましては、階層別研修(下表15講座、受講対象延べ306名)においてアセスメントを用いた「自己特性の理解」を導入するとともに、通信教育(ファイナンス、マーケティング、イノベーション分野)及び社外セミナー(アサーティブコミュニケーション、クリティカルシンキング)を併用することで、市場や価値観の変化に応じたプログラムを提供しました。また、社内の状況をよく知る社内講師を積極的に活用し、Value(行動・判断の基準となる価値観)の共有・浸透に力を入れました。
階層別研修一覧
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研修名 |
実施目的 |
社内 講師 |
アセス メント |
通信 教育 |
外部 セミナー |
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新任取締役 教育プログラム |
経営戦略、財務戦略、情報ツールの技術動向、会社法、企業倫理等を学び、高い次元で経営課題の解決に臨む視点を習得する。 |
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〇 |
〇 |
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執行役員候補者 教育プログラム |
論拠を意識した討議演習を通じて「意思決定の質」を高めると共に、部門長に期待される目線を習得する。 |
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〇 |
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マネジメント スキル研修 |
管理専門職1級(昇格後3年目)と管理専門職2級(昇格後2年目)が受講対象であり、将来の幹部候補者として必要な素養を身につけるとともに、自らのマネジメント・レベルの理解を進める。 |
〇 |
〇 |
〇 |
〇 |
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管理専門職1級 昇格者研修 |
マネジメントの基礎理論や労務管理の学びを進め、組織運営者としての意識を高める。 |
〇 |
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|
〇 |
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新任支店長・ 所長研修 |
支店長・所長の基本姿勢および、経営資源(人・物・金・情報・時間)の管理に関する知識を習得する。 |
〇 |
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人事考課者研修 |
新たに人事考課を行う役割に任じられた者(管理専門職、営業所長、リーダー職)が対象であり、人事考課に求められる考え方を実践的な模擬考課を通じて習得する。 |
〇 |
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人事考課者 フォローアップ 研修 |
部下への働きかけ方やマネジメントを行う上での阻害要因の解決法についてケーススタディとディスカッションを通じて、マネジメントのあるべき姿を模索する。 |
〇 |
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中堅社員研修 |
総合職・技能職6級昇格者が対象であり、アセスメントを通じた職務特性の理解を進め、5年後を見据えたキャリアデザインを行うとともに、討議ファシリテートを通じた価値創造プロセスを理解する。 |
〇 |
〇 |
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5級昇格時研修 |
総合職・技能職5級昇格者が対象であり、小集団におけるリーダーシップを考察するとともに、上司・先輩を補佐する役割を理解する。 |
〇 |
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若手社員研修 |
入社3年目および、社会人歴5年未満のキャリア入社総合職が対象であり、入社時からの経験の棚卸を行うとともに、所属部署にさらに貢献できるよう、スキルアップを志す意識を高める。 |
〇 |
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|
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新入社員 フォローアップ研修 |
入社1年目の社員が対象であり、社会人基礎力の定着を確認するとともに、2年目に向けて「所属部署で期待される役割」を考察する。 |
〇 |
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若手社員 育成セミナー |
新入社員とキャリア入社総合職の所属長が対象であり、職場導入教育の進め方(OJT管理シートの活用、指導のポイント)を学ぶ。 |
〇 |
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OJT担当者 研修 |
担当者の指導スキル向上を目指すとともに、新入社員が「成長を実感できる環境」の考察を深め、指導ノウハウの集積・活用を促す。 |
〇 |
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新入社員研修 |
当社理念、事業の沿革、事業戦略、コンプライアンス、社内規程、製品の基礎知識など、ツルミ社員として必要な基礎知識を習得する。 |
〇 |
|
〇 |
〇 |
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キャリア職研修 |
当社理念、事業の沿革、事業戦略、コンプライアンス、社内規程、製品の基礎知識など、ツルミ社員として必要な基礎知識を習得する。 |
〇 |
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図面の読み方 研修 |
技術系・工場管理系・技能系の新入社員を対象に、基本的な図面の見方を集合形式で指導し、工場で働く社員に必要なスキルの基盤強化を行う。 |
○ |
|
○ |
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ライフプラン 研修 |
人生100年時代と言われる中、今後の働き方やセカンドライフについて考える機会を作り、リスキリングや退職後の資産運用対策について学び、若いうちから長期的な視野を養う。 |
○(※) |
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面接官研修 |
面接の流れ、基本となる公正な採用選考のためのノウハウを学び、人材の見極め・当社魅力付けが効果的に行えるようする。 |
○ |
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※外部講師も活用
また、技術・生産系教育では、技術系教育プログラム(受講対象312名)に専門教育(eラーニング)を導入し、イノベーティブな技術開発に繋げる取組を進めております。2021年からの受講開始後、計1,140コースを受講し知識を蓄えています。また、社内で蓄積された知見や経験則をまとめた教材を一元的に提供するシステム「ツルミオンライン」に176講座を設け、社員の96%が活用し学習を行っております。
・エンゲージメントの向上
「上司の部下に対する働きかけ」を測定した結果、89%が成長や問題解決、気持ちの変化に繋がったと回答しました。また、フィードバック面談実施調査票では、回答者のうち89%が面談におけるフィードバックに納得し、モチベーションが高まっています。さらに前期から開始した社内公募制度では、12求人を公開し、結果として6名が異動することとなりました。
この他、2024年度より開始した『10%ルール』では、50名が参加いたしました。終了後のアンケートでは、71%が業務の効率化が図れた、98%が視野を広げて物事を考えることができるようになった、96%が部門を超えた関わりができたとの回答がありました。
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
女性活躍推進法に基づく行動計画
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計画期間 |
2021年4月1日 ~ |
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目標 |
全部門に女性総合職を配置する。( |
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取組内容① |
新卒入社後3年間の人事異動・育成方針を人事主導で実施 |
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取組内容② |
女性の積極的採用・職群転換の実施 |
次世代育成支援対策法に基づく行動計画
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計画期間 |
2025年4月1日 ~ |
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目標① |
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取組内容 ①-1 |
社内報に子育て奮闘記を掲載し、男性社員の育児休業取得例を社員に周知(毎年実施) |
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取組内容 ①-2 |
育児休業をする社員の支援人員の確保(毎度実施) |
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目標② |
サテライトオフィスを国内12拠点に設置する。 |
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取組内容② |
・2025年:サテライトオフィスのための場所確保・設備導入し、社員の短期利用を可能にする ・2026年:中長期でサテライトオフィス制度を導入しやすい部署・職種を検討しトライアル実施 ・2027年:サテライトオフィス制度を規程化、社員への周知 ・2028年以降:サテライトオフィス制度(継続) |
関連する各種指標
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2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
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平均年齢 |
女 |
41.3歳 |
41.8歳 |
41.2歳 |
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男 |
41.0歳 |
41.1歳 |
40.6歳 |
|
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|
22% |
24% |
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14% |
14% |
|
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育児休業取得率 |
女 |
100% |
100% |
100% |
|
男 |
46% |
46% |
33% |
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|
2.42% |
2.47% |
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働きやすい職場環境の整備を積極的に推進した結果、以下の評価をいただいております。
評価実績
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認定時期 |
内容 |
マーク |
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2016年~ |
大阪市「女性活躍リーディングカンパニー」認証 |
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2018年~ |
名古屋市「子育て支援企業」認定 |
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2019年~ |
新潟県「ハッピーパートナー企業」登録 |
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2021年~ |
「名古屋市ワーク・ライフ・バランス推進企業」認定 |
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2021年~ |
「えるぼし」(2つ星)認定 |
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2023年~ |
健康経営優良法人2025 (大規模法人部門) |
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2024年~ |
「くるみん」認定 |
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今後もさらなる推進を図ってまいります。上記の他、女性管理職比率及び男女間賃金格差につきましては、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを以下に記載しております。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、取締役会と所管部署との連携を密にし情報の共有化を図っております。また、コンプライアンス管理委員会・リスク管理委員会を設置し、不正を含めたリスク評価を行う仕組みとしており、リスク発生の低減、リスク対策を検討するとともに必要に応じて監査等委員である取締役、会計監査人、弁護士等の助言指導を受けております。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)事業環境について
当社グループの当連結会計年度におけるセグメントごとの売上高構成比(セグメント間取引消去前)は、日本が59.6%、北米が13.0%、アジアが16.7%、欧州が3.7%、その他の地域が7.0%となっており、当社グループが製品を販売している地域及び国の経済状況の影響を受けます。特に、我が国の公共投資や民間の設備投資動向の影響等により、当社グループの業績が変動する可能性があります。当社の持分法適用関連会社であったZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の株式を追加取得し子会社化したことにより、欧州セグメントとして連結の範囲に含めております。
また、市場競争の激化に伴う販売価格の下落及びエネルギー、素材価格の高騰により当社グループが調達している原材料や部品が値上げとなった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2)研究開発について
当社グループは、市場ニーズに合致した新製品の開発を行っておりますが、かかる新製品を提供することができない可能性があります。当社グループがこれらの製品を提供できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループの主な事業は、ポンプを核とした関連機器を製造販売しており、通商、独占禁止、知的財産、製造物責任、環境・リサイクル関連の法的規制を受けております。また、事業を展開する各国においては事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等さまざまな政府規制の適用を受けております。これらの規制の動向によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)訴訟等について
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあります。訴訟等の内容や結果によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)有価証券投資による影響について
有価証券の投資は、価格変動リスク、信用リスク、為替金利変動リスク、元本毀損リスク等のさまざまなリスクを有しており、有価証券投資が当社グループの業績、キャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。
(6)企業買収・資本提携及び事業再編について
当社グループは、事業の拡大・効率化や競争力強化を目的として国内外における企業買収、資本提携を実施しております。当社グループ及び出資先企業を取り巻く事業環境の変化により、活動が円滑に進まない、あるいは当初期待した効果が得られないなどの場合には、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、不採算事業からの撤退や関係会社の整理等の事業再編を行った場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)固定資産の減損について
当社グループは、当社グループが保有する固定資産について、資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象(減損の兆候)が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、回収可能価額が帳簿価額を下回ることとなった場合は、回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。そのため、経営環境の著しい悪化等が見込まれ減損の兆候が生じた場合、減損損失の認識の判定の結果、減損損失の計上が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)為替変動による影響について
当社グループは、外貨建輸出入取引において主に米貨建で決済しており、為替レートの変動による影響を受け易くなっております。
為替変動リスクに対して、外貨建輸入取引の決済通貨を主に米貨建とすると共に為替予約取引や通貨スワップ取引を利用することにより、為替変動による業績への影響を低減するよう努力しておりますが、大幅な為替変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)退職給付債務について
当社グループの確定給付企業年金制度における退職給付費用及び退職給付債務の算出において、割引率等数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率等が変化し、退職給付債務及び年金資産が変動することにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、企業年金の積立金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて、自らの経営成績及び財政状態にも影響を与えることを考慮し、専門知識や相応の経験を有するなど、適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの取組を行っております。また、当社グループは企業年金運用の専門性を高め、アセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう努めるとともに、政府の規制等を踏まえ、適宜制度の見直しを検討・実施しております。
(10)自然災害について
想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、在宅勤務、オフィス分散、時差出勤等、従業員の安全と健康を最優先にした対応の徹底や、日本、中国、台湾、ベトナム、イタリアにおける複数地域でのグローバル生産による製品供給リスク分散化の推進等により、企業としての社会的責任を遂行できる体制の構築に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新卒初任給の大幅引上げの動きなどもあり、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は緩やかに持ち直し、また、好調なインバウンド需要や企業の設備投資が増加基調で推移するなど、内需主導の景気回復が続いております。一方、世界経済におきましては、ウクライナ・中東情勢不安の長期化による世界的な資源・エネルギー価格の高止まりのほか、為替や米国の関税政策の動向により景気の先行き不透明感が一層高まるなど、今後も予断を許さない状況となっております。
このような状況の中で当社グループは、本年度よりスタートしている新中期3ヶ年経営計画「Transformation 2027」のもと、これからの100年に向かって経営基盤を更に強化すべく、「ものづくり」を軸とした改革を進め、当社グループ製品が社会インフラに対して必要不可欠なものであるという責任を十分に踏まえた上で、万全な体制で製品を供給し続けることができるよう努めました。
当社グループの当連結会計年度の売上高は、国内での環境に配慮した効率性の高い水中ポンプの販売実績が伸びたこと、また特にアジア地域での設備製品需要が堅調に推移したことに加え、2024年7月にZENIT INTERNATIONAL S.P.A.を完全子会社化し、第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結したことにより68,058百万円と前連結会計年度と比べ5,429百万円(8.7%)の増収となりました。
売上原価は、利益率の高い受注案件があり原価率が改善したものの、原材料価格の高止まりや売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ1,743百万円(4.3%)増加し41,905百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、給料及び手当の増加や上記のとおりZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の損益計算書を連結したこと等により、前連結会計年度に比べ2,376百万円(17.6%)増加し15,901百万円となりました。
これらの結果、営業利益は10,251百万円と前連結会計年度と比べ1,309百万円(14.6%)の増益となりました。
経常利益は、前連結会計年度において営業外収益に為替差益2,625百万円を計上しておりましたが、これまでの円安基調が一段落し、当連結会計年度において為替差損を446百万円計上したこと等により10,492百万円と前連結会計年度と比べ2,146百万円(17.0%)の減益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2024年7月にZENIT INTERNATIONAL S.P.A.を完全子会社化し、特別利益として段階取得に係る差益1,721百万円を計上したこと等により、8,783百万円と前連結会計年度と比べ494百万円(6.0%)の増益となりました。
当連結会計年度末の資産につきましては131,509百万円と前連結会計年度末に比べ16,158百万円増加しました。
これは、主に現金及び預金が1,947百万円、売掛金が1,961百万円、契約資産が1,150百万円、棚卸資産が3,797百万円、当連結会計年度での当社京都工場モータ生産棟の竣工等により有形固定資産が6,596百万円それぞれ増加したこと、また、当社の持分法適用関連会社であったZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の株式を追加取得し新たに連結の範囲に含めたこと等により、のれんが3,117百万円、顧客関連資産が899百万円それぞれ増加し、一方で投資有価証券が4,080百万円減少したことによるものであります。
負債につきましては35,657百万円と前連結会計年度末に比べ10,501百万円増加しました。
これは、主に支払手形及び買掛金が2,206百万円、短期借入金が6,700百万円、未払金の増加等により流動負債その他が2,069百万円、連結の範囲の変更による長期リース債務の増加等により固定負債その他が1,058百万円それぞれ増加し、長期借入金が1,609百万円減少したことによるものであります。
純資産につきましては95,852百万円と前連結会計年度末に比べ5,656百万円増加しました。
これは、利益剰余金が7,504百万円増加し、為替換算調整勘定が589百万円減少したほか、自己株式1,449百万円を取得したことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
建設機械市場におきましては、レンタル業界向けに、省人化製品や中型水中ポンプの売上が好調で、環境に配慮した電極式残水ポンプの受注も堅調に推移しました。設備機器市場におきましては、工具工場設備市場において持続可能性や効率性への関心が高まっていることから、高効率水中ポンプや災害対策製品の販売実績が伸び、また、官公庁市場向けのポンプ設備関連の受注拡大もあり、売上高は増加しました。これらの結果、売上高は56,020百万円と前連結会計年度と比べ6,116百万円(12.3%)の増収となりました。
セグメント利益は、売上高の増加等により7,723百万円と前連結会計年度と比べ1,337百万円(21.0%)の増益となりました。
セグメント資産は、当社京都工場モータ生産棟の竣工により有形固定資産が増加したこと等により77,463百万円と前連結会計年度末と比べ15,589百万円増加しました。
北米
北米地域におきましては、鉱山市場での設備投資の活性化による需要の増加があり、また、建設市場や設備市場においても安定的な製品需要がありました。一方で、米国新政権による相互関税の影響などを注視する動きから買い控え傾向が加速した結果、売上高は減少しました。この結果、売上高は12,261百万円と前連結会計年度と比べ843百万円(6.4%)の減収となりました。
セグメント利益は、売上高の減少に加え人件費等の経費の増加も影響し、1,370百万円と前連結会計年度と比べ206百万円(13.1%)の減益となりました。
セグメント資産は、14,600百万円と前連結会計年度末と比べ950百万円増加しました。
アジア
アジア地域におきましては、ASEAN諸国の内需は安定しており、タイ及びインドネシア市場での設備製品需要が底堅く推移したため、全体的に売上高は増加しました。この結果、売上高は15,674百万円と前連結会計年度と比べ3,073百万円(24.4%)の増収となりました。
セグメント利益は、売上高の増加の影響もあり、1,778百万円と前連結会計年度と比べ878百万円(97.6%)の増益となりました。
セグメント資産は、18,517百万円と前連結会計年度末と比べ1,434百万円増加しました。
欧州
欧州地域におきましては、特に西欧における設備市場向けポンプが好調に推移し、当連結会計年度の売上高は3,522百万円、セグメント利益は204百万円となりました。
また、セグメント資産は13,334百万円となりました。
なお、中間連結会計期間において、当社の持分法適用関連会社であったZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の株式を追加取得のうえ、子会社化したことにより、新たに連結の範囲に含めております。また、2024年6月30日をみなし取得日としており、中間連結会計期間は貸借対照表のみを連結し、第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結しております。
その他
オーストラリアにおいて建設市場での着実な実績の積み上げがありましたが、中国経済の低迷がポンプ需要にも影響を与えたことから、売上高は減少しました。この結果、売上高は6,535百万円と前連結会計年度と比べ161百万円(2.4%)の減収となりました。
セグメント利益は、売上高の減少に加え人件費等の経費の増加も影響し、802百万円と前連結会計年度と比べ165百万円(17.1%)の減益となりました。
セグメント資産は、8,371百万円と前連結会計年度末と比べ923百万円増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が12,112百万円の計上となり、営業活動による資金は7,027百万円の収入超過、投資活動による資金は7,986百万円の支出超過、財務活動による資金は2,530百万円の収入超過となり、現金及び現金同等物に係る換算差額240百万円の減少を調整した当連結会計年度末の資金は28,144百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は7,027百万円と、前連結会計年度に比べ2,506百万円減少しました。
これは主に、仕入債務の増減額が2,637百万円収入増となった一方で、棚卸資産の増減額が4,153百万円収入減となり、更に法人税等の支払額が1,006百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は7,986百万円と、前連結会計年度に比べ2,072百万円増加しました。
これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が2,412百万円、当社京都工場モータ生産棟の竣工等に伴う有形固定資産の取得による支出が1,243百万円それぞれ増加した一方で、定期預金の払戻による収入が1,711百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は2,530百万円と、前連結会計年度に比べ1,046百万円増加しました。
これは主に、短期借入金の純増減額の増加により6,700百万円収入増となった一方で、自己株式の取得による支出が1,421百万円、長期借入金の返済による支出が896百万円それぞれ増加し、さらに新たな長期借入れがなかった(前連結会計年度3,000百万円)ことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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日本 |
19,505 |
111.2 |
|
北米 |
- |
- |
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アジア |
7,247 |
145.4 |
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欧州 |
3,640 |
- |
|
その他 |
3,709 |
92.7 |
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合計 |
34,102 |
128.6 |
(注)1 据付工事費は生産実績に含めて表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。
3 金額は、製造原価によっております。
4 中間連結会計期間より、当社の持分法適用関連会社であったZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の株式を追加取得し子会社化したことにより、「欧州」セグメントとして新たに連結の範囲に含めております。
b 受注実績
当社グループの製品は殆ど汎用品のため概ね需要予測による見込生産であります。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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日本 |
42,918 |
111.3 |
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北米 |
12,261 |
93.6 |
|
アジア |
5,988 |
95.9 |
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欧州 |
3,255 |
- |
|
その他 |
3,634 |
77.2 |
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合計 |
68,058 |
108.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 中間連結会計期間より、当社の持分法適用関連会社であったZENIT INTERNATIONAL S.P.A.の株式を追加取得し子会社化したことにより、「欧州」セグメントとして新たに連結の範囲に含めております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
(財政状態)
当連結会計年度の財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、価格競争が激化している中で原材料価格の上昇が懸念され、原材料価格の上昇を製造原価、販売費及び一般管理費のコスト削減で吸収できない場合、利益面に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらには、ロシア・ウクライナ情勢やイスラエル・パレスチナ情勢の更なる緊迫化、原材料価格やエネルギー価格をはじめとした物価上昇の再加速やそれに伴う金融引き締め政策の強化、長引く人手不足、為替レートの急激な変動さらには米国の関税政策の動向などが、日本経済そして世界経済に多大な影響を及ぼすことで、当社グループの各セグメントの業績に影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、2025年3月に公表した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に記載のとおり、資本政策や成長戦略を確実に実行し、適時適切な株主還元、経営資源の配分を行う方針のもと、安定的な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のため、長期的な視野に立った積極的な事業展開に備えたキャッシュ・フローを確保し、株主還元として安定した配当を行うこととしております。株主還元を充実させていくため、原則として連結損益を基礎とし、特別な損益の状態である場合を除き、連結配当性向の水準を30%程度とし、安定的・継続的な利益還元に努めてまいります。なお、当連結会計年度の1株当たり年間配当は54円、連結配当性向は15.1%であります。
主な資金需要としましては、営業活動上の運転資金のほか、競争激化に対処しコスト競争力を高めるための設備投資や新しい市場を創造できる魅力ある新製品の研究開発のための資金、また安定的な配当金の支払等を見込んでおります。
当社グループは必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。投資額は営業キャッシュ・フローの範囲内とすることを原則としておりますが、銀行からの借入を一部行っております。
また、主要な金融機関とは良好な取引関係を維持しており、加えて安定的な財務体質を有していることから、事業の維持拡大に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能であると認識しております。
当社グループの当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは7,027百万円、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは△958百万円となりましたが、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を28,144百万円保有しております。また、換金性の高い金融資産も保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないものと認識しており、流動性を確保しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社が主体となり、設備市場向け及び建設市場向け各種関連機器の研究開発を継続的に行っております。
当連結会計年度に発生した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1)日本
当社グループの生産活動としては、国内グループ会社における、ステンレス及びハイクロムの鋳造工場での、水中ポンプの部品製作を開始し、以前から取組んでおります3D造形技術によって短納期・高精度・高品質のものづくりを実現しております。なお、ねずみ鋳鉄(FC)及びダクタイル鋳鉄(FCD)の新鋳造工場を建設中であり、更なる技術向上と生産拡大を進めてまいります。また、国内主力工場である京都工場においては、水中モータ生産ならびに生産性向上を目的としたモータ生産棟が完成し、水中モータに関する技術向上と生産拡大を進めております。
研究開発活動としては、設備市場向け及び建設市場向け各種関連機器の研究開発を行っており、設備市場向けでは、豪雨水害対策や排水能力増強に対応した排水ポンプ、カーボンニュートラルや資源循環などの環境に配慮した水中ポンプ・水処理機器・液封式ポンプの研究開発を行っております。また、2024年7月にイタリア共和国のZENIT INTERNATIONAL S.P.A.を完全子会社としており、主に防爆水中ポンプの製品競争力の強化により、シナジー効果を最大限に発揮すべく取組んでおります。
建設市場向けでは、大規模工事用の高揚程大水量ポンプや近年需要が大きく増加している海外鉱山用ポンプなど、耐久性ならびに環境に配慮した水中ポンプの研究開発を行っております。
その他、ターボ機械関連の流体・強度・振動の計測・分析・解析技術や3Dプリンタを用いた最新のものづくり力について、技術向上と実用化を推進しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(2)北米
該当事項はありません。
(3)アジア
該当事項はありません。
(4)欧州
既存シリーズの製品展開拡大を推進するための開発を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
(5)その他
該当事項はありません。