当連結会計年度における世界経済は、中国景気の減速とそれに伴う新興国の中国向け輸出の減少や原油・鉄鉱石などの資源価格低迷により新興国及び資源国の景気が下押しされた一方で、先進国は雇用・賃金情勢の改善や原油安の恩恵により個人消費が堅調で景気が底堅く推移し、世界経済を下支えしました。米国経済は雇用環境の改善や原油安を背景に、個人消費が底堅い成長を維持し内需が緩やかに拡大しました。欧州経済はアジアや中南米などの新興国向けを中心とする輸出が軟調に推移しましたが、ユーロ圏内の個人消費が堅調であり、回復基調が継続しました。インド・アセアン地域は総じてインフラ整備のための公共工事や都市部の個人消費が堅調に推移しました。中国経済は過剰債務・過剰設備等の構造問題の調整が必要なことや、新興国や資源国向けの輸出が減少していることなどにより経済成長の減速傾向が続きました。我が国経済は日銀の金融緩和策継続や昨年末まで続いた円安を背景に企業業績や雇用情勢等に改善が見られましたが、1月以降の円高などを背景に先行き不透明な状況となっています。
このような世界経済環境のなか、印刷産業は、ICT(情報通信技術)の普及が進み紙媒体による印刷需要が低迷しておりましたが、先進国では印刷需要が下げ止まり、増加に転じています。また、新興国では、人口の増加や中間所得層の拡大に伴い景気変動の影響を受けながらも着実に印刷需要は伸びています。一方で印刷機械市場の需要動向は、欧州では印刷設備の更新需要が緩やかに拡大し、北米でも印刷需要が回復基調にあり、多色刷・多機能の高生産性印刷機を中心に更新需要は堅調に推移しました。中国市場は景気減速の影響を受け、ファイナンス審査が厳格化している影響もあり、印刷機械への投資に慎重な姿勢が見られました。アセアンなどのアジア市場は堅調な印刷需要を背景に印刷機械への投資が前年並みで推移しました。一方、日本市場では企業業績の改善や政府の景気刺激策を受け積極的な印刷機械への投資が見られました。
このような市場環境において、当社グループは、優良企業への転換を目指し創立90周年を迎えた平成25年よりスタートした第4次中期経営計画の総仕上げの年として、従来のオフセット印刷機事業主体の事業構造からより複合的な事業構造への転換を進める「事業構造変革」及びソリューションビジネスによって営業領域の拡大を目指す「営業の業態変革」に取り組んでまいりました。
「事業構造変革」では、海外向け証券印刷機事業、DPS(デジタル印刷機)事業、PE(プリンテッドエレクトロニクス)事業の新規事業を推進し事業構造の転換を進めてまいりました。証券印刷機事業では世界最大の民間証券印刷会社である英国デ・ラ・ルー社との緊密な技術協力により当社の評価が高まり、ロシア、コンゴ(民主共和国)、ポーランドなどからの受注獲得に成功しました。DPS事業ではデジタル印刷機Impremia IS29(29インチUVインクジェットデジタルプリンティングシステム)を開発し国内での先行予約受付を開始いたしました。また、米国においては㈱SCREENホールディングスが開発したTruepress Jet520HD(ロール式高速インクジェット印刷機)の米国市場での独占販売契約を締結し、デジタル印刷機の品揃えを充実させました。PE事業では㈱セリアコーポレーション(旧東海ホールディングス㈱)が平成27年11月に開発・ショールームの拠点としてPEテクノロジーセンターを開設し、顧客ニーズへの対応力を強化いたしました。
「営業の業態変革」では、印刷機材・資材・ソフトウェアなどを総合的に提案するソリューションビジネスを展開し顧客との関係強化を図ってまいりました。平成27年9月には国内最大の国際総合印刷機材展IGAS2015が東京で開催され、当社は「OPEN NEW PAGES(さぁ、新しいページを開きましょう!!)」をテーマに、オフセット印刷機・デジタル印刷機・POD機・後加工機などの「ハード商品群」と、それらを統合管理する「ソフト商品群」及び品質・生産性を支える「K-Supply商品(印刷資材)」を出展し、それらを連携させることによって印刷の新たな可能性を切り開く多彩なソリューションの提案を行いました。さらに平成28年2月には、つくばプラントのKGC(小森グラフィックテクノロジーセンター)において過去最高の150社の印刷会社のご出席のもと内覧会を実施し、IGAS2015で発表したビジネスソリューションをお客様の業態にあわせて提案し需要を喚起いたしました。また、ソリューションの領域を拡大するためPESP(プリント・エンジニアリング・サービス・プロバイダー)事業でBOBSTグループ傘下の上海エテルナとのODM(Original Design Manufacturer)契約やイスラエルのHighcon Systems Ltdとの同社の革新的なデジタルダイカット&クリーシングシステムの日本における販売契約などを締結し、打抜機や断裁機などポストプレス(印刷後工程)のラインナップを強化いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における受注高は91,695百万円(前連結会計年度比0.2%増)となり、売上高は95,326百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。費用面では、売上原価率はほぼ横ばいの65.6%となりました。その結果、営業損益は6,612百万円の利益(前連結会計年度比1.9%増)となりました。営業外損益は、前連結会計年度は836百万円の為替差益に対し、当連結会計年度は400百万円の為替差損となるなど収支が悪化し、当連結会計年度の経常損益は6,508百万円の利益(前連結会計年度比17.0%減)となりました。一方、特別損益では、前連結会計年度に特別利益として固定資産売却益212百万円、投資有価証券売却益123百万円を計上しましたが、当期は特別損失として減損損失182百万円を計上したため、税金等調整前当期純損益は、6,293百万円の利益(前連結会計年度比22.5%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は、米国販売子会社において、繰延税金資産の回収可能性が高まりこれを資産計上したことにより税負担が軽減されたこと等から、6,522百万円の利益(前連結会計年度比13.8%減)となりました。
地域別連結売上高の概況は以下の通りです。
(単位:百万円) | ||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
売上高 | 91,259 | 95,326 | 4.5% | |
内 訳 | 日本 | 35,430 | 40,294 | 13.7% |
北米 | 11,786 | 12,758 | 8.3% | |
欧州 | 16,491 | 17,461 | 5.9% | |
中華圏 | 15,477 | 12,715 | △17.8% | |
その他地域 | 12,073 | 12,096 | 0.2% | |
日本市場は、印刷需要が伸び悩む傾向にあり、印刷会社は収益力強化のため印刷工程全体の効率化を模索しています。そのため省エネルギー化・自動化が進んだ印刷関連設備への関心が年々高まっています。こうしたなかで、当社は昨年3月から公募された政府の省エネルギー設備導入補助金を活用し、印刷会社の設備投資を支援する営業活動を展開してまいりました。昨年9月には国内最大の国際総合印刷機材展IGAS2015が東京で開催され、当社は「OPEN NEW PAGES(さぁ、新しいページを開きましょう!!)」をテーマに、印刷の新たな可能性を切り開く多彩なビジネスソリューションの提案を行い、最も注目を集めました。また2月には新春内覧会「KGC OPEN NEW PAGES SHOW2016」を開催し、最新鋭の印刷機とデジタル印刷機、各種後加工機を駆使しての多彩なソリューションを内外の顧客に訴求いたしました。その結果、受注は好調に推移し、売上高は前連結会計年度比13.7%増加の40,294百万円となりました。
北米市場は、雇用環境が改善し個人消費の拡大や住宅市場の持ち直しがみられるなど、家計部門の堅調さを背景に景気回復が持続しているなか、印刷需要も回復基調にあり多色刷・多機能の高生産性印刷機への更新需要は堅調さを維持しております。印刷会社の中には大型設備投資の決定にやや慎重な姿勢が見られたものの印刷機械の商談を活発に展開した結果、売上高は前連結会計年度比8.3%増加の12,758百万円となりました。
欧州市場は、ドイツ・イギリスなど主要国の良好な雇用状況を背景に個人消費が堅調に推移し景気は緩やかな回復が持続しているなか、印刷業界はイギリスが好調さを持続し、フランス・イタリアなど南欧は老朽化した印刷設備の更新需要が底堅く回復の兆しが見えてきております。また、市場での高評価が定着した環境配慮型のH-UVシステム(UVランプと高感度インキを用いたUV速乾システム)搭載機やパッケージ用印刷機を軸に販促活動に注力してまいりました。その結果、売上高は前連結会計年度比5.9%増加の17,461百万円となりました。
中華圏市場は、景気の減速基調が継続し、金融機関の融資姿勢が慎重になってきていることから印刷会社の設備投資についてもファイナンスの与信審査が厳格化してきています。そのため優良な印刷会社を除き、新規の設備投資が低調気味にあります。こうした環境下において、当社はアジア市場をターゲットに開発したA判サイズのコンパクト機LITHRONE A37を中華圏市場によりマッチングさせるためにグレードアップしたLITHRONE G37を投入してきました。また、需要が期待されるパッケージ用の最新鋭菊全判多色機を中心にオープンハウスを開催するなど積極的に需要喚起に努めてまいりました。しかしながら、経済環境悪化の影響が大きく、売上高は前連結会計年度比17.8%減少の12,715百万円となりました。
その他地域市場は、新興国の通貨安、中国経済成長の減速及び資源価格の下落等の影響を受けながらもアジア圏の印刷産業は中間所得層の拡大に伴い印刷需要は着実に増加しています。平成27年9月に東京で開催された展示会IGAS 2015にはインド、アセアン諸国からも多数のお客様が来場し多くの有力な引き合いが寄せられました。売上高は前連結会計年度比0.2%増加の12,096百万円となりました。
セグメントごとの業績ごとの実績は次の通りであります。
①日本
セグメントの「日本」には、日本の国内売上と日本から海外の代理店地域への直接売上が計上されております。同代理店地域には、香港・台湾を除くアジア(中国本土、アセアン、インド等)と中南米等が含まれております。上記記載のそれぞれの地域での業績を反映した結果、セグメントの「日本」の売上高は79,451百万円(前連結会計年度比1,094百万円の増加)となり、セグメント利益は5,266百万円(前連結会計年度は6,419百万円の利益)となりました。
②北米
セグメントの「北米」には、米国の販売子会社の売上が計上されております。地域別売上高の概況で述べました北米の状況の結果、セグメントの「北米」の売上高は12,790百万円(前連結会計年度比961百万円の増加)となり、セグメント利益は199百万円(前連結会計年度は354百万円の利益)となりました。
③欧州
セグメントの「欧州」には、欧州の販売子会社及び欧州の紙器印刷機械製造販売子会社の売上が計上されております。地域別売上高の概況で述べました欧州の状況の結果、セグメントの「欧州」の売上高は18,526百万円(前連結会計年度比658百万円の減少)となり、セグメント利益は857百万円(前連結会計年度は755百万円の利益)となりました。
④その他
「その他」には、香港、台湾、シンガポール、マレーシアの販売子会社及び中国南通市の印刷機械装置製造子会社の売上が計上されております。地域別売上高の概況で述べましたアジアの状況の結果、売上高は5,979百万円(前連結会計年度比703百万円の増加)となりましたが、中国南通市の印刷機械装置製造子会社が損失を計上しており、セグメント損失は84百万円(前連結会計年度は272百万円の損失)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ7,583百万円増加し、59,140百万円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が7,483百万円の資金増加であったのに比較し、当連結会計年度は前連結会計年度に比べ4,452百万円増加し、11,935百万円の資金増加となりました。資金減少の主な内訳は、たな卸資産の増加額1,204百万円、法人税等の支払額1,051百万円等であり、資金増加の主な内訳は、税金調整前当期純利益6,293百万円、売上債権の減少5,130百万円、減価償却費2,026百万円の戻入れ等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が8,684百万円の資金減少であったのに比較し、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ7,332百万円増加し、1,352百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、有形及び無形固定資産の純増額2,767百万円、投資有価証券の純増額2,197百万円等であり、資金増加の主な内訳は、3ヶ月を超える満期の定期預金の純減額3,555百万円、有価証券の純減額759百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が2,529百万円の資金減少であったものが、前連結会計年度に比べ248百万円減少し、2,778百万円の資金減少となりました。資金減少の主な内訳は、配当金の支払額2,478百万円、短期借入金の純減額172百万円等であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 75,034 | △1.3 |
欧州 | 2,323 | △15.8 |
その他 | 1,232 | +283.8 |
合計 | 78,590 | △0.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は平均販売価格で表示しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 59,441 | +7.2 | 27,445 | △1.9 |
北米 | 10,076 | △29.2 | 1,699 | △62.2 |
欧州 | 16,566 | △5.2 | 4,680 | △16.3 |
その他 | 5,610 | +28.7 | 2,288 | +15.0 |
合計 | 91,695 | +0.2 | 36,113 | △9.9 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 受注残高には、見込み受注分は含まれておりません。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
日本 | 60,511 | +4.2 |
北米 | 12,758 | +8.3 |
欧州 | 17,461 | +5.9 |
その他 | 4,594 | △6.0 |
合計 | 95,326 | +4.5 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
印刷産業は日米欧の先進国では印刷需要が下げ止まり、緩やかな回復傾向にあります。また、新興国では人口の増加や中間所得層の拡大に伴い景気変動の影響を受けながらも着実に印刷需要は伸びています。一方で最大市場となりつつある中国では経済成長率が鈍化しており先行きの不透明な状態が続いています。このようなビジネス環境のなか、「事業構造変革」、「営業の業態変革」及び「モノづくり革新」の推進が喫緊の課題となっております。
これらの課題に対処するため第5次中期経営計画を平成28年4月にスタートさせました。本中期経営計画では、第4次中期経営計画の基本骨子である「事業構造変革」と「営業の業態変革」の2つの「変革」を一段と前進させ、当社が持つリソースの有効活用を促進し、さらに継続的な「モノづくり革新」の推進及び財務戦略の具体化を図ることにより企業価値を高めてまいります。
「事業構造変革」ではコニカミノルタ社と共同開発したデジタル印刷機Impremia IS29及びイスラエルのランダ社と共同開発中の次世代デジタル印刷機Impremia NS40の市場投入と当社独自のビジネスモデルの構築を図ってまいります。また、オフセット印刷、デジタル印刷、証券印刷、及びPE(プリンテッドエレクトロニクス)の技術・ノウハウの融合によるシナジー効果の創出により、従来のオフセット印刷機事業中心の事業構造からより複合的な事業構造への転換を進め、収益の拡大を目指してまいります。
「営業の業態変革」ではPESP事業として印刷機械の周辺装置・資材及び印刷会社の生産性向上を支援する情報共有プラットフォームであるKP-Connect等の開発・販売、並びにアップグレードなどの計画工事を通じて、お客様の生産性と収益性の向上に資するソリューションを提案してまいります。また、印刷市場の変化と印刷会社の経営環境変化に対応した販売・サービス体制の整備とアカウントマネジメントの推進により、お客様とのパートナー関係を発展させ、継続的取引に基づいた安定的収益構造への転換を促進いたします。
「モノづくり革新」では、つくばプラント(茨城県つくば市)、小森マシナリー(山形県東置賜郡)、小森机械(中国江蘇省南通市)の3工場体制においてモノづくり革新活動を推進し、魅力ある商品を生み出す開発・生産体制を実現させてまいります。また新生産方式の導入による多品種・変量生産への対応を図り、もっとも効率の良い生産体制を追求し、生産リードタイム短縮と製造コスト低減に取り組んでまいります。
財務戦略の具体化では、資産・資本効率向上を意識した財務リソースの戦略的活用により成長戦略及び株主還元等を推進してまいります。
これらの課題に経営資源を重点的に投入し全社一丸となって取り組むことで、持続的安定成長を実現する経営基盤を構築し、企業価値向上とともに優良企業への転換を図ってまいります。
株式会社の支配に関する基本方針
1.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念をはじめ当社の財務基盤や事業内容等の企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である当社の株式は、株主の皆様による自由な取引が原則であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についても、当社株式の自由な取引により決定されることを基本としております。従いまして、当社株式の大規模な買付行為等についても一概に否定するものではなく、買付提案に応じるか否かの判断は、株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、株式の大規模な買付行為や買付提案の中には、明らかに濫用目的によるものや、株主に売却を強要するおそれのあるもの、その目的等からみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、対象会社の取締役や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役が代替案を提案するための十分な情報や時間を提供しないもの等、不適切なものも少なくありません。
このような大規模な買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模な買付等に対し、これを抑止するための枠組みが必要不可欠と考えます。
2.会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社では、多数の株主及び投資家の皆様に長期的に当社への投資を継続していただくため、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下のような施策を実施しております。これらの取組みは、上記1.基本方針の実現にも資するものと考えております。
(1)当社の経営理念及び企業価値の源泉
当社は大正12年の創業以来、90年以上に亘り印刷機械システムのメーカーとして品質と信頼を至上とするものづくりの原点にこだわり、世界各国へ高品質・高性能な印刷機械とサービスを提供することにより、印刷文化の発展に寄与してまいりました。
当社の経営理念は、「顧客感動企業の実現」であります。「顧客感動企業」とは、高い「経営品質」の実現を目指して、絶えず「顧客感動創造活動」を推進し、世界中のお客様に満足と感動をもたらす企業になることであり、具体的には「KANDO-PROJECT」を通じて次の3つの項目を推進しております。
① 「KOMORI」ブランドの創造活動と維持管理を実施する
② 知覚品質管理活動を徹底し、顧客満足を高める
③ ソリューションビジネスを推進し、顧客の利便性を高める
これら顧客を起点とした事業活動のプロセスにより築き上げられた顧客との信頼関係が当社の企業価値の源泉であります。
(2)中期経営計画を軸とする企業価値ひいては株主共同の利益向上への取組み
当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のため第5次中期経営計画を平成28年4月にスタートさせました。本中期経営計画の趣旨は、第4次中期経営計画の基本骨子である「事業構造変革」と「業態変革」の2つの柱を基本的には踏襲するものですが、当社の中核事業であるオフセット事業をより強化するとともに、第4次中期経営計画で策定し一部実施した戦略や施策をより具体化し成果を顕在化させること、当社の持つリソースを有効に活用しその潜在価値を可能な限り発現させることにあります。
第5次中期経営計画の主要戦略は以下の7項目です。
① 収益構造変革(営業業態変革・PESP [プリント・エンジニアリング・サービス・プロバイダー]事業の拡大)
消耗品(K-Supply等)、周辺機器(Apressia等)、計画工事、それらを統合するソリューション(KP-Connect
Cloud Solutionを含む。)の提供と事業拡大
② モノづくりの抜本的改革(開発・製造)
新生産方式等の導入による多品種・変量生産への対応とリードタイム・在庫水準・コストの改善
③ DPS(デジタル印刷機)事業のビジネスモデル構築・事業化
コニカミノルタ株式会社と共同開発中のインクジェット印刷機ImpremiaIS29、イスラエルのランダ社開発のナノテ
クノロジーと当社の技術を融合した次世代デジタル印刷機ImpremiaNS40の市場投入と拡販及び当社独自のビジネ
スモデル構築
④ 事業間のシナジー効果創出による差別化強化
オフセット、デジタル、証券印刷、PE(プリンテッドエレクトロニクス)等の技術・ノウハウを融合した当社独自
の付加価値の高いソリューションの開発と提供
⑤ 人材育成・採用の強化、海外人材の活用
事業の複線化・役割変更に伴いスキルの向上、グローバル人材育成、マネジメント人財開発を行い、組織機能の合
理化とともにスリムで機敏な組織体制を構築
⑥ 間接業務の効率化・SGA20(販売費及び一般管理費の削減)
ICT(情報通信技術)、自社業務の外部委託等の活用による業務の効率化とSGA20推進による収益性の向上
⑦ 財務戦略・M&Aの具体化
財務リソースの積極的な戦略的活用による資産・資本効率向上と成長戦略の推進及び配当・株主還元等資本政策
の見直し
(3)コーポレート・ガバナンスの強化への取組み
当社は全てのステークホルダーの期待に応え、責任を果たし、企業価値の最大化を追求していくことが、経営の最重要課題の一つであると認識しております。その実現のためにはコーポレート・ガバナンスの確立が不可欠であると考えます。
当社では、「経営の透明性の確保」、「経営の意思決定の迅速化」、「コンプライアンスの確保」及び「経営のチェック機能の強化」を図ることを、コーポレート・ガバナンスの基本としております。この基本に従って経営の監視を含む諸問題に関して、コーポレート・ガバナンスが十分機能するよう取り組んでおります。また、取締役会の透明性を高め、監督機能の強化を目的として、当社は、取締役8名のうち社外取締役を2名選任しております。社外取締役を置くことにより、監督機能のより一層の客観性・中立性の確保が図られているものと考えております。
今後も、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努め、企業価値ひいては株主共同の利益を追求してまいります。
3. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成28年4月28日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)の継続を決議し、平成28年6月21日開催の当社第70回定時株主総会(以下、「本株主総会」といいます。)において、本プランの継続につき承認を得ております。
本プランの対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいいます。
本プランにおける、大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)は、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付けによる当社全株式の買付の場合は最長60日間、その他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が、当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める対抗措置を講じることがあります。
対抗措置を講じる場合、その判断の合理性及び公正性を担保するため、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外取締役や社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。ただし、独立委員会が対抗措置の発動について勧告を行い、発動の決議について株主総会の開催を要請する場合、株主の皆様に本プランによる対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間を設定し、株主総会を開催することがありますが、大規模買付行為は当該期間の経過後にのみ開始できるものとします。当社取締役会は、株主総会において対抗措置の発動または不発動について決議された場合、当該株主総会の決議に従うものとします。
なお、本プランの有効期限は平成31年6月に開催予定の当社第73回定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、本株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページ(http://www.komori.co.jp/hp/)に掲載しております。
4.本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社取締役会は以下の理由から、本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでなく、かつ当社役員の地位の維持を目的とするものでないと判断しております。
①買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しております。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。
②企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的としていること
本プランは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって継続されるものです。
本プランの発効は、株主の皆様のご承認を条件としており、株主の皆様のご意向により本プランの廃止も可能であることは、本プランが株主共同の利益を損なわないことを担保していると考えられます。
③株主意思を反映するものであること
当社は、本株主総会において本プランに関する株主の皆様の意思を確認させていただくため、議案としてお諮りし原案通りご承認いただきましたので、株主の皆様のご意向が反映されたものとなっております。
また、本プラン継続後、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになり、株主の皆様のご意向が反映されます。
④独立性の高い社外者の判断の重視
本プランにおける対抗措置の発動は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように本プランの適正な運用を担保するための手続も確保されており、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑤デッドハンド型やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、当社の株式を大量に買い付けようとする者が、自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の任期1年間としておりますので、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する防衛策)でもありません。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす事項は、以下のようなものがあります。
(1)為替レート変動によるリスク
当社グループの海外売上比率は全体の半分を超えており、為替変動の影響を受けやすい構造となっております。主要な海外市場は、欧州、米州、アジアでありますが、特定の地域への極端な偏重はありません。また、先物為替予約等でヘッジすることによりリスクの合理的な軽減を図っております。しかしながら、大幅な変動が生じた場合には、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)需要環境変動によるリスク
当社グループは、印刷機械の専業メーカーであり、主にオフセット印刷機の生産、販売、修理加工をしております。印刷機械の需要は、タイムラグはあるものの基本的には景気動向に強く影響されます。即ち、景気の悪化が当社のお客様の設備の稼動状況ひいては設備投資の意思決定に大きな影響を与えます。従って、当社グループの主要市場である日本、欧州、米州、アジアにおいて景気が大幅に悪化することになれば、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3)債務保証履行による損失発生のリスク
印刷機械の市場では、お客様に製品を販売するにあたり、販売金融をつけることが競争上重要なファクターとなっております。そのため、当社グループは、製品を購入いただいたお客様のリース会社及び提携銀行への債務に対して必要な都度債務保証を実施しております。過去の損失発生実績率あるいは個別に検討して算出した損失見込額をベースにして引当金を計上しておりますが、景気が大幅に悪化した場合には保証先のお客様の経営破綻が起きる可能性もあり、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を与えるおそれがあります。
(4)短納期・少量印刷・バリアブル印刷の普及及び全世界的な電子媒体の拡大によるオフセット印刷市場が縮小するリスク
当社グループの主要事業領域であるオフセット印刷市場は、パーソナルマーケティングの普及に伴う消費者一人ひとりへの対応、環境保護への取り組み等を背景に、大量印刷から短納期・少量印刷・バリアブル印刷に移行しています。またインターネットや電子書籍の浸透によって紙媒体そのものが縮小してきています。今後、短納期・少量印刷・バリアブル印刷やインターネット等の電子媒体が急速に発展することによってオフセット印刷市場が一段と縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
(5)デジタル印刷機事業が想定どおりに拡大しないリスク
当社グループは新規事業への取り組みとして、デジタル印刷機事業に参入しました。既にA3サイズ用デジタル印刷機をOEM供給を受け販売を開始していますが、他社と共同開発したB2サイズの最新鋭デジタル印刷機を市場投入してまいります。しかしながら、デジタル印刷機における競争激化や印刷会社のニーズの変化、その他デジタル印刷機事業の立ち上がりを阻害する不測の事態が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
(6)海外事業に伴うカントリーリスク
当社グループは、欧州、米州、中国に販売会社を設けており、海外売上高は全体の半分を超えております。これら海外市場において、外国企業に対する暴動、内乱、テロ、戦争、自然災害、感染症などが発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
(7)製造拠点の集中に係るリスク
当社グループの主要生産拠点でありますつくばプラントにおいて地震や竜巻等自然災害が発生した場合には、生産設備の破損、サプライチェーンの機能麻痺等が発生し、操業停止等の事態に陥り、当社グループの財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性があります。
契約会社名 | 相手先の名称 | 相手先の | 契約内容 |
株式会社小森コーポレーション(当社) | デ・ラ・ルー社(DE LA RUE | 英国 | 証券印刷機械システムの包括技術協力契約 |
株式会社小森コーポレーション(当社) | ランダ社(LANDA | イスラエル | デジタル印刷技術のライセンス及び供給契約 |
契約会社名 | 相手先 | 相手先の | 契約 | 契約内容 | 契約期間 |
株式会社小森コーポレーション(当社) | コニカミノルタ株式会社 | 日本 | 平成23年 | デジタル印刷機の販売提携 | 契約締結日から |
コモリ アメリカ | SCREEN GP | 米国 | 平成27年 | インクジェット印刷機の米国における販売提携契約 | 契約締結日から |
コモリ インターナショナル ヨーロッパ ビー.ヴィ. | SCREEN GP | オランダ | 平成28年 | インクジェット印刷機の欧州における販売提携契約 | 平成28年1月1日から |
株式会社小森コーポレーション(当社) | Highcon | イスラエル | 平成27年 | デジタルダイカット&クリーシングシステムの日本における販売提携契約 | 平成27年12月29日から |
株式会社小森コーポレーション(当社) | 中国・上海エテルナ マシナリー社 | 中国 | 平成27年8月7日 | 打抜機及びその周辺装置の製造委託、売買取引及び共同開発におけるODM契約 | 平成27年8月7日から |
研究開発活動は、当社グループの事業戦略に基づき重要度及び緊急度の高い課題に重点的に取組んでおります。
当連結会計年度における当社の重要な研究開発成果は次の通りであります。
最大紙サイズ585×750mmに対応する最新鋭のデジタル印刷機として「Impremia IS29(29インチ枚葉インクジェットデジタルプリンティングシステム)」を開発しました。UVインクジェット技術により、特別な用紙やプリコートを不要とすることが出来ました。通常のオフセット印刷用紙がそのまま使用出来る幅広い用紙適正、0.06~0.6mm(片面時)に対応する紙厚適性、及び速乾・両面ワンパス印刷により、多品種・小ロット・短納期を実現します。また、オフセットと同様な高い表裏見当精度により、オフセットに迫る安定した高印刷品質を実現し、商業印刷はもとよりパッケージ印刷にも威力を発揮します。
リスロンGシリーズの性能を継承しながら、先進の卓越したテクノロジーとノウハウを結集した世界最先端の機種として「リスロン GX40」を開発しました。厚紙を含めた18,000回転/時間での安定した印刷を可能にするとともに、自動ノンストップシステムや制御システム、各種自動装置により、高速連続稼動の実現とジョブ切り替え効率の向上を行いました。多彩な要求に応える高付加価値印刷対応の特殊機械構成をラインナップしており、高級商業印刷・出版印刷はもとより、その印刷品質と生産性の高さにより多彩な要求のあるパッケージ印刷に威力を発揮します。また、環境に優しい省エネ・省スペース・省排熱も実現しました。
高度化・複雑化する市場のニーズにハイレベルで応える菊半裁機として「リスロン G29」を開発しました。厚紙を含めた16,500回転/時間での安定した印刷を可能にするとともに、最新の各種自動化システムの搭載により、さらなるショートメイクレディを実現しました。KDS(H-UVドライヤー装置)やコーター装置の仕様をラインナップしており、高級商業印刷から多種多様な高付加価値印刷まで柔軟に対応します。
自動化システムでは、色調管理装置PDC-SXの新たな機能として、パッケージ印刷向けの品質安定・生産性向上に役立つ新機能を開発しました。色合わせが難しかった特色でも色彩値を用いて正確にフィードバックできる色補正機能や、打ち抜き工程に連携できるように紙位置に対して絵柄を合わせる印刷位置合わせ機能を搭載しております。更にはイメージセンサーにより印刷物全体を取り込み、PDFなどの刷版データと本機出力を比較するPDF照合装置を新たに開発しました。これにより、調整刷りの段階で版キズや文字欠けなども確認でき、不正紙の流出を防止することが出来ます。
また、不良紙の管理のためのシステムとして、インクジェット式ナンバーリングシステムを開発しました。フィーダーボード上で1枚毎にシリアルナンバーを印字し、印刷物の品質管理を行います。
印刷資材においては、当社独自開発のH-UVシステムに使用するH-UVインキの品質改善(タック、濃度、流動性など)に取組み、硬化性・品質・汎用性・経済性をハイレベルに兼ね備えたH-UV機に最適なインキである「KG-911」を開発しました。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、4,974百万円(売上高比5.2%)であります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益、費用の計上につきましては、過去の実績に基いた合理的な基準による見積りが含まれております。
なお、連結財務諸表作成にあたっての重要な会計方針等は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,551百万円増加して188,173百万円(前連結会計年度比1.9%増)となりました。資産の主な増加要因は、現金及び預金の増加5,727百万円、繰延税金資産の増加1,208百万円、棚卸資産の増加924百万円、有形固定資産の増加837百万円、投資有価証券の増加569百万円、投資その他の増加553百万円等であります。主な減少要因は、受取手形及び売掛金の減少3,662百万円、有価証券の減少2,467百万円等であります。
(負債及び純資産)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,789百万円増加して52,283百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。負債の主な増加要因は、退職給付に係る負債の増加1,567百万円、流動負債その他の増加825百万円、電子記録債務の増加600百万円等であります。主な減少要因は、繰延税金負債の減少328百万円等であります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ761百万円増加して135,890百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。純資産の増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加6,522百万円等であります。主な減少要因は、配当金による利益剰余金の減少2,478百万円、退職給付に係る調整累計額の減少1,666百万円、為替換算調整勘定の減少785百万円、その他有価証券評価差額金の増加783百万円等であります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の73.2%から72.2%(前連結会計年度比1.0%減)となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の2,180.73円から2,192.83円(前連結会計年度比12.10円の増加)となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ4,066百万円増加し95,326百万円(前連結会計年度比4.5%増)となりました。地域別売上高及びセグメント別の売上高につきましては、「1[業績等の概要](1)業績」に記載の通りです。
(営業費用、営業損益)
営業損益は、6,612百万円の利益(前連結会計年度比1.9%増)となりました。
(営業外損益、経常損益)
営業外損益は、前連結会計年度は836百万円の為替差益に対し、当連結会計年度は400百万円の為替差損となるなど収支が悪化し、当連結会計年度の経常損益は6,508百万円の利益(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益)
税金等調整前当期純損益は、特別損益で前連結会計年度に特別利益として固定資産売却益212百万円、投資有価証券売却益123百万円を計上しましたが、当期は特別損失として減損損失182百万円を計上したため、6,293百万円の利益(前連結会計年度比22.5%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損益は、米国販売子会社において、繰延税金資産の回収可能性が高まりこれを資産計上したことにより税負担が軽減されたこと等から、6,522百万円の利益(前連結会計年度比13.8%減)となりました。
(4) 流動性及び資金の源泉
「1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
「4[事業等のリスク]」をご参照ください。