第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、原油安による物価上昇率の低下に伴う実質所得の押し上げなどから個人消費が持ち直しているものの、そのペースは緩やかでした。また、政府主導の経済政策や日銀の金融緩和策の効果もあり、企業収益や設備投資、雇用情勢が改善するなど、緩やかな回復基調で推移しました。

海外におきましては、米国では景気の拡大が継続しました。欧州では原油安が実質所得を押し上げ、個人所得が底堅く推移しながらも、中国の需要減速などで輸出の伸びは鈍っており、緩やかな回復となりました。また、中国、新興国の経済成長率は減速しており、依然として不透明な状況が続いております。 

当社グループが市場とする食品業界は、消費の低迷による商品の低価格化や差別化などの課題をかかえております。また、食の安全性、健康志向の増大、環境問題など市場のニーズが多様化しております。

このような状況の下で当社グループは、変化する市場環境や経営環境に対応するため、市場動向を調査し、レオロジー(流動学)を基礎とする当社独自の開発技術の商品化により、食品機械のより一層の標準化推進と、安全性の向上を図るとともに、多様な消費者ニーズに対応できる商品群を国内および海外の食品業界へ提案してまいりました。

 

当連結会計年度における売上高は25,100百万円前年同期比9.0%増)、営業利益は2,370百万円前年同期比7.6%増)、経常利益は2,520百万円前年同期比8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,710百万円前年同期比8.7%減)となりました。

 

報告セグメント別の状況につきましては、次のとおりであります。

 

〔食品加工機械製造販売事業〕

国内市場では、食品成形機において「火星人 CN580型」、「セットパンナー KP301型、KP302型」、新型の「重合ノズルソニックスライサー SK100型」が和洋菓子業界向けに販売が好調でした。また、「2列火星人 WN155型」の調理食品業界への販売が好調で、新機種の「包あん機 AN210型」への買替需要もあり、売上が前年より増加しました。製パンライン等においては、品質アップやバラエティー化に対応した「ドーナツライン」、「菓子パンライン」、「ピザライン」、「サブレサンドライン」や「ペストリーライン」などの販売がありましたが、売上は前年より減少しました。なお、コンビニベンダー向けの販売は引き続き好調に推移しております。以上により、国内全体の外部顧客への売上高は、前年同期比1.2%増加しました。

アメリカ市場では、食品成形機において「火星人 KN550型」の調理食品業界やエスニック市場への販売があり、売上は前年より増加しました。製パンライン等においては、「クッキー生産ライン」、「ブレッドライン」、「ピザライン」の販売があり、売上は前年より増加しました。以上により、アメリカ全体の外部顧客への売上高は、現地通貨ベースでは前年同期比1.9%増加し、円ベースでは前年同期比11.4%増加しました。

ヨーロッパ市場では、食品成形機において調理食品を生産する「火星人 KN550型」、クッキー等の菓子を生産する「火星人 KN171型」の販売が好調で、売上が前年より増加しました。製パンライン等においては、南欧・中東で大型の「ブレッドライン」、「クッキー生産ライン」の販売がありました。また、ドイツでは、ブレッド生産用の「ストレスフリーデバイダー VX212型」の販売が好調で売上が前年より増加しました。以上により、ヨーロッパ全体の外部顧客への売上高は、現地通貨ベースでは前年同期比14.5%増加し、円ベースでは前年同期比9.4%増加しました。

 

アジア市場では、食品成形機において中国・台湾で月餅や中華まんを生産する「火星人 KN550型」、中国でミニパンを生産する「火星人 CN511型」の販売が好調で、売上は前年より増加しました。製パンライン等においては、中国、香港、フィリピンで高品質なパンの需要に対応した「VM製パンライン」、韓国で調理食品を生産する「メガフォーマー」、シンガポールで「ブレッドライン」の販売があり、売上が前年より増加しました。以上により、アジア全体の外部顧客への売上高は、前年同期比19.6%増加しました。

修理その他は、国内、海外ともに売上が前年より増加しました。

 

〔食品製造販売事業〕

アメリカのオレンジベーカリーでは、バタークロワッサンの販売が好調であったことと、既存顧客へのパイ、デニッシュペストリーなどの販売量増加により、外部顧客への売上高は、現地通貨ベースでは前年同期比5.6%増加し、円ベースでは前年同期比15.5%増加しました。

国内の㈲ホシノ天然酵母パン種においては、国内大手ユーザー向けのホシノ天然酵母パン種需要が増加したことにより、外部顧客への売上高は、前年同期比10.2%増加しました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

①食品加工機械製造販売事業(日本)

日本国内は、食品成形機、修理その他の売上が増加したことにより、外部顧客に対する売上高は9,267百万円前年同期比1.2%増)となりました。また、売上原価率が1.6%改善したことにより、セグメント利益(営業利益)は2,485百万円前年同期比8.9%増)となりました。

②食品加工機械製造販売事業(北米・南米)

アメリカ地域は、食品成形機、製パンライン等、修理その他の売上が増加したことにより、現地通貨ベースでは、前年同期に比べ1.9%増加しました。円ベースでは、円換算に使用するUSドルの期中平均レートが109円93銭から120円14銭と円安になったことにより、外部顧客に対する売上高は2,036百万円前年同期比11.4%増)となりました。また、販売費及び一般管理費が、現地通貨ベースで6.7%増加しましたが、売上原価率が、現地通貨ベースで2.4%改善したことにより、セグメント利益(営業利益)は84百万円前年同期比81.4%増)となりました。

③食品加工機械製造販売事業(ヨーロッパ)

ヨーロッパ地域は、食品成形機、製パンライン等、修理その他の売上が増加したことにより、現地通貨ベースでは、前年同期に比べ14.5%増加しましたが、円ベースでは、円換算に使用するユーロの期中平均レートが138円77銭から132円58銭と円高になったことにより、外部顧客に対する売上高は2,844百万円前年同期比9.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は103百万円前年同期比45.2%増)となりました。

④食品加工機械製造販売事業(アジア)

アジア地域は、食品成形機、製パンライン等、修理その他、仕入商品の売上が増加したことにより、外部顧客に対する売上高は2,234百万円前年同期比19.6%増)、セグメント利益(営業利益)は729百万円前年同期比34.8%増)となりました。

⑤食品製造販売事業(北米・南米)

バタークロワッサンの販売が好調であったことと、既存顧客への販売数量が増加したことにより、現地通貨ベースでは、前年同期に比べ5.6%増加しました。円ベースでは、円換算に使用するUSドルの期中平均レートが109円93銭から120円14銭と円安になったことにより、外部顧客に対する売上高は8,224百万円前年同期比15.5%増)となりました。販売先に対する売掛金の内容を慎重に検討した結果、貸倒引当金513百万円を計上したことにより、販売費及び一般管理費が現地通貨ベースで67.7%増加し、セグメント利益(営業利益)は455百万円前年同期比39.3%減)となりました。

⑥食品製造販売事業(日本)

国内大手ユーザー向けのホシノ天然酵母パン種需要が増加したことにより、外部顧客に対する売上高は493百万円前年同期比10.2%増)となりました。また、売上原価率が6.9%改善したことにより、セグメント利益(営業利益)は118百万円前年同期比136.8%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,813百万円前年同期113百万円増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は3,200百万円前年同期605百万円増)となりました。

これは、主に税金等調整前当期純利益が2,520百万円、減価償却費が889百万円、売上債権の減少が104百万円、たな卸資産の増加が154百万円仕入債務の増加が243百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は955百万円前年同期142百万円増)となりました。

これは、主に有形固定資産の取得による支出が896百万円、無形固定資産の取得による支出が137百万円などによるものであります。設備投資の主なものは、当社においては建物及び構築物などであります。オレンジベーカリーにおいては建物附属設備、製造用機械装置などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は2,067百万円前年同期1,557百万円増)となりました。

これは、長期借入金の返済による支出が654百万円、自己株式の取得による支出が605百万円、配当金の支払が638百万円などによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

食品加工機械製造販売事業

 

 

 日本

14,116,229

+5.5

小計

14,116,229

+5.5

食品製造販売事業

 

 

 北米・南米

6,761,997

+20.1

 日本

493,314

+10.2

小計

7,255,311

+19.4

合計

21,371,541

+9.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

食品加工機械製造販売事業

 

 

 

 

 日本

10,799,317

+7.0

3,402,879

+72.4

 北米・南米

2,238,411

+54.2

528,644

+52.9

 ヨーロッパ

3,447,667

+37.2

995,865

+142.4

 アジア

2,598,681

+37.1

509,776

+258.6

小計

19,084,077

+19.6

5,437,166

+89.3

食品製造販売事業

 

 

 

 

 北米・南米

8,544,640

+17.5

 日本

493,314

+10.2

小計

9,037,954

+17.1

合計

28,122,032

+18.8

5,437,166

+89.3

 

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

食品加工機械製造販売事業

 

 

 日本

9,267,301

+1.2

 北米・南米

2,036,134

+11.4

 ヨーロッパ

2,844,386

+9.4

 アジア

2,234,932

+19.6

小計

16,382,755

+6.0

食品製造販売事業

 

 

 北米・南米

8,224,360

+15.5

 日本

493,267

+10.2

小計

8,717,628

+15.1

合計

25,100,383

+9.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Bake One, Inc.

3,087,331

13.4

3,252,035

13.0

 

 

3 【対処すべき課題】

当社は、世界の民族食の生産機械として定着した包あん機(食品成形機)、および世界特許のストレスフリー製パンシステムのより一層の標準化により、製パンシステムの改革を図り、食品の安全性および高品質、低価格を可能にさせることにより機械売上拡大に取り組んでいき、世界の食文化に貢献する生産効率の高い多品種自動生産システムを供給してまいります。

①国内市場の拡大

当社顧客においては市場拡大のため、専門分野を超えた製品や流通ニーズに応えた新製品開発が必要となっており、当社のソフト提案・用途拡大提案が重要となっております。業界別の境の無い提案を同時に行い、顧客ニーズに応え、既存顧客のみならず、新規顧客への販売拡大を図ってまいります。

②海外市場の販売強化

海外市場においては、各国の食文化にあった販売活動を推し進めるため、「代理店の強化」、「各資材メーカーとの販売協力体制の強化」、「展示会による顧客ニーズの発掘強化」、「海外研修制度を活用した人材育成」を実施してまいります。

③開発力の強化

開発部門では、細分化された組織を大きく「5つのグループ」に編成し、グループマネージャーがそれぞれのグループ内の課を取りまとめ、枠を超えた業務に対応できる機動力ある組織で、新機種開発の充実を図るとともに、最新の市場や顧客ニーズを把握して新製品開発に生かす情報収集の専門部署として、営業本部内の「マーケティング部」を活用し顧客視点での情報分析を行い、新機種の開発のスピードアップを図ってまいります。

④生産力の強化

生産部門においては、生産本部長を配し、社外のコンサルタント導入による生産体制の根本的見直しを行い、海外市場に通用する生産力・コストダウン力を高め、品質・納期管理の徹底できる体制を強化構築してまいります。

 

⑤食品製造販売事業の拡大

オレンジベーカリーでは、新商品の開発による新規顧客の獲得を図るとともに、戦略商品としてパフペストリー製品の拡販を行い、工場の稼働率アップを図ってまいります。
 ㈲ホシノ天然酵母パン種では、顧客の需要に応えるため新工場を建設し、生産能力のアップを図ってまいります。また、韓国、台湾、香港で研究会を開催し、㈲ホシノ天然酵母パン種の魅力を発揮できる拠点ユーザーを育ててまいります。

⑥社会的責任

社会的責任と役割を果すべく、低炭素社会の実現を目指し、環境保全活動も積極的に展開してまいります。当社は、日光杉並木保護活動を支援し、栃木県が発足した「日光杉並木オーナー制度」に賛同し、日光杉並木のオーナーとなりました。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業等のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。ただし、以下は当社グループの全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努め事業活動を行っておりますが、これらの全てのリスクを完全に回避するものではありません。

①為替変動について

当社グループの売上高の55%は、米ドルおよびユーロなどの外貨建てであります。米ドルおよびユーロなどの日本円に対する為替変動は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

②通期業績及び四半期業績の変動について

当社グループの売上や業績は変動が大きい場合があります。四半期ごとの経営比較はそれほど意味がなく、また、このような比較が将来の指針としては信頼のよりどころとならない可能性があります。当社グループの売上高は次にあげる主要な要因の結果により四半期ごとに変動することがあります。

・食品産業での菓子、パンなどは気候の状態によりその消費の大きな変動があります。

・菓子、パンなどの消費の端境期に設備投資を行うため周期的および季節的変動要因があります。

・顧客からの短納期での注文または注文のキャンセル、設備納入の日程変更等の発生による変動要因があります。

③商品に対する価格低下圧力について

デフレ環境の中で、顧客の製品コストに関する低下要求が厳しくなってきており、当社グループの商品の大半は、自社独自に開発されたものであるため、初期普及段階では割高感が生じる恐れがあり、当社グループの売上確保に影響を及ぼす可能性があります。

④新商品開発力について

当社グループの売上のかなりの部分は革新的な新商品が占めております。将来の成長は、主に革新的な新商品の開発と販売に依存すると予想しております。当社グループは継続して斬新で魅力ある新商品を開発できると考えておりますが、社会的趣向の変化や技術的進歩の動向により以下のような様々なリスクが考えられます。

・新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できない状況が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・長期的な投資と大量の資源投入が成功する新商品または新技術の創造につながらない場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

・市場からの支持を獲得できる新商品または新技術を正確に予測して機械を開発できない事態が生じた場合には、これからの商品の品揃えおよび販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤知的財産について

当社グループでは、知的財産の重要性を認識し、多くの技術を権利化し特許および商標を保有してまいりましたが、特定の地域および国では法的制限のため特許権が完全に保護されない場合や、第三者が当社グループの特許を侵害し、類似した商品や、模倣した商品を製造・販売する場合、これらを効果的に防止できない可能性があります。

また、将来的に当社グループが第三者の特許権を侵害していると主張される可能性があります。このような状況においては、当社グループの事業活動や業績、財政状態および評判に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥商品の欠陥による影響について

当社は、販売する商品の品質に万全を期すことに努めております。しかし、予測できない原因により商品に欠陥が生じ、リコール、クレームなどが発生しないという保証はありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への保証や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は国内および海外とも生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。

⑦自然災害等の発生について

当社グループの本社および工場は、栃木県にあります。東日本大震災のような災害による被害も直接的あるいは間接的に受けやすい地域であるといえます。また、部品調達、生産、物流、販売、サービスといった当社の施設や事務所は、国内各地、北米、ドイツ、台北、上海にあり、自然災害や火災、コンピュータ・ウイルス、テロ攻撃といった事象に伴うライフラインの停止、停電などの影響や、災害による混乱状態が発生した場合、当社グループの拠点の設備などが大きな影響を受け、その一部または全部の操業が中断し、営業活動停止や工場操業停止となり、販売活動の阻害や、生産および出荷が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備などの修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの事業、業績および当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧環境の放射能汚染に伴う輸出および販売についての影響

原子力発電所において放射性物質の漏えい事故が起きた場合に、放射線による金属製品を含む機械や部品などの工業製品の汚染により、国内および海外への販売が阻害されるリスクがあります。

⑨コンプライアンスリスク
 当社グループは、経営の優先課題として、コンプライアンス活動に取り組むよう行動基準を定め、全役職員に周知徹底を図り、リスクを認識した場合は迅速に対応する体制を整えています。
 しかしながら、役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態が影響を受ける可能性があります。

⑩国際活動について

当社グループは、販売活動および事業活動を日本以外の地域でも行っております。こうした海外市場で活動を行う際には、以下のようなリスクが考えられます。

・政治的または経済的要因

・潜在的に不利な税の影響

・予想外の法的または規制面の変化

国際活動において固有のリスクに当社が十分に対処できない場合、事業・業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪食品製造販売事業における特定顧客への取引集中による影響

当社グループは、食品加工機械製造販売事業の他に食品製造販売事業を営んでおります。食品製造販売事業において、売上高が特定の顧客に一時的に集中することがあり、特定顧客からの注文の著しい減少、および特定顧客の業績悪化、財政難等が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑫食品製造販売事業における食の安全性および品質管理の欠陥による影響について

当グループの食品製造販売事業は、食の安全性確保と食品事故の未然防止を図るため日々の品質管理に万全を期しております。しかし、予測できない原因により商品の欠陥が生じ、リコール、クレームなどが発生しないと言う保証はありません。そのような事態が発生した場合は、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は、従来より市場開発型企業の特性を活かし、消費者の食品嗜好の多様化など市場ニーズに対応すべく、食品の基礎研究および食品加工技術開発の両面から日常的に研究開発を重ね、当該技術を市場に提供していることに加え、今後さらに環境に配慮した生産技術を開発すべく鋭意努力しております。

当連結会計年度における研究開発費は、723百万円となっており、主な活動の状況は以下のとおりであります。

 

〔食品加工機械製造販売事業〕

食品成形機および製パンライン等の構成機械とラインシステムの研究開発、ならびにこれら機械システムを用いて生産される食品の研究開発を行っております。

食品成形機においては、万能タイプの包あん機「火星人 CN580型」や海外向け包あん機「火星人 KN550型」などが順調に販売を伸ばしております。これらのオプションとして「重合ノズルソニックスライサー SK100型」を開発し、モザイククッキーの成形性能を向上させました。また、後続となる成形装置の研究開発を進め、火星人の販売に繋げております。特に中華まんラインの後続機としては、「中華まんヒダ付け装置 NU032型」に改良を施してヒダの精度向上を図りました。「高速包あん成形機メガフォーマー」は吐出の改良研究を進め、重量精度を向上させました。

製パンライン等においては、「ツインデバイダー VX212型」が欧州で順調に伸びており、高品質なブレッドの分割に使用されております。更にお客様のニーズの変化に対応できるよう改良を加えました。また、リテールベーカリー向けには、食パン・菓子パン生地にダメージを与えず、秤量・分割 ができる小型分割機「EZデバイダー CX011型」の販売も順調に伸びており、市場に認知されてきております。使い勝手、重量精度の研究などを続け、更に進化させております。

 

〔食品製造販売事業〕

当社グループのオレンジベーカリーにて開発した新製品を、現地の市場で販売することを通じて顧客ニーズの調査・研究を行い、より市場に求められる製品の開発と、それらを生産するための食品加工機械の開発に役立てています。また、新しい天然酵母パン種の研究、天然酵母パン種の活用方法を拡大するための応用化研究を㈲ホシノ天然酵母パン種にて日々行っております。

 

研究開発活動の成果として、当連結会計年度に新たに取得した特許件数は、国内9件、海外24件の計33件となり、当連結会計年度末日現在の総保有特許は、国内143件、海外445件の合計588件を有するに至っております。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値、ならびに報告期間における収益、費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因などに基づき、見積りおよび判断を行っているものであります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて226百万円減少前年同期比1.9%減)し、11,420百万円となりました。これは、現金及び預金が113百万円増加、繰延税金資産が184百万円増加、貸倒引当金が478百万円増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて683百万円減少前年同期比4.5%減)し、14,351百万円となりました。これは、減価償却が進んだことおよび当社の土地を売却したことにより、有形固定資産が502百万円減少、無形固定資産が111百万円増加、投資有価証券が215百万円減少したことなどによります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて910百万円減少前年同期比3.4%減)し、25,771百万円となりました。

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて328百万円減少前年同期比5.9%減)し、5,247百万円となりました。これは、短期借入金が485百万円減少、未払法人税等が420百万円増加、前受金が259百万円減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて511百万円減少前年同期比20.4%減)し、1,990百万円となりました。これは、長期借入金が363百万円減少、繰延税金負債が97百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて839百万円減少前年同期比10.4%減)し、7,238百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて71百万円減少前年同期比0.4%減)し、18,533百万円となりました。これは、利益剰余金が1,120百万円増加、自己株式が605百万円増加、その他有価証券評価差額金が143百万円減少、土地再評価差額金が23百万円減少、為替換算調整勘定が360百万円減少したことなどによります。

 

また、自己資本比率は、前連結会計年度末の69.7%から71.9%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

第2 事業の状況  業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

第2 事業の状況  業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は食品加工機械の技術開発型企業として、その市場は日本国内はもとより欧米、アジア等全世界に及んでおります。技術開発型企業を特徴付けるものとして開発投資比率が大きいこと、および売上総利益率が高いことが挙げられます。これを可能ならしめている基本は、開発された技術に基づく商品および製品が、市場ニーズに合った高付加価値を与えるものでなければなりません。食品加工産業は、全体としてまだまだ中小企業が多く生産の合理化、効率化が未達成であり、その上、安全性、衛生面の要求が社会的に強まっております。進歩した「生産機械」、「生産システム」、「生産管理システム」をこれからも市場に提案してまいります。

開発すべき技術は、まだまだ多く、当社の活動範囲は多方面にあります。当社の固定比率の高いところは上記理由からくるものであり、損益分岐点を押し上げる要因となっております。

経営の問題意識といたしましては固定比率を低くすること、また売上高総利益率が高いため、売上を拡大するとともに利益体質強化も推進していき、世界的な食品加工産業のビジネス環境の変化に対応しながら、目標を達成していく所存です。