文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、レオロジー(流動学)の応用工学に基づく独自の開発技術により、常に進歩的な新技術の開発を行い、食文化の継承と発展を通じて、「存在理由のある企業たらん」を目指し、人類繁栄に貢献することを経営の基本理念としています。また、当社グループを取り巻く社会とすべてのステークホルダーの信頼と期待に応え、食品機械工業界におけるパイオニア的役割を果たすとともに、研究開発メーカーとしての使命を遂行してまいります。
世界経済は、インフレや地政学リスクの高まりに加え、米国の対外政策の影響や金利や為替の動向などから、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、当社グループが主要市場とする食品業界は、所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により回復の動きが見られたものの、コスト急騰を吸収するための値上げと消費者の生活防衛意識の高まりから節約志向が強まり、厳しい経営環境が続きました。一方で、生産におけるコスト高や人手不足を解決するため、自動化による設備投資が重要な課題であることも事実であります。このような状況の中、新たな中期経営計画(2023年度~2027年度)の2年目が終わりました。この中期経営計画で掲げる「改革と企業基盤の強化」である3つの基盤強化(①成長基盤の強化 ②利益基盤の強化 ③経営基盤の強化)に引き続き取り組み、「働きに喜びを感じる社会・会社」に向けて社会課題の解決と企業成長を図ってまいります。
① 成長基盤の強化
日本国内の市場飽和および人口減少等から、当社グループの成長には海外市場の拡大が欠かせません。そのため、海外販路開拓・拡大に向けたグローバル活動体制整備が急務となります。欧米では大型自動化ラインの拡販を進めるため、アルチザンブレット市場やペストリー市場へ新たな製パンラインを投入することで市場拡大に努めます。また、中東・インド・アフリカ等の開拓のため当地での展示会に積極的に出展し代理店の強化を進めることで販売網の拡大を図っていきます。特に停滞気味の中国では、新たな販売ルートの開拓(食肉・冷凍食品など)や新機種の投入により市場を奪還してまいります。
国内においては、社会課題の解決や環境変化の対応(食品ロス・HACCP・賞味期限等)を踏まえた提案が必要となります。また、周辺装置やオプションを含めた効率的な生産ラインにおいては標準機を中心に販売し、お客様ごとのご要望に合わせて当社の技術をご提案する体制を整備してまいります。
その上で、中長期的戦略としてスマートファクトリーを実現するための技術革新は、市場拡大を図る上で重要な課題と位置付けております。
食品製造販売事業のオレンジベーカリーでは、安定した米国経済を背景に業績が好調に推移しました。スーパー、ファストフードは今後も期待できる市場であり、省人化と食品ロスを考慮した商品(ホイロ後冷凍パン等)を拡販してまいります。また、スマートファクトリーに向けた実験工場として食品加工機械製造販売事業との連携により新工場建設計画を進めてまいります。
② 利益基盤の強化
食の多様化、グローバル化の進展に伴い、食品加工機械に求めるニーズも多様化しております。それにより、欧米を中心に製パンラインの案件が増加し、納期が長期化してきました。安定した利益基盤の維持には納期短縮が不可欠です。「品質・納期・コスト」管理を徹底しながら、こうしたニーズに対応していけるかが重要なポイントとなります。開発設計部門では受注機の納期短縮、各種ラインの標準化、部品構成・機種構成の見直しなどを継続するとともに、デザインの統一性や標準化推進を加速させ、コスト競争力の向上に努めてまいります。また、省エネルギー対応や食品ロスの削減など、社会課題の解決に向けた研究開発にも注力してまいります。
生産部門では、機械納期を遵守するとともに、原材料費高騰によるコストアップを最小限にとどめるため、標準機の原価削減に取り組んでおります。生産設備への積極的な投資、新たなサプライチェーンの確保による生産能力の増強、基幹システムに連動させたPLM(製品ライフサイクル管理)、MES(製造管理)、SCM(供給連鎖管理)の構築や3D-CADデータの活用、原価分析による改善提案の強化により、納期短縮とコストダウンを図ってまいります。
③ 経営基盤の強化
「多様性のある人・組織を育成」することは自由な発想へのイノベーションを起こす技術が得られます。加えて環境への配慮や顧客の要望(省力化、省人化、安全・衛生等)に応えることで、環境と経済の発展に貢献することになり、ひいては当社事業の成長を促すことになると考えています。そのために、サステナビリティの3つの重点課題(「環境」「人材・組織」「技術」)を掲げました。人材育成では新たな試みとして、グローバル人材の育成や女性の活躍を促すために「評価と報酬」「採用」「活用(育成、教育)」「組織管理」における改革に取り組んでおります。
環境面では、環境に即した機械を開発するとともに、社内運営において2014年を基準とし、2030年までにScope1・2のCO2排出量の80%を削減する目標を掲げております。また、本社ソリューションセンター及び上河内工場に自家消費型太陽光発電設備を導入し、エネルギーマネジメントを推進することで消費エネルギーの削減に努めてまいります。
DX推進も重要な課題であり、基幹システムと連動するシステムの構築を進めることで、あらゆるものを可視化し問題点を抽出することで解決へと取り組んでおります。ガバナンスも重要なテーマであります。グループ全体でコンプライアンスや品質管理の重要性に対する教育を徹底し、経営基盤の強化に努めてまいります。
サステナビリティをめぐる課題への対応は、当社にとって重要なリスク管理の一部であるとの認識を持ち、法令遵守、環境保護、労働環境の改善、人権尊重、地域貢献といった財務活動以外の面も企業の持続的な成長のために不可欠であると考えております。その上で、サステナビリティ基本方針に基づき「環境」、「人材・組織」、「技術開発」を重点課題として掲げ、サステナビリティをめぐる課題への取組を進めております。
<サステナビリティ基本方針>
当社は、社是「存在理由ある企業たらん」のもと、当社独自の技術やサービスを通じて全世界の食文化の継承と発展に貢献することで社会課題や環境問題の解決に取り組みます。また、「経営理念」や「行動指針」に基づき適正な企業統治を通して、社会から信頼される企業として持続的な企業価値向上を目指します。
(1) ガバナンス

(2) 戦略
①「環境」
当社は、気候変動問題への取組を、国内外の経済発展において重要な課題と認識しており、持続可能な低炭素社会の実現に向けて、事業活動における省エネルギーの推進や、本社および工場での再生可能エネルギーの導入により、GHG(温室効果ガス)やCO2排出量の削減などに取り組んでおります。また、環境負荷低減やエネルギー省力化などに寄与する製品の開発提供にも注力し、2050年までにCO2排出量実質ゼロとするカーボンニュートラルを目標に、事業活動(環境配慮型商品・サービス等)を通じて、環境にやさしい社会の実現に貢献してまいります。なお、当社は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の考え方に準拠しながら、必要なデータの収集と分析を行っております。
気候関連のリスク及び機会に関する戦略については、
②「人材・組織」
人材は企業の重要な資産であると捉え、当社の持続的な成長の維持のためには、変化する市場に適切に対応できる柔軟性を兼ね備えたグローバル人材の育成強化と新たなイノベーションを生み出すための多様性の確保及び職場環境の整備が必要不可欠と考えております。そのため、子育て支援の制度確立をはじめ、一般教育・専門教育、健康管理、多様な採用活動、働き方の見直しを行い基盤強化への取組に努めております。また、個々の多様性が組織に十分生かされるよう、働くことに情熱と誇りを持てる職場環境を目指すとともに、適正な企業統治を実行してまいります。なお、当社グループにおける人材の多様性確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
<多様性の確保についての考え方>
当社は、一人ひとりの多様な視点や価値観を尊重することが持続的な成長と企業価値向上に重要なことと考えております。そのため、女性・外国人・中途採用者に限らず、多様な個性・特徴・経験を持つ中核人材の比率が高まるよう人材育成及び社内環境の整備に取り組んでおります。
a.女性社員
女性の海外駐在員や営業職など、活躍する女性のロールモデルをつくるとともに、女性の活躍できる環境の整備を進めております。特に女性管理職を増やすため、リーダースキルの基本を習得することを目的としたキャリアアッププログラムを定期的に実施しております。
b.外国人社員
グローバル人材育成や海外販売の拡販を推進するためには、外国人社員の活躍は必要と考えております。毎年定期的な人材確保を目指し、優秀な人材は性別、国籍等に関わらず積極的に採用していく方針です。そのために、通年採用制度(4月・10月入社)を取り入れて海外留学生にも配慮した取組をしております。
c.中途採用社員
組織の停滞を防ぐためにも専門的な高いスキルや幅広い経験(視野)を持った人材を確保することは必要と考えており、毎年一定数の中途採用を進めております。
その他の主な取組については、
③「技術開発」
当社の開発は、単に省人・省力化を求めるのではなく、独自のレオロジー技術を用いて食品の美味しさを追求する中で、省エネルギーや食品ロスの軽減などにつながる環境などの社会に配慮した機械の研究開発を通し、さまざまな社会課題の解決に取り組んでまいります。中でも、応用技術としては、今後食品業界で進むことが見込まれる、工場のスマートファクトリー化に対応した技術開発を進めるとともに、子会社であるオレンジベーカリーがこの実験工場としての役割を担います。また、食品技術としては、配合や製造工程を研究し食品ロス削減につながる食品自体の開発も進めてまいります。
(3) リスク管理
(4) 指標及び目標
当社の取組に関する主な指標と目標は以下のとおりであります。
①「環境」
地球温暖化の抑制に向け、CO2排出量削減について、「2030年までにScope1・Scope2のCO2排出量を80%削減する(2014年度比)」という中期的な目標を設定しております。気候関連の指標及び目標については、
②「人材・組織」
当社は、サステナビリティ方針のうち、上記「(2)戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。
なお、当社においては関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
③「技術開発」
2032年度には、食品業界にも環境に配慮したスマートファクトリー化が進んでくるものと見込んでおります。そこで当社は独自技術による社会課題への解決策として、今後3つのステップで技術開発を推進してまいります。
〔第1ステップ〕
IoT活用でリスク管理の強化(安定生産、事故を防ぐ、設備の故障に伴う稼働停止削減)
〔第2ステップ〕
・品質の向上(不良率の低減や品質の安定化)
・コスト削減(原材料の使用量・製品在庫・ヒト・時間・食品ロスの削減)
・生産性向上(設備稼働率の向上、ヒトの作業効率化)
〔第3ステップ〕
・工場全体の一元管理化
・ネットワークを利用した生産の最適化(自動化・遠隔操作)
・新たな付加価値の提供(多様なニーズへの対応)
〔オレンジベーカリーの役割〕
・スマートファクトリーへの実験工場として、当社の進むべき方向性を担う重要な役割を負う
当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外のリスクも存在します。
なお、本項においては将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものです。
(1) 販売活動に関するリスク
① 為替変動について(食品加工機械製造販売事業、食品製造販売事業)
当社グループの売上高の多くは、米ドル及びユーロなどの外貨建てであります。米ドル及びユーロなどの日本円に対する為替変動を抑えるべく、機械の輸出に対して為替ヘッジで対応しておりますが、状況によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 四半期業績の変動について(食品加工機械製造販売事業)
当社グループの売上や業績は、下記のリスク要因により四半期ごとの変動が大きい場合があります。これにより四半期の業績を基に通期の業績を予測することは難しい場合があります。当社グループとしましては、四半期ごとの変動を出来るだけ小さく抑えるため、受注管理とコスト管理の徹底を行ってまいります。
・食品産業での菓子、パンなどは気候の状態によりその消費に大きな変動があります。
・菓子、パンなどの消費の端境期に設備投資を行うため周期的及び季節的変動要因があります。
・顧客からの短納期での注文または注文のキャンセル、設備納入の日程変更等の発生による変動要因があります。
・ライン構成により(他社機械を組み込んだラインと自社機械のみのラインなど)、売上に対して利益が変動する場合があります。
・予想外の法的または規制面の変化
③ 物流網の麻痺
物流網の麻痺、流通サプライチェーンの寸断等により、原材料の調達や生産、出荷等の事業活動に制約が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 国際活動について(食品加工機械製造販売事業)
当社グループは、販売活動及び事業活動を日本以外の地域でも行っております。こうした海外市場で活動を行う際には、以下のようなリスクが考えられます。
・政治的または経済的要因
・潜在的に不利な税の影響
・予想外の法的または規制面の変化
・地域紛争の勃発
・人権問題や不買運動の発生による影響
国際活動において固有のリスクに当社が十分に対処できない場合、事業・業績・財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 食の安全性及び品質管理の欠陥による影響について(食品製造販売事業)
当社グループの食品製造販売事業は、食の安全性確保と食品事故の未然防止を図るため日々の品質管理に万全を期しております。しかし、予測できない原因により商品の欠陥が生じ、リコール、クレームなどが発生しないと言う保証はありません。そのような事態が発生した場合は、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への補償や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループではこのような場合に備え、損害保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
(2) 生産・開発活動に関するリスク
① 新商品開発力について
当社グループの売上のかなりの部分は革新的な新商品が占めております。将来の成長は、主に革新的な新商品の開発と販売に依存すると予想しております。当社グループは継続して斬新で魅力ある新商品を開発できると考えておりますが、社会的趣向の変化や技術的進歩の動向により以下のような様々なリスクが考えられます。
・新商品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できない状況が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・長期的な投資と大量の資源投入が成功する新商品または新技術の創造につながらない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・市場からの支持を獲得できる新商品または新技術を正確に予測して機械を開発できない事態が生じた場合には、これからの商品の品揃え及び販売に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 知的財産について
当社グループでは、知的財産の重要性を認識し、多くの技術を権利化し特許及び商標を保有してまいりましたが、特定の地域及び国では法的制限のため特許権が完全に保護されない場合や、第三者が当社グループの特許を侵害し、類似した商品や、模倣した商品を製造・販売する場合、これらを効果的に防止できない可能性があります。また、将来的に当社グループが第三者の特許権を侵害していると主張される可能性や、特許の権利存続期間の満了に伴って、優位性の確保が困難となることが起こり得ます。このような状況においては、当社グループの事業活動や業績、財政状態及び評判に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 商品の欠陥による影響について
当社は、販売する商品の品質に万全を期すことに努めております。しかし、予測できない原因により商品に欠陥が生じ、リコール、クレームなどが発生しないという保証はありません。そのような事態が発生した場合には、回収費用、社会的な信用の毀損、顧客への保証や訴訟費用・賠償費用などにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は国内及び海外とも生産物賠償責任保険(PL保険)に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
(3) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、商品の品質、取引関連、環境、労務、安全衛生、会計基準や税務など様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制に基づいた活動を推進するための行動基準を定めるとともに、全役職員に対するコンプライアンス意識の周知徹底、リスク認識の共有化に努めております。また、経営の優先課題としてコンプライアンス推進体制を強化すべく、リスク管理委員会や企業倫理委員会を設け、リスクを認識した場合は迅速に対応する体制を整えています。しかしながら、法令違反を含むコンプライアンス上の問題が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
(4) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループでは、設計・生産・販売・会計・人事労務など幅広い領域のデータを管理するとともに、事業上の機密情報や事業の過程で入手した顧客情報や個人情報を保有しております。それらの情報に関して、想定を超えるウィルス感染やサイバー攻撃等により、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があり、その脅威は年々高まっております。また、在宅やリモートワークなど多様な働き方により、影響の範囲は大きくなっております。そのため、当社グループは、これら情報の取扱いに関するルールを整備し、社員の教育・啓蒙の推進に加え、高度化する社外からの脅威に応じそれら対策の強化を行っております。また、運営する情報システムへのウィルス感染やサイバー攻撃によるシステム障害、社外への情報漏洩に対する脆弱性を定期的に診断し、対策を行っております。しかしながら、完全にこのリスクを回避することは困難であり、万が一障害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。なお、当社はサイバーリスク保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
(5) 気候変動に関するリスク
当社グループは、持続可能な低炭素社会の実現に向けて、事業活動における省エネルギーの推進や本社及び工場での再生可能エネルギーの導入により、GHG(温室効果ガス)やCO2排出量の削減に取り組んでおります。また、エネルギー使用の合理化・使用量低減を図るべく、生産プロセスの抜本的な見直しや新技術の導入を推し進めています。しかしながら、気候変動に伴う異常気象等が当社グループの工場の操業やサプライチェーンに影響を与える物理的リスク、あるいは低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(6) パンデミックや自然災害に関するリスク
① パンデミックの影響について
新たなパンデミック(感染症の大流行)が発生した場合は、様々な制限等により、営業活動や物流網に影響を与えるとともに、食品業界の売上低迷から設備投資控えなどが発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。そのために当社では、感染症対応事業継続計画(BCP)運用細則を制定し定期的に見直すことで実効性を高めるとともに、当社グループとして地域に沿った感染予防や対応に関するルールを定めることでリスク軽減に向けた活動を進めております。
② 自然災害の影響について
当社では、主要な機能を持つ本社や工場が同一県内にあることから、地震・風水害等の災害発生に備え、緊急時初動対応運用細則や災害対応事業継続計画(BCP)運用細則を制定しております。これに基づき、建物の耐震診断の実施と対応、安否確認システムの導入、各種訓練の実施、災害備蓄品の保管などお客さま及び従業員の安全確保と事業継続ができる体制の構築に努めております。しかしながら、大きな災害が発生した場合、被災地域における当社グループ施設等の損壊、停電及び交通、通信、物流といった社会インフラの混乱及び途絶、取引先の被災等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業業績を背景に賃上げを実施した企業が多く、雇用や所得環境が改善し景気は緩やかな回復が見られ、日銀は政策金利を引き上げました。一方、各国の政策動向の不確定さから為替相場が不安定な状況にあり、また物価の上昇やエネルギー価格の高騰が続き、依然として先行き不透明な状況が続いております。海外経済におきましては、米国では好調な企業業績と物価上昇率の鈍化により、経済は堅調に推移しておりましたが、政権交代による政策転換が米国内経済に与える影響が見通し困難な状況にあります。欧州ではインフレ率の低下による消費回復の傾向が見られるものの、ウクライナ情勢や中東地域紛争の長期化の地政学リスクが高く、引き続き低成長が続くと見られます。また、中国でも不動産市況の低迷や消費の低迷から経済成長率は押し下げられ、また、米中対立激化が懸念されることから、景気回復ペースは鈍化すると見られます。
当社グループが主要市場とする食品業界は、経済活動の正常化による消費回復が見られるものの、各種コストの上昇を吸収するための値上げが続いたことで消費者の節約志向が高まり、人材確保の難しさもあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。そのような中でも、これまで控えられていた大手・中堅ベーカリーによる設備投資が復活し、観光業界では、円安によるインバウンド観光客の増加により需要回復の動きが見られ、それに合わせて設備投資案件も回復してきました。
当社グループは、2032年度までの長期10年ビジョンを『レオロジー(流動学)技術で美味しさを求めつづける』と定め、食品の美味しさを追求することで多くの人に楽しんでもらい、その上で「スマートファクトリー」を実現する食品製造機械を提供していくことといたしました。中期経営計画(2023年度~2027年度)の2年目の今年度は、「①成長基盤の強化」、「②利益基盤の強化」、「③経営基盤の強化」の基本戦略の推進策として、新機種開発を強化し、為替変動や地政学リスク等の外的要因に大きく左右されない安定経営基盤を構築し、ガバナンス強化や人材育成に取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,669百万円増加し、29,073百万円となりました。これは、現金及び預金が2,186百万円増加、受取手形及び売掛金が858百万円増加、仕掛品が642百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて998百万円増加し、20,168百万円となりました。これは、有形固定資産が576百万円増加、無形固定資産が53百万円増加、投資有価証券が370百万円増加したことなどによります。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,667百万円増加し、49,242百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて2,122百万円増加し、8,867百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が134百万円増加、未払法人税等が309百万円増加、前受金が1,434百万円増加、未払金が223百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて285百万円減少し、1,660百万円となりました。これは、長期借入金が166百万円減少、繰延税金負債が106百万円減少、資産除去債務が19百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,836百万円増加し、10,527百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,830百万円増加し、38,715百万円となりました。これは、利益剰余金が2,735百万円増加、その他有価証券評価差額金が239百万円増加、為替換算調整勘定が174百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度における売上高は39,214百万円(前年同期比4.0%増)、営業利益は5,298百万円(前年同期比8.5%増)、経常利益は5,415百万円(前年同期比8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,889百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高の数値を、セグメント利益は、セグメント間取引消去前かつ販売費及び一般管理費から本社一般管理費を除いた数値を、それぞれ記載しております。
日本国内では、修理その他、仕入商品の売上は増加しましたが、食品成形機、製パンライン等の売上が減少しました。
その結果、外部顧客に対する売上高は11,536百万円(前年同期比2.5%減)となりました。
セグメント利益(営業利益)は4,380百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
アメリカ地域では、食品成形機、修理その他の売上は減少しましたが、製パンライン等の売上が増加したため、現地通貨ベースでは、前年同期比9.7%増加となりました。
主な要因は、アルチザンブレッド製品の需要が増加していることや大型ラインの納入があったことなどがあげられます。
円ベースでは、円換算に使用するUSドルの期中平均レートが144円62銭から152円58銭と5.5%の円安の影響もあり、外部顧客に対する売上高は4,821百万円(前年同期比15.8%増)となりました。
セグメント利益(営業利益)は375百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
ヨーロッパ地域では、食品成形機、修理その他の売上は増加しましたが、製パンライン等の売上が減少したため、現地通貨ベースでは、前年同期比0.5%減少となりました。
円ベースでは、円換算に使用するユーロの期中平均レートが156円80銭から163円75銭と4.4%の円安の影響もあり、外部顧客に対する売上高は4,618百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
セグメント利益(営業利益)は大型展示会の開催がなく、広告宣伝費が減少したことなどにより、390百万円(前年同期比26.4%増)となりました。
アジア地域では、食品成形機、修理その他の売上は増加しましたが、製パンライン等の売上が減少しました。
その結果、外部顧客に対する売上高は2,051百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
セグメント利益(営業利益)は売上減少に伴い販売手数料が減少したことなどにより、503百万円(前年同期比1.8%増)となりました。
アメリカ地域では、オレンジベーカリーの売上高が現地通貨ベースでは、前年同期比1.8%増加となりました。
主な要因は、新規顧客の獲得や、既存顧客向けの売上の増加などがあげられます。
円ベースでは、円換算に使用するUSドルの期中平均レートが144円62銭から152円58銭と5.5%の円安の影響もあり、外部顧客に対する売上高は15,693百万円(前年同期比7.4%増)となりました。
セグメント利益(営業利益)は1,796百万円(前年同期比6.1%増)となりました。
日本国内では、㈲ホシノ天然酵母パン種の外部顧客に対する売上高は492百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
主な要因は、販路拡大に向けて積極的に業者向け講習会を開催したことなどがあげられます。
セグメント利益(営業利益)は製造工程の見直しによる原価低減などにより、68百万円(前年同期比48.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、15,777百万円(前年同期比2,186百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は5,754百万円(前年同期は4,591百万円の収入)となりました。
主な収入としては、税金等調整前当期純利益が5,311百万円、減価償却費が1,485百万円、前受金の増加が1,471百万円などであります。
主な支出としては、法人税等の支払額が1,118百万円、売上債権の増加が887百万円、棚卸資産の増加が733百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は1,999百万円(前年同期は1,456百万円の支出)となりました。
主な支出としては、有形固定資産の取得による支出が1,713百万円、無形固定資産の取得による支出が270百万円になります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は1,369百万円(前年同期は1,372百万円の支出)となりました。
主な収入としては、長期借入れによる収入が160百万円になります。
主な支出としては、配当金の支払額が1,152百万円、長期借入金の返済による支出が330百万円などであります。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度における「食品加工機械製造販売事業」セグメントの「アジア」において、受注残高に著しい変動がありました。これは、当連結会計年度に、次年度出荷予定の大型製パンライン等の受注残高が増加していることによります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収益、費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因などに基づき、見積り及び判断を行っているものであります。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングの実現可能性を十分に検証し、繰延税金資産から評価性引当額を減額して回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産に計上しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産及び法人税等調整額に重要な影響を与える可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき慎重に判断しておりますが、経営環境の変化や地価の変動等により、前提とした条件や仮定に変更が生じ、回収可能額が減少した場合、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、次のとおりです。
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ1,510百万円増加し、39,214百万円 (前年同期比4.0%増)となりました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,001百万円増加し、17,793百万円(前年同期比6.0%増)となりました。売上総利益率は、前連結会計年度比0.9%増加し、45.4%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ586百万円増加し、12,495百万円(前年同期比4.9%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ414百万円増加し、5,298百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取利息の増加などにより前連結会計年度に比べ40百万円増加し、199百万円(前年同期比25.5%増)となりました。
営業外費用は、為替差損の増加などにより前連結会計年度に比べ27百万円増加し、81百万円(前年同期比49.9%増)となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度に比べ427百万円増加し、5,415百万円(前年同期比8.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は計上しておりません。特別損失は、固定資産解体費用として104百万円計上しております。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ214百万円増加し、3,889百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料・仕入商品、外注費用の支払い及び部品購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資などによるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,418百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は15,777百万円となっております。
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源泉につきましては次のとおりであります。
「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、当社本社におけるソフトウエア、上河内工場における生産設備、オレンジベーカリーにおける新工場建設などであります。資金の調達源泉につきましては自己資金のみ、又は自己資金及び金融機関からの長期借入によります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況は次のとおりです。
当社グループは、2023年5月に2023年度から2027年度までの中期経営計画を策定しました。中期経営計画期間は「改革と企業基盤の強化」をテーマに、激変する市場環境に対応し、社会課題の解決と企業成長のための足場固めに取り組んでまいります。
2027年度において、売上高444億円、営業利益率12.0%、ROE9.0%以上を目標とする経営指標といたしました。
当連結会計年度におきましては円安の影響もあり、売上高392億円、営業利益率13.5%、ROE10.4%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において、重要な契約等は行われておりません。
当社の研究開発活動は、従来より市場開発型企業の特性を活かし、消費者の食品嗜好の多様化など市場ニーズに対応すべく、食品の基礎研究及び食品加工技術開発の両面から日常的に研究開発を重ね、当該技術を市場に提供していることに加え、今後さらに環境に配慮した生産技術を開発すべく鋭意努力しております。
当連結会計年度における研究開発費は、
〔食品加工機械製造販売事業〕
技術の標準化及び設計標準化を基軸とした設計業務改革、納期短縮、コスト削減、スマートファクトリーをテーマに取り組み、機械性能とコストバランスを図った独自技術を有する機種開発を行っております。
食品成形機の火星人シリーズでは、各国・地域の法令や安全基準に対応しながら、サニタリー性能の向上や異物混入対策、IoT化などのニーズに焦点を当て、用途拡大の研究を進めております。国内向けには「火星人 CN700型」や「火星人 CN050型」、海外向けには「火星人 KN551型」や「火星人 KN500型」、「火星人 KN050型」なども堅調です。また、新たにアジア向け火星人として、国内向け「火星人 CN700型」と同等のサニタリー性、省エネルギー性、計量精度性能を持つ「火星人 KN700型」の標準化を行いました。これによりアジア地区の更なる販路拡大を図ってまいります。火星人シリーズの主力オプションである「サニタリーブラシレス粉付け機 DU410」、超音波式の「ソニックスライサー SKシリーズ」や自動配列機の「セットパンナー KPシリーズ」も火星人シリーズと組み合わせて多数販売されております。シートラインでは、国際製パン・製菓機材総合見本市IBA展(ドイツ)で展示した生地分割機「トリプルデバイダー VX223型」、大物用生地丸め装置「パンチラウンダー2列 PR202型」を標準化しました。更に米国で販売実績を伸ばしている生地分割機「フリーデバイダー VX132型」及び、ロール状に成形可能な「バラエティモルダー VR511」をヨーロッパでも販売を開始するなど商品の充実も図りました。ヨーロッパでは生地分割計量機の「ツインデバイダー VX222型」も引き続き堅調な伸びを見せております。
国内では、大手ベーカリーの買替需要がコロナ禍以前に戻り、シートラインでは販売割合の多数をペストリーラインが占めました。成形したクロワッサンをロボットで自動配列にて並び替えを行い、更なる省人化を図ったラインも開発しております。米国ではアルチザンブレッドラインの拡販により市場が拡大しております。インバウンドの増加、自動化、省人化ニーズの高まりにより、FEライン、マルチサンドライン、クワトロフォーマーライン、V4アルチザンブレッドライン、HMバラエティー成形ライン、マルチコンフェクショナーラインなどの大型ラインが多数販売されております。
〔食品製造販売事業〕
当社グループでは、米国のオレンジベーカリーや、㈲ホシノ天然酵母パン種にて開発した新製品を市場で販売することを通じて、顧客ニーズの調査・研究を行い、より市場に求められる製品の開発と、それらを生産するための食品加工機械の開発に役立てております。
オレンジベーカリーでは、ペストリーラインの生産データや機械設定・負荷データのトレーサビリティを実施しており、スマートラインシステムを構築中です。人手不足や人件費高騰などの生産現場が抱える課題解決や、将来のスマートファクトリーに向けての開発や実証のための実験工場として、その役割を果たしてまいります。
㈲ホシノ天然酵母パン種では、新しい天然酵母パン種の研究、天然酵母パン種の活用方法を拡大するための応用化研究を日々行っております。
研究開発活動の成果として、当連結会計年度に新たに取得した特許件数は、国内7件、海外41件の計48件となり、当連結会計年度末日現在の総保有特許は、国内136件、海外321件の合計457件を有するに至っております。