文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループはグローバル化する経済社会において、食品ストア、食品サービス、食品流通、食品加工の分野における陳列、貯蔵、流通、加工、調理等のニーズを満たす優秀で価値ある製品とサービスを提供し続けることを経営の基本方針としております。このことが、お客様から満足をいただける道であり、会社の繁栄とともに株主の皆様や社員にも利益を還元できる道であると考えております。
当社グループは、当期においては自己資本利益率(ROE)が6.3%でありましたが、株主資本の有効活用を示す代表的な指標であるROEの向上を目指してまいります。当社は、投資家と企業との対話における共通言語として提示されるROEの向上に努め、ROE8%の水準達成を目標としております。
今後の経営にあたっては、かかる水準を意識し、中長期的に持続的かつ安定的な成長できるコーポレート・ガバナンス体制の構築に取り組みたいと考えております。
当社を取り巻く事業環境は、世界的に進む環境対策、一般消費者のライフスタイルの変化、人口減少に伴う労働力不足などの社会トレンドの影響を受け、大きく変化しています。
これらの要因は、顧客ニーズにも大きく影響するため、既に成熟した冷凍・冷蔵設備業界にも変革を生じさせる契機となりうるものであり、当社にとっても大きな成長機会を生じさせるものです。そこで、当社としても従来のショーケース販売、冷凍・冷蔵倉庫の建設に留まらない、顧客ニーズに深く根差した事業展開をするべく2019年度から2023年度の5か年を対象期間とする「中長期経営計画 N-ExT 2023」を策定いたしました。
当社における次の100年に向けた第一歩として、本計画を実行して参ります。
①「第二の創業」にあたっての中長期経営計画のコンセプト
「冷やす」 技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献する。
イ.安定:新技術を活用した、更なる効率化を実現できる製品・サービスの提供
ロ.成長:従来のお客様の「冷やす」に留まらないお悩み・ご要望の解決
ハ.戦:新たなお客様へ向けた、「冷やす」を起点とするサービスの提供
②「中長期経営計画N-ExT 2023」の概要
当社は冷凍・冷蔵設備の専業メーカーとして、お客様のご要望に応える提案活動に始まり、製品設計・製造、施工管理、納入後のメンテナンスまで、一貫したトータルサービスを提供しております。
当社は、これまでの企業活動を前提としつつも、今後更なる企業価値の向上を図るべく、「中長期経営計画 N-ExT 2023」では、上記のコンセプトの下、既存事業を一層深化させるとともに、そこで培ってきた技術・ノウハウを活かしながら新規領域への進出を図るべく、以下の3事業に注力して参ります。
イ.ショーケース・倉庫事業の更なる強化
a.従来の取り組みを超えて、新技術を活用した、省人化・効率化・省エネに対応した製品・サービスの開発と
提供を目指す
b.バリューチェーンの高度化に対応するための社内体制と人材の強化を図る
→より顧客の皆様のニーズに応えられる製品・サービスの提供が可能な存在に
ロ.メンテナンス事業の拡大
a.従来扱ってきたショーケースや冷凍機以外の製品につき、アフターサービス領域へ進出するとともに、一連
のメンテナンスをパッケージ化し提供する
b.予知保全、大規模データ管理を活用してメンテナンス事業の効率化
→ショーケースや冷凍機に留まらない、バリューチェーン全体の最適管理に寄与する存在に
ハ.東南アジアへの進出
a.今後成長が見込める市場で、冷凍・冷蔵倉庫の建設に参入
b.将来的には、市場の発展に伴いショーケース販売まで手掛ける
c.中国における合弁事業の維持・拡大
→日本で培ってきたノウハウを活用して、アジアの食生活を支える存在に
*これらの事業に取り組む意思を表す名称として、本計画をN-ExT2023と命名いたしました。
・N:“Nakano”
・E:“Elaboration”⇒丹念に造られた製品、丁寧なサービス
・x:“Elaboration”と“Technology”の融合
・T:“Technology”⇒これまでにない最新技術の活用
上記の施策を実施するとともに、将来的な成長を見据えた約70億円相当の事業投資を対象期間中に実行することを計画しております。
イ.事業基盤の強化(60億円):ショーケース・倉庫事業、メンテナンス事業、東南アジア事業の運営に必要な資金
・AI・IoT基盤の整備に必要なシステムの刷新、製造工程効率化のための設備入替及び新機器導入、メンテナンスノウハウ獲得に備えた事業提携、現地法人設立にかかる諸費用等
ロ.成長投資(10億円):長期の社会トレンドに対応するための最新技術・ノウハウへの投資
・省人化・時短化、AI・IoT・ロボティクス、環境対応・災害対策等
また、上記イ及びロの投資に加え、当該期間中には研究開発活動に16億円を充てることを計画しております。
③経営目標
以上の取り組みを通じて、2023年度に以下の経営目標の達成を目指します。
[連結]
なお、今後は事業分野を「ショーケース・倉庫」「メンテナンス」「海外」の3つの事業分野に分割して、それぞれの情報を開示する予定です。その上で、2023年度は事業分野ごとの売上高として、それぞれ244億円、60億円、46億円を計上することを目標としております。
当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
個人消費は持ち直しがみられるもののニーズが多様化しており、この動向が当社グループの主要顧客である食品流通業界の設備投資に大きな影響を与えるため、当社グループの売上高等の業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは厳しい品質管理のもとで製品の製造、工事の施工を行っておりますが、将来にわたり全く欠陥が発生しないという保証はありません。リコール又は製造物賠償責任が発生した場合、製造物賠償責任保険には加入しておりますが、これを超えるような事態にいたった場合、多額の賠償金により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの製品の製造及び工事の施工に必要な素材(亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅管、樹脂等)の市況は円安などの為替変動の影響を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの生産拠点は国内、中国に各一ヶ所であり、大規模な地震、台風等の自然災害による被害が発生した場合、生産活動の停止等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(平成30年1月1日~平成30年12月31日)におけるわが国経済は、国内各地で発生した自然災害の影響収束により、経済活動の落ち込みから緩やかに回復しつつありますが、米中間の貿易摩擦問題の長期化をはじめとする世界経済の下振リスクにより、依然として景気の先行きは不透明な状況となっております。
当社グループの主要顧客である食品流通業界におきましては、消費者の低価格指向がいまだに根強いことに加え、同業他社やドラックストア等の異業種との競争の激化や人手不足の影響による人件費の上昇、さらには暖冬による野菜の販売価格の下落もあり、厳しい経営環境が続いております。そのような環境ではありますが、売場の営業力強化をはかるため、積極的に改装を実施する顧客も一部見受けられました。
このような中、当社グループでは、「人と環境にやさしいお店づくり」をサポートするべく、環境法制への対応や店舗の省エネ・省力化の提案など、スーパーマーケットあるいはコンビニエンス・ストアの顧客ニーズに対して、柔軟に、かつ迅速に対応してまいりました。
当連結会計年度の当社グループの業績は、積極的に改装を実施する顧客もありましたことから、スーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は前年同期の実績を上回ることができました。また、物流センター等の大型物件向け売上は前年並みの実績で推移しました。利益につきましては、競合他社との厳しい価格競争の中、利益の確保に努めましたが、前年同期の実績に及ばず減益となりました。
その結果、売上高は283億47百万円(前年同期比5億10百万円、1.8%増)、経常利益は23億8百万円(前年同期比4億90百万円、17.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億80百万円(前年同期比2億88百万円、15.4%減)となりました。
なお、当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造・販売並びにこれらの付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント情報の記載をしておりませんが、所在地別の業績の概況は次のとおりであります。
国内の売上高は、スーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は前年同期の実績を上回ることができた結果、256億53百万円(前年同期比3億7百万円、1.2%増)となりましたが、利益の確保には及ばず、営業利益は21億6百万円(前年同期比4億95百万円、19.0%減)となりました。
中国国内向けの販売は、新規顧客の開拓など積極的な営業活動に努めた結果、売上高は28億9百万円(前年同期比2億19百万円、8.5%増)となり、営業利益は1億23百万円(前年同期比7百万円、6.4%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は408億60百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億87百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の流動資産の残高は341億60百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億48百万円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金が前連結会計年度末と比較して4億8百万円増加したことによります。
当連結会計年度末の固定資産の残高は67億円となり、前連結会計年度末と比較して9億38百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券が9億62百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の流動負債の残高は102億93百万円となり、前連結会計年度末と比較して8億21百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が前連結会計年度末と比較して7億98百万円増加したこと、電子記録債務が前連結会計年度末と比較して2億46百万円増加したことなどによります。
当連結会計年度末の固定負債の残高は35億3百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億13百万円の減少となりました。これは主に役員退職慰労引当金が前連結会計年度末と比較して99百万円減少したこと、退職給付に係る負債が前連結会計年度末と比較して89百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の純資産の部の残高は270億64百万円(非支配株主持分14億4百万円を含む。)となり、前連結会計年度末と比較して7億79百万円の増加となりました。これは利益剰余金が前連結会計年度末と比較して10億73百万円増加したことによります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ6億10百万円減少し、85億94百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりです。
当連結会計年度において営業活動による資金は、22億37百万円の増加(前年同期は15億81百万円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益23億4百万円に対し、仕入債務の増加が11億9百万円あった一方、売上債権の増加が4億78百万円、法人税の支払額が6億60百万円あったことなどによります。
当連結会計年度において投資活動による資金は、22億41百万円の減少(前年同期は18億89百万円の減少)となりました。この主な要因は、投資有価証券の取得による支出が11億16百万円、有形固定資産の取得による支出が6億2百万円あったことによります。
当連結会計年度において財務活動による資金は、5億65百万円の減少(前年同期は31億86百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払が5億6百万円あったことによります。
当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造、販売を事業内容とする単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。
(注) 金額は販売価格で表示してあり、消費税等は含まれておりません。
当社グループの生産のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」の「会計方針に関する事項」に記載した、重要な資産の評価基準及び評価方法、重要な引当金の計上基準等にしたがって継続的に厳格な処理を行っております。
当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次の通りです。
当社グループの主要顧客である食品流通業界におきましては、厳しい経営環境の中、売場の営業力強化をはかるため積極的に改装を実施する顧客からの受注などによりスーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は前年に比べ微増、また、物流センター等の大型物件向け売上は前年並みの実績でした。一方利益面につきましては、競合他社との価格競争が厳しくなったこと、実験設備の拡充によりその減価償却費が増えたこと、また従業員の処遇改善のために退職金の改定を行ったこと、また販管費の増加などにより前年を下回る結果となりました。
今後は、5か年を対象期間とする中長期経営計画を実施してまいります。最初の3年間は「売上成長・体制強化」を優先するため、生産性の改善などにより利益面の改善を進めるものの、人件費の増加、設備投資などによる減価償却費負担の増加、研究開発費等の費用の増加も見込まれるため、利益面では減益を予定しております。
(売上高)
国内では、積極的に改装を実施する顧客もあったことから、スーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は前年同期の実績を上回ることができました。他方、物流センター等の大型物件向け売上は前年並みの実績で推移しました。その結果、前年同期比1.2%増の256億53百万円となりました。
中国の連結子会社は、新規顧客の開拓等、積極的な営業活動に努めた結果、前年同期比8.5%増の28億9百万円となりました。
売上原価率は、コストダウンに務めたものの前連結会計年度より1.8ポイント悪化して84.6%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より63百万円増加して21億23百万円となりました。
営業利益は、売上原価率の悪化及び販売費及び一般管理費の増加により、前連結会計年度より4億87百万円減少して22億30百万円となりました。
営業外収益は、前連結会計年度より1百万円増加して90百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より5百万円増加して12百万円となりました。
経常利益は、売上原価率の悪化及び販売費及び一般管理費の増加により、前連結会計年度より4億90百万円減少して23億8百万円となりました。
特別利益及び損失は、固定資産売却益が前連結会計年度より2百万円減少したこと、減損損失を3百万円計上したことにより、損失純額として3百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より2億88百万円減少して15億80百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用によるもののほか、5か年を対象期間とする中長期経営計画の実施によるものを予定しております。中長期経営計画では事業基盤強化に向けた投資として60億円、成長投資として10億円を予定しております。同対象期間に研究開発活動にも16億円を予定しております。これらの資金需要に対しては、取引金融機関からの調達を予定せず、自己資金で賄うことを予定しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及び有利子負債の残高は6億16百万円になっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は85億94百万円になっております。
該当事項はありません。
当連結会計年度は研究開発費として329百万円を投入し、主に下記のような研究開発を行いました。
2020年施行実施に対して製品開発と準備を進めました。主要内蔵ケースであるスポットケースのインバータ搭載、本体自体の省エネ性能改良などモデルチェンジを実施しました。
製品カタログにも達成率表示を行い全体機種の50%を達成しました。残りの機種につきましても2019度に達成する準備を進めています。
スーパーマーケット及びコンビニエンスストアの省力化の要望に対して、ケース清掃作業の軽減機能やショーケースへの陳列作業を容易にする軽量スライド棚など顧客提案を積極的に実施しました。
これら他社と差別化する機能考案は特許申請も行いました。
フロン排出抑制法対応として、当社で初めて自然冷媒CO2をスーパーマーケット及びコンビニエンスストアに導入しました。これらの実績を積み重ねながら、温暖化環境対策の法律が強化された場合にも顧客に安心して迅速に提案していける素地を構築できました。
また、温暖化係数が比較的低い低GWP冷媒についても省エネ性、運転安定性などを評価し当社のコンビニエンスストアに導入しました。
自然冷媒制御システムなど難しいシステムを確立できたのは2017年末に完成した大型コンビニエンスストア試験棟(店舗全体を収納)を利用できたことによります。試験では実店舗に近い各種環境を設定して制御方法を確立し、安定した運転の評価確認ができました。
将来の無人店舗やスーパーの省人化に向けて、ロボティクス技術や制御技術を持つ企業や大学と共同開発を開始しました。
2019年度から具体的な計画を立てて、企業、大学、顧客との連携を図りながら具体的な貢献ができるシステム開発を進めていきます。
中国での顧客の高級志向に合わせ多段ケースの円形タイプに加え、更にSRM(自然対流式精肉クローズドケース)、平型ケースにも円形タイプの充実を図りました。
中国の電子タグメーカーと共同開発を開始し無人店舗向けケースを試作しました。
コンビニエンスストア用多段ケースの機種を統合し、顧客ごとに各種対応していたものを本体の共通化を図り、またOEM製作に切り替えて生産性の効率化と一体発泡化による組立誤差の縮小化を実現しました。
R404A対応の低温スクロールマルチ冷凍機ユニットに液冷媒過冷却方式を標準採用し冷却効率を向上させました。