第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループはグローバル化する経済社会において、食品ストア、食品サービス、食品流通、食品加工の分野における陳列、貯蔵、流通、加工、調理等のニーズを満たす優秀で価値ある製品とサービスを提供し続けることを経営の基本方針としております。このことが、お客様から満足をいただける道であり、会社の繁栄とともに株主の皆様や社員にも利益を還元できる道であると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、当期においては自己資本利益率(ROE)が3.7%でありましたが、株主資本の有効活用を示す代表的な指標であるROEの向上を目指してまいります。当社は、投資家と企業との対話における共通言語として提示されるROEの向上に努め、2023年度にはROE6%以上の水準達成を目標としております。

今後の経営にあたっては、かかる水準を意識し、中長期的に持続的かつ安定的な成長できるコーポレート・ガバナンス体制の構築に取り組みたいと考えております。

 

(3) 経営環境、中長期的な経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、2018年12月に2019年度から2023年度の5か年を対象期間とする「中長期経営計画N-ExT 2023」を発表し、「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに重点課題への取り組みを強化し、企業価値向上と将来の持続的な成長に向けた強固な事業基盤の構築に努めてまいりました。

しかしながら、当社主要顧客である小売業界や物流業界の市場環境は大きく変化しており、当社の事業環境や競合環境にも大きな影響を与えています。また、環境問題や少子高齢化による人手不足など社会情勢の変化も様々な新しい課題を生んでおり、特に昨年から続く新型コロナウイルス感染症による影響は今後の見通しを不明確なものにする大きな要因となっています。

このような状況を受け、当社グループは、事業環境の変化や業績の状況を踏まえた上で今後の見通しを修正し、本計画の最終年度となる2023年度の目標数値を変更することといたしました。

目指す将来の実現に向け、本計画の策定時に掲げたコンセプトと基本戦略の方向性を堅持しつつ、本計画の今後3年間と更に‘その先’に向けた課題として以下の取り組みを実施してまいります。

 

① ショーケース・倉庫事業

・ 保有技術と新技術を融合させた環境・省エネ・省人化に対応した製品・サービスの開発を強化し、顧客の求める付加価値製品・サービスの提供を実現します。

② メンテナンス事業

・ メンテナンス範囲の拡大に注力し、新規顧客の更なる開拓を目指します。

・ メンテナンス事業拡大に必要なノウハウ獲得のための取り組みを推進し、事業拡大を目指します。

③ 海外事業

・ 東南アジアに活動拠点を確立し、現地企業との連携を通じて、現地における営業活動を強化していきます。

・ 海外事業における製造拠点として中国の合弁会社との連携を強化していきます。

④ 人材の確保及び育成の強化

・ 変化が早く、予測し難い社会において活躍できる人材を確保・育成するため、各種制度を拡充していきます。

・ 人材の多様性及びイノベーションの創出を図るため、多様な人材の採用・育成に取り組むと共に能力を最大限発揮し、成長できる環境を整備していきます。

 

⑤ 将来的な成長を見据えた投資の実行

・ 計画に掲げる3事業の活性化・成長に向けた投資を計画すると共に生産性向上につながる投資を計画的に実行していきます。

・ 社会情勢の変化によって新たな課題や事業機会が生じており、将来に向けた投資も順次計画していきます。

・ 最新技術獲得のために産学連携の更なる強化とスタートアップ企業、ベンチャー企業を含む外部パートナーとの連携を強化していきます。

⑥ 地球環境への取り組み

・ ノンフロン冷媒、低GWP冷媒による最新冷却システムの研究開発を強化し、環境に優しい製品を市場に供給し、更なる社会・環境への貢献を目指します。

・ 脱炭素化に向けた取り組みとして、製品開発における省資源型製品の創出、省エネ製品の開発、マテリアルリサイクル率の向上、3R活動の推進を通じて、製品・サービスによる温室効果ガスと資源・エネルギー消費量の更なる削減を目指します。

・ 環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の2022年度全社認証取得を目指し、環境活動の社内体制の整備を推進していきます。

⑦ 新型コロナウイルス感染症への対応

<経営環境・経営課題>

昨年から続く新型コロナウイルス感染症による影響は今後の見通しを不明確なものにする大きな要因であり、当社グループにおいても、足元の業績の悪化や事業活動の制限等による今後の業績の不透明さなどの影響が出ております。

当社グループといたしましては、それらの事業環境の変化や業績の状況を踏まえた上で今後の見通しを修正し、「中長期経営計画N-ExT 2023」の最終年度となる2023年度の目標数値を変更しております。

<経営方針・経営戦略>

当社グループは、事業に関わるすべての人びとの安全に十分な注意を払いつつ、社会から必要とされる製品・サービスを安定的に供給していくと共に、以下の方針により経営環境の変化に対応していきます。

・「中長期経営計画N-ExT 2023」で掲げるコンセプトと基本戦略の方向性を堅持しながら、社会の大きな変化に対応できる社内体制を構築し、行動していきます。

・業績の先行きを見通すことは困難ですが、本計画で掲げる3つの事業が奏功し、収益を創出することで、健全な財務基盤を堅持していきます。

 

「中長期経営計画N-ExT 2023」の目標数値の見直し

【連結】

 

2023年度

2023年度

当初計画

見直し計画

売上高

350億円

300億円

営業利益

32億円

23億円

EBITDA

40億円

30億円

ROE

8%以上

6%以上

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 個人消費の動向

個人消費は持ち直しがみられるもののニーズが多様化しており、この動向が当社グループの主要顧客である食品流通業界の設備投資に大きな影響を与えるため、当社グループの売上高等の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 製品及び工事の欠陥

当社グループは厳しい品質管理のもとで製品の製造、工事の施工を行っておりますが、将来にわたり全く欠陥が発生しないという保証はありません。リコール又は製造物賠償責任が発生した場合、製造物賠償責任保険には加入しておりますが、これを超えるような事態にいたった場合、多額の賠償金により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 原材料の市況変動

当社グループの製品の製造及び工事の施工に必要な素材(亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅管、樹脂等)の市況は円安などの為替変動の影響を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 自然災害や重大な伝染病等の発生

大規模な地震、台風等の自然災害または重大な伝染病等の発生により、当社、当社の社員または当社の取引先が被害を受け、業務・事業が停滞した場合、当社の事業遂行が滞る可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 新型コロナウイルスの影響について

世界に拡大した新型コロナウイルス感染症の当社グループの事業活動へのリスクに対応するため、従業員等の感染防止、安全確保、事業継続に向け処置・対策を講じております。具体的には、社内外での感染・拡散防止の基本行動の徹底をはじめ、移動制限、一部の在宅勤務、働く環境における3密防止策など従業員の健康・安全確保、顧客への供給責任を果たすための取り組みを継続、取り組んでおります。しかしながら、世界的な感染拡大に伴い、海外子会社において、工場操業・営業活動が停止し、また一部地域の海外部品メーカーにおける操業停止により、当社グループの部品調達、生産活動に影響がありました。

国内においては、移動制限による商談機会の減少、顧客の設備投資の中止・延期などがあり、また、海外への渡航制限により現地での商談・打ち合わせの中止、延期が発生しております。

当社グループは、事業活動へのリスクに対応するため、引き続き従業員等の感染防止・安全確保を最優先としつつ、事業継続に向けた取り組みに注力してまいります。ただし、国内及び世界的流行が収束せず、長期にわたり移動制限が課され、経済状況が悪化した場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 工事進行基準における収益認識時期の変動と工事損失見込計上額の実際計上額の差異の発生

ショーケース・倉庫事業における一定の要件を満たす特定の工事請負契約については、工事進行基準を採用し、収益を計上しております。進捗度は、当期までの発生費用を工事完了までの見積総費用と比較することにより測定しております。

見積総費用は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容に基づいて算定しております。工事請負契約は、顧客からの契約仕様の変更要求や当初見積りに対する原価の増加や当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって見積総費用が変動することがあります。その見積総費用の変動により、収益認識時期が変わる可能性があります。

また、手持物件のうち将来損失発生が見込まれる物件については、将来の損失に備えるため、その損失見込み額を工事損失引当金として計上しております。工事請負契約において、見積総費用が変動し不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)における世界経済は、世界的に大流行している新型コロナウイルス感染症(以下、コロナという。)による影響により経済活動が停滞したことによって、極めて厳しい状況となりました。日本経済においても、経済施策等により一時的に個人消費の回復の兆しが見られたものの、11月ごろから第三波の感染拡大が進行したことにより、先行き不透明な状況となりました。

このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は2年が経過し、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。

当連結会計年度の当社グループの業績は、国内におけるスーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上はコロナの影響により上半期にはショーケース設置工事の中止・延期などが発生しました。下半期には延期されていた工事を行うなど売上が回復してきましたが、翌期へ繰り越される工事も発生し、上半期の売上の減少を補うことができず昨年の実績には及びませんでした。物流センター等の大型物件向け売上はコロナの影響が少なく、宅配事業およびネット販売の普及などもあり堅調に推移しました。

一方で中国における売上は、上半期にはコロナ拡大による影響で、顧客の投資の中止・延期、さらに生産部材の供給停止、営業活動の停止等があり、大きく減少しました。下半期には回復しましたが、上半期の減少を補うことができず前年同期の実績に及ばず減収となりました。

利益については、競合他社との厳しい価格競争が続いていること、コロナの影響による売上の減少、また「中長期経営計画N-ExT 2023」の実行による投資負担の増加などにより前年同期に比べて減益となりました。

その結果、売上高は282億44百万円(前年同期比22億41百万円7.4%減)、経常利益は12億86百万円(前年同期比10億5百万円43.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億12百万円(前年同期比5億83百万円39.0%減)となりました。

「中長期経営計画N-ExT 2023」に基づく事業分野別売上は次のとおりであります。

単位:百万円(百万円未満切捨て)

 事 業 区 分

2019年売上高

構  成  比(%)

2020年売上高

構  成  比(%)

対前年同期比(%)

ショーケース・倉庫事業

24,249

79.5

21,934

77.7

△9.5

  メンテナンス事業

3,478

11.4

3,676

13.0

5.7

  海外事業

2,757

9.1

2,633

9.3

△4.5

合        計

30,485

100.0

28,244

100.0

△7.4

 

「ショーケース・倉庫事業」は、ショーケース事業売上がコロナの影響により昨年の実績に及びませんでしたが、倉庫事業売上は堅調に推移しました。その結果、対前年同期比9.5%減となりました。

「メンテナンス事業」は、新規に提案メンテナンス等を実施し、需要を掘り起こした結果、対前年同期比5.7%増となりました。

「海外事業」は、コロナ拡大による影響で、対前年同期比4.5%減となりました。

なお、当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造・販売並びにこれらの付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント情報の記載をしておりませんが、所在地別の業績の概況は次のとおりであります。

<日本>

国内の売上高は、スーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は、コロナに基づく緊急事態宣言が5月に解除となりましたが、自粛期間中の引合いの延期や中止が大きく影響したことにより昨年の実績に及びませんでした。なお、物流センター等の大型物件向け売上は堅調に推移しました。その結果、256億11百万円(前年同期比21億18百万円7.6%減)となり、営業利益は11億71百万円(前年同期比9億23百万円44.1%減)となりました。

 

<中国>

中国の売上高は、コロナ拡大による影響で売上高は、27億42百万円(前年同期比1億35百万円4.7%減)となり、営業利益は20百万円(前年同期比85百万円80.7%減)となりました。

 

② 財政状態

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は341億3百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億56百万円の減少となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産の残高は252億31百万円となり、前連結会計年度末と比較して19億64百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金が前連結会計年度末と比較して23億27百万円減少した一方で、電子記録債権が前連結会計年度末と比較して4億1百万円増加したことなどによります。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産の残高は88億71百万円となり、前連結会計年度末と比較して12億7百万円の増加となりました。これは主に建物及び構築物が1億55百万円、機械装置及び運搬具が2億19百万円増加し、投資有価証券が時価の上昇により1億67百万円増加したこと及び長期預金「(その他)」に4億74百万円預け入れたことにより増加しました。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債の残高は44億76百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億77百万円の減少となりました。これは主に未払法人税等が前連結会計年度末と比較して3億15百万円減少したことなどによります。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債の残高は35億22百万円となり、前連結会計年度末と比較して89百万円の減少となりました。これは主に退職給付に係る負債が1億22百万円減少した一方で、役員株式給付引当金が47百万円増加したことなどによります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の残高は261億3百万円(非支配株主持分13億59百万円を含む。)となり、前連結会計年度末と比較して4億90百万円の減少となりました。これは主に配当金の支払などにより利益剰余金が6億7百万円減少したことによります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して18億20百万円減少し、63億1百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、5億76百万円の増加(前年同期は31億83百万円の減少)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益12億80百万円及び減価償却費4億38百万円に対し、退職給付に係る負債の減少が1億22百万円、売上債権の増加が1億67百万円、法人税等の支払額が7億32百万円あったことなどによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、8億23百万円の減少(前年同期は45億97百万円の増加)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出が6億43百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が2億10百万円あったことなどによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、15億72百万円の減少(前年同期は18億81百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払が15億16百万円あったことによります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造、販売を事業内容とする単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

  a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

13,009,374

91.3

冷凍機(千円)

2,764,660

80.5

工事・その他(千円)

12,597,291

100.7

合計(千円)

28,371,326

94.0

 

(注) 金額は販売価格で表示してあり、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注状況

当社グループの生産のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

12,975,151

89.4

冷凍機(千円)

2,706,069

78.5

工事・その他(千円)

12,562,823

100.3

合計(千円)

28,244,043

92.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

当連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

13,340,280

43.8

11,134,162

39.4

 

2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積について過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

ア.繰延税金資産

当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するため、その見積額が減少した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

イ.工事損失引当金

当社グループは受注物件の損失発生に備えるため、手持物件のうち将来損失発生が見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることができる物件について、その損失見込み額を工事損失引当金として計上しております。工事損失引当金は見積り特有の不確実性があるため、工事竣工までの仕様変更や原材料価格の高騰などのため見積りの前提が変わり、不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。

当社グループの主要顧客である食品流通業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の防止による外出自粛にともなって巣ごもり需要が高まり、食料品・日用品の販売が好調になるなど、販売動向は大きく変化いたしました。また、国内全体の感染症拡大防止の高まりから、消費者の購買行動に変化が現れておりますが、ドラッグストアなど他業種による食品の取り扱いが拡大していることもあり、厳しい経営環境が続いております。

このような中、移動制限による商談機会の減少、顧客の設備投資の中止・延期などがありコンビニエンス・ストア向け売上及びスーパーマーケット向け売上は前年に比べ減収となりました。物流センター等の大型物件向け売上はコロナの影響が少なく増収となりました。一方、利益面につきましては、やはり競合他社との価格競争が激しくなったこと、中長期経営計画に基づく設備投資などにより減価償却費が増加したこと、試験研究費が増加したこと、また上半期の受注物件の中止・延期、下半期の売上の増加などにより生産効率が低下し前年を下回る結果となりました。

 

(売上高)

国内では、スーパーマーケット向け売上及びコンビニエンス・ストア向け売上は、コロナの影響により上半期にはショーケース設置工事の中止・延期などが発生しました。下半期には延期されていた工事を行うなど売上が回復してきましたが、翌期へ繰り越される工事も発生し、上半期の売上の減少を補うことができず昨年の実績には及びませんでした。物流センター等の大型物件向け売上はコロナの影響が少なく、宅配事業およびネット販売の普及などもあり堅調に推移しました。その結果、前年同期比7.6%減256億11百万円となりました。

中国では、上半期にはコロナ拡大による影響で、顧客の投資の中止・延期、さらに生産部材の供給停止、営業活動の停止等があり、大きく減少しました。下半期には回復しましたが、上半期の減少を補うことができず前年同期の実績に及ばず減収となりました。その結果、前年同期比4.7%減27億42百万円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価率は、コストダウンに努めたものの生産効率が低下したことなどにより前連結会計年度より2.4ポイント悪化して87.6%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より23百万円減少して22億98百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが売上原価率の悪化により、前連結会計年度より10億8百万円減少して11億92百万円となりました。

(営業外収益及び費用)

営業外収益は、前連結会計年度より4百万円減少して1億2百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より6百万円減少して9百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが売上原価率の悪化により前連結会計年度より10億5百万円減少して12億86百万円となりました。

(特別利益及び損失)

特別利益及び損失は、固定資産除却損が前連結会計年度より4百万円減少したこと、減損損失の発生が0百万円にとどまったことにより、損失純額として5百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より5億83百万円減少して9億12百万円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用によるもののほか、5か年を対象期間とする中長期経営計画の実行によるものを予定しております。当該中長期経営計画では事業基盤強化に向けた投資として60億円、成長投資として10億円を予定しており、同対象期間に研究開発活動にも16億円を予定しております。これらの資金需要に対しては、取引金融機関からの調達は行わず、現在自己資金で賄っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及び有利子負債の残高は6億2百万円になっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は63億1百万円になっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度は研究開発費として412百万円を投入し、主に下記のような研究開発を行いました。

 <主な研究開発>

日本

(1) 主力ショーケースのモデルチェンジ

スーパーマーケット向けの主力ショーケースのモデルチェンジの2021年3月切替えに向けて準備を進めました。

目標は、コストダウン10%、省エネ10%、省力化機能の充実、冷却性能の向上です。

設計面、製造方法、機能面など製造面、営業面など各分野の意見を調整して方針をまとめ上げ、3月切替えに向けて準備が完了しました。

 

(2) コンビニ向けの新型ケースの開発

2021年3月採用に向けて、ショーケース機種全体のモデルチェンジの準備を進めました。

店舗における維持管理時間の削減、サービス出動の低減のための異常予知、冷却性能の向上が目的です。

具体的には異常予知機能追加、省力化の発展(スライド棚角度3段階可変)、清掃レス(吸込みに清掃ブラシ装着)などを盛り込んでいます。

内蔵ケースについても、温暖化係数が低い低GWP冷媒への転換を図り、3月採用の準備を実施しました。

 

(3) 店補システムの最新化

・店補監視システムの最新化を実施。

店補監視システム(新センサムセイバー)の最新化を図りました。異常予知機能(着霜やガス漏れ)、クラウド連結、タッチパネルによる操作性向上などを盛り込んで機能アップしました。

・クラウド利用を立ち上げる。

サービスセンターで各チェーン店の異常などを一括監視可能にすることで、メンテナンス出動や商品損害を低減します。

一部ユーザーに導入し店補の温度監視などHACCP管理に利用されております。

 

(4) 将来的な省人化や自動店補への取り組み

・無人販売ショーケース(将来の小売りシステム変化への対応とAIロボティクス技術の蓄積)

2019年1月、産学連携でスタートし6月に試作機完成し動画で社内プレゼンを実施。

2020年7月、産総研に「新たな小売りシステムWG」として参画して、国内最新技術と意見交換できるようにしました。

2020年9月には、主要顧客に現物をプレゼンして課題抽出を行いました。

・ショーケース自動開閉システム

店補において、客の混雑状況に応じてオープンショーケースの開口部を自動開閉することで無駄な電力を削減するシステムを試作し9月に顧客プレゼンしました。2021年に実際店補へ導入できるように計画します。

 

(5)新冷媒と冷凍機システム

温暖化係数の少ない低GWP冷媒や自然冷媒への転換を進めています。

・スーパーマーケット向け低GWP冷媒推進については、製品への検証試験を実施しながら2020年度で約50%が低GWP冷媒に移行しました。

・自然冷媒への対応では、スーパーマーケット向けのCO2システムに政府補助金を利用して顧客店補へ導入し、また物流センター向け自然冷媒への対応は、CO2システム対応の大型冷凍機メーカーと導入に向けて技術協議を開始しました。

 

中国

(1) ショーケースの新製品開発

主な新製品として、以下の5機種のショーケースを開発しました。

・新型リーチインケース

冷却器を背面上部に設置する構造として、従来の構造である床冷却器によるデッキ高さ上昇、天井冷却器による天井スペース圧迫などを解消し陳列商品量の拡大を図りました。

・低前高スライドデッキケース

デッキ奥行きの巾を前後に可変することで、特売時に商品陳列量の変化に対応できるようにしました。(PAT申請中)

・高級レストラン用精肉内蔵リーチインケース

高級レストラン向けに、蒸発温度を高くし低風速で運転して牛肉の乾燥を防ぐリーチインケースを開発しました。

・ホット平ケース

陳列面の加温と温風を庫内循環し50℃で天ぷら、温総菜などを保温できるホットイメージを強調したケースにしました。

・コンビニ店補向けのホットorコールド

高さ1500Hの内蔵ケースで、コンビニのゴンドラエンド設置タイプの冷温切替え式のケースを開発しました。

 

(2) 冷凍倉庫向けの大型冷凍機ユニットの開発

・大型スクリュー500HP冷凍機ユニット

大型冷凍倉庫向けに、スクリュー圧縮機125HP×4台マルチを製作。1500m2倉庫の農産品を-15℃に冷却します。

500HPサイズは合弁ではこれまでの最大馬力となり、またスクリュー圧縮機の採用も初めてとなります。

制御プログラムは専用ソフトを作成して対応。

・大型スクロール12台マルチ(216HP)ユニットの開発

大型冷凍倉庫向けに、スクロール18HP×12台マルチを製作。950m2×2室と1230m2の低温倉庫を-22℃に冷却します。

容量制御と12段階のマルチ制御を組み合わせた制御を行います。制御プログラムは専用ソフトを作成して対応。