第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループはグローバル化する経済社会において、食品ストア、食品サービス、食品流通、食品加工の分野における陳列、貯蔵、流通、加工、調理等のニーズを満たす優秀で価値ある製品とサービスを提供し続けることを経営の基本方針としております。このことが、お客様から満足をいただける道であり、会社の繁栄とともに株主の皆様や社員にも利益を還元できる道であると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、当期においては自己資本利益率(ROE)が5.7%でありましたが、株主資本の有効活用を示す代表的な指標であるROEの向上を目指してまいります。当社は、投資家と企業との対話における共通言語として提示されるROEの向上に努め、2023年度にはROE6%以上の水準達成を目標としております。

今後の経営にあたっては、かかる水準を意識し、中長期的に持続的かつ安定的な成長できるコーポレート・ガバナンス体制の構築に取り組みたいと考えております。

 

(3) 経営環境、中長期的な経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、持続的かつ安定的な成長を継続するために「中長期経営計画N-ExT 2023」を策定し、2019年1 月より実行しております。2021年は、在宅勤務の定着や長引く外出自粛等の影響から「巣ごもり消費」、「内食需要」が継続し、消費者ニーズやライフスタイルの変化も更に進みました。当社主要顧客である食品スーパーならびにコンビニエンス・ストアにおいては、これらの変化に対応するための売場対応や店舗活性化に向けた改装と設備投資が多く実施されました。その結果、当社業績も堅調に推移し、2021年度は目標数値を上回ることができました。

しかしながら、新型コロナウイルスの再拡大や原材料価格の高騰、電子部品の不足などが継続しており、今後の見通しについては依然として不透明な状況となっております。このような状況を受け、当社グループは、現在の事業環境の変化や業績の状況を踏まえたうえで今後の見通しを再度検討し、本計画の最終年度となる2023年度の目標数値を見直すことといたしました。

目指す将来の実現に向け、本計画の策定時に掲げたコンセプトと基本戦略の方向性を堅持しつつ、本計画の今後2年間と更に‘その先’に向けた課題として以下の取り組みを実施してまいります。

 

① ショーケース・倉庫事業

・ 保有技術と新技術を融合させた環境・省エネ・省人化に対応した製品・サービスの開発を強化し、顧客の求める付加価値製品・サービスの提供を実現します。

・ 顧客の環境変化に対し、問題解決型の提案をスピーディーに実施し、顧客との信頼関係を築き、企業としての評価に繋げてシェア拡大を図ります。

② メンテナンス事業

・ 事業拡大に必要な投資を計画的に行い、メンテナンス領域の拡大を図り、新規顧客の更なる開拓を目指します。

・ 店舗・物流センター向けの設備の改善提案・整備提案を推進し、付加価値メンテナンスサービスの提供を通じて新規顧客の更なる開拓を目指します。

③ 海外事業

・ 新型コロナウイルスの影響により東南アジアへの渡航や現地調査に大きな制限が発生し、当初の計画より遅れが発生していることから事業戦略の見直しを進め、早期の事業確立を目指します。

・ 海外事業における製造拠点を担う中国の合弁会社との連携強化を継続していきます。

人材の確保及び育成の強化

・ 全社員のスキルアップに向けた階層別教育プログラムを充実させ、更なるスキルの底上げを図ります。

・ 人材の多様性及びイノベーションの創出を図るため、多様な人材の採用・育成に取り組むとともに能力を最大限発揮し、成長できる環境を整備していきます。

 

⑤ 将来的な成長を見据えた投資の実行

・ 計画に掲げる3事業の活性化と成長に向けた投資を継続するとともに、新たに発生している課題の解決と将来に向けた投資を引き続き計画していきます。

・ 最新技術獲得に向けた外部パートナーとの連携強化を進めるとともに、社会全体の課題となっているSDGs実現に向けたESGやカーボンニュートラルへの対応に必要な投資を計画・実行していきます。

⑥ 地球環境への取り組み

持続可能な社会、脱炭素社会・循環型社会の実現を目指し、グループ長期環境ビジョンを策定し、主に以下の取り組みを進めてまいります。

・ ノンフロン冷媒、低GWP冷媒による最新冷却システムの研究開発を強化し、環境に優しい製品を市場に供給していきます。

・ 省エネ、省人化製品の開発を通して資源・エネルギー消費量の更なる削減を目指します。

・ 環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001の全社認証を2022年度に取得し、更なる環境経営の推進を通して持続可能な社会の実現に貢献していきます。

⑦ 新型コロナウイルス感染症への対応

<経営環境・経営課題>

新型コロナウイルス感染症による影響は今後の見通しを不明確なものにする大きな要因であり、当社グループにおいても、事業活動の制限等による今後の業績の不透明さなどの影響が出ております。このような状況を受け、当社グループは、現在の事業環境の変化や業績の状況を踏まえたうえで今後の見通しを再度検討し、「中長期経営計画N-ExT 2023」の最終年度となる2023年度の目標数値を変更しております。

<経営方針・経営戦略>

当社グループは、事業に関わるすべての人びとの安全に十分な注意を払いつつ、社会から必要とされる製品・サービスを安定的に供給していくと共に、以下の方針により経営環境の変化に対応していきます。

・「中長期経営計画N-ExT 2023」で掲げるコンセプトと基本戦略の方向性を堅持しながら、社会の大きな変化に対応できる社内体制を構築し、行動していきます。

・業績の先行きを見通すことは困難ですが、本計画で掲げる3つの事業が奏功し、収益を創出することで、健全な財務基盤を堅持していきます。

 

「中長期経営計画N-ExT 2023」の目標数値の見直し

【連結】

 

2023年度

2023年度

21年2月見直し

22年2月見直し

売上高

300億円

317億円

営業利益

23億円

24億円

EBITDA

30億円

31億円

ROE

6%以上

6%以上

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 個人消費の動向

個人消費は持ち直しがみられるもののニーズが多様化しており、この動向が当社グループの主要顧客である食品流通業界の設備投資に大きな影響を与えるため、当社グループの売上高等の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 製品及び工事の欠陥

当社グループは厳しい品質管理のもとで製品の製造、工事の施工を行っておりますが、将来にわたり全く欠陥が発生しないという保証はありません。リコール又は製造物賠償責任が発生した場合、製造物賠償責任保険には加入しておりますが、これを超えるような事態にいたった場合、多額の賠償金により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 原材料の市況変動

当社グループの製品の製造及び工事の施工に必要な素材(亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅管、樹脂等)の市況は円安などの為替変動の影響を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 原材料の調達

当社グループの製品の製造及び工事の施工に必要な原材料は、国際的なサプライチェーンに依存しており、原材料輸出国における経済・社会情勢等の変化、天災等に起因して調達が困難になった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 自然災害や重大な伝染病等の発生

大規模な地震、台風等の自然災害または重大な伝染病等の発生により、当社、当社の社員または当社の取引先が被害を受け、業務・事業が停滞した場合、当社の事業遂行が滞る可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルスの影響について

世界に拡大した新型コロナウイルス感染症の当社グループの事業活動へのリスクに対応するため、従業員等の感染防止、安全確保、事業継続に向け処置・対策を講じております。具体的には、社内外での感染・拡散防止の基本行動の徹底をはじめ、移動制限、一部の在宅勤務、働く環境における3密防止策など従業員の健康・安全への取り組み、また、顧客への供給責任を果たすための取り組みを継続しております。

しかしながら、世界的な感染拡大に伴い、海外子会社において、移動制限により営業活動に影響がありました。

国内においては一部従業員等の感染が発生しており、また、海外への渡航制限により現地での商談・打ち合わせの中止、延期が継続しております。

当社グループは、事業活動へのリスクに対応するため、引き続き従業員等の感染防止・安全確保を最優先としつつ、事業継続に向けた取り組みに注力してまいります。ただし、国内及び世界的流行が収束せず、長期にわたり移動制限が課され、経済状況が悪化した場合、当社の事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2021年1月1日~2021年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策としてのワクチン接種の進展等により緩やかな回復傾向が続きましたが、新たな変異株(オミクロン株)の発生により先行き不透明な状況が続いております。

また、世界経済についても景気の回復が見え始めましたが、原材料価格の高騰、半導体等の不足による経済への悪影響など、先行き不透明な状況が続いております。

このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は3年目を迎え、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。

当連結会計年度の当社グループの業績は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケットが外出自粛等の継続で「内食需要」がコロナ禍前に比べ依然として高かったことから店舗の改装需要が好調で、スーパーマーケット向け売上が順調に推移しました。また、コンビニエンス・ストア向け売上は堅調に推移し、物流センター等の大型物件向け売上は順調に推移しました。中国における売上については、中国国内の新型コロナウイルス感染症対策のための活動制限があり経済活動が先行き不透明になりつつある中、積極的な営業活動により昨年の実績を上回りました。

利益については、競合他社との厳しい価格競争の継続、コロナ禍の影響、原材料価格の高騰、また「中長期経営計画N-ExT 2023」の実行による投資負担の増加などがありましたが、スーパーマーケット向け売上が好調に推移したことにより前年同期に比べて増益となりました。中国における利益については、原材料の高騰、競合他社との価格競争などにより厳しい結果となりました。

その結果、売上高は326億6百万円(前年同期比43億62百万円15.4%増)、経常利益は20億54百万円(前年同期比7億67百万円59.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14億6百万円(前年同期比4億93百万円54.1%増)となりました。

「中長期経営計画N-ExT 2023」に基づく事業分野別売上は次のとおりであります。

単位:百万円(百万円未満切捨て)

 事 業 区 分

2020年売上高

構  成  比(%)

2021年売上高

構  成  比(%)

対前年同期比(%)

ショーケース・倉庫事業

21,934

77.7

25,509

78.2

16.3

  メンテナンス事業

3,676

13.0

4,323

13.3

17.6

  海外事業

2,633

9.3

2,774

8.5

5.4

合        計

28,244

100.0

32,606

100.0

15.4

 

 

「ショーケース・倉庫事業」は、ショーケース事業売上、倉庫事業売上ともに順調に推移した結果、前年同期比16.3%増となりました。

「メンテナンス事業」は、継続的に提案メンテナンス等を実施しており、需要を掘り起こした結果、前年同期比17.6%増となりました。

「海外事業」は、中国国内の経済活動が先行き不透明になりつつある中で、積極的な営業活動を行った結果、前年同期比5.4%増となりました。

 

なお、当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造・販売並びにこれらの付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント情報の記載をしておりませんが、所在地別の業績の概況は次のとおりであります。

 

<日本>

国内の売上高は、外出自粛等の継続で「内食需要」がコロナ禍前に比べ依然として高かったことから店舗の改装需要が好調で、スーパーマーケット向け売上、物流センター等の大型物件向け売上ともに順調に推移しました。またコンビニエンス・ストア向け売上は堅調に推移しました。

その結果、298億32百万円(前年同期比42億21百万円16.5%増)となり、営業利益は19億52百万円(前年同期比7億80百万円66.6%増)となりました。

 

<中国>

中国の売上高は、中国国内の経済活動が先行き不透明になりつつある中で、積極的な営業活動により昨年の実績を上回り、売上高は29億27百万円(前年同期比1億85百万円6.8%増)となりましたが、利益の面では厳しい状況となり営業損失は12百万円(前年同期は20百万円の営業利益)となりました。

 

② 財政状態

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は352億95百万円となり、前連結会計年度末と比較して11億92百万円の増加となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産の残高は262億54百万円となり、前連結会計年度末と比較して10億23百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が前連結会計年度末と比較して4億79百万円増加、たな卸資産が7億64百万円増加したことなどによります。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産の残高は90億40百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億69百万円の増加となりました。これは主に長期貸付金(「その他」)が1億87百万円発生したことによります。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債の残高は54億44百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億67百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が前連結会計年度末と比較して1億71百万円増加、未払法人税等が2億79百万円増加、前受金(「その他」)が3億50百万円増加したことなどによります。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債の残高は35億5百万円となり、前連結会計年度末と比較して17百万円の減少となりました。これは主に退職給付に係る負債が1億61百万円減少した一方で、役員株式給付引当金が1億23百万円増加したことなどによります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の残高は263億45百万円(非支配株主持分15億42百万円を含む。)となり、前連結会計年度末と比較して2億42百万円の増加となりました。これは主に配当金の支払などにより利益剰余金が1億14百万円減少した一方で、為替換算調整勘定が2億6百万円増加したことなどによります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して6億76百万円増加し、69億78百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、25億99百万円の増加(前年同期は5億76百万円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益20億52百万円及び減価償却費5億31百万円、売上債権の減少が3億72百万円あったのに対し、退職給付に係る負債の減少が1億61百万円、たな卸資産の増加が6億66百万円、法人税等の支払額が3億21百万円あったことなどによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、4億46百万円の減少(前年同期は8億23百万円の減少)となりました。この主な要因は、定期預金の解約が2億70百万円あったことにより資金が増加したことに対し、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出が合計5億3百万円あったこと、貸付けによる支出が2億円あったことなどにより資金が減少したことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、15億50百万円の減少(前年同期は15億72百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払が15億16百万円あったことによります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造、販売を事業内容とする単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

  a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

14,785,740

113.7

冷凍機(千円)

2,722,773

98.5

工事・その他(千円)

15,188,224

120.6

合計(千円)

32,696,738

115.2

 

(注) 金額は販売価格で表示してあり、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注状況

当社グループの生産のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

14,809,557

114.1

冷凍機(千円)

2,757,763

101.9

工事・その他(千円)

15,039,660

119.7

合計(千円)

32,606,981

115.4

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

11,134,162

39.4

11,773,681

36.7

 

2.本表の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積について過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

ア.工事請負契約における工事進行基準売上高

ショーケース・倉庫事業における一定の要件を満たす工事請負契約については、工事進行基準を採用し、収益を計上しております。進捗度は、当期までの発生費用を工事完了までの工事原価総額と比較することにより測定しております。

工事原価総額は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容に基づいて算定しております。工事請負契約は、顧客からの契約仕様の変更要求や当初見積りに対する原価の増加や当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって工事原価総額が変動することがあります。その工事原価総額の変動により、収益認識時期が変わる可能性があります。

イ.工事損失引当金

当社グループは受注物件の損失発生に備えるため、手持物件のうち将来損失発生が見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることができる物件について、その損失見込み額を工事損失引当金として計上しております。工事損失引当金は見積り特有の不確実性があるため、工事竣工までの仕様変更や原材料価格の高騰などのため見積りの前提が変わり、不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。

当社グループの主要顧客である食品流通業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が長期化する中で、消費者の外出自粛にともなう「内食需要」が依然として高かったことから、食料品および日用品の販売が好調に推移しました。その一方で、ドラッグストアなどの他業種で食料品の取り扱いが年々拡大しており、厳しい経営環境は続いております。

このような中、スーパーマーケット向け売上は、前年より工事延期となっていた物件が当期に売上計上したことや、業績堅調により既存店舗の改装を積極的に行っていた顧客があったことなどから、前年に比べ増収となりました。また、コンビニエンス・ストア向け売上および物流センター等の大型物件向け売上は順調に推移し増収となりました。一方、利益面につきましては、原材料価格の高騰や「中長期経営計画N-ExT 2023 」の実行による投資負担の増加などがあったものの、スーパーマーケット向け売上が好調に推移した結果、前年に比べ増益となりました。

 

(売上高)

国内では、スーパーマーケット向け売上は、前年より工事延期となっていた物件が当期に売上計上したこと、当期の既存店舗の改装需要が増加したことにより好調に推移しました。また、コンビニエンス・ストア向け売上および物流センター等の大型物件向け売上についても順調に推移し、昨年の実績を上回る結果となりました。その結果、前年同期比16.5%増298億32百万円となりました。

中国では、新型コロナウイルス感染症対策により活動が制限され、経済活動が不透明な中でも営業活動を積極的に行った結果、前年同期比6.8%増29億27百万円となりました。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価率は、原材料価格の高騰や設備投資による負担があったものの、生産効率改善に努めた結果、前連結会計年度より0.9ポイント改善して86.7%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より1億1百万円増加して24億円となりました。

(営業利益)

営業利益は、販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上高が前年と比べて増収となったことにより、前連結会計年度より7億46百万円増加して19億39百万円となりました。

(営業外収益及び費用)

営業外収益は、前連結会計年度より19百万円増加して1億22百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より1百万円減少して7百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、販売費及び一般管理費は増加しましたが、売上高が前年と比べて増収となったことにより、前連結会計年度より7億67百万円増加して20億54百万円となりました。

(特別利益及び損失)

特別利益及び損失は、固定資産除却損が2百万円あったことなどにより、損失純額として1百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より4億93百万円増加して14億6百万円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用によるもののほか、2019年度から2023年度までの5か年を対象期間とする中長期経営計画の実行によるものを予定しております。当該中長期経営計画では事業基盤強化に向けた投資として60億円、成長投資として10億円を予定しており、同対象期間に研究開発活動にも16億円を予定しております。これらの資金需要に対しては、取引金融機関からの調達は行わず、現在自己資金で賄っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及び有利子負債の残高は6億6百万円になっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は69億78百万円になっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度は研究開発費として420百万円を投入し、主に下記のような研究開発を行いました。

 <主な研究開発>

日本

(1) スーパーマーケット向けショーケースのモデルチェンジ

スーパーマーケット向けの主力ショーケースのモデルチェンジを2021年3月に実施しました。

目標は、コストダウン、省エネ、省力化機能の充実、冷却性能の向上です。

2021年度は原材料値上げの影響で目標のコストダウンには届きませんでしたが、2022年度は生産性向上の取組みを強力に推進していく計画です。

 

(2) コンビニエンス・ストア向けの新型ケースの開発

コンビニエンス・ストア向けショーケースも2021年3月にモデルチェンジを実施しました。

店舗における維持管理時間の削減、サービス出動低減のための異常予知、冷却性能の向上が目的です。

具体的には異常予知機能追加、省力化の発展(スライド棚角度3段階可変)、清掃レス(吸込みに清掃ブラシ装着)などを盛り込んでいます。

冷凍機内蔵型ショーケースについても、温暖化係数が低い低GWP冷媒への転換を図りました。

 

(3) 新冷媒と冷凍機システム

温暖化係数の少ない低GWP冷媒や自然冷媒への転換を進めています。

自然冷媒への対応では、スーパーマーケット向けにCO2システムを数店補へ導入し、また物流センター向けにも大型冷凍機の自然冷媒システムを2022年春に導入の予定です。

 

(4) 店舗環境システムへの技術対応

店内空調と冷凍冷蔵システムを連係させながら、省エネと店内快適性の向上を図る取り組みを開始しました。コンビニエンス・ストアには、空調、換気、ショーケースの運転率の最適ポイントを見つけ省エネと快適さを提案します。

スーパーマーケット向けには、空調、換気、ショーケースの運転率以外に、コールドアイル解消、扉開放による結露など課題に対して、制御やショーケースを中心とした最適システムを提案します。

行動は、各店舗の店内環境と電力の計測、実験室を利用して空調と換気、ショーケースの運転との関係などを分析しました。2022年度は、それらの結果から店舗の実情に応じたシステム提案を計画しています。

 

(5) 店補監視と異常予知システムの構築

店補監視システム(新センサムセイバー)の最新化を図りました。異常予知機能(着霜やガス漏れ)、クラウド連結、タッチパネルによる操作性向上などを盛り込んで機能アップしました。

2022年度は、AIを利用して異常予知の精度を更に向上させる計画です。

 

(6) 将来的な省人化や自動店補への取り組み

大学との産学連携で省人化ロボット技術開発を図り、小売店舗におけるショーケースへの商品陳列システムの開発を実施しました。2021年12月末に商品移動ロボットと陳列ロボットの試作が完成し、2022年度末には顧客へのプレゼンを目標にしています。

店補において、顧客の混雑状況に応じてオープンショーケースの開口部を自動開閉することで無駄な電力を削減するショーケース自動開閉システムを完成し、2021年11月に食品センターに導入し現在稼働しております。2022年度は、店舗導入に向けて一般スーパーやコンビニエンス・ストアにプレゼンテーションをしていく計画です。

 

中国

(1) 水冷内蔵システムの開発

顧客より冷凍機排熱を水冷式にしたいとの要望があり、工事代理店との共同開発を実施しました。

水循環システムはクローズド方式でブライン冷却サイクルを採用しました(ウォーターループ式)。

ブライン循環水は定温となるように循環量と空冷FANをPID制御します。

また、ブライン配管にエスロンパイプを利用することによって、配管工事を簡易に行えるようにしました。

 

(2) 果物店向け引戸式リーチインケースの開発

果物専門店の狭い店舗での運用がし易い引戸式としました。

引戸ドアの結露を防止する方法は、電導膜ではなく電源不要な熱反射ガラスを採用し低コスト・省電力にしました。

ケース単体使用のために、冷凍機への配電やデフロスト制御もショーケースに標準装備し、工事現場での設置工事コストを削減し、納期短縮への対応も考慮しました。

 

(3) 平型ショーケース開発

日本式の平型ショーケースの要求があり、形状は日本で販売されているショーケースに似たケース形状としました。

これまで平型ショーケース3台を並べたレイアウトにしていましたが、2台の直ショーケースは前後両吹き式で1台としてエンドケースとの一体感を出して外観性を改善しました。

 

(4) 移動用急速予冷庫の開発

ブドウの収穫後の新鮮さを保つための移動用急速冷却予冷庫で、予冷庫の大きさをトレーラーコンテナの大きさに合わせることで、トレーラーに積載したままの移動を可能としました。

予冷庫は4分割され、収穫されたブドウの各収穫箱を予冷できるようにしました。

4分割された庫内は仕切りにより、他の庫内の室温に影響を与えないようにしています。

ブドウ収穫場まで移動し、収穫された品温30℃のブドウを1時間半で0℃まで急速予冷します。