第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループはグローバル化する経済社会において、食品ストア、食品サービス、食品流通、食品加工の分野における陳列、貯蔵、流通、加工、調理等のニーズを満たす優秀で価値ある製品とサービスを提供し続けることを経営の基本方針としております。このことが、お客様から満足をいただける道であり、会社の繁栄とともに株主の皆様や社員にも利益を還元できる道であると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、当期においては自己資本利益率(ROE)が3.1%でありましたが、株主資本の有効活用を示す代表的な指標であるROEの向上を目指してまいります。当社は、投資家と企業との対話における共通言語として提示されるROEの向上に努め、2023年度にはROE6%以上の水準達成を目標としております。

今後の経営にあたっては、かかる水準を意識し、中長期的に持続的かつ安定的な成長できるコーポレート・ガバナンス体制の構築に取り組みたいと考えております。

 

(3) 経営環境、中長期的な経営戦略と対処すべき課題

当社主要顧客である流通小売業界や物流業界を取り巻く環境は大きく変化しており、 当社の事業環境や競合環境にも大きな影響を与えています。また、新型コロナウイルスの感染拡大、環境問題、少子高齢化による人手不足など社会情勢の変化も様々な新しい課題を生んでいます。

このような状況の中、当社グループは、持続的かつ安定的な成長を継続するために「中長期経営計画N-ExT 2023」を2019年に策定し、2023年度は本計画の最終年度になります。

本計画の策定時に掲げたコンセプトと基本戦略を堅持し、お客様及び社会の課題を解決し、目指す将来の実現に向けて、以下の取り組みを実施してまいります。

当社は、激しい環境変化を乗り越え、目指す将来の実現に向けて、全社一丸となって改革を進めていく足掛かりとしてロゴマークの一新を発表させていただいております。

 

① ショーケース・倉庫事業

・ 保有技術と新技術を融合させた環境・省エネ・省人化に対応した製品・サービスの開発を強化し、顧客の求める付加価値製品・サービスの提供を実現します。

・ 顧客の環境変化に対し、問題解決型の提案をスピーディーに実施し、顧客との信頼関係を築き、企業としての評価に繋げてシェア拡大を図ります。

② メンテナンス事業

・ 事業拡大に必要な投資を行うとともに既存業務の効率化・対応力を強化し、メンテナンス領域の拡大を図り、新規顧客の更なる開拓を目指します。

・ 店舗・物流センター向け設備の改善提案・整備提案を強化し、付加価値メンテナンスサービスの提供を通じて新規顧客の更なる開拓を目指します。

③ 海外事業

・ 東南アジア進出の戦略・事業計画の見直しを行い、当初計画からの遅れを取り戻すため、社内体制を強化し、早期の事業確立を目指します。

・ 海外事業における製造拠点を担う中国の合弁会社との連携強化を継続していきます。

人材の確保及び育成の強化

優秀・多様な人材の確保に努めるとともに、人材育成の強化に取り組み、能力を最大限発揮し、成長できる環境を整備していきます。

⑤人員の適正配置

生産体制の効率化及び業務の効率化を検証し、人員を適正に配置し、事業拡大に向けて社内体制を整備していきます。

 

⑥ 将来的な成長を見据えた投資の実行

・ 計画に掲げる3事業の活性化と成長に向けた投資を継続するとともに、新たに発生している課題の解決と将来に向けた投資を計画・実行していきます。

・ 最新技術獲得に向けた外部パートナーとの連携強化を進めるとともに、当社グループ環境ビジョンの実現に向け、必要な投資を計画・実行していきます。

⑦ 地球環境への取り組み

当社グループでは、2050年を見据えて「2050環境ビジョン」を策定し、温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指します。目標達成に向けた取り組みとして「グリーン冷媒への転換」、「冷媒ガス漏洩防止」、「環境性能の高い製品の開発」、「環境負荷の低減」を推進し、バリューチェーン全体のCO2排出量削減に取り組むことで、持続的な地球環境の維持に貢献していきます。

 


 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 個人消費の動向

個人消費は電気料金、食料品や日用品の相次ぐ値上げなどにより節約志向が高まっており、この動向が当社グループの主要顧客である食品流通業界の設備投資に大きな影響を与えるため、当社グループの売上高等の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 製品及び工事の欠陥

当社グループは厳しい品質管理のもとで製品の製造、工事の施工を行っておりますが、将来にわたり全く欠陥が発生しないという保証はありません。リコール又は製造物賠償責任が発生した場合、製造物賠償責任保険には加入しておりますが、これを超えるような事態にいたった場合、多額の賠償金により当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

(3) 原材料の市況変動

当社グループの製品の製造及び工事の施工に必要な素材(亜鉛鋼板、ステンレス鋼板、銅管、樹脂等)の市況は円安などの為替変動の影響を受け、価格の高騰時、その上昇分を当社の販売価格に転嫁できない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

(4) 原材料の調達

当社グループは、原材料および部品を安定的に入手するため、複数の供給元から調達しております。しかしながら、市況の変化による原材料および部品の価格高騰や品不足、供給元の生産能力不足や品質不良、または火災や地震などの自然災害、あるいは倒産その他の理由により、原材料および部品の調達が困難となり、顧客への製品供給に支障をきたすリスクがあります。かかる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

(5) 自然災害や重大な伝染病等の発生

大規模な地震、台風などの自然災害の発生により、当社、当社の社員または当社の取引先が被害を受け、業務・事業が停滞した場合、当社の事業遂行が滞る可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症などの重大な感染症の発生及び感染拡大による影響が長期化、深刻化した場合、需要の悪化や国内外サプライチェーンの停滞、当社グループ事業活動の停滞等、業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 新型コロナウイルスの影響について

世界に拡大した新型コロナウイルス感染症の当社グループの事業活動へのリスクに対応するため、従業員等の感染防止、安全確保、事業継続に向け処置・対策を講じております。

しかしながら、世界的な感染拡大に伴い、海外子会社において都市封鎖(ロックダウン)、都市封鎖解除後のゼロコロナ政策などによる移動制限により営業活動に影響がありました。

国内においては一部従業員等の感染が発生し、また、海外への渡航制限により現地での商談・打ち合わせに遅れが生じました。

当社グループは、事業活動へのリスクに対応するため、引き続き従業員等の感染防止・安全確保を最優先としつつ、事業継続に向けた取り組みに注力してまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス蔓延下においても行動制限が課されないなど政府による感染症対策により景気は緩やかに回復基調にありました。しかしながら、資源価格高騰や円安による物価上昇、世界的な金融引き締め政策やウクライナ情勢の長期化などによる不安定な国際情勢によって、国内及び世界経済の回復ペースが鈍化し、先行き不透明な状況が続いております。

このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は4年目を迎え、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。

当連結会計年度の当社グループの業績は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したこと、また、半導体の供給不足による生産活動の制約などにより昨年の実績を下回りました。物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。

中国における売上については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海市の都市封鎖(ロックダウン)の解除後も、政府のゼロコロナ政策継続による行動制限などによる先行き不透明感から小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回りました。

利益については、国内は原材料価格や光熱費の高騰に対して販売価格への転嫁が進まなかったこと、顧客の設備投資の抑制、工場操業度の低下などが響き、前年同期に比べて減益となりました。中国においても新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響などにより前年同期に比べて減益となりました。

その結果、売上高は275億34百万円(前年同期比50億72百万円15.6%減)、経常利益は10億11百万円(前年同期比10億42百万円50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億50百万円(前年同期比6億55百万円46.6%減)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は17百万円増加し、経常利益及び税金等調整前当期純利益は18百万円増加しております。詳細については、51ページ「第5.経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

「中長期経営計画N-ExT 2023」に基づく事業分野別売上は次のとおりであります。

単位:百万円(百万円未満切捨て)

 事 業 区 分

2021年売上高

構  成  比(%)

2022年売上高

構  成  比(%)

対前年同期比(%)

ショーケース・倉庫事業

25,509

78.2

21,151

76.8

△17.1

  メンテナンス事業

4,323

13.3

4,796

17.4

11.0

  海外事業

2,774

8.5

1,586

5.8

△42.8

合        計

32,606

100.0

27,534

100.0

△15.6

 

 

「ショーケース・倉庫事業」は、ショーケース事業売上が原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。その結果、前年同期比17.1%減となりました。

「メンテナンス事業」は、継続的に提案メンテナンス等を実施しており、需要を掘り起こした結果、前年同期比11.0%増となりました。

「海外事業」は、中国国内において新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していたことなどの影響により、前年同期比42.8%減となりました。

 

なお、当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造・販売並びにこれらの付随業務からなる単一セグメントであるため、セグメント情報の記載をしておりませんが、所在地別の業績の概況は次のとおりであります。

 

<日本>

国内の売上高は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。

その結果、259億48百万円(前年同期比38億84百万円13.0%減)となり、営業利益は11億12百万円(前年同期比8億39百万円43.0%減)となりました。

 

<中国>

中国の売上高は、中国国内において新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回ることとなりました。売上高は17億76百万円(前年同期比11億51百万円39.3%減)となりましたが、利益の面では厳しい状況となり営業損失は2億5百万円(前年同期は12百万円の営業損失)となりました。

 

② 財政状態

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の総資産は330億18百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億77百万円の減少となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末の流動資産の残高は240億3百万円となり、前連結会計年度末と比較して22億50百万円の減少となりました。これは主に現金及び預金が前連結会計年度末と比較して24億70百万円減少、原材料及び貯蔵品が2億43百万円増加したことなどによります。

(固定資産)

当連結会計年度末の固定資産の残高は90億14百万円となり、前連結会計年度末と比較して26百万円の減少となりました。これは主に機械装置及び運搬具が1億58百万円減少したことによります。

(流動負債)

当連結会計年度末の流動負債の残高は41億22百万円となり、前連結会計年度末と比較して13億22百万円の減少となりました。これは主に支払手形及び買掛金が前連結会計年度末と比較して2億61百万円減少、未払法人税等が3億86百万円減少したことなどによります。

(固定負債)

当連結会計年度末の固定負債の残高は32億68百万円となり、前連結会計年度末と比較して2億37百万円の減少となりました。これは主に退職給付に係る負債が1億28百万円減少し、役員株式給付引当金が81百万円減少したことなどによります。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の残高は256億27百万円(非支配株主持分15億38百万円を含む。)となり、前連結会計年度末と比較して7億18百万円の減少となりました。これは主に配当金の支払などにより利益剰余金が7億57百万円減少したことなどによります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して2億3百万円減少し、67億74百万円となりました。その内容の主なものは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金は、5億86百万円の減少(前年同期は25億99百万円の増加)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益10億10百万円及び減価償却費4億80百万円、工事損失引当金の増加が1億99百万円あったのに対し、仕入債務の減少が2億93百万円、棚卸資産の増加が1億83百万円、法人税等の支払額が7億35百万円あったことなどによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金は、18億50百万円の増加(前年同期は4億46百万円の減少)となりました。この主な要因は、定期預金の解約が22億86百万円あったことにより資金が増加したことに対し、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出が合計4億35百万円あったことなどによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金は、15億17百万円の減少(前年同期は15億50百万円の減少)となりました。この主な要因は、配当金の支払が14億17百万円あったことによります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

当社グループの事業は食品店舗向けの冷凍・冷蔵ショーケース等の製造、販売を事業内容とする単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

  a.生産実績

当連結会計年度における生産実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

10,466,272

70.8

冷凍機(千円)

2,895,023

106.3

工事・その他(千円)

13,989,160

92.1

合計(千円)

27,350,456

83.6

 

 

b.受注状況

当社グループの生産のほとんどが見込生産であるため、受注状況の記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を製品別に示すと、以下のとおりであります。

 

製品

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

ショーケース(千円)

10,595,972

71.5

冷凍機(千円)

2,844,457

103.1

工事・その他(千円)

14,093,886

93.7

合計(千円)

27,534,315

84.4

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年1月1日

 至 2021年12月31日)

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

 至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

11,773,681

36.7

8,727,876

31.7

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積について過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

ア.工事請負契約におけるインプット法による売上高

ショーケースや冷凍機等の設置工事事業、物流センター等の冷凍・冷蔵設備設置工事事業に係る工事請負契約については、顧客との合意により定められた仕様等に基づき、設備工事を完成させ、引渡しを行う義務を負っており、当該履行義務は、一定の期間にわたり充足される取引であるため、履行義務の充足につれて進捗度を測定して収益を認識しております。なお、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、工事原価総額に対する発生原価の割合によるインプット法を採用しております。

工事原価総額は、契約ごとに当該工事請負契約の契約内容に基づいて算定しております。工事請負契約は、顧客からの契約仕様の変更要求や当初見積りに対する原価の増加や当初想定していない事象の発生による原価の変動など、工事の進行途中の環境の変化によって工事原価総額が変動することがあります。その工事原価総額の変動により、収益認識時期が変わる可能性があります。

イ.工事損失引当金

当社グループは受注物件の損失発生に備えるため、手持物件のうち将来損失発生が見込まれ、かつ金額を合理的に見積ることができる物件について、その損失見込み額を工事損失引当金として計上しております。工事損失引当金は見積り特有の不確実性があるため、工事竣工までの仕様変更や原材料価格の高騰などのため見積りの前提が変わり、不採算工事が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの経営成績の分析は次のとおりであります。

わが国経済におきましては、新型コロナウイルス蔓延下においても行動制限が課されないなど政府による感染症対策により景気は緩やかに回復基調にありました。しかしながら、資源価格高騰や円安による物価上昇、世界的な金融引き締め政策やウクライナ情勢の長期化などによる不安定な国際情勢によって、国内及び世界経済の回復ペースが鈍化し、先行き不透明な状況が続いております。

このような中、2023年度を最終年度とする「中長期経営計画N-ExT 2023」は4年目を迎え、当社グループは「冷やす」技術をもとに最良の製品・サービスを生み出し、顧客と共に新しい課題に取り組むことで社会に貢献することをコンセプトに本計画を実行しております。

当連結会計年度の当社グループの業績は、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したこと、また、半導体の供給不足による生産活動の制約などにより昨年の実績を下回りました。物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。

中国における売上については、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海市の都市封鎖(ロックダウン)の解除後も、政府のゼロコロナ政策継続による行動制限などによる先行き不透明感から小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回りました。

 

(売上高)

国内では、当社グループの主要顧客であるスーパーマーケット、コンビニエンス・ストア向け売上については、原材料価格高騰や光熱費高騰などによる設備投資の抑制及び改装需要が一段落したことにより昨年の実績を下回りましたが、物流センター等の大型物件向け売上についてはネットスーパーの普及などにより堅調に推移し、昨年の実績を上回りました。その結果、259億48百万円(前年同期比38億84百万円13.0%減)となりました。

中国では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い小売店が投資を抑制していることなどの影響により、昨年の実績を下回ることとなりました。その結果、売上高は17億76百万円(前年同期比11億51百万円39.3%減)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価率は、原材料価格や光熱費の高騰に対して販売価格への転嫁が進まなかったこと、顧客の設備投資の抑制、工場操業度の低下などが響き、前連結会計年度より2.8ポイント悪化して89.5%となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より4億23百万円減少して19億76百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高が前年と比べて減収となったことにより前連結会計年度より10億30百万円減少して9億9百万円となりました。

(営業外収益及び費用)

営業外収益は、前連結会計年度より13百万円減少して1億9百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度より0百万円減少して6百万円となりました。

(経常利益)

経常利益は、販売費及び一般管理費は減少しましたが、売上高が前年と比べて減収となったことにより前連結会計年度より10億42百万円減少して10億11百万円となりました。

(特別利益及び損失)

特別利益及び損失は、固定資産除却損が0百万円あったことなどにより、損失純額として0百万円となりました

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度より6億55百万円減少して7億50百万円となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は、生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費、諸経費)、販売費及び一般管理費等の営業活動費用によるもののほか、2019年度から2023年度までの5か年を対象期間とする中長期経営計画の実行によるものを予定しております。当該中長期経営計画では事業基盤強化に向けた投資として60億円、成長投資として10億円を予定しており、同対象期間に研究開発活動にも16億円を予定しております。これらの資金需要に対しては、取引金融機関からの調達は行わず、現在自己資金で賄っております。

なお、当連結会計年度末における借入金及び有利子負債の残高は6億29百万円になっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は67億74百万円になっております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度は研究開発費として333百万円を投入し、主に下記のような研究開発を行いました。

<主な研究開発>

日本

(1) スーパーマーケット向けショーケースの開発

店舗の建築資材の高騰に対し、設置費用を抑え、レイアウト変更が容易な内蔵型リーチインショーケース、引戸付き平型ショーケースの2種類を開発しました。これら2種類のショーケースは別置型ショーケースのデザイン及び使用感を損なわないことを特徴としています

 

(2) コンビニエンス・ストア向けのショーケースの開発

次世代を見据え、省エネ性能及び冷却性能を向上させたコンビニエンス・ストア向けショーケースを開発しました。ファンモーター、結露防止ヒーターの制御と新冷却制御システムの採用により、現行比15%の省エネが見込めます。また、アイスクリーム用平型ショーケースの上部に設置する陳列棚を開発しました。省エネと非冷商品陳列が目的です。

その他、コンビニエンス・ストア向けショーケースのユーザーと共同で新製品開発を進めております。

 

(3) ドラッグストア向けのショーケースの開発

ドラッグストア向けショーケースとして、機能を絞り込み、コストを抑えたショーケースを開発しました。

2023年度ドラッグストア向けショーケースの受注拡大を図る計画です。

 

(4) 自然冷媒への転換

温暖化係数の少ない低GWP冷媒や自然冷媒への転換を進めています。

自然冷媒への対応では、スーパーマーケット向けにCO2システムを顧客店補へ納入し、物流センター向けにも大型冷凍機の自然冷媒システムを納入しました。

 

(5) 店舗監視と異常予知システムの構築

店舗監視システム(センサムセイバー)とクラウドサービスを利用した、AIによる異常予知機能(着霜やガス漏れ)を開発しました。

2023年度からサービス提供を開始し、保守サービスの拡充を図る計画です。

 

(6) 将来的な省人化や自動店補への取り組み

産学連携による小売店舗におけるショーケースの商品陳列システムを開発しました。

2023年度は、この技術を組み込んだショーケースの開発を図る計画です。

 

中国

(1) 地下スーパー向け冷凍冷蔵ロールインストッカーの開発

地下ショッピングモールなどの地下フロアは消防法の制約によりプレハブ冷凍冷蔵庫を建てることが出来ないため、ショーケースの発泡パネル構造を応用した冷凍冷蔵ストッカーを開発しました。

冷凍冷蔵ストッカーはプレハブ冷凍冷蔵庫に該当しないため、地下フロア店舗への設置が可能となりました。店舗の省力化を図るため、収納部への商品搬入口を引戸として商品搬入用カートごと収納できる構造としました。

 

(2) コンビニエンス・ストア向けLED棚照明付き多段ケースの開発

顧客からの要望より、シューケース庫内全体を明るくするためにスライド棚板にLEDを採用したショーケースを開発しました。LEDはグレア防止と商品を明るくするため棚先端にマグネットで固定し、専用のリード線接続でスライドに対応しています。

 

(3) インバータ冷凍機搭載内蔵平型ショーケースの開発

海立電気が設計開発したインバータ冷凍機ユニットを搭載した平型ショーケースを共同開発しました。

特徴としては、独自のインバータ制御による冷却運転で平型ショーケースの省エネを図ります。

 

(4) 新型コロナ核酸検査用冷蔵ボックス(試作)

新型コロナの感染確認のためのPCR、核酸検査場に保管する試薬管保管用のストッカーの開発に着手しました。

ストッカーの形状は、小型スポットケースタイプで、基本性能確認まで実施しました。

 

(5) 中低温共用スクロール冷凍機の開発

30馬力の中低温共用スクロール冷凍機を開発しました。スクロール冷凍機は、これまでコスト・効率を考慮し、中温対応冷凍機と低温対応冷凍機を異なる仕様で受注対応してきました。

中国市場ではHCFC冷媒からHFC冷媒への切替え過渡期になっており、既存設備(R22レシプロ冷凍機)の入替え用として、中低温共用スクロール冷凍機の要望があるため、対応しました。

特徴としては、低温用はガスインジェクション用の圧縮機を利用していましたが、液インジェクション用の圧縮機を利用し、中低温共用とすることで店舗改装での利便性や付属部品の共通化が可能となりました。