第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国経済は緩やかな拡大基調が続いたものの、ギリシャ情勢の緊迫化や中国の景気減速、その余波によるアジア新興国等の景気下振れなど、全体として不透明感漂う一年でありました。特にその傾向は設備投資に見られ、過剰生産能力を抱えている業種を中心に、ストック調整圧力の強まりから、総じて低調な傾向が続いております。

日本におきましても、原油価格の下落と円安効果により景況感の改善が見られましたが、個人消費の落ち込みにより平成27年4~6月期がマイナス成長になるなど、景気の持ち直しに一服感が見られました。ユーロ圏におきましても輸出回復力の弱さのほか、先行き不透明感から企業が在庫積み増しに慎重になっていることが影響し、生産に力強さを欠いております。

このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は502億4百万円前期比4.4%の増加)、受注残高は175億3千9百万円前期比14.7%の増加)、売上高は473億4千2百万円前期比2.4%の減少)となりました。 

利益面におきましては、営業利益は24億5千万円前期比27.3%の減少)、経常利益は26億4千6百万円前期比22.5%の減少)、当期純利益につきましては、特別損失として千葉県松戸市にある社員寮の減損損失を2億6千万円計上いたしましたが、Hosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却したことによる特別利益を6億4百万円計上したことにより吸収し25億2千4百万円前期比10.0%の増加)となりました。 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

① 粉体関連事業

当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。鉱工業分野に回復が見られたほか、医薬関連向けは堅調に推移し受注高は微増となりましたが、全般に設備投資決定までの期間が長期化するなど、受注の遅延が散見されたことにより、納期の関係などから減収減益となりました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は352億3千5百万円(前期比3.2%の増加)、受注残高は123億3千万円(前期比16.5%の増加)となり、売上高は334億7千8百万円(前期比6.9%の減少)となりました。セグメント利益は23億1千2百万円(前期比31.7%の減少)となりました。 

 

② プラスチック薄膜関連事業

当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。アメリカ向けが過年度からの好調が持続しているほか、南欧地域やアジア向けなども伸びたことにより、受注高、売上高ともに好調に推移し、増収増益となりました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は125億2千万円(前期比26.4%の増加)、受注残高は52億8百万円(前期比37.7%の増加)となり、売上高は115億3百万円(前期比28.4%の増加)となりました。セグメント利益は15億4千1百万円(前期比78.8%の増加)となりました。 

 

 

③ 製菓関連事業

当事業は、欧米を中心にハードキャンディ、チョコレート、ベーカリーなどの製菓装置の製造販売、エンジニアリングを手掛けております。欧米の大手製菓メーカーが設備の集約により大型の設備投資を控えたことなどから、昨年度を大幅に下回る受注となり、減収、営業赤字となりました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は24億4千8百万円(前期比38.8%の減少)となり、売上高は23億5千9百万円(前期比34.1%の減少)となりました。セグメント損失は3億4千1百万円(前期は1億1千2百万円のセグメント利益)となりました。

なお、「製菓関連事業」につきましては、平成27年9月30日付でHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却しております。これに伴い、Hosokawa Bepex GmbH(ドイツ)を連結の範囲から除外し、受注高、売上高及びセグメント損失の金額は売却日までの実績を記載しております。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ1億1千2百万円増加し、100億7百万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、24億9千2百万円の資金の増加(前連結会計年度比10億7千4百万円の減少)となりました。資金の増加要因として売上債権の減少がある一方、資金の減少要因としてはたな卸資産の増加及び仕入債務の減少によるものであります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、12億3千3百万円の資金の減少(前連結会計年度比10億1千万円の減少)となりました。資金の増加要因として連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入がある一方、資金の減少要因としては有形固定資産の取得によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、12億7千3百万円の資金の減少(前連結会計年度比11億9千万円の増加)となりました。主として長期借入金の返済によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

21,127

△6.8

プラスチック薄膜関連事業

6,847

2.3

製菓関連事業

2,510

△11.2

合計

30,484

△5.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

35,235

3.2

12,330

16.5

プラスチック薄膜関連事業

12,520

26.4

5,208

37.7

製菓関連事業

2,448

△38.8

合計

50,204

4.4

17,539

14.7

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

33,478

△6.9

プラスチック薄膜関連事業

11,503

28.4

製菓関連事業

2,359

△34.1

合計

47,342

△2.4

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループはナノパーティクルテクノロジーを含む革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続け、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
 つきましては次のような施策を実施し、業績の向上に努めてまいります。

①高成長市場へのビジネス展開力の強化及び商品力・開発力の強化などにより、成長トレンドの持続を図ってまいります。

②グローバルな高収益企業の地位を確立するため、一層の利益向上を図ってまいります。

③今後の安定的、持続可能な企業価値成長のために、企業ガバナンスの強化を徹底してまいります。

④経営資源の適切な配分、投資を実施するため、グループ企業活動の調整機能としてグループ本社機能の強化を図るとともにグループ企業間の協業強化を図ってまいります。

⑤人材の開発、若手の登用を積極化し、グローバルナンバーワン企業を担う人材の育成を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は下記のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1 経済状況

当社グループの製品の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの主要市場である日本、アメリカ、欧州、アジアにおける景気及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が出るおそれがあります。

 

2 為替変動のリスク

当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロならびに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響が出る可能性があります。

 

3 国際的活動に関するリスク

当社グループの海外での生産及び販売活動は、アメリカ、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生したときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響が出るおそれがあります。

・政治又は経済要因

・法律又は規則の変更

・潜在的に不利な税の影響

・労働争議

・テロ行為又は戦闘行為

 

4 製造物責任

当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの経営成績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 研究開発活動

当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
 また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。

 

 

6 重要な訴訟等

現在、当社グループを相手とした訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等コストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

7 知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。

 

8 取引先の信用リスク

当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

9 減損会計

当社グループは、生産施設及び従業員社宅等に使用する土地・建物等の不動産を所有しております。今後、当社グループが所有する不動産について減損処理が必要となった場合、当社グループの経営成績と財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。  

 

10 敵対的企業買収

当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めたときには当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。

また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。

 

11 個人情報の流出

当社グループは、事業遂行に関連して多数の個人情報を保有しております。

これらの個人情報の管理に当社グループでは万全を期しておりますが、予期せぬ事態により漏洩する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額負担やブランド価値の低下が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

12 事実と異なる風説が流布することにより信頼が失墜するリスク

インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

13 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益にもとづいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

14 災害

当社グループは、地震等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的災害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

Precision Air
Products Company

アメリカ

空気調和並びに換気用空気分布ユニット(吹出口、吸込口)の設計、製造に関する技術契約

平成27年9月1日 (※)
より10年
以後10年毎に自動的に更新される

ホソカワミクロン
株式会社

Gericke AG

スイス

粉粒体振動排出機の製造、販売、技術契約

平成27年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉粒体微量供給機の製造、販売、技術契約

平成26年6月19日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉砕機等の製造、販売、技術契約

平成26年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(2)技術供与契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロンワグナー株式会社

日本

粉体塗装ガン用定量供給機の製造、販売

平成27年3月1日 (※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記についてはロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(3)技術使用契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

株式会社野村事務所

日本

PLGAナノ粒子製造技術の使用許諾

平成25年10月18日より10年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 上記についてはロイヤリティとして製造技術使用料を受取る契約となっておりますが、製造技術使用料率につきましては別途協議の上決定されます。

 

(4)業務提携契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

株式会社栗本鐵工所

日本

ナノ技術領域を含む粉体技術に関する相互の技術供与
相互にそれぞれの粉体機器の非独占販売権の供与

平成27年2月21日 (※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

ホソカワミクロン
株式会社

日清エンジニアリング株式会社

日本

日本国内におけるプラントエンジニアリング、機器販売、粉体受託加工

平成27年11月29日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(5)総販売代理店契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロン化粧品株式会社
((注)1)

日本

化粧品・育毛剤の販売

平成27年10月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 ホソカワミクロン化粧品株式会社は、平成26年10月1日株式取得により子会社化した株式会社ユノインターナショナルを社名変更した会社であります。

   2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(6)商品取引基本契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

サントリーウエルネス株式会社

日本

育毛剤の販売契約

平成27年1月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(7)製菓関連事業に関する事業譲渡契約の締結

当社グループは、平成27年9月30日開催の取締役会において、Bühler AG(スイス)に対し、当社グループの製菓装置の製造・販売及びそれに付帯関連する製菓関連事業を行う海外連結子会社であるHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却することを決議いたしました。
 上記に伴い、当社グループは、平成27年9月30日にBühler AG(スイス)との間で株式譲渡契約書を締結するとともに、同日付で全株式をBühler AG(スイス)に売却いたしました。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、常に変化し高度化を続ける顧客ニーズに的確に応えていくために、営業部門との連携強化を図りながら、新製品、新技術を生み出す研究開発を推進しています。特に、近年需要が急増し、高品質化している二次電池や電子部品などの材料、トナー、医薬品、機能性食品などの粉体処理や、環境・エネルギー関連の各種材料処理、ならびにこれらに関連した様々な粉体特性評価のために、たゆまない研究開発による新たなチャレンジに取り組んでいます。

当社グループは、研究開発拠点を持つ日本ならびに欧米の連結子会社が連携して積極的に情報交換などを行うとともに、各々の技術的な特長を生かしながら、研究開発テーマをグローバルに分担しています。具体的には、研究開発テーマは、各社の研究開発担当部門のリーダーで構成される国際研究開発会議で審議され、調整が行われます。

グループの中核企業である当社は、昭和33年に設立された「粉体工学研究所」を中心に研究開発を推進し、新しい粉体技術の創成を目指しております。
 Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft(ドイツ)は、欧州で有数の老舗の粉体関連装置企業として、超微粉砕装置や空気分級装置の分野で高い技術力を誇っており、同分野の研究開発ならびに装置開発の深耕を図っております。特に最近では、Stage Gate Process という新たな研究開発評価システムを導入し、各ステージでの進捗度を検証しながら実質的かつ効率的な研究開発を進めると共に、画期的な開発を目指して新たにi-teamを設置しました。

一方、本世紀初頭より重点的に取り組んでおりますナノパーティクルテクノロジー関連の研究開発については、当社のマテリアル事業部 製薬・美容科学研究センターを中心として、生分解性ナノ粒子を用いたDDS(薬物送達システム)技術を中軸に据えて、ビジネスに直接結びついた形で製品開発や応用研究を推進しております。

当連結会計年度における研究開発活動の主なものは以下の通りであります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は8億9千2百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

1 粉体関連事業

当事業に係わる研究開発費は6億8千7百万円であります。

当社グループの基幹事業である粉体関連事業においては、高機能材料を生み出す粉体処理機械ならびにシステムの開発やその効率化を目指した研究開発を推進すると共に、機能性ナノ粒子を使った化粧品や育毛剤等の新しい材料製品の開発にも力を入れております。 

 

○電子機器関連材料(二次電池材料、磁石、トナー等)

電子部品材料をはじめとする二次電池負極やキャパシタなどに用いる炭素材をはじめ、様々な電子機器関連高機能材料などにおいて微細化や性能向上の目的から、従来よりもさらに微細な原料を求める傾向が強まっております。このニーズに応えるために、カウンタジェットミルAFGの分級機能を強化し、超微細加工による粉体製品の高付加価値化需要に対応した新製品カウンタジェットミルAFG-CRを開発し、販売を開始しました。当装置は、遠心力型気流式分級機を搭載した流動層式対向型ジェットミルAFGの分級部に用いる分級ロータの形状を改良することで分級性能を向上させ、従来機の約2分の1の平均粒子径を持つ微粉製品の製造を可能にしました。

また、高機能粉体製品の一つである電子写真現像剤用トナーの微粉砕を主なターゲットとして一昨年度に上市した高冷却型機械式粉砕機グラシスは、その効率性の高さが評価され、平成26年度(第35回)優秀省エネルギー機器表彰において、日本機械工業連合会会長賞を受賞しました。これは同連合会が昭和55年度より国の省エネルギー推進政策に呼応し、機械工業の立場からこれを推進するため、省エネルギー効果の著しい産業用機器を開発、実用化した企業等を表彰するものです。

二次電池の分野では、粒子設計(球形化)装置ファカルティに新しい分級機構を搭載したファカルティ-Sを開発しました。従来機と比べ分級性能がさらに向上し製品収率が上がると共に、様々な新機構を取り入れることにより処理効率が向上しました。当初トナーの球形化と微粉除去の目的で開発されたこの装置は、粒子の付加価値向上に向けた多機能な粒子設計装置として、電気自動車やハイブリッドカー、あるいはコージェネレーション発電用として今後も大きな市場拡大が見込まれる二次電池電極材料等への処理への用途が広がりつつあります。

 

 

○食品・化粧品・医薬関係

食品分野では、Hosokawa Micron B.V.(オランダ)が開発し、医薬、食品市場を中心に展開を図ってきた撹拌型凍結乾燥機アクティブフリーズドライヤAFDについて、日本でも取り扱いを開始することになりました。本装置は、多大な人手と乾燥時間を要していた従来の大型棚型凍結乾燥装置に代わって、湿分を含んだ固体状の様々な原料を単一の装置で、細かくかつ凝集性の低い粉体に加工できる新しい乾燥機です。当装置は凍結工程と昇華による湿分の固体から気体への直接的な乾燥工程の組合せにより、工程の省力化と高度な製品品質を実現し、抗生物質や原薬等の医薬品をはじめ、食品やハーブ抽出物などの食品添加物を含め様々な材料の乾燥に適しています。

化粧品分野では、平成16年より機能性PLGAナノ粒子を使って自社製品の化粧品ならびに育毛剤の開発、上市を図ると共に、これを各種OEM商品の基幹原料として広く使用するほか、製薬企業や医薬ベンチャー企業、大学等からの医薬受託研究事業に活用してまいりました。自社化粧品として育毛剤ナノインパクトで培ってきたPLGAナノ粒子の毛穴への浸透技術を顔肌の毛穴へ応用し、毛穴から生じるニキビ等の肌トラブル改善に適したピュアクネスジェルを開発し、通信販売を開始しました。

医薬分野では、PLGAナノ粒子の医薬向け実用化開発が進むにつれ拡大する需要に応えるため、協業会社に技術使用を許諾し、世界初となる医薬製剤や医療デバイス向け等に使用するPLGAナノ粒子の大規模製造拠点の確立を図り、医薬分野における様々な新薬開発ニーズに的確に対応することを可能としました。

さらに、平成26年9月からは、沖縄県の平成26年度ライフサイエンスネットワーク形成事業に参画し、「沖縄県発の高機能高付加価値の健康食品・医薬品の研究開発」を進めており、今後、DDS技術の応用が期待されます。

 

○ミネラル関係

ミネラル関連では、炭化物や珪灰石など特に摩耗性の強い材料を処理する分級機の耐摩耗性の向上や、テーブルローラミルを使って粉砕製品を20μm程度以下に微粉砕する際のエネルギー消費量を大幅に削減することなどに焦点を当てた開発を進めています。

 

○測定装置・システム管理・ラボ装置関係

Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft(ドイツ)では、長年にわたって世界中で広く使用されている乾式ふるい分析装置エアジェットシーブの電子制御型e200LSのHMI(Human-Machine Interface)が大幅に刷新されました。大きな画面の新しいタッチパネルは見やすく、さらに応答性が格段に速くなり使いやすくなりました。この改良版は平成27年末から上市される予定で、従来装置に組込みが可能です。

また、一連の卓上小型粉体処理装置をシリーズ化したピコラインについては、この度その制御システムの全面的な革新を図りました。特に気体の流量が重要な因子となる装置においては、新たに開発した圧力・流量計測制御機構により運転の安定性が格段に向上し、また、新設計の動力制御機構により回転部の運転がよりスムーズになりました。これらの装置改良により、乾式・湿式の全てのモジュールを同一のプラットフォームで運転することが出来るようになり、さらに操作性が一段と改善されました。

 

○集塵・精密空調設備関係

ハザード対応が必要な特殊製剤・粉状危険物を扱う業種への対応として最近開発し製品化した集塵機バグイン・バグアウトパルスジェットコレクタに引き続き、パルスジェットコレクタの原点に立ち戻り、単位体積当たりの濾過面積を大きくしたコンパクトで集塵効率に優れ、使いやすい集塵機の開発に取り組んでおります。 

 

 

2 プラスチック薄膜関連事業

当事業に係わる研究開発費は1億5千6百万円であります。

Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft(ドイツ)では、特許取得済みのX型押し出しヘッドの改良をさらに推し進め、11層構造を持つフィルムまで製造することができるようになりました。粘度が大きく異なる幅広い種類の材料がいずれの押し出し機や層についてもスクリューを変えることなく処理できるようになり、ほとんど無限に近い層構造の実現が可能となりました。

 

3 製菓関連事業

当事業に係わる研究開発費は4千8百万円であります。

製菓機械については、それぞれの顧客の要求に応じたニッチなアプリケーションについてのテーラメイドの解決策を提供するための開発を進めてまいりましたが、平成27年9月30日に製菓関連事業を営んでおりましたHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却し、同社は連結子会社ではなくなりました。この売却に伴い、製菓関連事業につきましては、当連結会計年度をもってセグメントを廃止し、研究開発活動を終了いたします。 

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を考慮して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

 

① 貸倒引当金

当社及び国内連結子会社については債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。また、海外連結子会社については、個別に検討して得た損失見込額を計上しておりますが、将来顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

② 製品保証引当金

当社の製品保証引当金は、製品の引渡後におけるクレームにつき、当社負担により補修すべき費用に充てるため、当連結会計年度末に発生が予想されている顧客毎の見積補修額と売上高に対するクレーム発生額の過去の実績率を乗じて計算した額との多い方を計上しております。海外連結子会社については、契約上の保証期間内の無償修理費の支出に充てるため、見積補修額を計上しておりますが、実際の製品の欠陥等により発生した保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

 

③ 退職給付に係る負債

当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、当連結会計年度末において発生していると認められる額を計上しております。また、欧州の連結子会社の一部においても確定給付型の制度を有しており、その一部を外部積立年金制度へ移行しております。非外部積立年金制度部分は、米国の会計慣行に従って年金数理に基づく予測年金債務を計上しております。

なお、数理計算上の差異については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(7~17年)による定額法により発生の翌年度から費用処理することとしております。

実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、受注高は502億4百万円前期比4.4%の増加)、受注残高は175億3千9百万円前期比14.7%の増加)、売上高は473億4千2百万円前期比2.4%の減少)となりました。 

利益面におきましては、営業利益は24億5千万円前期比27.3%の減少)、経常利益は26億4千6百万円前期比22.5%の減少)、当期純利益につきましては、特別損失として千葉県松戸市にある社員寮の減損損失を2億6千万円計上いたしましたが、Hosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却したことによる特別利益を6億4百万円計上したことにより吸収し25億2千4百万円前期比10.0%の増加)となりました。 

なお、セグメント別の業績の概要につきましては、1〔業績等の概要〕(1) 業績に記載しておりますので、ご参照下さい。

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、外国為替相場の動向等により、営業成績に影響を受ける可能性があります。

特に、当連結会計年度は事業の状況の変化により事業譲渡益、固定資産の減損損失を計上することとなり、損益に大きな影響を与えております。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループは、平成26年10月1日から「グループシナジー効果を発揮し、売上・収益の拡大により企業価値を高める」を基本方針とする中期3ヶ年計画を実施しております。また、ホソカワミクロン株式会社は平成28年4月に創業100周年を迎えることから、「創業100周年を飛翔の節目とし、粉体技術を極め、次代のものづくりに貢献する」ことも経営方針の一つとして掲げております。

 

 基本施策は以下のとおりであります。

① 市場競争力・市場創造力のある新製品・新技術の開発

市場ニーズに合致した新製品・新技術を迅速に開発し、世界を網羅したグループの販売網を活かして拡販して まいります。

② 新興国市場におけるブランド力の強化と事業拡大

  南米市場における販売体制を構築するとともに、東南アジアにおける商機を拡大してまいります。

③ 組織・体制の再編による業務効率の向上

国際展開を加速する顧客動向に合わせ、市場別の情報を共有化し、国・地域・顧客に合った販売戦略を立案・確立してまいります。

④ 人的交流の促進

  グループ企業間において人材を相互派遣することにより、人的・技術的交流を一層推進してまいります。

⑤ 事業基盤を強化する企業集団の更なる拡充

  戦略的な事業提携等を具体化させ、主要事業・市場領域の拡大と成長を図ってまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産の状況

当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、7億5千3百万円減少し、507億1千4百万円となりました。これは、主に受取手形及び売掛金が11億7千8百万円減少したこと、有形固定資産が11億8千2百万円減少したことによるものであります。 

② 負債の状況

当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、28億8千2百万円減少し、203億9千1百万円となりました。これは、主に支払手形及び買掛金が8億9千万円減少したことや、退職給付に係る負債が11億9千万円減少したことによるものであります。 

③ 純資産の状況

当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、21億2千9百万円増加し、303億2千3百万円となりました。これは、主に当期純利益が25億2千4百万円となったことによるものであります。 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末から1億1千2百万円増加し、100億7百万円となりました。             

なお、詳細につきましては1〔業績等の概要〕(2) キャッシュ・フローの状況に記載いたしておりますので、ご参照下さい。

 

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。