第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、中国経済が減速基調に転じる中で、新興国経済の景気後退が世界経済のリスク要因として強く認識されるようになり、牽引役不在のまま、長く続く低迷から抜け出すきっかけを掴めない状況にありました。さらに、今年6月には英国がEU(欧州連合)離脱を選択するなど、先行き不透明感が強まりました。

このような中、日本経済におきましては、マイナス金利の導入により資金調達環境が改善したにも拘わらず、設備投資は伸び悩んでおります。また、米国におきましては、個人消費の堅調さを背景に企業マインドは持ち直し、生産の悪化にも歯止めがかかりつつあるものの、設備投資には依然慎重な姿勢が続いております。さらに、ユーロ圏におきましても、企業景況感指数は小幅ながら悪化しており、景気の下振れリスクを警戒していることが見て取れます。一方、中国経済は、一段の減速は回避されたものの、過剰生産能力の調整圧力で製造業を中心に投資が減速しております。

このような経済環境の中、前連結会計年度末において製菓関連事業を売却したことや、ユーロ・米ドルなどの主要国通貨に対して円高が進んだことから、当連結会計年度の受注高は469億5千9百万円前期比6.5%の減少)、受注残高は174億5千9百万円前期比0.5%の減少)、売上高は446億6千4百万円前期比5.7%の減少)となりました。 

利益面におきましては、活況市場や用途別市場への注力及び様々な業務効率化への取り組みの結果、当社グループの主要海外連結子会社の現地通貨建て業績は堅調に推移し、営業利益は36億5千7百万円前期比49.3%の増加)、経常利益は37億1千8百万円前期比40.5%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億3千万円前期比0.2%の増加)となりました。 

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

<粉体関連事業>

当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。

自動車関連向けや食品、化学分野向けなど、活発な投資を行っている市場に注力いたしましたが、全般的に大型案件を中心に受注決定の遅延がみられたことや、円高の進行による邦貨換算上の目減りにより、受注高、受注残高、売上高ともに減少となりました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は342億2千3百万円(前期比2.9%の減少)、受注残高は118億7千4百万円(前期比3.7%の減少)となり、売上高は332億5千1百万円(前期比0.7%の減少)となりましたが実質的な増益及び利益率の改善により、セグメント利益は30億1千8百万円(前期比30.5%の増加)となりました。 

 

<プラスチック薄膜関連事業>

当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。

引き続きアメリカ市場向けが好調に推移したことに加え、中国やトルコ、イランなどの新興国向けの成約により実質的には増収増益ながら、円高の進行による邦貨換算上の目減りにより、売上高は微減となりました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は127億3千5百万円(前期比1.7%の増加)、受注残高は55億8千5百万円(前期比7.2%の増加)となり、売上高は114億1千3百万円(前期比0.8%の減少)となりました。セグメント利益は16億9千2百万円(前期比9.8%の増加)となりました。 

 

 当社グループは、「製菓関連事業」を構成しておりましたHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を平成27年9月30日付で売却しております。これに伴い、当連結会計年度より、「製菓関連事業」を報告セグメントより除外しております。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ25億5千3百万円増加し、125億6千万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、42億8百万円の資金の増加(前連結会計年度比17億1千6百万円の増加)となりました。主に税金等調整前当期純利益の増加及び前受金の増加によるものであります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、6億5千9百万円の資金の増加(前連結会計年度比18億9千2百万円の増加)となりました。主に短期貸付金の回収によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、11億5千8百万円の資金の減少(前連結会計年度比1億1千4百万円の増加)となりました。主に長期借入金の返済によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

21,749

2.9

プラスチック薄膜関連事業

6,520

△4.8

合計

28,270

△7.3

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 前年同期比(%)の合計には、前連結会計年度に「製菓関連事業」を構成しておりましたHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却したことに伴う影響が含まれております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

34,223

△2.9

11,874

△3.7

プラスチック薄膜関連事業

12,735

1.7

5,585

7.2

合計

46,959

△6.5

17,459

△0.5

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 前年同期比(%)の合計には、前連結会計年度に「製菓関連事業」を構成しておりましたHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却したことに伴う影響が含まれております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

33,251

△0.7

プラスチック薄膜関連事業

11,413

△0.8

合計

44,664

△5.7

 

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 前年同期比(%)の合計には、前連結会計年度に「製菓関連事業」を構成しておりましたHosokawa Bepex GmbH(ドイツ)の全株式を売却したことに伴う影響が含まれております。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループはナノパーティクルテクノロジーを含む革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続け、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
 つきましては次のような施策を実施し、業績の向上に努めてまいります。

①高成長市場へのビジネス展開力の強化及び商品力・開発力の強化などにより、成長トレンドの持続を図ってまいります。

②グローバルな高収益企業の地位を確立するため、一層の利益向上を図ってまいります。

③今後の安定的、持続可能な企業価値成長のために、企業ガバナンスの強化を徹底してまいります。

④経営資源の適切な配分、投資を実施するため、グループ企業活動の調整機能としてグループ本社機能の強化を図るとともにグループ企業間の協業強化を図ってまいります。

⑤人材の開発、若手の登用を積極化し、グローバルナンバーワン企業を担う人材の育成を図ってまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項は下記のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1 経済状況

当社グループの製品の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの主要市場である日本、アメリカ、欧州、アジアにおける景気及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

2 為替変動のリスク

当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロならびに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。

 

3 国際的活動に関するリスク

当社グループの海外での生産及び販売活動は、米州、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生したときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・政治又は経済要因

・法律又は規則の変更

・潜在的に不利な税の影響

・労働争議

・テロ行為又は戦闘行為

 

4 製造物責任

当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

5 研究開発活動

当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
 また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。

 

 

6 重要な訴訟等

現在、当社グループを相手とした訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等コストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

7 知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。

 

8 取引先の信用リスク

当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

9 減損会計

当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

10 敵対的企業買収

当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めたときには当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。

また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。

 

11 個人情報の流出

当社グループは、事業遂行に関連して多数の個人情報を保有しております。

これらの個人情報の管理に当社グループでは万全を期しておりますが、予期せぬ事態により漏洩する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額負担やブランド価値の低下が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

12 事実と異なる風説が流布することにより信頼が失墜するリスク

インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

13 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益にもとづいて算出されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

14 災害

当社グループは、地震等の自然災害や感染症の世界的流行(パンデミック)等の各種災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的災害により当社グループの活動に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

Precision Air
Products Company

アメリカ

空気調和並びに換気用空気分布ユニット(吹出口、吸込口)の設計、製造に関する技術契約

平成27年9月1日 (※)
より10年
以後10年毎に自動的に更新される

ホソカワミクロン
株式会社

Gericke AG

スイス

粉粒体振動排出機の製造、販売、技術契約

平成27年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉粒体微量供給機の製造、販売、技術契約

平成28年6月19日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉砕機等の製造、販売、技術契約

平成28年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(2)技術供与契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロン
ワグナー株式会社

日本

粉体塗装ガン用定量供給機の製造、販売

平成28年3月1日 (※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(3)技術使用契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

株式会社野村事務所

日本

PLGAナノ粒子製造技術の使用許諾

平成25年10月18日より10年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 上記については、使用許諾の対象となる製品開発の終了に伴い、平成28年12月6日に契約を終了しております。

 

(4)業務提携契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

株式会社栗本鐵工所

日本

ナノ技術領域を含む粉体技術に関する相互の技術供与
相互にそれぞれの粉体機器の非独占販売権の供与

平成28年2月21日 (※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

ホソカワミクロン
株式会社

日清エンジニア
リング株式会社

日本

日本国内におけるプラントエンジニアリング、機器販売、粉体受託加工

平成28年11月29日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(5)総販売代理店契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロン
化粧品株式会社

日本

化粧品・育毛剤の販売

平成28年10月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

 

(6)商品取引基本契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

サントリーウエル
ネス株式会社

日本

育毛剤の販売契約

平成28年1月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、常に変化し高度化を続ける顧客ニーズに的確に応えていくために、営業部門との連携強化を図りながら、新製品、新技術を生み出す研究開発を推進しております。特に、近年需要が急増し、高品質化している二次電池や電子部品などの材料、トナー、医薬品、機能性食品などの粉体処理や、環境・エネルギー関連の各種材料処理、ならびにこれらに関連した様々な粉体特性評価のために、たゆまない研究開発による新たなチャレンジに取り組んでおります。

当社グループは、研究開発拠点を持つ日本ならびに欧米の連結子会社が連携して積極的に情報交換などを行うとともに、各々の技術的な特長を生かしながら、研究開発テーマをグローバルに分担しています。具体的には、研究開発テーマは、各社の研究開発担当部門のリーダーで構成される国際研究開発会議で審議され、調整が行われます。

グループの中核企業である当社は、昭和33年に設立された「粉体工学研究所」を中心に研究開発を推進し、新しい粉体技術の創成を目指しております。

当社グループは、数年前より画期的な製品のアイデアの探索のために異なる部門のスタッフからなるi-teamを結成し、そこで提案されたテーマを当社グループの研究開発評価システム「Stage Gate Process」に乗せて研究開発を進めております。このStage Gate Processは、開発のステージを5段階に分けて、それぞれのゲートでそのテーマを進めるか否かの判定を行い最終的な製品化を目指すもので、既にいくつかの実績を挙げております。

一方、本世紀初頭より重点的に取り組んでおりますナノパーティクルテクノロジー関連の研究開発については、当社のマテリアル事業部 製薬・美容科学研究センターを中心として、生分解性ナノ粒子を用いたDDS(薬物送達システム)技術を中軸に据えて、ビジネスに直接結びついた形で製品開発や応用研究を推進しております。

研究開発の推進においては、特にニーズへの対応が重要であり、近年需要が急増し高品質化しております、二次電池や電子部品の材料、トナー、医薬品、機能性食品などの粉体処理、環境・エネルギー関連の各種材料処理、その他様々な粉体特性評価のために、新しい粉体関連装置やシステムあるいは新技術を生み出す努力を続けております。

当連結会計年度における研究開発活動の主なものは以下のとおりであります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は7億3千9百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

1 粉体関連事業

当事業に係わる研究開発費は5億7千3百万円であります。

当社グループの基幹事業である粉体関連事業においては、高機能材料を生み出す粉体処理機械ならびにシステムの開発やその効率化を目指した研究開発を推進すると共に、機能性ナノ粒子を使った化粧品や育毛剤等の新しい材料製品の開発にも力を入れております。 

 

○電子機器関連材料(二次電池材料、磁石、トナー等)

この度、新たに粒子の被覆や精密分散、球形化、非晶質化等を行う乾式粒子複合化装置ノビルタベルコム NOB-VCを開発し、販売開始することになりました。当装置は、当社で平成16年度より販売を開始し、二次電池やトナー、医薬品、化粧品、顔料等における材料加工の分野で数多くの納入実績を有する乾式粒子複合化装置ノビルタの特長・能力を継承しつつ、省スペースでの大容量処理を目的に開発したものです。最大有効容量は従来装置の約5倍、同一動力で比較した原価低減率は30%以上、容積当たりの投入量は従来装置の約2倍で、コンパクトな設計が可能なため、清掃性が大幅に向上しております。

 

○食品・医薬関係

本年より本格的な市場販売を開始したCPミキサは、中央に垂直なパドルを持った混合機で、従来のナウタ型混合機に比べて混合速度がはるかに大きく構造もシンプルであるため、特に食品、医薬品への応用が期待されております。さらに、同様の構造をもったCP真空乾燥機は、これらの優れた混合機能を生かした真空乾燥機として食品・医薬品や化成品にも実績を挙げております。また、強力なせん断混合機能をもったサイクロミックスは、粉末吸入製剤の製造に向けて強い関心が示され、既にいくつかの製薬企業の研究所に納入されており、今後の展開が期待されます。

 

 

○PLGAナノ粒子関係

当社では、微粒子技術を用いた材料事業展開の一つとして、生分解性の生体適合性高分子PLGA(乳酸グリコール酸共重合体)ナノ粒子に薬物を封入し複合化する技術をベースにして、機能性化粧品ナノクリスフェアや育毛剤ナノインパクトなどの製品で事業化を進めております。

この度、アンジェスMG株式会社、森下仁丹株式会社及び大阪大学大学院医学系研究科と実施いたしました、核酸含有PLGAナノ粒子技術を用いた経口DDS製剤の国内特許が成立いたしました。本特許は、新薬として注目されております核酸医薬であるNF-KBデコイオリゴを当社が開発したPLGAナノ粒子に含有させ、さらに森下仁丹が持つ腸溶性シームレスカプセルに内包した経口製剤です。医薬品の生体内での安定性を高めるPLGAナノ粒子技術と医薬品を腸まで確実に届ける腸溶性シームレスカプセル技術を組み合わせることで、核酸医薬の生体内での高い安定性と薬理効果の発揮が期待されるものです。難治性炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)の根治治療として期待される技術であり、今後、核酸医薬品の経口製剤として早期実用化を目指した取り組みを進めてまいります。

 

○ミネラル・無機材料関係

研究開発の焦点は、新型超微粉分級機や工場内リサイクルあるいは鉱物処理の省エネを目指した新型造粒機に向けられております。さらに、摩耗性の強い原料用の新型耐摩耗分級ロータのパイロット試験に成功し、取引先での実証試験でもよい結果が得られております。加えて、ロングギャップミルの新しく設計されたロータやバッフルプレイトはテストセンターで極めて良好な結果を示しており、近々取引先での最初の実用化テストが予定されております。

また、使用済みタイヤのリサイクルから得られるカーボンブラック原料を高機能な応用に適用するためには、これらの中にある微量の粗粒子を解砕する必要があり、これに対して流動層式ジェットミルを通常とは異なる適当な条件範囲で操作することにより、大幅な省エネを図ることが見出されております。

 

○測定装置関係

当社のロングランヒット製品の一つである粉体特性評価装置パウダテスタの最新型PT-Xについて、さらに新たな改良を取り入れ、より使いやすく性能を高めた装置の開発を行い、世界的な販売展開を目指しております。また、粉体と液体との親和性の評価に使用されております浸透速度測定装置ペネトアナライザを使って、打錠された医薬品等の液体との濡れ性を評価するために特化したジグの開発などを行い、その応用分野を広げております。

さらに、英国Xoptix社との提携により技術導入したレーザ回折・散乱法によるオンライン粒子径分布測定装置オプティサイザの実用化を進め、システムの遠隔モニタリング・制御への応用を目指しております。本装置は堅牢な構造で耐久性に優れ、検定、調整が容易で安価な装置となっており、多くの粉砕システムに適用できる可能性があります。

 

○集塵・精密空調設備関係

粉体システムにおける製品の回収や粉塵ダストの除去などのために、バグフィルタは欠かせない要素となっております。そこで、改めてその集塵機構を見直し、バグフィルタの取り付け方法も含めてより使いやすく、小型で処理風量の大きな高性能集塵機の開発を目指し、新しい構造を考案しその有用性の実験的検証を継続しております。

 

○その他

Hosokawa Micron Ltd.(イギリス)では、納入した粉体システムの粉砕機や分級機等の主な機械に取り付けた動力計や温度計、振動計等の計測器からのデータを、インターネットの利用により遠隔地で記録、解析し、これらをシステムの適正な運転や、部品の交換時期の見極め等に活用する手法を構築し、その実用化を進めております。

 

 

2 プラスチック薄膜関連事業

当事業に係わる研究開発費は1億6千5百万円であります。

当社グループのプラスチック薄膜製造装置では、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルから噴出して冷却し、最大11層までの円筒状の多層フィルムを連続的に製造することができますが、本装置において重要な要素の一つに冷却リングがあります。これまでの冷却リングには空気の入口が4~8つありましたが、内部で良好な気流が得られるように設計し、ガラスファイバ複合体を利用することにより空気入口ソケットを1つにまとめることに成功いたしました。これにより装置の設置や操作が一段としやすくなりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を考慮して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますために、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えております。

 

① 貸倒引当金

当社及び国内連結子会社については債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。また、海外連結子会社については、個別に検討して得た損失見込額を計上しておりますが、将来顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

② 製品保証引当金

当社の製品保証引当金は、製品の引渡後におけるクレームにつき、当社負担により補修すべき費用に充てるため、当連結会計年度末に発生が予想されている顧客毎の見積補修額と売上高に対するクレーム発生額の過去の実績率を乗じて計算した額との多い方を計上しております。海外連結子会社については、契約上の保証期間内の無償修理費の支出に充てるため、見積補修額を計上しておりますが、実際の製品の欠陥等により発生した保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

 

③ 退職給付に係る負債

当社及び国内連結子会社は、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき、当連結会計年度末において発生していると認められる額を計上しております。また、欧州の連結子会社の一部においても確定給付型の制度を有しており、その一部を外部積立年金制度へ移行しております。非外部積立年金制度部分は、米国の会計慣行に従って年金数理に基づく予測年金債務を計上しております。

なお、数理計算上の差異については、その発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(7~17年)による定額法により発生の翌年度から費用処理することとしております。

実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度の業績は、受注高は469億5千9百万円前期比6.5%の減少)、受注残高は174億5千9百万円前期比0.5%の減少)、売上高は446億6千4百万円前期比5.7%の減少)となりました。 

利益面におきましては、営業利益は36億5千7百万円前期比49.3%の増加)、経常利益は37億1千8百万円前期比40.5%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億3千万円前期比0.2%の増加)となりました。 

なお、セグメント別の業績の概要につきましては、1〔業績等の概要〕(1) 業績に記載しておりますので、ご参照下さい。

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因といたしましては、外国為替相場の動向等により、営業成績に影響を受ける可能性があります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループは、平成26年10月1日から「グループシナジー効果を発揮し、売上・収益の拡大により企業価値を高める」を基本方針とする中期3ヶ年計画を実施しております。また、ホソカワミクロン株式会社は平成28年4月に創業100周年を迎えたことから、「創業100周年を飛翔の節目とし、粉体技術を極め、次代のものづくりに貢献する」ことも経営方針の一つとして掲げております。

 

 基本施策は以下のとおりであります。

① 市場競争力・市場創造力のある新製品・新技術の開発

市場ニーズに合致した新製品・新技術を迅速に開発し、世界を網羅したグループの販売網を活かして拡販して まいります。

② 新興国市場におけるブランド力の強化と事業拡大

  南米市場における販売体制を構築するとともに、東南アジアにおける商機を拡大してまいります。

③ 組織・体制の再編による業務効率の向上

国際展開を加速する顧客動向に合わせ、市場別の情報を共有化し、国・地域・顧客に合った販売戦略を立案・確立してまいります。

④ 人的交流の促進

  グループ企業間において人材を相互派遣することにより、人的・技術的交流を一層推進してまいります。

⑤ 事業基盤を強化する企業集団の更なる拡充

  戦略的な事業提携等を具体化させ、主要事業・市場領域の拡大と成長を図ってまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資産の状況

当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、28億3千4百万円減少し、478億8千万円となりました。これは、主に受取手形及び売掛金が10億5千7百万円減少したこと、有形固定資産が19億5千1百万円減少したことによるものであります。 

② 負債の状況

当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、12億1百万円減少し、191億9千万円となりました。これは、主に支払手形及び買掛金が7億7千1百万円減少したことや、1年以内返済予定の長期借入金が7億3千6百万円減少したことによるものであります。 

③ 純資産の状況

当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、16億3千3百万円減少し、286億9千万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が33億1千3百万円減少したことによるものであります。 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末から25億5千3百万円増加し、125億6千万円となりました。             

なお、詳細につきましては1〔業績等の概要〕(2) キャッシュ・フローの状況に記載いたしておりますので、ご参照下さい。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。