文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、資産規模の適正化と収益力の向上をバランスよく推し進め、企業価値を高めていくことを目指しており、総配分性向の向上と連結ROE(株主資本利益率)10%以上の達成を目指しております。
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき課題
足元の経営環境につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。当社グループは、2017年10月1日から「グループ一体となったグローバルマーケティング推進によるブランド力と収益力の強化」を基本方針とする、第16次中期3カ年経営計画を実施いたしました。2020年10月1日から新たな中期経営計画を策定する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今後の経済及び当社の経営環境に与える影響も不透明であることから、2021年9月期は単年度の経営計画とし、2021年10月1日よりスタートを予定している次期第17次中期経営計画に向けた足場固めと経営体質強化を図っていく予定であります。
当社グループはナノパーティクルテクノロジーを含む革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続け、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
暫定的に「ホソカワミクロングループの最先端技術を業界世界標準へ」を次期中期経営計画のグループ基本方針と定め、以下の5点を重点項目にあげ、次期第17次中期経営計画につなげていく予定であります。
① グローバル販売網拡大に向けたグループ連携の強化
2020年の新興国経済はマイナス成長への転落が不可避と思われるものの、新型コロナウイルス禍の打撃を受けても、なお、経済成長率において新興国が先進国を上回る状況に変わりはなく、世界経済における新興国の存在感は依然として大きいものがあります。特に、コロナ禍からいち早く経済を回復軌道に乗せようとしている中国をはじめ、比較的経済への影響も限定的とみられるアジア諸国は引き続き成長期待も大きく、グループ各社との連携を深めながら、各国・地域に合った製品や販売戦略、販売網の見直しを進め、販売の拡大を図ってまいります。
② デジタル革命(DX : Digital Transformation)による情報一元化・共有での事業促進
デジタル化の流れは、コロナ禍を契機としてさらに加速しております。当社におきましても、粉体技術を通して社会に貢献するという理念の下、DXの推進により、あらゆる情報の一元化及び共有を図り、全従業員及び全部門の業務効率を最大化するとともに、仕事・社会の変革による持続成長可能な企業活動を目指すためのICTグランドデザインの再構築を図ってまいります。また、IIoT(Industrial Internet of Things)と当社システムとの融合によって、顧客に付加価値の高いサービスを提供することにより、顧客満足の向上、競合他社との差別化を図り、収益基盤の強化を推進してまいります。
③ 産業分野別マーケティングと製品開発の推進
顧客ニーズは、産業や市場、用途毎にますます多様化・高度化しております。このような顧客ニーズや市場動向に応じたマーケティングの推進を通じて、それぞれの原料加工において、最善の性能を発揮する新製品・新技術の開発や既存製品の改良を推進してまいります。また、研究開発のスピードアップを図るべく、グループの研究開発体制の見直しも進めてまいります。
④ 働き方改革と人材育成
当社経営の基本方針の一つである「人材集団の形成」を推し進めるため、時代に合った働き方や職場環境の整備を目指してまいります。また、チャレンジ精神を支援する風土作りや制度改革、さらには、グローバルな活動を担えるような、グローバル、かつ、オープンマインドな人材の育成に向けて、グループ内コミュニケーションをさらに活性化してまいります。
⑤ ESG/SDGsへの取組みと社会と環境保全への更なる貢献
当社グループではかねてより「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」を企業理念とし、さらには「自然環境の保護に努め、次世代のための環境保全に取り組む」ことを当社グループの使命のひとつとして掲げてまいりました。この企業理念や使命をさらに追求し、企業価値の向上に努めてまいります。また、その一環として、透明性の高い情報開示にも努めてまいります。
当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項は下記のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの主要市場である日本、アメリカ、欧州、アジアにおける景気及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、米州、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生したときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・政治又は経済要因
・法律又は規則の変更
・潜在的に不利な税の影響
・労働争議
・テロ行為又は戦闘行為
当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。
現在、当社グループを相手とした訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等コストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。
当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めたときには当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。
また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。
当社グループは、事業遂行に関連して多数の個人情報を保有しております。
これらの個人情報の管理に当社グループでは万全を期しておりますが、予期せぬ事態により漏洩する可能性が皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額負担やブランド価値の低下が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益にもとづいて算定されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、地震や水害等の自然災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めておりますが、このような災害による物的・人的被害により当社グループの活動に影響を与える可能性があります。
15 感染症等
当社グループは、新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症の世界的拡大(パンデミック)に備え、在宅勤務実施体制の構築や時差通勤の推奨、出張及び会食の自粛等の自衛策の徹底等により、感染予防及び罹患リスクの低減、罹患者が出た場合の感染拡大防止策を策定しております。しかしながら、政府または行政等より、都市封鎖(ロックダウン)が行われた場合は、封鎖期間中の移動制限等により、在宅勤務が不可能な部門(製造現場等)を中心に一時的に事業停止を余儀なくされることが想定されるほか、外注品及び購入品の支給が滞り、生産に支障が発生し当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に業務停止等の措置を講じることにより、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
16 不正アクセス
当社グループでは、業務上必要となる各種情報を情報システム上で管理しております。これらの情報システムや ネットワークの管理においては、安定稼働やセキュリティー対策に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ等の必要な措置を講じております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
17 人材確保
当社グループでは、製造・開発・販売・技術・管理、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っています。しかしながら、人材採用競争の激化、労働市場の状況変化等により、優秀な人材を十分に確保できなかった場合、社内人材の育成が奏功しなかった場合、あるいは社員の退職等によって十分な人材確保ができなかった場合、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は576億5千5百万円(前期比7.2%の増加)、売上高は534億9千7百万円(前期比3.4%の減少)となりました。受注残高は271億9千2百万円(前期比18.5%の増加)となりました。
利益面におきましては、主に減収の影響により、営業利益は47億9千1百万円(前期比19.0%の減少)、経常利益も同様に50億7百万円(前期比17.9%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は33億1千7百万円(前期比20.7%の減少)となりました。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日。以下「収益認識会計基準」という。)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日)を適用したことに伴い、売上高は14億4千9百万円増加し、売上原価は9億9千3百万円増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ4億5千6百万円増加しております。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、いち早く在庫調整の動きが見られた受託加工事業など、コロナ禍の影響が強く見られた分野もありましたが、大型投資のあった二次電池を中心とした電子材料向けや、ミネラル向けが大幅に増加したほか、本年1月に買収いたしましたSolids Solutionsグループの寄与もありました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は445億3千万円(前期比6.7%の増加)、受注残高は213億9千5百万円(前期比23.9%の増加)となり、売上高は403億9千3百万円(前期比1.6%の減少)となりました。セグメント利益は45億2千8百万円(前期比14.0%の減少)となりました。
当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が顕著になった第2四半期連結会計期間以降、受注は漸減傾向となりましたが、主要市場である北米向けが過去最高に近い受注水準となったほか、東欧、中国を含むアジア、西欧などから満遍なく受注を獲得いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は131億2千5百万円(前期比9.0%の増加)、受注残高は57億9千7百万円(前期比2.1%の増加)となり、売上高は131億4百万円(前期比8.5%の減少)となりました。セグメント利益は15億9千8百万円(前期比12.7%の減少)となりました。
② 財政状態
当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、50億6千7百万円増加し、651億8千万円となりました。これは、主に有形固定資産が28億1千2百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が18億9千2百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、13億2千4百万円増加し、246億5百万円となりました。これは、主に長期借入金が7億3千2百万円増加したこと、未払法人税等が5億9千3百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、37億4千3百万円増加し、405億7千5百万円となりました。これは、主に利益剰余金が25億7千2百万円増加したこと、為替換算調整勘定が9億6千6百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、5億3千6百万円増加し、173億1千万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、39億9千万円の資金の増加(前連結会計年度比7億9千9百万円の増加)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、38億7千7百万円の資金の減少(前連結会計年度比8億2千9百万円の減少)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、9千4百万円の資金の増加(前連結会計年度比20億2千3百万円の増加)となりました。主に長期借入れによる収入によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度において、第2四半期会計期間以降、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、特に受託加工事業において生産調整のため受注の減少が顕著になったほか、一部の顧客において、発注に慎重になる動きも見られましたが、受注面におきましては、総じて新型コロナウイルス感染症の影響は小さく、大型案件を受注した二次電池電極材料向けや炭酸カルシウム向け、さらには2020年1月に買収いたしましたSolids Solutionsグループ(ドイツ、スペイン)の寄与により、邦貨換算上不利となる前連結会計年度比で円高環境下ながら、受注高は前連結会計年度比7.2%増の576億5千5百万円となりました。他方、売上におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により各国・地域ともに移動制限や都市封鎖(ロックダウン)等の措置が取られた影響から、移動制限や自粛が続き、客先現場での作業(据付作業や試運転調整など)を行うことができない期間があり、売上検収の遅延が散見されました。このようなことから、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、3.4%減の534億9千7百万円となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
コア事業と位置付ける粉体関連事業におきましては、当初より納期の長い案件が多かったことに加え、輸出案件を中心に、新型コロナウイルス感染症の拡大による移動制限・自粛の影響を受け、出荷先での現場作業が滞ったこと、さらには、対ユーロ及び対米ドルにおいて円高が進んだことなどから、邦貨への換算において為替換算上の目減りが発生したことにより、売上高は、前連結会計年度に比べ1.6%減の403億9千3百万円となりました。もう一つの柱であるプラスチック薄膜関連事業におきましては、米国を中心に引き続きゴミ袋用生産装置向けが活発であったほか、巣篭り需要の増加に伴う通信販売用パッケージング向けなど、新たな需要も生まれており、受注は前連結会計年度と比べ、9.0%増加の131億2千5百万円となりました。しかしながら、期首の繰越受注残高が前連結会計年度と比べ低かったことや、受注時期と納期の関係、さらには粉体関連事業と同様、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、売上高は前連結会計年度と比べ、8.5%減の131億4百万円となりました。
売上総利益は、売上総利益率が前連結会計年度と同等だったものの、減収の影響により、前連結会計年度と比べ3.6%減の193億5千7百万円となりました。営業利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大による営業活動の自粛により販売費及び一般管理費の項目の一部は減少したものの、買収や新設による子会社の増加、過年度より人材強化に努めてきたことによる労務費の増加、マテリアル事業における積極的な広告宣伝活動などの影響もあり、全体として販売費及び一般管理費が増加したことから、売上総利益の減少と相俟って、前連結会計年度と比べ19.0%減の47億9千1百万円となりました。
経常利益は、前連結会計年度と比べ17.9%減の50億7百万円となりました。持分法による投資利益等の計上により、経常利益の減益幅は営業利益の減益幅を下回っております。
親会社株主に帰属する当期純利益は、海外でのリストラ費用や政策保有株式の一部減損等を特別損失に計上したことなどから、前連結会計年度に比べ20.7%減の33億1千7百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造機器の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、受託加工装置の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による不透明な経済情勢を踏まえ、長期借入金の借入やコミットメントラインの新設により、通常より厚めの流動性を確保するよう努めております。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は21億9千9百万円、現金及び預金の残高は154億4千5百万円となっております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は225.0%と流動性は十分な水準にあります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループでは2018年9月期をスタートとする第16次中期3カ年経営計画において、最終年度となる2020年9月期に売上高560億円、営業利益56億円(営業利益率10%)以上の達成、総配分性向の向上とROE(株主資本利益率)10%以上の達成を掲げておりましたが、最終年度となる2020年9月期は、既述のように、受注は好調ながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、534億9千7百万円の売上、47億9千1百万円の営業利益、ROE8.6%と計画未達に終わりました。
本来なら新たな第17次中期経営計画を2020年10月1日にスタートさせるところではありますが、新型コロナウイルス感染症の拡大の収束が見えない中、経済環境が予見不可能であることから、2021年9月期は単年度計画とし、2021年10月1日から新たな第17次中期経営計画をスタートさせる方針としております。このような中、2021年9月期は新型コロナウイルス感染症緊急対応計画とし、来る中期3ヶ年計画に向けた足場固めと経営体質の強化に努めるという位置づけで、減収減益の予想ながら、売上高530億円、営業利益40億円の必達を目指してまいります。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
当社グループは、多様化・高度化を続ける顧客ニーズに的確に応えていくため、研究開発拠点を持つ日本並びに欧米の連結子会社が連携して積極的に情報交換を行うとともに、各々の拠点が持つ技術的特長を活かしながら、グローバルかつ斬新な新製品・新技術の創成、生産システムの最適化、既存製品の改良など、幅広い研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当事業に係わる研究開発費は
当社グループの基幹事業である粉体関連事業においては、ほとんどの産業の生産工程で使用される粉体材料に対し、高機能化を生み出し付加価値向上に寄与できる粉体処理装置並びに省エネ・省力化を実現できる最適なシステムを目指して、研究開発を推進しています。例えば、粉体は粒子サイズを小さくすればするほど、元の粉体とは異なる光学特性、電気特性、反応性などの物理的特性を有することから新素材の創生が可能になりますが、そのためには、高度な粉体処理技術と豊富な経験・データが必要になります。
当連結会計年度では、次世代を担う超微粒子粉砕機や超高速分級機など新たな粉砕・分級システムを継続的に追求するとともに、これらのシステムのIIoT(Industrial Internet of Things)化に向けての開発も精力的に行っております。今後求められる、より高度な自動生産、属人化の解消、エネルギー効率の向上、効率的な保守点検などに関して、粉体処理技術とIIoT技術を融合させることにより、インテリジェントな生産設備への変革に貢献できるように実用化を進めております。
さらに当社は、大型国家プロジェクトで開発した当社独自の機能性ナノ粒子を用いた新しい材料製品の開発にも力を入れています。ナノパーティクルテクノロジーを用いた材料事業展開の一つとして、生体適合性ナノ粒子のPLGA(乳酸・グリコール酸共重合体)に薬物を封入する医薬製剤技術をベースに、機能性化粧品ナノクリスフェアや発毛促進剤ナノインパクトなどのオリジナル製品を開発し、日本国内だけでなく中国をはじめとするアジアへの事業展開を進めています。当連結会計年度は、PLGA技術を応用したB2Bビジネスの形式で、パートナー各社の独自ニーズに沿ったODM製品(納入先商標による化粧品、発毛促進剤)の開発、提供をしています。また、DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)受託研究事業では、PLGAナノ粒子製剤のGMP(医薬品等の製造及び品質管理基準対応)生産プラットフォームの構築を目的として、大手医薬品メーカーとの協業を開始しています。
当事業に係わる研究開発費は
当社グループのプラスチック薄膜製造装置は、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルから噴出して冷却し、最大11層までの円筒状の積層フィルムを連続的に製造する世界最高レベルの技術を有しており、ネット通販用の包装材のような単層フィルムから医薬品、食品のパッケージや光学用マスキングフィルムなどの高機能多層フィルムまで幅広い市場で使用されています。
近年は、欧米だけでなく中国やインドなどのアジア諸国においても、耐候性と強度に優れた高機能フィルムの需要が着実に伸びており、最適なノズル形状による冷却能力の効率化や高速巻き取り装置による生産性の向上など当社独自の最新技術により、各市場からのニーズに対応しております。