第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、資産規模の適正化と収益力の向上をバランスよく推し進め、企業価値を高めていくことを目指しており、総還元性向30%以上と連結ROE(株主資本利益率)10%以上の達成を目指しております。

 

(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき課題

足元の経営環境につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。当社グループは、2021年10月1日より「Challenge to be Global Standard ~ホソカワミクロングループの最先端技術を業界世界標準へ~」を基本方針とし、新たに第17次中期3カ年経営計画をスタートさせました。

引き続き、当社グループは、ナノパーティクルテクノロジーを含む革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続け、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
 当中期3カ年経営計画期間中における基本施策は以下の通りであります。
 
① グローバル販売網拡大に向けたグループ連携の強化

未だに新型コロナウイルス完全収束には至っていないものの、世界的にワクチン接種が進んだことなどから、新型コロナウイルスと共存する社会を目指しながら経済活動が本格的に再開されるようになってきました。経済活動の再開に伴い、引き続き成長期待の大きい東アジア、東南アジア諸国、今後の成長が期待される中南米及びアフリカ諸国において、グループ各社との連携を深めながら、各国・地域に合った製品や販売戦略、販売網の見直しを進め、販売の拡大を図ってまいります。
 
② デジタル革命(DX : Digital Transformation)による情報一元化・共有での事業促進

デジタル化の流れは、コロナ禍を契機としてさらに加速しております。当社におきましても、粉体技術を通して社会に貢献するという理念の下、DXの推進により、あらゆる情報の一元化及び共有を図り、全従業員及び全部門の業務効率を最大化するとともに、仕事・社会の変革による持続成長可能な企業活動を目指すためのICTグランドデザインの再構築を図ってまいります。また、IIoT(Industrial Internet of Things)と当社システムとの融合によって、顧客に付加価値の高いサービスを提供することにより、顧客満足の向上、競合他社との差別化を図り、収益基盤の強化を推進してまいります。
 

③ 産業分野別マーケティングと製品開発の推進

顧客ニーズは、産業や市場、用途毎にますます多様化・高度化しております。このような顧客ニーズや市場動向に応じたマーケティングの推進を通じて、それぞれの原料加工において、最善の性能を発揮する新製品・新技術の開発や既存製品の改良を推進してまいります。また、研究開発のスピードアップを図るべく、グループの研究開発体制の見直しも進めてまいります。

 


④ 働き方改革と人材育成

当社経営の基本方針の一つである「人材集団の形成」を推し進めるため、時代に合った働き方や職場環境の整備を目指してまいります。また、チャレンジ精神を支援する風土作りや制度改革、さらには、グローバルな活動を担えるような、グローバル、かつ、オープンマインドな人材の育成に向けて、グループ内コミュニケーションをさらに活性化してまいります。
 
⑤ ESG/SDGsへの取組みと社会と環境保全への更なる貢献

当社グループではかねてより「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」を企業理念とし、さらには「自然環境の保護に努め、次世代のための環境保全に取り組む」ことを当社グループの使命のひとつとして掲げてまいりました。この企業理念や使命をさらに追求し、企業価値の向上に努めてまいります。また、その一環として、当社Webページにおいて、まずは日本国内におけるサステナビリティの取組みについて開示内容の充実を図りました。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項は下記のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1 経済及び市場環境の変化

当社グループの製品の需要は、世界各国に及んでおり製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの販売先における政治・外交情勢の不安定化、貿易摩擦・貿易戦争、景気後退及びこれに伴う需要変動や天候不順、新型コロナウイルスをはじめとする感染症の蔓延などで予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

2 為替変動のリスク

当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。

 

3 国際的活動に関するリスク

当社グループの海外での生産及び販売活動は、米州、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生したときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・政治又は経済要因

・法律又は規則の変更

・潜在的に不利な税の影響

・労働争議

・テロ行為又は戦闘行為

 

4 製造物責任

当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

5 研究開発活動

当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
 また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。

 

6 重要な訴訟等

現在、当社グループを相手とした訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等コストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

7 知的財産保護の限界

当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。

 

 

8 取引先の信用リスク

当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

9 減損会計

当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

10 敵対的企業買収

当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めたときには当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。

また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。

 

11 事実と異なる風説が流布することにより信頼が失墜するリスク

インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

12 退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益にもとづいて算定されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

13 自然災害・感染症等

当社グループは、世界中に製造販売・サービス・研究開発の拠点を有しております。地震や台風、豪雨による風水害等の自然災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、耐震化を進めるほか、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めております。

さらに当社グループは、新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症の世界的拡大(パンデミック)に備え、従業員の健康と安全の確保を最優先に感染防止対策を徹底しております。しかしながら、甚大な自然災害により、当社グループの従業員、生産設備、システムやサプライチェーン等に被害が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に業務停止等の措置を講じることにより、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

14 情報セキュリティ

当社グループでは、業務上必要となる個人情報を含む各種情報を情報システム上で管理しております。これらの情報システムやネットワークの管理においては、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ等の必要な措置を講じております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

15 人材確保

当社グループでは、製造・開発・販売・技術・管理、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、人材採用競争の激化、労働市場の状況変化等により、優秀な人材を十分に確保できなかった場合、社内人材の育成が奏功しなかった場合、あるいは社員の退職等によって十分な人材確保ができなかった場合、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

16 調達・生産等

当社グループでは、原材料や部品等が安定的、タイムリーかつ合理的な価格で供給されることを確保するため、調達先の複数化や自国/域内調達等の対応を進めております。しかしながら、調達先の倒産/廃業、大規模災害や世界的な感染症の拡大等により、短期的に対応が困難な場合があるほか、原材料や部品等の供給不足、物流網の混乱などにより納期遅延等が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、急激な需給環境の変化などにより、予期せぬ素材やエネルギー価格の急騰、供給逼迫の長期化等から、調達価格の高騰が避けられない場合があり、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

17 環境規制・気候変動への対応

地球環境問題及び気候変動への対応は社会課題の一つであり、当社グループでも、環境規制及び関連法規等の遵守、気候変動の緩和に向け、取組みを開始しておりますが、低炭素社会の実現に向けた規制への適合や取組みのため、必要なコストが増加する可能性があります。また、対応が困難であった場合や、不十分な場合、さらには遅れが生じた場合は、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展したことから高めの成長率でのスタートとなりましたが、2022年に入り、1月にはオミクロン変異株の感染急拡大、2月以降はロシアによるウクライナ侵攻により景気回復のペースは鈍化いたしました。期後半以降になると、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や経済制裁と報復の応酬によって、歴史的な高インフレ、エネルギー供給不安、サプライチェーンの混乱、急激な金融引き締めへの懸念などが絡み合い、景気見通しの不透明感が強まりを見せるようになりました。こうした中、米国においては、住宅投資や設備投資はマイナスに転じたものの、雇用環境は堅調であり、個人消費も底堅く推移しております。欧州経済は、ウクライナ侵攻がさらに長期化すると予想される中で、エネルギー供給への懸念が、企業の生産活動や家計の消費行動に重くのしかかっています。中国経済は、政府のゼロコロナ政策が経済成長の妨げとなっており、上海や深圳での都市封鎖を受け、物流の停滞、生産や消費に陰りがみられるようになってきました。一方、我が国では、個人消費の増加などにより景気は回復傾向にあるとみられているものの、資源高や日米金利差拡大を背景にした円安の進展により、食料やエネルギーを中心に輸入物価が高騰しており、外部環境が大きく悪化する中、経済活動の正常化が進むのかどうか予断を許さない状況となってきております。

このような経済環境の中、納期の長期化を見越した先行受注により受注は堅調に推移いたしましたが、一部の部材において長納期が常態化していることや物流の混乱が収まっていないことから、売上の遅延傾向が継続しております。

当連結会計年度の受注高は750億3千5百万円前期比7.6%の増加)、売上高は669億1千6百万円前期比10.1%の増加)となりました。受注残高は499億7千6百万円前期比34.4%の増加)となりました。

利益面におきましては、物流コストの上昇や欧州を中心に仕入価格の急騰に販売価格への転嫁が追い付かなかったことなどから、営業利益は55億1千3百万円前期比13.5%の減少)、経常利益は57億7千3百万円前期比12.2%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億7百万円前期比14.7%の減少)となりました。

 

   セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

<粉体関連事業>

当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。

急速に進む電動化への対応のため旺盛な投資が続く二次電池用を中心とした電子材料向け、地政学リスク回避のため、製造拠点の回帰の流れがある医薬原体向けやコロナ禍を契機としたバイオ医薬系設備用の培養培地を中心とした医薬向け、さらにはSDGsで注目されるプロテインシフトや昆虫食などの食品向けなどが伸びたほか、ポリエステルフィルムのリサイクル用の粉砕システムも堅調に推移いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は571億3千4百万円(前期比16.8%の増加)、受注残高は357億5千7百万円(前期比41.3%の増加)となり、売上高は494億6千1百万円(前期比8.4%の増加)となりましたが、受注後に想定以上の原材料価格高騰の影響を受けた案件もあったことから、セグメント利益は49億8千6百万円(前期比16.8%の減少)となりました。

 

 

<プラスチック薄膜関連事業>

当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。

 主力の米国向けはe-コマースが引き続き増加傾向にあることから、パッキング用の多層フィルム製造装置が好調であった他、欧州ではリサイクルしやすいポリエチレンのみを使用する多層フィルム製造装置や生分解性プラスチックを原料とする製造装置など、環境を意識した受注が増加傾向にありました。

これらの結果、当連結会計年度の受注高は179億1百万円(前期比14.0%の減少)と反動減となりましたが、受注残高は142億1千8百万円(前期比19.7%の増加)となり、売上高は174億5千5百万円(前期比15.5%の増加)となりました。セグメント利益は19億1千7百万円(前期比15.2%の増加)となりました。

 

② 財政状態

(1) 資産の状況

当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、129億2千6百万円増加し、860億4千6百万円となりました。これは、主に現金及び預金が56億7千3百万円、有価証券が19億9千9百万円、機械装置及び運搬具が17億2千9百万円増加したことによるものであります。

(2) 負債の状況

当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、51億7百万円増加し、322億8千7百万円となりました。これは、受注増加を主な要因として契約負債が24億2千9百万円、電子記録債務が13億5千万円増加したことによるものであります。

(3) 純資産の状況

当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、78億1千8百万円増加し、537億5千8百万円となりました。これは、主に為替換算調整勘定が45億8千9百万円増加したこと、利益剰余金が27億9千1百万円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、66億6千7百万円増加し、264億8千万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、81億3千5百万円の資金の増加(前連結会計年度比20億4千8百万円の増加)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、25億9千9百万円の資金の減少(前連結会計年度比1千4百万円の増加)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、14億1千6百万円の資金の減少(前連結会計年度比2億7千万円の増加)となりました。主に配当金の支払額によるものであります。

 

 (1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

33,855

18.0

プラスチック薄膜関連事業

13,069

19.7

合計

46,925

18.5

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

  

 (2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

57,134

16.8

35,757

41.3

プラスチック薄膜関連事業

17,901

△14.0

14,218

19.7

合計

75,035

7.6

49,976

34.4

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 (3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

粉体関連事業

49,461

8.4

プラスチック薄膜関連事業

17,455

15.5

合計

66,916

10.1

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、日本において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の計上、当連結会計年度における収益及び費用の計上に際し、現況や過去の実績に基づいた合理的な基準による見積りが含まれております。当社グループ経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り判断を行っておりますが、実際の結果は不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
 なお、連結財務諸表作成にあたって用いた重要な会計方針及び会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
 また、新型コロナウイルス感染症による影響は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 追加情報 (新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積り) 」にて記載しております。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び・検討内容

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の財政状態につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。

 
(2) 経営成績の分析
 コロナ禍で先行き不透明な状況であったことから、当初は前連結会計年度からのスタートを予定していた新しい中期3カ年経営計画の実施を見送っておりました。その後も感染力の強い新型コロナウイルス・デルタ株の流行により、新規感染者が再び増加傾向を示すなど、世界的に新型コロナウイルスの収束には遠い状況にありましたが、世界的にワクチン接種が進展したことなどを背景に、経済再開と感染症対策の両立を目指す動きがみられるようになってきたことなどを受け、2021年10月より「Challenge To Be Global Standard ~ホソカワミクロングループの最先端技術を業界世界標準へ~」を基本方針とする第17次中期3カ年経営計画をスタートさせました。

 当連結会計年度の期初となる2021年10月から12月にかけては、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展したことから、世界経済に回復の傾向がみられましたが、2022年に入り、新型コロナウイルスの変異株・オミクロン株が急拡大する中、2月24日にはロシアがウクライナへ軍事侵攻したことにより、世界経済は一気に不透明感を増すこととなりました。新型コロナウイルス感染拡大に伴う人手不足や供給・物流網の停滞が長期化する中、さらに西側諸国による対ロシアの金融・経済制裁の発動など、地政学リスクが認識されたことも加わり、資源価格を中心に高騰し、インフレ圧力が一段と強まりました。その結果、インフレ対策を優先する米国では急ピッチでの利上げを行い、欧州においても2014年6月に導入したECBのマイナス金利政策を転換し、インフレと対峙するためマイナス金利から金融引き締めへの舵をきりました。

 このような中、当社グループの業績先行指標となる受注面におきましては、顧客において納期の長期化が継続するとの認識も高まり、稼働目標時期から遡って長納期を踏まえて先行的に発注するといった行動心理が強まったように見受けられました。他方、売上面におきましては、前連結会計年度と同様、一部納入部材の長期化や世界的な港湾混雑、コンテナ不足により、海上輸送を中心に混乱が続きました。また、一部の国や地域では、移動制限や都市封鎖(ロックダウン)等の措置が取られた影響も残り、客先現場での作業(据付作業や試運転調整など)の遅れから、売上検収の遅延が散見されました。このようなことから、当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度から7.6%増加し750億3千5百万円となりました。また、受注に比べ売上の遅延傾向は続いているものの、旺盛な受注及び受注残高を背景に、売上高も対前連結会計年度比10.1%増669億1千6百万円となり、受注高、売上高ともに過去最高となりました。

 主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
 コア事業と位置付ける粉体関連事業におきましては、世界的に加速しているBEV化の流れで需要が増大している二次電池用に電極材料用製造システムへの需要が高まっているほか、新型コロナウイルスを契機として注目されるバイオ医薬における培養培地製造システム、さらにロシアのウクライナへの軍事侵攻で再認識された世界的な地政学的リスクにより、製造設備の自国回帰を進める医薬品原薬などの医薬向けも増加いたしました。また、プロテインシフトや未来食として注目を集める昆虫食の分野などの食品向け、プラスチックフィルムや廃タイヤからのカーボンブラックのリサイクルなど、SDGsや環境問題を意識した案件も増加傾向にあるように思われます。

 その他の分野も総じて堅調な受注環境にあり、受注高は571億3千4百万円(対前連結会計年度比16.8%増)となりました。売上面では、好調な受注及び積みあがった受注残高からの売上により、前連結会計年度に比べ8.4%増の494億6千1百万円となりましたが、物流の混乱や一部部材の納品遅れが継続しており、納期遅延の傾向は解消しておりません。

 もう一つの柱であるプラスチック薄膜関連事業におきましては、主力の米国向けはコロナ禍における巣篭り需要の増加に伴い通信販売品の輸送のためのパッケージング用やシッピングフィルム用、ラミネーションフィルム用多層フィルム製造装置が好調に推移いたしました。また、欧州では、環境意識の高まりに呼応し、生分解性樹脂を原料としたフィルム製造ラインやリサイクルがより容易なポリエチレンのみを使用する多層フィルム製造装置への需要が高まってきております。そのほか、中国からの受注も増加傾向にありますが、受注高は過去最高となった前連結会計年度からの反動により179億1百万円(対前連結会計年度比14.0%減となりました。しかしながら、期首の繰越受注残高が高かったことなどから、売上高は前連結会計年度と比べ、15.5%増174億5千5百万円となりました。

 当社グループでは一品一葉の受注生産体制を取っており、受注から設計、資材発注、製造、出荷/売上計上までにタイムラグがあります。特に欧州において、受注(販売契約締結)から資材発注までの間の仕入れ価格急騰を販売価格へ十分に転嫁できなかった案件が含まれていたことなどから、売上総利益率は、1.7%ポイント低下しましたが、増収効果により、売上総利益は前連結会計年度と比べ4.7%増225億8千6百万円となりました。営業利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大による営業活動の自粛継続により販売費及び一般管理費の一部項目は低位に留まっているものの、日本本社において従業員向けインセンティブ・プランとして譲渡制限付株式報酬制度(RS信託)を導入したことなどから、労務費を中心として販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は前連結会計年度と比べ13.5%減55億1千3百万円となりました。
 経常利益も営業利益と同様、前連結会計年度と比べ12.2%減57億7千3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、対前連結会計年度比14.7%減40億7百万円となりました。
 
 (3) キャッシュ・フローの分析
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

 当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造装置の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、DX推進などのデジタル化投資、受託加工装置の増強のための設備投資等であります。

 

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、平時においては、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大やウクライナ情勢の長期化などを要因として、全般的に顧客への納期が1.5~2.0倍になってきておりますため、通常より厚めの流動性を確保するよう努めております。

 資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。

 当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は13億9百万円、現金及び預金の残高は256億1千7百万円となっております。

 なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は214.8%と流動性は十分な水準にあります。

 

(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 既述のように、2021年10月1日より新たな第17次中期3カ年経営計画をスタートさせました。昨今の円安傾向を踏まえ、この中期3カ年計画の最終年度となる2024年9月期の目標を売上高710億円、営業利益71億円の達成に修正いたしました。

 一部仕入部材の納期の問題や物流の混乱の解消にはまだ時間がかかるものと思われますが、仕入部材価格高騰の影響については、客先販売価格への転嫁も進んできており、この先、さらに想定を超えるような物価の高騰がなければ、それらの案件の売上が計上される次連結会計年度以降、利益率は徐々に改善に向かうものと考えております。また、当社グループにおいて比較的汎用性の高いものについては、在庫を積み増すなど、納期の短縮にも努めております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

Precision Air
Products Company

アメリカ

空気調和並びに換気用空気分布ユニット(吹出口、吸込口)の設計、製造に関する技術契約

2015年9月1日 (※)
より10年
以後10年毎に自動的に更新される

ホソカワミクロン
株式会社

Gericke AG

スイス

粉粒体振動排出機の製造、販売、技術契約

2021年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉粒体微量供給機の製造、販売、技術契約

2022年6月19日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

粉砕機等の製造、販売、技術契約

2022年8月8日 (※)
より2年
以後2年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(2)技術供与契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロン
ワグナー株式会社

日本

粉体塗装ガン用定量供給機の製造、販売

2022年3月1日 (※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。

2 (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(3)業務提携契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

日清エンジニア
リング株式会社

日本

日本国内におけるプラントエンジニアリング、機器販売、粉体受託加工

2022年11月29日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(4)総販売代理店契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

ホソカワミクロン
化粧品株式会社

日本

化粧品・育毛剤の販売

2022年10月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

(5)商品取引基本契約

契約会社名

相手先の名称

国名

契約内容

契約期間

ホソカワミクロン
株式会社

サントリーウエル
ネス株式会社

日本

育毛剤の販売契約

2022年1月1日(※)より1年
以後1年毎に自動的に更新される

 

(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、高度化する多種多様のニーズに的確かつ迅速に応えていくため、研究開発拠点を持つ日本並びに欧米の連結子会社がノウハウ交換によるシナジー効果を発揮しながら、グローバルかつ斬新な新製品・新技術の創成、生産システムの最適化、主力機種の改良など、幅広い研究開発活動を行っております。

当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は888百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

1 粉体関連事業

当事業に係わる研究開発費は683百万円であります。

ほとんどの産業の生産プロセスにおいて、固体の集合体である粉体の状態で処理される工程が存在し、その粒子の大きさや形状により化学的、光学的、機械的などの物理特性が変わるため、それらをコントロールする粉体処理技術が非常に重要になっております。新素材を創生し、製品の高機能化を生み出し、付加価値向上に寄与できる粉体処理装置・測定機器並びに省エネルギー・省力化を実現できる最先端のシステムを目指して、研究開発を続けております。

当連結会計年度では、次世代を担う超微粒子粉砕機、高性能分級機、省エネルギー乾燥機などの粉体処理プロセスや粒子形状測定機器を継続的に開発するとともに、予測されている人手不足の深刻化や海外企業との競争に備えるためのIIoTの実用化を進めており、既に具体的なサービスとして、設備から得られる情報を一元管理し、リアルタイムに運転状況を把握できるGEN4RM(Remote Monitoring)をリリースしております。このGEN4RMからのデータを解析することにより設備の故障を予知できる技術の確立や、現実世界から収集した情報を使い仮想空間上に設備を再現し、先を予測するデジタルツイン技術も視野に入れて開発を推進しております。

さらに当社は、大型国家プロジェクトで開発した当社独自の機能性ナノ粒子のPLGA(乳酸・グリコール酸共重合体)に薬物を封入する医薬製剤技術をベースに、機能性化粧品ナノクリスフェア(NC)や育毛剤ナノインパクト(NP)などのオリジナル製品を開発し、日本国内だけでなく中国を中心とした海外市場へも販売を進めております。PLGA技術を応用したB2Bビジネスの形式では、パートナー各社の独自ニーズに沿ったODM製品(納入先商標による化粧品、育毛剤)を開発し提供しております。当連結会計年度におきましては6月に先端再生医療機関と協業を開始し、「再生医療技術を応用したナノテク機能性美容化粧品・育毛剤等の製剤開発」に向けて、同医療機関から技術顧問を招聘し、新たな研究開発を始めております。その第一弾として、美容・育毛効果を高めうる“ヒト幹細胞培養上清液(製品名M-CEL)”を共同開発いたしました。9月にリニューアル販売いたしました最新の自社まつげ美容液(アイラッシュセラム)にもM-CELをPLGAナノ粒子に封入して配合することにより美容機能を大幅に強化しております。また、M-CEL自体はODM用途にも提供を始めております。主力製品の育毛剤ナノインパクトにつきましては、有用成分の種類と量の最適化の基礎研究によって当社従来技術比で最強な育毛処方の開発に成功し、ナノインパクトで8代目となる新商品(NP-8)として、9月から発売を開始いたしました。

 

2 プラスチック薄膜関連事業

当事業に係わる研究開発費は205百万円であります。

 プラスチック薄膜製造装置は、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルからの噴出・冷却・延伸により、最大11層までのフィルムを連続的に製造することができ、ネット通販用包装材のような単層フィルムから、酸素・水蒸気などのガス浸透防止や内容物の匂いや香りを保護する多層フィルムまで幅広い用途に使用されております。

世界の各地で高機能フィルムの需要が着実に伸びている中で、剛性、収縮率、透明度などの機械特性・光学特性をさらに強化できる一軸フィルム延伸ユニットの開発や、コンピュータモデリングによる溶解熱均一性を実現できる金型の設計など、プラスチック薄膜製造装置のリーディングカンパニーとして、世界最高水準の技術を追求し続けております。