文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、グローバルな「粉体技術連峰」の形成により、「粉体技術」の分野において常に世界のナンバーワン企業であり続けることを志向しております。既存のプロセス機械装置及びシステムエンジニアリングに加え、新素材などのマテリアルビジネス関連事業を新たに展開し、先端的「粉体技術」の一層の進展を図ります。また、粉体技術関連事業のみならず、プラスチック薄膜技術の分野においても、強力なブランド力と卓越した技術開発力を背景に高付加価値製品を提供し続けることにより競争力の強化を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、資産規模の適正化と収益力の向上をバランスよく推し進め、企業価値を高めていくことを目指しており、総配分性向の向上と連結ROE(株主資本利益率)10%以上の達成を目指しております。
(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき課題
足元の経営環境につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。当社グループは、2020年10月1日から新たな中期経営計画を策定する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、今後の経済及び当社の経営環境に与える影響も不透明であることから、2021年9月期は単年度の経営計画とし、2021年10月1日より新たに中期3カ年計画をスタートさせました。
当社グループは、ナノパーティクルテクノロジーを含む革新的な粉体技術を提供する世界トップ企業であり続け、常に新しい技術と新しい市場の創造に挑むとともに、新素材の開発、製造、販売などのマテリアルビジネスを実現することにより、超優良企業を目指します。
「ホソカワミクロングループの最先端技術を業界世界標準へ」を2021年10月から始まる中期3カ年経営計画のグループ基本方針と定め、以下の5点を重点項目にあげ、業容の拡大と経営体質の強化を図っていく予定であります。
① グローバル販売網拡大に向けたグループ連携の強化
未だに新型コロナウイルス完全収束の目途は立たないものの、世界的にワクチン接種が進んだことなどから、徐々に経済活動が本格的に再開されるようになってきました。経済活動の再開に伴い、引き続き成長期待の大きい東アジア、東南アジア諸国、今後の成長が期待される中南米及びアフリカ諸国において、グループ各社との連携を深めながら、各国・地域に合った製品や販売戦略、販売網の見直しを進め、販売の拡大を図ってまいります。
② デジタル革命(DX : Digital Transformation)による情報一元化・共有での事業促進
デジタル化の流れは、コロナ禍を契機としてさらに加速しております。当社におきましても、粉体技術を通して社会に貢献するという理念の下、DXの推進により、あらゆる情報の一元化及び共有を図り、全従業員及び全部門の業務効率を最大化するとともに、仕事・社会の変革による持続成長可能な企業活動を目指すためのICTグランドデザインの再構築を図ってまいります。また、IIoT(Industrial Internet of Things)と当社システムとの融合によって、顧客に付加価値の高いサービスを提供することにより、顧客満足の向上、競合他社との差別化を図り、収益基盤の強化を推進してまいります。
③ 産業分野別マーケティングと製品開発の推進
顧客ニーズは、産業や市場、用途毎にますます多様化・高度化しております。このような顧客ニーズや市場動向に応じたマーケティングの推進を通じて、それぞれの原料加工において、最善の性能を発揮する新製品・新技術の開発や既存製品の改良を推進してまいります。また、研究開発のスピードアップを図るべく、グループの研究開発体制の見直しも進めてまいります。
④ 働き方改革と人材育成
当社経営の基本方針の一つである「人材集団の形成」を推し進めるため、時代に合った働き方や職場環境の整備を目指してまいります。また、チャレンジ精神を支援する風土作りや制度改革、さらには、グローバルな活動を担えるような、グローバル、かつ、オープンマインドな人材の育成に向けて、グループ内コミュニケーションをさらに活性化してまいります。
⑤ ESG/SDGsへの取組みと社会と環境保全への更なる貢献
当社グループではかねてより「粉体技術の開発を通して社会に貢献する」を企業理念とし、さらには「自然環境の保護に努め、次世代のための環境保全に取り組む」ことを当社グループの使命のひとつとして掲げてまいりました。この企業理念や使命をさらに追求し、企業価値の向上に努めてまいります。また、その一環として、開示内容の充実にも努めてまいります。
当社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を与える可能性のある事項は下記のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの製品の需要は、製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けております。当社グループの主要市場である日本、アメリカ、欧州、アジアにおける景気及びこれに伴う需要変動で予測を超えた変動があるときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの業績は主として日本円、米ドル、ユーロ並びに英国ポンド等の外国為替相場の変動による影響を受けております。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されているため換算リスクと取引リスクという形で為替変動の影響を受けます。為替相場の変動は外国通貨で販売する製品及び調達する材料の価格に影響を与える可能性があります。
当社グループの海外での生産及び販売活動は、米州、欧州、アジア、中近東、アフリカ等にて展開されています。これらの活動については下記のリスク要因を十分考慮していますが、予測しないリスクが発生したときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
・政治又は経済要因
・法律又は規則の変更
・潜在的に不利な税の影響
・労働争議
・テロ行為又は戦闘行為
当社グループでは、客先との合意に基づく最適な納入仕様の決定を行うとともに、各工場での厳格な品質管理の上、客先の検収をいただいております。製造物にかかる賠償責任につきましては製造物賠償保険に加入していますが、保険でカバーされない製造物責任リスクにより多額のコストが発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、将来の客先のニーズを予測し、新技術の開発を継続的に実施してきましたが、予測を超えた社会環境の変化や客先のニーズの変化により、最終的に客先にその新技術が受け入れられない可能性があります。
また、新技術の一部には許認可が必要なものもあるうえ、許認可申請をしても承認される保証はありません。
現在、当社グループを相手とした訴訟については、妥当と思われる引当額を計上しておりますが、当社側の主張・予測と相違する結果、多額の賠償等コストが発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、他社製品と差別化できる高度な技術及びノウハウを保持しており、またこれらの保護について最善の努力を傾注していますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であるおそれがあり、そのため第三者が当社グループの知的財産を使用して類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。一方、当社が使用する技術及びノウハウ等が不可避的に他社の知的財産権に抵触し係争に発展する可能性があります。
当社グループでは取引先の財務情報を参考に与信管理を行い、取引先の信用リスクに備えています。しかし、倒産のような予期せぬ事態により債権回収に支障が発生した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社は、株式公開会社であるため、当社株式を公開買付(TOB)又は市場取引で大量に買い集める投資者が現れる可能性があります。このような投資者が当社株式を買い占めたときには当社の企業価値を毀損する可能性があり、あるいは上場を維持できなくなる可能性があります。
また、当該投資者と当社との間で法的係争に発展する可能性もあります。
インターネット等を通じて当社グループに対する悪評・誹謗・中傷等の風説が流布する可能性があります。これらは、たとえ事実と異なる内容であったとしても、当社グループへの信頼及び企業イメージを低下させ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループの従業員退職給付費用及び退職給付債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益にもとづいて算定されています。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、世界中に製造販売・サービス・研究開発の拠点を有しております。地震や台風、豪雨による風水害等の自然災害に対して損害の発生及び発生時の損害の拡大を最小限におさえるべく、耐震化を進めるほか、点検・訓練の実施、連絡体制の整備に努めております。
さらに当社グループは、新型コロナウイルス感染症のような未知の感染症の世界的拡大(パンデミック)に備え、従業員の健康と安全の確保を最優先に感染防止対策を徹底しております。しかしながら、甚大な自然災害により、当社グループの従業員、生産設備、システムやサプライチェーン等に被害が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、社内において感染症の拡大が認められた場合、一時的に業務停止等の措置を講じることにより、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
14 情報セキュリティ
当社グループでは、業務上必要となる個人情報を含む各種情報を情報システム上で管理しております。これらの情報システムやネットワークの管理においては、安定稼働やセキュリティ対策に力を入れ、適切なサーバの管理や情報のバックアップ等の必要な措置を講じております。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入等により、万一、これらの情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
15 人材確保
当社グループでは、製造・開発・販売・技術・管理、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、人材採用競争の激化、労働市場の状況変化等により、優秀な人材を十分に確保できなかった場合、社内人材の育成が奏功しなかった場合、あるいは社員の退職等によって十分な人材確保ができなかった場合、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
16 調達・生産等
当社グループでは、原材料や部品等が安定的、タイムリーかつ合理的な価格で供給されることを確保するため、調達先の複数化や自国/域内調達等の対応を進めております。しかしながら、調達先の倒産/廃業、大規模災害や世界的な感染症の拡大等により、短期的に対応が困難な場合があるほか、原材料や部品等の供給不足、納期遅延等が発生し、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、急激な需給環境の変化などにより、予期せぬ素材やエネルギー価格の急騰、供給逼迫の長期化等から、調達価格の高騰が避けられない場合があり、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
17 環境規制・気候変動への対応
地球環境問題及び気候変動への対応は社会課題の一つであり、当社グループでも、環境規制及び関連法規等の遵守、気候変動の緩和に向け、積極的に取組みを始める予定ですが、低炭素社会の実現に向けた規制への適合や取組みのため、必要なコストが増加する可能性があります。また、対応が困難であった場合や、不十分な場合、さらには遅れが生じた場合は、当社グループの活動や、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績
このような経済環境の中、当連結会計年度の受注高は697億2千7百万円(前期比20.9%の増加)、売上高は607億5千4百万円(前期比13.6%の増加)となりました。受注残高は371億8千4百万円(前期比36.7%の増加)となりました。
利益面におきましては、主に増収の影響により、営業利益は63億7千万円(前期比33.0%の増加)、経常利益は65億7千4百万円(前期比31.3%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は46億9千9百万円(前期比41.7%の増加)となり過去最高益を更新いたしました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
当事業は、粉砕・分級装置、混合・乾燥装置及び日本市場においての大気汚染防止装置、製品捕集用集塵装置、精密空調制御装置等の製造販売、複合ナノ粒子を中心とした新素材開発とその商品化並びに微粉体受託加工サービスを提供するホソカワミクロングループの主力分野であります。
前連結会計年度に低調であった化学業界向けや受託加工事業に改善傾向がみられるようになってきたことに加え、世界的に環境意識の高まりが続いていることから、ポリエステルフィルムのリサイクル用の粉砕システムへの需要が増加いたしました。その他、電子材料向けや医薬品向け、メンテナンスサービス事業など各分野とも満遍なく受注がありました。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は489億2千2百万円(前期比9.9%の増加)、受注残高は253億2百万円(前期比18.3%の増加)となり、売上高は456億4千3百万円(前期比13.0%の増加)となりました。セグメント利益は59億9千2百万円(前期比32.3%の増加)となりました。
当事業は、単層から多層の各種プラスチック高機能フィルム製造装置の開発・製造・販売を行っております。
主力の米国向けはパッケージング用やラミネーション用に5~9層の多層フィルム製造装置を中心に、また、欧州ではリサイクルしやすいポリエチレンのみを使用する多層フィルム製造装置が堅調に推移いたしました。その他の地域では、中国、東南アジア、中南米向けなどの成約により、高水準の受注が続いております。
これらの結果、当連結会計年度の受注高は208億5百万円(前期比58.5%の増加)、受注残高は118億8千1百万円(前期比104.9%の増加)となり、売上高は151億1千1百万円(前期比15.3%の増加)となりました。セグメント利益は16億6千5百万円(前期比4.2%の増加)となりました。
② 財政状態
当連結会計年度の資産は、前連結会計年度に比べ、79億3千9百万円増加し、731億1千9百万円となりました。これは、主に現金及び預金が44億9千8百万円増加したこと、受取手形及び売掛金が30億1千万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の負債は、前連結会計年度に比べ、25億7千4百万円増加し、271億8千万円となりました。これは、主に前受金が24億7千万円増加したこと、支払手形及び買掛金が16億6百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ、53億6千4百万円増加し、459億3千9百万円となりました。これは、主に利益剰余金が38億8百万円増加したこと、為替換算調整勘定が14億2千2百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ、25億2百万円増加し、198億1千2百万円となりました。各キャッシュ・フローの概要は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、60億8千7百万円の資金の増加(前連結会計年度比20億9千6百万円の増加)となりました。主に税金等調整前当期純利益の計上によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、26億1千3百万円の資金の減少(前連結会計年度比12億6千3百万円の増加)となりました。主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億8千7百万円の資金の減少(前連結会計年度比17億8千1百万円の減少)となりました。主に長期借入金の返済による支出及び配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度が始まる2020年9月には、世界の新型コロナウイルス感染者は3,000万人を突破し、世界の死者数も100万人を突破(いずれも米・ジョンズ・ホプキンス大学集計)するなど、世界的に新型コロナウイルス感染が急速に再拡大している中でのスタートとなりました。このように先行き不透明な状況の中、本来ならスタートさせる予定であった次期中期3カ年中期経営計画の実施を見送り、単年度の緊急事態対応計画と位置づけ臨みました。
当社グループの業績先行指標となる受注面におきましては、引き続き一部の顧客において、発注に慎重になる動きもみられましたが、一方で、投資計画がある顧客は必要な案件を最小限の供給先に絞り込むような行動心理も見受けられ、例年にも増して大型案件の成約数が増加する結果となりました。他方、売上面におきましては、前連結会計年度と同様、各国・地域ともに移動制限や都市封鎖(ロックダウン)等の措置が取られた影響から、移動制限や自粛が続き、客先現場での作業(据付作業や試運転調整など)を行うことができない期間があったほか、一部納入部材の納期遅延、さらには世界的な港湾混雑やコンテナ不足により、海上輸送の混乱遅延が続きました。このため、売上検収の遅延が散見されました。このようなことから、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ、13.6%増の607億5千4百万円となりました。主要品目別の売上高の状況及び分析は以下のとおりであります。
コア事業と位置付ける粉体関連事業におきましては、コロナ禍の影響を受けて前連結会計年度に一時的に落ち込んだ化学工業向けや受託加工事業に回復傾向がみられるようになってきたことに加え、世界的な環境意識の高まりが継続していることから、ポリエステルフィルムのリサイクル用として粉砕機器の需要が増加いたしました。また、力を入れておりますメンテナンスサービス事業、カーボンニュートラルに向けて積極的な投資が続く電子部品・二次電池関連からも堅調な受注がありました。ミネラル関連向け前連結会計年度の大型受注の反動により低調でしたが、総じて各分野ともに堅調な受注環境にあり、受注高は489億2千2百万円(対前連結会計年度比9.9%増)となりました。売上面では、海上輸送を中心とした物流の混乱や一部部材の納品遅れや、輸出案件を中心に、新型コロナウイルス感染症の拡大による移動制限・自粛の影響を受け出荷先での現場作業が滞ったこともありましたが、前連結会計年度に比べ13.0%増の456億4千3百万円となりました。
もう一つの柱であるプラスチック薄膜関連事業におきましては、主力の米国向けは従来からのゴミ袋用生産装置が引き続き旺盛だったことに加え、巣篭り需要の増加に伴い通信販売のためのパッケージング用やシッピングフィルム用、ラミネーションフィルム用多層フィルム製造装置が好調に推移いたしました。また、欧州では、環境意識の更なる高まりに呼応し、リサイクルがより容易なポリエチレンのみを使用する多層フィルム製造装置の需要が高まってきております。そのほか、中国や東南アジア、中南米諸国など、日本を除く世界各地域から幅広い受注を獲得し、受注高は過去最高の208億5百万円(対前連結会計年度比58.5%増)となりました。しかしながら、期首の繰越受注残高が前連結会計年度と比べ低かったことや、受注時期と納期の関係、さらには粉体関連事業と同様、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響による物流混乱や一部部材の納入遅延などもあり、売上高は前連結会計年度と比べ、15.3%増の151億1千1百万円となりました。
売上総利益は、売上構成比率や内容の違い、一部部材の調達価格上昇などから、売上総利益率が前連結会計年度から0.7%ポイント低下しましたが、増収効果により、前連結会計年度と比べ11.4%増の215億6千4百万円となりました。営業利益は、新型コロナウイルス感染症の拡大による営業活動の自粛により販売費及び一般管理費の一部項目は減少したものの、対ユーロで円安が進んだことによる邦貨換算上の見掛けの増加に加え、前連結会計年度期中に買収した子会社がフルに寄与したことや引き続き化粧品・育毛剤事業で積極的な広告宣伝活動を行った影響などもあり、全体として販売費及び一般管理費が増加しましたが、売上総利益の増加により、前連結会計年度と比べ33.0%増の63億7千万円となりました。
経常利益も営業利益と同様、前連結会計年度と比べ31.3%増の65億7千4百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ41.7%増の46億9千9百万円となり、過去最高益を更新いたしました。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては 「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの運転資金需要は主に、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用、継続的な新製品開発に向けた研究開発費用、さらには株主各位への配当金支払等であります。また、長期性の資金需要は、粉体関連機器及びプラスチック薄膜製造機器の製造に係る工作機械等の製造設備や顧客テストに供するテストセンター機器、DX推進などのデジタル化投資、受託加工装置の増強のための設備投資等であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、現預金等の流動性資金は、月次連結売上高の2.0ヶ月以上を維持するよう努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による不測の事態に備えるため、コミットメントラインを設定し、通常より厚めの流動性を確保するよう努めております。
資金の調達方針としては、短期運転資金については自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本とし、設備投資や長期性資金につきましては、金融機関からの長期借入等による調達を基本としております。
当連結会計年度末における借入金の有利子負債の残高は14億5千4百万円、現金及び預金の残高は199億4千3百万円となっております。
なお、当連結会計年度末における当社グループの流動比率は218.8%と流動性は十分な水準にあります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
既述のように、本来なら新たな第17次中期経営計画を2020年10月1日にスタートさせるところではありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の収束がみえない中、経済環境が予見不可能であることから、2021年9月期は単年度計画といたしました。新型コロナウイルス感染症の完全な収束はまだ見通せないものの、ワクチン接種も進み、withコロナの生活様式が定着し、社会・経済活動も落ち着きを取り戻してきたことから、2021年10月1日より新たな第17次中期3カ年経営計画をスタートさせました。この中期3ヶ年計画の最終年度となる2024年9月期には売上高670億円、営業利益67億円の達成を目指してまいります。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を支払っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) 1 上記については、ロイヤリティとして売上高の一定率を受取っております。
2 (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
(注) (※)は契約更新年月日を記載しております。
当社グループは、多様化・高度化を続ける顧客ニーズに的確に応えていくため、研究開発拠点を持つ日本並びに欧米の連結子会社が連携して積極的に情報交換を行うとともに、各々の拠点が持つ技術的特長を活かしながら、グローバルかつ斬新な新製品・新技術の創成、生産システムの最適化、既存製品の改良など、幅広い研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当事業に係わる研究開発費は
工業製品の生産プロセスでは、粉体の形状で処理される工程が一般的に存在し、その粒子サイズや形状により化学的、光学的、機械的などの物理特性が変化するため、それらをコントロールする粉体処理技術が非常に重要になっております。新素材を創生し、製品の高機能化を生み出し、付加価値向上に寄与できる粉体処理装置・測定機器並びに省エネルギー・省力化を実現できる最適なシステム目指し、さらにはSDGsを考慮して、研究開発を推進しております。
当連結会計年度では、次世代を担う超微粒子粉砕機、超高速分級機、高性能乾燥機などの粉砕・分級・乾燥システムや粒子形状測定機器を継続的に開発するとともに、生産設備が直面する多様な課題に対応するために、弊社の粉体処理技術、制御技術および情報技術を融合させた、リアルタイムで品質・設備管理を行うデジタル化情報処理技術の実用化(IIoT:Industrial Internet of Things)を、生産設備への変革に貢献できるように、段階的に進めております。
さらに当社は、大型国家プロジェクトで開発した当社独自の機能性ナノ粒子のPLGA(乳酸・グリコール酸共重合体)に薬物を封入する医薬製剤技術をベースに、機能性化粧品ナノクリスフェアや育毛剤ナノインパクトなどのオリジナル製品を開発し、日本国内だけでなくアジアを中心とした海外市場への販売を進めております。特に中国へは本年2月に現地社外パートナーとの「ナノクリスフェア・ナノインパクトの独占販売店契約」を締結し、その越境ECが拡大中です。また、PLGA技術を応用したB2Bビジネスの形式では、パートナー各社の独自ニーズに沿ったODM製品(納入先商標による化粧品、育毛剤)の開発、提供をしています。さらにDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)受託研究事業では、PLGAナノ粒子製剤のGMP(医薬品等の製造及び品質管理基準対応)生産プラットフォームの構築を目的として、大手医薬品メーカーとの協業も開始しています。これらに共通するナノパーティクルテクノロジーの更なる底上げを目指し、本年6月にはアカデミアからPLGA専門家を技術顧問として招聘し、新たな研究開発に取り組んでおります。
当事業に係わる研究開発費は
当社グループのプラスチック薄膜製造装置は、溶解された種類の異なるプラスチックをノズルから噴出して冷却し、最大11層までの円筒状の積層フィルムを連続的に製造する世界最高レベルの技術を有しており、ネット通販用の包装材のような単層フィルムから医薬品、食品のパッケージや光学用マスキングフィルムなどの高機能多層フィルムまで幅広い市場で使用されています。
近年は、欧米だけでなく中国やインドなどのアジア諸国においても、耐候性と強度に優れた高機能フィルムの需要が着実に伸びており、コンピュータモデリングに基づく溶解の熱均一化、最適なノズル形状による冷却能力の効率化や高速巻き取り装置による生産性の向上など、当社独自の最新技術が継続的に開発・商品化されており、プラスチック薄膜製造装置のリーディングカンパニーとして注目されております。