当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間においては、ウクライナや中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まり、インフレの継続、及び米国の関税政策などの懸念材料がある中で、世界経済は先行きが不透明な状況が続きました。
当社グループでは、「LMガイド(直線運動案内:Linear Motion Guide)」をはじめとする当社製品の市場を拡大すべく「グローバル展開」、「新規分野への展開」及び「ビジネススタイルの変革」を成長戦略の柱として掲げています。グローバル展開では、中国やその他の新興国においてFA(Factory Automation)の進展などを背景としてマーケットは成長し、先進国でもユーザーの裾野が広がる中、これらの需要を取り込むべくグローバルで生産・販売体制の拡充に努めています。新規分野への展開では、自動車、医療機器、航空機、ロボットなど消費財に近い分野に加え、免震・制震装置、再生可能エネルギー関連など自然災害や気候変動のリスクを低減する分野においても当社グループ製品の採用が広がる中、従来品のみならず新規開発品の売上収益の拡大を図っています。さらに、これらの戦略を推し進めるべく、様々な面でAI、IoT、ロボットをはじめとするテクノロジーを徹底的に活用することで、ビジネススタイルの変革を図り、ビジネス領域のさらなる拡大を図っています。
そのような中、産業機器事業においては、主に中国や米国において需要が回復に向かったことなどにより、売上収益は前年同期に比べて増加しました。輸送機器事業においては、昨年後半に自動車の生産が落ち込んで以降、需要は大きな変化なく推移しました。これらの結果、連結売上収益は前年同期に比べて、36億4百万円(△2.0%)減少し、1,762億4千6百万円となりました。
コスト面では、生産性向上に向けた各種改善活動を引き続き推進したことなどにより、売上原価率は前年同期に比べて0.2ポイント低下し、77.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、前年同期に比べて4億7百万円(1.3%)増加し、328億3千3百万円となりました。売上収益に対する比率は、各種業務の効率化に努めましたが、前年同期に比べて0.6ポイント上昇し、18.6%となりました。
これらの結果、営業利益は前年同期に比べて22億1千8百万円(△26.4%)減少し、61億8千1百万円となり、売上収益営業利益率は1.2ポイント低下し、3.5%となりました。
金融収益は20億4千6百万円、金融費用は15億8千3百万円となりました。
これらの結果、税引前中間利益は前年同期に比べて34億3千7百万円(△34.1%)減少し、66億4千3百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期に比べて34億8千5百万円(△48.3%)減少し、37億2千7百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(日本)
日本では、産業機器事業における需要は概ね横ばいで推移しましたが、売上収益は前年同期に比べて14億5千4百万円(△2.7%)減少し、533億4千3百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、前年同期に比べて21億7千7百万円(△50.3%)減少し、21億5千万円となりました。
(米州)
米州では、輸送機器事業における需要が低位に推移したことなどにより、売上収益は前年同期に比べて58億7千3百万円(△11.8%)減少し、438億4千9百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、売上収益の減少などにより、前年同期に比べて4億1千8百万円(△40.0%)減少し、6億2千8百万円となりました。
(欧州)
欧州では、産業機器事業、輸送機器事業ともに需要が低位に推移したことなどにより、売上収益は前年同期に比べて32億3百万円(△8.6%)減少し、338億7千7百万円となりました。セグメント損益(営業損益)は、前年同期に比べて5億6千5百万円悪化し、7億6千万円の損失(前年同期は1億9千4百万円の損失)となりました。
(中国)
中国では、産業機器事業において需要が回復する中、売上収益は前年同期に比べて56億1千万円(18.8%)増加し、354億4千3百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、売上収益の増加などにより、前年同期に比べて9億3千万円(27.3%)増加し、43億3千2百万円となりました。
(その他)
その他では、インド・ASEANをはじめとして当社グループ製品への需要の裾野が着実に広がる中、販売網の拡充に加え、新規顧客を開拓すべく積極的な営業活動を展開しました。そのような中、売上収益は前年同期に比べて13億1千6百万円(15.6%)増加し、97億3千2百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は、前年同期に比べて3億円(△57.3%)減少し、2億2千3百万円となりました。
② 財政状態の状況
資産は、現金及び現金同等物が367億6千6百万円、棚卸資産が47億5千2百万円、有形固定資産が77億7千2百万円、のれん及び無形資産が11億7百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ519億7百万円減少の5,155億1千1百万円となりました。
負債は、営業債務及びその他の債務が14億7百万円減少しましたが、社債及び借入金が114億8千7百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ109億8千1百万円増加の1,886億4百万円となりました。
資本は、利益剰余金が122億1千9百万円、自己株式の増加で354億5千6百万円、その他の資本の構成要素が126億2千3百万円、非支配持分が23億7百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ628億8千8百万円減少の3,269億6百万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間期連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益66億4千3百万円、減価償却費及び償却費120億8千6百万円、棚卸資産の増減額24億6千5百万円、営業債務及びその他の債務の増減額5億9千8百万円などのキャッシュ・インに対し、営業債権及びその他の債権の増減額2億1千9百万円、法人所得税の支払額32億9千9百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、203億2百万円のキャッシュ・イン(前年同期は185億1千4百万円のキャッシュ・イン)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出86億1千万円などのキャッシュ・アウトにより、89億6千7百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は174億9千4百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入150億円、社債の発行による収入100億円のキャッシュ・インに対し、長期借入金の返済による支出21億8千5百万円、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出365億1千6百万円、配当金の支払額155億9千5百万円などのキャッシュ・アウトが発生したことにより、421億6千9百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は153億円のキャッシュ・アウト)となりました。
これらの結果、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ367億6千6百万円減少し、1,015億2千7百万円(前年同期は1,547億9千4百万円)となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は3,379百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況の変更内容は次のとおりであります。
産業機器事業では、LMガイドにおいて、超低ウェービングボールリテーナ入りLMガイド「SPH形」を開発しました。ISO規格準拠寸法で、直動案内トップクラスの超低ウェービングを実現しています。同じく、超低ウェービングボールリテーナ入りLMガイド「SPR/SPS形」では、表面処理にも対応し、さまざまな環境要求に応えることができるようになりました。工作機械用超重荷重LMガイド「NR-X/NRS-X形」においてはラインナップを拡充しました。工作機械の高性能化要求に貢献していきます。また、LMガイドに求められる荷重耐久性と高水準の非磁性材料を両立させた鉄鋼材料「THK-NM1」を適用した低透磁率LMガイド「HSR-MO」を開発しました。電子線描画装置、電子顕微鏡など高機能非磁性対応が要求される用途に対して拡販を図ります。さらに、幅広い市場で使用しやすい互換性LMガイド「RSX形」のラインナップの拡充を図りました。加えて、小型HSRに改良を行い互換性かつボール保持機能を有した「HSR-X形」を開発しました。
ボールねじにおいては、サポートユニットにそのまま組付け可能な軸端末完成品「SDA-VZ形」のラインナップ拡充に加え、欧州・中国市場にて広く使用されているISO3408規格準拠ボールねじ「EPB-V/EBB-V形」のラインナップ拡充を図りました。
ボールスプラインにおいては、当社としては最小の軸径となる「LT/LF3X」「LT/LF3XD」を開発しました。装置のさらなるコンパクト化に貢献していきます。また、ボールスプラインの組付けが容易にできるフランジを利用して、ボルト締結が可能な「LF形」のラインナップ拡充を図りました。
クロスローラリングにおいては、総ローラー仕様を標準化しました。高負荷の使用に適し、オール金属仕様により特殊環境下での使用にも応えられます。
住宅・オフィス機器、鉄道車両用ドアや自動倉庫などのスライド部に適したユーティリティスライドにおいては、ATG形およびAdvanced Wheel Guideのラインナップを拡充いたしました。
さらに、ものづくりサービス業として動剛性測定サービス「DYNAS」を日本国内向けに提供開始しました。この測定により装置の動剛性を明らかにすることで、お客様の装置開発の新たな発見および信頼性向上に貢献します。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。