第2【事業の状況】

当社グループの消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、本項に記載の売上高、生産実績、受注実績、販売実績等の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

・人と社会に豊かさを提供する

・高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する

 

PETボトルの生産(成形)機であるストレッチブロー成形機の製造・販売を手がけている当社グループは、高い先取的技術性を蓄積しながら、よりきめ細かいユーザーへのサービスを提供し、PETボトルを広く世界に、より多くの用途で普及させていく事業を営んでいます。当社グループはこの事業をより発展させ、人々が、便利で豊かな生活を営むことに資することを目指しております。

 

企業目標の達成には、業務執行体制の整備とそこに帰属する要員の高い資質が求められます。これに添い、就業者に対しては、前述の経営理念に基づく企業目標を達成する上での、業務遂行上の規範になるものとして、以下の「行動指針」を設定しております。

 

行動指針

・顧客満足の追求

・継続的改善への試み

・規律と活力ある職場

 

(2)業界構造、市場環境及び経営環境

① 業界の特徴

当社の所属するストレッチブロー成形機業界は、容器の成形方法の違いから、下記の2種類に大別されます。

 

<2ステップ方式(以下、2ステップ機)>

容器の原形となる1次成形品のプリフォーム成形と、それに高圧エアを噴射して膨らませるブロー成形工程を別々の機械で行う方式であります。容器の成形時間においてボトルネックとなるプリフォーム成形を別の機械で行い、それをストックして搬送システムでブロー成形機に投入し膨らませることで量産性を確保します。但し、機械の特性上、均一で単純形状の容器成形に適しているため、主に飲料容器の大量生産に使われております。

 

1ステップ方式(以下、1ステップ機)

当社の得意とする方式で、プリフォーム成形とブロー成形工程を1台の機械で行う方式であります。2ステップ方式に比べて量産性では劣りますが、同一の機械で成形するため、産業設備としての省エネ・省スペース・省人化に優れ、プリフォームの保管工程を省くことで衛生面も優れています。また、機械の特性上、容器形状の制約がないため、複雑で多種多様な容器の成形に適しており、主に食品や日用品、化粧品といった非飲料容器の中小ロット生産で使われております。

 

② 当社成形機の特徴

当社は1ステップ機を主力とし、その分野において高い評価を得ておりますが、その理由は独自の「4ステーション方式」であります。具体的には、①プリフォーム成形、②温度調整、③ブロー成形、④取出し工程の4つのステーションで構成されており、中でも重要なのが第2ステーションの温度調整機能であります。プリフォームを容器形状に応じて温度調節することで、成形難度が高く、複雑な形状が求められる多種多様な容器成形を可能としております。

また、近年では、「ゼロ・クーリングシステム」と命名した新技術の開発実用化を進め、製品競争力を強化しました。これは、1ステップ機の中でも当社の4ステーション方式でしか成し得ない、容器の生産性・物性強度・外観品質・軽量化を同時にかつ飛躍的に向上させる画期的な新技術であります。とりわけ、軽量化についてはプラスチック材料の使用量削減を実現できるため、廃プラスチック問題への対策としても有効な技術であります。

 

③ 市場環境の変化及び競争優位性

現在、容器分野においては、一般消費者の価値観の変化・多様化を受け、多くの課題が生じております。

具体的には、価値観の多様化による容器寿命短期化への対応や、商品差別化のための容器の高付加価値化への対応が挙げられます。また、廃プラスチック問題に端を発する環境意識の高まりから、リサイクル材料や生分解性樹脂等を用いた環境配慮型容器が注目を集めています。更に、新型コロナウイルス感染症対策を背景に、消毒液や医薬品などの衛生用品の需要が世界的に高まっております。

このような市場環境の変化を背景に、多品種・高難易度の容器を中小ロットで効率的に生産できる当社の1ステップ機への注目度が高まっております。

また、当社は機械メーカーでありながら、「顧客が最終的に欲しいのは容器」だという考えのもと、技術者が国内外の客先に出向き、機械・金型・成形技術の「三位一体の技術力」で、顧客が容器品質に満足するまで徹底した成形支援を行うことをモットーとしております。これによって当社の技術者も腕を上げ、複雑な温度調整等の高度な要素技術を蓄積し、それを技術開発に還元し、顧客ニーズを満たした成形機を開発することで、新たな容器市場を開拓して参りました。

 

④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

多様化するビジネス環境の中で、常に優位性を保ち続けながら、進化発展を成し遂げるためには、利益を着実に生み出す収益構造と効率経営が必須であります。

とりわけ、主たる市場を海外に求めながら、製造拠点を日本から拡充し、製品・企業体そのものの競争力を増強させてきたメーカーとして、当社グループは、売上総利益、営業利益及び経常利益について、絶対額の増加、及びこれらの対売上高比率の均衡・良化を重要な経営指標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略・優先的に対処すべき課題

今後につきましては、新型コロナウイルス感染再拡大の懸念や米中貿易摩擦の再燃による世界経済の先行き不安、為替相場の変動リスクなど、当社を取り巻く外部環境は依然として不安定な状況が予想されます

一方、ストレッチブロー成形機業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、安全で衛生的なプラスチック容器を求める声がこれまで以上に高まっており、生活必需品に根差した当社需要は底堅く推移すると思われます。半面、廃プラスチック問題に端を発した、環境に配慮した「持続可能な容器の設計」は業界のリーディングカンパニーとしての使命でもあると考えております

このような状況を踏まえ、当社では中長期的な事業規模の拡大と、更なる企業競争力の向上を図るため、次の重要施策を実施して参ります

具体的には、主力技術であるゼロ・クーリングシステムの更なる進化により、既存製品の競争力強化に取り組んで参ります。また、1ステップ機の特徴である高品質・高付加価値の強みを活かしながら、量産性も追求する新型機の開発を強化することで、2ステップ機市場も含めた大量生産市場への参入を企図して参ります。更に、二層成形法や環境配慮型のボトル成形など、容器開発のリーディングカンパニーとして、新しい容器市場の開拓に取り組んで参ります

また、生産面におきましては、従来から進めているインド工場への金型生産設備の追加投資を完了し、生産量の拡大及び納期短縮を図るとともに、国内及びインド工場の生産性を向上させることで原価低減を図って参ります。

以上の経営施策を的確に実施することにより、変化する経営環境の中でも企業価値の向上に尽力し、持続的な成長を期して参ります。

2【事業等のリスク】

当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)単一事業のリスク

当社グループではストレッチブロー成形機、専用金型、付属機器及び部品の製造販売において単一事業を営んでおります。PETボトルをはじめとするプラスチック容器の地域的拡大と、応用分野面での需要伸長を背景とし、かつ、PETボトルは、近時ではCO2削減などの環境志向から容器素材がガラスに比して極めて軽量である点も評価され、成長が見込める市場です。しかしながら、内外の景気動向その他の要因により、これらの容器の需要が低迷し、生産設備への投資意欲の低下をきたした場合、又は、PETボトルに代わる新たな包装容器等が開発されるような技術革新が起こった場合、単一事業を営む当社の業績に対して大きな影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、新素材や新分野に関する容器開発を推進するなど先進的な研究開発を継続的に実施し、外部環境の変化や市場ニーズに対応する取組みを強化しており、恒久的な事業の存続を追求しております。

 

(2)海外政治/経済情勢変化

当社グループは世界の様々なマーケットにおいて製品及びサービスを提供しており、海外売上高比率は88.3%に達します。一方で、日本に加えインドにおける生産も拡大基調にあり、事業の海外への総合的な依存率は高じている現状があります。海外の市場・地域ごとの政治・経済、社会情勢の変化、移転価格税制等の国際税務、各種規制の動向によって、製品の需給状態など当社グループの事業環境は大きく変動する可能性があります。

当社グループは、特定地域の売上高に依存しておらず、海外政治・経済情勢の変化が事業全体に与える影響を最小限にする体制を敷いております。

 

(3)為替変動

当社グループの海外売上高は、前述のとおり高いウエイトを占めていることから、その主要な取引には為替相場の変動によるリスクを有するものがあります。一般的に、当社グループの業績は、外国通貨に対し円高になればマイナスの影響を被り、円安になればプラスの効果を享受します。また、為替相場の変動は同一市場において、当社グループと外国企業が販売する製品の相対的な価格や、製品を製造するのに使用する材料コスト等にも影響を与えます。当社グループは短期の為替の影響を軽減ないしは減殺するための方策の一つとしても、海外生産比率の向上を推し進めているほか、必要に応じて先物為替予約等の活用も行っておりますが、予定した為替レート水準を超えた円高の場合には、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、為替状況に応じて価格設定を調整するなど、為替変動を考慮しながら経営管理を行っております。

 

(4)市場競合状況

当社グループは事業を展開する多くの市場において、激しい競争に直面しております。当社グループは高品質、かつ魅力的な製品を市場へ投入できる、市場におけるリーダーカンパニーの一角と自負しておりますが、価格面など、必ずしも競争優位に展開できる環境ではない市場や製品分野もあります。このため、厳しい価格競争を強いられた結果、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、業界のリーディングカンパニーとして、新素材、新製品、新分野の開拓など積極的な研究開発を実施するとともに、インド工場及び国内工場の生産体制の充実を図り、生産性の向上と製造原価の低減を推進し、市場における競争力を強化しております。

 

(5)材料価格

原油・素材価格の騰勢が続いた場合、当社グループ製品の材料費のコストアップ要因となりえます。このコストアップに対しては、海外生産強化や他の原価低減、及び製品価格への転嫁によってカバーしていく意向にありますが、更に騰勢が継続、長期化することになれば、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。また、原油を材料とするPETなどの樹脂素材の高騰は、樹脂を原材料として使用する顧客の設備投資意欲を減退させ、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、生産体制の強化により製造原価を低減するなど、コスト優位性を確保し、材料価格等の変化に対しても対応する体制を構築しております。また、当社の独自技術を採用することにより、顧客が使用するPET樹脂素材を減少させるなど、顧客にメリットをもたらす技術革新を行っております。

 

(6)特定の生産拠点への集中、依存

当社グループは、本社工場(長野県小諸市)の生産機能に加え、より一層の製造コストの低減化を推進し、製品競争力及び利益体質の強化を図るため、生産の要であるインド工場(インドアンベルナス市)の生産設備の拡充、利用度の拡大を積極的に進めております。多くの生産機能を本社工場及びインド工場の2拠点に集中しているため、自然災害等の万一の事態が発生し、生産工程に支障をきたすような場合には、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、2018年9月に完成した千曲川工場の稼働率を更に高めることにより、特定の生産拠点への集中、依存を解消いたします。

 

(7)在庫品に関するリスク

当社グループの主力製品の一部については、インド工場で計画生産し、世界各国のユーザーに納入しております。また、当社グループでは、短納期出荷、メンテナンス部品の供給などの顧客ニーズに迅速に対応するとともに、用途開発や販売促進のため、一定数量の在庫品を保有しております。これらの事情により保有している在庫品に関して、万が一、市場の著しい変化等が生じ、過剰在庫が発生し、在庫品の評価損、処分損等を計上することになった場合、経営成績に不利益な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、在庫品の状況を注視し、適正な在庫管理を行うなど、過剰在庫等が発生するリスクの軽減を図っております。

 

新型コロナウイルス感染症に関するリスク

新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延に伴い、投資マインドの冷え込みによる業績の悪化や、製品供給体制に悪影響を与える可能性があります。

当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に安全で衛生的なプラスチック容器を求める声が高まっていることを受け、生活必需品に根差した当社製品への需要は底堅く推移すると見込んでおります。コロナ禍において事業規模の拡大を見据えた戦略的施策を実施してまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(以下、当期)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界各地で経済活動が縮小した結果、景気が急速に悪化しました。我が国経済も同様に、緊急事態宣言の発令を受け、消費や生産活動が停滞したため、雇用環境や企業収益が急激に悪化しました。足元では、国内外で経済活動が再開され、輸出や生産活動に回復の兆しが見られるものの、新型コロナウイルス感染再拡大の懸念や米中貿易摩擦の再燃など、景況感は依然として先行き不透明な状況にあります

当社グループの属するストレッチブロー成形機業界におきましては、世界的なサプライチェーンの混乱や、大規模展示会の開催中止など、事業活動への一時的なマイナス影響はあるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医薬品や衛生品などのウイルス対策用品や、食料・飲料及び日用品などの生活必需品といった、エッセンシャル・ビジネスとしての需要は底堅いものがあります

 

こうした環境下、当社グループは「人と社会に豊かさを提供する」「高い技術、サービスで恒久的な存続を追求する」との経営理念に基づき、中長期的な成長発展方針を継続し、事業規模の拡大を見据えた各種戦略的施策の展開に注力しました。

技術面では、各種技術開発に積極的に注力しております。当社の得意領域である、高品質・高付加価値生産が特徴のワンステップ成形機の優位性を高める「ゼロ・クーリングシステム」の更なる進化を図り、既存製品の機能向上に努めました。また、ツーステップ市場でのシェア拡大を企図するため、高品質・高付加価値の強みを活かしながら、量産性も追求する新型機の開発を強化しております。さらに、容器用途の多様化を可能とする画期的な二層成形法を確立し、新型機を開発しました。これは、2種類の材料の組み合わせや使用比率等を容器用途に応じて変更できる技術で、内外層に別々の材料や外層にリサイクル材料を使用することで、容器の物性強度やデザイン性、環境性を高めることができる非常に有望な技術です。

販売面では、ドイツで開催された世界最大のプラスチック展示会(K2019)に出展し、ゼロ・クーリングシステム搭載機や環境対応技術を披露することで、顧客から高い評価を得ました。また、高品質な中小型容器の大量生産を得意とする1.5ステップの大型機が順調に受注を獲得しました。さらに、安全で衛生的なプラスチック容器に対する需要の高まりを受け、世界中から引き合いが増加しており、顧客と市場の幅を着実に広げました。

生産面では、当社の主力工場のあるインドにおける全国的なロックダウンを受け、インド工場での生産活動を約1か月間停止しましたが、現在は操業を再開し、出社人数に制限のある中で改善活動を進めた結果、稼働率は平常レベルまで回復しております。また、前期から進めておりますインド工場への金型生産設備の追加導入に関しましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響でスケジュールが遅延したものの、年内完了を目途に導入作業を再開しております。

環境対応技術では、「3R+Renewable」への取り組みを継続し、「材料使用量の削減」、「PETボトルリユースの提案」、「リサイクル材料の使用促進」、「バイオプラスチックのボトル成形」などのソリューションを提供することで、環境配慮型の技術提案を強化しております。

また、顕彰としては、経済産業省認定の2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されました。これは、世界市場のニッチ分野で勝ち抜いている企業や、サプライチェーン上で重要な部素材等の事業を有する企業を経済産業省が選定するもので、業界のリーディングカンパニーとしての当社の高いシェアと利益率、技術力等が評価されたものです。これにより、更なる知名度向上や国内外での事業展開に対しての経済産業省のサポートが期待できます。これを機に、今後もより一層、グローバル企業としての企業価値向上に努めてまいります。

 

販売成績につきましては、ゼロ・クーリングシステムの市場浸透に加え、安全で衛生的なプラスチック容器の需要の高まりを受け、欧米を中心に引き合いが好調に推移した結果、当期の受注高は34,248百万円(前期比131.4%)と全製品で増加し、過去最高を記録しました。同様に、当期末の受注残高は15,471百万円(前期末比162.7%)を確保し、過去最高水準となりました。売上高については、インド工場の一時的な生産停止があったものの、早期に立ち上げを終え復旧に成功した結果、第4四半期においては過去最高水準の売上を記録し、最終的には27,254百万円(前期比104.3%)と3期振りに増収転換しました。

 

利益面につきましては、増収効果に加え、前期に計上した工場集約費用の減少や、新型コロナウイルス感染拡大の影響による各種販売費用の減少等により、売上総利益は12,340百万円(同106.0%)、営業利益は4,850百万円(同112.7%)、経常利益は4,669百万円(同111.4%)とそれぞれ増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、インド税制改正の影響による繰延税金負債の減少もあり、4,239百万円(同134.4%)と大幅増益となりました

 

当期における損益の状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

売上総利益

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

前期

26,129

11,640

4,304

4,193

3,154

当期

27,254

12,340

4,850

4,669

4,239

前期比

104.3%

106.0%

112.7%

111.4%

134.4%

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

なお、当期より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

セグメント(地域)別売上高状況

(単位:百万円)

 

米州

欧州

南・西アジア

東アジア

合計

前期

6,615

5,459

9,414

4,640

26,129

当期

8,115

5,770

7,562

5,806

27,254

前期比

122.7%

105.7%

80.3%

125.1%

104.3%

 

セグメント(地域)別利益

(単位:百万円)

 

米州

欧州

南・西アジア

東アジア

合計

前期

763

869

1,447

3,570

6,650

当期

1,257

760

588

4,007

6,613

前期比

164.6%

87.4%

40.7%

112.3%

99.4%

 

イ.米州

消毒液や生活必需品等の容器需要の高まりを受け、北米及び中米市場での引き合いが回復したため、地域全体の売上高は8,115百万円(前期比122.7%)と増収となりました。セグメント利益も、増収効果に加え、前期に売上債権に対して計上した貸倒引当金が当期において戻入となったことにより、1,257百万円(同164.6%)と増益となりました

ロ.欧州

欧州各国での経済活動再開後は引き合いが順調に推移したため、地域全体の売上高は5,770百万円(前期比105.7%)と増収となりました。一方、セグメント利益は展示会費用の増加等により760百万円(同87.4%)と減益となりました

ハ.南・西アジア

主要国でのロックダウン等の影響が長引き、各国市場が低調に推移したため、地域全体の売上高は7,562百万円(前期比80.3%)と減収となりました。セグメント利益も、売上規模の減少や、インド工場の生産停止等の影響により、588百万円(同40.7%)と減益となりました

ニ.東アジア

主要市場の日本と中国において大型機の引き合いが活況であったため、地域全体の売上高は5,806百万円(前期比125.1%)と増収となりました。セグメント利益も前年度に計上した工場集約費用の減少や、グループ会社向けの採算性の向上等の影響により、4,007百万円(同112.3%)と増益となりました

財政状態の分析

当期における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

流動資産

固定資産

流動負債

固定負債

純資産

前期末

31,006

14,845

7,846

9,175

28,829

当期末

42,020

15,879

11,783

14,731

31,384

 

当期末の流動資産は、前期末と比べ11,014百万円増加し、42,020百万円となりました。また、固定資産は、前期末と比べ1,033百万円増加し、15,879百万円となりました。この結果、当期末の資産合計は、前期末と比べ12,047百万円増加し、57,899百万円となりました。

流動負債は、前期末と比べ3,936百万円増加し、11,783百万円となりました。また、固定負債は、前期末と比べ5,556百万円増加し、14,731百万円となりました。

純資産は、前期末と比べ2,554百万円増加し、31,384百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前期末に比べ10,763百万円増加し、19,199百万円となりました。

当期における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

営業活動による

キャッシュ・フロー

投資活動による

キャッシュ・フロー

財務活動による

キャッシュ・フロー

現金及び現金同等物

の期末残高

前期

2,049

△959

△652

8,435

当期

8,690

△1,895

4,131

19,199

 

イ.営業活動によるキャッシュ・フロー

前受金の増加や税金等調整前当期純利益の計上による資金の増加により、営業活動の結果増加した資金は8,690百万円(前期:2,049百万円の収入)となりました。

ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー

インド工場の金型生産設備や千曲川工場への設備投資に係る支出があり、投資活動の結果支出した資金は1,895百万円(前期:959百万円の支出)となりました。

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー

事業資金の借入により、財務活動の結果増加した資金は4,131百万円(前期:652百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

南・西アジア

11,756

75.4

東アジア

12,168

107.5

合計

23,924

88.9

 

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.当期より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

ロ.受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

米州

11,483

152.1

5,628

222.1

欧州

7,369

131.1

3,475

182.1

南・西アジア

8,919

108.8

4,000

127.6

東アジア

6,475

138.2

2,367

122.7

合計

34,248

131.4

15,471

162.7

 

(注) 当期より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

ハ.販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

米州

8,115

122.7

欧州

5,770

105.7

南・西アジア

7,562

80.3

東アジア

5,806

125.1

合計

27,254

104.3

 

(注) 当期より報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比は変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や現況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況」「1 連結財務諸表等」「(1)連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、感染再拡大の懸念など、引き続き先行き不透明な状況が予想されますが、現時点では、会計上の見積りに及ぼす重要な影響はないと判断しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容

イ.経営成績等

a.財政状態

・流動資産

当期末における流動資産の残高は、42,020百万円(前期末31,006百万円)となり、前期末と比べ11,014百万円の増加となりました。これは現金及び預金が増加したことが主な要因であります。

・固定資産

当期末における固定資産の残高は、15,879百万円(前期末14,845百万円)となり、前期末と比べ1,033百万円の増加となりました。これは機械装置及び運搬具、建設仮勘定が増加したことが主な要因であります。

・流動負債

当期末における流動負債の残高は、11,783百万円(前期末7,846百万円)となり、前期末と比べ3,936百万円の増加となりました。これは支払手形及び買掛金、前受金が増加したことが主な要因であります。

・固定負債

当期末における固定負債の残高は、14,731百万円(前期末9,175百万円)となり、前期末と比べ5,556百万円の増加となりました。これは長期借入金が増加したことが主な要因であります。

・純資産

当期末における純資産の残高は、31,384百万円(前期末28,829百万円)となり、前期末と比べ2,554百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上など主な要因であります。

 

b.経営成績

・概要

当期の経営成績の概要は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

・製品別売上高

当期における製品別売上高状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

ストレッチブロー

成形機

金型

付属機器

部品その他

合計

前期

13,878

7,520

1,720

3,009

26,129

当期

15,928

6,467

1,802

3,056

27,254

前期比

114.8%

86.0%

104.7%

101.6%

104.3%

 

製品別の売上高状況につきましては、ゼロ・クーリングシステム搭載機を始めとした製品競争力の強化や、高品質な中小型容器の大量生産を得意とする新型機の販売等により、ストレッチブロー成形機が15,928百万円(前期比114.8%)、付属機器が1,802百万円(同104.7%)、部品その他が3,056百万円(同101.6%)とそれぞれ増収となりました。一方、金型については、インド工場での生産一時停止の影響を受け6,467百万円(同86.0%)と減収となりました

 

・売上総利益

増収効果に加え、前期に計上した工場集約費用の減少等により、売上総利益は12,340百万円(前期比106.0%)と増益となりました

・営業利益

売上総利益の増加に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界各地の展示会中止、商談のための出張制限などにより、販売費用が減少しました。その結果、営業利益は4,850百万円(前期比112.7%)と増益となりました

・経常利益

営業外収益は前期比横ばいとなりましたが、営業外費用は、訴訟関連費用が通期を通して発生したことにより増加したため、前期比増加となりました。但し、営業利益増加の影響が大きく、経常利益は4,669百万円(前期比111.4%)と増益となりました

・親会社株主に帰属する当期純利益

特別利益において、設備投資に係る補助金収入と保険差益を計上する一方、特別損失においては、新型コロナウイルス感染症による損失を計上しました。これは、インド国によるロックダウン命令により、インド工場で一定期間の操業停止を含む異常な操業度の低下が発生したため、当該影響額を特別損失として計上したものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は5,004百万円(前期比115.9%)となりました。

更に、インド税制改正の影響による繰延税金負債の減少により法人税等の金額が減少したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は4,239百万円(前期比134.4%)と大幅増益となりました。

 

c.キャッシュ・フローの状況

当期のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」「② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要の主なものは、生産活動に必要な材料費、外注費及び労務費等の製造費用や、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用、また生産活動を支えるための設備の新設、及び維持更新投資であります。特に、設備の新設については、将来の規模拡大に備えるため、積極的に実施してきました

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入れにより資金調達を行っております

また当連結会計年度におきましては、上記に加え新型コロナウイルス感染症拡大により生じる不透明な状況に備え、手元流動性を高める必要性も考慮し、金融機関より総額7,000百万円の新規調達を実施しました

なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は15,354百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は19,199百万円であります。

 

ハ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」「(2)業界構造、市場環境及び経営環境」「④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。

なお、当期における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

売上総利益

営業利益

経常利益

前期

26,129( 100.0%)

11,640(  44.5%)

4,304(  16.5%)

4,193(  16.0%)

当期

27,254( 100.0%)

12,340(  45.3%)

4,850(  17.8%)

4,669(  17.1%)

増減

1,125(  - )

699(  6.0%)

545( 12.7%)

476( 11.4%)

 

(注) 前期及び当期の(  )内は売上高比率を記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度(以下、当期)においては、顧客ニーズに対応し、製品競争力の強化を図るため、積極的に研究開発活動を行った結果、当期の研究開発費用は979百万円と過去最高を記録しました。

具体的な活動内容としては、まず、当社製ワンステップ機の特徴である多品種・高品質・高付加価値の強みを活かしながら、量産性を追求する新型機の開発に注力しております。これによりツーステップ機が進出できない量産市場の開拓を図ってまいります。

次に、当社の主力技術であるゼロ・クーリングシステムの更なる改良を進めております。ゼロ・クーリングシステムは、既に当社の主力製品であるASBシリーズの標準仕様として販売しておりますが、容器用途や樹脂材料の選択肢を更に広げることで、一層の市場浸透を図ってまいります。

更に、新しい容器市場の開拓のため、二層容器やリターナブル・リフィラブル容器等の開発を進めております。これらの容器はリサイクル材料の使用や、PETボトルリユースの促進にもつながる環境配慮型容器でもあります。当社ではこの他にも「3R+Renewable」をテーマにした環境配慮型技術の開発に幅広く取り組んでおり、将来の環境容器市場の立ち上げに向けて積極的に研究開発を行ってまいります。

 

当社グループの研究開発活動は、その全てを当社(東アジアセグメント)が行っております。また、当期末における知的財産権の総数は、出願中の件数を含め、国内外で895件であります。