第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献すること」を使命としております。そして企業規模を追求するだけではなく、自動認識ソリューション事業を通じて、情物一致により「正確・省力・省資源・安心・環境・感動」という顧客価値を創出することで、「変わりゆく社会から必要とされ続け、最も信頼される会社になること」、更には「自動認識ソリューション事業で世界ナンバーワンになること」をビジョンに掲げています。

 

 

(2)当社グループのスローガンを刷新

1940年の創業から80周年を迎える新年度の始まりを機に、当社グループのスローガンを刷新いたしました。新スローガン「Powered On Site」は、「現場が私たちの力の源である」という意味を持ちます。さまざまな業種・業態のお客さまの現場(On Site)で、課題の本質を自らの目と耳で確かめ、捉えることで改善・改革のソリューション提案を行ってきた当社グループの不変のこだわり、「現場起点」の姿勢を一言で表しています。当社は新スローガンを掲げ、課題解決のための創意工夫から生まれるソリューションを世界で展開することにより一層注力してまいります。

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(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループは、前期に策定した中期経営計画の経営方針や成長戦略を引き続き踏襲し実行しております。現在世界では、サプライチェーンの複雑化や安心・安全への希求、深刻化する人口問題への対応などの社会課題に対して、IoTやAIなどの技術革新による解決が求められています。サトーグループにとって大きな成長機会となるこうした外部環境の変化の中で、幅広い市場、業界において、現場起点のグローバル・ソリューション・プロバイダーへと飛躍することがサトーグループの目指す姿です。

 

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経営方針として、成長ポテンシャルの高い自動認識ソリューション事業に引き続き経営資源を傾け、戦力の最大化を実現し、持続可能な成長力と収益基盤をより強固なものにしてまいります。お客様の現場ごとの課題を捉え、最適な消費やサービスを組み合わせる「コト売り」と、市場・業界別のビジネス・パートナーとの提携強化により、現場起点のグローバルソリューションプロバイダーを目指してまいります。また、消費者購買行動の多様化やデジタル化が進行している消費財市場における価値創造を企図したB2B2Cの新ビジネスを創出し、本業の持続可能な成長につなげてまいります。

目標達成のための戦略を以下の4施策にまとめ、実行スピードをあげて取り組みます。

 

戦略1(海 外 事 業) 「コト売り」をキーにしてベース事業のさらなる強化・拡大

戦略2(日 本 事 業) 成長ビジネスをより強化してソリューション事業のさらなる拡大

戦略3(ゲームチェンジ) 顧客・消費者志向のイノベーションで新規ビジネスモデルをグローバルに事業化

戦略4( グループ経営 ) ITインフラ、リスクマネジメント体制強化、資本生産性の向上、

             社内バリューチェーンの最適化

 

直近の新型コロナウイルスの感染拡大を含む外部環境の急速な変化をふまえ、経営目標等については現時点で開示しておりません。サトーグループがターゲットとする各市場における新型コロナウイルスの影響による顧客課題を早期に捉え、新たな取り組みを加速させてまいります。

 

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(4)目標とする経営指標及び具体的な取り組み

当社グループは経営指標として、営業利益および売上高営業利益率を重視し、資本生産性の指標としての自己資本利益率(ROE)を上げることで、最終的には1株当たりの企業価値の最大化を追求してまいります。

中期経営計画では上述の各戦略を実行し、最終年度となる2021年度の経営指標として、連結売上高、海外売上高比率、営業利益、営業利益率、EBITDAマージン(※1)、自己資本利益率(ROE)、1人当たり生産性(※2)の向上を目指してまいります。

   (※1)EBITDAマージン =(営業利益+減価償却費+のれん償却費)÷ 売上高

   (※2)1人当たり生産性 = 営業利益(除くのれん償却費・基幹システム減価償却費)÷ 実働人員数

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外部環境にかかわるリスク

①パンデミックについて

足元の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行による世界経済の悪化については、収束の時期や影響度の見通しがたっていないことから、現時点で当社グループの業績に与える影響を合理的に算定することは困難ですが、一定の影響を受ける可能性が高いと考えております。

 

②国内事業について

当社グループは、バーコード、2次元コード、RFIDなどの自動認識技術を媒体としてメカトロ製品、サプライ製品、ソフト技術等を総合的に組み合わせ、お客様に最適なソリューションを提供する事業を展開しております。流通小売分野だけでなく、製造、運輸、ヘルスケア、食品加工等様々な業界において、サプライ製品を中心とした事業を展開することにより、景気動向の影響を受けにくい体質を有しているものの、ソリューション営業に必要な付加価値としてのノウハウの蓄積や販売ツールの作成のために販売費及び一般管理費の割合が高いことから、広範且つ深刻な経済変動により、売上高が急減した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

③海外事業について

当社グループは、米州、欧州、アジア・オセアニア等の各地域において、複数の製造及び販売子会社を有しております。これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しております。

・予期しない法律規制の変更

・予期しない政治又は経済要因の発生

・不利な影響を及ぼす税制または税率の変更

・テロ、戦争、自然災害、伝染病、その他の要因による社会的混乱等

 これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

④為替変動の影響について

当社グループは、世界各国で生産、販売活動に取り組んでおり、当社と海外子会社間の取引も複数の外貨建てで行っているため、今後著しい為替変動があった場合には、当社グループの製品の競争力、収益性など業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤サプライチェーンについて

当社グループは、多数の外部取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、これらが何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、コストダウンや製品価格への転嫁が十分にできない場合や、サプライチェーンの寸断によりお客さまへの供給責任が果たせなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(2)事業運営にかかわるリスク

①知的財産権について

当社グループは、知的財産権に関するトラブル回避を目的とした調査や交渉を行い、さらに知的財産権の取得を積極的に進めております。現時点で当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているケースはありませんが、将来的には訴訟等に巻き込まれるリスクがあります。こうした訴訟により当社グループが不利な状況に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

②たな卸資産の廃棄、評価損について

当社グループは、製品や部品の品質・環境基準や在庫管理には充分留意しておりますが、市場動向、技術革新、製品のライフサイクル等の急激な変化により、製品及び仕掛品の評価を見直しする必要性が発生して、たな卸資産の廃棄ならびに評価損の計上等を実施した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

③コンプライアンスについて

当社グループは企業理念の徹底を図ると共に、取締役会において決議された「内部統制システムの基本方針」に基づき業務の適正を確保するための体制を整備し運用しております。また役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④情報セキュリティについて

当社グループは業務の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループは「変わりゆく社会から必要とされ続け、最も信頼される会社になる」、そして「自動認識ソリューション事業で世界ナンバーワンになる」というビジョンを実現するため、2019年度を起点とする新たな3カ年の中期経営計画(2019~2021年度)を策定し、実行に移しております。自動認識ソリューション事業にこれまで以上に経営資源を傾注し、戦力の最大化を実現し、持続可能な成長力と収益基盤をより強固なものにしていきます。そのためにはポテンシャルの高い海外事業に注力し、国・業界ごとの戦略を明確にした上で、日本事業で培った知見・ノウハウを武器に自動認識ソリューション事業をグローバルに展開していきます。

当期におきましては今までに実施した施策が奏功し、自動認識ソリューション事業においては市場別に新規用途提案を拡充し商談を積み上げるも、米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、売上は横ばい、営業利益は減益となりました。また戦略投資を行っている、英国DataLase社を中心としたIDP事業は、研究開発からお客様の評価段階に移行したものの、お客さまからの新たな技術課題の提案により事業化の判断が遅延しています。これに伴い当第4四半期において、固定資産(のれんを含む)の減損損失として、特別損失に約63億円を計上しました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は116,372百万円(前期比100.2%)、営業利益7,461百万円(同97.2%)、経常利益6,571百万円(同86.3%)、親会社株主に帰属する当期純損失1,882百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3,773百万円)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,948百万円増加し、当連結会計年度末は23,379百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、11,259百万円の増加となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益(636百万円)、減価償却費(5,043百万円)、のれん償却額(871百万円)、減損損失(6,397百万円)及び売上債権の減少(1,006百万円)等があった一方で、法人税等の支払額(2,872百万円)等があったことによるものであります

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,449百万円の減少となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出(2,858百万円)及び無形固定資産の取得による支出(1,045百万
円)等があった一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入(1,456百万円)等があったことによるものであ
ります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,311百万円の減少となりました。

これは主に、長期借入金の返済による支出(977百万円)、配当金の支払(2,393百万円)及びリース債務の返済
による支出(621百万円)等があった一方で、短期借入金の増加(2,683百万円)等があったことによるものであり
ます

 

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

自動認識ソリューション事業(日本)(百万円)

23,689

98.0

自動認識ソリューション事業(海外)(百万円)

25,096

100.1

IDP事業(百万円)

73

155.0

合計(百万円)

48,859

99.1

 (注)1.上記金額は製造原価によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

自動認識ソリューション事業(日本)(百万円)

19,875

152.1

自動認識ソリューション事業(海外)(百万円)

△1,717

△31.3

IDP事業(百万円)

18

35.4

合計(百万円)

18,177

97.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額には消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

d.販売実績

(1)①財政状態及び経営成績の状況」および「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」を参照願います。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における経営成績等の状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは過去の実績や状況を踏まえた上で合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積りや予測を行っており、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析は、前連結会計年度との比較で記載しております。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は66,195百万円(前連結会計年度末は59,367百万円)となり6,827百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加(6,960百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は36,952百万円(前連結会計年度末は48,206百万円)となり11,254百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の減少(1,783百万円)、無形固定資産の減少(8,244百万円)及び投資その他の資産の減少(1,225百万円)等があったことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は41,492百万円(前連結会計年度末は36,904百万円)となり4,587百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加(3,160百万円)及びリース債務の増加(421百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は12,832百万円(前連結会計年度末は14,000百万円)となり1,168百万円減少しました。これは主に、リース債務の増加(562百万円)等があった一方で、長期借入金の減少(1,681百万円)等があったことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は48,823百万円(前連結会計年度末は56,668百万円)となり7,845百万円減少しました。これは主に、利益剰余金の減少(4,279百万円)、為替換算調整勘定の減少(3,294百万円)等があったことによるものであります。

 

 

b.経営成績の分析

当社グループは国内外で自動認識技術とソリューションを組み合わせて、現場の人やモノの動きを情報(データ)化し、的確にITシステムにつなぐことで、お客さまの課題をワンストップで解決する自動認識ソリューション事業を従来から展開しており、加えてIDP技術を中心とした事業の2つを事業領域としています。また、自動認識ソリューション事業は、中期経営計画の戦略上大きく日本事業と海外事業に大別しており、以上のことから「自動認識ソリューション事業(日本)」「自動認識ソリューション事業(海外)」「IDP事業」の3つを当社の報告セグメントとしております。

 

<自動認識ソリューション事業(日本)>

日本事業においては、営業現場でお客さまにプリンタやサプライなどの商品と最適なソリューションを融合し、導入効果を示して課題解決を提案する「コト売り」の強化に、市場・業界別に戦略を立てて取り組んできたことが成果につながり、特に第3四半期累計期間まではソリューション商談の増加によってプリンタやソフトウェアを中心とするメカトロ製品の売上が大きく伸長しました。一方で米中貿易摩擦の影響や消費増税、自然災害による消費低迷の影響を受け、製造業を中心にサプライ製品の売上は前年を下回りました。加えて第4四半期において新型コロナウイルスの影響下での生産活動停滞により商談の延期が発生し、メカトロ・サプライ製品の受注がともに低迷したことで減収減益に転じ、通期では増収減益となりました。このような状況下において、製造業や物流業をはじめとするあらゆる業界で人手不足を背景とした生産性向上や現場の可視化、自動化ニーズが高まっております。今後益々変化・高度化するお客さまそれぞれの現場課題に対し、ソリューション提案力を強化し、安定的な事業の成長を目指してまいります。これらの取り組みにより、売上高73,360百万円(前期比101.3%)、営業利益6,479百万円(同92.8%)となりました。

 

<自動認識ソリューション事業(海外)>

海外事業においては、為替の影響を受け減収、営業利益は微増となりましたが、現地通貨ベースでは増収増益となりました。ベースビジネスは、国別・市場別・業界別にお客さまの現場運用を改善する「モノ(製品)売り」から「コト(ソリューション)売り」への転換を図っております。米州、欧州、アジア・オセアニア各地域で各種施策の成果が出つつありましたが、新型コロナウイルスの影響により減収、現地通貨ベースでは微増となりました。営業利益では、アジア・オセアニア地域において中国向けビジネスの減速に加え、新型コロナウイルスの影響で減益となりましたが、米州、欧州の一部子会社の収益改善も寄与し、全体では微増となりました。プライマリーラベルを専業とする各社においては、ロシアのOKIL社で新規営業開拓が進み増収となりましたが、コスト増や為替の影響等を受け減益となり、全体としても増収減益となりました。これらの取り組みにより、売上高42,648百万円(前期比98.5% [為替影響を除く前期比103.5%])、営業利益2,277百万円(同101.7%)となりました。

 

<IDP事業>

2017年1月に完全子会社化したDataLase社の持つ「インライン・デジタル・プリンティング(IDP)」技術を軸としたIDP事業は、先行投資としてIDP技術に関する研究開発費を計上しました。小売店やブランドと一般消費者のエンゲージメントを促進する同事業は、B2B2Cビジネスを展開していく中で、今後可能性があると期待しています。現在技術開発からお客様の評価段階へ移行し、商業化に向けた実証実験を継続していますが、お客さまからの新たな技術課題の提案により、2019年度中に予定していた事業化の判断を延期しております。以上の状況から前述のとおり減損損失(特別損失)を計上しました。これらの取り組みにより、売上高363百万円(前期比85.0% [為替影響を除く前期比89.4%])、営業損失1,317百万円(前期は営業損失1,421百万円)となりました。

 

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社グループのキャッシュ・フロー経営の方針につきましては、次のとおりであります。

当社グループのキャッシュ・フロー経営の方針は投資を営業キャッシュ・フローの範囲内で行い、投資リターンの最大化を図りながら、フリーキャッシュフローの黒字化の維持を基本としております。また、資金調達に関しては外部からの借入に過度に依存することなく、株主資本比率50%以上を目安としております。当社グループは金融機関に対して十分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の調達は、今後も可能であると考えております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2020年1月17日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社サトー、デザインプロモーション株式会社、サトーインターナショナル株式会社、サトープライマリーラベルインターナショナル株式会社の4社間による合併を行うことを決議し、2020年4月1日をもって当該合併を実行しております。
詳細は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な後発事象)」の注記をご覧ください。

 

 

 

5【研究開発活動】

『驚き』や『感動』をもたらす商品を生み出し続ける世界一のプリンタメーカになるために、下記の取り組みを進めてまいりました。

・ セグメント別シェアの狙えるユニークな商品の開発

・ 設計・製造のコアコンピタンスの確立

・ 細部に拘った商品開発で、作り手、売り手、使い手に商品を通じて感動を与える

 

そして、品質を高め、コストを低減するために以下の施策に取り組みました。

・ 商品企画プロセスの改善と定着により全体最適化を推進する(プロセスの質向上)

・ 戦略テーマの設定と実行によりQCDを達成する

・ 商品ロードマップと連動した技術ロードマップの実行と継続(PDCA)

・ 商品ロードマップに基づく商品化の実現(QCD+要件の達成)

・ 設計/部品の標準化

 

 

このような研究・開発活動の結果、電子プリンタやハンドラベラーといったメカトロ製品においては新規及びベース事業を伸ばすために、製品をタイムリーに投入してまいりました。

また、サプライ製品につきましても素材の研究、新技術の応用で耐熱、耐薬品、耐磨耗に優れ、高密度、高精細印字に適したシール・ラベル、カーボンリボンなどの新製品開発、供給が可能となっております。

合わせて、地球環境に優しい製品開発を目指した省資源・省力化を進めるとともに、持続可能な社会への貢献に向けて安心・環境保全を追及する基礎研究開発を行っております。

さらに、周辺機器との連携を可能にし、より効率的に自動認識システムを活用できるソフトウエアの開発にも注力し、新規市場を開拓するための総合力を培ってまいります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は3,377百万円であり、主に自動認識ソリューション事業(日本)で発生しております。