第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは「優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献すること。」を使命としております。そしてあらゆるものを情報化し、そのデータを利活用することで、「正確、省力、省資源、安心・安全、環境、感動」という価値を創出し、「お客さまに最も信頼され、お客さまと共に成長し、変わりゆく社会から必要とされ続ける会社になること。」をビジョンに掲げています。

 

(2)「自動認識ソリューション」で持続可能な社会の実現に貢献

当社グループの本業である「自動認識ソリューション」とは、多様な市場・業界において現場の人やモノに情報を付ける「タギング」でリアルタイムに情報を吸い上げ、必要とされる価値あるデータに転換してお客さまの基幹システムや社会の基盤に届けるビジネスです。これにより人やモノの動きが可視化されてトレース(追跡)可能な状態となり、個々の現場やサプライチェーンを最適化する打ち手が見えてきます。

さらに、サプライチェーン全体に対して、IDデータに加えて位置や温度といった状態データ(何が、どこで、どのような状態か)の取得・蓄積による見える化によって、社会の動きを最適化するお手伝いをし、持続可能な社会の実現に貢献する「Tagging for Sustainability」、そしてブランドステートメント「あらゆるものを情報化して、社会のうごきを最適化する。」の実現を目指します。

 

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(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループは、ビジョン実現のため、直近の事業内容、外部環境の変化ならびに当期の業績をふまえ、経営方針や成長戦略及び経営目標等を定めた3カ年の中期経営計画2021年度~2023年度(以下、本中計)を策定し、実行に移しております。

本中計は、現ビジネスモデル「DCS & Labeling」での取り組み成果の実現と、長期的には「Tagging for Sustainability」へとビジネスモデルを進化させるための投資期間と位置付けています。その達成に向け、本中計では、国・市場・業界それぞれのサプライチェーンにおいて、ビジネスを拡大していくための「①地域別・市場別成長戦略」、タギング技術を高度化して①を後押しする「②技術イノベーション」、そしてそれらを支える「③ESG経営の強化」の3つを柱に掲げて取り組みを推進しています。

 

①地域別・市場別成長戦略

人口動態や長引くコロナ禍に加え、サプライチェーンの混乱やインフレーション、さらには地政学リスクなどにより、社会や産業構造は大きく変わりつつあります。こうした変化は、当社グループにとってコスト上昇などネガティブな影響がある一方、DCS & Labelingによる省人化や省力化、見える化に対する需要増という好影響をもたらしています。地域や市場の実情に即し、これらお客さまのニーズを満たすべく取り組みを進めています。

海外事業では「持続的な収益成長に向けた経営基盤の確立」に取り組みます。海外では、これまで取り組んできた営業戦略が一定の成果を収めています。今後、この状態を維持して持続的、安定的に収益を伸ばすことが重要なことから、経営基盤の確立を進めます。具体的には、ポートフォリオの観点で各子会社の経営実態とめざすべき事業形態のギャップを検証し、経営資源を配分していきます。

日本事業では、「全員営業シフトでトップライン伸長・粗利改善」に取り組みます。日本ではバーコード以外にも、RFIDや位置測位、センシングなどの新たな技術を活用したソリューションの創出が進む一方で、これらは商談の高度化・長期化を招いています。これに対して、「売り方の改革」「キラーコンテンツの強化」「バリューチェーンの最適化」「コスト低減」の4つに取り組むことで、生産性を高めて一人当たりの売上高・営業利益を向上させます。

 

②技術イノベーション

「DCS & Labelingの底上げ」を起点に、下図縦軸方向の今の強みを磨いていく「タギングの高度化とデータプラットフォーム整備」に取り組みます。横軸は、サトーにとってのイノベーションとなりますが、ラベル以外の新たな媒体を開発していきます。そして右上の社会や業界のサプライチェーンの最適化に貢献するSaaS型ソリューション提供へと昇華させます。

 

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DCS & Labelingの底上げ:キラーコンテンツ創出や共通解化により、DCS & Labelingを確たるものとします。

タギングの高度化とデータプラットフォーム整備:私たちの最大の強みであるタギング技術の強化に向け、ラベル貼り付けの自動化などを進めます。さらにタギングデータの蓄積に向け、独自のデータプラットフォームの整備にも力を入れます。

媒体強化 (タギング、ロギング、センシング):差異化RFIDをはじめ、独自の媒体開発を強化し、多様な情報化を実現します。イノベーションラボを中心に、これらの開発を進めます。

 

そして最終的に、私たちならではの情報化、つまりデータを活かしたSaaS型ソリューションの提供を実現させます。上位のプラットフォーマーなどとの共創を念頭に、付加価値の高い独自ソリューションの開発などに取り組み、いわゆるデータエコシステム型社会を下支えする存在をめざします。

 

③ESG経営の強化

DCS & Labelingに磨きをかけ、さらにはTagging for Sustainabilityへとビジネスモデルを進化させることで社会と事業の持続可能性を追求する私たちにとって、「イノベーションを生み出す組織文化」の醸成が重要です。

社是「あくなき創造」の精神を受け継ぎ、果敢に挑戦する社員が主体的に活躍する会社をめざし、スローガン「Our Way to Our 100th」を掲げて企業風土の改革に着手しました。当社には、日常の職場で起こる「小さな変化、改善」を喜ぶ文化が根付いています。社員から経営トップへの会社を良くする提案の日報「三行提報」などがその好例ですが、2022年度は風土改革の新たな取り組みとして「上司宛て提報」を開始しました。直属の上司宛てにアイデアを提案し、実現可能なものをよりスピーディに実践することで、「自分たちの力で会社を変えられる」という実体験が可能となります。この積み重ねで、「小さな変化が当たり前に起こっていく」組織にしていきます。こうした文化を発展させ、多様なメンバーそれぞれの主体性・創造性・情熱を刺激してイノベーションを生み出す土壌づくりを進めます。

さらに東京証券取引所のプライム市場上場企業として、改訂コーポレート・ガバナンスコードへの対応などESG経営を強化し、ステークホルダーからの信頼をさらに高めていく所存です。

 

(4)目標とする経営指標及び具体的な取り組み

当社グループは経営指標として、営業利益及び売上高営業利益率を重視し、資本生産性の指標としての投下資本利益率(ROIC)を上げることで、企業価値の最大化を追求してまいります。

本中計では上述の各戦略を実行し、重要な経営指標として、連結売上高、海外売上高比率、営業利益、営業利益率、EBITDAマージン(※1)、投下資本利益率(ROIC)、1人当たり生産性(※2)の向上を目指してまいります。

 (※1)EBITDAマージン =(営業利益+減価償却費+のれん償却費)÷ 売上高

 (※2)1人当たり生産性 = 営業利益(除くのれん償却費・基幹システム減価償却費)÷ 実働人員数

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)外部環境にかかわるリスク

① 国内事業について

 当社グループは、バーコード、2次元コード、RFIDなどの自動認識技術を媒体としてメカトロ製品、サプライ製品、ソフト技術等を総合的に組み合わせ、お客様に最適なソリューションを提供する事業を展開しております。流通小売分野だけでなく、製造、運輸、ヘルスケア、食品加工等様々な業界において、サプライ製品を中心とした事業を展開することにより、景気動向の影響を受けにくい体質を有しているものの、ソリューション営業に必要な付加価値としてのノウハウの蓄積や販売ツールの作成のために販売費及び一般管理費(以下、販管費)の割合が高いことから、広範且つ深刻な経済変動により、売上高が急減した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外事業について

 当社グループは、米州、欧州、アジア・オセアニア等の各地域において、複数の製造及び販売子会社を有しております。これらの海外市場への事業進出には以下のようなリスクが内在しております。

 ・予期しない法律規制の変更

 ・予期しない政治又は経済要因の発生

 ・不利な影響を及ぼす税制または税率の変更

 ・テロ、戦争、自然災害、伝染病、その他の要因による社会的混乱等

 これらの事象が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 補足事項:

 2022年2月24日に発生したロシアによるウクライナ侵攻を受けて、当社グループではロシア向け取引及び同国内における事業に関しての対応方針及び業績見込みについて検討し、同3月15日に当面の対応方針として、欧州販売子会社よりのロシア向け取引は停止、子会社を通じての同国内事業は状況を引き続き注視し、あらゆる選択肢を排除せず、今後の対応について引き続き検討することを開示いたしました。なお、刻一刻と情勢の緊迫感が増す中で先行きの不透明感が非常に強い状況であることから、2023年3月期の業績計画、及び以降の経営計画にロシア事業は含めておりません。今後の情勢変化に伴い、当社グループ業績に大きな影響が見込まれる場合は、速やかに開示してまいります。

 

③ サプライチェーンについて

 当社グループは、多数の外部取引先から原材料、部品等を調達しておりますが、これらが何らかの理由により当社グループが計画していた数量や価格で入手できず、コストダウンや製品価格への転嫁が十分にできない場合や、サプライチェーンの寸断によりお客さまへの供給責任が果たせなくなった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 補足事項:

 2022年3月期において、サプライチェーン混乱等に起因したプリンタ部材の調達難、ラベル原材料価格の高騰、船便から空輸への変更による輸送コストの上昇等に伴い、期初想定外の連結営業利益へのネガティブ・インパクトが約3,000百万円発生しました。当社グループでは、コスト増加分の製品販売価格への転嫁を海外・国内において進め、また販管費の効率執行を推進し、ネットでのネガティブ・インパクトを約1,000百万円まで抑制しました。

 今後もサプライチェーン混乱の収束には時間を要すると見ていますが、当社グループではお客さまへの供給責任を果たすために追加で発生したコストの価格転嫁や更なるコストダウン、販管費の効率執行を推進し、当社グループの経営成績及び財務状況等への影響を極力軽減すべく取り組んでまいります。

 

④ 為替変動の影響について

 当社グループは、世界各国で生産、販売活動に取り組んでおり、当社と海外子会社間の取引も複数の外貨建てで行っているため、今後著しい為替変動があった場合には、当社グループの製品の競争力、収益性など業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ パンデミックについて

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、当社グループでも一部国・市場においてロックダウンによる売上の減少やプリンタ工場の稼働率低下等の影響を受けました。当社グループでは、従業員及びご家族の健康と安全を第一に考えつつ事業活動の継続と収益の回復に努めてまいりました。しかしながら同感染症は未だ収束時期の見通しが立っておらず、今後、更に感染が拡大、または深刻化、長期化した場合は当社グループの業績及び経営に更なる影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 気候変動の影響について

 当社グループは、気候変動が社会全体に与える影響の大きさを認識するとともに、この問題への対応を重要な経営課題の一つと捉え、金融安定理事会が設立した「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に対して2021年に賛同を表明し、提言を踏まえた気候変動への対応に努めています。当社グループでは、パリ協定努力目標の1.5℃シナリオ、及び気候変動対策・規制等が進まない4.0℃シナリオに基づき、中長期(2030年、2050年)のお客さまの業界、及び当社グループが所属する自動認識ソリューション業界の世界観を描き、当社グループへの影響を考察しています。

 何れのシナリオにおいても、原材料コストの増加(排出規制や電化推進に伴う希少資源等の需要増、循環型材料の採用、森林資源の枯渇等に起因するコスト増加)が当社グループの事業及び財務へのインパクトが大きいと想定されます。また、4.0℃シナリオにおいては、物理的リスク対応費用(異常気象や自然災害の影響による設備の復旧コスト、渇水による水資源のコスト等の増加)によるインパクトが大きいと想定されます。

 当社グループでは、想定されるリスクに対して対応策の検討・導入を進めるとともに、環境配慮型商品及びソリューションの開発をはじめとする気候変動に伴うビジネス機会への対応も並行して進めることにより、当社グループとしてのレジリエンスの向上に努めてまいります。

 

(2)事業運営にかかわるリスク

① 知的財産権について

 当社グループは、知的財産権に関するトラブル回避を目的とした調査や交渉を行い、さらに知的財産権の取得を積極的に進めております。現時点で当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているケースはありませんが、将来的には訴訟等に巻き込まれるリスクがあります。こうした訴訟により当社グループが不利な状況に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

② 棚卸資産の廃棄、評価損について

 当社グループは、製品や部品の品質・環境基準や在庫管理には充分留意しておりますが、市場動向、技術革新、製品のライフサイクル等の急激な変化により、製品及び仕掛品の評価を見直しする必要性が発生して、棚卸資産の廃棄ならびに評価損の計上等を実施した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況等に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンプライアンスについて

 当社グループは企業理念の徹底を図ると共に、取締役会において決議された「内部統制システムの基本方針」に基づき業務の適正を確保するための体制を整備し運用しております。また役員・社員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報セキュリティについて

 当社グループは業務の一環として、個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報について、サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生した場合、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、法的罰則等により、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 商品・ソリューションの品質について

 当社グループは、優れた製品・サービスでお客さまの新たな価値を創造し、より豊かで持続可能な世界社会の発展に貢献することを使命とし、自社製品の設計、部材調達、製造から製品検査・出荷に至るまで全ての関係部門が製品品質及び安全性の検証体制を構築しています。また、お客さまへの保守サービス提供を通じて、ご使用中の製品の品質と安全に係る大きな不具合発生の未然防止に努めています。しかしながら、コト売り(商品の単品売りではなくハードウェアやサプライ、保守サービス、ソフトウェア等を組み合わせたソリューションを提案する売り方)の浸透・進化を通じて、他社製品の仕入れや個別開発ソフトウェアの増加・高度化等に伴い、商品・ソリューションの品質や安全性に対して不確実性が増しており、想定外の品質問題の発生も起こり得ます。こうした場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当期におきましては、期初に想定していなかったプリンタやラベルの原材料価格の高騰や、サプライチェーンの混乱によるコスト増などの影響を受けたものの、日本事業、海外事業ともに既存顧客からの需要の回復傾向が継続したことや、コロナ禍においても好調な市場・業界に注力し、業界別の新規用途提案を拡充し商談を積み上げた結果、連結の売上高、営業利益ともに前年、計画を上回りました。また、連結売上高は過去最高となりました。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は124,783百万円(前期比114.4%)、営業利益6,404百万円(同109.5%)、経常利益6,057百万円(同109.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,794百万円(同29.3%)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比で減益となっているのは、2021年3月期連結会計年度において旧本社不動産の譲渡に伴う特別利益を計上したこと等によるものです。

前述のとおり、サプライチェーンの混乱などに端を発するコスト増などの影響を受けながらも、調達や製造、設計面で供給努力を継続し、売上を積み上げる形で計画の連結営業利益6,400百万円を達成した結果、営業利益率及びEBITDAマージンは前年、計画を下回るそれぞれ5.1%、8.7%となりました。また同様の理由で、連結の投下資本利益率(ROIC)は、増収効果で投下資本回転率は回復したものの、税引後営業利益率が低下したため、前年から横ばいの5.8%となりました。

当連結会計年度末の資産につきましては、流動資産の残高が81,950百万円(前連結会計年度末は74,641百万円)となり7,309百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加(2,718百万円)と原材料及び貯蔵品の増加(4,456百万円)等があったことによるものであります。固定資産の残高は38,054百万円(前連結会計年度末は34,671百万円)となり3,383百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の増加(3,084百万円)、無形固定資産の減少(100百万円)及び投資その他の資産の増加(399百万円)等があったことによるものであります。

負債につきましては、流動負債の残高が42,071百万円(前連結会計年度末は36,988百万円)となり5,083百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(1,503百万円)、契約負債の増加(1,284百万円)及び未払金の増加(1,625百万円)等があったことによるものであります。固定負債の残高は13,426百万円(前連結会計年度末は12,862百万円)となり563百万円増加しました。これは主に、リース債務の増加(516百万円)等があったことによるものであります。

純資産につきましては、当連結会計年度末における残高が64,508百万円(前連結会計年度末は59,462百万円)となり5,045百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加(1,281百万円)とその他の包括利益累計額中の為替換算調整勘定の増加(3,037百万円)等があったことによるものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,439百万円減少し、当連結会計年度末は19,140百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、3,302百万円の増加となりました。

 主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,963百万円、減価償却費4,220百万円及び仕入債務の増加2,557百

万円等であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加6,288百万円、売上債権及び契約資産の増加1,633百万円並びに

法人税等の支払額1,505百万円等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,738百万円の減少となりました。

 主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,550百万円及び無形固定資産の取得による支出1,203百万円等が

 あった一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入150百万円等があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,987百万円の減少となりました。

 主な要因は、配当金の支払2,362百万円及びリース債務の返済による支出1,345百万円等があったことによる

ものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

自動認識ソリューション事業(日本)(百万円)

27,256

104.6

自動認識ソリューション事業(海外)(百万円)

31,149

139.4

合計(百万円)

58,406

120.6

 (注)1.上記金額は製造原価によって表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.当連結会計年度の期首より「IDP事業」のセグメント区分を廃止しております。これは2020年9月15日にIDP事業を担っていた英国DataLase社全株式を譲渡し、同事業から撤退したことによるものであります。これにより、当連結会計年度より「自動認識ソリューション事業(日本)」と「自動認識ソリューション事業(海外)」の2つのセグメント区分となっております。

b.商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

自動認識ソリューション事業(日本)(百万円)

10,231

111.6

自動認識ソリューション事業(海外)(百万円)

7,287

146.5

合計(百万円)

17,519

123.8

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.当連結会計年度の期首より「IDP事業」のセグメント区分を廃止しております。これは2020年9月15日にIDP

      事業を担っていた英国DataLase社全株式を譲渡し、同事業から撤退したことによるものであります。

      これにより、当連結会計年度より「自動認識ソリューション事業(日本)」と「自動認識ソリュー

      ション事業(海外)」の2つのセグメント区分となっております。

c.受注実績

受注は販売と概ね連動しているため、記載は省略しております。

 

d.販売実績

「(1)①財政状態及び経営成績の状況」及び「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」を参照願います。

 

 

(2)経営者視点による経営成績等の状況に関する分析・検討

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項については、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。

 詳細については、「第5 経理の状況  1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。見積りについては、過去の実績や適切な仮定に基づいて合理的な判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

 

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度の財政状態の分析は、前連結会計年度との比較で記載しております。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は81,950百万円(前連結会計年度末は74,641百万円)となり7,309百万円増加しました。これは主に、商品及び製品の増加(2,718百万円)と原材料及び貯蔵品の増加(4,456百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は38,054百万円(前連結会計年度末は34,671百万円)となり3,383百万円増加しました。これは主に、有形固定資産の増加(3,084百万円)、無形固定資産の減少(100百万円)及び投資その他の資産の増加(399百万円)等があったことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は42,071百万円(前連結会計年度末は36,988百万円)となり5,083百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加(1,503百万円)及び未払金の増加(1,625百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は13,426百万円(前連結会計年度末は12,862百万円)となり563百万円増加しました。これは主に、リース債務の増加(516百万円)等があったことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は64,508百万円(前連結会計年度末は59,462百万円)となり5,045百万円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加(1,281百万円)とその他の包括利益累計額中の為替換算調整勘定の増加(3,037百万円)等があったことによるものであります。

 

b.経営成績の分析

当社グループは国内外で自動認識技術とソリューションを組み合わせて、現場の人やモノの動きを情報(データ)化し、的確にITシステムにつなぐことで、お客さまの課題をワンストップで解決する自動認識ソリューション事業を展開しております。自動認識ソリューション事業は、中期経営計画の戦略上、大きく日本事業と海外事業に大別しております。

なお、当期より「IDP事業」のセグメント区分を廃止しております。これは2020年9月15日に「インライン・デジタル・プリンティング(IDP)」技術を中心としたIDP事業を担っていた英国DataLase社の全株式を譲渡し、同事業から撤退したことによるものであります。

以上のことから「自動認識ソリューション事業(日本)」「自動認識ソリューション事業(海外)」の2つを当社の報告セグメントとしております。

 

<自動認識ソリューション事業(日本)>

日本事業においては、メカトロ製品、サプライ製品売上のうち、サプライ製品が先行して回復傾向にあり、コロナ禍以前の2020年3月期の売上高を上回りました。メカトロ製品は前期を上回ったものの、回復には想定より時間を要しています。

市場別では電子部品等の好調業界がけん引したマニュファクチャリング市場、大口案件の貢献や病院の回復がみられたヘルスケア市場、ECや人手不足の需要が旺盛なロジスティクス市場が前期比で伸長し、全体の増収に寄与しました。

また、メカトロ製品及びサプライ製品の原材料コストや輸送コストの上昇、中期経営計画に沿った研究開発費等の成長投資に関わる費用の増加等により、営業利益は前年を下回りました。

これらの取り組みにより、売上高72,287百万円(前期比105.4%)、営業利益2,372百万円(同73.6%)となりました。

 

<自動認識ソリューション事業(海外)>

海外事業においては、旺盛な需要を確実に捉え、サプライ製品の原材料高や、メカトロ製品の部材コスト上昇の影響を吸収し、加えてサプライ製品を中心に価格転嫁も進んだことから、売上・営業利益ともに、計画を上回り過去最高を更新しました。

ベースビジネスは、米州ではリテール市場、欧州では食品スーパーや外食、アジア・オセアニアにおいては自動車や電機・電子部品をはじめとする製造業といった注力市場を中心に需要を着実に捉え、各地域において増収増益となりました。当下期以降は、当社プリンタの供給制約の解消やサプライ製品の価格転嫁も進んだことも奏功しました。

プライマリーラベルを専業とする各社においては、引き続き食品や飲料、衛生用品といった生活インフラを支える業界向けのニーズが底堅く、既存ビジネスが伸長し増収増益となりました。

これらの取り組みにより、売上高52,496百万円(前期比130.1% [為替影響を除く前期比123.4%])、営業利益3,978百万円(同148.2%)となりました。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当社グループのキャッシュ・フロー経営の方針につきましては、次のとおりであります。

当社グループのキャッシュ・フロー経営の方針は投資を営業キャッシュ・フローの範囲内で行い、投資リターンの最大化を図りながら、フリーキャッシュフローの黒字化の維持を基本としております。また、資金調達に関しては外部からの借入に過度に依存することなく、株主資本比率50%以上を目安としております。当社グループは金融機関に対して十分な借入枠を有しており、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な資金の調達は、今後も可能であると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

『驚き』と『感動』をもたらす商品を生み出し続ける世界一のプリンタメーカになるために、下記の取り組みを進めてまいりました。

・ 国別、市場別、業界別、用途別のソリューションを展開するユニークな商品の開発

・クラウドサービスとの連携で変化するニーズにタイムリーに対応

・ 設計・製造のコアコンピタンスの確立

・ 細部に拘った商品開発で、作り手、売り手、使い手に商品を通じて感動を与える

 

そして、品質を高め、コストを低減するために以下の施策に取り組みました。

・ お客様ニーズに合致するプリンタ、ソフトウェアを柔軟に組み合わせて提供するためにプリンタ共通プラットフォームの開発を実行する

・メカ・エレキ・ソフト設計プロセスと評価の質を高いレベルで維持する

・新製品・マイナーチェンジにより旧モデルのディスコンを確立する

・サプライとのマッチング品質のプロセスを見直し体系化する

・世界的な半導体供給不足問題の緊急対応及び電子部品EOL(枯渇)問題に対して、One SATOで迅速な対応を行い、お客様への影響を最小限に抑えました。

 

 

このような研究・開発活動の結果、電子プリンタやハンドラベラーといったメカトロ製品においては新規及びベース事業を伸ばすために、製品をタイムリーに投入してまいりました。

また、サプライ製品につきましても素材の研究、新技術の応用で耐熱、耐薬品、耐磨耗に優れ、高密度、高精細印字に適したシール・ラベル、カーボンリボンなどの新製品開発、供給が可能となっております。

合わせて、地球環境に優しい製品開発を目指した省資源・省力化を進めるとともに、持続可能な社会への貢献に向けて安心・環境保全を追求する基礎研究開発を行っております。

さらに、周辺機器との連携を可能にし、より効率的に自動認識システムを活用できるソフトウェアの開発にも注力し、新規市場を開拓するための総合力を培ってまいります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は3,944百万円であり、主に自動認識ソリューション事業(日本)で発生しております。