第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

①会社の経営の基本方針

当社グループは「最高の信用」「最高の技術」「最高の品格」の経営理念のもと、土木建設工事分野における安全性と生活環境に留意した新製品・新技術の開発により社会の繁栄に貢献すると同時に、社会の一員として法令遵守に努め、かつ安定的な適正利益を生み出し続ける事により、株主・取引先・従業員の皆様とともに喜びを分かつ事を基本方針としております。

②目標とする経営指標

当社グループは株主価値を高めるためには株主資本利益率(ROE)の増加による資本効率の向上への努力が重要と認識しております。現在は安定的な収益体質の確立に取り組んでおり、安定的な収益見通しが確立後に目標とする経営指標値を設定したいと考えております。

 

(2) 当社グループの現状の認識及び経営環境

当連結会計年度の業績は特殊工事事業で工期の延期等が発生し、売上が減少した反面、切削機具事業及び工場設備関連事業において自社製品の売上が増加した結果、全体では前連結会計年度に比べ、売上高が1.2%増加しました。利益面におきましては、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ1.2%増加しましたが、売上増により、営業利益及び経常利益は、それぞれ16.4%及び32.9%増加しました。今後は、景気動向に左右されない、安定的な収益体質を確立することが最優先の課題であると考えております。今後の我が国の経済環境は、米中の貿易摩擦の影響、日米貿易協定等の先行きの不確実性、10月の消費税増税等リスク要因はあるものの、国内における雇用・所得環境の改善等が引き続き良好に推移し、景気は穏やかに回復を続けるものと予想されます。当社事業分野においても、耐震・防災対策を中心にインフラの再整備が、また民間の設備投資も継続的に活性化していくものと思われます。また、労働力人口の不足に伴い人口知能の活用や情報通信技術・コンピュータ技術等の活用が進むものと思われます。この様な経済環境の中、当社グループは更なる売上増と安定した黒字化を目指してまいります。特に苦戦を強いられている事業分野の早期黒字化を目指します。以上のようなことを考慮し各事業分野に、以下のとおり対処すべき課題を設定し対応してまいります。

 

(3) 当面の対処すべき課題の内容

①切削機具事業

・既存の切削機具製品類の需要増加に対応します。

・各種土木施設等の改修・耐震対策に使用される機具機材を開発し提供していきます。

・都市部での無電柱化に対応する装置の市場投入を急ぎます。

・土木・建設分野以外にも、蓄積した技術ノウハウを応用し新しい事業分野にも進出します。

・各種機具に使用する消耗品の自社生産も拡大していきます。

②特殊工事事業

・広範囲でかつ大規模な工事受注を志向します。

・施工提案から始めて一貫した施工体制を確立します。

・ゼネコンとの工法の共同開発を進めていきます。

・鉄鋼関連等をはじめとする民間企業からの特殊需要に対応していきます。

・人員の拡充、人材の育成を強化します。

③建設・生活関連品事業

・既存商材及び顧客の囲い込みを進めていきます。

・客先のニーズを捉えた提案営業活動とそれに則した商品開発に努めていきます。

・仕入れルートの効率化、販売体制の効率化等による原価低減を進めていきます。

④工場設備関連事業

・既存顧客へのシェア向上を図っていきます。

・蓄積した技術に基づき、新規顧客開拓を進めていきます。

・効率的な材料調達、効率的な生産体制を確立して原価低減を進めていきます。

・第2工場の稼働率の向上に努めます。

・自社製品以外の商品類の取扱の拡充に努めます。

⑤介護事業

・サービス付高齢者住宅においては、住宅の入居率の向上に努めます。

・生活介護(障がい者支援)事業の安定運営に努めます。

・全体的な意志疎通を図り、従業員の定着率向上に努めます。

・収益性を考慮し、事業所の統廃合等を検討し、速やかに安定的な収益体質の確立を目指します。

⑥IT関連事業

・SE部隊を強化して受注案件の増加を目指します。

・需要のあるWEB系並びにCAD/CAM系の開発能力を高めていきます。

・自社開発の販売管理用パッケージソフトのカスタマイズ化により、売上と利益の確保を図ります。

 

(4) 対処方針

経営会議の中でテーマ別分科会を設定し、各責任者が定期的に会議を開催し、問題点に対処するとともに議論をつくした決定事項を経営会議に図り迅速な判断のもとに課題に対処する所存であります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避に努める所存であります。本項については、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 特殊工事の安全対策及び施工管理者の人手不足について

当社はダイヤモンド切削機具を用いて、耐震工法・免震工法による構造物の切断解体を行っており、特殊工事は重量物の搬送・移動が伴うため工事に際して十分な指導と安全対策を実施しておりますが、工事内容は個々に異なり全ての点で安全を保障できるものではありません。そのために損害保険等に加入するなどの対応をしておりますが当該保険の免責事項や限度額超過に該当する損害が発生した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、建設業界に従事する施工管理者不足が年々問題化しております。労働者不足による人件費の高騰や、人手不足による工事進捗の遅れなど、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品・部品の海外生産による業績への影響について

当社グループは、中国江蘇省南通市に設立した子会社2社において、ダイヤモンド切削関連機具、切削消耗品の製造・販売を行い厳格な品質管理を行っておりますが、中国内で調達する部品等が必要完成度に達していない場合や、当該国の政治的変動や法令の規制等が発生した場合などにより、製造の遅れが発生した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社はダイヤモンド切削機具に関わる工業所有権を有しており、その一部は米国・台湾・韓国等にも登録済みであり、今後も拡大していく方針でありますが、中国をはじめとする新興地域国における申請・登録が、当局の事情等により円滑に進まない場合、将来の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 介護事業の赤字体質からの脱却について

不採算事業所を閉鎖し、赤字体質を脱却する体制を整えましたが、想定通りに事業展開が進まなかった場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります

 

(4) 顧客情報管理について

当社グループは製品・商品の製造・販売及び工事並びに介護事業・IT関連事業における顧客情報を有しております。顧客情報の管理には万全を期しておりますが、万一それらの情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの信用低下により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態

資産、負債及び純資産の状況

(資産)

流動資産は、前連結会計年度に比べて、2億5百万円増加し、55億43百万円となりました。主な要因として、たな卸資産の増加68百万円、その他の増加(主として前渡金)1億30百万円などによるものであります。

有形固定資産は、前連結会計年度に比べて、96百万円減少し、50億17百万円となりました。主な要因は、減価償却費1億34百万円などによるものであります。投資その他の資産は、前連結会計年度に比べて、9百万円増加し、13億19百万円となりました。主な要因として、投資有価証券が10百万円増加したことになどによるものであります。固定資産合計は、前連結会計年度に比べて、91百万円減少し、63億62百万円となりました。

この結果、総資産は、前連結会計年度に比べて1億15百万円増の119億5百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度に比べて、2億11百万円増加し、31億73百万円となりました。主な要因として、短期借入金が76百万円減少したものの、「支払手形及び買掛金」及び「電子記録債務」の増加1億8百万円、未払法人税等の増加16百万円、その他の増加(主として前受金)1億61百万円などによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度に比べて、1億35百万円増加し、12億51百万円となりました。これは主に、長期借入金の増加1億10百万円などによるものであります。なお、長期借入金、短期借入金は合わせて、33百万円増加しました。

この結果、負債合計は、前連結会計年度に比べて3億46百万円増の44億24百万円となりました。

 

(純資産)

純資産合計は、74億81百万円と前連結会計年度に比べて、2億32百万円減少しました。

株主資本は、利益剰余金が配当金の支払などで62百万円減少し、6億38百万円となり、株主資本合計で62百万円減少し、72億55百万円となりました。

その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が1億14百万円の減少、為替換算調整勘定が31百万円の減少、退職給付に係る調整累計額が10百万円の減少となり、合計で前連結会計年度に比べて、1億55百万円減少し、83百万円となりました。

非支配株主持分は14百万円減少し、1億42百万円となりました。

 

②経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、米朝首脳会談の不調の影響、中国の景気減速の懸念、政府の不適切な統計調査の影響等不安定な懸念材料が見受けられました。また、雇用環境においても人材不足が多くの業種にわたって見受けられ将来に向けての展望に一抹の不安定感をもたらしてきました。しかしながら、個人消費や設備投資の持ち直しの動きが一部に見受けられ緩やかながら回復基調で推移してきました。

土木建設業界におきましては、大型のインフラ整備の計画、福島第一原発の廃炉に向けたプロジェクト等2020年の東京オリンピック以後の継続的プロジェクト等の計画があり将来に向けて明るさも見えてまいりました。その他各事業分野においても、生産性の向上等の対応に向けた投資が順調に推移してまいりました。

このような環境の下、当社グループでは、土木建設事業を中核分野とし、インフラ関連、耐震工事等の特殊工事及びそれに必要な機具機材の需要に対応し、各事業に全力で取組んでまいりました。特殊工事においては、人材不足、工法の再検討等による大型受注案件の工期の延期や延長等により苦戦を強いられましたが、一部地方での受注の拡大、工場設備関連事業においては継続的な投資意欲に支えられ順調に推移をいたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は100億2百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。損益面におきましては、原価低減、販売費及び一般管理費の低減に努め、営業利益は82百万円(前連結会計年度比16.4%増)、経常利益は1億58百万円(前連結会計年度比32.9%増)と前年を上回りました。特別利益として固定資産売却益0百万円(前連結会計年度は投資有価証券売却益など1億2百万円)、また、特別損失として減損損失など35百万円(前連結会計年度は減損損失など88百万円)を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は、10百万円(前連結会計年度比61.8%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(セグメント間の内部売上高は含めておりません。)

 

[切削機具事業]

ワイヤーソー及びその周辺機器、コアビット・ワイヤー等の消耗品の需要が前年並みに推移したことにより、売上高は33億39百万円(前連結会計年度比0.5%減)となりました。販売費及び一般管理費等が嵩み、セグメント利益(営業利益)は2億42百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。

[特殊工事事業]

大型受注工事の工期の延期や工程の変更等の影響があったものの子会社の業績が好調に推移し、売上高は17億24百万円(前連結会計年度比0.5%減)となりました。また、原価低減に努め、セグメント利益(営業利益)は88百万円(前連結会計年度比5.0%増)と前年を上回りました。

 

[建設・生活関連品事業]

建設関連の顧客への工具及び建設資材の需要が順調に推移したことにより、売上高は34億90百万円(前連結会計年度比2.2%増)となりました。販売費及び一般管理費の低減に努め、セグメント利益(営業利益)は80百万円(前連結会計年度比10.8%増)と前年を上回りました。

 

[工場設備関連事業]

主要顧客からの受注が継続的に推移したことにより、売上高は8億19百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。販売費及び一般管理費等の低減にも努め、セグメント利益(営業利益)は54百万円(前連結会計年度比135.1%増)となりました。

 

[介護事業]

24時間サービス付有料老人ホーム等で利用者の減少があったことにより、売上高は3億40百万円(前連結会計年度比1.3%減)となりました。販売費及び一般管理費の低減に努め、セグメント損失(営業損失)は23百万円(前連結会計年度は営業損失55百万円)と改善しました。

 

[IT関連事業]

販売管理用パッケージソフト及び受託開発の売上が前年並みに推移し、売上高は2億91百万円(前連結会計年度比0.1%増)となりました。原価低減に努め、セグメント利益(営業利益)は7百万円(前連結会計年度比88.7%増)となりました

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は前連結会計年度末に比べて、72百万円減少し、13億14百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は2億64百万円(前連結会計年度は2億2百万円)となりました。

税金等調整前当期純利益1億23百万円、減価償却費1億39百万円、仕入債務の増加額1億20百万円等収入の一方で、たな卸資産の増加額88百万円、法人税等の支払額94百万円等に使用したことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2億76百万円(前連結会計年度は1億27百万円の獲得)となりました。

これは主に定期預金の預入による支出が払戻による収入を30百万円上回ったこと、投資有価証券の取得による支出が売却による収入を1億65百万円上回ったこと、有形固定資産の取得による支出が売却による収入を80百万円上回ったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は47百万円(前連結会計年度は11百万円の獲得)となりました。

これは主に長期借入金の借入による収入が返済による支出を1億34百万円上回った一方で、短期借入金の純減少額1億円、配当金の支払額72百万円等によるものであります。

 

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標のトレンドは次のとおりです。

 

平成29年3月期

平成30年3月期

平成31年3月期

自己資本比率(%)

(自己資本/総資産)

65.3

64.1

61.6

時価ベースの自己資本比率(%)

(株式時価総額/総資産)

24.3

33.2

21.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

(有利子負債/営業キャッシュ・フロー)

4.4

5.6

4.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(営業キャッシュ・フロー/利払い)

40.2

33.0

50.3

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算しております。

3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

④生産、受注及び販売の実績

生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

切削機具事業(千円)

705,666

780,597

110.6

特殊工事事業(千円)

建設・生活関連品事業(千円)

工場設備関連事業(千円)

590,704

639,730

108.3

介護事業(千円)

IT関連事業(千円)

198,121

195,830

98.8

合計(千円)

1,494,492

1,616,157

108.1

 (注)1.上記金額は製造原価によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.商品・製品仕入実績

当連結会計年度の商品・製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

切削機具事業(千円)

1,485,549

1,474,955

99.3

特殊工事事業(千円)

建設・生活関連品事業(千円)

2,777,710

2,806,410

101.0

工場設備関連事業(千円)

66,905

72,604

108.5

介護事業(千円)

IT関連事業(千円)

合計(千円)

4,330,164

4,353,970

100.5

 (注)1.上記金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

        2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

当社グループは製品については、見込生産を中心に行っているため、また、特殊工事事業において、施工工事は工期が短く1件当たりの受注金額が僅少であるため、受注高の総合的な把握は行っておらず、記載を省略しております。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成30年4月1日

至 平成31年3月31日)

前年同期比(%)

切削機具事業(千円)

3,354,507

3,338,829

99.5

特殊工事事業(千円)

1,733,403

1,723,959

99.5

建設・生活関連品事業(千円)

3,414,837

3,489,871

102.2

工場設備関連事業(千円)

748,103

819,112

109.5

介護事業(千円)

344,362

339,920

98.7

IT関連事業(千円)

290,485

290,756

100.1

合計(千円)

9,885,696

10,002,447

101.2

 (注)1.上記金額は外部顧客に対する売上高であり、セグメント間の内部売上高は含まれておりません。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。

当社グループ経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営陣は、貸倒引当金、たな卸資産、固定資産、退職給付に係る負債等に関する見積り及び判断に対して、継続的に評価を行っております。経営陣は過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要素に基づき、見積り及び判断を行っております。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループでは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a.収益の認識

当社グループの売上高は通常は顧客に対して商・製品が出荷された時点、工事売上に関しては工事が完了した時点で計上されます。特定のケースでは、注文書で顧客の検査に合格することが要求されており、その場合は顧客が当社グループの商・製品を検収した時点で売上を計上しております。不動産賃貸収入は、契約書に基づき、月単位で収益を計上しております。

 

b.貸倒引当金

当社グループは顧客の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

c.たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の市場状況に基づく時価の見積額と取得原価との差額に相当する額について、評価損を計上しております。実際の将来需要又は市場状態が見積りより悪化した場合、追加の評価損が必要となる可能性があります。

 

d.投資有価証券の減損

当社グループは、余資運用の一環として、純投資目的の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の株式が含まれております。当社グループでは上場会社の株式への投資の場合、期末日における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%~50%未満の下落の場合、下落継続期間等総合的に検討し時価の回復可能性無しと判断した場合、減損処理を行っております。非上場会社への投資の場合、実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下し回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、減損処理を行っております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は、簿価の回収不能が発生した場合の評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

e.繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、当該資産が将来の税金負担額を軽減する効果を評価するに当たっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討し、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に計上金額の純額を上回る繰延税金資産を、今後回収できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を計上することになります。

 

f.減損会計

当社グループの資産のグルーピングは事業用資産については主として事業部を単位に、賃貸用資産については個別にグループ化しております。今後は、主として事業部損益の著しい悪化、賃貸用資産については賃料の改定等、また土地の市場価格の著しい下落等で減損損失が生じる可能性があります。その結果、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

g.退職給付に係る負債

当社は従業員の退職給付に備えるため、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を採用しており、国内子会社の一部については、退職一時金制度を採用しております。退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、近年の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合又は、前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下及び年金資産運用での損失は当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼします。同様に割引率の上昇及び年金資産運用での収益は退職給付費用に好影響を与えます。過去勤務費用及び数理計算上の差異の償却は退職給付費用の一部を構成しておりますが、当社グループでは、過去勤務費用は、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(5年)により均等償却しております。数理計算上の差異は、各連結会計年度の発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数(7年)による定率法によりそれぞれ発生の翌連結会計年度から損益処理しております。

 

②当連結会計年度の経営成績

当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ1億17百万円増の100億2百万円となりました。利益面では前連結会計年度に比べ営業利益では12百万円増の82百万円、経常利益は39百万円増の1億58百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は16百万円減の10百万円となりました。

 

a.売上高

当連結会計年度のセグメント別売上高は、「切削機具事業」では、インフラ整備・耐震工事向けのワイヤーソー、コアドリル等の製品本体及びワイヤー等の消耗品の売上が前年並みに推移し、前連結会計年度に比べ16百万円減の33億39百万円となりました。「特殊工事事業」は、大型受注工事の工期の延期等の影響があったものの、前連結会計年度に比べ9百万円減の17億24百万円となりました。「建設・生活関連品事業」は、工具及び建設資材の売上が好調に推移し、前連結会計年度に比べ75百万円増の34億90百万円となりました。「工場設備関連事業」は、民間の設備投資が活発であったため受注が増加したこと、また第二工場の稼働率向上もあり、前連結会計年度に比べ71百万円増の8億19百万円となりました。「介護事業」は、前年にデイサービスの不採算事業所を閉鎖したことにより、前連結会計年度に比べ4百万円減の3億40百万円となりました。「IT関連事業」は受託開発の受注が前年並みに推移し、前連結会計年度に比べ0百万円増の2億91百万円となりました。

 

b.売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、「切削機具事業」の消耗品の内製化の進展により原価低減が進み、売上高に対する売上原価の比率は改善し、77.0%から76.9%となり、前連結会計年度に比べ78百万円増にとどまり、76億93百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、人件費等の増加があったものの、前連結会計年度に比べ27百万円増の22億27百万円となりました。増減額の主な内訳は、人件費が29百万円増、減価償却費が5百万円減などであります。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、変わらず22.3%となりました。

 

c.営業利益

営業利益は、人件費を中心とした販売費及び一般管理費が27百万円増加したものの、売上総利益が39百万円増加したため、前連結会計年度に比べ12百万円増加し82百万円となりました。

 

d.営業外収益、営業外費用

営業外収益は、前連結会計年度の58百万円から当連結会計年度は84百万円となりました。これは、当連結会計年度に保険解約返戻金14百万円を計上したことによるものであります。営業外費用は、前連結会計年度の10百万円から当連結会計年度は9百万円となり、前連結会計年度の48百万円の純収益が当連結会計年度は75百万円の純収益となりました。

 

e.経常利益

経常利益は、前連結会計年度に比べ39百万円増加し1億58百万円となりました。

 

f.税金等調整前当期純利益

特別利益は、前連結会計年度において投資有価証券売却益など1億2百万円を計上しましたが、当連結会計年度は固定資産売却益を0百万円計上するのみとなりました。また特別損失は、前連結会計年度は減損損失87百万円など88百万円から当連結会計年度は、減損損失26百万円など35百万円を計上したことにより、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ10百万円減の1億23百万円となりました。

 

g.法人税等

法人税等合計は、前連結会計年度に比べ13百万円減の1億6百万円となりました。

 

h.非支配株主に帰属する当期純損益

前連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損失13百万円から、当連結会計年度は非支配株主に帰属する当期純利益7百万円となりました。

 

i.親会社株主に帰属する当期純利益

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ、16百万円減少し当連結会計年度は10百万円となりました。

 

③キャッシュ・フロー及び資本の財源並びに資金の流動性

a.キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億64百万円の資金獲得(前連結会計年度は2億2百万円)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、2億76百万円の資金使用(前連結会計年度は1億27百万円の資金獲得)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、47百万円の資金使用(前連結会計年度は11百万円の資金獲得)となりました。

これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度から72百万円減少し、13億14百万円となりました。

 

b.資金需要

当社グループの運転資金のうち主なものは、材料・商品の購入の他、製造費、完成工事費用、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは人件費及び荷造・運搬費、通信費、家賃等の設備費用であります。

 

c.財務政策

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金又は銀行借入れにより資金調達することとしております。借入れによる資金調達に関しては、原則として運転資金については期限が1年以内の短期借入金で、設備投資資金については固定金利の長期借入金で調達しております。当連結会計年度においてグループ全体の所要資金として、金融機関より長期借入金として4億90百万円の調達を実施しました。当連結会計年度末の短期借入金の残高は前連結会計年度末より76百万円減少し4億84百万円、長期借入金の残高は前連結会計年度末より1億10百万円増加し、6億79百万円となり合計11億63百万円(前連結会計年度末は11億30百万円)となっております。

当社グループは、健全な財政状態、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す能力及び不動産の担保余力等により当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 

④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、「切削機具事業」での製品の海外生産に係るリスク、「特殊工事事業」の安全性に係るリスク及び施工管理者の人手不足に係るリスク、「介護事業」での赤字体質からの早期の脱却等があります。

「切削機具事業」での製品の海外生産に係るリスクについては、現在国内工場及び中国に設立した子会社2社において製造を行っていますが、中国内で調達する部品等が必要完成度に達していない場合や当該国の政治的変動や法令の規制等が発生した場合などにより製造の遅れが発生した場合、業績に悪影響を及ぼすと認識しております。

これらのリスクを回避するため、中国生産を短期間のうちに国内生産へ切換ができるよう国内部品メーカーとの関係を一層強化していきます。

「特殊工事事業」での安全性に係るリスクについては、現場作業に携わる作業員の安全教育等により継続的な意識改革に努めていきます。施工管理者の人手不足に係るリスクについては、資格取得に必要な教育に努め、資格取得者に対しては、資格手当を支給するなど、資格取得者を社内で育てていきます。

「介護事業」での赤字体質からの早期の脱却については、前連結会計年度においてデイサービスのみを行っている不採算事業所を閉鎖しました。残りの24時間介護付有料老人ホーム1事業所、高齢者専用賃貸住宅など複合施設1事業所、デイサービス2事業所に人的資源を集中させ、黒字体質に転換させていきます。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、当社技術製造部を主体として工事・販売の関連部門等から広く情報を収集しながら、建設工事等に係る新施工技術及び新製品開発・改良の研究活動を行っております。

現在の研究開発スタッフは、グループ全員で12名在籍し、これは総従業員の2.8%に相当しております。当連結会計年度における事業の種別セグメントごとの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は106,830千円となっております。

(1) 切削機具事業

鉄筋コンクリートに穴あけ・切断をする工具機器等を研究開発する目的で活動を行った結果、主な成果は次のとおりで、研究開発費は106,830千円であります。

①プロユーザー向けの三点式高性能コアビットの開発

ダイヤモンドコアビットの刃先である「チップ」の構造を根本的に見直し、今まで解決が難しかった切削中の振動や横ブレ、チップの偏摩耗などを大きく減少させることに成功しました。

刃先の振動や横ブレを抑えることで、切削スピードが速くなると共に刃物の寿命も改善できました。ヘビーユーザーである専業者に向けた特別仕様のコアビットです。

②プロ仕様ウォールカッター及び専用オプション品の開発

コンクリート切断専業ユーザー向けに、電源電圧230V仕様のウォールカッターを開発しました。230Vで使用することで、電圧降下量を抑えより効率の良い切断作業が行えます。また、プロ仕様ウォールカッター専用のコントローラも併せて開発をいたしました。

③一体式コアビット「スマートONEレーザM27ねじ」の開発

SPJ-123M・SPF-161M・SPF-181M2などで使用する、取付ねじがM27のレーザ溶接タイプのコアビットを開発しました。従来品「スマートONE M27ねじ」の先端チップの固定方法を、銀ロウ溶接からレーザ溶接に変更し、チップの溶接強度を大幅に向上させました。

④三点式コアビット「スマートSEPA」の開発

汎用タイプの三点式コアビットとして「スマートSEPA」を開発しました。刃先である「チップ」の構造を新しい構造に変更し、切削中の振動やブレ、偏摩耗などを大きく減少させることが出来ました。

⑤ハードトランス「HDT-5A Pro」の開発

プロ仕様のコアドリルやウォールカッターに使用する、ハードトランス(変圧器)「HDT-5A Pro」を開発しました。

従来機よりも容量を増やすと共に、周辺作業機器用の100Vコンセントを新たに設けました。また、230V電源には感電防止のため、漏電遮断機付きブレーカを採用し、安全性も高めました。

⑥コアビット「スマートONEレーザAねじ」の新ボンド開発

中型機や大型機で使用するAねじコアビットにおいて、切れ味と寿命性能を持ち合わせた新ボンドを開発し、新たにラインナップに加えました。

この商品も、チップの固定方法にレーザ溶接を採用し、高トルク機種に対応する製品です。

 

(2) 特殊工事事業

当連結会計年度において該当する研究開発活動はありませんでした。

 

(3) 建設・生活関連品事業

当連結会計年度において該当する研究開発活動はありませんでした。

 

(4) 工場設備関連事業

当連結会計年度において該当する研究開発活動はありませんでした。

 

(5) 介護事業

当連結会計年度において該当する研究開発活動はありませんでした。

 

(6) IT関連事業

当連結会計年度において該当する研究開発活動はありませんでした。