文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは、以下のとおり経営理念および経営方針を定め、実践しております。
①経営理念
当社は、設立以来、下記を経営理念としております。
『経営理念』
一. 我社は世の中の役に立つ独創的な「物」「方法」を創造し世の中に貢献する。
一. 我社は顧客の立場に立って「物」「方法」を創造し、より価値の高い物を、お客様に与え続ける。
一. 我社は正しい倫理の上に立ち、真面目な事業運営で永久繁栄を計る。
一. 我社に対し力を貸してくださっている方々に少しでも多くの利益をもたらし、共存共栄を計る。
一. 我社の社員は一丸となって努力し如何なる時代が来ようとも絶対につぶれる事のない強靭な体質を作り、事業の永久繁栄を計る。
一. 我社の社員はもっともっと人間性を高め社会的地位の向上を計ると共に財産の増強を計る。
②経営方針
当社は、国民の視点に立った建設工事のあるべき姿として、「建設の五大原則」を掲げ、これを遵守する新しい建設業界への転換を図る「工法革命」を提唱し、実践しております。
その中核をなす技術が「インプラント工法」であり、その普及・拡大により、世界の建設を変えることを経営方針として掲げております。
『経営方針』 インプラント工法で世界の建設を変える
「建設の五大原則」
≪いかなる工事も環境性、安全性、急速性、経済性、文化性の五つの要件を調和のとれた正五角形で実現しなくてはならない≫
環境性: 工事は環境に優しく、無公害であること
安全性: 工事は安全かつ快適で、工法自体が安全の原理に適合していること
急速性: 工事は最短の時間で完了すること
経済性: 工事は合理的で新奇性・発明性に富み、工費は安価であること
文化性: 工事は高い文化性を有し、完成物は文化的で芸術性に溢れていること
(2)中期的な会社の経営戦略
当社グループは「中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)」を策定しております。当該期間は、10年後1,000億円を目標として飛躍的な発展を目指すための基盤づくりの期間と位置付けております。
【長期ビジョン】
『インプラント工法のパッケージ化によるグローバル展開』
・建設をグランドデザインするグローバル・エンジニアリング企業になる。(海外売上比率を7割とする)
・高収益企業(賢い企業)体質を確立する。
【基本戦略】
①『インプラント工法の技術提案に特化したグローバル展開』
・防災主体からすべてのインフラ整備に適用範囲を拡大させる。
・「圧入原理の優位性」を発揮する案件を軸に世界へ技術提案を実施する。
・見て理解できる施設により、インプラント工法の普及拡大につなげる。
・ビジョンと技術力に共感し、互いに発展を遂げるためのパートナーを発掘する。
②『付加価値の高い工法・製品を開発し社会にソリューションを提供』
・ICT施工の実現による進化した圧入工法を実施する。
・計測器によるモニタリングで構造物の健全性を可視化する。
・開発型企業として新しい発明をすることで社会課題を解決する。
・スマートファクトリーによりデジタル技術でリソースを最適化し、最短で高付加価値の製品を提供する。
【サステナブルな社会への貢献】
「公害対処企業」としての設立時から、環境問題への対処は当社グループの原点であります。常に将来を見据えたソリューションを社会に提供し続け、持続可能な社会の実現と、永続的な企業価値の向上を目指しています。
SDGsへの取り組み
・災害に強い強靭なインフラ構築
地震や津波、洪水にも粘り強く耐え、急速構築できるインプラント構造物の提案、普及を通じて強靭で持続可能なまちづくりに貢献する。
・仮設レス施工
従来工法では必要な仮設工事(仮設材製造・運搬・設置撤去)が不要なため、大幅なCO2排出量の削減が可能。
・機能構造物の提供
社会の変化に柔軟に対応する機能の見直し、部材の再利用を前提とした構造物を提供する。
・圧入システムの自動化・電動化
圧入機とシステム機器の自動化により労働力不足を解消し生産性を向上させる。また、電動化により脱化石燃料を図る。
・生産体制の変更
必要なものを必要な分だけ生産する受注生産体制に移行し、資源利用を最小限に抑制する。
・賢い企業活動を徹底
GIKENのニューノーマルを徹底し、働き方の多様化を推進。生産性・働きがいの向上につなげ、効率的な経営を実現する。
2024年8月期連結
売上高 35,000百万円 営業利益 5,500百万円
国内売上高 25,000百万円
海外売上高 10,000百万円
(3)経営環境および対処すべき課題
①新生建設業界への転換
人命や財産を守り社会生活を維持・向上するためのインフラは、社会において極めて重要な位置付けにあり、本来、その目的の重要さから最適・最新の技術を導入する必要性があります。しかしながら、現実には建設業界は他の産業と比べ技術的、制度的な革新が遅れております。その要因は、過去の実績で工法が採用されるという「前例主義」で工法選定が硬直化していることや、時代や社会の変化を前提とする建設のグランドデザインが無いことが挙げられます。こうした状況下、当社グループは、建設をあるべき姿(新生建設業界)へ転換することを社会における使命と位置付け、その課題解決を図っております。
前例主義の業界の中で、今後の当社グループが新工法提案を実現するプロセスでは、現状の建設の技術等の課題を浮き彫りにすると同時に、建設の制度的改革へのアプローチ等が必要になります。こうした関連において対処すべき課題が以下の内容となります。
1)「建設の五大原則」に基づく工法選定への転換
これまで工法選定が前例主義であったため技術革新が進まず、例えば有事の際に備えた構造物でも有事の際に目的や責任を十分に果たすことができないといったリスクを社会が負わされてきました。
当社グループでは、今後、時代の中で最新かつ最適な工法選定がなされるよう前述の「建設の五大原則」に基づく「工法選定基準」へと転換すべく、発注者やコンサルタント等、業界の上流に向けた普及活動の推進を行っております。
2)実証科学に基づく構造物の科学的な裏付け
当社グループでは、科学的に証明された、確実に目的や責任を果たす構造物とその構築方法を確立するため、学術組織である国際圧入学会と連携し、理論と実践を融合させた学術探究により実証科学で圧入杭と地盤のメカニズムを解明する取組みを推進しております。
さらには、社会においては、構造物の構築時のみならず長期間にわたる機能確保こそが必要であり、それを実証可能とするために、杭や地盤内にセンサーを配備することで構造物に「神経」を通し、構造物から得られた情報を活用する「神経構造物」の実現への取組みも行っております。
このように、インプラント構造物を「圧入原理の優位性」に基づき実証科学で証明し、性能と健全性の立証に取り組んでおります。
3)持続的発展に応じた社会インフラへのグランドデザインの反映
科学技術や文化の進歩が著しい現代において、構造物は目的・構造・設置場所を時代や社会の変化に応じて柔軟に対応できるよう「機能」を基調にしたものであるべきです。しかしながら社会の変化を前提としたグランドデザインがなされていないことから、スクラップ&ビルドが当たり前となっており、社会変遷の中で、コスト面だけでなく環境面など社会全体に対して大きな負担を強いております。
当社グループでは、社会の変化を前提としない「永久構造物」から、循環型で持続可能な社会を実現する機能重視の「機能構造物」へと転換する社会システムの提案を推進し、その実現を図っております。
②グローバル化の推進
当社グループは中長期的に海外売上比率を全体の7割とすることを目標に掲げております。世界的な気候変動に伴う自然災害への対策、老朽化した社会インフラの再生・強化が、日本国内のみならず世界的に喫緊の課題となっているためであります。そのため、建設をグランドデザインする『グローバル・エンジニアリング企業になる』を目下の目標として、更なる海外展開のためのプラットフォームづくりを行っております。
具体的な内容として、「インプラント工法のパッケージ化」によるビジネス展開、海外事業パートナーへの技術提供、各国官公庁等への工法普及活動を推進しております。
③工法・機械の省力化・自動化
わが国では生産年齢人口の減少が予想されている中、建設分野においても、生産性向上は避けられない課題となっております。当社グループでは早くから圧入機製品「サイレントパイラー」の高度化による施工効率の向上、「GRBシステム」をはじめとする工法のシステム化・プレハブ化による生産性の向上に取り組んできました。今後はファブレス化の推進などにより開発スピードの向上に努めるとともに、自動運転などの技術に「AI」、「IoT」を積極的に活用することで、機械と工法の一層の省力化・自動化を図り、人手不足の解消、施工精度や安全性、施工効率のさらなる向上を進めていきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループが属する市場環境について
当社グループは、国民の視点から見た「建設工事のあるべき姿」を環境性、安全性、急速性、経済性、文化性の五つの要件に集約した「建設の五大原則」として定め、これに則って建設市場の状況に左右されにくい機械・工法の開発を目指しており、当社グループの機械・工法が建設業界を革新する大きな潮流となると確信しております。
しかしながら、国内外の建設市場の状況、特に公共投資の動向は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)海外事業について
当社グループは、海外において欧州・アジア・米国・豪州それぞれに拠点として子会社を置き、積極的に事業展開を進めております。また、各国個別の建設市場状況に影響を受けにくい普遍的要素に則った事業展開を行うべく、構造物の企画・計画から、構造設計、構造部材・機械システムの開発、施工・施工管理、さらには完成した構造物の維持管理までをトータルパッケージで市場に提供する体制の準備を進めております。
しかしながら、異文化の下での商慣行の違い、為替レートの変動、各国政府ごとの法制度や規制の変更さらには地政学的なリスク等は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)自然災害・感染症等について
自然災害等に対しては当社グループの重要な事業課題として国土防災を実現する新工法提案を行うなど、積極的な開発、提案等を進めております。また、今後の大きな自然災害等に対しても、当社グループ内での危機管理規程に基づく緊急事態への備えを確立し、事業継続を長期的なビジョンで実現する新規プロジェクト構築を進めております。
しかしながら、当社グループの機械・工法の開発拠点、機械装置の主たる製造拠点が高知県にあり、南海トラフ巨大地震等の発生をはじめとする重大な自然災害、感染症など深刻かつ広範囲にわたる社会的な悪影響が発生した場合においては、当社グループおよびサプライチェーンや社会全体の混乱から、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、工事の一時中止や工期延長、発注の延期などに加え、感染拡大に
伴う移動自粛要請や世界各国の入国制限などの影響も受けており、その活動は限定的にならざるを得ない状況が続いております。一方で、テレワークやスライドワークの導入、提案や販売活動のオンライン化で、生産性の向上を図るとともにコスト削減を図り、新しい時代に向けた企業体質の強化を進めております。今後も新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う事業環境の変化が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があり、引き続き注視してまいります。
(4)製造環境について
当社は機械の製造については機械設計を自社で行い、製造は社外の協力提携企業への外注で対応しており、納期管理や品質管理方法に対する基準の徹底、製造コストや需要の変動に応じた外注先の拡大等で生産体制の維持を図っております。
しかしながら、素材やエネルギーコストの変動、調達先および外注先の納期・コスト・品質等の取引条件の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制等について
当社グループの事業においては、建設業法などの法的規制を受けております。その主要な許認可等は下記のとおりです。当社グループでは現時点において、許認可等の取消または更新欠落の事由に該当する事実はありません。
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株式会社技研製作所 |
株式会社技研施工 |
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取得年月 |
2021年6月 |
2019年7月 |
2017年1月 |
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許認可等の名称 |
特定建設業許可 |
一級建築士事務所 |
特定建設業許可 |
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所管官庁等 |
国土交通大臣 |
高知県 |
国土交通大臣 |
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許認可等の内容 |
国土交通大臣許可 (特-3) 第19752号 |
高知県知事登録 (第1309号) |
国土交通大臣許可 (特-28) 第14570号 |
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有効期限 |
2026年7月3日 (5年ごとの更新) |
2024年7月17日 (5年ごとの更新) |
2022年1月9日 (5年ごとの更新) |
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法令違反の要件および 主な許認可取消事由 |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合等 (建設業法第29条) |
建築士事務所の開設者がその建築士事務所の業務に関し不正な行為をしたとき等 (建築士法第26条第2号) |
不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合等 (建設業法第29条) |
(6)環境規制について
当社グループの製品は環境に配慮した設計で排出ガス規制と騒音規制に適合しております。これらの規制に関する当社グループの届出の内容は下記のとおりです。
当社グループでは、最新の排出ガス規制への適合に加えて、低騒音建設機械の指定、生分解性作動油の使用など、建設機械の環境対策に関して先駆的に取り組んでおります。今後も積極的に環境に配慮した製品開発を進めていきます。
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届出の名称 |
届出先 |
法律名 |
取消事由 |
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低騒音建設機械の指定 (※) |
国土交通省 |
低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程 |
・不正の手段により型式指定を受けた場合 ・指定機械が左記規程第2条第1項の騒音基準値又は第2項の振動基準値に適合しなくなった場合 ・製造の中止、商号、機械名称の変更の届出を怠った場合 |
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特定特殊自動車型式届出(※) |
環境省 |
特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律 |
・基準に適合しなくなった場合 (当該特定特殊自動車の排気管から大気中に排出される排出ガスの光吸収係数が0.50m-1を超えないもの) |
(※)いずれも株式会社技研製作所が届出を行っております。なお、いずれも有効期限は規定されていません。
(7)情報、知財管理等について
当社グループは開発型企業として機械や工法の開発を継続的に進め、新工法の提案を行っており、建設市場の基礎分野で存在価値の向上に努めております。機械や工法の開発、提案、実現の積み重ねは、発明やノウハウ等の知的財産を含む重要な技術情報や特殊な営業情報を保有することになります。それら技術情報や営業情報等の機密情報の管理については細心の注意を払い、関連情報の改ざん、漏洩、滅失、第三者の不正使用等の情報管理に関する事故が無いように適切な措置を講じております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,958百万円増加して51,667百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ1,430百万円増加して26,907百万円、固定資産は前連結会計年度末に比べ527百万円増加して24,759百万円となりました。
流動資産増加の主因は、製品が1,951百万円減少した一方で、現金及び預金が3,707百万円増加したことによるものであります。
固定資産増加の主因は、建物及び構築物等の有形固定資産が315百万円、投資その他の資産が288百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ824百万円増加して12,122百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ1,033百万円増加して10,527百万円、固定負債は前連結会計年度末に比べ209百万円減少して1,594百万円となりました。
流動負債増加の主因は、前受金が909百万円、未払法人税等が457百万円増加したことによるものであります。
固定負債減少の主因は、長期借入金が168百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1,133百万円増加して39,544百万円となりました。この主因は、株主資本が1,254百万円増加した一方で、新株予約権が503百万円減少したことによるものであります。自己資本比率は、自己資本の増加に伴い前連結会計年度末の75.5%から75.7%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の1,372円25銭から1,426円10銭となりました。
2)経営成績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、国内の公共投資は底堅く推移しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外で一部の工事に遅延が発生するなど、依然として事業活動は一定の制約を受けました。また、気候変動に起因する洪水被害や土砂災害などが世界各地で増加しています。激甚化する自然災害や人為災害への対策、社会インフラの老朽化対策は、各国で重要な施策として位置付けられており、建設構造物の刷新や強化が急務となっています。
こうした中、当連結会計年度は「中期経営計画(2019年8月期-2021年8月期)」の最終年度に当たりましたが、昨今の事業環境が大きく変化をしたことを踏まえて2020年10月9日に数値目標を売上高27,100百万円、営業利益3,150百万円、海外売上高5,200百万円に修正しました。当連結会計年度はこの目標の達成と、経営方針「インプラント工法で世界の建設を変える」にもとづくグローバル・エンジニアリング企業への転換に向け、グループ一丸となって取り組みました。
国内における工法提案活動では、災害からの復旧・復興事業に加え、将来に備える防災・減災、国土強靱化施策を中心に、高速道路リニューアルなどの道路延伸・改良事業や、岸壁を大水深化する港湾整備事業、ため池の耐震化対策、民間プラントの液状化対策など、インプラント工法の適用範囲の拡大に取り組み、工法採用が順調に増加しました。また、近年多発する大規模水害の原因である河川堤防の決壊についても、堤防の本質は国民の生命と財産を守ることであり、絶対に破堤してはいけない「責任構造物」でなければならないことを、国と国民に強く訴え掛け続けています。関係省庁および自治体関係者に、当社が開発した粘り強いインプラントロック堤防の提案を行い、国土交通省の社会資本整備審議会でも議論され、将来に向けた検討すべき課題として取り上げられました。今後も引き続き抜本的な対策の実現に向けた取り組みを継続していきます。
海外展開では、圧入原理の優位性を最大限に発揮し、建設の五大原則を高次元に遵守する工法提案活動に注力しています。この活動による工事件数は着実に増加しており、インプラント工法の認知度を向上させています。大型プロジェクトについては、オランダ・アムステルダム市の運河護岸改修に係る新技術開発プロジェクトにおいて、海外子会社Giken Europe B.V.が、協働する現地建設会社と合弁会社「G-Kracht B.V.(ジークラフト ビー・ブィ)」を設立しました。2022年1月開始予定のパイロット施工に向け、現地では詳細設計や各種モニタリング計画を、国内では新たに開発した電動GRBシステムの実証試験を進めています。また、ブラジルでは鉱滓ダムの防災対策工事に向け、現地企業への技術指導などが順調に進んでおり、オーストラリアでも大型案件の本格的な工事に向けた準備作業が進んでいます。
その結果、当連結会計年度における売上高は27,618百万円(前期比12.1%増)、営業利益は3,997百万円(同59.9%増)、経常利益は4,161百万円(同49.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,073百万円(同119.4%増)、海外売上高は5,460百万円(同93.8%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
a. 建設機械事業
国内では、オリンピック・パラリンピック関連や再開発などの建設投資が一段落したことにより、一時的に顧客の設備投資は慎重な状況となっていましたが、新たな民間開発などの動きもあり、顧客の設備投資意欲の回復基調は強まっており、400㎜幅U形鋼矢板用のサイレントパイラーF101、F111などの一般機は、入れ替え需要による販売が順調に増加しました。また、国内の公共土木工事では、本設工事に用いる杭材が、600㎜幅U形鋼矢板から900㎜幅ハット形鋼矢板への移行が進み、案件数も増加しており、その杭材に適合したサイレントパイラーF301-900の販売は堅調に推移しました。
その結果、売上高は19,134百万円(前期比22.7%増)、セグメント利益は4,775百万円(同38.8%増)となりました。
b. 圧入工事事業
インプラント工法は、その優位性から緊急度や難易度の高い災害復旧、重要性の高い防災・減災対策や老朽化対策、高速道路をはじめとする交通ネットワークの機能強化などの目的において、海岸堤防や河川護岸などの治水施設の整備、港湾施設の岸壁改良、道路復旧や地すべり対策、道路の延伸・改良などに採用されています。インプラント工法の中でも現在主力を担うのは、回転切削圧入により既存構造物にも杭を貫入することのできるジャイロプレス工法となっており、国内子会社の株式会社技研施工に加えて、圧入技術フランチャイズ「GTOSSメンバーシップ」のGMメンバー17社が工事を実施して、同工法の普及拡大を進めています。
株式会社技研施工では、新技術・新工法開発の一環として工事を実践しており、工事の自動化・省力化や各種工法の完成度向上などに取り組める先進性の高い案件を手掛け、圧入技術を高めています。今年で東日本大震災から10年を迎え、復興事業や南海トラフ地震対策の工事が一段落したこともあり、前期と比べて大型工事が減少しました。
その結果、売上高は8,484百万円(前期比6.2%減)、セグメント利益は1,243百万円(同0.4%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ342百万円増加し、5,666百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況につきましては次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前期と比べ4,505百万円増加して7,768百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,548百万円、たな卸資産の減少額3,208百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前期と比べ3,444百万円増加して5,337百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出5,532百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前期と比べ1,243百万円増加して2,197百万円となりました。これは主に、配当金の支払額1,914百万円等によるものであります。
③生産、受注および販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
14,117 |
61.6 |
|
圧入工事事業 |
8,484 |
93.8 |
|
合計 |
22,601 |
70.7 |
(注)1.金額は、実際販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントで示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
15,741 |
- |
4,445 |
- |
|
圧入工事事業 |
11,199 |
132.1 |
5,468 |
198.6 |
(注)1.建設機械事業の製品について、当連結会計年度より見込み生産から受注生産へ変更しております。なお、前年同期比については、初年度にあたるため記載をしておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
建設機械事業 |
19,134 |
122.7 |
|
圧入工事事業 |
8,484 |
93.8 |
|
合計 |
27,618 |
112.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
1)経営成績等
a. 財政状態
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 1)財政状態」に記載のとおりであります。
b. 経営成績
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態および経営成績の状況 2)経営成績」に記載のとおりであります。
c. キャッシュ・フロー
当該事項につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、指標のトレンドを示しますと以下のとおりであります。
|
|
2019年8月期 |
2020年8月期 |
2021年8月期 |
|
自己資本比率(%) |
73.1 |
75.5 |
75.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
175.7 |
209.2 |
251.3 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
24.2 |
54.5 |
18.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
539.8 |
230.3 |
720.8 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
2)資本の財源および資金の流動性
当社グループにおける主な資金需要は、圧入の原理に基づいた新工法および圧入機製品の開発投資に必要な研究開発投資(材料費・労務費等)、ならびに圧入機製品の製造に係る費用(材料費・外注費・労務費等)であります。
これらの資金需要に対する資金調達については、中長期的な事業戦略、当社グループの事業に対するリスクを勘案し、最適な方法での実施を検討いたします。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは「中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)」において、当該期間を10年後1,000億円を目標として飛躍的な発展を目指すための基盤づくりの期間と位置付けたうえで、売上高と営業利益についてそれぞれ数値目標を定め、その達成に向けて取り組んでおり、同計画において掲げている課題を達成していくことが、経営上の目標達成状況を判断するための指標と考えております。なお、「中期経営計画(2022年8月期-2024年8月期)」に関しては、「第2 事業の状況1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱技研製作所 (当社) |
㈱垣内 |
当社製品の外注加工について、発注、原材料等の支給、納入条件、品質保持、支払条件、秘密保持等について基本契約を結び、相互に安定した取引の継続を図っております。 |
自 2021年8月1日 至 2022年7月31日 (1年毎の自動更新) |
当社グループは「インプラント工法で世界の建設を変える」という経営方針を基に、圧入原理の優位性を核とした自流独創の発明力で建設工事における様々な制約を克服し、建設の五大原則を遵守して工事の目的を達成させ、インプラント工法のパッケージ化によるグローバル展開を推進するため、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」とその周辺機器の研究開発および、耐震地下駐車場・駐輪場を主体とする地下関連の開発を行っております。
当連結会計年度につきましては、機械・装置の高効率化、無人化、省力化およびグローバル化を目的とした研究開発を重点的に行っており、研究開発費の総額は
研究開発活動は、主に建設機械事業で行っており、内容は次のとおりであります。
①油圧式杭圧入引抜機
上部障害クリア工法 超低空頭専用
U形鋼矢板500mm、600mm対応クリアパイラー CLW100 圧入能力 1,000キロニュートン
鋼管矢板Φ800mm~1000mm対応クリアパイラー CLP200A 圧入能力 2,000キロニュートン
回転切削圧入機
Φ500、Φ600電動チャックジャイロパイラー GRV0611e 圧入能力 1,100キロニュートン
②パワーユニット・周辺装置・アタッチメント
Φ500、Φ600鋼管用クランプクレーン CB2-11
クランプクレーン対応パワーユニット EU130A5(排ガス規制欧州対応)
電動・高出力ジャイロパイラー用電動ユニット MU720
クランプクレーン用電動ユニット MU37B
電動ユニット対応移動装置 TB19
電動鋼管搬送装置 TB20
タンク式無排土オーガアタッチメント、ホースリール AG24、HR19
可動式運転台 MC01
グローバル仕様ラジコンホルダー R312 最大吊能力 5.0tonf
③耐震地下駐車場・駐輪場
機械式駐輪場エコサイクル 2基 葛飾区
④新たな開発課題の達成
圧入原理の優位性を生かした自動運転システムや硬質地盤施工システム、GRBシステムといった独自システムの更なる開発に取り組んでおります。また、機械装置の高効率化、好条件化を行っております。
⑤海外売上比率を全体の7割とするためのグローバル展開
圧入工事事業と建設機械事業とを融合させ、工法提案から構造物の材料供給、施工までをトータルパッケージで提供する為の新たな機械装置、工法の開発も行っております。