当社グループは、創業以来、社是である「開拓の精神で顧客に奉仕する」をモットーに事業を展開しております。巻線機事業の分野では、巻線設備の総合メーカーとして世界中に広がるお客さまの生産性アップ、省力化に貢献し、お客さまの生産されるモーターやコイルが組み込まれた数々の家電製品、自動車、産業・医療機器、OA/AV機器、通信機器等が世界中の人々の生活を豊かにすることによって、社会貢献を果たしたいと考えております。
また、送風機・住設関連事業の分野では、「顧客の期待と信頼に応え続けるものづくり」を目標に掲げ、弛まず技術開発力の向上と品質維持を図り、新規事業分野の開拓と人材育成を行い、事業のグローバル展開及び業容の拡大と一層の収益力の向上を目指しております。
こうした考えに基づき、お客さまの求めに対して果敢に応じ、お客さまの満足を得ることを追究するとともに、事業の成長と安定に全力を尽くし、より一層の経営基盤の強化を図り、社会的信頼の向上を目指すことによって、株主及び投資家の皆さまにとって魅力ある企業グループとなることが重要であると考えております。
巻線機事業の分野では、市場占有率のみならず、技術的に当社グループの巻線機がグローバルスタンダードとなり、巻線設備のトップメーカーの地位を確固たるものにすることを目標に、社業に専念してまいります。
また、送風機・住設関連事業の分野では、各ユーザーへの部品供給をメイン事業として展開してまいりましたが、今後は付加価値の向上を目指し、これまでの基礎技術をベースにした最終製品の製造・販売も視野に入れた事業展開を行ってまいります。そのため日本国内への販売拠点の展開に取り組んでまいります。また、顧客のアジア圏への生産移行に伴う中国での供給体制はほぼ整いましたが、最近の中国経済の動向に対しては適宜対処しながら、引き続き体制強化に努め、アジア圏のマーケット開拓により中国現地での営業強化に取り組んでまいります。
なお、当社グループが目指す経営指標としては、連結売上高経常利益率は10%以上、連結自己資本利益率(連結株主資本利益率・ROE)は5%を掲げております。
当社グループは、経営目標の実現のため、時代の変化に即応したグローバルな営業活動を展開するとともに、スピーディーな経営を行い、常にお客さまの新たなニーズに応える高付加価値製品の開発及び生産に注力し、品質向上と徹底したコストダウン及び短納期化に取り組むことが重要課題であると考えております。
また、当社のモーター巻線設備分野と株式会社多賀製作所のコイル巻線設備分野のシナジー効果発揮により、巻線機事業の拡大を図るとともに、当社とローヤル電機株式会社の両社グループが得意分野をより一層強化しながら強固に連携し、市場・技術・人材・拠点のシナジー効果を迅速かつ最大化することが、不可欠であると考えております。
その効果を可及的速やかに出すべく具体的な課題に取り組むとともに、グループガバナンスの一層の強化とグループ全体の企業価値を向上させるための体制づくりにも一層積極的に取り組むことにより、当社グループのあらゆるステークホルダーの皆さまに対して、企業としての責任を果たしてまいります。
有価証券報告書に記載した当社グループの事業状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成31年3月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが扱う巻線設備のお客さまは、家電製品分野、自動車分野、産業・医療機器分野、OA/AV機器分野、通信分野等の製造会社であり、当社グループはその総合メーカーとしての地位を確固たるものとすべく経営努力しております。しかしながら、当社グループの受注・生産活動は、各分野の技術革新動向や設備投資動向等に左右されるため、当社グループ独自での将来予測が困難であります。このため、想定していた技術革新動向や設備投資動向等の前提条件と実際の結果が異なる場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、巻線技術を応用してお客さまのニーズにマッチした新製品・新技術を開発し、家電製品分野、自動車分野、産業・医療機器分野、OA/AV機器分野、通信分野等へ製品・サービスを供給しております。これらの開発において、近年、技術革新のスピードもますます速まり、ニーズの多様化も急激に進んでおります。今後、開発競争はますます激化すると思われ、予想を上回る新技術の出現や各分野の動向の激変によっては、当社の研究開発費の負担も大きくなり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの巻線機事業における北米の販売・保守サービス拠点である在外連結子会社(米国オハイオ州ティップ市)は、その受注・生産活動の大部分を北米市場に依存しており、北米及び周辺の経済動向に大きく左右されます。このため、北米市場における家電製品分野、自動車分野、産業・医療機器分野、OA/AV機器分野、通信分野等の製造会社の技術革新動向や設備投資動向により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
送風機分野では、これまで各ユーザーへ部品の供給をメインに事業展開してまいりましたが、付加価値の向上を目指し、これまでの基礎技術をベースにした最終製品の供給も視野に入れた事業展開を行なっております。最終製品の供給ノウハウの蓄積も進めてはおりますが、予想を超える不具合等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
送風機・住設関連事業では、価格競争力の維持・向上を図ることを主眼に、連結子会社の楽揚電機(香港)有限公司の子会社として製造会社・販売会社を中国で設立し、中国工場への生産移管及び販路拡大を推進するべく進めておりますが、急激かつ大幅な人民元の切り上げが行なわれた場合、製品の価格競争力が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、市場性のある株式及び市場性のない株式を保有しております。このうち、市場性のある株式については、大幅な株価下落が生じた場合、減損または評価損が発生するため、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、本社工場(神奈川県足柄上郡松田町)、国内連結子会社工場(新潟県長岡市、埼玉県深谷市、神奈川県足柄上郡松田町、群馬県太田市)、在外連結子会社工場(米国オハイオ州ティップ市、中国広東省深圳市)に重要な生産・研究開発拠点を有しております。このため、地震等の自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの一部の生産設備が壊滅的な被害を被った場合、生産及び出荷が遅延することにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、有効求人倍率の高水準や完全失業率の低水準が継続するなど、雇用情勢は着実に改善し、設備投資や生産は増加、企業収益は改善するなど、全体として緩やかに回復いたしました。
一方世界経済は、中国では固定資産投資や生産は伸びが概ね横ばいとなり、消費は伸びがやや低下、工作機械受注は減少するなど景気は緩やかに減速しているものの、米国では個人消費や設備投資、生産が増加するとともに、雇用者数の増加、失業率の低下傾向など景気は着実に回復が続き、欧州では生産、輸出は概ね横ばいとなるものの、消費や機械設備投資は緩やかに増加し、失業率は低下傾向にあるなど景気は緩やかに回復し、全体として緩やかに回復いたしました。
このような状況下、当社グループは国内外の設備投資動向に沿った製品や多様化するお客さまのニーズに対応した製品を提供すべく、積極的な営業活動を展開するとともに更なる技術開発、新製品開発のスピードアップとコストダウンに努め、顧客満足度の向上を推進してまいりました。
代表的なものといたしまして、巻線機事業におきましては、ハイブリッドカーの次期型駆動・発電機モーター用の全自動ラインシステムや、生産性の向上とモーターのコストダウンを可能にした電動パワーステアリング用の全自動ラインシステムを開発、製品化いたしました。
また、送風機・住設関連事業におきましては、耐油性をさらに強化したラジアルファン、新型LED素子式浴室用ライン照明など、品質向上や省エネ化等を意図した新製品を開発いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における当社グループの営業成績といたしましては、概ね計画通りに推移したものの、巻線機事業での一部来期へのずれ込み、送風機・住設関連事業での若干の落ち込みがあったため、連結売上高は12,714百万円(前年同期比0.9%減)となりました。また、利益面につきましても、巻線機事業での新規開発案件が増えてきたことや、送風機・住設関連事業での換気拡販体制の整備等により、営業利益は1,093百万円(前年同期比14.6%減)、経常利益は1,148百万円(前年同期比13.4%減)、前年同期に計上していた投資有価証券売却益がなくなったこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は839百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①巻線機事業
巻線機事業に関しては、電気自動車・ハイブリッドカー用モーター巻線システムが好調に推移し、売上高は8,432百万円(前年同期比1.2%増)、今後の「車の電動化」による巻線機市場の拡大に向けた新規開発要素の高い案件が増えてきたことや研究開発を進めたこと等により、セグメント利益は1,416百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
巻線機市場は、自動車の「CASE」(*)をはじめとした百年に一度の大変革期を迎え、電気自動車、ハイブリッドカーの量産や、自動運転に向けたモーター化等、世界的に急拡大しつつあります。巻線機事業の受注高は13,067百万円、受注残高は11,609百万円と、受注高、受注残高ともに過去最高となり、平成30年9月20日に発表いたしました「固定資産の取得(新工場建設)に関するお知らせ」に記載のとおり、電気自動車・ハイブリッドカーの次期型モーターの全自動ラインシステム等をはじめとした急拡大する市場の需要に応えるため、本社敷地内に新工場(本年11月竣工予定)を建設中であります。
なお、当社グループの巻線機事業は、完全受注生産で、案件ごとに仕様やボリューム、納期等が大きく異なるため、受注時期や売上時期は、四半期並びに通期単位で大きく変動することがあります。
*「CASE」(ケース)
Connectivity(コネクティビティ:接続性),Autonomous(オートノマス:自動運転),Shared(シェアード:共有サービス),Electric(エレクトリック:電動化)の頭文字をとった造語。
②送風機・住設関連事業
送風機・住設関連事業に関しては、堅調に推移していた産業用ロボットや工作機械・半導体向けの軸流ファンが受注減少の影響を受けたことに加え、ラジアルファンを中心とした主要顧客の在庫調整の影響もあったこと等により、売上高は4,281百万円(前年同期比4.6%減)、住宅換気拡販及び業務体制整備のための人員増加等による費用増加の影響もあり、セグメント利益は37百万円(前年同期比72.4%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によるものであります。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によるものであります。
2 受注高には、受注取消・変更、為替レートの変動による調整額を含んでおります。
3 セグメント間取引については、相殺消去しております。
4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、適切な見積り及び判断を行っております。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.9%減少し、11,519百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,607百万円、商品及び製品が155百万円それぞれ減少し、受取手形及び売掛金が282百万円、電子記録債権が606百万円、仕掛品が93百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて10.0%増加し、4,350百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が359百万円増加したこと等によるものであります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2.0%減少し、15,869百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて20.7%減少し、3,355百万円となりました。これは主に、未払法人税等が810百万円、前受金が358百万円それぞれ減少し、支払手形及び買掛金が57百万円、受注損失引当金が218百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて8.8%減少し、419百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて19.5%減少し、3,775百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.1%増加し、12,094百万円となりました。これは主に、利益剰余金が664百万円増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,576百万円(30.7%)減少し、3,560百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は625百万円(前年同期は634百万円の収入)となりました。支出の主な内訳は、売上債権の増加額893百万円、前受金の減少額344百万円、法人税等の支払額1,233百万円等であります。また、収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,183百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は766百万円(前年同期は1,395百万円の収入)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出812百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は前年同期に比べ1百万円(0.7%)増加し、178百万円となりました。支出の
主な内訳は配当金の支払額175百万円等であります。
なお、キャッシュ・フロー指標等のトレンドは以下のとおりであります。
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
4 平成30年12月期については、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオの記載を省略しております。
当社は、平成30年9月20日開催の取締役会決議に基づき、以下の新工場建設工事請負契約を締結いたしました。
(注)請負代金額には、消費税等は含んでおりません。
当社グループは、多様化するお客さまのニーズに応えるとともに、他社製品との差別化、製品のオリジナリティー化をモットーに研究開発活動を行っており、製品の高付加価値化及びソフト技術・システム技術の開発による非価格競争の強化に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は160百万円であります。
巻線機事業の研究開発につきましては、原則として当社がモーター用巻線設備の研究開発の全般を担当し、株式会社多賀製作所がコイル用巻線設備の研究開発の全般を担当しております。両社は積極的に技術交流を行い、必要に応じて当社グループ間の交流も行っております。
巻線機事業の研究開発活動としましては、マーケットのニーズをとらえて独自に研究開発するものと、完全受注生産方式を採用しているため、各お客さまより要望されて個別に研究開発しながら製品にするものとがあります。
代表的なものといたしまして、ハイブリッドカーの次期型駆動・発電機モーター用の全自動ラインシステムや、生産性の向上とモーターのコストダウンを可能にした電動パワーステアリング用の全自動ラインシステムを開発、製品化いたしました。
当連結会計年度における巻線機事業の研究開発費の金額は122百万円であります。
送風機・住設関連事業の新製品の開発及びその関連業務に関しましては、ローヤル電機株式会社を中心に活動しております。
送風機・住設関連事業におきましては、品質向上や省エネ化等を意図した新製品開発を継続しております。代表的なものといたしまして、耐油性をさらに強化したラジアルファン、新型LED素子式浴室用ライン照明などであります。
当連結会計年度における送風機・住設関連事業の研究開発費の金額は38百万円であります。