第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
  なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

当中間連結会計期間における世界経済は、欧米における高インフレの鎮静化を背景に底堅い動きが見られたものの、中国景気の減速、ウクライナ、中東における紛争の長期化等の地政学的リスクの高まりにより、先行き不透明な状況で推移しております。

わが国経済も、個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大により景気は緩やかな回復基調にある一方、為替相場の乱高下や国際紛争に伴うエネルギーや原材料価格の高止まり等により市場環境は不安定な状況が続いております。民間設備投資については一部に持ち直しの動きが見られるものの、設備投資の動向を知るうえで先行指標の一つである機械受注統計の推移を見ると、製造業の機械受注額は、2023年10月~12月は12,207億円(前年同期比0.7%減)、2024年1月~3月は12,317億円(同1.6%減)、4月~6月は12,655億円(同2.2%増)、7月は3,984億円、8月は3,883億円と、4月~6月は一旦増加に転じたものの、7月以降は減少傾向となっております。

このような環境下、当社グループは、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきまして、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。

しかしながら、当中間期における受注高は、国内外の自動車業界向けを中心とした射出成形関連の受注が低迷していることに加え、中国における電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の投資が2023年後半に一服し、調整局面が続いていることなどにより、前年同期比では10億7千6百万円減(同10.2%減)の94億8千2百万円となりました。これにより、受注残高は前年同期比26億4百万円減(同21.6%減)の94億4千4百万円となりました。また、売上高につきましても、国内外における電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が減少したこと等により、前年同期比24億5千7百万円減(同19.9%減)の99億1千7百万円となりました。

損益面では、材料費を中心とした原価低減や諸経費の削減に加え、大型案件の減少により売上総利益率が改善(24.7%→29.4%)したものの、売上高の減少に伴う売上総利益の減少と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は前年同期比3億7千7百万円減(同56.9%減)の2億8千6百万円、経常利益は前年同期比4億8千2百万円減(同62.5%減)の2億8千9百万円となりました。

特別損益では、固定資産売却益2千2百万円を特別利益に計上するとともに、固定資産除売却損6百万円、会員権評価損1百万円を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税1億6千万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比3億8千6百万円減(同73.4%減)の1億3千9百万円となりました。

 

日本におきましては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が前年度後半からの受注低迷により減少し、売上高は前年同期比11億8千9百万円減(同14.9%減)の68億1千7百万円となりました。損益面では、材料費を中心とした原価低減や諸経費の削減に加え、大型案件の減少により売上総利益率が改善(21.0%→25.9%)し、営業利益は前年同期比1千8百万円増(同4.2%増)の4億4千5百万円となりましたが、セグメント利益(経常利益)は為替差損の計上等により、前年同期比1億6千6百万円減(同25.1%減)の4億9千4百万円となりました。

東アジアにおきましても、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の設備投資が調整局面に入ったこと及びスマホ・VR用レンズ関連の設備投資についても一服感が見られることから受注が低調に推移し、売上高は前年同期比13億7千6百万円減(同34.7%減)の25億8千6百万円となりました。損益面においては、売上総利益率は改善(25.1%→30.3%)したものの、売上高の減少に伴う売上総利益の減少と販売費及び一般管理費の増加により、営業損失が8千3百万円(前年同期は2億5千9百万円の営業利益)となり、セグメント損失(経常損失)が5千2百万円(前年同期は2億1千万円の経常利益)となりました。

東南アジアにおきましては、自動車業界向けの受注が低調であったこと等により、売上高は前年同期比8百万円減(同0.9%減)の9億9千7百万円となりました。損益面では、売上総利益率が悪化(37.4%→34.1%)したことに加え、販売費及び一般管理費が増加し、営業損失が1千9百万円(前年同期は4千1百万円の営業利益)となり、セグメント損失(経常損失)が2千1百万円(前年同期は4千8百万円の経常利益)となりました。

 

北中米におきましては、自動車業界向けを中心に受注は堅調に推移しているものの、前年度の受注低迷により、売上高は前年同期比6千1百万円減(同31.1%減)の1億3千6百万円となりました。損益面では、売上総利益率が改善(31.6%→41.8%)し、販売費及び一般管理費も減少しましたが、売上高の減少による落ち込みが大きく、営業損失が5千2百万円(前年同期は5千3百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)が5千1百万円(前年同期は9百万円の経常損失)となりました。

 

なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

(2) 財政状態の分析

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したこと等により16億2千2百万円減少し、184億3千1百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、建物及び構築物が増加したこと等により2億9千5百万円増加し、69億8千2百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて13億2千7百万円減少し、254億1千4百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、支払手形及び買掛金、短期借入金、未払法人税等が減少したこと等により21億3千2百万円減少し、77億4百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金が増加したこと等により2億3千3百万円増加し、44億9千6百万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて18億9千8百万円減少し、122億円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、為替換算調整勘定が増加したこと等により5億7千1百万円増加し、132億1千3百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前中間純利益が3億3百万円となりましたが、仕入債務の減少13億8千2百万円、法人税等の支払額3億2千7百万円等の支出要因が、減価償却費2億9百万円、売上債権の減少10億3千1百万円等の収入要因を上回り、3億5千5百万円の支出超過(前年同期は4億2千1百万円の支出超過)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出3億7千万円等により、3億4千万円の支出超過(前年同期は4億4千4百万円の支出超過)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少による支出3億6千7百万円、長期借入金の増加による収入1億8千9百万円、配当金の支払額1億4千4百万円等により、3億4千1百万円の支出超過(前年同期は2億1千2百万円の収入超過)となりました。

上記結果の他に、換算差額が2億8千7百万円となり、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて7億4千9百万円減少して、62億9千万円となりました。

 

(4) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

世界経済は、中国景気の減速、主要国での選挙に伴う政策変更懸念、ウクライナ、中東における紛争の長期化に伴う地政学的リスクの高まりにより不透明感を強めております。

わが国経済も、資源価格の高止まりを背景に、前期に引き続き市場環境は不安定な状況となっております。また、射出成形機の受注についても弱含みで推移しており、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

かかる環境下、当社グループにおきましては、引き続き自動車関連業界における自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化、一体成形化(ギガキャスト)等の動きや、社会の変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きへ的確に対応していくとともに、既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上等を中期的に取り組んでまいります。また、地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や自社の事業活動及びお客様の製造物を通じて社会に貢献し、透明性の高い企業統治(コーポレートガバナンス)等を実現していくことで経営基盤の強化とESG経営を推進いたします。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題、主要な設備や従業員等に重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は153,498千円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。