第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

「世界の日精 プラスチックをとおして人間社会を豊かにする」

経営ミッション

「お客様の価値を創造し、お客様が満足することを通じて社会貢献を図る」

品質方針

「お客様と会社がともに成長できるモノづくりを推進する」

 当社は創業以来、射出成形機の専業メーカーとして、常にお客様の立場に立った商品開発を手がけるとともにお客様と永年培ってきた成形技術の集積を総合的に提供することに努めてまいりました。

 常にお客様のニーズを先取りし、高付加価値、高品質の商品ならびに充実したサービスを提供することにより、豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、連結売上高営業利益率であります。

 当社グループでは、株主への安定的な配当を維持しつつ、継続的な研究開発および生産設備投資を行っていくためには、連結ベースの売上高営業利益率を恒常的に8%以上を確保することが必要であると認識しております。

 2019年3月期におきましては、8.0%となりました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2019年4月より「グローバル経営を進化させ、グローバル環境への対応を図り、『フューチャーーデザイン2026』の達成に向けた体制づくりを行う」をスローガンに掲げ、3ヵ年の第三次中期経営計画を策定し、以下の方針により3年後に連結売上高500億円、連結営業利益40億円を目指してまいります。

 

①真のグローバル経営の強化

 世界規模で進展する市場変化のなかで、環境経営を強化し、高収益企業としてグローバルな展開を図り、自力成長力の強化を図ってまいります。

②グローバル市場への積極的展開による営業強化

 営業力の強化と新たな市場戦略に基づき、お客様にご満足頂けるような提案型営業を行うとともに、ボーダレス化・IoT化に呼応して、グローバル市場への積極展開を図ること、そして国連で示されている17の持続可能な開発目標や成型の理(ことわり)を具現化する製品を計画的に投入してまいります。

③グローバル生産体制の強化

 世界4極生産体制により生産能力を増強するとともに、生産技術力と品質保証体制を強化する他、グローバル調達体制の強化と内製化の推進によって更なるコストダウンを図ってまいります。

④グローバルリスク管理体制の強化

 各国でのリーガルリスクに対応した製・販・財戦略とマネジメント体制を強化する他、各国のコーポレートガバナンス、BCP等に対応したマネジメント体制の強化、そして、グローバルに対応できる人材育成を図ってまいります。

 

(4)対処すべき課題

 第64期(2019年4月から2020年3月まで)につきましては、米中貿易摩擦の長期化により世界経済の減速等の懸念材料があるものの、国内および米国を中心に需要は堅調に推移することが予想されます。このような状況の中、当社グループでは、長期的観点からの成長戦略や業績目標を見据え、2026年3月期を最終年度とする「フューチャーデザイン2026」の策定を進めると同時に第64期を初年度とする3ヵ年の第三次中期経営計画を策定いたしました。同中期経営計画の初年度となる第64期につきましては、連結売上高445億円、連結営業利益36億円を目標に事業を進めてまいります。

 その具体的な施策は、次のとおりであります。

(1)セールス戦略

 国内においては、各業界への戦略機種、大型機の拡販を強化いたします。海外におきましては、各展示会を通じて新たな成長市場・未開拓市場への積極的な展開を図ってまいります。

(2)商品戦略

 お客様の要請を的確に捉え、お客様が儲かる新商品・技術を提供してまいります。このため、成形機を情報ハブとした工場の稼動管理、ターンキーシステム販売等の拡販を図ってまいります。

(3)プロダクト戦略

 グローバル調達、グローバルサプライチェーンの強化と商流見直し等により、安定的な生産体制の構築を図ります。また世界同一品質の実現のため生産技術部門および品質保証部門の人材力を高めて品質向上の技術指導を強化してまいります。

(4)コスト戦略

 世界4極の工場の内製化を強化するとともに、グローバル調達によるコストダウンを推進いたします。既存の有形・無形固定資産の戦略的活用を図るとともに、部品点数削減、部品の共通化等による技術的コストダウンを推進してまいります。

(5)サービス事業戦略

 グローバルなサービスネットワークの構築によりサービス力を強化いたします。部品販売とビフォアサービスを収益の柱と捉え、サービス販売を強化してまいります。

(6)人事戦略

 グローバルな人事労務管理と人事制度改革により労働生産性を向上させ、グローバルに対応できる人材育成を図ってまいります。

(7)リスク管理戦略

 グローバル化によるリスク拡大を想定したリスク管理体制の強化と全拠点でのBCP、コンプライアンス、内部統制、法制度の体制を整備してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において経営者が判断したものであります。

(1)当社グループの事業内容及び事業状況に内在する固有のリスク要因

① 特定製品への依存度が高いことについて

 当社グループは、射出成形機および関連機器の製造・販売の単一事業を営んでおり、連結売上高合計に占める射出成形機売上高の構成比が7割強と高い水準で推移しております。

 射出成形機市場においては一定の更新需要が見込まれることに加え、当社グループにおいても新製品の開発等により常に新規需要を喚起しておりますが、内外の景気動向、特に産業機械分野の設備投資マインドの低下等により射出成形機の需要が停滞した場合、グループ全体の収益低下に直結する惧れがあります。

 

② 為替レートの変動について

 当社グループは、アジア・アメリカ・ヨーロッパ地域を含む世界各地に製品を輸出しており、最近の海外売上高比率は6割強と高い水準で推移しております。

 製品の多くは、米ドル建、円建および各国通貨建決済により海外販売子会社を通して販売されておりますが、特に売上高の重要部分を占める米ドル建取引および元建取引に係る売上債権について為替リスクを有しております。通常、円高はグループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらす傾向にあります。

 また、当社の各海外販売子会社との円建取引については、各子会社において支払債務を現地通貨から円換算する際、為替レートの変動に伴う差損益が発生し、結果としてグループの業績が影響を受ける場合があります。

 こうした状況に対し、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限にするため、種々の為替ヘッジを行っておりますが、極端な為替レートの変動は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)その他、継続企業として潜在的に負っているリスク要因

① 海外市場に潜在するリスクについて

 当社グループの海外市場における事業展開には、特に、次に掲げるようなリスク要因が内在しております。

ア.予期しない法律および規制の変更等

イ.政治または経済環境の変動

ウ.テロ、戦争、自然災害、疫病その他の要因による社会的混乱

 

② 製品の欠陥に対するリスクについて

 当社グループは、一定の基準に従い、品質および安全管理に相当の注意を払いつつ製品を製造しております。しかし、製品について全く欠陥が発生しないという保証をしているわけではありません。製品の欠陥によるリ

コールや製造物賠償責任の発生等により、当社グループの業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 

③ 資金調達に関するリスクについて

 当社グループは、専ら営業収益および金融機関からの借入により事業活動に必要な運転資金を確保しております。従って、市況の悪化等の要因により売上・利益水準の低下が継続した場合、グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度おける当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1)経営成績及び財政状態の状況

 当連結会計年度における世界情勢は、米中貿易摩擦の影響等により経済成長は鈍化しましたが、米国では良好な雇用環境や企業収益が改善されたこと等を背景に回復基調で推移しました。わが国経済におきましては、企業収益や雇用環境が堅調であったこと等から緩やかな回復基調で推移しました。

 当社グループが属する射出成形機業界では、アジア地域での需要が年度後半から鈍化しましたが、国内および米国等での需要が堅調だったことから、安定的に推移いたしました。

 このような状況のもと、当社グループは、真のグローバル化と真のイノベーションのシナジー効果により10年後を見据えた積極的な体制作りを進め、「真のグローバル経営の強化」「グローバル市場への積極的展開による販売増強」「グローバル生産体制の強化」「グローバルリスク管理体制の強化」を軸に企業発展に努め、世界規模で進展する市場に対し、積極的に成長市場への展開を図るとともに、生産技術力と品質保証体制を強化してまいりました。

 事業拠点の展開につきましては、国内におきましては、広島出張所を営業所へ昇格させ、営業、サービス活動の迅速な対応を可能といたしました。また、営業・サービス体制の強化の一環として、既存の九州営業所を移転し機能の充実を図りました。九州営業所は、九州全7県の営業・サービス業務を担う重要拠点で、移転により倉庫スペースがこれまでの3倍の広さとなり、部品等のストックスペースの拡大に加え、カスタマーサービスの拡充を図りました。

 一方、海外におきましては、欧州市場における販路拡大ならびにサービス体制の拡充を目的にスロバキア共和国に販売子会社「ニッセイヨーロッパ s.r.o.」を設立いたしました。スロバキアは東欧に位置し、多くの日系自動車メーカーが進出していること、また周辺のチェコ、ハンガリーでも自動車関連産業が多く、日系、欧米系企業が工場進出を進めており、これらを中心とした機械設備の需要拡大への基盤整備を行ってまいりました。また、インド市場におけるサービス体制の強化、顧客満足度の向上を目的にインド南部に位置するチェンナイに販売子会社ニッセイインディアの支店として新事務所を開設いたしました。インドでは、排ガス規制等の強化が進められており、自動車等の軽量化・電動化からプラスチック部品へのシフトが顕著になっており、国産化が更に加速していくことが見込まれております。

 商品開発につきましては、ハイブリッド式竪型射出成形機「TWX220RⅢ25V」を開発いたしました。同機は、新複合型締機構を搭載したことで金型に優しい適正型締力の設定が容易となりました。また、機械全体の低床化を図り、工場内での設置スペースの融通性も向上させました。

 営業面につきましては、グローバル市場への積極的展開による販売増強を図るため、IoT化時代への対応として「工場の見える化」を推進するNISSEI4.0にて射出成形機を軸に金型・材料・周辺機器・工場環境などの生産設備をネットワーク化し、成形条件の最適化や成形不良対策、消耗部品の寿命予測、設備機器の故障診断など「スマート成形工場」の実現に向けた提案型営業を展開いたしました。

 展示会への出展に関しましては、昨年10月に名古屋市のポートメッセなごやで開催された「2018名古屋プラスチック工業展」において最新のハイブリッド式射出成形機を出展するとともに「Injection for Innovation 承継から革新へ」をテーマに創業より培ってきた高い技術力と成形現場から生まれる新たな発想を融合し、お客様が抱える成形加工における煩わしさの低減や付加価値の高いモノづくりにむけた多彩な技術提案をいたしました。一方、海外におきましては、昨年5月に米国フロリダ州オーランドで開催された「NPE2018」において、同月に開所した米国生産子会社で組立・検査を実施したハイブリッド式射出成形機FNX460Ⅲ-160Aをはじめ、計7台の射出成形機を出展いたしました。また、同展では、射出成形機とロボットを組み合わせた成形システムを展示し、ターンキーシステムの販売をアピールいたしました。

 当連結会計年度の業績につきましては、アジア地域での需要が年度後半から鈍化しましたが、国内および米国等での需要が堅調であったこと等から売上高合計は前年同期比4.1%増の440億6千5百万円となりました。

 利益面におきましては、営業利益は35億1千万円(前年同期比13.1%増)、経常利益は35億9千3百万円(同7.1%増)となりました。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、25億8千9百万円(前年同期比75.4%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

① 日本

 自動車関連等の需要が堅調であったこと等により、売上高(外部顧客への売上高)は227億2百万円(前年同期比7.8%増)、セグメント利益は20億8千1百万円(同3.0%増)となりました。

 

② アメリカ地域

 自動車関連等を中心に需要が堅調であったこと等により、売上高(外部顧客への売上高)は95億2千2百万円(前年同期比5.8%増)となりましたが、販売費等が増加したことからセグメント利益は4億2千9百万円(同26.0%減)となりました。

③ アジア地域

 IT関連を中心に需要が鈍化したこと等から売上高(外部顧客への売上高)は118億4千万円(前年同期比3.5%減)、セグメント利益は7億6百万円(同16.2%減)とそれぞれ減少いたしました。

 

 なお、当期の単体業績につきましては、売上高合計が365億2千3百万円(前年同期比2.6%増)となりました。このうち国内売上高は152億3千9百万円(前年同期比5.7%増)、輸出の売上高は212億8千4百万円(同0.5%増)となり、輸出比率は58.3%(前年同期実績は59.5%)となりました。

 利益面におきましては、営業利益が24億8千7百万円(前年同期比7.5%増)、経常利益が27億2千4百万円(同9.4%増)、当期純利益が20億1千4百万円(同105.7%増)となりました。

 

 財政状態におきましては次のとおりであります。

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3億6千4百万円増加し、568億4千1百万円となりました。

 このうち流動資産は前連結会計年度末に比べて4億5千3百万円減少し、412億5千万円となりました。主たる増加要因は、原材料及び貯蔵品の増加9億6千8百万円および仕掛品の増加4億1千5百万円ならびに受取手形及び売掛金の増加3億6千8百万円であり、主たる減少要因は、未収入金の減少21億4千1百万円および現金及び預金の減少2億3千5百万円であります。

 また、固定資産は、前連結会計年度末に比べて8億1千8百万円増加し、155億9千万円となりました。主たる増加要因は、有形固定資産の増加7億1千8百万円であります。

 当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて16億3千7百万円減少し、229億8千1百万円となりました。

 このうち流動負債は前連結会計年度末に比べて11億7千8百万円減少し、185億5千4百万円となりました。主たる減少要因は、支払手形及び買掛金の減少7億9千1百万円および1年内返済予定長期借入金の減少2億9千9百万円であります。

 また、固定負債は前連結会計年度末に比べて4億5千8百万円減少し、44億2千6百万円となりました。主たる減少要因は長期借入金の減少4億6千7百万円であります。

 当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて20億2百万円増加し、338億6千万円となりました。

 なお、当連結会計年度における増減資はありません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、2億3千5百万円減少し、122億1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は26億7百万円(前年同期実績は62億7千8百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益35億9千3百万円等の資金収入があったこと、たな卸資産の増加14億6千2百万円および仕入債務の減少10億円ならびに売上債権の増加5億6千1百万円の資金支出があったことによっております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、15億9千6百万円(前年同期実績は30億4千3百万円)となりました。これは主に本社QC棟取得等による有形固定資産の取得による支出12億9千万円および無形固定資産の取得による支出1億9千8百万円の資金支出があったことによっております。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、11億8千6百万円(前年同期実績は16億6千万円)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出7億6千7百万円および配当金の支払額3億9千9百万円の資金支出があったことによっております。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

22,067

110.3

アメリカ地域

261

アジア地域

7,137

138.4

合計

29,466

117.1

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 周辺機器及び部品につきましては、製品(又は部品)として仕入れる部分が多いため、上記に含めておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

日本

19,367

68.7

8,235

71.2

アメリカ地域

8,382

89.3

1,860

62.0

アジア地域

11,235

85.2

2,489

80.4

合計

38,985

76.8

12,586

71.2

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

22,702

107.8

アメリカ地域

9,522

105.8

アジア地域

11,840

96.5

合計

44,065

104.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

該当する主要な相手先がないため、記載を省略しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において経営者が判断または予想したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 また、連結財務諸表の作成にあたり、連結会計年度末における資産、負債の金額、及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5[経理の状況] 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におきましては、期中後半からアジア市場において需要が鈍化したものの、国内を中心に堅調に推移しました。今後の射出成形機需要におきましては、5G通信等のデジタルインフラの整備・普及、海洋プラスチック問題に象徴される環境問題等、当社製品の関わりが重要性を増していく中で、更なる需要の拡大に繋がることが予想されます。

 当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

① 売上高および売上総利益

 当連結会計年度の売上高合計は、国内を中心に射出成形機需要が堅調だったこと等から前年同期比4.1%増の440億6千5百万円となりました。

 製品別売上高については次のとおりであります。

射出成形機

 主力である射出成形機につきましては、国内および米国等での需要が堅調だったことから売上高は336億7千2百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

周辺機器

 射出成形機需要が堅調に推移したものの売上高は27億6千万円(前年同期比8.0%減)となりました。

部品

 射出成形機需要に牽引され、売上高は54億円(前年同期比0.9%増)となりました。

金型等

 金型、中古機の需要に加え金属加工機械の需要が加わったことから売上高は22億3千1百万円(前年同期比37.7%増)となりました。

 売上総利益につきましては、射出成形機需要が堅調だったこと等から130億1千5百万円(前年同期比8.2%増)となりました。また、売上高総利益率は29.5%(前年同期実績28.4%)となりました。

② 営業利益

 販売費及び一般管理費につきましては、合計で95億4百万円(前年同期比6.5%増)と増加しましたが、営業利益は35億1千万円(前年同期比13.1%増)となり、売上高営業利益率は8.0%(前年同期実績7.3%)となりました。

③ 経常利益

 経常利益は35億9千3百万円(前年同期比7.1%増)、売上高経常利益率は8.2%(前年同期実績は7.9%)となりました。

④ 税金等調整前当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、35億9千3百万円(前年同期比34.7%増)となり、法人税等合計額10億4百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は25億8千9百万円(同75.4%増)となりました。

 

⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社グループは、中長期的な目標値として3ヵ年の中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)を策定し、企業価値の向上を図ってまいりました。2ヵ年目となる前連結会計年度におきましては、3ヵ年目の最終目標値である連結売上高400億円、連結営業利益30億円を達成したことから、最終年度となる2019年3月期(当期)においては連結売上高455億円および連結営業利益34億円を目指して事業展開を図りましたが、連結売上高440億6千5百万円、連結営業利益35億1千万円となり連結売上高は目標値に届かなかったものの連結営業利益は目標値を達成いたしました。

 2020年3月期におきましては、長期的な観点からの成長戦略や業績目標を見据え、2026年3月期を最終年度とする「フューチャーデザイン2026」の策定を進めるとともに第三次中期経営計画(2020年3月期から2022年3月期)を策定いたしました。

 事業展開といたしましては、営業力の強化と新たなビジネスモデルの創出によって売上の増大を図り、提案型営業によりボーダレス化・IoT化に呼応してグローバル市場へ積極展開を図り「成形の理(ことわり)」を具現化する新製品を市場投入してまいります。加えて生産体制の強化として、日本、中国、タイ、米国の4極生産体制による生産能力を増強し、生産技術力、品質保証体制を強化する他、グローバルな調達体制および内製化の推進により更なるコストダウンを図ってまいります。

 

指標

当連結会計年度実績

2020年3月期(目標値)

中期経営計画

(2022年3月期 目標値)

連結売上高(百万円)

44,065

44,500

50,000

連結営業利益(百万円)

3,510

3,600

4,000

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資本需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、射出成形機の部材の購入費用、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的にしたものは、主に生産設備等の設備投資費用および射出成形機の研究開発費用等であります。

 

②資金の流動性について

 当社グループは、事業運営上の必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金につきましては、主に自己資金および金融機関からの借入によって調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は15億7千3百万円であります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、13頁「経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、プラスチック射出成形機を中心に、成形加工技術を幅広い角度から総合的にとらえて行うことを方針としております。

 研究開発活動についてはその全てを主として当社(日本セグメント)において行っており、基礎研究は技術本部内の技術研究開発室にて、また実用化・応用研究を同本部内にて担当すると共に、成形支援システム関連分野を本社テクニカルセンターが担当し、相互に連携をとりながら研究開発を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費は442百万円であり、当連結会計年度末における産業財産権の総数は408件(国内取得分)となっております。

 なお、当連結会計年度における主な研究開発項目は、次のとおりであります。

(1)ハイブリッド式・大型射出成形機の開発

(2)ハイブリッド式・汎用射出成形機FNXシリーズの開発

(3)可塑化性能向上に関する研究

(4)IoTによる技術開発