第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

「世界の日精 プラスチックをとおして人間社会を豊かにする」

経営ミッション

「お客様の価値を創造し、お客様が満足することを通じて社会貢献を図る」

品質方針

「お客様と会社がともに成長できるモノづくりを推進する」

 当社は創業以来、射出成形機の専業メーカーとして、常にお客様の立場に立った商品開発を手がけるとともにお客様と永年培ってきた成形技術の集積を総合的に提供することに努めてまいりました。

 常にお客様のニーズを先取りし、高付加価値、高品質の商品ならびに充実したサービスを提供することにより、豊かな社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 目標とする経営指標は、連結売上高営業利益率であります。

 当社グループでは、株主への安定的な配当を維持しつつ、継続的な研究開発および生産設備投資を行っていくためには、連結ベースの売上高営業利益率を恒常的に8%以上確保することが必要であると認識しております。

 2022年3月期におきましては、新型コロナウイルス感染症による経済の停滞から射出成形機の需要が回復基調であったこと等から2021年3月期の2.8%から5.3%となりました。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、2022年4月より「グローバル環境経営を更に進化させ、『フューチャーデザイン2026』の達成に向けた総仕上げを行う」をスローガンに掲げ、3ヵ年の第四次中期経営計画を策定し、以下の方針により2025年3月期に連結売上高640億円、連結営業利益42億円の達成を目指してまいります。

 

①真のグローバル経営の強化

 世界規模で進展する市場変化のなかで、グローバル環境経営を強化し、高収益企業としてグローバルな展開を図り、グループ力を発揮いたします。

②グローバル市場への積極的展開による営業強化

 営業力の強化と、新たなビジネスモデルの創出により売上増大を図ってまいります。またお客様の課題解決型企業として、お客様にご満足いただける提案型営業を行うとともに、ボーダレス化、IoT化に呼応して、グローバル市場への積極的な展開を図ってまいります。

③グローバル生産体制の強化

 5極生産体制により生産能力を増強するとともに、生産技術力と品質保証体制を強化いたします。またグローバル調達体制の強化と内製化率向上により更なるコストダウンを図ってまいります。

④グローバルリスク管理体制の強化

 リーガルリスクに対応した製・販・財戦略とコーポレートガバナンス、BCP等に対応したグローバルマネジメント体制を強化いたします。また、グローバルに対応できる人材の育成を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 2023年3月期(2022年4月から2023年3月まで)につきましては、新型コロナウイルス感染症により停滞した経済活動の回復が継続することが見込まれるものの、半導体不足、鉄鋼価格の上昇、プラスチック材料の不足、値上げ等の懸念から先行きは不透明であります。また、世界において環境問題が指摘されており、その対応が急務となっております。

 その具体的な施策は、次のとおりであります。

①環境経営の実践強化

 環境経営を強化し、企業価値の向上を図り、営業、生産、商品、リスク等全ての企業活動を環境視点で考え、環境対応技術のビジネス化により売上増に繋げてまいります。

②セールス戦略

 お客様の課題解決型企業として展示会および内覧会等を活用し、提案型営業によりソリューションビジネスモデルを提案し、お客様にご満足を提供するため、IoT技術を活用した営業・サービス活動、環境対応技術の提案を進めてまいります。

③商品戦略

 中・長期ロードマップに基づく計画的な商品開発・研究開発を行い、市場投入を図ってまいります。環境対応技術開発の推進としてポリ乳酸(PLA)+木粉材料の拡販および新規ビジネス商品としてアルミ金型、サブスクリプション等を展開してまいります。

④プロダクト戦略

 グローバルサプライチェーンの強化により、品質、コスト、納期対応の向上および為替リスクの低減を図るとともに難調達部品(半導体関連部品、金属材料部品、プラスチック材料部品等)の計画的調達および供給体制の構築を進めてまいります。

⑤コスト戦略

 グローバルサプライチェーンの強化により、コストダウンを推進し、海外工場使用部品を国内工場に展開することで更なるコストダウンを進めてまいります。

⑥サービス戦略

 サービス、部品販売業務は、収益の柱であり、販売を更に強化してまいります。ビフォアサービス営業の強化およびプリメンテナンスを推進してまいります。

⑦人事戦略

 グローバルに対応できる人材の育成のため、海外社員のトレーニングプログラムを確立させるとともにグループ内での人材交流、外国人技能実習制度を利用した人材活用を進めてまいります。

⑧リスク管理体制

 全社リスクの見直しを実施し、全拠点のBCPの作成および更新を進めてまいります。特にBCPについては、地震、水害、雪害等の天災およびウイルス等の健康リスクへの対応を強化してまいります。

 

⑸気候変動およびTCFDに対する課題

 当社グループは、地球規模での環境保全への対応につき経営の重要課題の一つとして捉えております。グローバル視点による経営の基本を環境面から考え、海洋プラスチック問題や脱炭素社会の実現、資源環境システムの構築といった問題に対し、各施策を推し進めてまいります。

①ガバナンス体制

 気候変動対応および目標値の設定承認は代表取締役社長が行います。具体的には全社において環境経営プロジェクトを定期的に開催しており、同プロジェクトにおいて目標値の設定、各部門における進捗状況の把握をし、目標達成に向けた施策の実行を監督しております。内容および進捗状況は同プロジェクト内において代表取締役社長に報告される体制を敷いております。

②戦略

 当社グループでは、気候変動がもたらす事業活動に係る重要なリスクと機会の明確化に向けて、信頼性のある外部機関によるシナリオ群を活用しつつ、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」、「温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)」の2つのシナリオ分析を進め、重要なリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会に対する主なインパクトを想定し、費用対効果を考慮のうえ対応策を定め、財務への影響を測定してまいります。

③リスク管理体制

 社内で実施する環境経営プロジェクトを通じてリスクを特定し、各部門において部門目標として設定いたします。設定したリスクは各部門に所属する課単位で目標展開項目としてPDCAサイクルを実施し、目標達成に向けた施策を推し進めることといたします。各課単位での取組状況を確認する体制としてISO9001、ISO14001による品質環境内部審査委員会の内部審査および内部監査部門が実施する業務監査において定期的に審査、評価を行い、取締役会で報告し、実効性を確保してまいります。

④指標および目標

 現在、当社本社にて設置、稼働しております太陽光発電量は、2019年が664,736kwh(28百万円相当)、2020年が615,220kwh(27百万円相当)であり、平均して年間で約300トンのCO₂削減量を実現しております。この発電量は本社工場の稼働に必要な電力量の15%程度であります。今後におきましては、本社および海外拠点において再生可能エネルギーを用いた工場等の稼働方法を検討してまいります。

 事業においては、お客様である成形加工業界に対し、環境対応への啓蒙と新しい成形法の確立を進め、営業、生産、商品、リスク等の全ての企業活動を環境視点で考える「環境対応技術のビジネス化」により売上増加に繋げてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業内容及び事業状況に内在する固有のリスク要因

① 特定製品への依存度が高いことについて

 当社グループは、射出成形機および関連機器の製造・販売の単一事業を営んでおり、連結売上高合計に占める射出成形機売上高の構成比が7割強と高い水準で推移しております。

 射出成形機市場においては一定の更新需要が見込まれることに加え、当社グループにおいても新製品の開発等により常に新規需要を喚起しておりますが、内外の景気動向、特に産業機械分野の設備投資マインドの低下等により射出成形機の需要が停滞した場合、グループ全体の収益低下に直結する惧れがあります。

② 自然災害および感染症拡大に伴うリスク

 当社グループは、世界に販売・生産拠点を有しており、拠点ごとに事業継続リスクを検討し、BCPマニュアルの策定、運用およびBCP訓練の定期実施等の対策を講じておりますが、地震、水害、台風、竜巻等の自然災害による地域経済の停滞および新型コロナウイルス感染症等の感染症が拡大することによる世界経済の停滞から当社グループの従業員の健康被害、事業所閉鎖による事業活動の停滞、各国の渡航制限および顧客の工場入場制限等による営業活動縮小、都市封鎖等による生産拠点の閉鎖、サプライチェーンの縮小等の収益低下に直結する惧れがあります。

③気候変動に伴うリスク

 当社グループが製造、販売するプラスチック射出成形機により生産されるプラスチック製品につきましては、人間社会を豊かにしてきた半面、マイクロプラスチック問題等の環境問題が生じております。当社では1990年代より環境に配慮した生分解性樹脂の利用技術・応用技術の研究開発に継続的に取組んでおり自社ブランドの射出成形システムおよび成形技術を上市し拡販を進めておりますが、気候変動に伴う自然災害の増加リスクの他、世界規模で従来プラスチック製品の製造規制または使用が禁止される等により射出成形機の需要が縮小し、グループ全体の収益低下に直結する惧れがあります。

④ 為替レートの変動について

 当社グループは、アジア・アメリカ・ヨーロッパ地域を含む世界各地に製品を輸出しており、最近の海外売上高比率は7割強と高い水準で推移しております。

 製品の多くは、米ドル建、円建および各国通貨建決済により海外販売子会社を通して販売されておりますが、特に売上高の重要部分を占める米ドル建取引および元建取引に係る売上債権について為替リスクを有しております。通常、円高はグループの業績に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらす傾向にあります。

 また、当社の各海外販売子会社との円建取引については、各子会社において支払債務を現地通貨から円換算する際、為替レートの変動に伴う差損益が発生し、結果としてグループの業績が影響を受ける場合があります。

 こうした状況に対し、為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限にするため、種々の為替ヘッジを行っておりますが、極端な為替レートの変動は、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)その他、継続企業として潜在的に負っているリスク要因

① 海外市場に潜在するリスクについて

 当社グループの海外市場における事業展開には、特に、次に掲げるようなリスク要因が内在しております。

ア.予期しない法律および規制の変更等

イ.政治または経済環境の変動

ウ.テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

② 製品の欠陥に対するリスクについて

 当社グループは、一定の基準に従い、品質および安全管理に相当の注意を払いつつ製品を製造しております。しかし、製品について全く欠陥が発生しないという保証をしているわけではありません。製品の欠陥によるリコールや製造物賠償責任の発生等により、当社グループの業績および財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

③ 資金調達に関するリスクについて

 当社グループは、専ら営業収益および金融機関からの借入により事業活動に必要な運転資金を確保しております。従って、市況の悪化等の要因により売上・利益水準の低下が継続した場合、グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等⑴連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

(1)経営成績及び財政状態の状況

 当連結会計年度における世界情勢は、新型コロナウイルス感染症により停滞した経済活動が、期初においては回復基調で推移いたしましたが、後半は世界的な半導体等の部材不足およびウクライナ情勢の悪化を端とする急激な円安の進行等、不透明な状況で推移いたしました。

 当社グループが属する射出成形機業界におきましては、自動車関連を中心に新型コロナウイルス感染症の感染拡大により停滞していた需要が回復基調でありましたが、後半は世界的な部材不足による調達難等により厳しい経営環境となりました。

 このような状況のもと、当社グループは、長期的な視点からの成長戦略や業績目標を見据え、2026年3月期を最終年度とする「フューチャーデザイン2026」の達成に向けて推進すると同時に第66期を最終年度とする第三次中期経営計画に基づいた事業を展開いたしました。

 事業拠点の展開につきましては、昨年7月にグローバル製販体制の強化を目的に、米国の販売子会社NISSEI AMERICA,INC.を存続会社として米国の生産子会社NISSEI PLASTIC MACHINERY AMERICA INC.を吸収合併いたしました。同社は新たにテキサス州サンアントニオ市に本社を置くことにより、製・販・財の効率化と米国ニーズに合わせた射出成形機の一気通貫での企画・生産・管理・改造・販売を可能といたしました。また、中国においては、本年1月に浙江省海塩県に生産子会社日精塑料机械(海塩)有限公司の設立を決定いたしました。同社の設立により、アジア地域を中心とした旺盛な射出成形機需要に応え、当社グループにおけるグローバルな生産・販売体制の一層の強化を進めてまいります。

 当社グループの商品につきましては、「信州ブランドアワード2021」の「しあわせ信州」部門において、環境対応素材であるポリ乳酸(PLA)の射出成形技術に関する自社ブランド「N-PLAjet」が大賞を受賞いたしました。当社では、1990年代より生分解性樹脂の利用技術・応用技術の研究開発に着手しており、耐熱用途、薄肉透明用途、木粉とPLAのコンポジット材料成形、PLAの二色成形、PLAの二色成形を実用化してまいりました。今回の選考においては、「ゼロカーボン」を意識した取組みとしてテーマに合致している点が評価されました。

 展示会への出展につきましては、第66期より展示会共通のテーマとして「NISSEI RED」を掲げました。NISSEI REDは「NISSEI Reinforcing an Engineering Design」として射出成形機メーカーとしての「情熱」「想い」、お客様にお届けできる唯一無二の価値、解決策、次世代に繋げる想いを表現するための展示会をプロモーションの場として捉えております。同テーマにより名古屋プラスチック工業展2021および当社本社、兵庫県の西日本テクニカルセンターでそれぞれプライベート展を開催いたしました。名古屋プラスチック工業展におきましては、昨年9月に愛知県のポートメッセ名古屋で開催され、新機種である「TWX300-RⅢ」と二色成形機である「DCX140Ⅲ-9E」を出展いたしました。TWX-300RⅢは当社独自の低圧成形技術「N-SAPLI」による異形状同一条件成形を、DCX140Ⅲ-9EではPLAの二色成形をそれぞれ実演し、当社の技術力のPRを行いました。また、昨年10月に西日本テクニカルセンターにおいて西日本プライベートフェア2021を、同年12月には長野県の本社にてNISSEI RED EXHIBITION 2021 in NAGANOをそれぞれ開催いたしました。これらのプライベート展にはNISSEI REDをテーマに次世代ハイブリッド機で360tクラスの機械全長で680tクラスの金型が搭載可能となるFWX970Ⅲ-200Bおよび電気式射出成形機NEX機の進化形としてボトル業界への新提案であり汎用射出成形機で成形可能なインジェクションブロー工法を初披露する等の実演を実施し、来場したお客様よりご好評をいただきました。

 営業面におきましては、海外市場では、欧州で自動車関連業界においてNEGRI BOSSI S.P.A.および現地法人を活用した市場開拓およびEV化への対応ならびにPLA等の環境対応技術のシステム販売を強化いたしました。アジア市場においては、欧州企業のアジア工場に対する拡販体制を構築し、重要業種向けの特殊機、専用機の拡販を強化いたしました。国内市場におきましては、中大型機、竪型機、二色機の販売を強化し、海外納入案件へのグローバル営業を推し進めてまいりました。

 当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済の停滞から一定の回復が見られたこと等から売上高合計は487億3千1百万円(前年同期実績は416億4百万円)となりました。

 利益面におきましては、主力である射出成形機の需要が回復したこと等から営業利益は25億7千7百万円(前年同期比125.1%増)、経常利益は29億4千万円(同174.6%増)となりました。

 これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は26億8千万円(前年同期比347.6%増)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

① 日本

 自動車関連等の需要が堅調に推移したこと等から、売上高(外部顧客への売上高)は164億8千2百万円(前年同期実績は141億2千8百万円)、セグメント利益は18億2千9百万円(前年同期実績はセグメント損失1億1千3百万円)となりました。

② 欧米地域

 自動車関連等の需要が堅調に推移したこと等から、売上高(外部顧客への売上高)は178億7千9百万円(前年同期実績は164億2千3百万円)、セグメント利益は4億8千5百万円(前年同期比35.5%増)となりました。

③ アジア地域

 IT関連を中心に需要が堅調に推移したこと等から売上高(外部顧客への売上高)は143億6千9百万円(前年同期実績は110億5千2百万円)、セグメント利益は8億1千4百万円(前年同期比59.8%増)となりました。

 

 なお、当期の単体業績につきましては、売上高合計364億5千2百万円(前年同期実績は292億9千6百万円)となりました。このうち国内売上高は123億8百万円、輸出の売上高は241億4千4百万円となり、輸出比率は66.2%(前年同期実績は64.5%)となりました。

 利益面におきましては、営業利益が18億5千2百万円(前年同期比1,091.7%増)、経常利益が26億5千6百万円(同325.4%増)、当期純利益が18億4千4百万円(前年同期実績は当期純損失2億7千9百万円)となりました。

 

 財政状態におきましては次のとおりであります。

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて44億8千8百万円増加し、688億5千2百万円となりました。

 このうち流動資産は前連結会計年度末に比べて40億1百万円増加し、508億3千4百万円となりました。主たる増加要因は、原材料及び貯蔵品の増加31億4千7百万円および商品及び製品の増加28億7千2百万円であり、主たる減少要因は、現金及び預金の減少33億4千2百万円であります。

 また、固定資産は、前連結会計年度末に比べて4億8千6百万円増加し、180億1千8百万円となりました。主たる増加要因は、有形固定資産の増加3億9千1百万円、主たる減少要因は無形固定資産の減少1億2百万円であります。

 当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度末に比べて14億1百万円増加し、319億1千3百万円となりました。

 このうち流動負債は前連結会計年度末に比べて14億7千1百万円増加し、224億8千9百万円となりました。主たる増加要因は、支払手形及び買掛金の増加36億1千2百万円および未払法人税等の増加6億8千8百万円であり、主たる減少要因は、短期借入金の減少28億7千6百万円であります。

 また、固定負債は前連結会計年度末に比べて7千万円減少し、94億2千4百万円となりました。主たる減少要因は、長期借入金の減少6千2百万円であります。

 当連結会計年度末の純資産合計は前連結会計年度末に比べて30億8千6百万円増加し、369億3千8百万円となりました。

 なお、当連結会計年度における増減資はありません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、35億1千8百万円減少し、106億1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は16億1千9百万円(前年同期実績は46億9千3百万円の資金収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益40億5百万円および仕入債務の増加29億1千6百万円があったこと、棚卸資産の増加57億5千5百万円の資金支出があったことによっております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、7億7千7百万円(前年同期実績は5億4千万円の資金支出)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入13億6千3百万円および有形固定資産の取得による支出19億5千7百万円の資金支出があったことによっております。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、42億3千8百万円(前年同期実績は18億3千1百万円の資金収入)となりました。これは主に長期借入れによる収入17億円の資金収入があったこと、短期借入金の返済による支出29億4千3百万円および配当金の支払による支出5億8千4百万円、ならびに長期借入金の返済による支出22億8千8百万円の資金支出があったことによっております。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

16,390

128.7

欧米地域

6,121

137.6

アジア地域

9,985

122.2

合計

32,497

128.2

(注)1 金額は、販売価格によっております。

2 周辺機器及び部品につきましては、製品(又は部品)として仕入れる部分が多いため、上記に含めておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

日本

19,546

134.7

6,891

180.1

欧米地域

21,802

106.7

9,052

176.5

アジア地域

14,445

120.2

2,586

103.0

合計

55,794

118.8

18,529

161.6

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

16,482

欧米地域

17,879

アジア地域

14,369

合計

48,731

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

該当する主要な相手先がないため、記載を省略しております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において経営者が判断または予想したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度におきましては、2026年3月期を最終年度とする「フューチャーデザイン2026」の達成に向けて、第64期を初年度する第三次中期経営計画に基づき、事業を推し進めてまいりました。最終年度となる当連結会計年度は、国内市場においては、長野県の本社および兵庫県の西日本テクニカルセンターにおいて内覧会を実施するとともにポリ乳酸(PLA)をベースとした新たなコンポジット生分解性樹脂の開発を行いました。欧州市場においては米国の販売子会社と生産子会社を統合し、経営管理の一元化をして製造・販売・財務の効率化を進めました。またイタリアの成形機メーカーNEGRI BOSSI S.P.A.の子会社化により、欧州に適合した機種の効率的な製造販売体制を確立いたしました。アジア市場においては、中国を中心に医療、IT関連の旺盛な需要を背景に積極的な設備投資に対応すべく中国生産拠点の増床を行い30%超の生産向上を図りました。これらの施策の結果、当連結会計年度うにおいては、業績の目標値を全て達成することができました。

 当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

① 売上高および売上総利益

 当連結会計年度の売上高合計は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により停滞していた経済活動が回復基調にあったこと等から487億3千1百万円(前年同期実績は416億4百万円)となりました。

 製品別売上高については次のとおりであります。

射出成形機

 主力である射出成形機につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により停滞していた射出成形機需要が回復基調にあったこと等から売上高379億8千9百万円(前年同期実績は313億7千7百万円)となりました。

周辺機器

 射出成形機の需要が増加したこと等に伴い売上高は20億4千万円(前年同期実績は17億7千4百万円)となりました。

部品

 サービス需要が堅調だったこと等から売上高は66億4千万円(前年同期実績は60億3千5百万円)となりました。

金型等

 売上高は20億6千万円(前年同期実績は24億1千7百万円)となりました。

 売上総利益につきましては、需要が回復傾向にあったこと等から144億円(前年同期比17.8%増)となりました。また、売上高総利益率は29.6%(前年同期実績は29.4%)となりました。

② 営業利益

 販売費及び一般管理費につきましては、売上高が増加したこと等から合計で118億2千2百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は25億7千7百万円(前年同期比125.1%増)、売上高営業利益率は5.3%(前年同期実績は2.8%)となりました。

③ 経常利益

 経常利益は29億4千万円(前年同期比174.6%増)、売上高経常利益率は6.0%(前年同期実績は2.6%)となりました。

④ 税金等調整前当期純利益および親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、40億5百万円(前年同期比274.0%増)となり、法人税等合計額12億9千9百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は26億8千万円(前年同期比347.6%増)となりました。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社グループは、中長期的な目標値として2023年3月期(第67期)を期初とする3ヵ年の第四次中期経営計画(2023年3月期から2025年3月期)を策定いたしました。経営目標といたしましては「グローバル環境経営を更に進化させ、フューチャーデザイン2026の達成に向けた総仕上げを行う」と掲げ、グローバル視点による経営の基本を環境面から考え、海洋プラスチック問題や脱炭素社会の実現、資源循環システムの構築といった問題に対して、当社の研究開発、製品販売をSBT(Science Based Targets)に基づくスコープ3への適合を推進するための各施策を進め、2025年3月期(第69期)の目標値として連結売上高640億円、連結営業利益42億円を目指してまいります。

 2023年3月期におきましては、新型コロナウイルス感染症により停滞していた経済活動の回復が見込まれるもの、半導体不足、鉄鋼価格の上昇、プラスチック材料の不足、値上げ等の懸念から先行きは不透明であります。

 このような状況の下において、当社グループといたしましては、成形加工業界に対し、環境対応への啓蒙と新成形法の確立を進め、営業、生産、商品、リスク等の全ての企業活動を環境視点で考える「環境対応技術のビジネス化」により売上増加に繋げてまいります。

 事業展開といたしましては、プラスチックのミスリードを是正し、環境対応と経済活動の調和を図る提案として石油由来から植物由来樹脂への利活用をはじめとする環境と企業価値向上のための選択肢の提供を行ってまいります。

 生産体制の強化といたしましては、グローバルサプライチェーンの強化により、品質、コスト、納期対応の向上を図るとともに為替リスクの低減を図り、半導体関連、金属材料部品等の難調達部材につき計画的に調達、供給体制の再構築により品質、コスト、納期の安定化を進めてまいります。

 商品開発におきましては、中・長期ロードマップに基づく計画的な商品開発、研究開発を行い、マテリアルを含む、環境対応技術とリモートメンテナンスをはじめとするIoT技術の商品化をタイムリーに推進し市場投入を図ってまいります。

 

指標

2023年3月期業績目標

中期経営計画

(2025年3月期 目標値)

連結売上高(百万円)

51,000

64,000

連結営業利益(百万円)

3,000

4,200

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資本需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、射出成形機の部材の購入費用、製造費、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的にしたものは、主に生産設備等の設備投資費用および射出成形機の研究開発費用等であります。

 

② 資金の流動性について

 当社グループは、事業運営上の必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 運転資金につきましては、主に自己資金および金融機関からの借入によって調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は84億3千万円であります。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1) 連結子会社の合併

 当社は、2020年11月12日開催の取締役会において、2021年7月1日に当社の米国の連結子会社であるNISSEI AMERICA,INCとNISSEI PLASTIC MACHINERY AMERICA INC.の2社による合併を決議いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、プラスチック射出成形機を中心に、成形加工技術を幅広い角度から総合的にとらえて行うことを方針としております。

 研究開発活動についてはその全てを主として当社(日本セグメント)において行っており、基礎研究は技術本部内の技術研究開発室にて、また実用化・応用研究を同本部内にて担当すると共に、成形支援システム関連分野を本社テクニカルセンターが担当し、相互に連携をとりながら研究開発を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費は398百万円であり、当連結会計年度末における産業財産権の総数は365件(国内取得分)となっております。

 なお、当連結会計年度における主な研究開発項目は、次のとおりであります。

(1)ハイブリッド式・電気式射出成形機の開発

(2)可塑化性能向上に関する研究

(3)IoTによる技術開発