文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは 1.社会に存在価値ある会社 2.会社に存在価値ある部門 3.部門に存在価値ある個人 4.向上の矢印で確実な前進 を経営理念としております。この理念のもと、事業計画を策定し、各セグメントがその年度計画を達成することにより、一歩一歩、確実に前進して行くことを基本方針としております。
同時に、お客様のニーズを的確に捉えた製商品と行き届いたサービスの提供という活動を地道に進めていくことを通じて、社員は育ち、会社は発展し、社会にも貢献できることを使命と考えています。
以上の経営方針に沿って事業を推進していくために、当社グループは以下の3つのセグメントにより事業計画を推進・管理しています。
① 国内
当社の国内事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では69.2%を占め、主に圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメント並びに環境関連機器等の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラー、建機ディーラー、レンタル会社、エンドユーザーです。
② 海外
当社の海外事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では16.6%を占め、主に油圧ブレーカ及び圧砕機等の建機アタッチメントの販売、メンテナンスサポートを行っています。主要な顧客は各地域の建機ディーラー等の提携販売代理店やレンタル会社です。
③ 南星
子会社の株式会社南星機械に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では14.2%を占め、主に林業機械や金属リサイクル機械の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラーや機械ディーラー、エンドユーザーです。また、ゼネコン向けの請負事業としてダム建設工事等の運搬設備であるケーブルクレーンの設計・施工・運用管理を行っています。
(2)マーケット環境と各セグメントの状況
① 国内
当社国内の主力商製品である圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメントは、油圧ショベルの先端に装着し、ビル、マンション、公共建物等のコンクリート建造物の解体工事や砕石・土木工事、建築廃材再利用のための分別処理等に使用されています。
コンクリート建造物は建築後、数十年経過すると劣化が進んできます。そのため、大規模地震等の自然災害発生に対する安全対策上からも劣化が進んだ建物は解体・建て替えの対象となってきます。わが国では戦後の高度成長期以降に建てられたコンクリート建造物が順次解体対象に入ってきており、茲許の都市再開発の動きやインフラ再整備の必要性からも国内での建機アタッチメント需要は今後も堅調に推移するものと思われます。
特に、解体用建機アタッチメントは解体現場で厳しい使用環境にさらされており、摩耗・損傷が常時発生する中で、当社は自社でメンテナンス部門を持ち、販売後のアフターサービス体制を整備していることで、同業他社メーカーと差別化を図っております。加えて、より強度が求められる大割機や鉄骨カッターは鋳鋼製品とする等、製品強度面・品質面でも優位性を追求しており、圧砕機販売シェアは約4割と国内トップシェアを維持しております。また、土木工事、砕石、建物解体等の幅広い用途で汎用性の高い油圧ブレーカ、木造解体や復興処理等で使用され最近需要が高まっているつかみ機等、幅広い建機アタッチメントを取り揃え幅広い需要に対応しています。
一方、当社は木材のチップ製造や産廃処理等に使用される木材破砕機をはじめとする環境関連機器も取り扱っており、木質バイオマス発電業者やリサイクル業者向けの安定した需要を見込んでおります。
<国内セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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圧砕機 |
6,309 |
6,055 |
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油圧ブレーカ |
838 |
870 |
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環境関連機器 |
1,402 |
1,549 |
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つかみ機 |
591 |
890 |
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補材・修理 |
2,018 |
2,164 |
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その他 |
838 |
890 |
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合計 |
11,996 |
12,418 |
② 海外
海外では販売の約8割が汎用性の高い油圧ブレーカとなっており、土木工事、砕石、建物解体等で幅広く使用されています。当社の海外販売は、北米地域はOkadaAmerica,Inc.、欧州地域はOkada Europa,inc.、またそれ以外の地域は、当社海外事業所が担当しております。
主力の油圧ブレーカに関しては、オカダブランドの信頼の品質と品揃え、販売代理店への安定した部品供給や修理指導等のサポート体制によりシェア獲得に注力しております。当社海外販売額の約7割を占める米国でのシェアは推定5~6%程度、世界でのシェアは推定2~3%程度と海外進出においては後発の当社にとってはまだまだ開拓余力が大きく、最大マーケットの欧州や成長の見込まれるアジアを中心に今後の伸びしろに期待できます。また、圧砕機に関しては、日本国内と比較すると欧州以外では未成熟のマーケットであり、メンテナンス負担の少ない海外専用モデルや各地域のニーズに合わせた新商品の投入等により市場開拓、市場育成を図っております。
<海外セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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北米 |
2,072 |
2,153 |
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アジア |
635 |
411 |
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欧州 |
294 |
361 |
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その他 |
60 |
58 |
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合計 |
3,061 |
2,985 |
③ 南星
子会社の株式会社南星機械が製造販売する林業機械は、主に油圧ショベルの先端に装着され木材の伐採や集材に活用されます。国内の林業マーケットは戦後の輸入木材の急増に伴い、一時期は木材自給率の低下が続いていましたが、茲許は官民挙げての森林再生、林業再生への取組みや木質バイオマスのエネルギー利用等による国産材の需要拡大を背景に自給率は上昇しております。その一端を支えているのが、林業の機械化であり、今後も林業機械には一定の需要の増加が期待できると考えております。
林業機械の国内推定シェアは約2割程度とみておりますが、株式会社南星機械がオカダアイヨングループ入りしたことにより、販売面での連携強化や安定した部品供給・メンテナンス等のアフターサービス体制の充実、ユーザー目線の商品改良・商品ラインアップの見直し等の施策を進め、業界での評判・シェア向上を図っております。
また、金属リサイクル機械に関しては、油圧ショベルに装着するアタッチメントであるスクラップグラップルが中心ですが、その他にスクラップ工場内で活用される大型の定置式スクラップローダは安定受注が見込まれる一方で、納期待ちの状態が続いているため、納期短縮のための生産体制見直しにより供給体制を整備して対応を図っております。
主にダム建設や山間部における運搬設備であり国内で約5割のシェアを有するケーブルクレーンに関しても、茲許再生可能エネルギーとして再見直しされている水力発電所のリニューアル工事の引き合いが多く、当面は安定した受注が見込まれると考えております。
<南星セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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林業機械 |
922 |
778 |
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金属リサイクル機械 |
387 |
414 |
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ケーブルクレーン |
756 |
693 |
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舶用クレーン |
230 |
206 |
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商事部門・その他 |
513 |
463 |
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合計 |
2,808 |
2,554 |
(3)経営戦略
当社グループは、更なる成長と企業価値向上を目指し、2020年度を最終年度とする6ケ年の中長期経営計画
「アーチ2020作戦」を展開し計画達成に向けて「稼ぐ力」の増強を図っております。本年度はその最終年度として、
引き続き、計画の達成に尽力するとともに、更なる持続的成長に向けた経営基盤の強化に向けて以下の経営戦略の基本方針に沿って企画・推進していく所存です。
① 人事戦略
当社グループのビジネスは、商製品の開発・製造・販売・メンテナンスに亘るバリューチェーン全体を通して
社員個々人の経験やスキル・技術に依存する部分が大きいため、個人の能力アップと組織としてのチーム力を高
めていくことが経営計画を遂行していくうえで最も重要な要素の一つです。
そのために、社員が当社グループの経営理念や価値観を共有したうえで、個人尊重・自由闊達な社風のもと、「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」職場環境づくりをしていくことが肝要であり、以下に掲げる種々の施策を検討・実施していきたいと考えております。
a.研修・キャリアサポートの充実
b.適時適材を確保する通年採用の実施
c.評価・報酬制度、利益分配制度の見直し・充実
d.分権化や企業慣習の見直しによる実質的な業務権限委譲の推進
e.働き方改革への取組み
・残業時間削減に寄与する合理化・省力化への取組み
・「同一労働・同一賃金」及び原則正社員化への取組み
・70歳迄雇用確保の制度化
f.現場での慰労制度などのモチベーションアップ施策拡充
g.社員への経営情報開示(見える化)の推進
② マーケット戦略
上記(2)マーケット環境と各セグメントの状況を念頭に置き、以下のマーケット戦略を進めていきます。
a.国内戦略 ・・・ 開発~製造~販売~メンテナンスに亘る各バリューチェーンの強化
国内では中長期的に堅調と見られる社会インフラ、環境需要に対応し、
・ユーザーニーズを先取りしたプロアクティブな商品開発、とりわけ安全性・効率性に資する商品開発
・安定的な部材調達力と生産体制の構築
・営業・メンテナンス対応力を強化すべく各営業拠点及び付随する修理工場の順次建替え、拡張
等を進めています。尚、営業拠点に関しては当連結会計年度中に四国営業所の移転新設(2019年11月)を行
い、2020年10月には(現)横浜営業所の(新)湘南営業所への移転新設を予定しております。
b.海外戦略 ・・・ 北米・欧州・アジアの3極体制の確立
海外では、海外部門の柱である米国現地法人に加えて、最大市場の欧州(オランダ)の現地法人化(2020年1月)、今後の伸びが期待できる東南アジアの試金石となるタイへの拠点設置(2019年6月駐在員事務所設置)により3拠点体制を強化してまいりました。今後も特に、
・拠点進出した欧州、東南アジアでの人員体制強化
・海外向け戦略商品の投入による品揃えの充実
・海外生産やOEM提携等
等を幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合他社と競争で勝てる商品、販売・アフターサポート体制づくりを目指してまいります。
c.南星戦略 ・・・ オカダ・南星のシナジー効果の実現化
南星では、オカダ・南星両社の強みを生かした販売・製造両面での協業に加えて、
・ユーザーニーズに対応した商品ラインアップの見直し
・強みである金属スクラップ用機械の生産体制の強化
・同じく強みであるケーブルクレーン事業の人員体制の強化
・製造工場の原価管理や生産性向上への取組
等により、生産・利益両面での改善を図り統合効果を実現してまいります。
d.新規事業戦略
・既存事業への新技術導入
新解体工法やAI・IOT等の新技術に対応、応用した解体アタッチメントや林業・スクラップ機械の研
究開発を進めていき、新工法・新技術による既存事業領域の拡大を検討していきます。
・M&A、資本提携による事業領域の拡大
当社グループの強みを生かした事業領域の拡大を図るため、当社と価値観を共有できること、人材の強化に寄与すること、ニッチ市場においてトップシェア獲得を期待できること等を目線にして、M&A、資本提携も前向きに検討していきたいと考えております。
③ 経営基盤強化
中長期的な持続的成長を支える経営基盤づくりとして、以下の施策を進めていきます。
a.統合基幹システムの導入
当社国内グループ会社共通の統合基幹システムの新規導入を進め、グループ連携を強化するとともに、業務の効率化・標準化、情報の一元化、意思決定の迅速化、内部統制システムの強化、BCP・セキュリティ対策の強化を図ります。
b.コーポレートガバナンスの強化
以下のコーポレートガバナンスの強化策を実施いたしました。
・取締役会
2020年5月に外部機関のサポートによる取締役会実効性評価を実施いたしました。今後はこの結果を活用し、取締役会の更なる活性化を図ります。
・社外取締役
2020年6月18日開催の定時株主総会で女性社外取締役1名を選任し、ジェンダーダイバシティーを確保す
るとともに、社外取締役比率を1/3以上といたしました。
・役員の指名報酬
2020年6月に任意の指名報酬委員会を設置いたしました。社内役員を対象として、指名報酬の客観性・透
明性を図ってまいります。
・株主総会の議決権行使
2020年6月18日開催の株主総会より、株主の皆さまに円滑に議決権を行使頂けるよう議決権の電子行使化
を導入いたしました。
・投資家との対話
IR担当チームを設置いたしました。今後、投資家の皆様との円滑で双方向の対話に向けた体制強
化を図ります。
c.SDGs(持続可能な開発目標)への取組み
当社グループは、これまで事業を通じて当社の経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指し
てまいりました。今後も、SDGsの趣旨に則り、特に以下の商製品の性能・品質やアフターサービスの向
上に努め、ユーザーの皆様に安心してご使用して頂くことで環境保全や国土のレジリエンスの一助となり、
機械メーカーとしての存在価値を高めていきたいと考えております。
・都市におけるリサイクルシステムを支える解体・リサイクル事業用機械
当社グループが開発、提供する解体用建機、リサイクル事業用機械は、環境に配慮した建物解体、解体廃
材の分別処理、リサイクルによる資源の再利用という都市におけるリサイクルシステムを支える機械とし
て環境保護と廃棄物の削減に寄与しています。
SDGs [目標11.住み続けられるまちづくりを] [目標12.つくる責任 つかう責任]
・国内の山地・森林の資源の有効活用に貢献する林業機械
当社グループが開発、提供する林業機械は、国内の林業作業の効率化ひいては林業経営の再生に寄与し、
森林の回復に貢献しています。また、木材破砕機やケーブルクレーンは豊かな森林資源や水資源を有効に
活用した再生可能エネルギーの普及に関わっています。
尚、当社グループでは再生エネルギーの普及に貢献する活動の一部として、2020年1月より国内のグル
ープ全拠点において木質バイオマス発電所の電気を使用しております。
SDGs [目標15.陸の豊かさも守ろう] [目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに]
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標につきましては、事業の成長性をはかる売上高伸び率、事業の収益性をはかる売上高営
業利益率、事業の資本生産性をはかる自己資本利益率(ROE)の3つの指標を重視し、中長期経営計画「アーチ
2020作戦」では、売上高伸び率(平均)10%以上、売上高営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標値としております。当連結会計年度における売上高伸び率は0.5%(前年同期実績16.0%)、売上高営業利益率は7.6%(前年同期実績8.5%)、自己資本利益率(ROE)は8.5%(前年同期実績10.2%)でした。引き続きこれらの指標について、改善及び比率上昇を目指し取り組んでいき更なる企業価値の増大に努めてまいります。
(5)経営環境と対処すべき課題
当社グループは、都市再生、森林再生、金属リサイクル等に寄与するモノづくりを行い、環境・再生・リサイク
ルという社会課題の解決に関わっています。そして、開発・製造から販売・メンテナンスまで一気通貫で対応できる機械メーカーとしての強みを生かし、お客様のニーズに常に寄り添った商品・サービスを提供してきた結果、当連結会計年度まで、10期連続の増収、10期連続の増配を積み重ねてくることができました。しかしながら翌連結会計年度の見通しにつきましては、国内外の政治リスクや地政学リスク等の懸念材料に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い国内外の経済活動が著しく制限されることにより、当業界全体においても相当な影響が予想されます。一方では、国土強靭化計画に基づく全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏を中心とした都市再開発、災害復興工事や耐震・防災構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化等、国土のレジリエンスに貢献する幅広い分野での需要が、引き続き期待できるものと思われます。
このような環境のもと、当社グループは、従業員及び関係する皆様方の安全を最優先とし、行政の指導に従いながら新型コロナウイルス感染拡大の防止に努めつつ、顧客需要に対応した安定的な商品供給とアフターサービスに心がけ社会的責任を果たしてまいります。さらには、コロナ影響の長期化と収束後の需要回復も念頭に置きながら、6ケ年の中長期経営計画「アーチ2020作戦」の最終年度として、お客様ニーズに真摯に向き合うとともに社内体制の整備を図り、この難局に対処していく所存です。
まず、全社的にコストと在庫のスリム化を最優先に進めながら、国内事業においては、工場の生産性向上や協力会社との連携強化による生産体制の強化、安全性・効率性を重視したユーザー目線の商品開発、営業所・整備工場の設備増強を生かした販売・メンテナンス体制の強化を図ってまいります。海外事業では拠点進出した欧州、東南アジアでの人員強化を進めるとともに、海外生産・OEM等も幅広く検討し、日本品質で品揃えや価格面でも国内外の競合先と戦える海外向け戦略商品を投入し、米欧亜の3極体制強化を図ってまいります。また、南星事業では、当社との連携・協力強化策に加えて、主力製品の性能・品質の改善、工場の生産性向上、原価管理の徹底等により生産・利益両面での改善を図ってまいります。
一方、経営基盤面では、新基幹システムの導入による効率化・合理化と意思決定の迅速化、コーポレートガバナンス体制の強化、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み等に加え、就中、業績の担い手である従業員が「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社づくりを目指して、働き方改革を含む人事戦略を最重要課題として取り組む所存です。そのうえで、グループ一丸となってこの難局を乗り越え、持続的な成長と企業価値向上に向けた体制づくりを図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)主力商品の動向
当社グループは、顧客ニーズに沿った商品開発を推進しており、主力商品として、油圧ブレーカ、圧砕機、林業機械、環境関連機器、ケーブルクレーン等があります。油圧ブレーカは公共投資の減少や米国及びアジアの需要低迷、圧砕機は都市型解体工事の減少、林業機械や環境関連機器は国の林業関連施策の変更、木材需要や木材解体家屋の減少、ケーブルクレーンは国の公共投資政策の変更等により、それぞれのセグメント売上に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料価格変動の影響について
当社グループ事業の主要原材料の一部分の市況が上昇する局面を迎えた場合、取引業者からの価格引上げ要請が強まる可能性があります。当社では購買担当者を中心に常に市況価格を注視し、取引業者との価格交渉に当たっておりますが、今後、市況が大きく高騰した場合には、原材料費の上昇を抑えきれず、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、原材料費の上昇が当社の業績に影響を及ぼすまでにはリードタイム期間が長くタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
(3)海外事業
当社グループにおける海外売上高の比率は16.6%であります。海外事業は予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等これらのリスクに対して、グループ内での情報収集、外部コンサル起用等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、事業展開が困難になる可能性があります。また、海外事業は為替相場の動向にも左右されます。
(4)人材の確保及び育成
当社グループは「社会に存在価値ある会社」としてさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保及び育成する必要があります。従って、新卒・中途採用者の採用、部門別・階層別の研修の継続による社内教育を行っていますが、当社グループの求める人材の確保、育成が計画どおりに進捗しない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、一時差異に対して適正な金額を計上していますが、将来の業績変動により課税所得が減少し、一時差異が計画通り解消できなかった場合の繰延税金資産の取崩しは、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損
当社グループの所有する有形固定資産等の長期性資産について、今後の事業の収益性や市況の動向によっては、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)M&Aに関する影響について
当社グループは、事業拡大のための経営資源を取得するためにM&Aを行っております。M&Aを実施する際には、将来にわたり安定的な収益を確保できることを十分に検討しておりますが、事業計画の進捗が見通しに比べ大幅に遅れる場合、または計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生する等により当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害等による影響について
当社グループは国内外に生産・販売・サービスの拠点を設け、事業を展開しています。それらの拠点や協力会社が立地する地域において大規模な地震や水害等の自然災害が発生し、短期間で復旧不可能な甚大な損害を被るなどして、材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。その他、新型コロナウイルスなど疫病の発生等により、経済活動の低迷が続き、さらには営業活動の中断を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループでの予防対策として出勤形態はマイカー通勤・時差出勤・在宅勤務の推進、会議形態はwebの積極利用、営業活動に関しては、事業所の休業や出張の自粛などに取り組めるようガイドラインを作成しております。これは、平時より災害や感染症の発生に備えて、取引先や従業員の安全確保に向け、被害を極小化するための体制を整えていることが背景にあります。
(9)製造物責任について
当社グループは品質や安全に関する法令・規則の遵守に努めるとともに、品質と信頼性の維持向上に努めていますが、万が一、予期せぬ製品の不具合により事故が発生した場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面し、その費用を負担しなければならず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、製造物責任賠償保険(PL保険)に加入はしておりますが当社が支払う損害賠償額で全てがカバーされる保証はありません。
(10)為替変動による影響について
当社グループにおいて商品及び製品や原材料の輸出入取引は主要取引の一部であります。為替変動は、当社の外貨建取引から発生する資産及び負債の円換算額に影響を与える可能性があります。また外貨建取引から発生する商品及び製品や原材料の仕入原価にも影響を及ぼす可能性があります。為替リスクを軽減し、またこれを回避するために為替予約をはじめとする対応を講じておりますが、カバーできないほどの急激な為替変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)特定取引先への依存による影響について
当社グループは商品及び製品や一部の原材料を特定の仕入先に依存しています。現在、当社との取引関係は良
好に推移していますが、仕入先の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当
社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くものの、個人消費は消費増税による影響が顕在化し、鉱工業生産も消費増税やグローバルな需要減退による輸出の減少などから弱含みの動きとなりました。また、世界経済は米中通商問題や英国EU離脱問題等を抱えながらも、先進国の堅調な個人消費等を背景に全体として緩やかな成長が継続いたしました。一方で、年度後半から新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国内外の景況感は減退し先行き不透明感が急速に高まる状況となりました。
このような環境のもとで当社グループは、主力製品の圧砕機、油圧ブレーカ等の解体用アタッチメント、林業機械、環境関連機器等の販売に注力いたしました結果、当連結会計年度の業績は、売上高17,957,935千円(前年同期比0.5%増)、営業利益1,368,511千円(前年同期比10.2%減)、経常利益1,347,198千円(前年同期比13.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益884,701千円(前年同期比11.6%減)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の業績は次のとおりであります。
国内セグメントは、売上高12,418,422千円(前年同期比3.5%増)となりました。機種別には、主力の圧砕機は堅調な再開発・建替え需要のもと受注状況は不悪ながら、10月の台風被害による各社のショベル出荷減による納期ずれの影響がカバーしきれずに売上高は6,055,830千円(前年同期比4.0%減)となりました。一方、環境関連機器は大型木材破砕機等が順調に納入できた結果、売上高は1,549,653千円(前年同期比10.5%増)、油圧ブレーカ売上高は870,013千円(前年同期比3.7%増)となりました。また、木造解体や災害復興処理等様々な用途で使用されるつかみ機は需要が高まり売上高890,916千円(前年同期比50.5%増)と大幅増加となりました。一方、アフタービジネスについては、原材料売上高が1,330,693千円(前年同期比13.1%増)、修理売上高は833,353千円(前年同期比1.1%減)と特に補修部品売上が増加いたしました。その結果、セグメント利益は1,004,218千円(前年同期比2.3%増)となりました。
海外セグメントは、売上高2,985,141千円(前年同期比2.5%減)となりました。主力地域の北米では、価格競争等で一時苦戦したものの、圧砕機等の商材の拡大や営業プロモーションの強化策が奏功し売上高2,153,962千円(前年同期比4.0%増)と増収を確保いたしました。2020年1月より現地法人化した欧州に関しても、順調に販売網を拡大した結果、決算期の関係で10ケ月決算となったにもかかわらず売上高361,807千円(前年同期比22.8%増)と大幅増収となりました。一方でアジア地域はタイの駐在員事務所を設置する等将来に向けた展開を行ったものの、景況感の悪化により価格競争が激化し売上高411,177千円(前年同期比35.3%減)と大幅な減収となりました。その結果、セグメント利益は拠点展開の経費増も影響し308,465千円(前年同期比22.1%減)となりました。尚、海外セグメントにおける当連結会計年度期間は以下の通りとなっています。(北米:2019年2月1日から2020年1月31日、欧州:2019年4月1日から2020年1月31日、アジアを含むその他地域:2019年4月1日から2020年3月31日)
南星セグメントは、売上高2,554,371千円(前年同期比9.0%減)となりました。グループ内の製造協力や販売協力による協業体制の強化、主力のグラップル・ウインチの新型モデルの投入、機会損失を抑えるための計画生産導入等の施策も行いましたが、施策浸透の遅れやショベル出荷減による納期ずれの影響により売上減少となりました。セグメント利益は、当初からの予定範囲内ではあるものの、処遇改善による人件費等の経費増加要因を売上増でカバーする事ができず89,013千円(前年同期比54.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、たな卸資産の増加額1,065,457千円、長期借入金の返済による支出696,696千円、有形固定資産の取得による支出529,362千円、法人税等の支払額480,152千円等の減少要因はありましたが、長期借入れによる収入2,200,000千円、税金等調整前当期純利益1,347,198千円、売上債権の減少額415,197千円等の増加要因があったことから、前連結会計年度末に比べ257,349千円増加し、当連結会計年度末には3,166,474千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は309,770千円(前年同期127,783千円の収入)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額1,065,457千円、法人税等の支払額480,152千円等がありましたが、税金等調整前当期純利益1,347,198千円、売上債権の減少額415,197千円、減価償却費391,995千円等が計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は613,021千円(前年同期400,657千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出529,362千円、無形固定資産の取得による支出61,621千円等が計上されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は564,486千円(前年同期267,949千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出696,696千円、短期借入金の減少額501,095千円、配当金の支払額219,626千円等がありましたが、長期借入れによる収入2,200,000千円等が計上されたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内(千円) |
3,219,796 |
100.2 |
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南星(千円) |
1,194,466 |
102.3 |
|
合計(千円) |
4,414,263 |
100.8 |
(注) 1.上記の生産金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
8,219,070 |
103.5 |
|
海外(千円) |
1,405,180 |
97.7 |
|
南星(千円) |
1,184,718 |
77.0 |
|
合計(千円) |
10,808,970 |
99.0 |
(注) 1.上記の仕入金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内(千円) |
11,428,199 |
95.4 |
|
海外(千円) |
2,976,791 |
100.9 |
|
南星(千円) |
3,137,390 |
116.7 |
|
合計(千円) |
17,542,380 |
99.5 |
(注) 1.上記の受注金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
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国内(千円) |
12,418,422 |
103.5 |
|
海外(千円) |
2,985,141 |
97.5 |
|
南星(千円) |
2,554,371 |
91.0 |
|
合計(千円) |
17,957,935 |
100.5 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の販売金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産の残高は、15,321,743千円(前連結会計年度14,444,563千円)となり877,179千円増加しました。受取手形及び売掛金が416,057千円減少しましたが、商品及び製品が697,426千円、現金及び預金が257,355千円、原材料及び貯蔵品が250,855千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産の残高は、6,295,267千円(前連結会計年度6,170,255千円)となり、125,011千円増加しました。営業拠点の新築建設費用・本社整備工場建替工事に伴い建物及び構築物が255,181千円、土地が120,950千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債の残高は、8,457,770千円(前連結会計年度9,527,807千円)となり、1,070,036千円減少しました。短期借入金が501,095千円、支払手形及び買掛金が271,864千円、1年内返済予定の長期借入金が141,328千円それぞれ減少したことが主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債の残高は、2,444,222千円(前連結会計年度799,278千円)となり、1,644,943千円増加しました。長期借入金が1,644,632千円増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、10,715,017千円(前連結会計年度10,287,732千円)となり、427,284千円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益884,701千円(前連結会計年度1,000,803千円)を計上したことが主な要因です。この結果、自己資本比率は49.3%(前連結会計年度末は49.6%)となりました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ91,439千円増加し17,957,935千円(前年同期比0.5%増)となりました。これは主に国内セグメントの売上が増加したことが主な要因です。尚、各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、国内セグメントが69.2%、海外セグメントが16.6%、南星セグメントが14.2%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ5,010千円増加し5,264,481千円(同0.1%
増)となりました。主な要因は、連結売上総利益率は29.3%(前年同期29.4%)とほぼ前年並みに推移したこと
や、連結売上高の前年同期比微増という結果に連動した形で、売上総利益も微増となっています。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ155,953千円減少し1,368,511千円(同10.2%減)となりました。減少の主な要因は、海外セグメントでの拠点展開の経費増加、南星セグメントの処遇改善による人件費等の経費増加要因を売上でカバーできなかったことなどによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ213,172千円減少し1,347,198千円(同13.7%減)となりました。営業利益段階から経常利益段階の差異要因は、前連結会計年度では為替差益での計上でしたが当連結会計年度では為替差損13,817千円の発生となったことや融資枠設定の伴う金融手数料12,000千円の発生などが主なものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ116,102千円減少し884,701千円(同11.6%減)となりました。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
資本の財源及び資金の流動性については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
②資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用、販売する取扱商品の仕入費用のほか、生産活動を行うための設備投資資金、販売費および一般管理費等の営業費用であります。当社グループは製造メーカーではありますが、外注比率が高く、製造のリードタイムも4~5カ月と長いため、製造設備負担は比較的軽い反面、部材の確保と販売用商品の欠品を防ぐ営業上の理由からも在庫負担が大きいという財務バランス上の特徴があります。また、安全性の観点から、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することに加えて、自己資本比率は50%程度を維持することを経営の基本方針としております。以上により、バランスシート上は、固定資産は自己資本で十分賄えておりますが、在庫等の運転資金に関しては金融機関借入で賄う必要があります。また、中長期的な成長に資する前向きの投資に関しては状況に応じて増資等も検討することとしております。一方、不測の事態に備えて主要取引銀行と当座貸越契約を締結し充分な借入枠を有しており、緊急の資金需要や流動性の補完にも対応可能となっております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、油圧ショベルの先端に取付け、土木建設、林業、解体、スクラップ処理、産業廃棄物処理、砕石等の作業に使用する各種建設機械アタッチメント並びに資源リサイクル分野における各種破砕処理機(特に木材破砕機)を2つの柱として、これらの分野における専門メーカーとしての豊富な経験と技術の蓄積をもとに優れた商品を開発することを基本方針としております。
国内、海外の各営業拠点からの顧客ニーズ、市場動向の情報等をもとに、新商品具体化の研究開発を推進すると共に成熟期にある商品群については、その高品位化、高品質化、高付加価値化を目指し、競争力のある商品開発をテーマに取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、国内セグメント、海外セグメント、南星セグメントに区別せず実施しております。
なお、研究開発は大阪本社と㈱アイヨンテック朝霞工場、㈱南星機械熊本本社の3拠点で行っており、当連結会計年度の研究開発費は
(1) TOPシリーズ油圧ブレーカ
当社グループの油圧ブレーカは市場ニーズに応え、世界戦略モデルTOP-Jシリーズのラインナップ化を行っております。現在小型のTOP-11~32までの4機種、TOP-205・1000の6機種がJシリーズとして販売を始めており好評を得ております。2020年度には新モデルTOP-300J・350Jの2機種を追加し、2021年度中には全ラインナップの市場投入を目指し進めているところであります。今後も国内市場におきましては、若干の増加傾向、海外の油圧ブレーカの需要は拡大傾向にあり、世界規模で油圧ブレーカの環境は、まだまだ伸びしろがあると考えております。当社グループといたしましては『MADE IN JAPAN』の油圧ブレーカTOP-Jシリーズの全ラインアップを早期に開発し、全世界に投入してまいります。
(2) サイレントTS-Wクラッシャー・TS-Wカッター
多くのさまざまな解体現場で好評を得ております大割機TS-Wシリーズについては、開閉スピードがアップし、耐久力を向上させた新型機へのモデルチェンジと、顧客ニーズを反映し、より細分化したシリーズ展開を行い超小型機種TS-W250から超大型機種TS-WB2400Vまでの15機種へとシリーズ拡張を行いました。これにより作業効率の向上と顧客ニーズへのきめ細かい対応が実現できました。今後さらに開口幅のアップと各部品の強化を施し、またメンテナンス性能にも優れた構造を持つWDシリーズの開発にも着手しており、先行発売したWD1200Vに引き続きWD950VL・WD1700Vの2機種を2020年4月以降市場投入するべく開発を進めております。
鉄骨カッターのTS-Wカッターシリーズも好評を得ております。昨年度は切断能力とメンテナンス性能を向上させたWBシリーズへのモデルチェンジを積極的に行いTS-WB700CV・TS-WB800CV・TS-WB900CV・TS-WB1150CVの4機種を新たに開発いたしました、今年度には本格的な販売展開が出来るものと考えます。
クロスカッター刃を採用し幅の広い鋼材も切断可能なクロスカッターシリーズも従来のTS-W650XCV・TS-W900XCVに大型新機種のTS-W1400XCVが昨年度加わり解体作業の効率化に寄与いたしております。今年度もクロスカッターシリーズの更なる拡張を計画しております。
鉄筋・鉄骨とコンクリートが混在しているSRC構造の建物解体に適したTSRC-1000V・TSRC-1300Vもシリーズ化拡大の要望に応え、100ton油圧ショベルに取り付け可能な大型機種TSRC-1700V及び、200t~300t超の油圧ショベルに取り付け可能な超大型機種TSRC-2100Vを開発・発売いたしました。
(3) アタッチメント旋回方式 ARTS(アーツ)&電磁切換え式
当社独自の旋回配管が不要なアタッチメント旋回方式ARTS(Advanced Rotating Technical System)を開発後、当社旋回型アタッチメントの多機種に採用し多くのユーザーに高評価を得ております。今回さらに次世代のアタッチメント旋回方式を採用し、ASGシリーズ(旋回式摑み機)6tクラスの作動油圧回路をブレーカ配管回路での旋回、開閉の複合操作を可能にしたグラップルASG60RDF、130RDFを開発後、20tクラスのASG210RDFの開発を行い、シリーズ化をいたしました。更に操作性に優れた㈱南星機械が開発した電磁比例切換えと併用ができるよう開発していきます。
(4) サイレントコワリクン
再生コンクリートプラントや解体現場等の小割作業において国内トップシェアを誇るサイレントコワリクンシリーズに関しては、ユーザーの要望と意見を設計に取り入れ電磁式マグネット付コワリクン12tクラスと20tクラスのマグネット部を稼働アームに取付たモデルの開発を行い、更なるシェアアップを目指します
更に海外向けOSCコワリクンと旋回式コワリクンORCシリーズのモデルチェンジを進めいきます。
(5) サイレントTS-Sカッター
鉄骨カッターTS-Sシリーズとして切断がストレスなく行える新機構のアーク刃を採用したTS-Sカッターに3t~5tのショベルに装着可能なTS-S250Cを追加いたしました。これにより3t~40tクラスのショベル装着可能なシリーズ化となり高評価を得ております。更にTS-S250Cのアーツ旋回、油圧全旋回式の開発をしております。
(6) アイヨンカプラー
油圧ショベルの大型化に伴い、アタッチメント交換は重い取付けピンを抜き差しするため危険を伴う作業で多くの時間が必要となりました。当社では短時間で安全にアタッチメントの交換が行える、20t~200tショベル用のアイヨンカプラーSE200~SE2000の、シリーズ5機種を市場導入し高い評価を頂いております。また、アイヨンカプラーには本体を可動させるための全機種共通のスイッチボックスが付属しておりますが、今年度は海外の厳しい安全基準に対応したスイッチボックスを開発したことで、海外ユーザーへの販売も容易になりました。今後さらに現場環境の改善、安全性の向上と省力化を目指す商品の開発を進めてまいります。
(7) 海外向けアタッチメント
海外では解体アタッチメントとして、ソーティンググラップルの拡販が望める為、新規開発に取り組んでおり12tクラスを早期に開発していきます。更に7tクラスのスクラップシャー開発も進めております。
(8) 林業用グラップル
A45系(12t~15tショベル用)、A25系(7t~10tショベル用)及びA20系(4t~5tショベル用)の林業用グラップルを、旋回速度アップを図り、スウェーデン鋼を一部使用し耐久性をアップしたものを順次シリーズ化してきましたが、20tクラス用の従来機A70系もA80系として能力アップと耐久性アップを図ってモデルチェンジしました。又、A25系のグラップルも爪開閉部を強化するモデルチェンジを行いました。
(9) 地引ウィンチ
15tショベル用の最大直引力が4.6tのNSW-46を開発しましたが、最大直引力3tの従来機PWF-25の直引力アップの要望に応えて、7tショベルにも架装できるNSWシリーズとしてNSW-30を開発しました。最大直引力を3.5tとし満巻時も2tの直引力として、ショベルの近くに木材を引き寄せた時にも力を発揮することができます。
(10) ロングリーチグラップル
15tショベルに搭載する、アームが伸縮し先端にグラップルを搭載して、半径12mの範囲の木材を掴んで集材できるアタッチメントを開発しました。木材用ローダのエプシロンで使用しているブームを、油圧ショベルのアームとしてショベルに取付できるようにしました。
(11) 軌陸車用4.9t吊クレーン
道路と線路上を走行できる軌陸車に、4.9t吊クレーンを搭載してきましたが、トラックのモデルチェンジで搭載位置等が変更になりましたので、これを機会に客先から要望が有ったキャビンの改良、オートフック等を取り入れてモデルチェンジしました。
(12) 竹伐りフェラーバンチャ
近年、全国的に荒廃竹林が増えてきており、竹林の整備が緊急の課題となってきていますが、竹専用のアタッチメントはまだ数が少なく人手に頼ることが多くなっています。そこでミニショベル用の竹伐りフェラーバンチャを開発しました。フェラーバンチャとは立木を伐木する装置です。