当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは 1.社会に存在価値ある会社 2.会社に存在価値ある部門 3.部門に存在価値ある個人 4.向上の矢印で確実な前進 を経営理念としております。この理念のもと、事業計画を策定し、各セグメントがその年度計画を達成することにより、一歩一歩、確実に前進して行くことを基本方針としております。
同時に、お客様のニーズを的確に捉えた製商品と行き届いたサービスの提供という活動を地道に進めていくことを通じて、社員は育ち、会社は発展し、社会にも貢献できることを使命と考えています。
以上の経営方針に沿って事業を推進していくために、当社グループは以下の2つのセグメントにより事業計画を推進・管理しています。
① 国内
当社の国内事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では77.5%を占め、主に圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメント並びに環境関連機器・林業機械・金属リサイクル機械等の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラー、建機ディーラー、レンタル会社、エンドユーザーです。また、ゼネコン向けの請負事業としてダム建設工事等の運搬設備であるケーブルクレーンの設計・施工・運用管理を行っています。
② 海外
当社の海外事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では22.5%を占め、主に油圧ブレーカ及び圧砕機等の建機アタッチメントの販売、メンテナンスサポートを行っています。主要な顧客は各地域の建機ディーラー等の提携販売代理店やレンタル会社です。
(2)マーケット環境と各セグメントの状況
① 国内
(解体環境アタッチメント)
当社国内の主力商製品である解体環境アタッチメントは、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の先端に装着し、ビル、マンション、公共建物等のコンクリート建造物の解体工事や砕石・土木工事、建築廃材やスクラップ等の再利用のための搬送、分別処理等に使用されています。解体環境アタッチメントは用途・形状等により以下の通りに分類しています。
・圧砕機・・・コンクリート建造物解体用のアタッチメントでコンクリートや鉄筋・鉄骨を破砕・切断します。大割機(1次破砕機)、小割機(2次破砕機)、鉄骨カッターに分類しています。
・油圧ブレーカ・・・解体や土木工事、砕石など幅広い用途で使われ、打撃により岩盤、コンクリート等を破砕します。
・つかみ機・・・木材やがれき、金属スクラップ等の搬送作業用のアタッチメントで、グラップル、フォークの他、定置アームと一体型になった定置式スクラップローダも含まれます。
・環境アタッチメント・・・産業廃棄物処理等に使用される様々な混合物の回転ふるい機や軟質系カッター、木材カッター等のアタッチメントが含まれます。
(林業機械)
主に油圧ショベルに装着され、木材の伐採や集材に利用されます。用途別に、林業用グラップル、地引ウインチ、高性能林業機械のプロセッサ・ハーベスタ、プロセッサ、スイングヤーダ、タワーヤーダー、ハイブリッドバケット等が含まれます。
(大型環境機械)
木材やガレキ物、産業廃棄物等の破砕に使用される大型の破砕機で、海外メーカーから輸入し当社で販売とアフターサポートを行っています。
(ケーブルクレーン)
ダム建設や山間部における工事にスポット的に使用される中・大型のクレーン運搬設備で、設計から施工・運行管理までを行うゼネコン機能を果たしています。大型ウインチの販売・設置等も含まれます。
(補材・修理)
各製商品の補修部品の販売や修理・メンテナンス事業が含まれます。
(その他)
舶用クレーン、自社製品以外の仕入商品、一般産業用機器や物品等の販売が含まれます。
コンクリート建造物は建築後、数十年経過すると劣化が進んできます。そのため、大規模地震等の自然災害発生に対する安全対策上からも劣化が進んだ建物は解体・建て替えの対象となってきます。わが国では戦後の高度成長期以降に建てられたコンクリート建造物が順次解体対象に入ってきており、茲許の都市再開発の動きやインフラ再整備の必要性からも国内での解体環境アタッチメント需要は今後も堅調に推移するものと思われます。
特に、解体用アタッチメントは解体工事現場等で厳しい使用環境にさらされており、摩耗・損傷が常時発生する中で、当社は自社でメンテナンス部門を持ち、販売後のアフターサービス体制を整備していることで、同業他社メーカーと差別化を図っております。加えて、より強度が求められる大割機や鉄骨カッターは鋳鋼製品とする等、製品強度面・品質面でも優位性を追求しており、圧砕機販売シェアは約4割と国内トップシェアを維持しております。また、土木工事、砕石、建物解体等の幅広い用途で汎用性の高い油圧ブレーカ、木造解体や復興処理等で使用され最近需要が高まっているつかみ機等、幅広い建機アタッチメントを取り揃え幅広い需要に対応しています。つかみ機の中には、スクラップ工場内で活用される大型の定置式スクラップローダも含んでおります。
また主に子会社の株式会社南星機械が製造する林業機械は木材の伐採や集材に活用されます。国内の林業マーケットは戦後の輸入木材の急増に伴い、一時期は木材自給率の低下が続いていましたが、茲許は官民挙げての森林再生、林業再生への取組みや木質バイオマスのエネルギー利用等による国産材の需要拡大を背景に自給率は上昇しております。その一端を支えているのが、林業の機械化であり、今後も林業機械には一定の需要の増加が期待できると考えております。
林業機械の国内推定シェアは約2割程度とみておりますが、子会社南星機械との営業統合から今年度は2年目に入り、今後は更にメンテナンス・部品供給等のアフターサービス体制の充実、ユーザー目線の商品改良・商品ラインアップの見直し等の施策を進め、業界での評判・シェア向上を図ってまいります。
バイオマス発電用のチップ製造や産廃処理等に使用される大型環境機械のシェアは約2割程度とみていますが、再生エネルギーである木質バイオマス発電関連業者やリサイクル業者向けの安定した需要を見込んでおります。
主にダム建設や山間部における運搬設備であり国内で約5割のシェアを有するケーブルクレーンに関しても、
茲許再生可能エネルギーとして再見直しされている水力発電所のリニューアル工事の引き合いが多く、当面は安定した受注が見込まれると考えております。
<国内セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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解体環境機械 |
12,754 |
13,545 |
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(圧砕機) |
(8,509) |
(9,529) |
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(ブレーカ) |
(942) |
(797) |
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(つかみ機) |
(1,573) |
(1,609) |
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(環境アタッチメント) |
(533) |
(525) |
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(その他) |
(1,195) |
(1,083) |
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林業機械 |
1,915 |
1,799 |
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大型環境機械 |
625 |
622 |
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ケーブルクレーン |
1,239 |
1,305 |
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補材・修理 |
3,274 |
3,209 |
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その他 |
438 |
119 |
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合計 |
20,249 |
20,601 |
② 海外
海外では販売の約8割が汎用性の高い油圧ブレーカとなっており、土木工事、砕石、建物解体等で幅広く使用されています。当社の海外販売は、北米地域はOkada America,Inc.、欧州地域はOkada Europe B.V.、またそれ以外の地域は、当社海外事業所が担当しております。更にOkada Midwest,Inc.では北米における自社修理サービス業務を中心に販売・レンタルも行っております。
主力の油圧ブレーカに関しては、オカダブランドの信頼の品質と品揃え、販売代理店への安定した部品供給や修理指導等のサポート体制によりシェア獲得に注力しております。当社海外販売額の約7割を占める米国でのシェアは推定4~5%程度、世界でのシェアは推定3~4%程度と海外進出においては後発の当社にとってはまだまだ開拓余力が大きく、最大マーケットの欧州や成長の見込まれるアジアを中心に今後の伸びしろに期待できます。また、圧砕機に関しては、日本国内と比較すると欧州以外では未成熟のマーケットであり、メンテナンス負担の少ない海外専用モデルや各地域のニーズに合わせた新商品の投入等により市場開拓、市場育成を図っております。
<海外セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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北米 |
4,817 |
4,218 |
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欧州 |
1,156 |
994 |
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アジア |
583 |
490 |
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その他 |
288 |
278 |
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合計 |
6,846 |
5,981 |
(3)経営戦略及び優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題
経営理念の実現に向けて、会社の中長期の経営方針に基づき、中長期経営計画を策定し、更に年度の経営計画に展開し業務運営を行っています。
<長期ビジョン「VISION 30」>
当社は、更なる成長を目指し、中長期経営計画「VISION 30」に取り組んでいます。その中で、毎年、実績と事業環境の変化を織り込んだうえで3ヵ年の中期経営計画の見直し修正を行うこととしており今年度からの中期経営計画「ローリングプランFY2025~FY2027」を策定しております。
当3ヵ年計画では国内外で堅調な需要への対応とマーケットシェア拡大に注力し、安定的成長を確保するとともに、営業体制の更なる強化、製造部門の増産と生産性向上、社員のエンゲージメント向上等により、事業の安定成長と質の改善を目指していきます。
国内(解体市場)
都市インフラ老朽化により国内の解体市場(ビル、工場プラント、公共建物等)はこれからが本格化の段階に入ります。メンテナンス対応と作業効率性が高い大型機に強みを持つ当社には有利な状況であり、シェアダントツNO.1を目指します。また、国内の工場及び営業所・整備工場の設備投資は山場を越え、今後は投資回収・利益積み上げ時期に入る事も、計画達成の後押しとなっています。
国内(林業市場)
わが国では40年から50年前に植林した人工造林が伐採適齢期となり、間伐問題等の環境保全の観点から国も国産材の利用を促進していることを背景に、林業機械は安定的な伸びを期待できる環境があると考えています。子会社南星機械との営業統合から2025年度は2年目に入り、強固なメンテナンス体制を生かした営業展開が出来るようになりました。また、南星機械は製造工場としての役割に徹することになりますが、もともと内製メーカーであることから、生産効率改善、開発力強化と品質改善の強化等を実施することで、生産力向上と利益改善の余地は今後十分にあると見込んでいます。
海外市場
世界的にインフラ投資が拡大していく中、注力市場の米国・欧州・アジア(除く中国・日本)でも推定シェアは3%~4%のため、開拓余力は十分あると考えています。収益性の高い米国でのシェアアップ余力はもちろん、また開拓途上の欧州・アジアは、拠点展開と人員・商材の投入でシェア獲得に注力します。今後も主力商材の油圧ブレーカで一層の競争力強化を狙いつつ、圧砕機は海外向けモデル投入によりブランド確立を図り、解体アタッチメントメーカの世界Tier1グループ入りを目指します。
上記成長環境を踏まえ、VISION 30の業績評価指標(KPI)を次の通り設定しております。
・ トリプル3
売上高300億円以上、営業利益30億円以上、時価総額300億円以上
・ トリプル10
売上高伸び率10%以上、売上高営業利益率10%以上、ROE10%以上
そして、これらの目標を達成するために次の3つの戦略を計画しております。
①人材戦略 :「人を大事に」のトップ方針のもと、ダイバーシティや働き方改革の推進、人事制度見直しによ
り「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社を目指してまいります。
a. 人づくり・・・・・人材の採用・育成・活用
b. 人事制度・・・・・実績・貢献を反映した公明正大な評価・報酬制度
c. 働き方改革・・・・働きやすい・働きたくなる・働きがいのある職場づくり
②マーケット戦略 :国内では、営業体制の見直しや増産体制・生産性の向上により、海外では、米・欧・アジアへの人材と商材の戦略投入により、バリューチェーンの更なる強化を図ってまいります。
a. 国内戦略・・・・・需要拡大に対応した一気通貫バリューチェーンの強化
b. 海外戦略・・・・・米・欧・アジアの3拠点への商材・戦力投入による市場開拓
c. 新規事業・・・・・新技術応用(新解体工法、DX等)と戦略的M&Aの推進
③経営基盤強化 :ESG経営の推進やシステム・DXインフラの整備などの業務改革により、持続的成長を
支える経営基盤強化を図ってまいります。
a. CG体制・ESG経営・・・・・・・・誠実で(Integrity)、透明性高く(Open)、積極的な(Active)経営
判断ができる持続成長を支えるガバナンス体制の構築及び環境・社
会・ガバナンス を重視した経営
b. ハード・ウェア・・・・・・・・・・・国内・海外の工場・営業拠点の整備(増設・新築)
c. ソフト・ウェア・・・・・・・・・・・システムインフラの整備とDXによる業務改革・顧客対応力進化
<中期経営計画 ローリングプラン FY2025~FY2027>
上記の長期計画を実施するにあたり、3ヵ年中期経営計画を立てたうえ、毎年ローリングさせております。
① 業績計画
2026年3月期は、売上高280億円、営業利益25億円、売上高伸び率5.3%、売上高営業利益率8.9%、ROE9.6%、 2027年3月期は、売上高300億円、営業利益28億円、売上高伸び率7.1%、売上高営業利益率9.3%、ROE10.1%
を計画し、「VISION 30」の早期達成を目指します。
② マーケット戦略
国内では、一気通貫バリューチェーンの更なる強化を図ってまいります。
・ 商材・部材を安定確保するための協力サプライヤーとの紐帯強化
・ 子会社アイヨンテック増産体制強化のための人員確保、協力会社の拡大、生産設備増強
・ オカダNANSEI (南星機械)の生産能力向上と原価低減の追求及びシステム化
・ 原材料価格や輸送コストによる原価アップに対応するための販売価格改定の浸透
・ 国内営業店所のリニューアル(販売・修理対応強化)
・ オカダNANSEI (南星機械)とオカダの営業統合による林業部門の強化
・ ベトナム製造による油圧ブレーカラインアップ強化
・ 大型環境機械の自社開発製品の投入
・ アタッチメント補償制度の活用(損害保険会社と提携した業界初の補償制度)
次に海外では、米・欧・アジアの3拠点への商材・戦力投入による市場開拓を図ってまいります。
・ 米国:Okada America,Inc.本社移転拡張による機能強化とOkada Midwest, Inc.との統合効果最大化
・ 欧州:主要国への現地人材投入と欧州向け商材の投入
・ アジア:タイ合弁会社で開発した新興国向け商材の横展開
更に新規事業として、新技術応用(新解体工法、DX等)と戦略的M&Aの推進を図ってまいります。
・ 新商品開発・新工法への対応
・ 戦略的M&Aの推進
③ 投資計画
アタッチメントの大型化に対応した国内の営業所・整備工場設備増強は一定の目途が立ち、今後は既存製造工場の設備拡充や、需要が伸びる東京・関西の新拠点を建設中であります。
④ 配当方針
中長期の安定成長により、増配を続けていく累進的配当方針といたします。
なお、 2026年3月期では16期連続増配の予定となっております。
長期計画「VISION 30」に関しては、出来るだけ早期に計画達成出来るよう尽力するとともに、更なる持続的成長に向けた経営基盤の強化に向け、社員一丸となって社業に邁進いたします。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標につきましては、事業の成長性をはかる売上高伸び率、事業の収益性をはかる売上高営
業利益率、事業の資本生産性をはかる自己資本利益率(ROE)の3つの指標を重視し、中長期経営計画「VISION 30」では、売上高伸び率(平均)10%以上、売上高営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標値としております。当連結会計年度における売上高伸び率は△1.9%(前年同期実績14.9%)、売上高営業利益率は8.6%(前年同期実績10.0%)、自己資本利益率(ROE)は8.9%(前年同期実績12.6%)でした。引き続きこれらの指標について、改善及び比率上昇を目指し取り組んでいき更なる企業価値の増大に努めてまいります。
(5)経営環境と対処すべき課題
次期の見通しにつきましては、日本経済は個人消費や設備投資などの内需の回復を背景に緩やかな成長が期待され、世界経済は高金利の影響が残り減速するものの緩やかな成長が見込まれます。一方で米国の関税・貿易政策の影響や地政学的緊張、インフレの継続懸念という不確実性が高まる中で、国内外の経済動向は予断を許さない状況が続くと思われます。
当業界におきましては、国内では全国各地の老朽インフラの再整備、大都市圏での再開発、災害復興や耐震・免震構造への建替え、資源再利用のためのリサイクル、森林・林業再生プランに基づく林業機械化などを背景に、解体環境アタッチメントや林業機械の需要は引き続き堅調に推移すると期待されます。また、海外では欧米各国をはじめ全世界的に、インフラ整備・解体工事・鉄スクラップ関連の需要は今後も中長期的な拡大が見込まれます。
このような環境のもと、当社グループは、経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現に向けて、長期ビジョン「VISION30」の方針に則り、ユーザー・協力会社の皆様や従業員の安全を最優先とし、安定的な商品提供と迅速・丁寧なアフターサービスに心がけ、お客様の期待にお応えできるよう社内体制の整備を図り、社会的責任を果たしつつ、事業の拡大による企業価値向上を図ってまいります。
具体的には、今期からの3ヵ年計画「ローリングプランFY2025~FY2027」に基づき、国内では、持続的な需要拡大を背景に、営業所の新設、リニューアルを更に進め顧客対応力を強化するとともに、サプライチェーンの最適化による生産体制の強化、原価管理体制の構築による収益性改善等を図り、開発・製造・販売・修理という一気通貫のビジネスの強みを高めてまいります。また、海外では、米国の在庫調整影響が正常化に向かう中、関税・貿易政策には柔軟に対応しつつ、各地域に応じた商材と戦力を投入するとともに、中長期的には高性能・高品質の圧砕機の市場開拓を推進し、海外におけるブランディングを高めてまいります。
更に、持続的成長を支えるガバナンス体制の構築やシステムインフラの整備、DX活用による業務効率化や生産性向上により経営基盤強化を図るとともに、成長の担い手である従業員が「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社の実現に向けての人材戦略や、気候変動対策をはじめとした環境問題へも積極的に取り組み、グループ一丸となってESG経営を実践してまいります。
(1)サステナビリティに関する考え方及び取組
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは経営理念として掲げる“社会に存在価値ある会社”を実現するため、長期ビジョン「VISION 30」を策定し、推進しております。「VISION 30」では当社が関係する様々な環境に対し“人は環境をつくる”をスローガンに、より良い環境づくりを目指す人材を育成し、事業を通じて社会に貢献したいと考えています。私たちは、根幹である建設機械の開発・製造・販売・サポートなどの事業を核として、環境や社会、ガバナンス(企業統治)などに配慮したESG経営を実践しています。
具体的には以下のような活動に取り組み、ESG経営を実行しております。
E Environment:解体・リサイクル分野における各種特殊アタッチメントなどの生産性向上による「社会におけるリサイクルシステム」への寄与
林業分野における林業機械、未利用材の資源化機械の生産性向上による「山地・森林資源の保全と有効活用の実現」への寄与
ケーブルクレーン事業を通じたダムなどの「再生可能エネルギー設備の建設・維持管理」への寄与環境目標の設定や再生可能エネルギーの調達などによる企業責任の遂行
S Social: 社員の働き方改革やダイバーシティなどの実現
事業活動に関わる全てのパートナーの人権尊重に関する取り組みの推進
G Governance: 誠実、透明性の高い、積極的な経営判断ができるコーポレートガバナンス体制の構築
特に環境問題への取り組みは企業の存続、成長に必要不可欠であることを認識し、気候変動への対応につきまし
ても気候関連財務情報タスクフォース(以下、「TCFD」という。)に沿った取り組みと情報開示を進めてまいります。
①ガバナンス
当社グループは、2022年2月に持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、サステナビリティに関する課題に対して積極的かつ機動的に対応し、ESG経営を実効的に進めるために、全社横断組織として「サステナビリティ委員会(年4回、および必要時開催)」(以下、「委員会」という。)を設置しました。
当委員会は、代表取締役社長を委員長とし、経営会議メンバーなどにより構成しています。気候変動や人的資本に関するリスク・機会への対応を含むサステナビリティに関する事項や体制などについて審議し、重要事項は年1回以上取締役会へ報告・提言を行い、監督を受けています。なお、2024年度は2023年度CO2排出量、CDP回答書スコアの報告及びBCP策定に向けての報告を受けております。
また、委員会の運営事務及びサステナビリティ施策を各部門と連携し展開・推進することを目的に「サステナビリティ推進事務局」(以下、「事務局」という。)を設置しています。当事務局では、委員会で取り上げる議案の取りまとめ、委員会からの指示に基づく必要な社内調整など、サステナビリティ施策について、実務レベルでの協議・推進を図り、委員会に報告・答申を行い、指示を受けています。
目標・計画の策定、重点取り組み課題の選定、計画に対する進捗はステークホルダーに適宜開示してまいります。
組織体制は下記図の通りであります。
②戦略
マテリアリティ
サステナビリティへ向き合い、私たちの経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指して、マテリアリティ(重要課題)に取り組んでいます。
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マテリアリティ |
コミットメント |
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カーボンニュートラルの実現 |
・ 脱炭素社会の実現に向けて、エネルギー消費量の最小化、次世代再生可能エネルギーの利活用を図る。 ・ 解体現場及び林業、大型土木工事現場での当社製品利用におけるCO2排出について重要度が高いと認識し、電動化、高エネルギー効率化に向けた製品開発・改良の取り組みを推進する。 ・ 間接部門、生産工程でのCO2排出を削減する。 |
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社会におけるリサイクルシステム支援 |
・ 資源の有効活用とリサイクルは少資源国では重要な課題であり、効率的なスクラップ&ビルドに資する。 ・ 解体現場の効率化に寄与し、併せて廃材の再資源化により循環型社会を目指す。 |
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山地・森林資源の保全と有効活用 の実現 |
・ 林業の効率化に寄与する。 ・ 木材資源の有効活用に寄与する。 ・ 建設困難地における資材物資の移動・搬入用の装置提供により、土地の有効活用を目指す。 |
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働き方改革やダイバーシティ等の実現 |
・ 国内の生産人口減少への対応として、DX活用による生産性向上や自動化等に取り組む。 ・ 採用、人材育成、登用の仕組みと環境を整備することで誰もが働ける場所を提供する。 ・ グループの協力会社においても労働/人権に配慮する。 ・ 働き方改革やダイバーシティ等の実現に向けたコーポレートガバナンス体制を強化する。 |
なお、上記のマテリアリティについて、(国内)解体アタッチメント部門、(国内)林業部門、海外部門、管理部門の各事業部門にて対応方針を定めて取組を推進しております。
③リスク管理
代表取締役社長を委員長とする委員会では、財務への影響等の観点から気候変動や人的資本を含むサステナビリティ全般に関するリスク及び機会を識別しております。識別されたリスクの回避、軽減、コントロールと、機会への早期着手に関する方針の策定や対応策の立案などを実施し、年1回以上取締役会への報告・提言を行い、監督を受けています。
リスク及び機会は下記a~eの活動を実行し、管理しています。また、活動は毎年見直しを行ってまいります。
a シナリオ分析(気候変動関連)
b 短期・中期・長期のリスク及び機会の特定
c 特定された重要なリスク及び機会に対する戦略的な取り組み方針の決定
d リスク及び機会への具体的な対応策の検討
e リスク及び機会の対応策実行、進捗管理
当社グループは、経営会議にて経営上の各種リスクの洗い出しを行い、当社及び当社子会社を監視し、必要な対策を講じ、経営の影響度に応じた機動的かつ最適な対応がとれるよう、リスク管理体制の構築に努めております。サステナビリティ全般に関するリスク及び機会は、上記の通り委員会において識別・評価し、重要と評価したリスクは、経営会議に報告した上で全社のリスク管理体制の中で対応を行います。
④指標及び目標
4つのマテリアリティ全てに指標及び目標を設定しており、委員会で進捗を確認しています。
a カーボンニュートラルの実現
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2050年に実質ゼロ [グループ内(海外販社を除く)]
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2030年に50%減(2018年比)[グループ内(海外販社を除く)]
・Scope3 CO2排出削減への取組 (仕組み構築とターゲット選定)
b 社会におけるリサイクルシステム支援
・2030年アタッチメント解体業務の生産性10%向上(当社従来自社製品2020年比)
・コンクリート等の建設廃材の再資源化率98%以上維持への寄与
c 山地・森林資源の保全と有効活用の実現
・2030年林業関連機器の生産性10%向上 (当社従来製品2020年比)
・水力発電能力の維持への寄与2.5億kwh/年(2030年まで)
d 働き方改革やダイバーシティ等の実現
・社員幸福度測定の仕組み導入と幸福度の向上
・女性社員比率 25% (2030年)
・女性取締役比率 25% (2030年)
・協力会社選定時の労働/人権配慮の実施
(2)気候変動に関する取組
①戦略
「シナリオ分析」
当社グループでは、2100年における世界の気温上昇が1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇の世界観を想定し、2030年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。
初年度は対象をオカダアイヨン株式会社(国内のみ)、株式会社南星機械、株式会社アイヨンテックに絞り、シナリオ分析を進めました。今後順次、オカダアイヨン株式会社(海外)や他のグループ会社にも展開していきます。
以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しています。
・IEA 「World Energy Outlook 2024」 (2024年) NZE2050 / APS / STEPS
・IPCC 「AR6」 SSP1-1.9(1.5℃シナリオ) / SSP1-2.6(2℃シナリオ) / SSP5-8.5(4℃シナリオ)
「リスク、機会」
特に当社グループへの影響が大きく、実際に起きる可能性も高いと想定されるリスク8項目、機会5項目を開示いたします。
※財務影響は、大:営業利益比率10%以上、中:3%以上~10%未満、小:3%未満にて評価しています。
「対応策」
特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。対応策とその具体的内容については以下のとおりです。
その他にも当社グループは、2023年7月にTCFD提言への賛同を表明しております。また、「CDP気候変動質問書2024」においては2024年9月に回答書を提出し、「B(自社の環境リスクや影響について把握し、行動しているレベル)」と評価されました。また、「再エネ100宣言 RE Action」にも参加し他の参加団体とともに使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する行動に取組んでおります。
②指標及び目標
GHG排出量削減目標
当社グループでは2018年度より事業活動におけるCO2排出量(以下、「 Scope1、2 」という。)、および2021年度より材料の調達や販売した製品の使用なども含んだサプライチェーンのCO2排出量(以下、「 Scope3 」という。)の把握に取り組み始めました。
また、当社グループは「カーボンニュートラルの実現」をマテリアリティに定め、KPIとして2018年度のScope1、2を基準値として、CO2排出量の削減に向け、当社グループのScope1、2(※1) 削減目標を設定しています。2024年度は、オカダアイヨン株式会社と株式会社アイヨンテックの全使用電力分および株式会社南星機械の一部使用電力分の非化石証書を購入し、Scope1、2実績は、738t-CO2となりました。
「2050年度目標 Scope1、2 実質ゼロ」
「2030年度目標 Scope1、2 50%削減(2018年度比)」
※1 グループ内(海外販社を除く)
(3)人的資本に関する取組
① 戦略
当社グループは「働き方改革やダイバーシティ等の実現」をマテリアリティとし、「VISION 30」の3つの戦略の一つに人材戦略を掲げ、ダイバーシティや働き方改革の推進、人事制度見直しにより「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社を目指しています。「人づくり」、「人事制度」、「働き方改革・エンゲージメント」の観点から人材戦略施策を検討・実施しており、人材の多様性の確保を含む人材の育成や社内環境整備に以下の観点で取り組んでいます。
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①人づくり (人材育成方針) |
□柔軟な採用形態の導入 ・・・リファラル採用、エリア採用等多様化促進 □女性採用比率の向上・・・目標30%以上 □社員教育・研修制度の充実 キャリアパスを考慮した人事配置 ・・・適宜社内公募制を実施 |
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②人事制度 (人材育成方針) |
□人事制度、評価制度の見直し ・・・課題を抽出し新制度を設計 □社員待遇の改善 □人材の多様性・・・女性・外国人採用強化 □グループ間の制度統一 ・・・子会社の待遇改善 |
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③働き方改革・エンゲージメント (社内環境整備方針) |
□シニアの活用・待遇の維持 ・・・現役時の9割待遇維持が原則 □社員幸福度の追求・・・社員アンケート実施 □社内風土改善 ・・・社内通報窓口や相談窓口を拡充 社内コミュニケーションの活性化策検討 |
②指標及び目標
当社グループでは、「VISION 30」の実現に向けて人材戦略指標を設定しています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
※当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
なお、ホームページにサステナビリティ・サイトを構築しております。参照先は以下となります。
https://okadaaiyon.com/sustainability
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)主力商品の動向
当社グループは、顧客ニーズに沿った商品開発を推進しており、主力商品として、油圧ブレーカ、圧砕機、林業機械、環境関連機器、ケーブルクレーン等があります。油圧ブレーカは公共投資の減少や欧米及びアジアの需要低迷、圧砕機は都市型解体工事の減少、林業機械や環境関連機器は国の林業関連施策の変更、木材需要や木材解体家屋の減少、ケーブルクレーンは国の公共投資政策の変更等により、それぞれのセグメント売上に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料価格変動の影響について
当社グループ事業の主要原材料の一部分の市況が上昇する局面を迎えた場合、取引業者からの価格引上げ要請が強まる可能性があります。当社では購買担当者を中心に常に市況価格を注視し、取引業者との価格交渉に当たっておりますが、今後、市況が大きく高騰した場合には、原材料費の上昇を抑えきれず、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、原材料費の上昇が当社の業績に影響を及ぼすまでにはリードタイム期間が長くタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
(3)海外事業
当社グループにおける海外売上高の比率は22.5%であります。海外事業は予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等これらのリスクに対して、グループ内での情報収集、外部コンサル起用等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、事業展開が困難になる可能性があります。また、海外事業は為替相場の動向にも左右されます。
(4)人材の確保及び育成
当社グループは「社会に存在価値ある会社」としてさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保及び育成する必要があります。従って、新卒・中途採用者の採用に注力し、部門別・階層別の研修の継続による社内教育を行っていますが、当社グループの求める人材の確保、育成が計画どおりに進捗しない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、一時差異に対して適正な金額を計上していますが、将来の業績変動により課税所得が減少し、一時差異が計画通り解消できなかった場合の繰延税金資産の取崩しは、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損
当社グループの所有する有形固定資産等の長期性資産について、今後の事業の収益性や市況の動向によっては、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)M&Aに関する影響について
当社グループは、事業拡大のための経営資源を取得するためにM&Aを行っております。M&Aを実施する際には、将来にわたり安定的な収益を確保できることを十分に検討しておりますが、事業計画の進捗が見通しに比べ大幅に遅れる場合、または計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生する等により当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害等による影響について
当社グループは国内外に生産・販売・サービスの拠点を設け、事業を展開しています。それらの拠点や協力会社が立地する地域において大規模な地震や水害等の自然災害が発生し、短期間で復旧不可能な甚大な損害を被るなどして、材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。その他、新型コロナウイルスなど疫病の発生等により、経済活動の低迷が続き、さらには営業活動の中断を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
その対処として、平時より災害や感染症の発生に備えて、取引先や従業員の安全確保に向け、被害を極小化するための体制を整えています。例えば、当社グループにおける感染症予防対策として、出勤形態はマイカー通勤・時差出勤・在宅勤務の推進、会議形態はwebの積極利用、営業活動に関しては、事業所の休業や出張の自粛などに取り組めるようガイドラインを作成しております。
(9)製造物責任について
当社グループは品質や安全に関する法令・規則の遵守に努めるとともに、品質と信頼性の維持向上に努めていますが、万が一、予期せぬ製品の不具合により事故が発生した場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面し、その費用を負担しなければならず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、製造物責任賠償保険(PL保険)に加入はしておりますが当社が支払う損害賠償額で全てがカバーされる保証はありません。
(10)為替変動による影響について
当社グループにおいて商品及び製品や原材料の輸出入取引は主要取引の一部であります。為替変動は、当社の外貨建取引から発生する資産及び負債の円換算額に影響を与える可能性があります。また外貨建取引から発生する商品及び製品や原材料の仕入原価にも影響を及ぼす可能性があります。為替リスクを軽減し、またこれを回避するために為替予約をはじめとする対応を講じておりますが、カバーできないほどの急激な為替変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)特定取引先への依存による影響について
当社グループは商品及び製品や一部の原材料を特定の仕入先に依存しています。現在、当社との取引関係は良
好に推移していますが、仕入先の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当
社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、35,994,704千円(前連結会計年度末34,008,285千円)となり1,986,418千円増加しました。受取手形が275,964千円、建物及び構築物が160,446千円それぞれ減少しましたが、建設仮勘定が1,017,552千円、商品及び製品が616,689千円、現金及び預金が383,812千円、機械装置及び運搬具が150,220千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、18,755,786千円(前連結会計年度末17,988,294千円)となり767,491千円増加しました。支払手形及び買掛金が1,620,713千円、未払法人税等が148,527千円、1年内返済予定の長期借入金が141,760千円それぞれ減少しましたが、短期借入金が1,132,889千円、長期借入金が1,191,782千円、電子記録債務が285,548千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、17,238,918千円(前連結会計年度末16,019,991千円)となり1,218,926千円増加しました。剰余金処分の配当金支払562,380千円を行いましたが、親会社株主に帰属する当期純利益1,475,214千円を計上したこと及び、為替換算調整勘定が301,399千円増加したことが主な要因です。
経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や企業の設備投資の持ち直し等により緩やかな回復基調となりました。一方、世界経済はインフレと金融引き締めを背景に先進国を中心に景気が減速いたしました。また、引き続き、資源・エネルギー価格の動向や地政学的緊張、インフレの継続懸念に加えて、足許では特に米国の貿易政策・関税の影響という不確実性が高まる中、国内外の経済動向は予断を許さない状況が続くと思われます。
このような環境のもと、当社グループは長期ビジョン「VISION30」の方針のもと、国内では足許の堅調な解体・インフラ工事需要に対応した増産と生産性向上を軸にした生産体制強化を注力課題として取組み、開拓余力の大きな海外では拠点展開している米国・欧州・アジアでの営業体制強化を図るなど、更なる持続的成長と企業価値向上に注力してまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高26,582,659千円(前年同期比1.9%減)、営業利益2,279,268千円(前年同期比16.2%減)、経常利益2,238,375千円(前年同期比20.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,475,214千円(前年同期比21.8%減)となりました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内セグメントは、売上高20,601,317千円(前年同期比1.7%増)と増収となりました。機種別には、主力の圧砕機は再開発やビル・工場等の建替等による解体需要が引き続き堅調なことに加え、増産による納期短縮等も後押しし売上高9,529,628千円(前年同期比12.0%増)となりました。つかみ機も木造解体、災害復興等の需要は引き続き堅調で売上高1,609,341千円(前年同期比2.3%増)と微増ながら増加となりました。ケーブルクレーン事業は、再生可能エネルギーとして見直されている水力発電所の改修工事などの受注が引き続き堅調に推移し売上高1,305,467千円(前年同期比5.3%増)となりました。一方、輸入商材の大型環境機械は円安進行による仕入価格の高騰から引き続き販売に苦戦し売上高622,396千円(前年同期比0.5%減)となりました。林業機械は売上高1,799,474千円(前年同期比6.1%減)となりましたが、子会社南星機械との営業統合から今年度は2年目に入り今後は更に販売体制強化を進めてまいります。アフタービジネスに関しては、原材料売上高は2,039,710千円(前年同期比3.6%減)と減少しましたが、修理売上高に関しては1,169,568千円(前年同期比0.8%増)と微増となりました。セグメント利益は原材料価格の上昇に対応した販売価格の値上げにより利益を維持できたこと及び増収が寄与し1,928,681千円(前年同期比6.1%増)と増益となりました。その結果、国内セグメントは過去最高売上、営業利益を更新しました。
海外セグメントは、売上高5,981,341千円(前年同期比12.6%減)と減収となりました。主力地域の北米では販売先での在庫調整などによる買い控えの影響が引き続き大きく、売上高4,218,250千円(前年同期比12.4%減)となりました。欧州は米国同様、前期後半からの需要の減速影響を受け売上高994,473千円(前年同期比14.0%減)となりました。アジア地域においても市場全体の需要減の影響もあり売上高490,365千円(前年同期比16.0%減)となりました。セグメント利益に関しても北米地域での減収影響が大きく345,868千円(前年同期比61.9%減)と大幅な減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、仕入債務の減少額1,355,862千円、有形固定資産の取得による支出1,222,488千円、長期借入金の返済による支出949,978千円、法人税等の支払額807,166千円、棚卸資産の増加額743,658千円、配当金の支払額561,468千円等の減少要因はありましたが、税金等調整前当期純利益2,187,992千円、長期借入れによる収入2,000,000千円、短期借入金の純増額1,155,661千円、減価償却費606,633千円等の増加要因があったことから、前連結会計年度末に比べ373,370千円増加し、当連結会計年度末には4,666,715千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は7,803千円(前年同期2,007,295千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,187,992千円、減価償却費606,633千円、売上債権の減少額215,362千円等がありましたが、支払サイト短縮による仕入債務の減少額1,355,862千円、法人税等の支払額807,166千円、棚卸資産の増加額743,658千円等が計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は1,130,019千円(前年同期1,290,627千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入152,460千円、有形固定資産の売却による収入128,888千円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出1,222,488千円、定期預金の預入による支出155,297千円等が計上されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は1,482,887千円(前年同期382,969千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出949,978千円、配当金の支払額561,468千円、ファイナンス・リース債務の返済による支出126,417千円等がありましたが、長期借入れによる収入2,000,000千円、短期借入金の純増額1,155,661千円が計上されたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
7,121,285 |
109.2 |
|
海外(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
7,121,285 |
109.2 |
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
12,232,655 |
97.8 |
|
海外(千円) |
2,820,738 |
74.3 |
|
合計(千円) |
15,053,393 |
92.4 |
(3)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
19,545,883 |
109.1 |
|
海外(千円) |
6,178,931 |
97.1 |
|
合計(千円) |
25,724,814 |
105.9 |
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
20,601,317 |
101.7 |
|
海外(千円) |
5,981,341 |
87.4 |
|
合計(千円) |
26,582,659 |
98.1 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、24,503,714千円(前連結会計年度末23,486,667千円)となり1,017,046千円増加しました。受取手形が275,964千円減少しましたが、商品及び製品が616,689千円、現金及び預金が383,812千円、流動資産のその他が140,890千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、11,490,990千円(前連結会計年度末10,521,618千円)となり、969,372千円増加しました。建物及び構築物が160,446千円減少しましたが、建設仮勘定が1,017,552千円、機械装置及び運搬具が150,220千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、15,682,261千円(前連結会計年度末16,098,636千円)となり、416,374千円減少しました。短期借入金が1,132,889千円増加しましたが、支払手形及び買掛金が1,620,713千円、未払法人税等が148,527千円、1年内返済予定の長期借入金が141,760千円それぞれ減少したことが主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,073,524千円(前連結会計年度末1,889,657千円)となり、1,183,866千円増加しました。長期借入金が1,191,782千円増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、17,238,918千円(前連結会計年度末16,019,991千円)となり、1,218,926千円増加しました。剰余金処分として配当金562,380千円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益1,475,214千円(前連結会計年度1,886,906千円)を計上したことが主な要因です。この結果、自己資本比率は47.9%(前連結会計年度末は47.0%)となりました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ513,044千円減少し26,582,659千円(前年同期比1.9%減)となりました。これは主に海外セグメントの売上が減少したことが主な要因です。尚、各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、国内セグメントが77.5%、海外セグメントが22.5%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ291,271千円減少し7,858,678千円(前年同期比3.6%減)となりました。主な要因は、利益率の高い海外セグメントで売上減収に伴い利益率にも影響が出ている事などから連結売上総利益率は29.6%(前年同期30.1%)と昨年を下回っております。結果、減収要因と海外利益率要因の影響により売上総利益も減少となっています。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ440,701千円減少し2,279,268千円(前年同期比16.2%減)となりました。国内セグメントでは増益でしたが海外セグメントでは大幅な減収により減益となっています。加えて販売費及び一般管理費が前期比較で149,429千円増加しており、売上に占める販管費比率は21.0%(前年同期20.0%)となりました。これらが主な減益要因となっています。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ576,105千円減少し2,238,375千円(前年同期比20.5%減)となりました。利益減少の主な要因は、昨年の為替差益から一転し為替差損が発生したことなどにより営業利益段階より減益幅が広がったことなどが主な要因です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ411,691千円減少し1,475,214千円(前年同期比21.8%減)となりました。特別損失の計上などもあり他の段階利益より減益幅が大きくなっております。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用、販売する取扱商品の仕入費用のほか、生産活動を行うための設備投資資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは製造メーカーではありますが、外注比率が高く、製造のリードタイムも4~5カ月と長いため、製造設備負担は比較的軽い反面、部材の確保と販売用商品の欠品を防ぐ営業上の理由からも在庫負担が大きいという財務バランス上の特徴があります。また、安全性の観点から、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することに加えて、自己資本比率は50%程度を維持することを経営の基本方針としております。以上により、バランスシート上は、固定資産は自己資本で十分賄えておりますが、在庫等の運転資金に関しては金融機関借入で賄う必要があります。また、中長期的な成長に資する前向きの投資に関しては状況に応じて増資等も検討することとしております。一方、不測の事態に備えて主要取引銀行と当座貸越契約を締結し充分な借入枠を有しており、緊急の資金需要や流動性の補完にも対応可能となっております。
当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結いたしました。
契約に関する内容等は、以下のとおりであります。
(1)契約締結日
2024年2月19日
(2)金銭消費貸借契約の相手方の属性
都市銀行
(3)金銭消費契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
①契約形態 リボルビング・クレジット・ファシリティ契約
②総額 33億円
③弁済期限 2025年4月30日(契約期間2024年2月22日~2027年2月19日 延長最大2回含む)
④当該債務に付された担保の内容 無担保
(4)財務上の特約の内容
借入人は、本契約に基づく貸付人に対する全ての債務の履行が完了するまで、以下に定める内容を財務制限条項として、遵守維持するものとする。
・2024年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、純資産の部の合計額を、2023年3月決算期の年度決算期の末日における純資産の部の合計額又は前年度決算期の末日における純資産の部の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。
・2024年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の損益計算書において、経常損益の金額を2期連続して0円未満としないこと。
当社グループの研究開発活動は、油圧ショベルの先端に取付け、土木建設、解体、スクラップ処理、産業廃棄物処理、砕石等の作業に使用する解体環境アタッチメントと木材の伐採、造材、集材等の作業に使用する林業機械を2つの柱として、これらの分野における専門メーカーとしての豊富な経験と技術の蓄積をもとに優れた商品を開発することを基本方針としております。
国内、海外の各営業拠点からの顧客ニーズ、市場動向の情報等をもとに、新商品具体化の研究開発を推進すると共に成熟期にある商品群については、その高品位化、高品質化、高付加価値化を目指し、競争力のある商品開発をテーマに取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、国内セグメント、海外セグメントに区別せず実施しております。
なお、研究開発は大阪本社と㈱アイヨンテック朝霞工場、㈱南星機械熊本本社の3拠点で行っており、当連結会計年度の研究開発費は
(1) TOPシリーズ油圧ブレーカ
当社グループの油圧ブレーカは市場ニーズに応え、世界戦略モデルTOP-Jシリーズのラインナップ化を行ってまいりました。
2024年度は、国内においては、需要の減少により若干の販売台数が減少いたしましたが国内シェアは前年とほぼ同数となっております。海外においても、アメリカのレンタル在庫調整の影響で台数は伸び悩みました。
一方で本年、世界最大の建設機械展示会bauma2025において本機を展示し、ヨーロッパ市場での発売を開始いたしました。今後、TOP-Jシリーズの全世界での発売を機に年間5,000台を販売目標としてまいります。
協力会社のベトナム工場も順調に稼働しており3機種の製造を行っておりますが、今後の販売計画を踏まえ、1機種を増やし現在4機種の製造を始めており国内・海外に出荷を行っています。
油圧ブレーカの需要は中国を除いた世界で70,000台強と開拓の余地はあり、当社の販売台数は増やすことが可能であると考えております。
当社グループといたしましては『MADE IN JAPAN』の油圧ブレーカTOP-Jシリーズの全ラインナップを全世界に投入してシェア拡大を図ってまいります。
(2) サイレントTS-Wクラッシャー・TS-Wカッター・TSRCクラッシャー
多くのさまざまな解体現場で好評を得ております大割機TS-Wクラッシャーについては、耐久力を向上させ、メンテナンス性能にも優れた新型WDシリーズへのモデルチェンジを進めております。顧客ニーズを反映し、細分化したシリーズ展開を行い超小型機種TS-WB250から超大型機種TS-WD2800Vまでの豊富な14機種のラインナップ化により、顧客ニーズへのきめ細かい対応が実現できました。昨年度はシリーズ中最もロングセラーでありフラッグシップの役割を担っていたTS―WB1100Vに更なる進化を加えたTS-WD1100Vを開発した他、同様の改良を加えたTS-WD1400V・TS-WD1700V-2も開発、販売を開始し確実に販売実績を伸ばすことが出来ました。
鉄骨カッターのクロスカッターシリーズでも、昨年度は新たに世界最大級の超大型機TS-W2300XCVとTS-WS1000Vの2機種を受注しており順調に開発が進んでおります。当該機においては従来の建物以外の大型船舶解体という新たな分野でも活躍が期待され完成が待ち望まれております。今年度も新たな機種開発によりラインナップの拡張を推進いたします。
従来機では解体が困難な鉄筋・鉄骨とコンクリートが混在しているSRC構造の建物解体に適したTSRCクラッシャーも引き続き高い評価を頂いており、シリーズ拡張も検討しております。
(3) アイヨンカプラー
油圧ショベルの大型化に伴い、アタッチメント交換の際に重い取付けピンを抜き差しする作業は危険を伴い多くの時間が必要となっていました。当社では短時間で安全にアタッチメントの交換が行える、20t~200tショベル用のアイヨンカプラーSE200~SE2000のシリーズ5機種を市場導入し高い評価を頂いております。耐久性強化対策に加え細部に渡る改良を施すことで更なる信頼性アップと解体現場環境の安全に貢献しております。
昨年度は大量受注もあり生産能力の増強に努めている最中でございます。
今後さらに現場環境の改善、安全性の向上と省力化を実現する商品の開発を進めてまいります。
(4) 海外向けアタッチメント
海外市場ではスタンダードとなっている破砕歯交換式圧砕機に関しては、耐摩耗性を考慮した破砕歯の新設計を行うと共に、旋回式機能を加えたORC-280Bを開発し、bauma2025にて発表しました。
また海外仕様の多目的バケット(ソーティング・グラップル)のODシリ-ズについて設計を行い、販売開始へと進めています。
(5) O-ATTA(アタッチメント稼働状況管理システム)
油圧ショベル側システムに依存することなく、アタッチメントの「状態(稼働・停止)」「位置」「記録(稼働時間)」を把握でき、アタッチメントの効率的な管理と適切なメンテナンス実施に寄与するオリジナルデバイスと管理ソフトを開発しています。量産仕様に沿って製作したデバイスの数百台を協力会社を募って試験配布し終わりました。利用頻度の高い会社を優先的に調査、分析を行い、効果的な活用方法,改善点,精度の評価をまとめる段階に移っています。実装に向けて仕様の確定を行っていきます。
(6) 大型破砕機(大型環境機械)
中低速破砕機BIG BASSシリ-ズ最小クラスのSRS-475Cを自社開発いたしました。エンジン搭載試験を主とした各種試験もクリアーし、試験段階での改善点を盛込み販売を開始いたしました。
ユーザ-の更なるニーズに応えるべく 市場投入後のフィードバックを反映し改良、改善に努めてまいります。
(7) 小割機(OSC)
既にシリ-ズ化を終えて成熟期に入ったOSCシリ-ズですが新たにパワ-アップしたDシリ-ズの開発を行いました。
主力の20tクラスの機種よりスタ-トし従来の機能に加えて耐久性の向上、メンテナンス性の見直し、部品点数の削減等を盛り込んだ設計を行い、フィールドテストを行いました。
さらに24V仕様のマグネット付きコワリクンでの展開を行い量産化へと進めております。
(8)ハイブリッドバケット
農林水産省も推奨する高性能林業機械で、伐倒・根掘り・集積・地均しなど何役もの作業が可能なハイブリッドバケットですが、すでに販売中である12トンクラスのOHB-120、20tクラスのOHB-200に加え新たに6tクラスのOHB-60を発売し幅広いユーザーに対応することが出来ました。
また伐倒機能を排除し根掘り、集積・地均しに専用化した、6tクラスのOHB-50の開発を終え販売を開始しました。また同じく12tクラスのOHB-100の開発、20tクラスのOHB-180の試作も終え、フィールドテストの実施を予定しております。
今後もユーザーからの要望、意見を取り入れさらに高評価頂けるよう改良してまいります。
(9) 林業用グラップル
NSW-10の後継機として、安全性、メンテ性、扱いやすさを向上させた1.5tクラスのNSW-15を開発いたしました。
(10) グラップルソー
6~7tショベルに搭載するNWG-70RPSの玉切り能力を向上させたNWG-72RPSを開発いたしました。
(11) 油圧オートカプラ対応プロセッサ
油圧オートカプラにて瞬時に付け替え可能な、ローラー式プロセッサNPG-40Rとストローク式プロセッサNPG-45Sのモデルを開発いたしました。