当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは 1.社会に存在価値ある会社 2.会社に存在価値ある部門 3.部門に存在価値ある個人 4.向上の矢印で確実な前進 を経営理念としております。この理念のもと、事業計画を策定し、各セグメントがその年度計画を達成することにより、一歩一歩、確実に前進して行くことを基本方針としております。
同時に、お客様のニーズを的確に捉えた製商品と行き届いたサービスの提供という活動を地道に進めていくことを通じて、社員は育ち、会社は発展し、社会にも貢献できることを使命と考えています。
以上の経営方針に沿って事業を推進していくために、当社グループは以下の2つのセグメントにより事業計画を推進・管理しています。
① 国内
当社の国内事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では76.6%を占め、主に圧砕機及び油圧ブレーカ等の建機アタッチメント並びに環境関連機器・林業機械・金属リサイクル機械等の製造・販売・メンテナンスを行っています。主要な顧客はショベルメーカー系ディーラー、建機ディーラー、レンタル会社、エンドユーザーです。また、ゼネコン向けの請負事業としてダム建設工事等の運搬設備であるケーブルクレーンの設計・施工・運用管理を行っています。
② 海外
当社の海外事業に係るセグメントで当連結会計年度の売上高では23.4%を占め、主に油圧ブレーカ及び圧砕機等の建機アタッチメントの販売、メンテナンスサポートを行っています。主要な顧客は各地域の建機ディーラー等の提携販売代理店やレンタル会社です。
(2)マーケット環境と各セグメントの状況
① 国内
(解体環境アタッチメント)
当社国内の主力商製品である解体環境アタッチメントは、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の先端に装着し、ビル、マンション、公共建物等のコンクリート建造物の解体工事や砕石・土木工事、建築廃材やスクラップ等の再利用のための搬送、分別処理等に使用されています。解体環境アタッチメントは用途・形状等により以下の通りに分類しています。
・圧砕機・・・コンクリート建造物解体用のアタッチメントでコンクリートや鉄筋・鉄骨を破砕・切断します。大割機(1次破砕機)、小割機(2次破砕機)、鉄骨カッターに分類しています。
・油圧ブレーカ・・・解体や土木工事、砕石など幅広い用途で使われ、打撃により岩盤、コンクリート等を破砕します。
・つかみ機・・・木材やがれき、金属スクラップ等の搬送作業用のアタッチメントで、グラップル、フォークの他、定置アームと一体型になった定置式スクラップローダも含まれます。
・環境アタッチメント・・・産業廃棄物処理等に使用される様々な混合物の回転ふるい機や軟質系カッター、木材カッター等のアタッチメントが含まれます。
(林業機械)
主に油圧ショベルに装着され、木材の伐採や集材に利用されます。用途別に、林業用グラップル、地引ウインチ、高性能林業機械のプロセッサ・ハーベスタ、プロセッサ、スイングヤーダ、タワーヤーダー、ハイブリッドバケット等が含まれます。
(大型環境機械)
木材やガレキ物、産業廃棄物等の破砕に使用される大型の破砕機で、海外メーカーから輸入し当社で販売とアフターサポートを行っています。
(ケーブルクレーン)
ダム建設や山間部における工事にスポット的に使用される中・大型のクレーン運搬設備で、設計から施工・運行管理までを行うゼネコン機能を果たしています。大型ウインチの販売・設置等も含まれます。
(補材・修理)
各製商品の補修部品の販売や修理・メンテナンス事業が含まれます。
(その他)
舶用クレーン、自社製品以外の仕入商品、一般産業用機器や物品等の販売が含まれます。
コンクリート建造物は建築後、数十年経過すると劣化が進んできます。そのため、大規模地震等の自然災害発生に対する安全対策上からも劣化が進んだ建物は解体・建て替えの対象となってきます。わが国では戦後の高度成長期以降に建てられたコンクリート建造物が順次解体対象に入ってきており、茲許の都市再開発の動きやインフラ再整備の必要性からも国内での解体環境アタッチメント需要は今後も堅調に推移するものと思われます。
特に、解体用アタッチメントは解体工事現場等で厳しい使用環境にさらされており、摩耗・損傷が常時発生する中で、当社は自社でメンテナンス部門を持ち、販売後のアフターサービス体制を整備していることで、同業他社メーカーと差別化を図っております。加えて、より強度が求められる大割機や鉄骨カッターは鋳鋼製品とする等、製品強度面・品質面でも優位性を追求しており、圧砕機販売シェアは約5割と国内トップシェアを維持しております。また、土木工事、砕石、建物解体等の幅広い用途で汎用性の高い油圧ブレーカ、木造解体や復興処理等で使用され最近需要が高まっているつかみ機等、幅広い建機アタッチメントを取り揃え幅広い需要に対応しています。つかみ機の中には、スクラップ工場内で活用される大型の定置式スクラップローダも含んでおります。
また主に子会社の株式会社南星機械が製造する林業機械は木材の伐採や集材に活用されます。国内の林業マーケットは戦後の輸入木材の急増に伴い、一時期は木材自給率の低下が続いていましたが、茲許は官民挙げての森林再生、林業再生への取組みや木質バイオマスのエネルギー利用等による国産材の需要拡大を背景に自給率は上昇しております。その一端を支えているのが、林業の機械化であり、今後も林業機械には一定の需要の増加が期待できると考えております。
林業機械の国内推定シェアは約2割程度とみておりますが、今後は更にメンテナンス・部品供給等のアフターサービス体制の充実、ユーザー目線の商品改良・商品ラインアップの見直し等の施策を進め、業界での評判・シェア向上を図ってまいります。
バイオマス発電用のチップ製造や産廃処理等に使用される大型環境機械のシェアは約2割程度とみていますが、再生エネルギーである木質バイオマス発電関連業者やリサイクル業者向けの安定した需要を見込んでおります。
主にダム建設や山間部における運搬設備であり国内で約5割のシェアを有するケーブルクレーンに関しても、茲許再生可能エネルギーとして再見直しされている水力発電所のリニューアル工事の引き合いが多く、当面は安定した受注が見込まれると考えております。
<国内セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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解体環境機械 |
13,545 |
13,522 |
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(圧砕機) |
(9,529) |
(9,483) |
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(ブレーカ) |
(797) |
(931) |
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(つかみ機) |
(1,609) |
(1,303) |
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(環境アタッチメント) |
(525) |
(470) |
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(その他) |
(1,083) |
(1,333) |
|
林業機械 |
1,799 |
1,702 |
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大型環境機械 |
622 |
691 |
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ケーブルクレーン |
1,305 |
1,302 |
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補材・修理 |
3,209 |
3,279 |
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その他 |
119 |
165 |
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合計 |
20,601 |
20,664 |
② 海外
海外では販売の約8割が汎用性の高い油圧ブレーカとなっており、土木工事、砕石、建物解体等で幅広く使用されています。当社の海外販売は、北米地域はOkada America,Inc.、欧州地域はOkada Europe B.V.、またそれ以外の地域は、当社海外事業所が担当しております。更にOkada Midwest,Inc.では北米における自社修理サービス業務を中心に販売・レンタルも行っております。
主力の油圧ブレーカに関しては、オカダブランドの信頼の品質と品揃え、販売代理店への安定した部品供給や修理指導等のサポート体制によりシェア獲得に注力しております。当社海外販売額の約7割を占める米国でのシェアは推定4~5%程度、世界でのシェアは推定3~4%程度と海外進出においては後発の当社にとってはまだまだ開拓余力が大きく、最大マーケットの欧州や成長の見込まれるアジアを中心に今後の伸びしろに期待できます。また、圧砕機に関しては、日本国内と比較すると欧州以外では未成熟のマーケットであり、メンテナンス負担の少ない海外専用モデルや各地域のニーズに合わせた新商品の投入等により市場開拓、市場育成を図っております。
<海外セグメント売上高> (単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
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北米 |
4,218 |
4,237 |
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欧州 |
994 |
1,113 |
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アジア |
490 |
688 |
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その他 |
278 |
287 |
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合計 |
5,981 |
6,326 |
(3)経営戦略及び優先的に対処すべき業務上及び財務上の課題
経営理念の実現に向けて、会社の中長期の経営方針に基づき、中長期経営計画を策定し、更に年度の経営計画に展開し業務運営を行っています。
<長期ビジョン「VISION 30」>
当社は、更なる成長を目指し、中長期経営計画「VISION 30」に取り組んでいます。その中で、毎年、実績と事業環境の変化を織り込んだうえで3ヵ年の中期経営計画の見直し修正を行うこととしておりましたが、今年度からは3ヵ年固定型の新中期経営計画「Onyx(オニキス)」を策定しております。
「Onyx」では、安定した国内事業基盤を土台としつつ、海外事業およびアフタービジネスの成長を通じて、単なる売上拡大にとどまらない「利益の質」「成長の再現性」「資本効率」を重視した価値創造型の成長モデルへの転換を目指しております。
国内(解体市場)
都市インフラ老朽化により国内の解体市場(ビル、工場プラント、公共建物等)はこれからが本格化の段階に入ります。メンテナンス対応と作業効率性が高い大型機に強みを持つ当社には有利な状況であり、シェアダントツNO.1を目指します。また、国内の工場及び営業所・整備工場の設備投資は山場を越え、今後は投資回収・利益積み上げ時期に入る事も、計画達成の後押しとなっています。
国内(林業市場)
わが国では40年から50年前に植林した人工造林が伐採適齢期となり、間伐問題等の環境保全の観点から国も国産材の利用を促進していることを背景に、林業機械は安定的な伸びを期待できる環境があると考えています。子会社南星機械との営業統合から2026年度は3年目に入り、強固なメンテナンス体制を生かした営業展開が出来るようになりました。また、南星機械は製造工場としての役割に徹していますが、もともと内製メーカーであることから、生産効率改善、開発力強化と品質改善の強化等を実施することで、生産力向上と利益改善の余地は今後十分にあると見込んでいます。
海外市場
世界的にインフラ投資が拡大していく中、注力市場の米国・欧州・アジア(除く中国・日本)でも推定シェアは3%~4%のため、開拓余力は十分あると考えています。収益性の高い米国でのシェアアップ余力はもちろん、また開拓途上の欧州・アジアは、拠点展開と人員・商材の投入でシェア獲得に注力します。今後も主力商材の油圧ブレーカで一層の競争力強化を狙いつつ、圧砕機は海外向けモデル投入によりブランド確立を図り、解体アタッチメントメーカの世界Tier1グループ入りを目指します。
上記成長環境を踏まえ、VISION 30の業績評価指標(KPI)を次の通り修正しております。
<新VISION30:長期目標(2031年3月期)>
・売上高 400億円
・営業利益 40~50億円
・営業利益率 10~12%
・海外売上比率 30%以上
・メンテナンスソリューション売上高比率 20%以上
<中期経営計画 Onyx(オニキス)>
上記の長期計画を実施するにあたり、3年間やりきるコミットメント計画を策定いたしました。
①業績計画
2027年3月期は、
売上高285億円、営業利益25億円、売上高伸び率5.6%、売上高営業利益率8.8%、ROE9.1%
2028年3月期は、
売上高310億円、営業利益29億円、売上高伸び率8.8%、売上高営業利益率9.3%、ROE9.9%
2029年3月期は、
売上高340億円、営業利益34億円、売上高伸び率9.7%、売上高営業利益率10.0%、ROE10.8%
を計画し、「新VISION 30」達成に向けた確実な成長を目指します。
②事業戦略
国内では市場特性やコスト構造を踏まえたプライシングの適正化とメンテナンスサービスの強化に取り組み、収益性及び成長の再現性の向上を図ってまいります。
(収益力強化)
プライシング規律・案件選別の高度化
(アフタービジネス)
メンテナンスサービスの高度化による顧客LTVの最大化を図る
(商品戦略 解体環境アタッチメント)
高付加価値・大型機対応モデルの強化。プラント解体や船舶解体等の鉄骨系ATの需要可能性
(商品戦略 林業・大型環境ケーブルクレーン等)
ニッチトップ戦略の徹底・用途別ソリューション提案の強化・林業製品ラインアップの拡充
次に海外では、北米・欧州を成長ドライバーとして重点的に取り組み、グローバルメーカーとして各地域のニーズに対応する商品・販売体制を強化してまいります。
(米国)
・シェア拡大へ、営業とアフターサービス強化
・最大成長市場として重点投資
・製品・サービス・価格戦略の一体運営
・ディーラー向けインセンティブプランを強化
・世界商品として油圧ブレーカ新モデルの投入
(欧州)
・営業体制強化、ニーズが高い国を中心としたスケール拡大(フランス、スペイン等)
・環境規制対応・高付加価値製品に集中
・重点顧客との連携強化
更に新規事業・M&A、在庫管理についても、重要な取り組みとして位置づけております。
(新規事業、M&A)
M&Aを活用し、製品ラインアップ、サプライチェーンの強化、ビジネスモデルのさらなる展開へ活用を検討
(資本効率の改善、在庫適正化)
在庫状況の見える化、KPI明確化等の管理の仕組みを構築。グループ全体で最適化・資本効率の向上を実現
③投資計画
・アタッチメントの大型化に対応した国内の営業所・整備工場設備増強は一定の目途が立ち、今後は生産・研修施設の投資に着手します。
・システム投資は、新基幹システムを2027年9月に導入を予定しており、在庫・価格・LTVの見える化に寄与し、業務の効率化にも繋がると考えております。
・人材投資は、グローバル人材、サービス人材、次世代経営人材を行い、戦略実行のボトルネックを先回りで解消していきます。
④配当方針
中長期の安定成長により、増配を続けていく累進的配当方針といたします。また、2027年3月期より、中間配当、期末配当の年2回の剰余金の配当を行うことといたしました。
なお、 2027年3月期では17期連続増配の予定となっております。
新中期経営計画「Onyx」(FY2026-2028)では、新VISION 30達成に向けた確実な成長と収益性改善を“コミット目標”として実行し、更なる持続的成長に向けた経営基盤の強化に向け、社員一丸となって社業に邁進いたします。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営指標につきましては、事業の成長性をはかる売上高伸び率、事業の収益性をはかる売上高営
業利益率、事業の資本生産性をはかる自己資本利益率(ROE)の3つの指標を重視し、中長期経営計画「VISION 30」では、売上高伸び率(平均)10%以上、売上高営業利益率10%以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標値としております。当連結会計年度における売上高伸び率は1.5%(前年同期実績△1.9%)、売上高営業利益率は8.4%(前年同期実績8.6%)、自己資本利益率(ROE)は8.5%(前年同期実績8.9%)でした。引き続きこれらの指標について、改善及び比率上昇を目指し取り組んでいき更なる企業価値の増大に努めてまいります。
(5)経営環境と対処すべき課題
当社を取り巻く国内外の経済環境は、内需の回復を背景とした緩やかな成長が見込まれる一方で、米国の関税・貿易政策の動向、地政学的リスク、インフレ動向等の影響により、先行きの不確実性が引き続き高い状況にあります。
また、当社グループが属する業界においては、国内では老朽インフラの再整備、大都市圏での再開発、災害復興や耐震・免震構造への建替え、資源循環を背景としたリサイクル関連需要の拡大、さらには森林・林業再生プランに基づく林業機械化の進展などにより、解体環境アタッチメントおよび林業機械の需要は引き続き堅調に推移するものと考えております。海外においても、欧米各国をはじめとする世界各地で、インフラ整備や解体工事、鉄スクラップ関連需要は中長期的に拡大していくことが見込まれます。
このような事業環境のもと、当社グループは、ユーザー、協力会社、従業員の安全を最優先に、安定的な商品供給体制の維持・強化に取り組むとともに、生産性向上、品質管理、アフターサービス体制の充実を通じて、お客さま満足度の向上を図ることが重要な経営課題であると認識しております。また、外部環境の変動に柔軟に対応できる事業構造の構築や、収益性および資本効率の向上も引き続きの課題であります。
これらの課題に対応するため、当社グループは、2026年度から2028年度までの3か年を対象とする新中期経営計画「Onyx」を策定し、着実な実行に取り組んでおります。本計画では、安定した国内事業基盤を土台としつつ、海外事業およびアフタービジネスの成長を通じて、「利益の質」「成長の再現性」「資本効率」を重視した価値創造型の成長モデルへの転換を図ってまいります。
とりわけ、海外事業については、北米での事業体制や販売モデルの見直しを進めるとともに、国内事業でも市場特性やコスト構造を踏まえたプライシングの適正化に取り組み、収益性および成長の再現性の向上を図ってまいります。あわせて、事業ポートフォリオの見直し、経営資源配分の最適化、在庫管理の高度化、生産性向上、サービス・ソリューション機能の強化等を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を実現してまいります。
(1)サステナビリティに関する考え方及び取組
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは経営理念として掲げる“社会に存在価値ある会社”を実現するため、長期ビジョン「VISION 30」を策定し、推進しております。「VISION 30」では当社が関係する様々な環境に対し“人は環境をつくる”をスローガンに、より良い環境づくりを目指す人材を育成し、事業を通じて社会に貢献したいと考えています。私たちは、根幹である建設機械の開発・製造・販売・サポートなどの事業を核として、環境や社会、ガバナンス(企業統治)などに配慮したESG経営を実践しています。
具体的には以下のような活動に取り組み、ESG経営を実行しております。
E Environment:解体・リサイクル分野における各種特殊アタッチメントなどの生産性向上による「社会におけるリサイクルシステム」への寄与
林業分野における林業機械、未利用材の資源化機械の生産性向上による「山地・森林資源の保全と有効活用の実現」への寄与
ケーブルクレーン事業を通じたダムなどの「再生可能エネルギー設備の建設・維持管理」への寄与環境目標の設定や再生可能エネルギーの調達などによる企業責任の遂行
S Social: 社員の働き方改革やダイバーシティなどの実現
事業活動に関わる全てのパートナーの人権尊重に関する取り組みの推進
G Governance: 誠実、透明性の高い、積極的な経営判断ができるコーポレート・ガバナンス体制の構築
特に環境問題への取り組みは企業の存続、成長に必要不可欠であることを認識し、気候変動への対応につきまし
ても気候関連財務情報タスクフォース(以下、「TCFD」という。)に沿った取り組みと情報開示を進めてまいります。
①ガバナンス
当社グループは、2022年2月に持続可能な社会の実現に向けた取り組みとして、サステナビリティに関する課題に対して積極的かつ機動的に対応し、ESG経営を実効的に進めるために、全社横断組織として「サステナビリティ委員会(年4回、および必要時開催)」(以下、「委員会」という。)を設置しました。
当委員会は、代表取締役社長を委員長とし、経営会議メンバーなどにより構成しています。気候変動や人的資本に関するリスク・機会への対応を含むサステナビリティに関する事項や体制などについて審議し、重要事項は年1回以上取締役会へ報告・提言を行い、監督を受けています。なお、2025年度は2024年度CO2排出量、CDP回答書スコアの報告及びBCP策定に向けての報告を受けております。
また、委員会の運営事務及びサステナビリティ施策を各部門と連携し展開・推進することを目的に「サステナビリティ推進事務局」(以下、「事務局」という。)を設置しています。当事務局では、委員会で取り上げる議案の取りまとめ、委員会からの指示に基づく必要な社内調整など、サステナビリティ施策について、実務レベルでの協議・推進を図り、委員会に報告・答申を行い、指示を受けています。
目標・計画の策定、重点取り組み課題の選定、計画に対する進捗はステークホルダーに適宜開示してまいります。
組織体制は下記図の通りであります。
②戦略
マテリアリティ
サステナビリティへ向き合い、私たちの経営理念である「社会に存在価値ある会社」の実現を目指して、マテリアリティ(重要課題)に取り組んでいます。
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マテリアリティ |
コミットメント |
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カーボンニュートラルの実現 |
・ 脱炭素社会の実現に向けて、エネルギー消費量の最小化、次世代再生可能エネルギーの利活用を図る。 ・ 解体現場及び林業、大型土木工事現場での当社製品利用におけるCO2排出について重要度が高いと認識し、電動化、高エネルギー効率化に向けた製品開発・改良の取り組みを推進する。 ・ 間接部門、生産工程でのCO2排出を削減する。 |
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社会におけるリサイクルシステム支援 |
・ 資源の有効活用とリサイクルは少資源国では重要な課題であり、効率的なスクラップ&ビルドに資する。 ・ 解体現場の効率化に寄与し、併せて廃材の再資源化により循環型社会を目指す。 |
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山地・森林資源の保全と有効活用 の実現 |
・ 林業の効率化に寄与する。 ・ 木材資源の有効活用に寄与する。 ・ 建設困難地における資材物資の移動・搬入用の装置提供により、土地の有効活用を目指す。 |
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働き方改革やダイバーシティ等の実現 |
・ 国内の生産人口減少への対応として、DX活用による生産性向上や自動化等に取り組む。 ・ 採用、人材育成、登用の仕組みと環境を整備することで誰もが働ける場所を提供する。 ・ グループの協力会社においても労働/人権に配慮する。 ・ 働き方改革やダイバーシティ等の実現に向けたコーポレート・ガバナンス体制を強化する。 |
なお、上記のマテリアリティについて、(国内)解体アタッチメント部門、(国内)林業部門、海外部門、管理部門の各事業部門にて対応方針を定めて取組を推進しております。
③リスク管理
代表取締役社長を委員長とする委員会では、財務への影響等の観点から気候変動や人的資本を含むサステナビリティ全般に関するリスク及び機会を識別しております。識別されたリスクの回避、軽減、コントロールと、機会への早期着手に関する方針の策定や対応策の立案などを実施し、年1回以上取締役会への報告・提言を行い、監督を受けています。
リスク及び機会は下記a~eの活動を実行し、管理しています。また、活動は毎年見直しを行ってまいります。
a シナリオ分析(気候変動関連)
b 短期・中期・長期のリスク及び機会の特定
c 特定された重要なリスク及び機会に対する戦略的な取り組み方針の決定
d リスク及び機会への具体的な対応策の検討
e リスク及び機会の対応策実行、進捗管理
当社グループは、経営会議にて経営上の各種リスクの洗い出しを行い、当社及び当社子会社を監視し、必要な対策を講じ、経営の影響度に応じた機動的かつ最適な対応がとれるよう、リスク管理体制の構築に努めております。サステナビリティ全般に関するリスク及び機会は、上記の通り委員会において識別・評価し、重要と評価したリスクは、経営会議に報告した上で全社のリスク管理体制の中で対応を行います。
④指標及び目標
4つのマテリアリティ全てに指標及び目標を設定しており、委員会で進捗を確認しています。
a カーボンニュートラルの実現
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2050年に実質ゼロ [グループ内(海外販社を除く)]
・CO2排出削減(Scope1、2)→ 2030年に50%減(2018年比)[グループ内(海外販社を除く)]
・Scope3 CO2排出削減への取組 (仕組み構築とターゲット選定)
b 社会におけるリサイクルシステム支援
・2030年アタッチメント解体業務の生産性10%向上(当社従来自社製品2020年比)
・コンクリート等の建設廃材の再資源化率98%以上維持への寄与
c 山地・森林資源の保全と有効活用の実現
・2030年林業関連機器の生産性10%向上 (当社従来製品2020年比)
・水力発電能力の維持への寄与2.5億kwh/年(2030年まで)
d 働き方改革やダイバーシティ等の実現
・社員幸福度測定の仕組み導入と幸福度の向上
・女性社員比率 25% (2030年)
・女性取締役比率 25% (2030年)
・協力会社選定時の労働/人権配慮の実施
(2)気候変動に関する取組
①戦略
「シナリオ分析」
当社グループでは、2100年における世界の気温上昇が1.5℃上昇、2℃上昇、4℃上昇の世界観を想定し、2030年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。
初年度は対象をオカダアイヨン株式会社(国内のみ)、株式会社南星機械、株式会社アイヨンテックに絞り、シナリオ分析を進めました。今後順次、オカダアイヨン株式会社(海外)や他のグループ会社にも展開していきます。
以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務影響の分析を実施しています。
・IEA 「World Energy Outlook 2024」 (2024年) NZE2050 / APS / STEPS
・IPCC 「AR6」 SSP1-1.9(1.5℃シナリオ) / SSP1-2.6(2℃シナリオ) / SSP5-8.5(4℃シナリオ)
「リスク、機会」
特に当社グループへの影響が大きく、実際に起きる可能性も高いと想定されるリスク8項目、機会5項目を開示いたします。
※財務影響は、大:営業利益比率10%以上、中:3%以上~10%未満、小:3%未満にて評価しています。
「対応策」
特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。対応策とその具体的内容については以下のとおりです。
その他にも当社グループは、2023年7月にTCFD提言への賛同を表明しております。また、「CDP気候変動質問書」においては2024年度と2025年度に回答書を提出し、共に「B(自社の環境リスクや影響について把握し、行動しているレベル)」と評価されました。また、「再エネ100宣言 RE Action」にも参加し他の参加団体とともに使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する行動に取組んでおります。
②指標及び目標
GHG排出量削減目標
当社グループでは2018年度より事業活動におけるCO2排出量(以下、「 Scope1、2 」という。)、および2021年度より材料の調達や販売した製品の使用なども含んだサプライチェーンのCO2排出量(以下、「 Scope3 」という。)の把握に取り組み始めました。
また、当社グループは「カーボンニュートラルの実現」をマテリアリティに定め、KPIとして2018年度のScope1、2を基準値として、CO2排出量の削減に向け、当社グループのScope1、2(※1) 削減目標を設定しています。2025年度は、オカダアイヨン株式会社と株式会社アイヨンテックの全使用電力分および株式会社南星機械の一部使用電力分の非化石証書を購入し、Scope1、2実績は、776t-CO2となりました。
「2050年度目標 Scope1、2 実質ゼロ」
「2030年度目標 Scope1、2 50%削減(2018年度比)」
※1 グループ内(海外販社を除く)
・2025年までは実績値、2030年、2050年は目標値
(3)人的資本に関する取組
① 戦略
当社グループは「働き方改革やダイバーシティ等の実現」をマテリアリティとし、「VISION 30」の3つの戦略の一つに人材戦略を掲げ、ダイバーシティや働き方改革の推進、人事制度見直しにより「働きやすい、働きたくなる、働きがいのある」会社を目指しています。「人づくり」、「人事制度」、「働き方改革・エンゲージメント」の観点から人材戦略施策を検討・実施しており、人材の多様性の確保を含む人材の育成や社内環境整備に以下の観点で取り組んでいます。
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①人づくり (人材育成方針) |
□柔軟な採用形態の導入 ・・・リファラル採用、エリア採用等多様化促進 □女性採用比率の向上・・・目標30%以上 □社員教育・研修制度の充実 キャリアパスを考慮した人事配置 ・・・適宜社内公募制を実施 |
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②人事制度 (人材育成方針) |
□人事制度、評価制度の見直し ・・・課題を抽出し新制度を設計 □社員待遇の改善 □人材の多様性・・・女性・外国人採用強化 □グループ間の制度統一 ・・・子会社の待遇改善 |
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③働き方改革・エンゲージメント (社内環境整備方針) |
□シニアの活用・待遇の維持 ・・・現役時の9割待遇維持が原則 □社員幸福度の追求・・・社員アンケート実施 □社内風土改善 ・・・社内通報窓口や相談窓口を拡充 社内コミュニケーションの活性化策検討 |
②指標及び目標
当社グループでは、「VISION 30」の実現に向けて人材戦略指標を設定しています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
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(オカダアイヨン単体ベース) |
※当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております。
なお、ホームページにサステナビリティ・サイトを構築しております。参照先は以下となります。
https://okadaaiyon.com/sustainability
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)主力商品の動向
当社グループは、顧客ニーズに沿った商品開発を推進しており、主力商品として、油圧ブレーカ、圧砕機、林業機械、環境関連機器、ケーブルクレーン等があります。油圧ブレーカは公共投資の減少や欧米及びアジアの需要低迷、圧砕機は都市型解体工事の減少、林業機械や環境関連機器は国の林業関連施策の変更、木材需要や木材解体家屋の減少、ケーブルクレーンは国の公共投資政策の変更等により、それぞれのセグメント売上に影響を及ぼす可能性があります。
(2)原材料価格変動の影響について
当社グループ事業の主要原材料の一部分の市況が上昇する局面を迎えた場合、取引業者からの価格引上げ要請が強まる可能性があります。当社では購買担当者を中心に常に市況価格を注視し、取引業者との価格交渉に当たっておりますが、今後、市況が大きく高騰した場合には、原材料費の上昇を抑えきれず、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、原材料費の上昇が当社の業績に影響を及ぼすまでにはリードタイム期間が長くタイムラグがあるため、価格変動が直ちに業績に反映されるとは限りません。
(3)海外事業
当社グループにおける海外売上高の比率は23.4%であります。海外事業は予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更等これらのリスクに対して、グループ内での情報収集、外部コンサル起用等を通じ、その予防・回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合には、事業展開が困難になる可能性があります。また、海外事業は為替相場の動向にも左右されます。
(4)人材の確保及び育成
当社グループは「社会に存在価値ある会社」としてさらなる成長を目指すために、優秀な人材を確保及び育成する必要があります。従って、新卒・中途採用者の採用に注力し、部門別・階層別の研修の継続による社内教育を行っていますが、当社グループの求める人材の確保、育成が計画どおりに進捗しない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、一時差異に対して適正な金額を計上していますが、将来の業績変動により課税所得が減少し、一時差異が計画通り解消できなかった場合の繰延税金資産の取崩しは、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損
当社グループの所有する有形固定資産等の長期性資産について、今後の事業の収益性や市況の動向によっては、減損会計の適用に伴う損失処理が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)M&Aに関する影響について
当社グループは、事業拡大のための経営資源を取得するためにM&Aを行っております。M&Aを実施する際には、将来にわたり安定的な収益を確保できることを十分に検討しておりますが、事業計画の進捗が見通しに比べ大幅に遅れる場合、または計画通りに収益を確保出来ない場合には、のれんに係る減損損失が発生する等により当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)自然災害等による影響について
当社グループは国内外に生産・販売・サービスの拠点を設け、事業を展開しています。それらの拠点や協力会社が立地する地域において大規模な地震や水害等の自然災害が発生し、短期間で復旧不可能な甚大な損害を被るなどして、材料・部品の調達、生産活動、製品の販売・サービス活動に遅延や中断が発生した場合、当社グループの経営成績に不利益な影響を与えるリスクがあります。その他、新型コロナウイルスなど疫病の発生等により、経済活動の低迷が続き、さらには営業活動の中断を余儀なくされる場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
その対処として、平時より災害や感染症の発生に備えて、取引先や従業員の安全確保に向け、被害を極小化するための体制を整えています。例えば、当社グループにおける感染症予防対策として、出勤形態はマイカー通勤・時差出勤・在宅勤務の推進、会議形態はwebの積極利用、営業活動に関しては、事業所の休業や出張の自粛などに取り組めるようガイドラインを作成しております。
(9)製造物責任について
当社グループは品質や安全に関する法令・規則の遵守に努めるとともに、品質と信頼性の維持向上に努めていますが、万が一、予期せぬ製品の不具合により事故が発生した場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面し、その費用を負担しなければならず、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、製造物責任賠償保険(PL保険)に加入はしておりますが当社が支払う損害賠償額で全てがカバーされる保証はありません。
(10)為替変動による影響について
当社グループにおいて商品及び製品や原材料の輸出入取引は主要取引の一部であります。為替変動は、当社の外貨建取引から発生する資産及び負債の円換算額に影響を与える可能性があります。また外貨建取引から発生する商品及び製品や原材料の仕入原価にも影響を及ぼす可能性があります。為替リスクを軽減し、またこれを回避するために為替予約をはじめとする対応を講じておりますが、カバーできないほどの急激な為替変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)特定取引先への依存による影響について
当社グループは商品及び製品や一部の原材料を特定の仕入先に依存しています。現在、当社との取引関係は良
好に推移していますが、仕入先の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当
社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)訴訟等について
当社及び連結子会社の国内及び海外における営業活動が訴訟、紛争又はその他の法的手続の対象になることがあります。対象となった場合、訴訟等には不確実性が伴い、その結果を現時点で予測することは不可能です。訴訟等が将来の当社及び連結子会社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社が製造・販売するハイブリッドバケット(林業機械)における一部の仕様について、松本システムエンジニアリング株式会社より当社に対して、特許侵害訴訟が提起されています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産の残高は、39,984,449千円(前連結会計年度末35,994,704千円)となり3,989,745千円増加しました。建設仮勘定が1,060,931千円、商品及び製品が746,997千円、受取手形が481,413千円それぞれ減少しましたが、土地が2,412,859千円、建物及び構築物が1,546,674千円、売掛金が742,137千円、現金及び預金が668,198千円、原材料及び貯蔵品が414,060千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、21,901,697千円(前連結会計年度末18,755,786千円)となり3,145,911千円増加しました。電子記録債務が1,535,427千円減少しましたが、短期借入金が1,715,691千円、1年内返済予定の長期借入金が1,527,884千円、転換社債型新株予約権付社債が1,514,000千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、18,082,752千円(前連結会計年度末17,238,918千円)となり843,833千円増加しました。剰余金処分の配当金支払595,513千円を行いましたが、親会社株主に帰属する当期純利益1,491,882千円を計上したことが主な要因です。
経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済及び世界経済は、内需を中心に緩やかな成長が続いたものの、米国関税政策や保護主義的な動きを巡る先行き不透明感の高まりに加え、資源・エネルギー価格の動向や地政学リスク等もあり、景況感はやや弱含みで推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループは長期ビジョン「VISION30」の方針のもと、国内では解体・インフラ工事需要の堅調な推移を背景に増産と生産性向上を軸にした生産体制強化に取り組みました。また、海外では成長余力の大きい米国・欧州・アジアを中心に営業体制強化を図るなど、更なる持続的成長と企業価値向上に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高26,991,439千円(前年同期比1.5%増)となりました。利益面では、原材料価格の上昇等の影響を受けたものの、販売価格の適正化やコスト削減の効果により、営業利益は2,261,269千円(前年同期比0.8%減)と前年並みの水準を維持しました。経常利益は2,343,642千円(前年同期比4.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,491,882千円(前年同期比1.1%増)となり共に増益を確保いたしました。
当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
国内セグメントは、売上高20,664,739千円(前年同期比0.3%増)となりました。機種別には、油圧ブレーカは建物基礎解体や土木工事などの底堅い需要を背景に売上高931,588千円(前年同期比16.8%増)と増加いたしました。一方、主力の圧砕機は解体需要自体は概ね堅調に推移したものの、人手不足や建設費高騰の影響を受け、売上高9,483,644千円(前年同期比0.5%減)となりました。特に、圧砕機の中では、コンクリート解体に利用される大割機・小割機は売上高6,630,813千円(前年同期比7.3%減)と減少しましたが、鉄骨カッターは大型プラント解体需要を背景に2,713,517千円(前年同期比20.8%増)と増加しました。つかみ機は災害復興向け需要の一巡により、売上高1,303,709千円(前年同期比19.0%減)となりました。林業機械はベースマシンとなる油圧ショベルの販売減やレンタル需要の低下等の影響を受け、売上高1,702,749千円(前年同期比5.4%減)となりました。ケーブルクレーン事業は、水力発電所の改修工事などの受注は順調に推移したものの、工期の影響等により売上高1,302,133千円(前年同期比0.3%減)となりました。輸入商材である大型環境機械は円安による仕入価格上昇の影響を受けたものの、入れ替え促進が功を奏し、売上高691,747千円(前年同期比11.1%増)となりました。アフタービジネスに関しては、原材料売上高は2,026,738千円(前年同期比0.6%減)と微減になりましたが、修理売上高に関しては1,253,100千円(前年同期比7.1%増)と増加いたしました。これらの結果、セグメント利益は、販売価格の見直しによる採算改善等により1,988,388千円(前年同期比3.1%増)となりました。
海外セグメントは、売上高6,326,700千円(前年同期比5.8%増)となりました。北米地域では、販売子会社Okada America,Inc.においてレンタル各社の在庫調整の影響が徐々に緩和する一方、2022年12月に経営統合したOkada Midwest,Inc.ではエンドユーザー向け商製品の販売減が響きましたが、北米合算では売上高4,237,765千円(前年同期比0.5%増)となりました。一方、欧州では前々事業年度後半からの需要の減速影響が落ち着き、圧砕機販売増加により売上高1,113,111千円(前年同期比11.9%増)となりました。アジア地域においては、インド、タイ、台湾等で販売が拡大し、売上高688,065千円(前年同期比40.3%増)となりました。セグメント利益に関しては、北米地域におけるレンタル機の評価減や関税影響によるコスト増等により、277,351千円(前年同期比19.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、有形固定資産の取得による支出3,242,869千円、仕入債務の減少額1,780,020千円、長期借入金の返済による支出754,903千円、売上債権の増加額601,263千円、配当金の支払額594,958千円、法人税等の支払額588,845千円等の減少要因はありましたが、長期借入れによる収入2,438,400千円、税金等調整前当期純利益2,262,632千円、短期借入金の純増額1,653,551千円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入1,515,000千円、減価償却費652,232千円等の増加要因があったことから、前連結会計年度末に比べ826,160千円増加し、当連結会計年度末には5,492,875千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は190,853千円(前年同期7,803千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,262,632千円、減価償却費652,232千円がありましたが、中小受託取引適正化法対応による仕入債務の減少額1,780,020千円、売上債権の増加額601,263千円、法人税等の支払額588,845千円等が計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は3,088,577千円(前年同期1,130,019千円の支出)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入379,107千円がありましたが、有形固定資産の取得による支出3,242,869千円、定期預金の預入による支出224,460千円等が計上されたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は4,065,186千円(前年同期1,482,887千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出754,903千円、配当金の支払額594,958千円等がありましたが、長期借入れによる収入2,438,400千円、短期借入金の純増額1,653,551千円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入1,515,000千円等が計上されたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
6,975,079 |
97.9 |
|
海外(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
6,975,079 |
97.9 |
(2)商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
12,029,114 |
98.3 |
|
海外(千円) |
2,509,615 |
89.0 |
|
合計(千円) |
14,538,730 |
96.6 |
(3)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
19,481,479 |
99.7 |
|
海外(千円) |
6,475,334 |
104.8 |
|
合計(千円) |
25,956,813 |
100.9 |
(4)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内(千円) |
20,664,739 |
100.3 |
|
海外(千円) |
6,326,700 |
105.8 |
|
合計(千円) |
26,991,439 |
101.5 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りには不確実性が伴い実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、25,382,388千円(前連結会計年度末24,503,714千円)となり878,674千円増加しました。商品及び製品が746,997千円、受取手形が481,413千円がそれぞれ減少しましたが、売掛金が742,137千円、現金及び預金が668,198千円、原材料及び貯蔵品が414,060千円、電子記録債権が374,236千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、14,602,061千円(前連結会計年度末11,490,990千円)となり、3,111,070千円増加しました。建設仮勘定が1,060,931千円減少しましたが、土地が2,412,859千円、建物及び構築物が1,546,674千円、機械装置及び運搬具が166,435千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、17,116,229千円(前連結会計年度末15,682,261千円)となり、1,433,968千円増加しました。電子記録債務が1,535,427千円、流動負債のその他が316,086千円それぞれ減少しましたが、短期借入金が1,715,691千円、1年内返済予定の長期借入金が1,527,884千円それぞれ増加したことが主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、4,785,467千円(前連結会計年度末3,073,524千円)となり、1,711,943千円増加しました。転換社債型新株予約権付社債が1,514,000千円、長期借入金が155,613千円増加したことが主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、18,082,752千円(前連結会計年度末17,238,918千円)となり、843,833千円増加しました。剰余金処分として配当金595,513千円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益1,491,882千円(前連結会計年度1,475,214千円)を計上したことが主な要因です。この結果、自己資本比率は45.2%(前連結会計年度末は47.9%)となりました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ408,779千円増加し26,991,439千円(前年同期比1.5%増)となりました。これは主に海外セグメントの売上が増加したことが主な要因です。尚、各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、国内セグメントが76.6%、海外セグメントが23.4%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ133,997千円増加し7,992,676千円(前年同期比1.7%増)となりました。主な要因は、連結売上総利益率は29.6%(前年同期29.6%)とほぼ平均的な率で推移しておりますが連結売上高の前年同期比増という結果に連動した形で、売上総利益も増加となっています。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ17,998千円減少し2,261,269千円(前年同期比0.8%減)となりました。国内セグメントでは増益でしたが海外セグメントでは北米地域におけるレンタル機の評価減や関税影響によるコスト増等により減益となっています。加えて販売費及び一般管理費が前期比較で151,995千円増加しており、売上に占める販管費比率は21.2%(前年同期21.0%)となりました。これらが主な減益要因となっています。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ105,266千円増加し2,343,642千円(前年同期比4.7%増)となりました。利益増加の主な要因は、昨年の為替差損から一転し為替差益が計上されたことなどが主な要因です。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ16,667千円増加し1,491,882千円(前年同期比1.1%増)となりました。特別損失の計上などもありましたが、連結経常利益の前年同期比増という結果に連動した形で、親会社株主に帰属する当期純利益も増加となっています。
資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、製品の製造に使用する原材料や部品の調達等の製造費用、販売する取扱商品の仕入費用のほか、生産活動を行うための設備投資資金、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは製造メーカーではありますが、外注比率が高く、製造のリードタイムも4~5カ月と長いため、製造設備負担は比較的軽い反面、部材の確保と販売用商品の欠品を防ぐ営業上の理由からも在庫負担が大きいという財務バランス上の特徴があります。また、安全性の観点から、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することに加えて、自己資本比率は50%程度を維持することを経営の基本方針としております。以上により、バランスシート上は、固定資産は自己資本で十分賄えておりますが、在庫等の運転資金に関しては金融機関借入で賄う必要があります。また、中長期的な成長に資する前向きの投資に関しては状況に応じて増資等も検討することとしております。一方、不測の事態に備えて主要取引銀行と当座貸越契約を締結し充分な借入枠を有しており、緊急の資金需要や流動性の補完にも対応可能となっております。
1.当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結いたしました。
契約に関する内容等は、以下のとおりであります。
(1)契約締結日
2024年2月19日
(2)金銭消費貸借契約の相手方の属性
都市銀行
(3)金銭消費契約に係る債務の期末残高及び弁済期限並びに当該債務に付された担保の内容
①契約形態 リボルビング・クレジット・ファシリティ契約
②総額 33億円
③弁済期限 2026年4月30日(契約期間2024年2月22日~2027年2月19日 延長最大2回含む)
④当該債務に付された担保の内容 無担保
(4)財務上の特約の内容
借入人は、本契約に基づく貸付人に対する全ての債務の履行が完了するまで、以下に定める内容を財務制限条項として、遵守維持するものとする。
・2024年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の貸借対照表において、純資産の部の合計額を、2023年3月決算期の年度決算期の末日における純資産の部の合計額又は前年度決算期の末日における純資産の部の合計額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。
・2024年3月決算期を初回とする各年度決算期の末日における借入人の連結の損益計算書において、経常損益の金額を2期連続して0円未満としないこと。
2.当社は、2025年11月13日開催の当社取締役会において、株式会社アドバンテッジパートナーズ(以下「アドバンテッジパートナーズ」といいます。)と事業提携契約を締結することを決議し、同日付で当該契約を締結しました。アドバンテッジパートナーズから受けるノウハウを活用することにより、企業価値向上のための諸施策の検討と着実な実行を積極的に推進してまいります。
3.当社は、財務上の特約が付された第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。
契約に関する内容等は、以下のとおりであります。
(1)社債の発行日
2025年12月10日
(2)社債の期末残高
1,514,000千円
(3)償還期限
2030年12月10日
(4)担保・保証の内容
本新株予約権付社債には担保は付されておりません。
(5)財務上の特約の内容
①本新株予約権付社債権者は、2028年12月10日(但し、同日に先立ち財務制限条項抵触事由(②に定義する。)が生じた場合には、当該事由が生じた日)以降、その選択により、当社に対して、償還すべき日の15銀行営業日以上前に事前通知を行った上で、当該繰上償還日に、その保有する本新株予約権付社債の全部又は一部を各社債の金額100円につき金100円で繰上償還することを、当社に対して請求する権利を有する。
②「財務制限条項抵触事由」とは、当社の2025年3月期以降の各事業年度の中間期末日及び決算期末日における連結の貸借対照表に記載される純資産合計の額が、直前の事業年度末日における連結の通期の貸借対照表に記載される純資産合計の額の75%を下回った場合又は2025年3月期以降の中間期末日及び決算期末日における連結の損益計算書上の経常利益に関して、損失を計上した場合をいう。
当社グループの研究開発活動は、油圧ショベルの先端に取付け、土木建設、解体、スクラップ処理、産業廃棄物処理、砕石等の作業に使用する解体環境アタッチメントと木材の伐採、造材、集材等の作業に使用する林業機械を2つの柱として、これらの分野における専門メーカーとしての豊富な経験と技術の蓄積をもとに優れた商品を開発することを基本方針としております。
国内、海外の各営業拠点からの顧客ニーズ、市場動向の情報等をもとに、新商品具体化の研究開発を推進すると共に成熟期にある商品群については、その高品位化、高品質化、高付加価値化を目指し、競争力のある商品開発をテーマに取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、国内セグメント、海外セグメントに区別せず実施しております。
なお、研究開発は大阪本社と㈱アイヨンテック朝霞工場、㈱南星機械熊本本社の3拠点で行っており、当連結会計年度の研究開発費は
(1) TOPシリーズ油圧ブレーカ
当社グループの油圧ブレーカは市場ニーズに応え、世界戦略モデルTOP-Jシリーズのラインナップ化を行ってまいりました。
2025年度は、国内においては、需要の減少により若干の販売台数が減少いたしましたが、国内シェアは前年とほぼ同数となっております。海外においても、本年度、世界最大の建設機械展示会bauma2025において本機を展示し、ヨーロッパ市場での発売を開始し順調な滑り出しで台数を増やしております。
今後、日本・ヨーロッパを中心に全世界にてTOP-Jシリーズの油圧ブレーカの年間5,000台を販売目標としてまいります。
協力会社のベトナム工場も順調に稼働しており販売計画を踏まえ、1機種を増やし現在4機種の製造をしており国内・海外に出荷を行っています。
油圧ブレーカの需要は中国を除いた世界で70,000台強と開拓の余地はあり、当社の販売台数は増やすことが可能であると考えております。
当社グループといたしましては『MADE IN JAPAN』の油圧ブレーカTOP-Jシリーズの全ラインナップを全世界に投入してシェア拡大を図ってまいります。
(2) サイレントTS-Wクラッシャー・TS-Wカッター・TSRCクラッシャー
多くのさまざまな解体現場で好評を得ております大割機TS-Wクラッシャーについては、耐久力を向上させ、メンテナンス性能にも優れた新型WDシリーズへのモデルチェンジを進めております。顧客ニーズを反映し、細分化したシリーズ展開を行い超小型機種TS-WB250から超大型機種TS-WD2800Vまでの豊富な14機種のラインナップを展開しておりましたが、昨年度は更にTS-WD1400Ⅴと同クラスの軽量化版TS-WD1350Ⅴが加わりラインナップは15機種へと拡幅しました。
また、10年以上の長期間、超大型機のベストセラーとして人気を博したTS-WB1900Ⅴは開口幅の拡大とアームの開閉スピードアップ、ほか数々の改良を加え進化したTS-WD2000Ⅴへとモデルチェンジをとげ、多数の受注を頂いており、顧客ニーズへの更にきめ細かい対応が実現できました。
鉄骨カッターのクロスカッターシリーズでも、昨年度は新たに世界最大級の超大型機TS-W2300XCVと、同じく超大型機でタンカーなどの大型船舶の解体専用機TS-WS1000Vの2機種を開発、販売しました。当該機においては従来の建物以外の大型船舶解体という新たな分野でも活躍が期待されております。今後も新たな機種開発によりラインナップの拡張を推進いたします。
従来機では解体が困難な鉄筋・鉄骨とコンクリートが混在しているSRC構造の建物解体に適したTSRCクラッシャーも引き続き高い評価を頂いております。まだ量産の受注開始には至っておりませんが昨年度はシリーズ最小のTSRC‐935Ⅴを開発しフィールドテストの結果も良好となっており、まもなくシリーズ拡張が予定されています。
上記以外でもTS-Wクラッシャー2機種、TS-Wカッター2機種の開発が完了しており、フィールドテスト中、又はテスト待ちの状態となっております。
また昨年度は当社製品を生産する上で最も重要で特長的な役割を果たす鋳鋼品メーカーを複数開拓できた事で生産能力と製品開発スピードの大幅改善を果たすことができました。
(3) アイヨンカプラー
油圧ショベルの大型化に伴い、アタッチメント交換の際に重い取付けピンを抜き差しする作業は危険を伴い多くの時間が必要となっていました。当社では短時間で安全にアタッチメントの交換が行える、20t~200tショベル用のアイヨンカプラーSE200~SE2000のシリーズ5機種を市場導入し高い評価を頂いております。毎年、耐久性強化対策に加え細部に渡る改良を施すことで更なる信頼性アップと解体現場環境の安全に貢献しております。
昨年度も各部の回転支持部品の改良を行い、製品の長寿命化とメンテナンス性向上対策を施しております。
また、一昨年度より生産能力の増強に努めておりましたが、昨年度には鋳鋼品メーカーを複数開拓できた事で生産能力の改善も果たすことができました。
今後さらに現場環境の改善、安全性の向上と省力化を実現する商品の開発と生産を進めてまいります。
(4) 海外向けアタッチメント
破砕歯交換式回転機能付圧砕機のORC-280Bはフィールドテストを終え販売準備を完了しました。
また、20tクラスのORC-200Bの開発を行いました。
TT海外仕様の多目的バケット(ソーティング・グラップル)のODシリ-ズについては新たにミニクラスのOD-35R、30tクラスのOD-300Rの2機種の追加を行い、販売開始へと進めています。
(5) O-ATTA(アタッチメント稼働状況管理システム)
油圧ショベル側システムに依存することなく、アタッチメントの「状態(稼働・停止)」「位置」「記録(稼働時間)」を把握でき、アタッチメントの効率的な管理と適切なメンテナンス実施に寄与するオリジナルデバイスと管理ソフトを開発しています。量産仕様に向けての実装確認と評価のまとめを実施しました。
(6) 大型破砕機(大型環境機械)
自社開発を行った中低速破砕機BIG BASSシリ-ズ最小クラスのSRS-475Cに市場投入後のフィードバックを反映し改良、改善を実施しました。
また資材高騰による値上げを抑制する為、コストダウンに対応した各部品の見直しも併せて実施しました。
(7) 小割機(OSC)
既にシリ-ズ化を終えて成熟期に入ったOSCシリ-ズですが以下の4機種を新たに展開しました。
パワーアップしたOSC-210Dの24V仕様マグネットの付の210MDを販売開始。
最多販売数クラスである20tクラスに該当のOSC-200D、さらに24Vマグネット仕様のOSC-200MDの開発。
また、30tクラスのOSC-360Dを開発しました。
今後、フィールドテストを行い販売へと進めて参ります。
(8)ハイブリッドバケット
伐倒機能を排除し根掘り、集積・地均しに専用化した、12tクラスのOHB-100の開発を終えて販売を開始しました。
20tクラスのOHB-180もフィールドテストの実施を終えて販売に向けて準備しております。
(9)ローラ式プロセッサ
ローラ式プロセッサのラインナップとして8tショベル用のNPG-30Rの新規開発を行いました。
(10)ケーブルクレーン用ウインチ
従来モデルCNW-12Rからコンパクトサイズ化および操作性向上させたケーブルクレーン用ウインチKNW-12Rを開発いたしました。