第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、政府による各種経済対策及び日本銀行の大規模な金融政策の効果もあって企業収益は改善が続いており、景気は一部に弱さはみられるものの緩やかな回復基調が続いております。ただし、輸出・生産面においては、中国を始めとするアジア新興国や資源国の経済減速がわが国の景気を下振れさせるリスクを含んでおります。

当社グループを取り巻く環境におきましては、東日本大震災関連工事が峠を越え国内建設投資は緩やかな下降基調に転じましたが、鉄道・道路の延伸、首都圏・西日本地区の防災減災対策等においてボーリング工事自体は引き続き高水準で推移しております。また海外市場でも中国をはじめとするアジア諸国で鉄道建設等のインフラ投資が積極的に行われました。

このような情勢の中、当社グループでは、「2013新中期経営計画」の最終年度である当連結会計年度も引き続き、売上の持続的拡大と収益体質の確立を上位目標とした経営戦略を推し進めてまいりました。

その結果、ボーリング機器関連では当社の主力製品であるロータリーパーカッションドリルなどの機械本体を中心に受注が伸び、工事施工関連でも当社が得意とする施工案件で受注を確保したため、前連結会計年度を上回る受注高となりました。

売上高につきましては、工場フル稼働体制による生産を継続し、ボーリング機器関連は前連結会計年度並みの売上を確保しましたが、工事施工関連で国内外大型工事の完工が減少したため、売上高全体では前連結会計年度を下回りました。

以上の結果、連結受注高は、8,000百万円(前連結会計年度増減率8.9%)、連結売上高は、7,931百万円(同△4.9%)となりました。利益面におきましては、売上高の減少と販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は751百万円(同△11.1%)、経常利益は739百万円(同△11.2%)となりました。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益は、繰延税金資産151百万円の計上により、840百万円(同18.8%)の過去最高益を計上いたしました。

 

当年度の連結の業績は、以下のとおりであります。

  (単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

自 平成27年4月 1日

自 平成26年4月 1日

増減額

増減率

 

至 平成28年3月31日

至 平成27年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

8,000

7,343

657

8.9%

売上高

7,931

8,341

△409

△4.9%

営業利益

751

845

△94

△11.1%

経常利益

739

832

△92

△11.2%

親会社株主に帰属する当期純利益

840

707

132

18.8%

 

 

 

(セグメントの業績)

 

①ボーリング機器関連

当セグメントにおきましては、受注については営業・技術・工事一体の営業努力により国内、海外ともに好調に推移したため、受注高は前連結会計年度を上回ることができました。売上高は、中国を中心とする海外への輸出が増えたため、国内の売上減を補い、全体では前連結会計年度と比べほぼ横ばいを確保することができました。当セグメントでは引き続き製品原価の低減を推し進めておりますが、外注費、人件費、研究開発費および在庫コスト増により、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度と比べると減少いたしました。 

  (単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

自 平成27年4月 1日

自 平成26年4月1日

増減額

増減率

 

至 平成28年3月31日

至 平成27年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

4,782

4,493

289

6.4%

売上高

4,462

4,458

4

0.1%

セグメント利益

291

364

△72

△20.0%

 

 

 

②工事施工関連

当セグメントにおきましては、受注については得意工種のトンネル先進調査工事、長尺コントロール・ボーリング工事、温泉掘削工事やオリンピック関連需要の工事等の受注が好調であったため、受注高は前連結会計年度を上回りました。売上高につきましては、国内では大口径立坑掘削工事、海外ではODA水井戸工事の完工が減ったため、前連結会計年度と比べると減少いたしました。セグメント利益は、大型工事の原価率が改善したため、売上高の減少はあるものの前連結会計年度並みの高収益率を維持いたしました。

  (単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

自 平成27年4月 1日

自 平成26年4月1日

増減額

増減率

 

至 平成28年3月31日

至 平成27年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

3,218

2,850

367

12.9%

売上高

3,469

3,882

△413

△10.7%

セグメント利益

460

481

△20

△4.3%

 

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて77百万円減少し、880百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、483百万円の収入(前連結会計年度は386百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益の計上740百万円、売上債権の減少289百万円、たな卸資産の減少24百万円で、支出の主な内訳は、仕入債務の減少168百万円、前受金の減少113百万円、法人税等の支払額98百万円、利息の支払額30百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、132百万円の支出(前連結会計年度は118百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出104百万円で、収入の主な内訳は、有形及び無形固定資産の売却による収入5百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、428百万円の支出(前連結会計年度は233百万円の支出)となりました。長期借入金は、200百万円の調達を行う一方、約定弁済により285百万円の返済を実行いたしました。短期借入金は916百万円の調達に対し、1,204百万円の返済を実行し、また、配当金の支払額は38百万円、ファイナンス・リース債務の返済は16百万円であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

3,684,294

△0.9

工事施工関連

3,520,667

△12.2

合計

7,204,962

△6.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

4,782,806

6.4

1,228,199

35.3

工事施工関連

3,218,172

12.9

1,447,180

△14.8

合計

8,000,978

8.9

2,675,380

2.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

4,462,135

0.1

工事施工関連

3,469,310

△10.7

合計

7,931,446

△4.9

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.主な相手先別の販売実績は、前連結会計年度及び当連結会計年度とも当該販売実績が総販売実績に対する割合の100分の10未満であったため、記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後のわが国経済は、国内建設市場は緩やかに下降するものの、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の増加、高水準の企業収益を背景とした設備投資の回復が続くことが予想されております。

このような状況のもと、当社グループでは本年4月より新たに開始した3ヶ年の「2016中期経営計画」に基づき、新たな環境下でも「売上拡大と高収益の維持」を達成することを上位目標として、海外事業の拡大、工事施工関連事業におけるONE&ONLY技術の確立、新成長市場・低シェア市場・新規顧客の確実な攻略、ストック・ビジネスへの注力、経営効率向上による高収益の維持を目指してまいります。

次期(平成29年3月期)につきましては、引き続き営業・技術・工事一体の営業を展開し、主力ボーリングマシン需要、地熱・地中熱利用等の再生可能エネルギー分野需要、スパドリルによる温泉開発需要、当社独自の得意工法であるビッグマン工事、リニア中央新幹線関連需要を補捉して受注獲得に努め、売上の確保を図ってまいります。また、人員人材の確保難に起因する省人化・省力化のニーズに応えるボーリング機械のロボット化新製品化を早め、更なる技術の深化を目指してまいります。

一方、海外市場においては、従来の中国、韓国向け機械販売に加え、ODA無償水井戸案件への積極的な取り組みと東南アジア新興諸国攻略を進め、受注・売上の確保を図ってまいります。

以上の結果、売上高は8,150百万円を見込んでおりますが、人件費等固定費の増加、新製品・新技術開発などの試験研究費増加、ITシステム投資費用増加が見込まれることから、利益面では営業利益690百万円、経常利益680百万円、親会社株主に帰属する当期純利益530百万円を見込んでおります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、本記載は必ずしも将来発生しうるすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

①取引先の信用リスク

当社グループの取引先は建設関連業種であり、これまで建設市場全体が縮小傾向を続けてきたことから、厳しい経営環境が続いております。当社グループでは、取引に際して与信管理、債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めておりますが、取引先が信用不安に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②季節変動

当社グループの製品・工事の最終需要は公共工事関連が高いウエイトを占めており、またODA関連の海外工事は第4四半期に完工が集中するため、当社グループの売上は第3四半期以降に集中する傾向があり、経営成績は第2四半期までと第3四半期以降で大きく変動する可能性があります。

 

③公共工事の影響

当社グループの製品・工事の最終需要は公共工事関連が高いウエイトを占めております。当社グループでは、脱公共工事を目指し、海外市場の開拓、民間工事の受注に注力しておりますが、公共工事関連予算の増減が当社グループの業績に間接的に影響を与える可能性があります。

 

④地下水開発事業について

地下水開発事業においては、井戸を試掘して水量・水質の確認を行い、計画した水量水質より結果が下回ることが判明した場合は掘削工事は中止し、それまで掛かった掘削費用を当社グループが負担する場合があります。

ただし、当社グループは豊富な経験に基づく事前調査を行うことで水量・水質に関するリスクの極小化を図っております。

 

⑤ODA水井戸工事

ODA(政府開発援助)による海外水井戸工事の契約においては、水の出る成功井の本数が定められており、施工の結果、水の出ない空井戸があると掘削本数が増えることにより原価が増加することになります。

入札に際しては、入札図書に記載された当該プロジェクトのコンサルタントが算定した空井戸率を参考に、当社グループにおいて現地での綿密な事前調査と過去の豊富な実績を基に空井戸率を算定のうえ応札価格を決定しておりますが、プロジェクトによっては想定と異なった空井戸率となることがあります。契約では空井戸の増減は施工業者がリスクを負担することになっているため、応札時の想定以上に空井戸が増加すると原価が上昇し、収支が悪化する場合があります。

 

⑥為替リスク

ボーリング機器関連においては、原則として、海外代理店・顧客に対して円建てにより販売を行っており、当社グループが為替リスクを負担することはありませんが、海外通貨に対して円高が進行した場合は、海外通貨建ての販売価格が高くなる結果、販売に影響を及ぼす可能性があります。

また、工事施工関連においては、ODAによる海外工事に関して、円建て収入に対し支出の大部分は外貨建てとなっており、為替リスクが存在しています。当社グループでは、リスクヘッジを目的として為替予約を行うことがありますが、これにより直物為替相場と為替予約相場の差異について評価損益が発生することがあります。

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は、当社のみが行っております。当社は、地質調査・地下資源開発あるいは自然災害防止・構造物基礎施工などの分野において技術の研究及び開発活動を活発に展開し、その成果を製造販売と工事施工に反映させるよう努めております。そして、更に多様化し高度化する市場のニーズに即して幅広く調査研究を行い、今後の事業の中心となる製品と工法の開発に取り組んでおります。

当連結会計年度における当社が支出した研究開発費の総額は54百万円であります。

なお、当連結会計年度における当社の主な研究開発の成果には次のものがあります。

 

(1) 高揚程揚水用ポンプの大容量高圧ポンプの開発

(2) 再生エネルギー熱利用技術開発

(3) 多点式岩石コアリングシステムROV搭載CCM掘削機の開発

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。

この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績や入手可能な情報に基づいておりますが、見積りは不確実性を伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しております。

 

(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析

 

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3.3%減少し、7,381百万円となりました。

流動資産は、税効果会計に伴う繰延税金資産が134百万円、商品及び製品が63百万円、原材料及び貯蔵品が53百万円増加しましたが、完成工事未収入金が196百万円、未成工事支出金が150百万円、受取手形及び売掛金が82百万円、現金及び預金が53百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ4.1%減少し5,695百万円となりました。

固定資産は、請負用工事機械、機械及び装置などで56百万円、建物及び構築物などで35百万円、工具器具及び備品で17百万円、ソフトウェアで6百万円の設備投資を行いましたが、114百万円の減価償却の実施により前連結会計年度末と比べ0.6%減少し、1,685百万円となりました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ20.4%減少し、4,034百万円となりました。

流動負債は、賞与引当金が10百万円増加しましたが、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が323百万円、未成工事受入金が227百万円、支払手形及び買掛金が168百万円、未払法人税等が51百万円、その他に含まれる前受金が114百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比較して953百万円減少し、2,967百万円となりました。

固定負債は、長期借入金が49百万円、リース債務が17百万円、法定実効税率の変更に伴い再評価に係る繰延税金負債が8百万円、退職給付に係る負債が2百万円減少したことにより、前連結会計年度末と比較して82百万円減少し、1,066百万円となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益として840百万円を計上したことから3,347百万円となり、自己資本比率は45.3%となりました。また、法定実効税率の変更に伴い土地再評価差額金が8百万円増加しております。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの分析

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して77百万円減少し、880百万円となりました。

なお、各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

② 資金需要

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済等であります。

また、その資金の源泉といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等により、必要とする資金を調達しております。

 

(5) 今後の取り組み

「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。