第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、創業以来一貫して地下に係る資源開発・建設を通じて、社会のインフラ整備に貢献してまいりました。活動範囲も国内にとどまらず、海外においてもアジア・アフリカ各地をはじめとして、資源開発、ダム・トンネル工事等の地下開発事業や水不足に苦しむ人々を救済するための水井戸開発事業などに、ボーリングという業務を通じて取り組んでまいりました。また、常に新しい技術開発にチャレンジしており、時代のニーズを先取りした新製品および新工法、新事業の展開を積極的に推進し、地下に係るトータル・ソリューションを提供しております。

当社は、「ONE&ONLYの技術構築のために前進」という社是のもと、当社にしかない「ONE&ONLY」の製品と施工技術を国内外の市場に展開していく事で、地球と社会に限りなく貢献してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

国内は数波にわたる新型コロナウイルス感染症の状況が収束する事なく社会に影響を及ぼし続けており、様々な分野での材料不足、納期遅延等を引き起こしております。加えてロシア・ウクライナ情勢に端を発したエネルギー・原材料への影響から、電気料金のみならずあらゆる分野での値上げ発表が相次ぎ、先行き不透明な状況が続いております。そういった環境下にありながらも、建設関連においては国土強靭化計画に伴う全国規模の防災減災対策、インフラ老朽化対策、新幹線・高速道路延伸、リニア中央新幹線建設などの社会資本整備に関わる建設投資についてこれまでと同水準での推移が見込まれております。

当社は「顧客の安心を以て信頼を得、全社員とその家族の幸福を追求し、地球と社会に限りなく貢献する会社となる。」という経営理念のもとに、2021年度を初年度とする5か年の中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」を策定し、「売上高の成長性:部商品販売比率UP」「営業収益率向上:2025年に10%」「ROE:10%以上」「試験研究費増額:販売売上高の2.5%を予算化」「ESG:伊勢原新工場RE100で稼働」を経営目標とし、引き続き売上拡大と高収益を達成すべく努力をしてまいります。

 

中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」

① Action(行動)

・新たな企業のパーパスを策定し、社員の主体的行動を推進。

 

ost reduction(コスト削減)

・国内に限定せず、品質を確保しながら海外の製品・材料の積極導入。

・全部門活用ソフトのクラウド化。

・適正在庫基準の明確化。

 

opical production(話題性のある製品・部商品の開発)

・ユーザーニーズを捉えて、年間2~3種の機械・システム・ツールスを開発し市場へ投入。

・キーワードを“A”(Automatic) から“I”(Intelligence)へ。

・生産機種の選択と製造の分散化(パートナーとの協創力)。

 

nitiative marketing(創造性のある営業活動)

・コンカレントエンジニアリングの推進。

・創造的設計力を生かすカスタマーサービスの充実。

 

 

rganization reactivation(組織の再活性化)

・伊勢原新工場稼働に伴い、生産性向上の実現と諏訪工場における機械生産の開始。

 

ew managing strength(新しい経営体質)

・役員のみならず中堅、若手社員の育成プランニングの策定。

 

DG’s(持続可能な開発目標の達成)

・伊勢原新工場をRE100にて稼働開始。

 

(3) 業務上及び財政上の対処すべき課題

当社グループは中期経営計画に基づき「売上拡大」と「高収益」を目指してまいりますが、このためには計画目標達成に影響を与えるリスクを抽出し、それらに効果的に対処するためのリスク・マネジメントを強化してまいります。

また、機械製造拠点としての伊勢原新工場が2022年度から稼働を開始し、その生産効率UPにより売上拡大に努めて参ります。

更に当社はグローバルな営業展開が不可欠であるため、海外販売につきましては、社会資本整備、資源開発が進んでいる中国、台湾、韓国、東南アジアの国々を重点地域として、民間ベースの売上拡大に注力してまいります。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大やロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響に伴うエネルギー・原材料問題等による事業への影響は、現時点で合理的に算定することが困難なため、当社グループへの影響については慎重に見極め、対処してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

(1) 取引先の信用リスク

当社グループの取引先は建設関連業種であり、これまで建設市場全体が縮小傾向を続けてきたことから、厳しい経営環境が続いております。当社グループでは、取引に際して与信管理、債権管理を徹底し、信用リスクの軽減に努めておりますが、取引先が信用不安に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 季節変動

当社グループの製品・工事の最終需要は公共工事関連が高いウエイトを占めているため、当社グループの売上は第3四半期以降に集中する傾向があり、経営成績は第2四半期までと第3四半期以降で大きく変動する可能性があります。大型工事案件については、会計基準が収益認識基準に変更したことにより、従来比平準化しています。

 

(3) 公共工事の影響

当社グループの製品・工事の最終需要は公共工事関連が高いウエイトを占めております。当社グループでは、海外市場の開拓、民間工事の受注に注力しておりますが、公共工事関連予算の増減が当社グループの業績に間接的に影響を与える可能性があります。

 

(4) 地下水・温泉開発事業について

地下水・温泉開発事業において、井戸・温泉を試掘して水量・水質の確認を行い、計画した水量・水質より結果が下回ることが判明した場合の掘削工事は中止、それまで掛かった掘削費用が増額することで当社グループの負担が増加する場合があります。また、本事業を含め、ボーリングによる施工時における地質状況の著しい悪化等により、掘削資材の増加、切断事故、抑留事故などの掘削障害を起こす可能性があり、工期の遅延、資機材の損失、再掘削等による利益減少のリスクがあります。

ただし、当社グループは豊富な経験に基づく事前調査を行うことで水量・水質に関するリスクの極小化を図っております。

 

(5) 為替リスク

ボーリング機器関連においては、原則として、海外代理店・顧客に対して円建てにより販売を行っており、当社グループが為替リスクを負担することはありませんが、海外通貨に対して円高が進行した場合は、海外通貨建ての販売価格が高くなる結果、販売に影響を及ぼす可能性があります。

また、工事施工関連においては、ODAによる海外工事に関して、円建て収入に対し支出の大部分は外貨建てとなっており、為替リスクが存在しています。当社グループでは、リスクヘッジを目的として為替予約を行うことがありますが、これにより直物為替相場と為替予約相場の差異について評価損益が発生することがあります。

 

(6) 海外市場リスク

当社グループの海外市場は、主に中国市場が大きなウエイトを占めているため、同国の政治状況により海外売上が低下する恐れがあります。また、同国へは他国の競合ライバルも市場へ参入しているため、市場売価の低下(コスト競争の喪失)や当社製品が陳腐化する可能性があります。

 

 

(7) 自然災害・戦争・テロ・感染症等リスク

新型コロナウイルス感染症拡大に伴う、世界をはじめとする各国における生産、物流の停滞等によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症拡大が今後も続き市況が悪化した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、ロシア・ウクライナ情勢に伴う、欧州製部品類の調達遅延等によって、製品販売の業績に影響を与える可能性があります。国内外工事においても、工期の遅延や燃料費などの価格上昇により、工事原価の上昇に繋がり当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国経済は、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響が緩和される中、徐々に回復に向かっておりましたが、新たな変異株の蔓延やロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響とそれに伴う物価高、原油高騰に伴う原材料の高止まり、世界的な供給制約等により、生産活動や設備投資を中心に依然として先行き不透明な状況にあります。

当社グループを取り巻く環境につきましては、国内市場は今後も都市の再開発、全国規模の防災・減災・国土強靭化対策、インフラ老朽化対策、リニア中央新幹線建設などの社会資本整備が不可欠な状況で、建設投資は今後も底堅く推移していくことが見込まれているものの、原材料の高騰等による事業への影響を注視しているところです。

このような状況のもと、当社グループでは当期から新たに策定した中期経営計画「STEP UP鉱研ACTIONS2025」(2021年度~2025年度)に基づいて、新製品の拡販などによる持続的売上拡大と調達先の拡大などによる収益確保に努めております。

当連結会計年度の受注高につきましては、ボーリング機器関連、工事施工関連ともに前期を下回りました。また、売上高につきましては、ボーリング機器関連は、ほぼ前期並の売上高となりましたが、工事施工関連で国内での大型アンカー工事の着工の遅延などにより減少し、売上高は前期を下回りました。

 

以上の結果、連結受注高は前期比12.6%減の7,188百万円、連結売上高は、同2.7%減の7,339百万円となりました。利益面におきましては、原価率の改善により、営業利益が321百万円(前期は260百万円の営業利益)、経常利益は310百万円(同177百万円の経常利益)と各段階利益は前期を上回りました。

最終利益につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が293百万円(前年同期は厚木工場売却による特別利益963百万円とこれに関わる圧縮記帳処理などの税務処理を行った結果、835百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)と前期を大きく下回りました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等の適用が、財務状態及び経営成績に与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

 

 

 

当年度の連結の業績は、以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

2021年4月1日

2020年4月1日

増減額

増減率

 

2022年3月31日

2021年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

7,188

8,229

△1,040

△12.6

%

売上高

7,339

7,541

△201

△2.7

%

営業利益

321

260

60

23.4

%

経常利益

310

177

133

75.3

%

親会社株主に帰属する当期純利益

293

835

△542

△64.9

%

 

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)

 

a. 財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,403百万円増加し、11,629百万円となりました。

流動資産は、未収還付消費税等が150百万円増加しましたが、現金及び預金が182百万円、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権、完成工事未収入金)が54百万円、棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、未成工事支出金、原材料及び貯蔵品)が153百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ233百万円減少し6,369百万円となりました。

有形・無形固定資産は減価償却費を107百万円計上しましたが、伊勢原新工場関連で2,691百万円、機械及び装置、リース有形資産などで53百万円の設備投資を行ったことにより2,628百万円増加し、5,118百万円になりました。以上の結果、固定資産合計では前連結会計年度末と比較して2,636百万円増加し、5,260百万円となりました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,492百万円増加し、7,038百万円となりました。

流動負債は、買入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務、工事未払金)が203百万円、契約負債(未成工事受入金を含む)が59百万円、未払法人税等が107百万円、製品保証引当金が14百万円減少しましたが、未払費用が1,466百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金、リース債務を含む)が104百万円増加したことなどにより前連結会計年度末と比較して1,133百万円増加し、4,487百万円となりました。

固定負債は、長期借入金(リース債務を含む)が1,350百万円増加したことなどから、前連結会計年度末と比較して1,358百万円増加し、2,551百万円となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、収益認識会計基準の適用により、利益剰余金の期首残高が9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益293百万円を計上しましたが、自己株式の取得により313百万円、配当金の支払いにより89百万円減少したことにより前連結会計年度末と比較して89百万円減少し、4,591百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は39.2%となりました。

なお、負債資本倍率(D/Eレシオ)は、0.36倍であります。

 

b. 経営成績

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(ボーリング機器関連)

当期においては、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響に伴う納期長期化の影響により、受注高が伸び悩みましたが、回復傾向にあります。

売上につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響や、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響については限定的であり、前期とほぼ同水準の売上高を計上しておりますが、今後、その影響を注視して参ります。利益面では、本体案件の個別原価管理での売価設定を徹底していることと、棚卸評価損などの減少により原価率は改善しました。

以上の結果、当セグメントの連結受注高は前期比3.3%減の4,322百万円、連結売上高は同1.7%増の4,144百万円となりました。利益面では引き続き特機の原価高を起こさない体制により逐次、個別原価の管理を行っているため改善しており、105百万円のセグメント利益(前期は70百万円のセグメント損失)となりました。

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

2021年4月1日

2020年4月1日

増減額

増減率

 

2022年3月31日

2021年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

4,322

4,470

△148

△3.3

%

売上高

4,144

4,076

67

1.7

%

セグメント利益又は損失(△)

105

△70

176

 

 

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)

 

 

(工事施工関連)

当期におきまして、受注高は大型トンネル工事の発注が一巡したことにより受注が減少し、大型工事なども着工が遅れたことにより受注となりませんでした。

売上につきまして、トンネル調査工事や地下水工事は順調に推移しましたが、大型アンカー工事における着工遅れから売上の減少につながりました。利益面につきましては、各工種とも工程管理、原価管理により原価率は改善傾向にあります。

以上の結果、当セグメントの連結受注高は前期比23.7%減の2,866百万円、連結売上高は同7.8%減の3,195百万円となりました。利益面につきましては、原価率は改善傾向にありますが、温泉工事における再掘削事象の発生などにより、セグメント利益(営業利益)は同35.7%減の214百万円を計上いたしました。

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度(A)

前連結会計年度(B)

前連結会計年度比較

 

2021年4月1日

2020年4月1日

増減額

増減率

 

2022年3月31日

2021年3月31日

(A)-(B)

(A)/(B)-1

受注高

2,866

3,758

△892

△23.7

%

売上高

3,195

3,464

△269

△7.8

%

セグメント利益

214

333

△119

△35.7

%

 

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて163百万円減少し、1,223百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、142百万円の収入(前連結会計年度は48百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益305百万円、減価償却費の計上107百万円、売上債権の減少60百万円、棚卸資産の減少143百万円で、支出の主な内訳は、仕入債務の減少198百万円、未収還付消費税等の増加150百万円、法人税等の支払額144百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,359百万円の支出(前連結会計年度は39百万円の収入)となりました。支出の主な内訳は、伊勢原新工場関連の費用が発生したことによる有形及び無形固定資産の取得による支出1,366百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,053百万円の収入(前連結会計年度は298百万円の収入)となりました。長期借入金は、1,600百万円の調達を行う一方、約定弁済により210百万円を返済いたしました。短期借入金は800百万円の調達に対し、750百万円を返済し、セール・アンド・リースバックによる収入は30百万円ありましたが、ファイナンス・リース債務を12百万円返済いたしました。また、自己株式の取得により313百万円を支払い、配当金は90百万円の支払いを行いました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

3,518,902

7.1

工事施工関連

3,202,393

△13.0

合計

6,721,296

△3.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

4,322,183

△3.3

1,627,383

12.3

工事施工関連

2,866,598

△23.7

2,809,260

△10.5

合計

7,188,782

△12.6

4,436,644

△3.3

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を当連結会計年度の期首から適用したことにより、前連結会計年度末の受注残高と当連結会計年度の期首受注残高は一致いたしません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ボーリング機器関連

4,144,309

1.7

工事施工関連

3,195,293

△7.8

合計

7,339,603

△2.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績等の概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入金等により必要とする資金を調達しており、資金需要として主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、借入金の返済等であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。

 

2023年3月期は、未だ収束が見えない新型コロナウイルス感染症の長期化に加え、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響とそれに伴う物価高、原油高騰により、先行きは不透明な状況です。当社グループを取り巻く環境につきましては、国内市場は今後も都市の再開発、全国規模の防災・減災・国土強靭化対策、インフラ老朽対策、リニア中央新幹線建設などの社会資本整備が不可欠な状況で、建設投資は今後も底堅く推移していくことが見込まれております。当社グループにおきましては新型コロナウイルス感染症の長期化に加え、ロシア・ウクライナ情勢などの地政学リスクの影響で、世界的なサプライチェーンの滞りにより仕入部品調達の影響が出始めているため、ボーリング機器関連の主要機械の受注、生産、出荷体制への影響を注視しており、一部調達価格の上昇を今後の見通しに織り込んでおります。工事施工関連においては、建設業界における「働き方改革」などによる工程の変更、大型プロジェクト案件から、脱炭素・自然エネルギー関連事業への移行過渡期にあり、新工法の開発に注力して参ります。

ボーリング機器関連としては、主力製品であるロータリー・パーカッションドリルをはじめとした機械受注が堅調に推移しており、次期以降の売上増加に寄与していくものと考えます。

そのほか、従来より研究着手しておりました人員人材の確保難や安全対策のニーズに応えるボーリング機械の安全性、省力化、顧客満足を掲げた製品の開発を推進しており、順次市場投入を計画しております。

工事関連におきましては、工程の遅延により一部大型案件の着工遅れがあったものの、北海道新幹線延伸工事や九州高規格道路の整備工事などの継続、リニア中央新幹線、東海環状自動車道等のトンネル先進調査工事が今後も見込まれております。

また、リニア中央新幹線関連のコントロールボーリング工事、大型BM工事(当社の独自工法であるビッグマン工法)、温泉開発等の受注獲得にも引き続き注力し、売上増加を図って参ります。

以上の結果、売上高は8,000百万円を見込んでおり、利益面では営業利益400百万円、経常利益310百万円、親会社株主に帰属する当期純利益290百万円を見込んでおります。

 

2023年3月期連結業績予想

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

2023年3月期予想

8,000

400

310

290

34.46

増減額

660

78

△0

△3

 

増減率(%)

9.0

24.4

△0.1

△1.0

 

 

(百万円未満は切り捨てて表示しております。)

(注) 上記の業績予想は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は今後様々な要因により予想数値と異なる可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、地質調査・地下資源開発あるいは自然災害防止・構造物基礎施工などの分野において技術の研究及び開発活動を活発に展開し、その成果を製造販売と工事施工に反映させるよう努めております。そして、更に多様化し高度化する市場のニーズに即して幅広く調査研究を行い、今後の事業の中心となる製品と工法の開発に取り組んでおります。

当連結会計年度における当社が支出した研究開発費の総額は74百万円であります。

なお、当連結会計年度における当社の主な研究開発の成果には次のものがあります。

 

(1) ボーリング機器関連

① ロッドハンドリング装置Ⅰ型(製品名:鷲掴壱号)

ボーリング掘削現場に於いて人員不足/高齢化問題の中、ボーリングロッドの接続は人力での作業が主であり危険を伴う労力が必要とされます。当開発機は二重管接続にも利用可能なボーリングロッド脱着装置であり、怪我やロッド脱着の重労働からの解放が期待されます。最も小型でありながらダイナミックな機動性を併せ持ちます。当開発機は、無線リモコン操作により操縦者が接続箇所を確認しながら安全かつ容易に操作することを最終目標にしております。業界初の試みであり市場拡販が期待できます。

 

② ロッドハンドリング装置Ⅱ型(製品名:鷲掴弐号)

前説Ⅰ型同様、手作業で行われていたロッド脱着作業を重機で行う事を目的としており、海外のロッドハンドリングシステムを踏襲しつつ、日本式にカスタマイズをすることで革新を目指し開発いたしました。

また、新たに安全性の高い高所作業車のメカニズムを導入した事で、一連の重機操作を安全な速度で操作を行えるようになりました。安全性向上により、無線ラジコンでの近距離操作も可能となったため、より装置と操縦者の人馬一体感が向上したモデルとなっております。

 

③ ロッドハンドリング装置Ⅲ型(製品名:鷲掴参号)

前説Ⅰ型・Ⅱ型と同様の目的で開発されております。Ⅲ型は他機と違い、油圧ショベルのように人が乗り込んで操作する大型モデルとなっております。油圧ショベルと同じような視界と操作性で操縦ができるため、使い勝手の良い機体になります。鷲掴シリーズでは一番力が強く、日本で使用されているロッドに幅広く対応出来るモデルとなっております。

 

④ RPD-70C(2)

多目的クローラ型アロードリルの新機種として、70馬力クラスの開発に成功しました。国内初の全無線操作方式の採用により、現場作業の安全性向上に貢献します。また、開発中のロッドハンドリング装置を同時使用することで、さらに安全性が向上します。新機構採用による新たな掘さく姿勢の実現と、10t未満の軽量化に成功し、今後の拡販が大きく期待できます。

 

⑤ Cロッド

従来製品(Pロッド)のコストを抑え、新規顧客拡大を目的に、他社規格ネジと互換性のある製品開発を行うことにより、利益確保と市場規模の拡大を目指します。新規開発品の性能試験を実施し、従来品性能と同等であることを確認しております。

現在、複数サイズのネジ設計、製作を行っており、自社規格品に加え、他社規格互換品を製品化する事により、ロッド市場のシェア拡大を目指します。

 

 

⑥ RPD-75SHF

新型のスキッド型ロータリーパーカッションドリルです。P165ロッドまでのフリーサイズクランプ及びロッドブレーカを搭載し、3.5mの集水井戸で使用可能です。また、パワーユニットの起動方法にクローズドトラジション型スターデルタを使用することで、1ランク小さい発電機で使用できます。すでに製品化し、1台出荷実績があり、客先より好評を得ています。

 

⑦ MG-40 1000L/minタイプ

建築基礎工事に於ける近年の杭大径化に伴い、杭施工時間短縮を主目的とした大容量圧送ポンプの開発を進めています。本開発機により工期短縮とコストダウンの同時達成が期待され、顧客ニーズに対応します。

現在、本開発機は基本性能の確認を経て実用化に向けた最終段階に入っており、製品化後の拡販が大きく期待されます。

 

⑧ NEDOスイベル実用化

スイベルの長寿命化を目的としてNEDO型スイベルを自社開発しました。過酷な現場テストを繰り返し行い、従来型スイベルよりも長寿命であることを確認済みです。また、コスト面においても生産ロット数の見直しとVE手法の投入によって、十分な競争力を持つことを確認しました。他サイズのスイベルとラインアップ化することにより、当社の今後の主力製品として大いに期待できます。