文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年2月28日現在)において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、造粒・コーティング技術をキーテクノロジーとして、独創的な機械装置(ハード)と製剤技術(ソフト)を一体化した技術開発力を駆使し、研究開発に専念しております。
その企業理念として『創造力で未来を拓く(登録商標)』のもと、つぎの“5つの創造”を掲げております。
① 独創性豊かな製品の創造
② 先見力で新しい市場ニーズの創造
③ 組織を活性化する経営基盤の創造
④ 困難に立ち向かうチャレンジ精神の創造
⑤ 潤いのある人間関係の創造
経営ビジョンとして『世界中の人々の医療と健康の未来に貢献し、豊かな生活と食の安全・安心を支える技術を生み出し、育成していくことを目指します』を掲げ、創造力とチャレンジ精神をもって事業展開を図り、健全な成長と一層強固な経営基盤を構築し、社員、お客さまはじめ全てのステークホルダーとの円滑な関係を維持するとともに、社会への貢献を図ってまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、より収益力の高い企業集団を目指し、計画した営業利益の達成を最優先すべき経営目標として掲げております。
そのためには、売上を伸ばしつつ、収益性に配慮し、連結営業利益率10%以上、連結自己資本利益率(ROE)も当面は8%へ回復し、中期的には10%以上を目指します。
社員一人ひとりが自ら考え行動する風土改革に取り組んでおり、効率性・生産性の向上を図り、一人当たり営業利益の増加を図ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、上記の経営の基本方針に基づき、第7次中期経営計画(2018年2月期~2022年2月期)では、グループが共有する価値『ONE FREUND』(Number one、Only one、Be one)のもとで、お客さまの真のニーズに技術力を持って応える“研究開発型企業”の立ち位置をより鮮明にし、持続的に利益成長する経営構造の実現を目指します。
中期経営計画最終年度(2022年2月期)の経営目標として、以下を掲げています。
① 機械・化成品事業のさらなる収益力の向上
② 新製品の開発
③ 第3の柱となるサービス事業の基盤確立
④ 業務プロセス改革と風土改革を通して人財育成
当社グループの事業は、下記に記載する様々なリスクに晒されており、リスクの顕在化により予期せぬ業績の変動を被る可能性があります。これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能なかぎり発生の防止に努め、また、発生した場合は迅速・的確に対処する方針です。ただし、全てのリスクを網羅している訳ではありません。
なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものです。
当連結会計年度における売上高のうち、製薬業界向け取引高が過半を占めております。
製薬業界は国内・海外とも再編成時代を迎えており、また、医療費抑制に向けた各国の政策等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
機械事業については、競合企業の低価格攻勢やエンジニアリング会社の参入、中国・東南アジア製の安価な製品との競合などにより、厳しい価格競争に晒されるリスクが増大しています。当社グループは利益率の低下に対処すべく、原価低減などに取り組んでおりますが、予想外の価格競争になった場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
国内の機械事業については、その製造部門を特定の業務提携先に大きく依存しております。また、化成品事業のうち、医薬品添加剤及び食品品質保持剤については、見込生産を行っているため、業務提携先の生産能力や技術力、経営状態や主要販売先の需要動向の著しい変化により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新技術・新製品の開発、並びに既存製品の改善・改良などに関して数多くの戦略的提携関係を構築しておりますが、これらパートナーの戦略上の目標変更や財務上その他の事業上の問題の発生などにより、提携関係を維持することができなくなる可能性があり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
研究開発型企業を標榜する当社グループは、知的財産管理の専門部署を設置し、特許権を含む知的財産権を厳しく管理しておりますが、国内外で事業を展開するため、事業上の競合者等から知的財産権に関わる侵害を被る可能性があり、万一、侵害を受けた場合は、期待される収益が失われる可能性があります。また、当社グループの自社製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合、係争に発展し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供する製品およびサービスには高い信頼性が求められておりますが、欠陥が生じるリスクがあります。製造物にかかる賠償責任については製造物賠償責任保険に加入しておりますが、保険でカバーされないリスクや社会的評価の低下により、当社グループへの信頼が損なわれ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業展開している世界各地において、事業に関わる許認可、輸出入に関する制限や規制など様々な公的規制を受けております。また、通商、公正取引、特許、消費者保護、租税、為替管理、環境関連などの法規制の適用も受けており、これらは随時見直されております。各種規制の動向には十分注視しておりますが、遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限を受けたり、制裁金などが課される可能性があるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新製品を開発し、或いは上市した製品を販売するために有能な人材を確保し、雇用を維持する必要があります。そのために、当社グループは技術系大卒者を中心に定期採用を実施し、採用後の社員教育研修制度などにより人材の確保、育成に努めております。万一、優秀な技術者や高い実績を挙げられる営業員を確保できない事態や、雇用の維持ができなくなった場合、当社グループの事業目的の達成が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替リスクを軽減し、または回避するために様々な対策を講じておりますが、事業の国際化にともない海外売上高は年々増加しており、急激な為替レートの変動は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外連結子会社の現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されるため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
地震等の自然災害によって、当社グループの製造拠点および設備等が破壊的な損害を被る可能性があります。火災はもとより、地震により発生する損害に対しては地震保険を付保しているものの、その補償範囲は限定されており、操業の中断、生産および出荷が遅延し売上高は減少し、さらに、製造拠点等の修復に巨額の費用を要することにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化により、事業の収益性が低下した場合や、市場価格が著しく下落した場合等には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動は、米国をはじめ欧州などにも展開しております。これらの海外市場への進出には、①予期しえない法律や規制、不利な影響を及ぼす租税制度上の変更②不利な政治的または経済的要因の発生③人材の雇用の難しさ④テロ、戦争、感染症疾病その他の要因による社会的混乱⑤事業環境や競合状況の変化等の内在するリスクが顕在化する可能性があります。それらのリスクにより、当社グループが海外において不測にも事業展開できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益・雇用・所得環境を背景に、緩やかな回復基調が続きましたが、足元では中国向けを中心とした輸出や生産の落ち込みが製造業の企業収益を下押しする動きも見られています。
当社グループの主要ユーザーであります医薬品業界は、薬価改定やジェネリック医薬品使用促進などの医療費抑制策の強化や、研究開発費の高騰と開発リスクの増大などへの対応を迫られております。
また、世界経済は、米国の保護主義的な通商政策により中国との緊張感が続いており、欧州では英国のEU離脱を巡り、予断を許さない状況に陥っています。
こうした情勢のもと、当社グループは、第7次中期経営計画(2018年2月期~2022年2月期)の後半の飛躍期に備えるべく、成長基盤構築に取り組んでおります。
当期(2018年3月1日~2019年2月28日)の具体的な課題として、
①米国・アジアでの事業強化(機械装置・化成品両面)で、より積極的な海外展開
②市場ニーズの強い新製品(連続造粒システム・錠剤印刷機)の本格的な業績への寄与
③リチウムイオン電池など新素材に関わる産業用機械ビジネスへの進出
④オープンイノベーションをベースとした産学との連携強化
⑤技術交流などを通じた人財育成
などに取り組み、将来の業容拡大に向けた経営基盤を整備してまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高184億8百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益12億23百万円(同37.9%減)、経常利益13億26百万円(同33.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8億43百万円(同42.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・機械部門
造粒・コーティング装置を主力とする機械部門においては、積極的な営業活動を展開してまいりましたが、新製品となる連続造粒システムの売上計上が期ズレとなり、更に錠剤印刷機は更なる改善改良を余儀なくされ、売上高、営業利益ともに減少となりました。
米国子会社FREUND-VECTOR CORPORATIONは、低採算の大型案件や、将来の業容拡大に向けた体制整備など、固定費負担増加の影響などにより、売上高、営業利益ともに減少となりました。
また、粉砕装置を主力とするフロイント・ターボ株式会社は、積極的な営業展開により売上高は増加しましたが、製品開発に関わる先行投資とのれんの償却などの経費負担増により、営業利益は減少となりました。また、中国市場などの停滞により、前期に吸収合併した旧アキラ機工株式会社の事業については減損処理いたしました。
この結果、売上高は123億68百万円(同14.1%減)、セグメント利益は7億37百万円(同54.8%減)となりました。
・化成品部門
医薬品の経口剤に使用される医薬品添加剤は、国内での大幅な需要増加と、積極的な海外進出により、売上高、営業利益ともに増加となりました。特に、自社生産している医薬品添加剤は、稼働力アップによる収益力向上と、海外では高付加価値製品を拡販することができました。
また、食品品質保持剤は、海外市場の開拓にも取り組むなど積極的な営業展開を図り、売上高は増加となりましたが、営業利益は横這いとなりました。
この結果、売上高は60億40百万円(同11.9%増)、セグメント利益は10億24百万円(同27.9%増)となりました。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ16億60百万円減少し、174億65百万円となりました。増減の主な要因は、商品及び製品が1億51百万円、原材料及び貯蔵品が1億31百万円増加したものの、現金及び預金が10億33百万円、仕掛品が9億92百万円減少したことによるものであります。
また、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億68百万円減少し、42億14百万円となりました。この主な要因は、前受金が8億31百万円、支払手形及び買掛金が3億44百万円、電子記録債務が3億9百万円、未払法人税等が2億4百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8百万円増加し、132億50百万円となりました。増減の主な要因は、利益剰余金が4億98百万円増加したものの、自己株式の取得により5億72百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ10億33百万円減少(前年同期は4億14百万円の減少)し、当連結会計年度末には55億34百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、4億35百万円(前年同期は5億94百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払額6億10百万円や仕入債務の減少7億円、前受金の減少8億43百万円等の減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益の計上12億55百万円、減価償却費の計上3億44百万円、売上債権の減少1億38百万円、たな卸資産の減少6億15百万円等の増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、5億66百万円(前年同期は4億93百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5億69百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、9億21百万円(前年同期は4億99百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額3億43百万円、自己株式取得による支出5億72百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.化成品部門のうち医薬品添加剤と食品品質保持剤は、販売計画に基づいた見込生産によっておりますので記載を省略しております。
2.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りを必要とする繰延税金資産、貸倒引当金、たな卸資産の評価、固定資産の減損、退職給付に係る会計処理などについては、過去の実績や当該事象の状況を勘案して、合理的と考えられる方法に基づき見積りおよび判断をしております。ただし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
a. 経営成績等
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析つきましては「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては「2 事業等のリスク」に記載しております。
c. 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、健全な財政状態の維持と流動性確保および自己資本の充実を財務方針としております。事業成長に向けた投資資金需要に対しては、投資の内容、手許流動性の水準、資本コスト、資金調達環境、自己資本比率などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資する方法により対応しております。
当社が締結している契約等は次のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループは医薬品・食品業界のニーズを先取りした技術開発型企業として研究開発を進めています。とくに、造粒およびコーティング技術をキーテクノロジーとして、独創的な機械装置および医薬品添加剤の開発を主軸とし、世界中の人々の医療と健康の未来に貢献しています。機械装置と医薬品添加剤技術を融合した製剤技術の研究開発は、豊かな生活・食の安全・安心を支える技術として貢献しております。また、粉砕技術に基づく機械装置は他の産業分野へ展開されています。
当連結会計年度における各部門別の研究開発の取り組み状況及び成果はつぎのとおりであります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、8億32百万円であり、セグメントの内訳は、機械部門に係るものが6億6百万円、化成品部門に係るものが2億25百万円であります。
① 製剤工程の連続プロセスを構成する製剤装置の開発
② 多色印刷を可能にしたインクジェット式錠剤印刷装置の開発
③ 各種電磁波を用いた工程分析技術(PAT: Process Analytical Technology)の開発
④ リチウムイオン電池に使われる正極材、負極材の高性能化技術の開発
① 製剤工程の連続プロセスに用いられる直接打錠用賦形剤の開発
② 錠剤印刷用各種インク(米国GMP対応)の開発
③ 口腔内崩壊錠用球形粒子の生産技術の開発
④ 中国、インドの医薬品業界向けGMP対応技術の開発
① 欧米規格に対応した水分活性測定器の開発
② 品質、生産性向上を目指した新規包装材料の開発
また、研究開発の成果としまして当連結会計年度に登録になりました特許は国内4件、外国1件であり、特許出願数は国内9件、外国1件であります。