(1) 業績
当連結会計年度における経済環境は、海外では米国経済が引き続き堅調に推移したほか、英国のEU離脱問題により懸念された世界経済への影響が限定的だったことから、先進国を中心とした経済は緩やかな回復基調となりました。また、資源価格の底入れを背景に新興国経済も落ち着きを取り戻しました。
国内については、雇用の改善や米国の大統領選をきっかけに為替がドル高円安に転換し、輸出企業をはじめとして生産は緩やかに拡大しました。
このような状況のもと、当社グループを取り巻く受注環境は昨年に続けて底堅く、主力の定量ポンプを中心に、受注は国内外ともに堅調に推移しました。
以上の結果、売上高は81億15百万円(前期比5.1%増)と3期連続で最高値を更新しました。
利益面につきましても、売上高の増加に加え、「スムーズフローポンプ」をはじめとした高付加価値製品の構成比率が上昇したことで売上総利益率が改善したため増益となりました。営業利益は、9億34百万円(前期比15.5%増)、営業外収益の助成金収入や投資有価証券売却益を加え、経常利益は、9億89百万円(前期比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億円(前期比23.8%増)とこちらも過去最高益となりました。
品目別販売実績は、以下のとおりであります。
<定量ポンプ>
国内市場では、バラスト水管理条約が2017年9月に正式発効されることを受けて「スムーズフローポンプ」がバラスト水処理装置メーカー向けに売上を伸ばしました。「スムーズフローポンプ」はほかにも、ケミカル・電子材料分野をはじめ、生産プロセスの精密移送・難移送液等の問題解決や提案でユーザーに貢献し、売上を伸ばしました。
また、一昨年発売した微量制御型スムーズフローポンプ「Qシリーズ」は、ラインナップ拡充による新規ユーザーや用途開拓が進み、セットメーカー向けや環境プラント装置メーカー向けに納入実績を上げました。また、企業や大学の研究部門でも評価をいただき、目標販売台数を達成しました。同時期に発売した「XPLシリーズ」と共に、新市場・新用途向けに価値を訴求する、大変重要なアイテムと位置付ける製品です。
滅菌・殺菌市場では、薬注ポンプの弱点であるガスロックを克服した小型ソレノイドポンプ「PWシリーズ」は、その特性が市場の評価を集め、昨年に引き続き売上を伸ばしました。
展示会は、6月に東京ビッグサイトで開催されたインターフェックスジャパン及びドリンクジャパン、7月に下水道展、9月にJASISと、いずれも「スムーズフローポンプ」を中心に新市場・新用途の開拓を目的に出展しました。下水道用に開発した「スムーズフローポンプ」は、今まで懸念されていたガスロックが起こらない構造や制御範囲の広さなど、下水道市場に新しい価値の提案を行いました。
海外市場は、韓国のケミカル・電子材料向けに「スムーズフローポンプ」及び「スムーズフローシステム」が好調であったほか、中東、インドネシアについても在庫調整が一巡し売上が回復しました。
北米市場は、営業活動の成果が徐々に見られ、新しい市場・用途での引合いが増えて売上を伸ばしました。
以上の結果、定量ポンプの売上高は、49億67百万円(前期比14.9%増)となりました。
<ケミカル移送ポンプ>
「ムンシュポンプ(高耐食ポンプ)」が、大型プラント物件の低迷と、製鉄・非鉄金属向けの物件が大幅に減少し、売上を落としました。
以上の結果、ケミカル移送ポンプの売上高は、5億89百万円(前期比10.5%減)となりました。
<計測機器・装置>
市場ニーズを掴みきれず売上を伸ばせなかったほか、前期の「超臨界二酸化炭素供給装置」特需分の落ち込みと「炭酸ガス中和装置」、「水質管理ユニット」など主力機器の落ち込みで売上を落としました。
以上の結果、計測機器・装置の売上高は、11億96百万円(前期比12.1%減)となりました。
<流体機器>
食品プラント向けとケミカル市場向けで、スタティックミキサーや混合システムの販売が減少しました。
以上の結果、流体機器の売上高は、4億47百万円(前期比12.5%減)となりました。
<ケミカルタンク>
ケミカル市場向けはニーズを掴み売上は増加しましたが、その他の市場では減少し、全体として売上高は、微減となりました。
以上の結果、ケミカルタンクの売上高は、5億38百万円(前期比1.8%減)となりました。
<その他>
その他には、ウェルネス事業部の売上高と立会調整費やメンテナンス等の売上高が含まれています。
主に、ウェルネス事業部の請負工事が増加して、売上高は3億75百万円(前期比18.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて1億49百万円減少し、8億79百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて3億6百万円減少し、3億89百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益9億71百万円、減価償却費2億11百万円による資金の増加及び売上債権の増加1億49百万円、たな卸資産の増加2億81百万円、法人税等の支払3億64百万円による資金の減少によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて70百万円支出が減少し2億93百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得2億43百万円、無形固定資産の取得57百万円による資金の減少によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて40百万円支出が減少し、2億36百万円の支出となりました。これは主に、借入金の減少24百万円、配当金の支払2億9百万円による資金の減少によるものであります。
当社グループは、ポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注の状況、販売実績の記載はしておりません。なお、品目別の生産実績等は次のとおりであります。
(1)生産実績
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前期比(%) |
|
定量ポンプ(千円) |
4,941,802 |
114.1 |
|
ケミカル移送ポンプ(千円) |
591,956 |
90.2 |
|
計測機器・装置 (千円) |
1,190,403 |
86.7 |
|
流体機器(千円) |
447,613 |
87.6 |
|
ケミカルタンク(千円) |
537,742 |
98.0 |
|
合計(千円) |
7,709,518 |
103.9 |
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
|
定量ポンプ |
5,011,046 |
115.0 |
317,769 |
115.7 |
|
ケミカル移送ポンプ |
619,978 |
99.3 |
77,986 |
165.7 |
|
計測機器・装置 |
1,278,794 |
92.6 |
196,363 |
171.8 |
|
流体機器 |
420,745 |
78.0 |
47,112 |
63.9 |
|
ケミカルタンク |
541,918 |
98.5 |
28,183 |
114.5 |
|
その他 |
377,128 |
117.0 |
14,870 |
108.6 |
|
合計 |
8,249,611 |
106.1 |
682,287 |
124.5 |
(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
|
品目 |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前期比(%) |
|
定量ポンプ(千円) |
4,967,860 |
114.9 |
|
ケミカル移送ポンプ(千円) |
589,055 |
89.5 |
|
計測機器・装置(千円) |
1,196,749 |
87.9 |
|
流体機器(千円) |
447,317 |
87.5 |
|
ケミカルタンク(千円) |
538,353 |
98.2 |
|
その他(千円) |
375,953 |
118.2 |
|
合計(千円) |
8,115,291 |
105.1 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
JFEエンジニアリング株式会社 |
- |
- |
997,973 |
12.3 |
2.前連結会計年度の主な相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に占める割合が10%未満であるため、記載を省略しております。
3.金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、<企業理念>で『常にお客様の立場で物事を考え、個性豊かな人間と、独創的な技術で世界に役立つ』と顧客第一の立場を鮮明にし、また<タクミナの使命>として、あらゆる産業の液体を高精度・高効率に送るポンプのメーカーであること、殺菌をはじめとするポンプの応用技術で水と環境の分野に安全と安心を提供することなど、「事業領域」をより明確に打ち出しております。
この方針のもと、お客様の満足度の高い製品・サービスが提供できる企業を実現し、ポンプのメーカーとしてサステナブルな(持続性のある)社会にとってなくてはならない企業として世界貢献を果たし、ステークホルダーとの共存共栄を続けられる企業を目指しております。
(2) 経営戦略等
平成29年4月よりスタートしました中期経営計画では、お客様に更なるご満足を提供し続けるというユーザー本位の企業理念に基づき、ダイヤフラムポンプの技術革新及び、これを最大限に活用した新規提案の拡充により、市場開拓とサービスの質向上を目指してまいります。具体的には経営戦略として、以下の3項目に取り組んでまいります。
① 主柱事業の強化・拡大
当社グループは、高精密でシステム用途提案を目的とした「スムーズフローポンプ」を活用し、お客様への提案営業を強化してまいります。既にケミカル・素材市場では電池・フィルム業界のプロセスにおける性能・信頼性において高い評価を頂いております。
また、船舶設備関連機器の需要が高まる中、個々のお客様のニーズにお応えする商品開発・提案を行うことにより、ブランド認知も高まってまいりました。今後も水処理業界への拡販は元より、多くの業種におけるプロセスへの提案により市場開拓を目指してまいります。
② 海外市場での販売強化
世界市場での水平分業定着により、研究開発用途や製造用途等多くの引き合いを海外から頂くようになりました。当社グループでは、米国子会社及び韓国子会社の更なる営業力を強化すべく、人員増強及び代理店の拡大とサービスの質向上に取り組んでまいります。また、海外市場で受け入れられる商品拡充を目指し、海外規格対応は元より、顧客ニーズに応じたカスタマイズ製品を積極的に開発し、他社との差別化による顧客満足の更なる向上を目指してまいります。
③ 製品開発力の強化
多種多様に渡る流体を送る技術に加え、ポンプに関わる周辺技術を踏まえたコアコンピタンスの確立・拡充に取り組んでまいります。そのために新たな研究開発棟を建設し、より高度な流体分析を可能とする設備への投資を積極的に行っております。また、大学・企業や研究機関との連携を強化することにより、「スムーズフローポンプ」による市場課題解決の加速を実施してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としてROE(株主資本純利益率)及び総資産経常利益率を活用しております。収益構造の改革、コストダウン、資産の効率的運用などによりその改善をはかり、企業価値の一層の向上を目指していきます。
(4) 経営環境
今後の当社グループを取り巻く経営環境は、トランプ効果の一服による円高や欧州経済のリスク等不透明な状況はあるものの、国内製造業は、設備投資も上向きで「スムーズフローポンプ」や滅菌・殺菌市場向けの汎用ポンプの受注は底堅く推移すると見込まれます。一方、バラスト水処理装置メーカー向けポンプは、バラスト水管理条約が2017年9月に正式発効されることを受けて中期的には需要の増加が見込まれるものの、短期的には、2020年の国際条約のルール変更(改正G8)を背景に、市場が慎重に推移するものとみられ、動きはやや鈍化するものと思われます。
また、海外市場は、中国や資源国の経済に底打ち感が見られるほか、欧米も緩やかな景気回復が予想されます。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
ポンプのメーカーとして、お客様の立場に立った独創性のある製品を提供し続けるため、以下のことを主な課題と考えております。
① マーケティング機能の強化と「わかりやすい」情報発信
当社グループの活動に興味を持っていただき、当社グループの技術・製品について、より一層関心を持っていただけるよう、お客様との接点を豊かにし、「お客様の立場に立って考える」という観点から当社グループ全体を挙げてマーケティング体制の整備を行い、お客様と共同で課題解決に取り組むなど、ユーザーニーズの収集活動を強化してまいります。
また、「わかりやすい」情報発信(移動型研修施設「ポンプ道場」・ショールーム型研修施設「タクトスペース」・環境/社会/経済活動レポート・メールニュース・ホームページ・広告宣伝・展示会など)に注力してまいります。
② ポンプ・ポンプ応用製品及び装置に関する商品化機能の拡充
ポンプ・ポンプ応用製品及び装置に関する商品化機能を拡充し、ケミカル・素材をはじめ食品・医薬品・化粧品など、あらゆる産業で求められている液体の精密充填・精密混合ニーズを的確に把握して、環境に配慮したエコデザインの高付加価値製品を開発・提供し、水処理・滅菌などの従来市場とともに新用途・新市場への展開をはかります。
③ コアコンピタンス(競争力のあるコア技術)の追求と認知度の向上
水の安全・安心を提供し、あらゆる産業で、高付加価値液体の理想的な移送システムを実現するため、滅菌殺菌テクノロジーの追求から生まれるユニークな製品・装置に加え、「スムーズフロー」ブランドに代表されるダイヤフラム(隔膜)方式ポンプの利点(液漏れゼロ・液質を変化させない・超高精度など)について、認知度の向上をはかり、その特長をさらに追求します。
④ 海外売上比率の向上
市場のグローバル化の進展に伴い、海外のお客様に対しても、水の安全・安心の提供やさまざまな産業での理想的な液体移送の実現など、当社グループが貢献できるフィールドが増加しております。そのため、海外各地の情報収集、ユーザーニーズの把握や製品の認知度向上をはかるとともに、各地域の代理店に対する販売支援活動の強化を行い、海外売上比率の向上につとめます。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載します。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。
下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
① 品質保証
品質システムISO9001の認証を取得し、日ごろから品質保証には細心の注意を払っております。しかしながら万が一製品に欠陥が発生した場合には、業績及び財政状態並びに社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 原材料価格の変動
製品は、鋼材及び樹脂製品からなる部分が少なからずあり、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。需給関係の動向等が原材料価格の上昇を引き起こし販売価格への転嫁がうまく進まない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸倒れリスク
取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付債務
退職年金資産運用の結果が前提条件と異なる場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌連結会計年度から10年間で均等償却することとしています。年金資産の運用利回りの悪化や超低金利の長期化による割引率の低下等が、翌連結会計年度以降の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、退職給付制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。
⑤ 為替変動のリスク
輸出入の一部を外貨建で決済しております。将来の為替変動のリスクに対して為替予約によるリスクヘッジ等を行っておりますが、過度の為替変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 有価証券の時価変動リスク
価格変動のある有価証券を有しております。過度の時価の下落による有価証券評価損の計上等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 天災によるリスク
製品の生産工場は第1、第2工場とも兵庫県朝来市にあり地震等で被害を受けた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑧ システム関連のリスク
業務を円滑に行うため、ハードウェア・ソフトウェアの障害防止、コンピュータウイルス等による障害防止のために万全を期しております。
しかし、システム・サーバーダウン、コンピュータハッカーの侵入、ウイルス等による破壊的な影響を受ける場合があり得ます。システムに重大なトラブルが発生した場合には、受注・生産活動に支障が起こり、業績に悪影響を及ぼすと同時に社会的評価も低下させる可能性があります。
⑨ 海外事業展開のリスク
米国及び韓国に販売拠点を展開しておりますが、予期しない法令・税制の変更、政治変動、戦争・テロなど不可避のリスクを内在しております。当該リスクを最小限にするために十分な対策を講じてまいりますが、これらのリスクが発生した場合、事業の遂行に問題が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
当社グループの研究開発活動は、開発センターを中心にコア技術の追求と確立を目指しております。開発センターは、当社グループのコア技術であるダイヤフラム及び様々な分野に関しての流体移送に関する基礎技術を追求するとともに、ポンプ及び計測制御機器の開発・製品化研究も担っております。
また、開発・製品化研究においては、生産本部(工場)、東京・大阪・名古屋・中四国・福岡の各拠点の技術部門と連携して、お客様からの要望やマーケットにおける潜在的な需要に関する情報を取り入れることで、お客様から望まれる独創的な製品の開発を迅速に行うことを目指しております。
当連結会計年度における主な活動は次のとおりです。
高精度小型スムーズフローポンプ「Qシリーズ」のラインナップ追加
お客様に研究段階から「スムーズフローポンプ」を使用していただけるように、研究所やラボ施設向けに開発した小型スムーズフローポンプ「Qシリーズ」に高耐食、高機能など拡張タイプを追加しました。翌期におきましても更にお客様のニーズに応えるべく、高圧仕様、オートクレーブ仕様などをラインナップに追加する予定であります。
高圧スムーズフローポンプのラインナップ追加
平成27年11月に高圧スムーズフローポンプとして「高圧PLF」を発売しましたが、発売後に中間機種の要望が多く、ラインナップの追加開発をスタートさせました。既に発売した機種と合わせて3機種を高圧スムーズフローポンプシリーズとして高圧かつ連続流が必要とされる市場の拡大をはかってまいります。
移送の難しい液体に関する研究・「ラボⅡ」の建設
当社グループは、新市場・新用途の開拓とお客様の困り事の解決の場として、溶剤環境試験室を稼働しております。
この試験室はお客様と共に難移送液の課題を解決する場として、また実液での立会試験を実施できる場として使用しておりますが、年々高くなるお客様からの課題に応えるために新棟「ラボⅡ」を建設することといたしました。新棟については平成29年7月竣工予定であり、試験スペースは現在の2倍となり、各種測定機器などの装置も新たに導入し、多くのお客様にご満足いただけるようにしてまいります。
基礎技術・要素技術の研究
「スムーズフローポンプ」のコア技術にダイヤフラムや弁座などがあります。それらの素材・形状の研究をはじめとし、様々な用途を想定した解析やシミュレーション、評価試験を積み重ね、製品開発・改良の品質向上・スピードアップができるノウハウの蓄積を行っております。
この他にも、水処置、滅菌・殺菌市場向けをはじめ、これまで培ってきた流体コントロール技術を駆使して、お客様のニーズに合った高付加価値製品の開発や次世代技術の研究開発を行いました。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2億41百万円です。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度の業績は、売上高については81億15百万円(前期比5.1%増)となり、増収となりました。利益面におきましては、営業利益は9億34百万円(前期比15.5%増)、経常利益は9億89百万円(前期比12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億円(前期比23.8%増)とそれぞれ増益となりました。
各品目別の販売状況につきましては、「第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績」をご参照ください。
各段階利益の増加金額とその要因につきましては以下のとおりであります。
売上総利益は、売上高の増加に加え、「スムーズフローポンプ」をはじめとした高付加価値製品の構成比率が上昇したことにより2億75百万円(前期比8.7%増)の増益となりました。
営業利益は、人件費の増加や研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加しましたが、売上総利益の増加が貢献し、1億25百万円(前期比15.5%増)の増益となりました。
経常利益は、営業外収益項目において保険返戻金が減少しましたが、助成金収入及び投資有価証券売却益などの計上及び営業利益の増加が貢献し、1億10百万円(前期比12.6%増)の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等が30百万円減少し、1億34百万円(前期比23.8%増)の増益となりました。
以上の結果、1株当たり当期純利益は97円44銭(前期比19円55銭増)となりました。なお、当社は平成29年4月1日付で普通株式1株につき1.2株の割合で株式分割を行っております。1株当たり当期純利益につきましては、当該株式分割が前連結会計年度の期首に行われたと仮定して算定しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて4億49百万円増加し、100億24百万円となりました。
流動資産は4億89百万円増加し、61億18百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金の減少1億25百万円、売上債権の増加1億50百万円、有価証券の増加2億1百万円、たな卸資産の増加2億81百万円であります。
固定資産は39百万円減少し、39億5百万円となりました。主な増減内訳は、有形固定資産の増加2億28百万円、投資その他の資産の減少2億52百万円であります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて19百万円減少し、43億1百万円となりました。
流動負債は2億51百万円減少し、29億71百万円となりました。主な減少内訳は、短期借入金の減少2億56百万円、未払法人税等の減少80百万円であります。
固定負債は2億31百万円増加し、13億30百万円となりました。主な増加内訳は、長期借入金の増加2億32百万円であります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて4億69百万円増加し、57億22百万円となりました。主な増減内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益7億円から配当金2億9百万円の支払いを差し引いた利益剰余金の増加4億90百万円、その他有価証券評価差額金の減少26百万円、退職給付に係る調整累計額の増加14百万円であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.9%から57.1%へと2.2ポイント上昇いたしました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フロー」に記載しております。