第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、<企業理念>で『常にお客様の立場で物事を考え、個性豊かな人間と、独創的な技術で世界に役立つ』と顧客第一の立場を鮮明にし、また<タクミナの使命>として、あらゆる産業の液体を高精度・高効率に送るポンプのメーカーであること、殺菌をはじめとするポンプの応用技術で水と環境の分野に安全と安心を提供することなど、「事業領域」をより明確に打ち出しております。

この方針のもと、お客様の満足度の高い製品・サービスが提供できる企業を実現し、ポンプのメーカーとしてサステナブルな(持続性のある)社会にとってなくてはならない企業として世界貢献を果たし、ステークホルダーとの共存共栄を続けられる企業を目指しております。

 

(2) 経営戦略等

平成29年4月よりスタートしました中期経営計画では、お客様に更なるご満足を提供し続けるというユーザー本位の企業理念に基づき、ダイヤフラムポンプの技術革新及び、これを最大限に活用した新規提案の拡充により、市場開拓とサービスの質向上を目指してまいります。具体的には経営戦略として、以下の3項目に取り組んでまいります。

① 主柱事業の強化・拡大

当社グループは、高精密でシステム用途提案を目的とした「スムーズフローポンプ」を活用し、お客様への提案営業を強化してまいります。既にケミカル・素材市場では電池・フィルム業界のプロセスにおける性能・信頼性において高い評価を頂いております。

また、船舶設備関連機器の需要が高まる中、個々のお客様のニーズにお応えする商品開発・提案を行うことにより、ブランド認知も高まってまいりました。今後も水処理業界への拡販は元より、多くの業種におけるプロセスへの提案により市場開拓を目指してまいります。

② 海外市場での販売強化

世界市場での水平分業定着により、研究開発用途や製造用途等多くの引き合いを海外から頂くようになりました。当社グループでは、米国子会社及び韓国子会社の更なる営業力を強化すべく、人員増強及び代理店の拡大とサービスの質向上に取り組んでまいります。また、海外市場で受け入れられる商品拡充を目指し、海外規格対応は元より、顧客ニーズに応じたカスタマイズ製品を積極的に開発し、他社との差別化による顧客満足の更なる向上を目指してまいります。

③ 製品開発力の強化

多種多様に渡る流体を送る技術に加え、ポンプに関わる周辺技術を踏まえたコアコンピタンスの確立・拡充に取り組んでまいります。そのために新たな研究開発棟を建設し、より高度な流体分析を可能とする設備への投資を積極的に行っております。また、大学・企業や研究機関との連携を強化することにより、「スムーズフローポンプ」による市場課題解決の加速を実施してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としてROE(株主資本純利益率)及び総資産経常利益率を活用しております。収益構造の改革、コストダウン、資産の効率的運用などによりその改善をはかり、企業価値の一層の向上を目指していきます。

 

(4) 経営環境

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、米国の保護主義政策の動向や地政学リスク等、世界経済には多くの不安定な要素が存在しますが、国内については、企業収益や雇用環境の改善により景気回復基調が続き、足元の設備投資環境は底堅く推移することが見込まれます。

一方、バラスト水処理装置メーカー向けポンプの受注は先延ばしになると見込まれるものの、電池市場の設備投資が活発な韓国向けで受注残高を着実に積み上げていることに加えて、国内も「スムーズフローポンプ」や滅菌・殺菌市場向け汎用ポンプの受注環境は底堅いと予想しております。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

ポンプのメーカーとして、お客様の立場に立った独創性のある製品を提供し続けるため、以下のことを主な課題と考えております。

① マーケティング機能の強化と「わかりやすい」情報発信

当社グループの活動に興味を持っていただき、当社グループ及び当社グループの技術・製品に、より一層関心を持っていただけるよう、お客様との接点を豊かにし、「お客様の立場に立って考える」という観点から全社を挙げてマーケティング体制を整備してまいります。具体的には、「流体ソリューションセンターLABⅡ」をはじめお客様と共同で課題解決に取り組むなど、ユーザーニーズの収集活動を強化してまいります。

また、「わかりやすい」情報発信(移動型研修施設「ポンプ道場」・ショールーム型研修施設「タクトスペース」・環境/社会/経済活動レポート・メールニュース・ホームページ・広告宣伝・展示会など)に注力してまいります。

② ポンプ・ポンプ応用製品及び装置に関する商品化機能の拡充

ポンプ・ポンプ応用製品及び装置に関する商品化機能を拡充し、ケミカル・素材をはじめ食品・医薬品・化粧品など、あらゆる産業で求められている液体の精密充填・精密混合ニーズを的確に把握して、環境に配慮したエコデザインの高付加価値製品を開発・提供し、水処理・滅菌などの従来市場とともに新用途・新市場への展開をはかります。

③ コアコンピタンス(競争力のあるコア技術)の追求と認知度の向上

水の安全・安心を提供し、あらゆる産業で、高付加価値液体の理想的な移送システムを実現するため、滅菌殺菌テクノロジーの追求から生まれるユニークな製品・装置に加え、「スムーズフロー」ブランドに代表されるダイヤフラム(隔膜)方式ポンプの利点(液漏れゼロ・液質を変化させない・超高精度など)について、認知度の向上をはかり、その特長をさらに追求します。

④ 海外売上比率の向上

市場のグローバル化の進展に伴い、海外のお客様に対しても、水の安全・安心の提供やさまざまな産業での理想的な液体移送の実現など、当社グループが貢献できるフィールドが増加しております。そのため、海外各地の情報収集、ユーザーニーズの把握や製品の認知度向上をはかるとともに、各地域の代理店に対する販売支援活動の強化を行い、海外売上比率の向上につとめます。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を下記のとおり記載します。

なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に最大限の努力をする所存であります。

下記事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

① 品質保証

品質システムISO9001の認証を取得し、日ごろから品質保証には細心の注意を払っております。しかしながら万が一製品に欠陥が発生した場合には、業績及び財政状態並びに社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 原材料価格の変動

製品は、鋼材及び樹脂製品からなる部分が少なからずあり、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。需給関係の動向等が原材料価格の上昇を引き起こし販売価格への転嫁がうまく進まない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 貸倒れリスク

取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 退職給付債務

退職年金資産運用の結果が前提条件と異なる場合、その影響額(数理計算上の差異)はその発生の翌連結会計年度から10年間で均等償却することとしています。年金資産の運用利回りの悪化や超低金利の長期化による割引率の低下等が、翌連結会計年度以降の業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、退職給付制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。

⑤ 為替変動のリスク

輸出入の一部を外貨建で決済しております。将来の為替変動のリスクに対して為替予約によるリスクヘッジ等を行っておりますが、過度の為替変動が業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 有価証券の時価変動リスク

価格変動のある有価証券を有しております。過度の時価の下落による有価証券評価損の計上等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 天災によるリスク

製品の生産工場は第1、第2工場とも兵庫県朝来市にあり地震等で被害を受けた場合には、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

⑧ システム関連のリスク

業務を円滑に行うため、ハードウェア・ソフトウェアの障害防止、コンピュータウイルス等による障害防止のために万全を期しております。

しかし、システム・サーバーダウン、コンピュータハッカーの侵入、ウイルス等による破壊的な影響を受ける場合があり得ます。システムに重大なトラブルが発生した場合には、受注・生産活動に支障が起こり、業績に悪影響を及ぼすと同時に社会的評価も低下させる可能性があります。

⑨ 海外事業展開のリスク

米国及び韓国に販売拠点を展開しておりますが、予期しない法令・税制の変更、政治変動、戦争・テロなど不可避のリスクを内在しております。当該リスクを最小限にするために十分な対策を講じてまいりますが、これらのリスクが発生した場合、事業の遂行に問題が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 環境規制に関するリスク

バラスト水管理条約等の環境関連の法令・規制が施行または改正された場合には、受注の減少もしくは遅延などが発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

経営成績の状況

当連結会計年度における経済環境は、米国の政策運営に対する懸念や地政学リスクの高まり等があったものの、底堅い内外需要を背景とした企業収益や雇用環境の改善が継続し、設備投資や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復基調で推移しました。

このような状況の中、当社グループを取り巻く受注環境は、国内外の旺盛な設備投資意欲の波に乗り堅調に推移しました。一方、バラスト水処理装置メーカー向けポンプは、バラスト水管理条約の装置搭載期限が2年間延長されたことにより取引先の一時的な在庫調整が行われたため、低調な結果となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高78億17百万円(前期比3.7%減)、営業利益8億90百万円(前期比4.7%減)、経常利益9億18百万円(前期比7.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億53百万円(前期比7.5%増)となりました。

主な品目別販売実績は以下のとおりであります。

 

<定量ポンプ>

国内市場では、バラスト水処理装置の搭載期限が改正されたことを受け、市場が状況を静観し受注の足踏み状態が続き低調に推移しましたが、その他の分野では民間設備投資の活況を受けて受注は好調に推移しました。中でも「スムーズフローポンプ」は、製造プロセス向けに継続的に行ってきたソリューション提案が実を結び、超精密タイプの「TPLシリーズ」を筆頭に、ケミカル・電子材料業界等で高い評価をいただき、売上を伸ばしました。また、ラボ向け微量制御型「Qシリーズ」も、ラインナップの拡充による用途拡大で、大学や企業の研究施設のほか、セットメーカー向けでも堅調に推移しました。

海外市場では、小型ソレノイドポンプ「PWシリーズ」が、米国のOEM受注により売上増加に寄与しました。また、韓国電池業界の設備投資が活発であったことから、第4四半期以降の受注及び売上が大幅に伸長し、当上半期の落ち込みを取り戻しました。一方で、中東及びアジア地域は、低調な結果となりました。

以上の結果、定量ポンプの売上高は、45億57百万円(前期比8.3%減)となりました。

 

<ケミカル移送ポンプ>

「ムンシュポンプ(高耐食ポンプ)」が、プラント案件を含む非鉄金属・製鉄業界向けに受注が回復したほか、エア駆動式ポンプがケミカル業界及び造船・船舶向けに好調で売上を伸ばしました。

以上の結果、ケミカル移送ポンプの売上高は、6億46百万円(前期比9.7%増)となりました。

 

<計測機器・装置>

電子材料向け「スムーズフローシステム」やインク製造装置等の受注が好調に推移したほか、水処理設備の更新需要から「pH中和処理装置」、食品の衛生管理需要から「サラファイン(弱酸性次亜水生成装置)」等も堅調で、売上を伸ばしました。

以上の結果、計測機器・装置の売上高は、13億17百万円(前期比10.1%増)となりました。

 

<流体機器>

食品業界向け及び滅菌・殺菌市場向けで、システムの販売が減少しました。

以上の結果、流体機器の売上高は、4億14百万円(前期比7.4%減)となりました。

 

<ケミカルタンク>

ケミカル業界向けで、大型タンク等の案件の受注が前期に比べ減少した反動から売上を落としました。

以上の結果、ケミカルタンクの売上高は、4億96百万円(前期比7.8%減)となりました。

 

<その他>

その他には、ウェルネス事業部の売上高と立会調整費やメンテナンス等の売上高が含まれています。

その他の売上高は、3億85百万円(前期比2.6%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて34百万円増加し、100億58百万円となりました。

流動資産は67百万円増加し、61億86百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金の増加3億90百万円、売上債権の減少4億29百万円、有価証券の減少1億円、たな卸資産の増加2億16百万円であります。

固定資産は33百万円減少し、38億72百万円となりました。主な増減内訳は、有形固定資産の増加1億12百万円、投資その他の資産の減少1億21百万円であります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて4億57百万円減少し、38億44百万円となりました。

流動負債は3億93百万円減少し、25億78百万円となりました。主な減少内訳は、仕入債務の減少1億75百万円、短期借入金の減少1億63百万円であります。

固定負債は64百万円減少し、12億66百万円となりました。主な増減内訳は、長期借入金の減少1億3百万円、退職給付に係る負債の増加42百万円であります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて4億92百万円増加し、62億14百万円となりました。主な増減内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益7億53百万円から配当金2億51百万円の支払い等を差し引いた利益剰余金の増加5億円、その他有価証券評価差額金の減少8百万円であります。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の57.1%から61.8%へと4.7ポイント上昇いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて4億14百万円増加し、12億93百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて6億50百万円増加し、10億39百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10億7百万円、減価償却費2億20百万円、売上債権の減少4億31百万円による資金の増加及びたな卸資産の増加2億16百万円、仕入債務の減少1億75百万円、法人税等の支払2億25百万円による資金の減少によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1億88百万円支出が減少し1億5百万円の支出となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入1億41百万円、投資有価証券の償還による収入3億円による資金の増加及び有形固定資産の取得による支出4億39百万円、投資有価証券の取得による支出1億3百万円による資金の減少によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて2億88百万円支出が増加し、5億24百万円の支出となりました。これは主に、借入金の減少2億67百万円、配当金の支払2億52百万円による資金の減少によるものであります。

④ 生産、受注及び販売の実績

当社グループは、ポンプ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績、受注実績、販売実績の記載はしておりません。なお、品目別の生産実績等は次のとおりであります。

a. 生産実績

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前期比(%)

定量ポンプ(千円)

4,620,044

93.5

ケミカル移送ポンプ(千円)

643,666

108.7

計測機器・装置 (千円)

1,322,598

111.1

流体機器(千円)

414,722

92.7

ケミカルタンク(千円)

494,398

91.9

合計(千円)

7,495,429

97.2

(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

定量ポンプ

4,850,049

96.8

610,811

192.2

ケミカル移送ポンプ

642,002

103.6

73,636

94.4

計測機器・装置

1,306,809

102.2

185,684

94.6

流体機器

426,864

101.5

59,868

127.1

ケミカルタンク

535,445

98.8

67,199

238.4

その他

387,951

102.9

17,115

115.1

合計

8,149,122

98.8

1,014,316

148.7

(注)金額は販売価額で表示しており、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

品目

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

前期比(%)

定量ポンプ(千円)

4,557,219

91.7

ケミカル移送ポンプ(千円)

646,352

109.7

計測機器・装置(千円)

1,317,488

110.1

流体機器(千円)

414,108

92.6

ケミカルタンク(千円)

496,429

92.2

その他(千円)

385,707

102.6

合計(千円)

7,817,305

96.3

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

JFEエンジニアリング株式会社

997,973

12.3

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に占める割合が10%未満であるため、記載を省略しております。

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高については78億17百万円(前期比3.7%減)となり、減収となりました。利益面につきましては、営業利益は8億90百万円(前期比4.7%減)、経常利益は9億18百万円(前期比7.2%減)とそれぞれ減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は7億53百万円(前期比7.5%増)と過去最高益となりました。

各品目別の販売状況につきましては、「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

各段階利益の増減金額とその要因につきましては、以下のとおりであります。

売上総利益は、売上高が減少した一方で、高付加価値製品の売上構成比率が上昇したことにより利益率が改善したため18百万円(前期比0.5%増)の増益となりました。

営業利益は、人件費や研究開発費の増加による販売費及び一般管理費が増加を、売上総利益の増加で吸収することができず、43百万円(前期比4.7%減)の減益となりました。

経常利益は、営業利益の減少に加えて、営業外収益の受取利息及び助成金収入が減少したほか、営業外費用に計上された寄付金や為替差損等の影響から、71百万円(前期比7.2%減)の減益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益1億1百万円を計上したほか、法人税等が16百万円減少し、52百万円(前期比7.5%増)の増益となりました。

以上の結果、1株当たり当期純利益は104円80銭(前期比7円36銭増)となりました。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当連結会計年度末時点における重要な資本的支出の予定はありませんが、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5億85百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は12億93百万円となっております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROE(自己資本利益率)の向上を目指す価値創造企業でありたいと考えております。このため、ROEを重要な指標として位置付けております。

当連結会計年度におけるROEは12.6%(前年同期比0.2ポイント低下)であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、開発センターを中心にコア技術の追求と確立を目指しております。開発センターは、当社グループのコア技術であるダイヤフラム及び様々な分野に関しての流体移送に関する基礎技術を追求するとともに、ポンプ及び計測制御機器の開発・製品化研究も担っております。

また、開発・製品化研究においては、生産本部(工場)、東京・大阪・名古屋・中四国・福岡の各拠点の技術部門と連携して、お客様からのご要望やマーケットにおける潜在的な需要に関する情報を取り入れることで、お客様から望まれる独創的な製品の開発を迅速に行うことを目指しております。

当連結会計年度における主な活動は次のとおりであります。

<高精度小型スムーズフローポンプ「Qシリーズ」のラインナップ追加>

お客様に研究段階から「スムーズフローポンプ」を使用していただけるように、研究所やラボ施設向けに開発した小型スムーズフローポンプ「Qシリーズ」に、前期に続き高圧仕様、オートクレーブ仕様など拡張タイプ第2弾を追加しました。翌期も更なるラインナップを追加する予定であります。

 

<高圧スムーズフローポンプ「HPLシリーズ」の発売>

平成27年に高圧スムーズフローポンプ「高圧PLF」を発売して以降、中間機種のご要望が多く、これに応えるべく「HPLシリーズ」として2機種を発売しました。既に発売したPLFと合わせた全3機種を高圧スムーズフローポンプシリーズとして、高圧かつ連続流が必要とされる市場の拡大をはかってまいります。

 

<高粘度スムーズフローポンプ「VPLシリーズ」の発売>

平成27年に高真空引き抜きポンプを発売して以降、高粘度移送用途でのご要望が多く、その用途に合わせた専用設計を盛り込み「VPLシリーズ」を発売しました。高粘度かつデリケートな液体の移送用として、市場の拡大をはかってまいります。

 

<「流体ソリューションセンターLABⅡ」の竣工>

当社グループは、新市場・新用途の開拓とお客様の困り事の解決の場として、溶剤環境試験室を稼働してまいりました。お客様とともに難移送液の課題を解決する場として、年々高くなるお客様からのご要望に応えるべく「流体ソリューションセンターLABⅡ」を平成29年7月に竣工いたしました。試験スペースは現在の2倍となり、各種測定機器などの装置も新たに導入したことで、より多くのお客様のご要望にお応えできるようになりました。翌期も更なる設備充実をはかり、お客様にご満足いただけるようにしてまいります。

 

<基礎技術・要素技術の研究>

「スムーズフローポンプ」のコア技術にはダイヤフラムや弁座などがあり、それらの素材・形状の研究をはじめとし、様々な用途を想定した解析やシミュレーション、評価試験を積み重ね、製品開発・改良の品質向上・スピードアップができるノウハウの蓄積を行っております。

この他にも、水処理、滅菌・殺菌市場向けをはじめ、これまで培ってきた流体コントロール技術を駆使して、お客様のニーズに合った高付加価値製品の開発や次世代技術の研究開発を行いました。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2億73百万円です。