第2【事業の状況】

当社グループは、消費税等の会計処理につき税抜方式を採用しているため、以下の記載金額には消費税等は含まれておりません。

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、環境関連機器及び環境関連システムのメーカーとして、「豊かな人間環境の創造を目指して社会に貢献する」という経営理念の下、社会のニーズに合った製品の開発と製造販売を通じて継続的に事業拡大を図り、業績の向上と企業価値を高めることを基本方針としております。

 

(2)経営環境

当社を取り巻く事業環境は、公共分野では1950年代に整備が始まった上下水道設備の老朽化が進み、更新需要が増加するとともに、多発する自然災害に備え、防災・耐震化需要等が高まっておりますが、将来的には日本の人口減少による需要の縮小均衡など厳しい面も予想されます。また、民間分野では首都圏の都市再開発案件が投資をけん引し、良好な事業環境が継続しておりますが、海外の政治、経済の不安定な動向など国内経済への影響が不透明な要素も多く存在しております。

 

(3)経営指標等

当社グループは、「豊かな人間環境の創造を目指して社会に貢献する」という経営理念に基づき、長年にわたり様々な環境問題に目を向けてきました。

今年、創業75周年を迎えるにあたり、外部環境の変化に左右されず、確固たる軸を持った競争力ある企業を実現するために、当社グループが大切にする価値を「ビジョン」として定め、また、これまで掲げてきた「目指す経営指標」達成への道標とするために、中長経営計画「EJ2023」を策定しております。

① ビジョンの設定

当社グループが大切にする価値を「ビジョン」として定めております。

a.「社会性」

 地球規模の環境問題に貢献できるトータル環境ソリューションカンパニーへの進化

b.「顧客価値」

 顧客課題解決型の高収益企業へ

c.「ブランド」

 荏原実業(EJ)ブランドを確立すると共に、社員が働くことに誇りを持てる企業へ

② 中長期経営目標「目指す経営指標」

a.「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率50%以上

b.売上総利益率30%以上

c.営業利益率10%以上

③ 中期経営計画「EJ2023」

a.経営目標

 「EJ2023」は、「目指す経営指標」を達成するために進むべき道を示した道標であり、2023年12月の経営数値目標として以下の数値を掲げております。

(単位:百万円)

 

2019年12月期

実績

2023年12月期

目標

増加率

売上高

28,431

35,000

23%

売上総利益

7,621

9,500

25%

営業利益

2,024

3,000

48%

 

b.基本方針

・新事業の創出、新製品開発の加速

これまでの研究開発活動の成果を基に、新事業の創出と新製品の市場投入の加速を図る。

・事業領域の拡大

顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の拡大を図る。

・安定的収益基盤の確立

外部環境に左右されない基盤造りとしてストックビジネスの強化と、既存事業の収益性向上を図る。

 

(4)対処すべき課題

利益成長により企業価値を高めることを目的とし、以下の課題に取り組んでおります。

① 「環境関連」を成長の核とするために、事業領域の拡大とニッチ戦略を進める。

a.新製品の投入

 ZEBに続き、ZEHの取り組みを強化

b.現有製品群のブラッシュアップ

 実績のある製品は利益を重視

 「高度処理」「省エネ」「AI/IoT」「環境負荷軽減」「安全安心」のニーズに対応する形で競争力を強化

c.メンテナンス・サービスの強化

 アフターサービスを充実させ、外部環境に左右されない収益基盤として育成

② 顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の開拓を進める

a.選別受注、積算技術の向上、原価意識の徹底

b.実績の少ないエリアでの受注活動強化

c.防災需要への対応

③ 既存の収益基盤を着実に強化する。

a.ゼネコン・サブコン・メーカーとの連携強化

b.多様な顧客層へのアプローチ

④ コンプライアンスの徹底を図ると共に、経営の透明性と効率性を高め、コーポレートガバナンス体制の一層の強化を図る

 

2【事業等のリスク】

以下においては、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも上記のようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。

以下の事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)官公庁への依存について

当社グループは、受注高及び売上高の官公庁依存度が高い水準になっており、公共投資予算の抑制や公共工事コストの縮減策によって、当社グループの受注状況及び損益が影響を受ける可能性があります。

当社グループでは、オゾン・省エネ・脱臭・水処理・水産などの「環境関連」分野における技術開発力及び新製品開発力の強化により積極的な民需の開拓を行い、安定した受注及び収益の向上に努める方針であります。

また、官公庁依存度が高いことから、公共工事の売上高が12月から3月に集中する季節的変動があります。

 

① 受注先別実績

 

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

官公庁比率(%)

2018年12月期

16,752

10,748

27,500

60.9

2019年12月期

15,871

12,348

28,220

56.2

(注)当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。

 

② 販売先別実績

 

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

官公庁比率(%)

2018年12月期

19,078

10,217

29,295

65.1

2019年12月期

17,232

11,199

28,431

60.6

(注)当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。

 

(2)市場環境について

当社グループでは、市場環境の変化に対応すべく製品開発力を強化しておりますが、民間設備投資の動向、新規参入業者の増加等による価格競争激化、原材料価格の変動など急激な市場環境の変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3)業績の季節的変動について

「(1)官公庁への依存について」で記載のとおり、官公庁依存度が高いことから、売上高が上期に集中する季節的変動があります。

 

 

2018年12月期

2019年12月期

上期

下期

通期

上期

下期

通期

売上高

(百万円)

16,081

13,213

29,295

15,652

12,779

28,431

上下比率

(%)

54.9

45.1

100.0

55.1

44.9

100.0

経常利益

(百万円)

1,800

451

2,252

1,631

538

2,169

 

 

(注)下期の数値は、通期の数値から上期の数値を差し引いたものであります。

 

(4)㈱荏原製作所及び同社の関係会社との取引関係について

当社グループは、㈱荏原製作所及び同社の関係会社(以下「荏原グループ」という。)と販売代理店契約を締結して荏原グループ製品の仕入・販売を行うとともに、環境関連装置、水処理施設など各種プラント類の施工では荏原グループから機器材料を調達するなど継続的な事業上の関係があります。

最近2連結会計年度における製品及び工事売上原価、商品仕入高に占める荏原グループの割合は、以下のとおりであります。

 

2018年12月期

2019年12月期

A 荏原グループ

(百万円)

3,392

2,388

B 製品及び工事売上原価

(百万円)

16,547

15,357

A/B

(%)

20.5

15.6

C 荏原グループ

(百万円)

2,771

2,285

D 商品仕入高

(百万円)

5,239

5,283

C/D

(%)

52.9

43.3

荏原グループとの取引関係は、今後も安定的に推移するものと判断しておりますが、荏原グループとの代理店基本契約等が延長されなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)製造について

当社は、自社の生産設備を保有しない、いわゆるファブレス企業であり、環境関連製品の製造を外部委託しております。生産設備を保有しないことで経営資源を研究開発に集中させることができますが、一方で十分な製造委託先の確保が出来ない場合などには、製品の供給が受けられなくなる可能性があります。かかる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

当社では、複数の製造委託先を保有していること、また、製品製造に必要な技術及びデータは全て当社が管理しているため、特定の製造委託先への製造委託が不可能になった場合でも、短期間で代替の製造委託先を選定し製品供給を再開することができると認識しております。

 

(6)環境法規制について

当社グループは、環境法規制の強化に対応した製品の開発に経営資源を集中させており、数々の環境法規制の強化は当社グループの成長要因の一つとなっております。しかしながら、環境法規制の強化に対応した魅力ある製品を開発出来ない場合には、将来の成長性を低下させ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)法的規制について

当社グループは、建設業法、製造物責任法、計量法、産廃物の処理及び清掃に関する法律、高圧ガス保安法、毒物及び劇物取締法など様々な法規制の適用を受けております。当社グループでは法令遵守の徹底を図っておりますが、法律・規制等が強化された場合、または予期し得ない法律・規則等の導入・改正等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8)工事損失について

当社グループは、顧客の要望に応えるよう品質、機能、安全性、納期等に万全を期しておりますが、販売した製
品及び設計・施工したプラント類の不具合や納期遅延等により、追加工事・追加費用の発生、顧客への補償等費用
負担の発生、更には顧客等に損害を与え損害賠償請求等の訴訟や係争が生じる可能性があります。これらが生じた
場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)保有有価証券の時価下落について

当社グループは、取引先との安定的な関係を維持するため、取引先の株式を保有しており、また資金運用のため
一定額の有価証券を保有しておりますが、急激な株式市況の悪化は、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能
性があります。

 

(10)研究開発について

継続的成長及び競争力強化の源泉は、差別化された新技術・新製品等の研究開発にあると認識し、研究開発活動
を行っておりますが、研究開発の成果は不確実なものであり、必ずしも成果に結び付かない可能性があります。

 

(11)自然災害等について

地震・風水害等の天災地変、戦争、テロ、その他突発的な事故等の発生により、当社グループ所有資産や仕掛工
事中の機器資材等の価値が低下した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2019年1月1日から2019年12月31日まで)におけるわが国経済は、雇用環境・個人所得などに改善が見られ、緩やかな回復基調が続いております。しかし、海外の政治・経済の不安定な動向により、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。

当社を取り巻く環境装置機械業界においては、公共分野では、上下水道関連設備の更新・改修・機能強化、災害対策などの需要が引き続き活発であります。また、民間分野では、首都圏を中心とした都市再開発需要に底堅いものがあります。

このような事業環境の下、当社グループは、企業価値の向上を目指し、以下の戦略に取り組んでおります。

(環境関連)

環境関連セグメントを企業成長の核とすべく、自社製品の拡販とラインナップの充実を進めるために、

a.既存製品のブラッシュアップ

b.アフターサービスの充実

c.新製品の投入

(水処理関連)

販売エリアの拡大と売上総利益率の向上を図るために、

a.選択受注、積算技術の向上、原価意識の徹底

b.実績の少ないエリアへの進出

c.防災需要の取り込み強化

(風水力冷熱機器等関連)

引き続き活発な建築設備需要を取り込むために、

a.都市再開発需要へのアプローチ強化

b.多様化するニーズに対応した取扱製品の拡充

 

これらの活動の結果、当連結会計年度の受注高は28,220百万円(前年同期比2.6%増)、売上高は28,431百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は2,024百万円(前年同期比5.4%減)、経常利益は2,169百万円(前年同期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,512百万円(前年同期比5.5%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(環境関連)

環境関連セグメントでは、受注高は5,328百万円(前年同期比5.3%減)、売上高は5,296百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益は791百万円(前年同期比2.9%増)となりました。

(水処理関連)

水処理関連セグメントでは、受注高は12,072百万円(前年同期比1.6%増)、売上高は12,544百万円(前年同期比11.5%減)、セグメント利益は1,253百万円(前年同期比16.1%減)となりました。

(風水力冷熱機器等関連)

風水力冷熱機器等関連セグメントでは、受注高は10,818百万円(前年同期比8.3%増)、売上高は10,590百万円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は789百万円(前年同期比35.1%増)となりました。

 

財政状態の状況につきましては、次のとおりであります。

総資産は、前連結会計年度末に比べ1,481百万円増加し、28,065百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加237百万円、受取手形及び売掛金の減少319百万円、投資有価証券の増加1,927百万円、保険積立金の減少206百万円等であります。

負債は、前連結会計年度末に比べ943百万円減少し、13,120百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の減少1,056百万円、前受金の減少334百万円、繰延税金負債の増加560百万円等であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ2,424百万円増加し、14,945百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益1,512万百円の計上、剰余金の配当428百万円の計上による減少、保有有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加1,312百万円等であります。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ937百万円減少し、5,227百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は717百万円(前年同期は2,946百万円の獲得)となりました。税金等調整前当期純利益の計上2,169百万円、仕入債務の減少1,056百万円、法人税等の支払額751百万円等により営業活動全体では717百万円の増加となったものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,225百万円(前年同期は86百万円の獲得)となりました。主な要因は、拘束性預金の増加1,175百万円、無形固定資産の取得による支出102百万円、投資有価証券の取得による支出37百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は428百万円(前年同期は628百万円の使用)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額428百万円であります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

環境関連

(百万円)

3,148

86.4

水処理関連

(百万円)

8,813

87.4

風水力冷熱機器等関連

(百万円)

3,374

122.6

合計

(百万円)

15,336

93.1

(注)金額は生産価格によっております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

環境関連

(百万円)

37

-

水処理関連

(百万円)

337

87.9

風水力冷熱機器等関連

(百万円)

4,908

101.1

合計

(百万円)

5,283

100.8

(注)金額は仕入価格によっております。

 

c.受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

1)受注実績

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

環境関連

5,328

94.8

3,028

101.1

水処理関連

12,072

101.6

11,415

96.0

風水力冷熱機器等関連

10,818

108.3

4,534

105.3

合計

28,220

102.6

18,978

98.9

(注)金額は販売価格によっております。

2)受注先別実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前年同期比(%)

環境関連

2,268

3,060

5,328

94.7

水処理関連

11,923

149

12,072

101.6

風水力冷熱機器等関連

1,679

9,138

10,818

108.3

合計

15,871

12,348

28,220

102.6

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

 至 2019年12月31日)

官公庁(百万円)

民間(百万円)

計(百万円)

前年同期比(%)

環境関連

3,055

2,241

5,296

98.1

水処理関連

12,209

334

12,544

88.5

風水力冷熱機器等関連

1,966

8,624

10,590

108.8

合計

17,232

11,199

28,431

97.1

(注)1.総販売実績に対する販売割合が、10%以上の相手先はありません。

2.当社グループが建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は、官公庁欄に計上しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の採用や、資産・負債及び収益・費用の計上及び開示に関する見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

.資産の部

流動資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前連結会計年度末と比べ232百万円減少し、18,321百万円となりました。

固定資産は、投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度と比べ1,713百万円増加し、9,744百万円となりました。

これらの結果、資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,481百万円増加し、28,065百万円となりました。

ロ.負債の部

流動負債は、支払手形及び買掛金の減少などにより、前連結会計年度と比べ1,530百万円減少し、11,746百万円となりました。

固定負債は、繰延税金負債の組替などにより、前連結会計年度と比べ586百万円増加し、1,374百万円となりました。

これらの結果、負債合計は、前連結会計年度と比べ943百万円減少し、13,120百万円となりました。

ハ.純資産の部

純資産合計は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度と比べ2,424百万円増加し、14,945百万円となりました。

2)経営成績

イ.経営成績の概要

当連結会計年度における経営成績の概要は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。

ロ.受注高について

半導体向け需要の減少や台風15、19号等の自然災害による公共案件の入札延期などの影響がありましたが、上下水道施設の更新案件の増加、都市再開発案件の増加等によって、受注高は前年同期比2.6%増の28,220百万円となりました。

セグメント別では、環境関連は前年同期比5.3%減、水処理関連は前年同期比1.6%増、風水力冷熱機器等関連は前年同期比8.3%増となりました。

ハ.売上高について

都市再開発案件は増加したものの、半導体向け需要の減少や台風15、19号等の自然災害による工事進捗の遅れ等によって、売上高は前年同期比2.9%減の28,431百万円となりました。

セグメント別では、環境関連は前年同期比1.9%減、水処理関連は前年同期比11.5%減、風水力冷熱機器等関連は前年同期比8.8%増となりました。

ニ.売上総利益について

選別受注、原価低減活動等によって売上総利益率が前年同期25.8%から26.8%へと1.0ポイント上昇したため、売上高は減少しましたが、売上総利益は前年同期比0.8%増の7,621百万円となりました。

ホ.販売費及び一般管理費について

人件費、研究開発費の増加に基幹システムの更新費用が加わり、販売費及び一般管理費は前年同期比3.3%増の5,596百万円となりました。

ヘ.営業利益について

販売費及び一般管理費の増加を売上総利益の増加が吸収できず、営業利益は前年同期比5.4%減の2,024百万円となりました。

ト.経常利益について

営業利益に、受取配当金、投資不動産賃貸料等による営業外収益210百万円、不動産賃貸費用等による営業外費用65百万円が加わり、経常利益は前年同期比3.8%減の2,169百万円となりました。

チ.親会社株主に帰属する当期純利益について

経常利益の減少によって、親会社株主に帰属する当期純利益も前年同期比5.5%減の1,512百万円となりました。

 

3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

また、重要な資本的支出の予定及びその資金の調達源等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、2 事業等のリスク 及び 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①重要な会計方針及び見積り」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

1)キャッシュ・フロー

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。

 

2015年12月期

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

自己資本比率

(%)

41.3

45.3

49.1

47.1

53.3

時価ベースの自己資本比率

(%)

42.1

38.5

53.0

44.8

52.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

(年)

0.9

-

0.8

0.4

1.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(倍)

120.2

-

192.1

357.6

90.3

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4.2016年12月期は、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオを記載しておりません。

 

2)資金の需要

更なる企業価値の向上を図るための設備投資、事業投資、債務の返済及び運転資金などの資金需要に備え、資金調達及び流動性の確保に努めています。

3)資金の調達

当社グループは、必要な資金は内部資金より充当し、不足が生じた場合は銀行借入により調達しております。

4)資金の流動性

当社グループは、複数の金融機関との当座貸越契約を設定しております。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

1)目標とする経営指標

当社グループは、「環境関連」(メーカー事業)を核とした成長基盤の構築を図り、利益成長による企業価値を向上させるために、「目指す経営指標」として、以下の3つの経営指標を設定しております。

イ.「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益構成比率50%以上

ロ.売上総利益率30%以上

ハ.営業利益率10%以上

当連結会計年度におきましては、「環境関連」(メーカー事業)の売上総利益率構成比率27.6%、売上総利益率26.8%、営業利益率7.1%となっております。

2)中長期的な会社の経営戦略

中長期経営目標である「目指す経営指標」達成への道標とするために、中長経営計画「EJ2023」を策定し、以下の戦略を展開していきます。

イ.新事業の創出、新製品開発の加速

これまでの研究開発活動の成果を基に、新事業の創出と新製品の市場投入の加速を図る。

ロ.水処理関連

・事業領域の拡大

顧客軸・製品軸の両面から、事業領域の拡大を図る。

ハ.安定的収益基盤の確立

外部環境に左右されない基盤造りとしてストックビジネスの強化と、既存事業の収益性向上を図る。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(環境関連)

環境関連製品の製造・販売を手掛ける当セグメントの受注高は、計測分野では半導体業界向け需要は減少したものの浄水場向け案件が増加し、また省エネブロワ分野でも公共向け案件が増加しております。しかし、脱臭分野で工事を含む大型案件が減少し、また水処理プラント分野でも公共向け水産施設案件が減少しております。その結果、セグメント全体の受注高は、前年同期比5.3%減の5,328百万円となりました。

売上高は、計測分野で半導体業界向け需要が減少し、脱臭分野で工事を含む大型案件が減少しております。しかし、水処理プラント分野では、前年同期に受注した大型水景施設が売上計上され、また、2018年12月期に参入したZEB化事業も売上高に寄与しております。その結果、売上高は前年同期比1.9%減の5,296百万円となりました。
セグメント利益は、売上高は減少したものの売上総利益率が向上し、前年同期比2.9%増の791百万円となりました。

(水処理関連)

上下水道向けの設計・施工を手掛ける当セグメントの受注高は、上下水道設備の更新案件等が増加したことによって、前年同期比1.6%増の12,072百万円となりました。しかし、売上高は、期首受注残高の減少に加え、台風15号、19号等による自然災害の発生によって工事進捗に遅れが生じたことによって前年同期比11.5%減の12,544百万円となりました。セグメント利益も売上高の減少に伴い前年同期比16.1%減の1,253百万円となりました。

(風水力冷熱機器等関連)

主にポンプ、冷凍機、空調機器などを商社として販売する当セグメントは、首都圏の再開発案件等を中心に需要は依然として底堅いものがあり、受注高は前年同期比8.3%増の10,818百万円、売上高は前年同期比8.8%増の10,590百万円となり、セグメント利益も売上高の増加に伴い前年同期比35.1%増の789百万円となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

相手方の名称

契約の内容

備考

契約期間

㈱荏原製作所

同社が扱う風水力機械製品及び風水力システム製品(エンジニアリング及び付帯工事を含む)の取引についての基本契約

代理店基本契約

契約日2018年10月1日から2020年9月30日以後1か年のみ自動延長

同社汎用製品などの販売に関する契約

特約店基本契約

契約日2004年4月1日から1か年以後1か年ごとに自動延長

当社が開発した腐植質を用いた下水汚泥改質装置を同社が下水道施設に販売するための優先的権利を付与する販売協定書

販売協定

協定日2001年4月1日から2か年以後1か年ごとに自動延長

 

(吸収分割契約)

当社は、2019年11月1日開催の取締役会において、当社の100%子会社である株式会社エバジツの環境関連事業の全部及び産業機械販売事業の一部を、当社が継承する会社分割(簡易吸収分割)を行うことを決議いたしました。また、同日付で吸収分割契約を締結いたしました。当該契約に基づく会社分割(簡易吸収分割)は、2020年1月1日に完了しました。

なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 2.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

(1)方針及び目的

当社グループの研究開発は、「豊かな人間環境の創造を目指して社会に貢献する」という経営理念に基づき、オゾン・省エネ・脱臭・水処理・水産など、主として環境関連セグメントに属する分野において、製品及びシステムの開発を行っています。

中央研究所では、脱臭・脱硫・水処理に関する研究開発を、環境計測技術センターでは、オゾンと光測定技術に関する研究開発を進めています。これらの拠点では、大学等の外部研究機関との共同研究も活用しています。

また、かずさ生産技術センターでは、高効率のターボブロワを中心とする送風機の改良・開発を、かずさファシリティー開発センターでは、マルチモード空調機や蓄電システムなど、ZEB・ZEH関連製品の開発を進めています。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は782百万円です。

 

(2)主な研究開発の成果

以下は、全て環境関連セグメントに係わる研究開発の成果です。

・ 計測分野では、光測定技術を用いた国内食品・飲料業界向け検査装置の実用化を目指し、研究開発を継続して進めています。

・ 脱臭分野では、バイオガス中の硫化水素を除去する生物脱硫装置について、京都大学との共同研究により、下水由来の嫌気性消化ガスに含まれる不純物シロキサンの除去メカニズムを解明しました。

・ ZEB・ZEH分野では、全熱交換機能と除湿機能を1台のローターにより切り替えることの出来る「マルチモード空調機」の技術を応用した除湿機を開発し、スーパーマーケット向けの業務用除湿機として市場投入しました。

・ 同じくZEB・ZEH分野において、停電時の非常用電源やアウトドア電源としての蓄電池の需要の高まりを受け、ポータブル型蓄電池を商品化し、市場投入しました。