第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度(平成26年10月1日から平成27年9月30日まで)のわが国経済は、順調に企業業績の回復が進む中、設備投資、雇用情勢も改善し、平成26年4月の消費税率引き上げを境として、駆け込み需要とその反動の影響が多方面に強く現れる状況となりましたが、基本的には、年度を通じて先行き感の明るい中で推移いたしました。

 

 当社グループは、発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業とし、鋳鋼製品の製造・販売を行う製鋼事業、福島県を中心に放射線除去関連業務を行う除染事業を併せて営んでおります。

 主力の原子力発電所(以下、「原発」)関連マーケットの環境は、福島第一原発事故以降、依然厳しい状況にあるものの、本年8月に九州電力川内原発が原子力規制委員会による安全審査に合格した最初の原発として再稼働を果たしたことから、今後徐々にではありますが改善に向かうことが期待されるところであります。

 しかし原発の再稼働が実現しても、当社グループの収益基盤である原発向け定期検査工事を今後の事業計画に直ちに織り込めるものではないことから、来るべき時期に備え定期検査工事体制を維持しながら、今後の新たな再稼働に向けての整備・対策工事に伴う各種バルブ、サービス、関連機器等、スポット案件の受注・販売に注力している状況であります。

 また、もうひとつの収益の柱である火力発電所関連需要については、原発停止期間長期化の影響によりフル稼働状態が久しく継続しているため大規模なメンテナンスが行われない状況に大きな変化はなく、原発マーケットと同様に厳しい環境が続いております。

 

 このような中、当連結会計年度におきましては、収益面では、バルブ事業が再稼働準備等で工事量の増加した原発関連案件を中心に好調に推移したことに加え、除染事業、製鋼事業ともに概ね順調であったこと、さらには、収益拡大策として平成24年より取り組んできた「七本の矢」作戦が、全体的な収益力底上げに一定程度寄与したことなどから、当初の想定を大幅に上回る収益を確保することができました。

 損益面におきましては、特にコスト面で、いわゆる「3.11」直後より徹底して行ってきた人件費をはじめとする固定経費の削減効果により、原発事故以前に比して減収が続く現況下においても、決して重大な赤字の計上等に至らないと考えられる程度まで体質改善を実現しつつあり、基礎的収益力は格段に改善しております。

 これらの結果、当連結会計年度の業績は、特に好調に推移した第2四半期連結累計期間までの流れを受け、当連結会計年度後半においても最後まで安定した売上が継続し、売上高91億83百万円(前年同期比29.6%増)、営業利益7億26百万円(前年同期は11億98百万円の赤字)、経常利益8億8百万円(同11億20百万円の赤字)、当期純利益6億94百万円(同11億50百万円の赤字)と、前連結会計年度に比し大幅に改善することができました。

 

 前述の「七本の矢」作戦は、既存及び新規のマーケットに対し、営業、製造・技術、メンテナンスが三位一体となって、収益性が高く顧客満足度の高い高付加価値製品とサービスを提案することで新たな市場ニーズを掘り起こし業績に繋げるとともに、既存事業の各運用プロセスと投下資本を再評価することで、時間的・経済的効率性を徹底的に追求し、短期間で業績改善に寄与する運営体制へと変革することを目指して展開する収益拡大並びに収益性改善アプローチであります。

 当連結会計年度におきましては多方面での提案活動が奏功し、例えば原発におけるバルブのメンテナンス性改善に貢献するボルティング製品の販売、製鋼事業の売上拡大による採算性改善、そして新たに子会社を設立して開始した除染事業の黒字計上など、当社グループ事業領域での広範な取り組みが具体化し業績改善の拡大となったほか、バルブの心臓部である弁座の補修を現地で行うメンテナンス機器などのユーザビリティに優れ、顧客ニーズに適合した製品・サービスの受注に成功するなどの成果に繋がっております。

 

 報告セグメント別の状況は、バルブ事業では、再稼働が近いと想定される原発向け案件で受注・売上が好調に推移したことから、「表:報告セグメント内の種類別売上高」に示すとおり、バルブ(新製弁)、バルブ用取替補修部品及び点検工事等を中心に売上が増加したほか、中国原発2次系向け逃し弁、イラク火力発電所向け取替弁などの海外向けバルブ製品、国内IPP(独立系発電事業者)火力発電設備向け売上等により、事業全体では、売上高71億71百万円(前年同期比20.2%増)、セグメント利益15億62百万円(前年同期は1億36百万円の赤字)と、前連結会計年度に比して大幅な増収増益となりました。

 

 製鋼事業では、新規顧客の開拓による収益拡大、形状的・素材的高難度案件の受注拡大による収益性の改善に尽力してまいりました。

 特に機械加工、非破壊検査などを付加することで、顧客満足度を高めると同時に受注価格の引き上げを図り、さらには鋳物の宿命である内部欠陥対策コスト低減にも繋げるなど、収益拡大と収益性改善の両面を睨んだ各種施策を実施し、業績の改善を図ってまいりました。

 

 その結果、売上高12億67百万円(前年同期比13.4%増)に対し、セグメント利益は1億54百万円の赤字(前年同期は2億37百万円の赤字)ではありますが、業績を改善することができました。

 除染事業は、前連結会計年度に専業の子会社を設立し、当連結会計年度より事業移管をしたことから新たに報告セグメントに追加しました。

 原発事故による放射線汚染の除去エリアが、住宅地域から森林地域に移ったことで作業効率が向上し、加えて売上規模も拡大したことから、売上高7億44百万円に対し69百万円のセグメント利益を計上することができました。

 

表:報告セグメント内の種類別売上高

  報告セグメント

種類別の売上高

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

前年同期比(%)

 バルブ事業

 バルブ(新製弁)

1,715

2,107

22.9

 バルブ用取替補修部品

985

1,668

69.2

 原子力発電所定期検査工事

974

498

△48.8

 その他メンテナンス等の役務提供

2,289

2,896

26.5

 小計

5,965

7,171

20.2

 製鋼事業

 鋳鋼製品

1,118

1,267

13.4

 除染事業

 地域除染等

744

 合計

7,083

9,183

29.6

 

(2) キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は46億36百万円で、前連結会計年度末に比して、10億73百万円増加いたしました。

 この内訳は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 税金等調整前当期純利益を8億1百万円計上したところに、減価償却費4億49百万円、たな卸資産の減少2億19百万円もあり、13億66百万円のキャッシュ・イン(前連結会計年度は2億47百万円のキャッシュ・アウト)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 主に固定資産の取得により1億80百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は2億18百万円のキャッシュ・アウト)となりました。

当連結会計年度は当初、業績悪化によりキャッシュ・フローの状況も悪化すると見込まれたことから、設備投資については必要最低限の維持・更新投資に絞った予算とした結果、わずかのマイナスに留まりました

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 新たな長期借入金4億60百万円、同約定弁済5億33百万円と前連結会計年度の決算に係る株主配当金35百万円等により、1億12百万円のキャッシュ・アウト(前連結会計年度は5億44百万円のキャッシュ・アウト)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

    (自 平成26年10月1日

     至 平成27年9月30日)

前年同期比(%)

バルブ事業(千円)

2,086,284

0.8

製鋼事業(千円)

1,343,439

3.9

合計(千円)

3,429,724

2.0

 (注)1.金額は製造原価によっております。

2.金額には消費税等は含まれておりません。

3.除染事業については、事業の性格上生産実績の概念は馴染みませんので金額及び前年同期比を記載しておりません。

 

(2) 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

バルブ事業

6,933,713

6.2

3,803,935

△5.9

製鋼事業

1,242,184

13.4

398,472

△6.0

除染事業

751,783

7,400

合計

8,927,682

17.1

4,209,807

△5.7

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

    (自 平成26年10月1日

     至 平成27年9月30日)

前年同期比(%)

バルブ事業(千円)

7,171,327

20.2

製鋼事業(千円)

1,267,666

13.4

除染事業(千円)

744,383

合計(千円)

9,183,377

29.6

 (注)1.金額には消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先別

前連結会計年度

    (自 平成25年10月1日

     至 平成26年9月30日)

当連結会計年度

    (自 平成26年10月1日

     至 平成27年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

三菱商事パワーシステムズ株式会社

1,730,767

24.4

2,708,449

29.5

三菱商事株式会社

1,869,385

26.4

1,702,173

18.5

 

3【対処すべき課題】

基本課題

 昨年5月の大飯原発運転差止請求訴訟で原告勝訴の判決があり、本年8月には九州電力川内原発1号機が、新規制基準下で初の再稼働を果たし、3.11以降停滞する感のあった原発を取り巻く状況に、大きな動きが現れているところであります。

 国のエネルギー政策では、原発は今後も重要電源と位置付けられ、安全が確認された原発は再稼動していくとの基本方針ですが、使用済核燃料をはじめとした高レベル放射性廃棄物の最終処理問題は未だ根本的解決策を見出すに至らず、これが再稼働否定派の大きな反対理由になっている状況に変化はありません。

 他にも、原発の高経年化問題、活断層問題、事故発生時の住民避難計画、新規建設の方針などの先行き不確定要素が多く存在することに加え、来るべき電力自由化の中で原発の立ち位置そのものがどうなっていくのかといった本質的な問題もあって、漸く再稼働が実現したとはいえ、今後も国内原発市場は不透明感が拭いきれない中で推移するものと思われます。

 これまでの当社グループのビジネスモデルは、バルブ製品の納入とその後に続くメンテナンスをセットとして捉えることを基本とするもので、国内原発向けのビジネスをその典型として位置付けてきましたが、このような原発マーケットの環境にありましては、まずは過度の原発市場依存体質の改善を第一としたビジネスモデル再構築が必須と考えております。

 

②バルブ事業部門

(新たなマーケットの開発)

 いまさらではありますが、経済発展を続ける中国及び東南アジア諸国では数多くの火力発電所建設計画があり、当社グループが現在の業容を維持しさらに拡大を目指すのならば、この海外電力マーケットに対しどのようなアプローチを行なっていくかが重大な鍵となることは言うまでもありません。

 そしてこれを成功させるためには、当社グループが抱える基本的課題である、コストダウン、販売力強化、調達力強化などの全てを解決する必要があり、まさにこれらの集大成をもってのみ実現し得るものであると考えております。

 また、国内の電力マーケットも、しばらくは火力発電が優勢に推移すると想定され、これまでの経験則に立つなら、特に価格面で相当に厳しい競争に晒されることは避けられず、ここで打ち勝っていくことも、海外マーケットに進出していくことも、基本とする条件は同じであります。

 海外子会社・ネットワークの活用、海外販売力・調達力の強化、海外マーケットの要望に見合う製品の開発・投入など、基本的課題の解決に確実に取り組み、新たなマーケットの開発を急ぎたいと考えております。

 

(既存マーケットでの収益力強化とコスト削減)

 原発向けのバルブ製品、バルブメンテナンスが、売上高の5割以上を占めてきた当社グループでは、短期的には当座の業績維持のための代替収益源確保とコスト削減が最重要施策となっております。

 原発以外の代替マーケットからの収益確保は、「七本の矢」作戦で網羅的に課題を把握し、それぞれに適切な経営資源を投入していくことで確実に実効に繋げていくよう、今後も強力に推進してまいります。

 中・長期的には、原発マーケットは3.11以前の規模にまで回復することは有り得ないと判断されることから、新たな収益基盤を早期に確立する必要がありますが、高温高圧弁の製造・メンテナンス以外の基盤技術を持たない当社グループにおきましては、関連・派生事業の拡大・展開は容易ではないため、既存事業・商圏の洗い直しにより、取りこぼしのない営業活動を展開する必要があります。そのための徹底した顧客フォローと、新たな改善提案を収益に繋げる活動を地道且つ着実に行ってまいります。

 

(技術の伝承)

 当社グループがこれからも原発用バルブのトップメーカーであり続けるためには、技術の確保は最優先課題であり、現状の業績低迷による影響がたとえどのような形であっても、そのことに支障を生じさせるようなものであってはならないと考えております。

 新たな技術者の育成と技術の伝承は、今日、原子力産業全般に広く求められている課題であり、製造・設計といった技術レベルも、バルブメンテナンスの施工能力も一切低下させることなく、全役職員が高い使命感と明確な目標・目的意識をもって、全社一丸となって技術伝承とコスト削減を実現していく決意であります。

 

(コストの低減)

 当社グループのバルブは、一品一品をお客様の仕様に従い労働集約的に生産するため、性能・品質・耐久性で高い評価をいただいておりますが、コスト面ではまだまだ改善の余地を多く残すものと考えております。

 これまでの業績低迷期には、「作る物」より「作り方」に重点をおいてコストダウン施策を実施してまいりましたが、昨今の品質管理の厳格化は必ずしもコスト削減施策とは相容れないことも否定できず、原発向けの厳しい品質管理体制を維持しながら、世界で通じる競争力確保のためのコストダウンを実現していく必要があります。そのためには今一度原点に立ち返り、当たり前ながらも図面、材質など基本からの見直しを図ることで、コストダウンに繋げる活動を進めてまいります。

 

(状態監視保全への対応)

 当社グループのバルブメンテナンスは、高度なバルブ製造技術に裏打ちされた技術力と対応力に、高い評価をいただいており、バルブ製造技術をバルブメンテナンスの現場に活かすことで、常にバルブメンテナンス技術の維持・開発・改良に努めております。

 近年、原発においても、これまでの時間監視保全(TBM)から状態監視保全(CBM)へと基本的な考えを移しつつあります。これらバルブを分解することなく、バルブの健全性を評価する技術・手法の研究とこれを具体化した診断機器の開発は、新たなバルブメンテナンスの高付加価値化のために極めて重大な課題であり、さらにはバルブ製品と一体化したメンテナンスサービスと位置づけることで、バルブ製品の販売にも大きく寄与する可能性があります。

 今後、これら診断機器の機能・バリエーションを強化・拡大し、CBMに着実に対応することで顧客満足度の向上に繋げていくことが課題であると考えております。

 

(ボルティング事業の展開)

 「液圧ナット」は、バルブの配管との接合部やバルブボンネット部の締め付け用として使用することでバルブのメンテナンス性を大幅に改善し、特に原発での採用により、作業者の被ばく低減に絶大な威力を発揮します。しかし、3.11以降の原発マーケットの状況からこれまで苦戦を強いられ、なかなか実績に繋げるには至りませんでしたが、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても原発向けに売上を実現することができ、今後の原発再稼働に係る提案の中で、よりプラントの安全・安定運転に資するツールとして新たな受注に向けて営業活動を展開中であります。

 今後は、当社グループ製バルブ製品、或いはメンテナンス作業との組み合わせでさらに販売を拡大し、中長期的にはこれをひとつの基盤事業とすべく取り組んでいきたいと考えております。

 原発の多くが停止している現況下におきましては、引き続き厳しい環境が続きますが、火力発電所はもちろん、ナットの組み付け・取り外しを頻繁に繰り返す業種及び分野のプラントや機器を中心に販売拡大を図っていく計画であります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 製品、メンテナンス上の瑕疵などに起因する事故等の発生による影響

 当社グループの製品は、原子力発電所をはじめとした、各種産業用プラントの重要部位で採用されているため、その製品の製造上の欠陥及び当社が行ったメンテナンスの不具合等により、動作不良が発生し本来の機能を果たせない場合、重大な事故につながる可能性があります。
 そして万が一そのような事故が発生した場合、その対策等によって、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 災害・事故などによる工場操業停止の影響

 当社グループは、主要素材に鋳鋼を使用する鋳鋼バルブを主に製造しております。
 現在、この鋳鋼部品の生産を当社の製鋼製造本部ですべて行っており、万が一同工場が火災や天災及び不可抗力の事象により操業停止に至るような事態となった場合には、主要材料の調達に大きな影響が発生し、それによる機会損失の発生や納期遅延など当社グループの業績に重大な影響をもたらす可能性があります。
 またこれは、当社のバルブ製造を行う本社工場においても同様であり、尼崎市の工場の他には生産拠点を有していないため、火災などによる工場操業停止は当社グループの業績に重大な影響をもたらすものと考えられます。

 

(3) コンピューター設備の停止による影響

 基幹業務のほぼすべてが電算システムにより処理される状況下にあっては、何等かの事象によるシステムの停止は生産活動に重大な影響をもたらします。
 当社グループは、阪神大震災の貴重な教訓を生かし、サーバールームに高度な耐震講造を施工するとともに、特殊消火装置を設置するなど防災面で可能な限りの対応を実施しておりますが、例えば大幅な費用負担が必要なサーバーの多重化などには至ってはおらず、また、災害のみならずウィルスなどによるシステム停止など、有事に際しシステム復旧が遅れるような状態となった場合には当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(4) 環境規制の強化による影響

 当社グループの主要顧客は国内の原子力・火力発電所ですが、これら主要顧客の多くは、今後具体化していく温室効果ガス削減目標の達成に際し重大な役割を担う業種及び事業者であります。
 今後、削減目標達成の施策が具体化されていく中においては、自社での排出削減のみならず、環境対策に積極的な取引先からの資材調達、いわゆるグリーン調達などが強力に実施される可能性があります。
 現在、当社グループはISO14000認証を取得しておりませんので、これからの事業展開の上からも認証取得が必要となる可能性がありますが、取得に要する費用などの発生や、また、取得の時期や成否などによっては受注機会を失うなど当社グループの業績に影響をもたらす可能性があります。

 

(5) 特定の分野に対する取引の依存

 当社グループのバルブ事業の売上は、国内原子力発電所向けが重要な割合を占めております。そのため原子力発電所において事故等が発生し運転が停止され、その停止期間が長期に亘るような場合においては、概ね13ヶ月間隔で実施される定期検査をはじめとした各種メンテナンス計画が順延されることになります。
 また、その事故等の原因・内容如何によりましては、他の原子力発電所においても運転を停止し点検を行う事態となる場合もあり、そういった場合、当社グループの業績に重大な影響をもたらす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

 当社グループの一部事業は、建設業法の規制を受けることから、建設業法に基づく、一般建設業、特定建設業の許可を得ております。
 これら許可を得るためにはいくつかの要件を充足する必要がありますが、今後、何等かの事由により、要件を充足できなくなった場合には、これら許可を継続することができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
 また、今後、新たな法令等の制定、改廃などにより、当社グループの事業活動が影響を受け、業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)業務提携受入契約

契約会社名

相手先

国名

契約品目

契約内容

契約期間

東亜バルブエンジニアリング㈱

アルカ・レーグラー社

ドイツ

コントロール弁

日本国内における販売・メンテナンス権の許諾、共同開発の締結

平成27年9月1日から

平成28年8月31日まで

東亜バルブエ

ンジニアリング㈱

ドレモ社

ドイツ

弁駆動装置

日本国内における販売・メンテナンス権の許諾

平成27年11月25日から

平成28年11月24日まで

東亜バルブエ

ンジニアリング㈱

㈲テクノプランツ

日本

液体圧装置

日本国内における製造・販売に関する特許実施権の許諾

平成23年2月25日から特許の存続期間まで

 

(2)業務提携援助契約

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

HEハルピン・パワー・プラント・バルブ社

中国

抽気逆止弁

鍛造玉型弁

平成22年7月28日

技術的知識、情報及びノウハウの提供

平成22年7月28日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで

 

HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社

中国

湿分分離加熱器逃し弁

平成25年4月18日

技術的知識、情報及びノウハウの提供

平成25年4月18日から23年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで

HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社

中国

原子力発電所用抽気逆止弁

平成25年4月18日

技術的知識、情報及びノウハウの提供

平成25年4月18日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、顧客との対面活動より顧客が求めている提案とは何かと視野拡大により深層追究することで、当社グループの目指すバルブ総合エンジニアリングサービスの高度化につなげていくものであると位置付けております。そのため、営業部門をはじめとした関連各部門との情報連携を高めることで、相乗効果を発揮させると同時に、顧客ニーズの発掘と把握に努めております。

 また、実際の研究活動に際しては、研究部門の各人が能動的な取組みを行うことで、物づくりへの広角発想を通じ、自らの手で未来を拓くという気概を持たせると同時に、研究プロセスでは、仲間と苦楽を共にすることで、力を合わせ想いを実現していくという企業文化の醸成に努めております。

 そして、問題点を相互の啓発によって解決すると同時に、そのプロセスから派生した技術を生かし、新たな研究開発テーマが生まれるという好循環による発展を目指しております。

 当社グループの研究開発体制は、主に二つに分かれ、各部門での固有の問題点、例えば、生産効率の改善、新しいメンテナンス方法の開発等はそれぞれの部門内で実施し、課題や研究資源が全社的に及ぶ活動については、開発部が主体となって実施しております。

 しかし、これらによって得られた成果は、開発部で一元的に管理され、必要に応じ、関連各部門にフィードバックでき、開発や研究の効率が決して低下することのないような体制としております。

 また、研究開発がともすれば大きく現実の課題と乖離することがないように、或いは、喫緊の課題に適切な優先順位をつけて確実に対応していくため、経営と開発活動の連携を常に意識し、経営から出された課題・問題点をすばやく、且つ確実に解決・具体化出来るように取組んでおります。

 以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、138,805千円であります。

 

 各セグメントにおける主な研究開発の内容は、次のとおりであります。

 

 (バルブ事業)

 1.A―USC(先進超々臨界圧発電技術)用の安全弁と一般弁の試作研究

 2.弁開閉表示装置の開発

 3.高付加価値安全弁の設計研究

 4.手動弁の低操作力弁の開発

 5.9CrMoV鋼の弁座交換工法の研究

 6.自動溶接装置の開発

 7.PCVソレノイド駆動装置の開発

 8.ニードル弁のキャビテーションに関する検証試験

  これらバルブ事業に係る研究開発費は、138,805千円であります。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

(資産の部)

 当連結会計年度末の資産の部の合計額は115億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ5.5%の増加となりました。流動資産では営業利益の増加などにより現金及び預金が増加し、前連結会計年度末に比して12.6%増加し、93億93百万円となりました。また、固定資産では主に減価償却費によるもので、前連結会計年度末に比べ17.0%減少し、21億65百万円となりました。

(負債の部)

 当連結会計年度末の負債の部の合計額は44億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ1.7%の増加となりました。流動負債では、主に1年内返済予定の長期借入金が増加したことによるもので、前連結会計年度末に比べ15.2%増加し、26億22百万円となりました。また、固定負債では新たに長期借入れを実施いたしましたが、この約定返済等により、前連結会計年度末に比べ12.8%減少し、18億53百万円となりました。

(純資産の部)

 当連結会計年度末の純資産の部は、当連結会計年度の当期純利益の計上と株主への配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ8.1%増加し、70億82百万円となりました。

 

(2) 経営成績

(売上高)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ20億99百万円増加し、91億83百万円(前年同期比29.6%増)
となりました。この主な増収要因は、前連結会計年度と比べ原子力発電所の再稼働準備等の関連工事が増加したことに加え、当連結会計年度での除染工事量も増加したことなどによるものであります。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ19億25百万円増加し、7億26百万円(前連結会計年度は11億98百万円の営業損失)となりました。この主な要因は、売上高の増加によるものであります。

(当期純利益)

 当連結会計年度の当期純利益は、上記の営業利益に営業外損益の純額81百万円を加算し、これに特別損益の純額6百万円を減算し、次に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額及び少数株主利益を差し引いた結果、6億94百万円(前連結会計年度は11億50百万円の当期純損失)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

 資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」を参照ください。