(1) 業績
当連結会計年度(平成27年10月1日から平成28年9月30日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなかで、政府はじめ日本銀行等の各種政策の効果もあって、緩やかな回復の中で推移いたしました。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業としておりますが、主力マーケットである原子力発電所(以下、「原発」)については、現在、九州電力川内原発1・2号機、四国電力伊方原発3号機が再稼働したものの、この先の見通しは決して順調とも明るいとも言えない状況にあって、当社グループの収益基盤である原発向け定期検査工事の安定的受注復活には、今なお厳しい環境が続いております。
このように、原発マーケットの低迷が続く中にあっても、原発用重要弁を納入してきた企業としての社会的責任を全うするため、再稼働後の定期検査工事体制を技術と施工能力両面で維持することを重要課題と意識しつつ、今後の再稼働に向けての整備・対策工事に伴う各種バルブ、サービス、関連機器等、スポット案件の受注・販売活動を継続してまいりました。
当社グループのもうひとつの収益の柱である火力発電所マーケットについては、長期に亘る原発停止を経て、省エネ意識の徹底や再生可能エネルギーの拡大などにより電力供給の安定化が徐々に図られてきたことから、各火力発電プラントにおいて大掛かりなメンテナンスが順次行われる状況にあって、輻輳するこれら案件を効率的に施工する体制を確立することで取りこぼしを無くし、確実に業績につなげるべく尽力してまいりました。
また当連結会計年度の2月には、株式会社キッツ(以下、「キッツ」)との間で、資本業務提携契約を締結いたしました。
この業務提携は、本年9月30日に公表した第1次中期経営計画「2021・100年前夜 TVE再成長プラン」(以下、「中期経営計画」)(※)において、『新分野・新市場への取り組み』、『社内構造改革』と併せ、中期経営目標達成のための重要施策に位置付け、技術・製造・販売・調達・メンテナンス・製鋼の各分野で協調を図ることでより大きな相乗効果を生み出し、今後の業績の拡大につなげていきたいと考えております。早速、当連結会計年度におきまして、中国向け安全弁の主要部品をキッツ経由で調達することでコストダウンを実現しており、当該案件は当連結会計年度に売上を計上いたしました。
現時点では調達可能な部品の範囲・素材・仕様・顧客意向などの制約から、金額的にも物量的にも僅かなものに留まりますが、この実績を足掛かりにして、今後さらにコストダウンをはじめ提携効果を具体化していきたいと考えております。
そして、中期経営計画の策定に併せ、本年10月からは2012年以降継続してきた収益改善プロジェクトである『七本の矢』作戦を『プロジェクト7』として再スタートしました。キッツとの業務連携による成果・従業員のマインドに与える影響を当社グループの多方面に取り込みながら、企業基盤の高収益体質化への改革を進めていく計画です。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に引き続き火力発電所向けが好調に推移したものの、原発向けが前連結会計年度に比して減収になったことを主因に、売上高85億20百万円(前年同期比7.2%減)に留まり、この減収に加え、仕掛品の減少により当連結会計年度の固定費負担が増加したことなどから、営業利益は2億47百万円(同66.0%減)、経常利益は2億95百万円(同63.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2億31百万円(同66.6%減)となりました。
報告セグメント別の状況については、バルブ事業では、原発再稼働準備に伴うバルブ需要がひと段落したことから、前連結会計年度に比して新製弁、部品関連の売上が減少し、火力発電所向けを中心にメンテナンス関連の受注が伸びたものの全体としては売上高65億58百万円(前年同期比8.5%減)、セグメント利益10億4百万円(同35.7%減)となりました。
製鋼事業は、三重県伊賀市の鋳造専用工場を製造拠点としており、バルブ製造のひとつの工程としてバルブの主要鋳鋼部品を製造することを主要業務としておりますが、前述のとおりバルブ事業が低迷する中にあっては、生産能力分の工場稼働確保が収益性改善のための基本的課題となっています。
これまで、形状的・素材的高難度案件の受注拡大と、鋳鋼素材に機械加工・非破壊検査などを付加することで顧客満足度を高めながら受注価格の引き上げを図り、同時に鋳物の宿命である内部欠陥対策コストの低減につなげていくことを主要政策に業績の改善を図ってまいりました。
しかし、鋳鋼製品の市場価格低迷と、容易には解決できない製鋼事業独特の制約が多々あることから、セグメント利益の黒字化には未だ至っておりませんが、当連結会計年度においては特に新規顧客開拓に重点を置いた営業拡大策により、売上高14億15百万円(前年同期比11.6%増)、セグメント損益は1億7百万円の赤字(前年同期は1億54百万円の赤字)と、赤字幅を縮小することができました。
除染事業は、福島県いわき市に本社を置く連結子会社の東亜クリエイト株式会社が事業活動を展開しており、原発向けバルブメンテナンス事業で培った放射線管理業務のスキルを活かし、福島第一原発事故による放射線汚染地域の除染を足掛かりとし、今後の原発廃炉関連業務への発展・拡大を目指しております。
現在のところは、福島県下の地域除染と放射線汚染水処理プラントや低レベル放射性廃棄物焼却プラントへのオペレーター派遣を主たる事業内容としておりますが、当連結会計年度は地域除染が徐々に縮小傾向に入ったことから収益が伸び悩み、売上高5億46百万円(前年同期比26.6%減)、セグメント利益は51百万円(同25.9%減)の減収減益となりました。
※第1次中期経営計画「2021・100年前夜 TVE再成長プラン」は、当社ウェブサイトに掲載しております。
表:報告セグメント内の種類別売上高
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報告セグメント |
種類別の売上高 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
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バルブ事業 |
バルブ(新製弁) |
2,107 |
1,401 |
△33.5 |
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バルブ用取替補修部品 |
1,668 |
1,136 |
△31.9 |
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原子力発電所定期検査工事 |
498 |
659 |
32.3 |
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その他メンテナンス等の役務提供 |
2,896 |
3,361 |
16.0 |
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小計 |
7,171 |
6,558 |
△8.5 |
|
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製鋼事業 |
鋳鋼製品 |
1,267 |
1,415 |
11.6 |
|
除染事業 |
地域除染等 |
744 |
546 |
△26.6 |
|
合計 |
9,183 |
8,520 |
△7.2 |
|
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は36億52百万円で、前連結会計年度末に比して9億83百万円減少しました。
この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を2億84百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を2億88百万円計上しましたが、期末月の売上集中が前連結会計年度に比して顕著であったことから、営業債権、仕入債務、たな卸資産の合計がキャッシュ・アウトになったことに加え、消費税等、法人税等の支出により、3百万円のキャッシュ・イン(前年同期比99.8%減)に留まりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
事務所空調機器の既存設備の更新、また、基幹システムサーバー機器更新、基幹システム高度化などの固定資産の取得を中心に94百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は1億80百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
銀行からの長期借入金の返済を中心に、前連結会計年度に係る期末配当、当連結会計年度の中間配当の実施、自己株式取得などにより、8億86百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は1億12百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日) |
前年同期比(%) |
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バルブ事業(千円) |
1,435,706 |
△31.2 |
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製鋼事業(千円) |
1,489,821 |
10.9 |
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合計(千円) |
2,925,527 |
△14.7 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
3.バルブ事業のメンテナンス等及び除染事業については、事業の性格上生産実績の概念は馴染みませんので金額及び前年同期比を記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
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バルブ事業 |
6,643,144 |
△4.2 |
3,888,119 |
2.2 |
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製鋼事業 |
1,537,600 |
23.8 |
520,971 |
30.7 |
|
除染事業 |
740,192 |
△1.5 |
200,911 |
- |
|
合計 |
8,920,938 |
0.1 |
4,610,002 |
9.5 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業(千円) |
6,558,960 |
△8.5 |
|
製鋼事業(千円) |
1,415,101 |
11.6 |
|
除染事業(千円) |
546,681 |
△26.6 |
|
合計(千円) |
8,520,743 |
△7.2 |
(注)1.金額には消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先別 |
前連結会計年度 (自 平成26年10月1日 至 平成27年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年10月1日 至 平成28年9月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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三菱商事パワーシステムズ株式会社 |
2,708,449 |
29.5 |
2,337,968 |
27.4 |
|
三菱商事株式会社 |
1,702,173 |
18.5 |
1,235,733 |
14.5 |
①基本課題
当社グループはこれまで国内原発の原型炉、実証炉、商用炉全てにバルブを納入してまいりました。原発黎明期においては主要なバルブは海外製品が導入されていましたが、現在では、特にPWRと呼ばれる加圧水型原発の重要なバルブ・安全弁は当社製品をご採用いただいております。
このように当社グループは日本の原発の発展とともに歩んでまいりました。よって原発に対する企業責任、つまり原発用機器製造納入事業者としての責任と使命は今後も何があっても果たしていくことを基本的な会社方針としております。しかし昨今の原発を取り巻く状況は当社グループにとって非常に厳しいものとなっています。特に司法判断により原発が再稼働できない、或いは運転を停止する状況には強い危機感を抱かざるを得ません。
いわゆる3.11による福島第一原発事故以降、当社は売上高を20%以上減らしています。そして、見込み生産や定期保守契約などを伴わない個別受注型の事業形態は、その時々の受注の状況により生じるたな卸資産の増減に業績を左右され、労働集約的に行われるこれら生産・サービスでは原価に占める固定費の割合が大きいことから収益増減による利益感応度が高く、なかなか業績の安定化を実現できない状況です。
当社グループは予てより特定の事業分野への過度の依存をリスクとして認識し開示してまいりましたが、全く想定外の事態によりこれが顕在化し、昨今の厳しい状況に陥ることとなりました。二度と同じ轍は踏まないことを肝に銘じながら、しかし原発関連企業として責任を全うするために何が必要か、何をすべきかを考え、遅ればせながらではありますが本年9月30日に中期経営計画を公表しました。
この中の主要政策立案に際しては、業績の改善にサプライズや奇策は必要無く、バルブ事業をさらに深化させることこそが王道であるとの認識のもと、キッツとの業務連携を含めた重層的な施策による海外市場展開の拡大、廃炉事業への参画、経営基盤の強化を主要施策と位置付けました。これを確実に実施、進めることで、中期経営計画を必達することが基本課題であると認識しております。
②バルブ事業部門
(新たなマーケットの開発)
旺盛な経済発展を続ける中国及び東南アジア諸国では数多くの火力発電所建設計画がありますが、当社グループが現在の業容を維持しさらに拡大を目指すのならば、この海外電力マーケットに対しどのようなアプローチを行っていくかが重大な鍵となることは言うまでもありません。そして本年9月には、気候変動枠組条約国会議のいわゆる「パリ協定」を中国が批准する見込みとなったことから、今後、同国における電力政策に変化が生じるかもしれない状況となってきました。
しかしいずれにせよ、海外市場の開拓を成功させるためには、当社グループが抱える基本的課題である、コストダウン、販売力強化、調達力強化など全てを解決する必要があり、まさにこれらの集大成として実現し得るものであると考えております。
そしてこれら多くの課題は、本年度に締結したキッツとの業務提携が解決の糸口となり得るものと考えており、これまでの営業政策を引き続き展開しながら、より早く・広く・着実に推進するための協調を行ってまいります。
(情報の活用)
ビッグデータやセンシング技術などが事業に取り込まれ、多方面で新たなマーケットの創出、ビジネスモデルの開発につながっています。さらにはコンピューターを離れ、何かをインターネットにつなぐことで新たなビジネスを広げるIoT技術も話題になってきました。
当社グループにおいても、長年の経験や知見、そして電力用バルブメーカーとしてのブランド力や市場シェアを活かし、「情報」や「ノウ・ハウ」を商品とした事業展開の可能性についてさらに深く掘り下げる必要があると考えています。
当社グループはこれまで、良くも悪くも愚直なまでに実直なメーカー精神により会社を支えてきましたが、「モノ」、さらに言えば「バルブそのもの」から離れることで何ができるのかを考え、実践していくことが今後の課題と考えております。
(技術の伝承)
当社グループがこれからも原発関連企業として責任を全うし、産業用バルブのトップメーカーであり続けるためには、技術の維持・発展は最優先課題であり、現在の業績低迷を理由になおざりにされるようなことがあってはならないと考えております。
技術は常に進歩し、知見も経験もそれに伴い更新され発展していきます。そのような中にあっては、従来のような職人育成型の技能伝承に固執するようなことがあってはならず、科学的で合理的で持続性をもった技能の伝承が重要であると考えています。
そしてその結果として、全役職員が高い使命感と明確な目標・目的意識をもって、全社一丸となって会社の持続性を確保していく決意であります。
(コストの低減)
当社グループのバルブは、一品一品をお客様の仕様に従い労働集約的に生産するため、性能・品質・耐久性で高い評価をいただいておりますが、コスト面ではまだまだ改善の余地を多く残すものと考えております。これまでの業績低迷期には、「作る物」より「作り方」に重点をおいてコストダウン施策を実施してまいりましたが、昨今の品質管理の厳格化は必ずしもコスト削減施策とは相容れないことも否定できず、原発向けの厳しい品質管理体制を維持しながら、世界で通じる競争力確保のためのコストダウンを実現していく必要があります。そのためには今一度原点に立ち返り、当たり前ながらも図面、材質など基本からの見直しを図ることで、コストダウンにつなげる活動を進めてまいります。
当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 製品、メンテナンス上の瑕疵などに起因する事故等の発生による影響
当社グループの製品は、原子力発電所をはじめとした、各種産業用プラントの重要部位で採用されているため、その製品の製造上の欠陥及び当社グループが行ったメンテナンスの不具合等により、動作不良が発生し本来の機能を果たせない場合、重大な事故につながる可能性があります。
そして万が一そのような事故が発生した場合、その対策等によって、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 災害・事故などによる工場操業停止の影響
当社グループは、主要素材に鋳鋼を使用する鋳鋼バルブを主に製造しております。
現在、この鋳鋼部品の生産を三重県伊賀市の伊賀工場ですべて行っており、万が一同工場が火災や天災及び不可抗力の事象により操業停止に至るような事態となった場合には、主要材料の調達に大きな影響が発生し、それによる機会損失の発生や納期遅延など当社グループの業績に重大な影響をもたらす可能性があります。
またこれは、当社のバルブ製造を行う本社工場(兵庫県尼崎市)においても同様であり、本社工場の他には生産拠点を有していないため、火災などによる工場操業停止は当社グループの業績に重大な影響をもたらすものと考えられます。
(3) コンピューター設備の停止による影響
基幹業務のほぼすべてが電算システムにより処理される状況下にあっては、何等かの事象によるシステムの停止は生産活動に重大な影響をもたらします。
当社グループは、阪神大震災の貴重な教訓を生かし、サーバールームに高度な耐震講造を施工するとともに、特殊消火装置を設置するなど防災面で可能な限りの対応を実施しておりますが、例えば大幅な費用負担が必要なサーバーの多重化などには至ってはおらず、また、災害のみならずウィルスなどによるシステム停止など、有事に際しシステム復旧が遅れるような状態となった場合には当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(4) 特定の分野に対する取引の依存
当社グループのバルブ事業の売上は、原子力・火力発電所に代表される国内電力マーケット向けが重要な割合を占めており、中でも原発マーケットはその市場特性から業績の安定維持には欠かせないものと考えてきました。しかし福島第一原発事故以降その市場安定性は完全に喪失し、現在は不確実な中での事業運営が続いているところですが、電力自由化によって、さらに不確実性が増すのではと危惧する状況です。電力自由化の枠組みが最終的にどう決着するかはさておき、既存小売電力会社、新電力、ガス等他のエネルギー供給業者間の競争が激化し、当社グループもコスト競争に巻き込まれるのは必至であり、当社グループが主要マーケットであると考える国内電力市場がいつまでそうあり続けるのかさえも不確実な状況にあるのかもしれません。
この確実にやってくる氷河期ともいえるような時代にどのように備え、取り組んでいくかによって、当社グループの業績が、大きく左右される可能性があります。
(5) 法的規制について
当社グループの一部事業は、建設業法の規制を受けることから、建設業法に基づく、一般建設業、特定建設業の許可を得ております。
これら許可を得るためにはいくつかの要件を充足する必要がありますが、今後、何等かの事由により、要件を充足できなくなった場合には、これら許可を継続することができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、今後、新たな法令等の制定、改廃などにより、当社グループの事業活動が影響を受け、業績に影響を与える可能性があります。
(1)業務提携受入契約
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契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
東亜バルブエンジニアリング㈱ |
アルカ・レーグラー社 |
ドイツ |
コントロール弁 |
日本国内における販売・メンテナンス権の許諾、共同開発の締結 |
平成28年9月1日から 平成29年8月31日まで |
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東亜バルブエ ンジニアリング㈱ |
ドレモ社 |
ドイツ |
弁駆動装置 |
日本国内における販売・メンテナンス権の許諾 |
平成28年11月25日から 平成29年11月24日まで |
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東亜バルブエ ンジニアリング㈱ |
㈲テクノプランツ |
日本 |
液体圧装置 |
日本国内における製造・販売に関する特許実施権の許諾 |
平成23年2月25日から特許の存続期間まで |
(2)業務提携援助契約
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相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
抽気逆止弁 鍛造玉型弁 |
平成22年7月28日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成22年7月28日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
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HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
湿分分離加熱器逃し弁 |
平成25年4月18日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成25年4月18日から23年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
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HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
原子力発電所用抽気逆止弁 |
平成25年4月18日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成25年4月18日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
(3)資本業務提携契約など
当社は、平成28年2月12日開催の取締役会において、株式会社キッツ(以下、「キッツ」)との間での資本業務提携契約を締結する旨を決議し、同日、契約を締結しました。
これに関連し同日、これまで当社の主要株主であった三菱商事株式会社(以下、「三菱商事」)が保有する当社株式の全数がキッツに譲渡され、キッツは当社の主要株主となりました。
1.資本業務提携を行う理由
当社は、原子力・火力発電所向けの高温高圧弁の製造・販売・メンテナンスを主要な事業としており、特に原子力発電所(以下、「原発」)向けバルブ事業は、当社グループの中核事業に位置付け、これまで幅広く製品を納入し、メンテナンスを行ってまいりました。
しかし、福島第一原発事故以降、原発の運転再開遅れから、収益基盤である原発向け定期検査工事が皆無となり、今後、原発市場は徐々に回復に向かうとの想定ではあるものの、事故以前の規模にまで市場が回復することは想定し難く、喪失することになった収益をいかに補うかが重要な経営課題となっており、これまでの原発マーケットへ過度に依存してきたビジネスモデルの抜本的な見直しが急務となっております。
こういった状況に対応するため当社では、「七本の矢」作戦を平成24年より開始し、短期的には早急な業績改善を、中長期的には経営基盤の安定化を図るべく、収益・コストの両面から課題設定を行い、その解決のための諸施策を精力的に実施してまいりました。
その中で、収益サイドの視点からは、製品の多様化によるワン・ストップ提案の実現と海外販売ネットワークの拡充が、コストサイドの視点からは、海外調達強化と量産技術応用によるコストダウンがそれぞれ主要課題として認識され、その解決法として、共通の価値観を有し、業務全般に亘り協力関係を構築できるパートナーを得ることが、その有力な施策になり得るものとして業務提携の検討を開始しました。
キッツは、石油・ガス業界を主要なマーケットとしてバルブ事業を展開しており、国内外に多数の製造・販売拠点をもつ、バルブ製造事業者としては国内第一位、世界でも十指に入る企業であり、国内のみならず世界レベルでそのブランドを確立しております。
当社とキッツは、長期的視点から、両社のもつ強みを相互に取り入れ、協調してグローバル市場での競争力を高め、事業・業績を拡大していくことで、両社の企業価値の更なる向上を目指すべく協議を重ねてまいりました。その結果、資本業務提携契約を締結することについての今般の合意に至りました。
また、この業務提携目的の実現について、実効性を持ち確実なものとするため、資本提携を併せて実施するものとし、キッツは三菱商事より同社が保有する当社株式全数の譲渡を受け、新たに主要株主となりました。
2.業務提携の内容等
(1)業務提携の内容
①調達協力:相互の国内外調達先を活用し、材料の調達に協力する。
②技術協力:相互に技術情報を提供し、必要に応じて共同開発をする。
③生産協力:相互の販売品、もしくは共同開発品を、相互の生産拠点を活用し、最適な生産手段を構築する。
④販売協力:「石油及びガス分野」並びに「電力分野」において、相互の製品、もしくは共同開発品を、最適な手段 により販売する。
⑤サービス協力:相互のメンテナンス機能を活用し、最適なサービス体制を構築する。
(2)相手方に新たに取得された株式の数及び発行済株式に対する割合
キッツは当社株式302,200株を取得しております。この取得株式数の、当社の発行済株式総数2,678,600株に対する割合は11.28%となります。
3.業務提携の相手先の概要(平成28年3月31日現在)
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(1)名称 |
株式会社キッツ |
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(2)所在地 |
千葉県千葉市美浜区中瀬一丁目10番1 |
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(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 堀田 康之 |
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(4)事業内容 |
バルブ及びその他流体制御用機器並びに付属品の製造・販売 |
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(5)資本金 |
21,207百万円 |
当社グループの研究開発活動は、顧客との対面活動より顧客が求めている提案とは何かと視野拡大により深層追究することで、当社グループの目指すバルブ総合エンジニアリングサービスの高度化につなげていくものであると位置付けております。そのため、営業部門をはじめとした関連各部門との情報連携を高めることで、相乗効果を発揮させると同時に、顧客ニーズの発掘と把握に努めております。
また、実際の研究活動に際しては、研究部門の各人が能動的な取組みを行うことで、物づくりへの広角発想を通じ、自らの手で未来を拓くという気概を持たせると同時に、研究プロセスでは、仲間と苦楽を共にすることで、力を合わせ想いを実現していくという企業文化の醸成に努めております。
そして、問題点を相互の啓発によって解決すると同時に、そのプロセスから派生した技術を生かし、新たな研究開発テーマが生まれるという好循環による発展を目指しております。
当社グループの研究開発体制は、主に二つに分かれ、各部門での固有の問題点、例えば、生産効率の改善、新しいメンテナンス方法の開発等はそれぞれの部門内で実施し、課題や研究資源が全社的に及ぶ活動については、技術部開発課が主体となって実施しております。
しかし、これらによって得られた成果は、技術部開発課で一元的に管理され、必要に応じ関連各部門にフィードバックでき、開発や研究の効率が決して低下することのないような体制としております。
また、研究開発がともすれば大きく現実の課題と乖離することがないように、或いは、喫緊の課題に適切な優先順位をつけて確実に対応していくため、経営と開発活動の連携を常に意識し、経営から出された課題・問題点をすばやく、且つ確実に解決・具体化出来るように取組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、124,228千円であります。
各セグメントにおける主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
(バルブ事業)
1.A―USC(先進超々臨界圧発電技術)用の安全弁と一般弁の試作研究
2.弁開閉表示装置の開発
3.弁座交換装置の開発(弁座切削装置、溶接装置)
4.膨張黒鉛ガスケットの適用範囲拡大に関する研究
5.9CrMoV鋼の弁座交換工法の研究
6.PCVソレノイド駆動装置の開発
7.安全弁の吹出し係数向上の検討
これらバルブ事業に係る研究開発費は、123,217千円であります。
(製鋼事業)
高温高圧用9CrMoW鋳鋼素材の開発
これら製鋼事業に係る研究開発費は、1,010千円であります。
(1) 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産の部の合計額は107億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ6.6%の減少となりました。流動資産では主に契約に基づく銀行借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比して7.1%減少し、87億28百万円となりました。また、固定資産では、基幹業務系システムの機器更新などに伴い、リース資産、ソフトウエアなどの増加がありましたが、減価償却の実施に比して新規設備投資が及ばなかったことから、前連結会計年度末に比べ4.6%減少し、20億65百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債の部の合計額は36億79百万円となり、前連結会計年度末に比べ17.8%の減少となりました。流動負債では、主に1年内返済予定の長期借入金が減少したことによるもので、前連結会計年度末に比べ11.1%減少し、23億31百万円となりました。また、固定負債では、主に長期借入金の約定返済等により、前連結会計年度末に比べ27.2%減少し、13億48百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産の部は、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益の計上と株主への配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ0.4%増加し、71億14百万円となりました。
(2) 経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ6億62百万円減少し、85億20百万円(前年同期比7.2%減)
となりました。この主な減収要因は、前連結会計年度に引続き火力発電所向けの関連工事が好調でありましたが、原子力発電所向けのバルブ(新製弁)などが前連結会計年度より減少したことなどによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ4億79百万円減少し、2億47百万円(前年同期比66.0%減)となりました。この主な要因は、売上高の減少に加え、仕掛品の減少により当連結会計年度の固定費負担が増加したことなどによるものであります。
(当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の営業利益に営業外損益の純額48百万円を加算し、これに特別損益の純額6百万円を減算し、次に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、2億31百万円(前年同期比66.6%減)となりました。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」を参照ください。