文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客様のニーズに沿ったバルブの製造からメンテナンスまで、バルブのトータルライフにわたるさまざまなサービスをスピーディにご提供できる体制作りに弛まぬ努力を続けております。お客様に安心してご使用いただける高品質・高性能なバルブ製品、バルブの予防保全に絶大な力を発揮する診断機器、豊富な知識・経験を持つ技術者によるメンテナンスサービスなどで、全国の原子力発電所、火力発電所をはじめとする各種産業用プラントの安全で安定した運転のお手伝いを通じ、社会に貢献できる企業グループであり続けたいと考えております。当社グループでは、グループ会社共通の社是として、
一 信頼される企業として社会の進歩に貢献する
一 誠実と融和により健康で活気のある職場をつくる
一 経営の刷新と技術の開発につとめる
を掲げ、全役職員のベクトルを同じ方向に揃えグループ力の結集を図ることで、顧客満足度を高め、社会・地域の健全な発展に貢献し、従業員とその家族の生活を守り、株主への適正な利益分配を行い、安定的持続可能な強固で粘りのある企業体質の構築を目指しております。
また、当社グループの主な事業である、バルブ製品の製造、メンテナンスとも、高い技術を持つ地域の協力工場や、厳しい工期と過酷な環境下でのメンテナンス作業に従事される外注技術者など、数多くの関係取引先のご協力を頂戴することで成り立っており、常に感謝の心を忘れることなく、今後も関係取引先との相互発展を基本とした強い信頼・協力関係を構築してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが製造いたしますバルブ製品、鋳鋼製品のほとんどは、お客様の個別仕様書によって受注・生産を行っており、汎用品はごく一部にすぎません。また、バルブメンテナンスサービスにつきましても、一般的な定期保守点検契約のようなものは存在せず、比較的安定的に売上が望まれる原子力発電所の定期検査工事を除いては、基本的にプラントの運転状況とそれに応じた当社の営業活動の成果によるものであります。
よって各年度の売上高は必ずしも安定したものではないため、損益も同様に年度毎の山谷が非常に激しくなる可能性があり、特にバルブ事業は、売上の増減に加えその時々の工場操業度によっても損益に少なからず変動が発生し、目標とする経営指標として、例えば投下資本に対する利益率等を設定したとしても、以上のような理由から分子となる利益の変動が大きく、安定的且つ継続的な目標指標とすることは困難であると考えております。
このため、年度計画及び中期収益計画の策定に際しては、各年度に予想される市場環境から受注想定案件を積み上げることにより、売上高、営業利益、経常利益を予算化することとしております。
そして個々の案件の受注時には、厳密な貢献利益(限界利益)管理のもと、その時々の工場操業度と平準化効果、社員・外注作業者の最適要員配置、後年度における期待収益性などを重要な要素として受注判断を行うことで利益管理を実施しており、これにより機会損失を最小化し、獲得利益の最大化を計っております。
(3)会社の対処すべき課題
①基本課題
当社グループはこれまで国内原発の原型炉、実証炉、商用炉全てにバルブを納入してまいりました。原発黎明期においては主要なバルブは海外製品が導入されていましたが、現在では、特にPWRと呼ばれる加圧水型の重要なバルブ・安全弁は当社製品をご採用いただいております。
このように当社グループは日本の原発の発展とともに歩んでまいりました。よって原発用機器を製造する事業者としての責任と使命は今後も何があっても果たしていくことを基本的な会社方針としております。
東日本大震災の津波による福島原発事故から7年が経過し、これまでに5原発9基で再稼働が実現しました。今後、これら原発の定期検査による収益が見込める状況ですが、それでも事故以前の水準には程遠く、強い収益の柱を得ることが最重要課題であることに変わりはありません。
また、赤字案件の受注により計上を求められる受注損失引当金や、受注生産型事業では不可避といえる工場操業度の変化で、なかなか業績を安定させることができない状況が続いています。
当社グループは予てより特定の事業分野への過度の依存をリスクとして認識し開示してまいりましたが、全く想定外の事態によりこれが顕在化し、昨今の厳しい状況に陥ることとなりました。二度と同じ轍は踏まないことを肝に銘じながら、しかし原発関連企業として責任を全うするために何が必要か、何をすべきかを考え、中期経営計画を策定し当社ウェブサイトに公表しております。
この中では、2022年3月に迎える創業100周年までに、まずは従前のレベルまで業容を回復させることを大きな目標に据えております。しかし、コスト対策については縮小する市場に対応した固定費削減や生産性改善はある程度実現したものの、肝心の収益対策は足踏み状態が続いています。
今後は原発再稼働を追い風に、バルブ事業をさらに深化させることを基本に、2016年に実施した株式会社キッツとの連携による海外市場展開の拡大、廃炉事業への参画、経営基盤の強化を主要施策と位置付けています。これを確実に実施、進めることで、中期経営計画を必達することが基本課題であると認識しております。
②バルブ事業部門
(新たなマーケットの開発)
旺盛な経済発展を続ける中国及び東南アジア諸国ではまだまだ電力不足に苦しむ地域が多くあり、今後も発電所建設が進むものと想定されます。当社グループが現在の業容を維持しさらに拡大を目指すのならば、この海外電力マーケットに対しどのようなアプローチを行っていくかが重大な鍵となることは言うまでもありません。
しかし世界は、温室効果ガス削減の必要から、特に石炭火力発電に対する厳しい姿勢を強めつつあります。また国内においても環境面から新設火力発電所に対する規制の強化と並行し、既存火力発電所に対する規制緩和が進むなど、当社グループの営業戦略も軌道修正を強いられている状況です。
どのような状況にせよ、海外市場の開拓を成功させるためには、当社グループが抱える基本的課題である、コストダウン、販売力強化、調達力強化など全てを解決する必要があり、まさにこれらの集大成として実現し得るものであると考えております。
こういった中、株式会社キッツとの資本業務提携効果が徐々に表れており、これによる市場拡大と高付加価値製品の投入を進めることで、これまでの営業政策を引き続き展開しながら、より早く・広く・着実に推進するための協調を行ってまいります。
(情報の活用)
ビッグデータやセンシング技術などが事業に取り込まれ、多方面で新たなマーケットの創出、ビジネスモデルの開発につながっています。さらにはコンピューターを離れ、何かをインターネットにつなぐことで新たなビジネスを広げるIoT技術も話題になってきました。
当社グループにおいても、長年の経験や知見、そして産業用バルブメーカーとしてのブランド力や市場シェアを活かし、「情報」や「ノウ・ハウ」を商品とした事業展開の可能性についてさらに深く掘り下げる必要があると考えています。
(技術の伝承)
当社グループがこれからも原発関連企業として責任を全うし、産業用バルブのトップメーカーであり続けるためには、技術の維持・発展は最優先課題であり、現在の業績低迷を理由になおざりにされるようなことがあってはならないと考えております。
技術は常に進歩し、知見も経験もそれに伴い更新され発展していきます。そのような中にあっては、従来のような職人育成型の技能伝承に固執するようなことがあってはならず、科学的で合理的で持続性をもった技能の伝承が重要であると考えています。
そしてその結果として、全役職員が高い使命感と明確な目標・目的意識をもって、全社一丸となって会社の持続性を確保していく決意であります。
(コストの低減)
当社グループのバルブは、一品一品をお客様の仕様に従い労働集約的に生産するため、性能・品質・耐久性で非常に高い評価をいただいておりますが、コスト面ではまだまだ改善の余地を多く残すものと考えております。
これまでは、「作る物」より「作り方」に重点をおいたコストダウン施策を実施してまいりましたが、株式会社キッツとの資本業務提携では、低コストバルブの開発もテーマに入れており、新たな設計とプロセスで製造したバルブを早期に市場投入していく計画です。
福島原発事故以降、当社の固定費は確実に削減され、それに伴い損益分岐点売上も10億円以上引き下げることができました。しかし守りの戦略だけでは、どこかで頭打ちになることも明らかですから、今後は新製品で攻勢に転じ、業容回復を伴いながら採算改善を実現していきたいと考えています。
(廃炉事業への取り組み)
これまでのところ、国内商用原発19基の廃止が決定し、福島第二原発4基の廃止が検討されています。
現在、福島地区で進めている除染事業、地域復興再生事業は今後ひと段落し、新たに福島第一原発の廃炉に向けた数多の業務が発生すると見込まれることから、ここへの参入を目指してまいります。
また、当社の主要顧客である関西電力株式会社においても、2原発4基の廃止が決定しており、今後の廃止事業開始の動きに対し、確実に一定のポジションを確保することで将来収益の拡大につなげていきたいと考えております。
当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 事業環境の変化による影響
当社グループのバルブ事業の売上は、原子力・火力発電所に代表される国内電力マーケット向けが重要な割合を占めています。
今後も電力市場に強く依存した事業運営は不可避であり、よって、どのような要因であれ、電力事業環境に大きな変化が生じることで、当社業績に大きな影響を及ぼす可能性が常にあるといえます。
その要因は、発電所事故のみならず、技術革新や電力自由化などによる発電事業形態そのものの変化、発電事業にIT等のデジタル技術や先進技術が導入された際の当社グループの対応遅れ、地球温暖化問題に由来する従来型発電市場の縮小、例えば、独・シーメンス社が原発事業から撤退したことに象徴されるような、当社グループ主要取引先の大きな方針転換といったサプライチェーンの劇的な変化、こういったものもリスク顕在化の要因になり得るものと考えております。
(2) 大規模自然災害や事故などによる生産設備等への影響
当社グループの製造拠点は、バルブの製造は兵庫県尼崎市の本社工場、バルブ用主要素材である鋳鋼部品の製造は三重県伊賀市の伊賀工場、以上の国内2か所となっております。
これら生産拠点において地震、台風、洪水、高潮、突風などの自然現象による被害、特に老朽化の進む本社工場については、南海トラフ大地震の被災想定範囲に含まれることも相俟って、これら自然災害の被害に対し危機感を強めているところです。
上述の国内製造2拠点は、一方の緊急時に他方が機能・役割を代替する関係にはなく、火災や天災及び不可抗力の事象により操業停止に至るような事態となった場合には機会損失の発生や納期遅延など当社グループの業績に重大な影響をもたらす可能性があります。
(3) 製品、メンテナンス上の瑕疵などに起因する事故等の品質保証問題発生による影響
当社グループの製品は、原子力発電所をはじめとした、各種産業用プラントの重要部位で採用されているため、その製品の製造上の欠陥及び当社グループが行ったメンテナンスの不具合等により、動作不良等が生じ本来の機能を果たせない場合、重大な事故につながる可能性があります。
そのような事故が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) コンピューター設備の停止による影響
当社は完全受注生産型のビジネスを行っていることから、基幹業務はオリジナルの情報処理システムを採用しており、何等かの事象によりこれら基幹システムが停止した場合、生産活動に重大な影響を与えることが懸念されますが、当社グループのシステムは被災した際にも迅速な復旧を可能な体制としております。また、業務系の共用データストレージは、高度な耐震講造と特殊消火装置を設置するなどしたマシンルームに設置することで、万一の際の被害を最少化できるよう備えております。
しかし、なんらかの要因による通信回線の遮断、システムのバグ、ウィルス感染などによりシステムが停止する可能性を完全に排除できるわけではなく、こういった有事に際しシステム復旧が遅れるような状態となった場合には当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(5) 法的規制、各種規格・許認可等を維持できない場合の影響
当社グループの一部事業は、建設業法に基づく一般建設業、特定建設業の許可を得ております。そしてこの許可を維持するには人的要件を常に充足しておく必要があります。今後、何等かの事由により、その要件を充足できなくなった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、原子力・火力発電所等を納入先とすることから、数多くの規制・規格・許認可に適合した製品が常に求められております。これらは新規制定および改定・変更も適宜行われます。
しかし能力的制約や人的制約等から、これらに適切に対応することができない場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(6) IT化対応の遅れによる影響
当社グループにおいては、未だ労働集約的なものづくりが主流であり、製造現場にデジタル技術の導入が十分に進んでいるとは言えない状況です。
これは、当社グループを取り巻く厳しい事業環境下で、先進投資に対する取組不足が大きく影響しているとの認識です。
現在は経営効率と労働生産性の改善を目指し、デジタル技術活用を積極的に進めるためのPJを推進中ですが、実現手段のひとつであるデジタル技術活用に遅れが生じることで受注機会の喪失により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年10月1日から平成30年9月30日まで)におけるわが国経済は、依然、海外経済の不確実性からくる影響に留意しつつも、好調な企業業績や雇用・所得環境の改善傾向を背景に、緩やかな回復基調の中で推移いたしました。しかし、米国と中国の貿易戦争激化や、相次ぐ国内自然災害が経済に与える影響を憂慮する状況が続いている状況です。
当社グループは、原子力・火力発電所用バルブの製造とメンテナンスを主な事業としておりますが、東日本大震災の津波による東京電力福島第一原子力発電所事故以降、原子力発電所(以下、「原発」)を取り巻く環境が大きく変化し、原発の定期検査工事を事業の柱としてきた当社グループのビジネスモデルに大きな影響が生じ、非常に厳しい状況で今日にまで至っています。
そのような中、当連結会計年度には、関西電力大飯原発、九州電力玄海原発が新たに再稼働し、既に稼働している関西電力高浜原発、九州電力川内原発、四国電力伊方原発を含め、5原発9基が運転を再開するところまで回復しました。司法判断で停止中であった四国電力伊方原発も本年10月に運転を開始し、今後、原発関連需要は徐々に回復に向かうものと考えていますが、国内最新鋭のプラントである北海道電力泊原発が依然再稼働できない状況にあること、建設時期の比較的古い原発や事故を起こした福島原発と同型の沸騰水型原発(BWR)の再稼働見込みが依然不透明であることなどから、震災から7年を経過した現在に至っても、依然厳しい事業環境が継続しているとの認識です。
他方、火力発電市場においては、国内では規制緩和による定期点検サイクルの長期化や、地球温暖化問題で大型発電所が建設され難い状況にあり、市場を海外に求めざるを得ない状況となってきています。
以上のように、当社グループは、いわゆる3.11の原発事故以降、激変する市場環境に翻弄され、業容の縮小を余儀なくされてきました。そしてこのような中では明確な経営目標を設定するには至らず、まずは縮小以前までの業容回復を大命題としながら、赤字を出さないことを第一に事業運営に努めてまいりました。
それでも平成26年9月期には10億を超える赤字を計上し、継続企業前提に関しての定性的情報を記載する厳しい局面もありましたが、収益性の改善を第一に取り組んできた結果、固定費の圧縮で基礎的収益力を確実に強めることができ、今後は、徐々に回復する原発市場を追い風としながら、創業99年を迎える2021年9月期には売上高100億円の回復を達成するとした中期経営計画を開示し、鋭意取り組んでいるところです。
当連結会計年度の成績は、中期経営計画のマイルストーンとしては決して十分なものではありませんが、手応えは確実に増してきており、今後はさらに攻勢を強めていきたいと考えております。
このような状況下、当連結会計年度におきましては、製鋼事業、除染事業がともに減収が見込まれる中で、業容維持のためにはバルブ事業で大幅な巻き返しが不可欠との認識でスタートいたしました。
原発向けでは再稼働後の定期検査工事、今後対応が求められる特定重大事故対策設備関連工事、今後運転再開が予定されるプラントの再稼働に向けての準備工事等を中心に、火力向けでは、国内外の新設案件、発電所のバルブ保守・補修需要に由来する取替用バルブ・部品の製造及びメンテナンス工事等を中心に、バルブ事業の収益拡大を図ってまいりました。
また、非常に厳しい環境にある製鋼事業、除染事業においてもより一層の上積みを図るなどし、当期業績予想を少しでも上回るべく全力で取り組んでまいりました。
この結果、辛うじて前連結会計年度並みの売上高81億5百万円(前年同期比0.0%増)を確保することができました。
採算面においては、売上高は前連結会計年度とほぼ同額ながら、商品構成が前連結会計年度に比して損益的に厳しいものとなったことからベースとなる利益は減少しました。しかし、受注損失引当金の洗い替えによる戻入益が発生したことに加え、工場操業度が高レベルで推移したことで仕掛品が増加した結果、営業利益5億44百万円(前年同期比124.0%増)、経常利益5億81百万円(同102.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4億80百万円(同160.5%増)と大幅な増益となりました。
報告セグメント別の経営成績は、バルブ事業では、関西電力高浜原発4号機、九州電力川内原発1・2号機、四国電力伊方原発3号機でそれぞれ定期検査工事を売上計上したほか、セントラルジャワ火力発電所(インドネシア)向け高圧弁一式、ハンファトタル・デサン石油化学プラント(韓国)向け電動弁他一式等を主な案件として売上高66億81百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
採算面では、比較的収益性に優れる原発定期検査工事は横ばい、バルブ用取替補修部品は減少しましたが、セグメント全体の増収効果もあり、セグメント利益は13億34百万円(同39.2%増)で前年同期に比して増益となりました。
製鋼事業は、主要顧客の海外調達移行で大幅な減収を想定しておりましたが、新規顧客開拓はもちろん、高難度品、高付加価値品などの商品性の高い提案を顧客に対し行うことで、売上拡大に全力で取り組んだ結果、当初計画から若干の挽回ができたものの売上高は8億54百万円(前年同期比25.5%減)に留まり、セグメント利益も2億9百万円の赤字(前年同期は1億32百万円の赤字)で減収に加え損失額は増加しました。
除染事業においては、地域除染関連案件が年々減少する中、軸足を復興関連施設管理業務や放射線管理業務に移しながら業容維持を図ってまいりましたが業績は伸び悩み、売上高は5億75百万円(前年同期比8.9%減)、セグメント利益は43百万円(同38.6%減)となりました。
表:報告セグメント内の種類別売上高
|
報告セグメント |
種類別の売上高 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業 |
バルブ(新製弁) |
1,638 |
2,560 |
56.3 |
|
バルブ用取替補修部品 |
967 |
855 |
△11.6 |
|
|
原子力発電所定期検査工事 |
1,340 |
1,332 |
△0.6 |
|
|
その他メンテナンス等の役務提供 |
2,385 |
1,933 |
△18.9 |
|
|
小計 |
6,331 |
6,681 |
5.5 |
|
|
製鋼事業 |
鋳鋼製品 |
1,148 |
854 |
△25.5 |
|
除染事業 |
地域除染等 |
632 |
575 |
△8.9 |
|
消去又は全社 |
△9 |
△7 |
- |
|
|
合計 |
8,102 |
8,105 |
0.0 |
|
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は27億17百万円となり、前連結会計年度末に比して13億91百万円減少しました。
この内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
減価償却を2億84百万円実施した上で税金等調整前当期純利益を5億79百万円計上したところに、受注損失引当金の減少が1億73百万円あり、また売上債権の増加が15億26百万円となりキャッシュ・インの減少要因となったことから、6億72百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は13億55百万円のキャッシュ・イン)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
製造機械装置等の更新、基幹システムのバージョンアップなどの固定資産の取得を中心に3億46百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は2億78百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
銀行への長期借入金の返済を中心に、前連結会計年度に係る期末配当、当連結会計年度の中間配当の実施などにより3億72百万円のキャッシュ・アウト(前年同期は6億29百万円のキャッシュ・アウト)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業(千円) |
2,388,224 |
22.8 |
|
製鋼事業(千円) |
911,987 |
△24.2 |
|
合計(千円) |
3,300,211 |
4.8 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
3.バルブ事業のメンテナンス等及び除染事業については、事業の性格上生産実績の概念は馴染みませんので金額及び前年同期比を記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業 |
7,399,754 |
24.5 |
4,234,583 |
20.7 |
|
製鋼事業 |
1,053,114 |
14.7 |
488,977 |
68.1 |
|
除染事業 |
537,944 |
△1.9 |
78,926 |
△32.5 |
|
合計 |
8,990,812 |
21.3 |
4,802,486 |
22.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
前年同期比(%) |
|
バルブ事業(千円) |
6,681,569 |
5.5 |
|
製鋼事業(千円) |
854,996 |
△25.5 |
|
除染事業(千円) |
575,956 |
△8.9 |
|
消去又は全社(千円) |
△7,294 |
- |
|
合計(千円) |
8,105,228 |
0.0 |
(注)1.金額には消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先別 |
前連結会計年度 (自 平成28年10月1日 至 平成29年9月30日) |
当連結会計年度 (自 平成29年10月1日 至 平成30年9月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
三菱商事株式会社 |
1,397,898 |
17.3 |
1,847,257 |
22.8 |
|
三菱商事パワーシステムズ株式会社 |
2,075,822 |
25.6 |
1,563,370 |
19.3 |
|
西華産業株式会社 |
909,795 |
11.2 |
1,201,983 |
14.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は107億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ44百万円増加(前年同期比0.4%増)いたしました。
うち流動資産では、現金及び預金が13億91百万円減少した一方で、第4四半期連結会計期間での売上高が相対的に高く売上債権が15億26百万円増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ68百万円増加(前年同期比0.8%増)となりました。
また、固定資産では基幹システム基盤の更新、その他株価の上昇に伴い投資有価証券の増加などがありましたが、減価償却費2億84百万円の計上額を下回ったこと等から、前連結会計年度末に比べ24百万円減少(前年同期比1.0%減)の23億81百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は29億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億32百万円減少(前年同期比12.8%減)いたしました。
うち流動負債では、主に1年内返済予定の長期借入金、受注損失引当金、その他設備関係の未払債務などが減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3億16百万円減少(前年同期比14.2%減)となりました。
また、固定負債では主に長期借入金の返済等により、前連結会計年度末に比べ1億15百万円減少(前年同期比10.2%減)となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は78億39百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億76百万円増加(前年同期比6.5%増)いたしました。
これは主に、剰余金の配当により68百万円減少しましたが、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益4億80百万円の計上等によるものであります。
② 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は81億5百万円となり、前連結会計年度と比べ2百万円微増いたしました。
当連結会計年度では、バルブ事業のその他メンテナンス等の役務提供で4億52百万円、バルブ用取替補修部品で1億12百万円それぞれ減少し、また、製鋼事業の鋳鋼製品でも2億94百万円減少となりましたが、一方で、バルブ事業のバルブ(新製弁)では大口プラント案件を中心に9億22百万円増加したことで、前連結会計年度並みの売上高を確保することができました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は5億44百万円となり、前連結会計年度と比べ3億1百万円増加(前年同期比124.0%増)いたしました。
この主な要因は、バルブ製造工場の操業度が高い水準で推移し、また、受注損失引当金の洗い替えによる戻入益などが発生したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、上記の営業利益に営業外損益の純額36百万円を加算し、これに特別損益の純額1百万円を減算し、次に法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、4億80百万円(前年同期比160.5%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源は、自己資金及び金融機関からの借入によっており、金融機関からの借入金については適宜に長期・短期の借入金により資金調達を行うほか、取引金融機関と特定融資枠契約、コミットメントライン契約を締結することで必要な財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財政活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
当社グループの事業は主に完全受注生産型であることから、売上時期の偏重や製品の仕掛期間長期化による影響が、営業活動によるキャッシュ・フローの変動につながりがちであることから、これら事象について、キャッシュ・フローへの影響を十分に考慮した業務運営を社内に指示・徹底しております。
またこれら事象へ対応する目的も含め、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、機動的な資金調達体制を維持するとともに、運転資金の効率的な運用を図っております。
(1)業務提携受入契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
東亜バルブエンジニアリング㈱ |
アルカ・レーグラー社 |
ドイツ |
コントロール弁 |
日本国内における販売・メンテナンス権の許諾、共同開発の締結 |
平成30年9月1日から 平成31年8月31日まで |
|
東亜バルブエ ンジニアリング㈱ |
㈲テクノプランツ |
日本 |
液体圧装置 |
日本国内における製造・販売に関する特許実施権の許諾 |
平成23年2月25日から特許の存続期間まで |
(2)業務提携援助契約
|
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
抽気逆止弁 鍛造玉型弁 |
平成22年7月28日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成22年7月28日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
|
HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
湿分分離加熱器逃し弁 |
平成25年4月18日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成25年4月18日から23年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
|
HEハルビン・パワー・プラント・バルブ社 |
中国 |
原子力発電所用抽気逆止弁 |
平成25年4月18日 |
技術的知識、情報及びノウハウの提供 |
平成25年4月18日から22年間若しくは「製品」の製造開始年月日から20年間のどちらか早く到達した日まで |
(3)資本業務提携契約
|
契約会社名 |
契約締結日 |
契約内容 |
|
株式会社キッツ |
平成28年2月12日 |
①調達協力:相互の国内外調達先を活用し、材料の調達に協力する。 ②技術協力:相互に技術情報を提供し、必要に応じて共同開発をする。 ③生産協力:相互の販売品、もしくは共同開発品を、相互の生産拠点を活用し、最適な生産手段を構築する。 ④販売協力:「石油及びガス分野」並びに「電力分野」において、相互の製品、もしくは共同開発品を、最適な手段により販売する。 ⑤サービス協力:相互のメンテナンス機能を活用し、最適なサービス体制を構築する。 |
(4)コミットメントライン契約
当社は運転資金を安定かつ効率的に調達するため、株式会社三菱東京UFJ銀行とコミットメントライン契約を締結しております。
借入先 株式会社三菱東京UFJ銀行
借入極度額 5億円
契約締結日 平成30年3月30日
契約期間 平成30年3月30日~平成31年3月29日
(注) 株式会社三菱東京UFJ銀行は、平成30年4月1日付で、商号を株式会社三菱UFJ銀行に変更しております。
当社グループの研究開発活動は、顧客との対面活動を基に多角的視野により深層追究する事で、当社グループの目指すバルブ総合エンジニアリングサービスの高度化に繋げていくものと位置付けています。そのため、各部門間の情報連携を高め、相乗効果を発揮させると同時に、顧客ニーズの発掘と把握に努め、継続的に顧客ニーズの抽出と新商品アイデアに対する可能性評価の精度向上を目的として「事業開発会議」、「商品開発推進会議」を発足し、継続的に活動を進めております。
また、これら研究活動に際しては、上記2会議体からの提案も含め研究部門各人が能動的取組みを行うことで、物づくりへの広角発想を通じ自らの手で未来を拓くという気概を強く意識すると同時に、研究プロセスでは協同作業者と力を合わせ想いを現実化していくという企業文化の醸成に努めております。
そして、問題点を相互の啓発によって解決すると同時に、そのプロセスから派生した技術を生かし、新たな研究開発テーマが生まれるという好循環による発展を目指しております。
当社グループの研究開発体制は、大きくは二つに別れ、各部門で日常的に発生する固有の問題点、例えば、生産効率の改善、新しいメンテナンス方法の開発等はそれぞれの部門主体で実施し、課題や研究資源が新商品や新事業に対し直接繋がる様な活動については技術部が主体となって実施しております。
なお、これらの成果は、技術部開発課で一元的に管理し、必要に応じ関連各部門にフィードバックし、研究開発の効率が低下しないようフォローできる体制としております。
更に、研究開発が大きく現実の課題と乖離することがない様に、或いは、喫緊の課題に適切な優先順位をつけてタイムリーに確実に対応していくため、経営と研究開発活動の連携を常に意識し、経営から出された課題・問題点を迅速且つ確実に解決・具体化出来る様に選択と集中による資源の有効活用を意識しながら取組んでおります。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、50,965千円であり、この中には受託研究等の費用6,698千円が含まれております。
各セグメントにおける主な研究開発の内容は、次のとおりであります。
(バルブ事業)
1.株式会社キッツとのコラボレーションによるコストダウン弁の開発
2.弁座交換装置の開発(弁座切削装置、溶接装置)
3.電動弁駆動装置のトルクスイッチ角モニタ装置の開発
4.安全弁作動試験用油圧ジャッキ(他社製)生産中止に伴う代替装置の開発
5.弁開閉表示装置の開発
これらバルブ事業に係る研究開発費は、44,267千円であります。
(製鋼事業)
腐食対策材の鋳鋼品試作
これら製鋼事業に係る研究開発費は、6,698千円であります。