第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の状況)

 当中間連結会計期間における世界経済は、地域や国により課題を抱えながらも、総じて回復基調で推移しました。米国では中央銀行の利上げに歯止めがかかり、インフレが緩和する中、景気は安定した状況が続いています。欧州ではエネルギー価格が落ち着きを取り戻しつつあり、雇用環境や個人消費が改善に向かう等、景気の回復感が徐々に強まることとなりました。中国では国外からの投資が減少して企業収益や不動産市場が冷え込み、経済成長率が鈍化する中、政府は新たな刺激策を導入し内需拡大を図っています。我が国においては、輸出関連企業を中心に製造業の収益環境が回復基調で推移しています。インバウンド需要の増加により非製造業の業況も改善し、景気回復の下支えとなっています。

 当社グループが関わる情報通信・エレクトロニクス関連市場では、生成AIや5Gの普及が加速し、データセンターへの投資が活発化しています。市場には生成AIを活用した新しいサービスやアプリケーションが次々とリリースされ、企業の業務効率化や顧客に対する新しい価値の提供に寄与し始めています。自動車関連市場では、中国において電気自動車へのシフトが加速する一方、米国では走行距離への不安から電気自動車の販売が伸び悩んでおり、バッテリー技術の革新や充電インフラの整備が急務となっています。また日本においては、複数の自動車メーカーによる品質不正問題が発覚し、一部の車種の生産ラインが停止しました。これにより消費者の信頼が揺らぎ、自動車メーカーは品質管理の強化を迫られることとなりました。

 こうした中で当社グループは、進行中の中期経営計画『マスタープラン2022』に基づき、「顧客接点の活性化」、「新製品・新技術開発の加速」、「ものづくり力の強化」、「経営基盤の強化」の各施策の遂行に努めました。

 「顧客接点の活性化」に向けては、精機事業、光製品事業の両セグメントにおいて、展示会への出展や、ホームページの活用等を通じて新しい顧客と出会う機会を数多く作り、商談数を増やすことに注力しました。

 「新製品・新技術開発の加速」に向けては、より幅広い領域で社会の進歩発展に貢献できる企業グループとなるべく、引き続き技術力の研鑽に取り組みました。

 「ものづくり力の強化」に向けては、顧客が求める品質と納期を満たす製品を安定的に供給できるよう、自動化を含めた生産体制の強化や仕入先、外注先との関係強化に努めました。

 「経営基盤の強化」に向けては、「サステナビリティ推進室」が中心となり、温室効果ガスの排出削減活動や、ペーパーレス化の推進、デジタル化による業務効率の向上等に取り組みました。また、かねてより取り組んでいた育児支援に係る活動が評価され、厚生労働省より子育てサポート企業として認定を受け、「くるみん認定」を取得しました。

 こうした結果、当中間連結会計期間における売上高は、9,062,766千円(前年中間期比15.2%増)となり、中間連結会計期間の売上高としては過去最高となりました。比較的採算性の良い製品の売上高が増加したこと等に伴い、営業利益は1,030,194千円(前年中間期比219.1%増)となりました。経常利益は、投資不動産賃貸料等の営業外収益を計上した結果1,046,199千円(前年中間期比120.8%増)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は772,375千円(前年中間期比155.9%増)となりました。

 

 セグメントの業績は次の通りであります。

① 精機関連

 精機関連では、自動車向けや電子機器向けの精密成形品や、成形品を効率的に量産するための高品質な金型、高い寸法精度が要求される金属部品等を顧客に提供しております。当中間連結会計期間は、国内自動車メーカーの中国市場向けの販売が伸び悩む中、電気自動車用のインバーター関連部品の売上高が伸長しました。一方、電子機器向けの金属プレス成形品は、中華系スマートフォンの高機能機種の需要が回復せず、売上高が減少することとなりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間の精機関連の売上高は4,337,331千円(前年中間期比0.8%増)となりました。材料価格の上昇等により原価率が悪化し、営業利益は189,331千円(前年中間期比9.5%減)となりました。

 

② 光製品関連

 光製品関連では、光通信用部品や同部品の製造工程、検査工程で使用する機器・装置、光電界センサーや光伝送装置、超小型樹脂レンズ等を顧客に提供しております。当中間連結会計期間は、生成AIの普及や5G通信の拡大等を受けて、世界中でデータセンターの新設が活況となり、光コネクタ等の光通信用部品の需要が増大しました。これにより、光コネクタを製造する際に使用する光コネクタ研磨機や検査・測定装置の売上高が大きく増加することとなりました。

 これらの結果、当中間連結会計期間の光製品関連の売上高は4,725,434千円(前年中間期比32.7%増)となり、中間の売上高としては過去最高となりました。光コネクタ研磨機や検査・測定装置の売上高の増加に伴い、営業利益は840,863千円(前年中間期比639.4%増)と大きく改善しました。

 

 

(財政状態の状況)

 当中間連結会計期間末の総資産は33,327,355千円となり、前連結会計年度末から1,101,081千円増加いたしました。流動資産は23,808,041千円となり、前連結会計年度末から1,069,599千円増加いたしました。その主な要因は、現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加したこと等に因ります。固定資産は9,519,313千円となり、前連結会計年度末から31,482千円増加いたしました。その主な要因は、金型等の器具・備品が増加したこと等に因ります。

 当中間連結会計期間末の負債合計は5,222,899千円となり、前連結会計年度末から182,711千円増加いたしました。その主な要因は、買掛金や未払法人税等が増加したこと等に因ります。

 当中間連結会計期間末の純資産合計は28,104,455千円となり、前連結会計年度末から918,370千円増加いたしました。その主な要因は、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したこと等に因ります。

 

 

(キャッシュ・フローの状況)

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は5,335,428千円となり、前連結会計年度末から269,719千円増加いたしました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果、資金は978,984千円増加いたしました(前年同中間期は63,580千円の増加)。営業活動による資金増加の主な要因は、税金等調整前中間純利益1,049,178千円、減価償却費441,971千円、仕入債務の増加額119,799千円等であり、資金減少の主な要因は、売上債権の増加額213,414千円、長期未払金の減少額100,540千円、法人税等の支払額214,918千円等であります。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果、資金は342,549千円減少いたしました(前年同中間期は1,250,638千円の減少)。投資活動による資金減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出172,920千円、定期預金の預け入れと払い戻しの差額203,100千円等であります。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果、資金は504,270千円減少いたしました(前年同中間期は487,850千円の減少)。財務活動による資金減少の主な要因は、配当金の支払額508,099千円等であります。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)研究開発活動

 当社グループの研究開発活動の内容は、新しい事業領域に向けた新技術や新製品の開発と、既存事業のベースとなる精密金型技術や精密成形技術の開発、既存事業領域における製品改良、生産技術の改善に分類できます。

 新しい事業領域に向けた新技術や新製品の開発は、精機関連・光製品関連の両セグメントにおいて実施しており、当中間連結会計期間において発生した研究開発費は60,614千円となりました。既存事業領域における製品改良や生産技術の改善に要した費用は115,403千円となりました。また、当社グループの精機関連・光製品関連の両セグメントのベースとなる精密金型技術や精密成形技術の開発に要した費用は56,520千円となりました。

 これらにより、当中間連結会計期間における研究開発活動費用の総額は232,538千円となりました。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当社は、2024年10月2日開催の取締役会において、株式会社エムジーの全株式を取得し、連結子会社化することについて決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました。なお、2024年10月25日に全株式を取得しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。