第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

当社グループは”創造的な仕事を行い、多くの人に愛される企業でありたい”の経営理念のもと、会社設立以来培ってきたメカトロニクス技術をバックボーンにさまざまな機器の開発・製造・販売を行い、遊技場機器業界における高い位置を占めてまいりました。今後も基盤事業であるアミューズメント事業をはじめ、成長事業として食品・EC事業、安定事業として不動産事業、電気事業において質の高い商品及びサービスを提供し続け、当社グループ一丸となって企業活動を続けてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、経営の効率化を図るとともに、成長性及び収益性の実現こそが企業価値の向上であると考え、総資本利益率を重要な経営指標としております。

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、高機能化・低価格・多様化の要請が年々強まっており、常に技術の向上とコストダウン、差別化が求められております。このような環境において、当社グループは安定・継続的な成長と一層の事業シナジーを創出するため「ブランドイメージ向上」、「企画・開発力強化」及び「生産性の向上・新規顧客の獲得」を基本方針として掲げ、着実に経営施策及び組織運営を行っていき、事業領域を拡充してまいります。

 

1.ブランドイメージ向上

市場ニーズを適切に把握すること及び多角的な販売戦略策定を徹底し、ニーズにマッチした商品及びサービスを的確に市場へ提供し顧客満足度の最大化を図ることによりブランドイメージの向上に取り組んでまいります。

2.企画・開発力強化

急速な変化・グローバル化が進む市場環境において、総合的な視点での人材育成及び先端技術研究への積極的な投資による企画力・開発力のより一層の強化を実現し、マーケット需要を追求してまいります。

3.生産性の向上、新規顧客の獲得

ローコストオペレーションと開発スケジュールのスピードアップ体制の構築による生産性の向上、また、綿密なマーケティングと提案営業力のさらなる強化による新規顧客の獲得及び販路拡大を図ってまいります。

 

セグメント別の対処すべき課題については以下のとおりであります。

 

(食品・EC事業)

当社グループの今後の中核事業と位置付ける食品・EC事業では、人々の美容・健康意識が高まる状況の中、付加価値の高い自社商品の開発をスピーディーに進め、オンライン・オフラインそれぞれの商流において、更なる販売強化に努め自社商品だけでなく、商品開発実績・ノウハウを活用したOEM事業の拡大にも継続的に取り組んでまいります。自社にて開発、製造、販売まで一貫して行い、ECサイトにおいて自社ブランド・商品を展開するビジネスモデルのノウハウを、グループ企業内でも共有することにより最大限のシナジーを追求してまいります。

また、OEM事業展開による国内外の新規顧客の獲得、既存取引先の案件拡大に伴い、生産能力・生産効率向上を図るべく新工場の開設を進めており、更なる収益拡大に努めてまいります。

 

(アミューズメント事業)

アミューズメント事業の主要販売先である遊技業界では、全日遊連が発表した「組合員加盟店舗の実態調査」結果によりますと、2025年2月末現在の全日遊連加盟パチンコホール店舗数が6,000店舗を割り込むなど遊技関連市場の縮小トレンドの続くなか、スマート遊技機の市場導入に伴い設備投資スタンスは改善傾向となり、特にスマートパチスロは好調に推移しており、今後もこのような事業環境が継続するものと見込まれます。

このような状況のなか、当社の手掛ける周辺機器設備の需要は減少することが見込まれることから、今後において本事業は徐々に縮小化を図っていく予定です。

また、遊技機部門においては遊技機開発、販売体制の合理化、製造コストの見直しにより最大限の利益確保に注力してまいります。

 

(不動産事業)

不動産事業につきましては、市場規模は拡大傾向にあるものの、空き家問題や人口減少によるなど需要減少、都市部と地方での二極化など様々な課題も存在しております。

当社グループではより一層の安定的な収益確保に向け、収益性の高い、良質な賃貸物件を継続的に模索し、経営資源の効率的活用及び財務体質の強化を図るべく保有資産の見直しの検討も実施しつつ、不動産の保守、管理の徹底に努めてまいります。

 

(電気事業)

電気事業につきましては、天候、自然災害等による影響により、発電効率の低下、太陽光発電装置の破損、劣化等のリスクがあります。

このようなリスクに対応すべく、継続的安定供給に向け、太陽光発電設備の徹底した保守、管理を実施し、安定した収益確保に努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ基本方針

当社グループは、人々の生活に関わる事業を通じて豊かな未来を想像し、創造することを基本方針として、持続可能な社会の実現を目指しSDGsの達成に向け、ESG(「環境(Environment)」、「社会(Society)」、「ガバナンス(Governance)」)経営に取り組んでおります。

 

2)ガバナンス体制

当社グループのサステナビリティ戦略の策定及びサステナビリティ活動を統括し、サステナビリティ課題への取組みをより一層推進することを目的とし、サステナビリティ委員会を設置しております。

本委員会は、代表取締役社長を委員長とし、代表取締役、専務取締役、社外常勤監査等委員、子会社を管掌する役職者等で構成しております。

委員会は年に1回以上開催し、主に以下の事項について、各部門と協力しながら全社横断的に対応します。

①サステナビリティ基本方針の策定及び改訂

②マテリアリティ(重要課題)の特定及び把握

③サステナビリティ課題に関する開示方針及び開示内容の検討

委員長は委員会の意見を決議した場合、その後に開催される経営会議にて報告し、その後取締役会において当該意見を取締役会に報告します。

 

 (3)サステナビリティへの戦略

この度、当社グループでは、当社が直面している事業環境や課題、将来想定される社会や環境課題および主なステークホルダーを考慮に入れ、マテリアリティ(重要課題)を特定しました。なお、マテリアリティの重要度については、“当社グループにとって重要な課題”および“ステークホルダーへの影響度”の観点から評価しました。

 

①環境負荷の軽減・脱炭素社会の実現への貢献

・メーカーの責任としての取組

アミューズメント事業  部品のリユース/リサイクルの推進等によるプラスチック使用量の削減

加入組合における電子部品の共同購買によるロスの削減

食品・EC事業     自然に還る生分解性プラスチックを使用した容器の採用

生産工場における浄排水設備の機能強化、管理徹底により環境負荷を低減

・太陽光発電事業の展開

電気事業        神奈川県2ヵ所、栃木県1ヵ所で太陽光発電所を運営

3ヵ所合計  発電量:27,220,000kwh  CO2削減量:8,561t/年

 

 

②顧客に対する責任

アミューズメント事業  パチンコ・パチスロのめり込みに関する注意喚起・適度に楽しむ遊びであることを

啓発し、健全な業界として発展に寄与

食品・EC事業     顧客データ及び、科学的根拠に基づいた健康増進/低カロリー/低糖食品の開発強化

事業共通        メーカーの責任として安全性や品質の確保を最優先した製造に取り組む

 

③パートナーシップの強化

アミューズメント事業  日本電動式遊技機工業協同組合の一員として、他の企業と連携を強化し、遊技機規制

緩和等のロビー活動及び、インバウンド向けのアクティビティの1つとして遊技機の

宣伝、日本の大衆文化紹介等の啓発活動に取り組む。

事業共通        持続的で強力なサプライチェーンを構築し、顧客ニーズ(OEM含む)に応える商品製造

を継続するため取引先と良好な関係を継続するメーカーの責任として安全性や品質の

確保を最優先した製造に取り組む

事業地域の行政との連携や青少年の食育活動の支援等を通じ地域活性化に貢献

 

④人的価値の最大化

 

⑤コーポレートガバナンスの発展

 

(4)リスク管理

当社は、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス・リスク管理委員会において全社的なリスクについて検討を行い管理しておりますが、サステナビリティ関連のリスク及び機会の識別、評価及び管理プロセスは整備しておりません。

今後、同委員会とコンプライアンス・リスク管理委員会との連携のあり方を含め、サステナビリティ関連のリスク管理体制について検討を進めてまいります。

 

 (5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

①多様性確保

女性の産休・育休取得率及び復職率は100%であり、産休前の職場に復帰しております。また、育児や介護の必要性に応じて、社員からの申請により時短勤務を可能としております。

2022年10月に、出生育児休業(産後パパ育休)制度を導入し、全社に周知するとともに理解を求め、取得しやすい社内環境づくりに努めております。

なお、取締役女性比率については2022年6月に女性取締役を登用し12.5%となりました。

 

②人材育成方針

当社の人材は新卒採用を中心に確保しております。年齢、性別、学歴に関係なく、能力・意欲・向上心のある人材がより活躍できるような社内環境づくりと自由な意見や考え方を言い合える活発な組織づくりを心掛けています。また、中途採用も積極的に行っており、スキル・経験等を総合的に判断し採用し、多様な知見、ノウハウを結集しより強固で生産性向上を図れる組織を目指します。

また、新しい人事評価制度の構築を目指し、経営理念である「私達は創造的な仕事を行い、多くの人に愛される企業でありたい」をより広く、深く実現できるよう努めてまいります。

 

    ③社内環境

2023年4月よりフレックスタイム制を導入し、従業員個々の事情に応じて、柔軟に対応しながら働ける環境を整備いたしました。

また、有給休暇取得を促進する為に2023年4月より半日有給休暇制度を導入し、より有給休暇が取得しやすい環境を整えました。合わせて有給休暇取得状況の改善を目的として6か月に一度、部門責任者に連絡し有給休暇取得を促進するよう努めております。

 

 (6)人的資本に関する指標及び目標

当社グループでは、上記「人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用い目標値を設定し達成に向けて各種施策を推進してまいります。

当該指標に関する当社グループの目標及び実績は、次のとおりであります。

〈女性社員比率〉

2025年3月期

27.29%

2026年3月期目標  

30%以上

 

 

〈女性管理職比率〉

2025年3月期

17.91%

2026年3月期目標 

10%以上

 

(注) 提出会社並びに連結子会社により、業種内容の違いがあり管理職名称は異なるが、部・課・事業部等部署の長であり、一定の権限を有し部署員の統率を図り業務遂行に携わる者です。

 

〈女性育休取得率/復帰率〉

2025年3月期

100%/100%

2026年3月期  

100%/100%

 

 

〈産後パパ育休取得率〉

2025年3月期

50.00%

2026年3月期  

100%

 

 

〈年次有給休暇取得率〉

2025年3月期

68.35%

2026年3月期  

50%以上

 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。 

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。    

1.遊技機周辺機器に関する法的規制

当社グループの主力製品である遊技機周辺設備機器の最終ユーザーである遊技場(パチンコホール)は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」及び都道府県条令の規制を受けております。当該製品そのものは法的規制の対象になっておりませんが、遊技場の新設・改装時等の都道府県公安委員会による検査が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

2.遊技機に関する法的規制

遊技機(パチスロ機、パチンコ機)は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、国家公安委員会規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)で定められた「技術上の規格」に適合する必要があります。同規格の改正が行われた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

なお、遊技機の各機種の検定有効期間(販売可能期間)は、国家公安委員会規則により3年間と定められております。

3.食品・EC事業に関する法的規制について

食品・EC事業においては、「食品衛生法」、「JAS法」、「商品表示法」、「製造物責任法」など消費者の食の安全・安心に関する法的規制や、「容器包装リサイクル法」、「廃棄物処理法」など環境・リサイクル関連の法的規制を受けており、健康被害に関わる問題が生じた場合など違反行為が発生した場合には、食品リコール(自主回収)や事業活動の制限を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4.訴訟リスクについて

当社グループでは、コンプライアンス体制の強化を推進しており、第三者の知的財産権を侵害しないよう充分注意するなど、損害賠償請求等による訴訟リスクを最小限に抑える方策を講じておりますが、当社グループの行う取引等に関連して訴訟を提起される可能性があります。

5.減損会計の適用について

「固定資産の減損に係る会計基準」では、減損の兆候が認められる資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回った場合に帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減額した当該金額を減損損失として損益計算書に計上することとされております。

今後収益の状況によって減損損失を計上することとなる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が発生する可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、インバウンド需要の増加等により、緩やかな回復基調の中で推移しました。一方、依然として原材料価格・エネルギー価格の高騰による物価上昇や米国の通商政策による影響など先行き不透明な状況が続いています。

 

①財政状態及び経営成績の状況

人々の美容・健康意識の高まりや購買行動の多様化が進む中、食品・EC事業を今後の新たな中核事業として位置づけ、更なる収益確保に向けた付加価値商品の開発、並びにECサイト・卸流通における販売ノウハウを活用した事業拡大及び当社グループでのシナジー効果追求に注力いたしました。

また、当社グループの主要販売先である遊技場は、レジャーの多様化に伴う遊技人口の減少に加え、集客並びに稼働の低迷により、閉店、廃業の増加、M&Aによる企業再編等が行われるなど経営環境は厳しい状況が続きました。一方で、スマート遊技機の市場導入に伴い、低迷していた集客数は増加し稼働も回復傾向に転じ、遊技場の設備更新需要の拡大が継続的に見込まれます。

以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高20,113百万円(前年同期比6.0%減)、経常利益72百万円(前年同期比92.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益246百万円(前年同期比53.4%減)となりました。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(食品・EC事業)

食品・EC事業は、人々の美容・健康意識が高まる状況の中、付加価値の高い自社商品の開発をスピーディーに進め、オンライン・オフラインそれぞれの商流において、販売強化に努めてまいりました。さらに自社商品だけでなく、商品開発実績・ノウハウを活用したOEM事業の拡大にも継続的に取り組んでまいりました。

株式会社オーイズミ下仁田では、注力していた認知度の向上、ブランドイメージの浸透を図り、蒟蒻ゼリー市場において台頭する大手企業の戦略に対抗すべく、OEM事業展開を推し進め、相手先ニーズへの柔軟な対応が評価され大手企業との新規取引を獲得いたしました。

また、食品関連展示会への出展を積極的に行い、国内顧客はもとより海外バイヤーからの引き合いも急増し、東南アジアをはじめ、欧州、北米など取引国も拡大しております。

一方で、販路拡大に伴う供給不足の発生に対応すべく新設工場の開設を進めており(2025年12月完了予定)、生産能力、生産効率向上を図るとともに、蒟蒻ゼリー市場に加え100%果汁ゼリー等の生産も着手し、事業拡大に向け販路拡大、増産体制の確立を目指しております。

また、日配品、菓子市場などのカテゴリに捉われることなく、付加価値を付した新商品の開発、市場投入に注力し、収益力、利益率向上を図ってまいります。

武内製薬株式会社では、主軸事業であるEC事業で得られたオンラインデータ及び卸事業において得られた小売等のオフラインデータを活用したマーケットインの商品開発・製造に注力し、新商品を継続的にリリースしております。これら自社ブランド商品に関しては、利益率向上を見据えたブランディング強化に注力しております。またOEM事業においては、対応カテゴリを増やしながら、継続的に成長を続けており、大口案件・リピート案件も増加しております。

バブルスター株式会社では、腸活の効果やその重要性の広まりに伴い、関連市場の成長が続いている中で、スーパー大麦やイヌリン等の食物繊維カテゴリにおいて、好調な状況が続いており、腸活関連の新商品市場投入も進めております。また販路拡大に応じて粉体の混合・充填工場の新設も完了し、今後更に高まる需要に向けて供給体制を整備してまいりました。EC事業に加えて、卸事業の強化も進んでおり、オンライン・オフライン両軸での市場シェア獲得を進めております。

なお、当社グループの主要セグメントの一つである食品・EC事業の事業再編成の協議・検討を進めておりましたが、第3四半期において当社が保有する連結子会社「妙高酒造株式会社」の発行済み株式の全部を譲渡いたしました。本譲渡に伴い、妙高酒造株式会社は連結対象外となりましたが、連結業績に与える影響は軽微です。

この結果、食品・EC事業は、当連結会計年度は売上高8,967百万円(前年同期比15.8%増)、セグメント利益139百万円(前年同期は24百万円の損失)となりました。

(アミューズメント事業)

アミューズメント事業の主要販売先であるパチンコ業界では、7月の新紙幣発行に伴う遊技場における設備更新需要は拡大し、また、スマート遊技機、特にスマートパチスロ増台に伴う改装工事が活発化しました。一方、これら設備費用の増加は、遊技場の経営を圧迫しております。

遊技機部門において、「L 少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The SLOTL」「パチスロ閃乱カグラ2 SHINOVI MASTER」他2機種をリリース、また、連結子会社の株式会社高尾が「Pクイーンズブレイド4 UNLIMITED」、「P DD北斗の拳3」他4機種をリリースしましたが、想定の販売台数を大幅に下回り開発費用を吸収できず大変厳しい結果となりました。

周辺機器部門においては、新紙幣発行に伴う設備及びスマスロ、スマパチ用ユニットの出荷がありましたが、メダル補給機器の出荷はスマスロの普及により大きく減少しております。

この結果、アミューズメント事業は、当連結会計年度は売上高9,352百万円(前年同期比20.6%減)、セグメント損失394百万円(前年同期は569百万円の利益)となりました。

(不動産事業)

不動産事業は、より一層の安定的な収益確保に向け、収益性の高い、良質な賃貸物件を継続的に模索しつつ、不動産の保守、管理の徹底に努めてまいりました。また、経営資源の効率的活用及び財務体質の強化を図るため、保有資産の見直しを行い、連結子会社が所有する東京都千代田区内、並びに、神奈川県海老名市内賃貸用不動産を売却いたしました。

この結果、不動産事業は、当連結会計年度は売上高815百万円(前年同期比8.8%減)、セグメント利益416百万円(前年同期比11.7%減)となりました。

 (電気事業)

電気事業は、継続的安定供給に向け、太陽光発電設備の徹底した保守、管理を実施し、順調に稼働させており、安定した収益を確保いたしました。

この結果、電気事業は、当連結会計年度は売上高978百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益497百万円(前年同期比3.8%減)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(2024年3月31日)に比べ2,981百万円減少し、38,958百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,062百万円減少し、17,931百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少(1,029百万円減)、売掛金の減少(111百万円減)、電子記録債権の減少(944百万円減)、原材料の減少(372百万円減)、流動資産その他に含まれる前払費用の減少(106百万円減)がある一方で、仕掛品の増加(394百万円増)によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ918百万円減少し、21,027百万円となりました。これは主に、建物及び構築物の減少(278百万円減)、機械装置及び運搬具の減少(281百万円減)、土地の減少(897百万円減)、のれんの減少(241百万円減)がある一方で、食品・EC事業における新工場建設に伴う建設仮勘定の増加等(478百万円増)、繰延税金資産の増加(139百万円増)によるものです。

負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,932百万円減少し、20,651百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少(376百万円減)、電子記録債務の減少(849百万円減)、流動負債その他に含まれる未払金の減少(242百万円減)、長期借入金の減少(2,455百万円減)がある一方で、短期借入金の増加(569百万円増)、1年内返済予定の長期借入金の増加(113百万円増)、未払法人税等の増加(234百万円増)、リース債務(固定)の増加(115百万円増)によるものです。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ48百万円減少し、18,307百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少(23百万円減)、その他有価証券評価差額金の減少(25百万円減)によるものです。

この結果、自己資本比率は47.0%と前連結会計年度末に比べ3.2ポイント増加いたしました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収入が354百万円、投資活動による収入が382百万円、財務活動による支出が1,766百万円あったことにより、当連結会計年度末には6,970百万円(前連結会計年度末に比べて1,029百万円減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、354百万円(前連結会計年度は得られた資金90百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益725百万円、減価償却費860百万円、のれん償却額241百万円、支払利息110百万円、売上債権の減少額1,089百万円がある一方で、固定資産売却益690百万円、棚卸資産の増加額188百万円、仕入債務の減少1,196百万円、その他に含まれる未払金の減少257百万円、法人税等の支払額327百万円、利息の支払額115百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、382百万円(前連結会計年度は得られた資金146百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入2,343百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入103百万円がある一方で、有形固定資産の取得による支出1,917百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、1,766百万円(前連結会計年度は使用した資金101百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出4,654百万円、配当金の支払額269百万円がある一方で、短期借入金の純増額569百万円、長期借入れによる収入2,750百万円があったことによるものです。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

2025年3月

自己資本比率(%)

45.6

47.9

41.7

43.8

47.0

時価ベースの自己資本比率(%)

26.1

27.2

25.6

22.6

18.9

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

4.3

2,666.0

30.8

193.2

44.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

41.0

0.1

5.9

1.0

3.2

 

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 ※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 ※キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて

  いる負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

③生産・受注及び販売の状況

(1) 生産実績(アミューズメント事業)

 

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

自動サービス機器

1,795,522

△54.2

システム機器

622,502

△33.2

遊技機(パチスロ機、パチンコ機)等

4,436,278

23.6

その他

211,366

2.9

合計

7,065,671

△18.3

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

(2) 受注実績(アミューズメント事業)

アミューズメント事業のうちシステム機器製品については受注生産を行っており、その受注実績は次のとおりであります。

 

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

システム機器

623,344

△31.9

10,618

△80.5

 

(注) 金額は、販売価格で表示しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメント

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

アミューズメント事業

製品

 

 

 自動サービス機器

2,705,850

△46.8

 システム機器

661,835

△32.6

  遊技機(パチスロ機、パチンコ機)等

4,471,429

10.9

 コンテンツ

383,604

△18.3

 その他

1,130,256

△6.8

アミューズメント事業計

9,352,977

△20.6

不動産事業

815,055

△8.8

電気事業

978,190

0.1

食品・EC事業

8,967,095

15.8

合計

20,113,318

△6.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については消去しております。

2 主な販売先の販売実績及び総販売実績に対する割合 

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ダイコク電機株式会社

4,250,605

19.9

2,013,052

10.0

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討の内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、その作成において必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項」、及び「同 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」をご覧ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

全売上高の46.5%を占めるアミューズメント事業の周辺機器部門では、主に前連結会計年度においてスマート遊技機用ユニットの特需の解消に伴い前期比38.2%減となりました。遊技機部門におけるパチスロ機については、当連結会計年度に4機種を市場投入、また、パチンコ機については連結子会社の株式会社高尾が6機種を市場投入し前期比10.9%増となりましたが、想定の販売台数に対しては大幅に下回る結果となりました。

以上の結果、アミューズメント事業全体では前期比20.6%減となりました。

全売上高の44.6%を占める食品・EC事業は、連結子会社 株式会社オーイズミ下仁田では更なる原価高騰を踏まえた価格転嫁を進めるとともに、注力した認知度の向上、ブランドイメージの浸透も順調に進み、OEM事業展開による新規取引先、海外顧客の獲得など販路拡大に繋がりました。

武内製薬株式会社については、プロテインブランドを中心とした健康・美容に係る商品のオンライン販売に加えて、卸販売にも注力し、韓国コスメ商品を中心に売上を創出しました。またOEM事業も新規顧客開拓及びリピート顧客の増加に伴い、好調な結果となりました。

バブルスター株式会社では、成長を続ける腸活市場をターゲットに商品開発・オンラインでの販売を続け、特に食物繊維などのプレバイオティクス商品を中心に市場シェアを拡大し、卸販売も徐々に拡大しております。

以上の結果、食品・EC事業の売上高は、前期比15.8%増となりました。

当社グループの安定事業と位置付ける不動産事業は、当連結会計年度に賃貸用不動産2物件の売却伴う賃貸収入の減少により、前期比8.8%減となりました。

また、もう一つの安定事業である電気事業においては、天候に恵まれ順調に稼働した事に加え、発電設備の保守、管理の徹底に努め、概ね前期と同水準に推移し安定した収益確保を維持しております。

以上の結果、グループ全体の売上高は20,113百万円(前期比6.0%減)となりました。

 

b.営業利益

売上原価は、アミューズメント事業において、遊技機部門での想定販売台数未達により開発コストを吸収できず売上原価比率を前期比6.9ポイント押し上げる結果となりました。

また、食品・EC事業において、本事業のグループ各社における原価率の高いOEM事業の成長・拡大、および円安の進行による海外原料の仕入価格の高騰等はあったものの、価格転嫁及び拡販を進め、売上高に対する売上原価比率は概ね前期と同水準に留まりました。

この結果、グループ全体の売上原価は前期比3.7%減、売上高に対する売上原価比率は68.4%(前期比は1.7ポイン増)となりました。

販売費及び一般管理費は、アミューズメント事業において、連結子会社株式会社高尾における販売手数料の減少及び販売促進用見本機の減価償却費の減少により、前期比11.0%減となりました。

また、食品・EC事業において、事業拡大に伴う人件費の増加及び配送単価上昇・出荷量の増加に伴う物流コストの上昇、拡販に伴う広告宣伝費の増加により、前期比10.5%増となりました。

この結果、グループ全体の販売費及び一般管理費は前期比2.8%増、売上高に占める比率は31.2%(前期比2.7ポイント増)となりました。

以上の結果、グループ全体の営業利益は93百万円(前期比90.8%減)となりました。

 

c.親会社株主に帰属する当期純利益

主な営業外収益として、受取利息及び受取配当金25百万円、特許料収入13百万円の計上、主な営業外費用として、支払利息110百万円を計上したことにより経常利益72百万円(前期比92.8%減)、また、保有不動産の売却益690百万円等により特別利益715百万円の計上、一方で子会社株式売却損50百万円等により特別損失62百万円計上いたしました。これらの結果、税金費用等478百万円計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は246百万円(前期比53.4%減)となりました。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
 当社グループは、キャッシュ・フロー重視の経営を行っており、収益力の増加により営業活動によるキャッシュ・フローを高め、投資効率を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めることを目指しております。

 

・資金需要

当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、持続的な成長のための投資や各事業に係る運転資金の他、食品・EC事業における生産能力、生産効率向上を図る設備投資、アミューズメント事業における新製品の開発費、不動産事業における賃貸用不動産の取得に要する資金であります。

・財務政策

当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入等により資金を調達しており、資金については当社で一元管理をしております。なお、借入に際しては、金利スワップ等を活用し、調達コストの低減を図ると共に将来の金利変動リスクの回避に努めております。また、金融機関に借入枠を設定しており、当社グループの運営に必要な運転資金及び設備資金の安定的な調達は今後も可能であります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、主に当社において行われ、遊技場に必要な新技術の研究開発及び製品化研究、製品の設計・改良研究及び品質保証活動、特許取得管理及び技術調査管理を行っております。

セグメントの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(1) アミューズメント事業

当連結会計年度の研究開発費は人件費も含め、総額1,698百万円であります。

なお、当連結会計年度末における工業所有権の総数は、出願中を含め1,477件であります。

当連結会計年度の主な研究開発の成果は、以下の製品であります。

①パチスロ機「パチスロ閃乱カグラ2 SHINOVIMASTER」

「Xechs(ゼクス)筐体」。2017年7月に発売して人気を博した「パチスロ閃乱カグラ」を新たなゲーム性でA+AT機としたスマスロ第一弾となるシリーズ機種

②パチスロ機「少女☆歌劇レヴュースタァライト-The SLOT」

ZEEG筐体を使用した「Zero(ゼロ)筐体」第二弾。業界初の新しいATの形、貫通型A+AT機としてリリース。

③ぱちんこ機「PDD北斗の拳3」

ラッシュ突入率100%の安心設計かつ、200回転の超ロングSTでラッシュを思う存分楽しめる「百突昇天スペック」の1種2種混合ミドルタイプ。

④ぱちんこ機「Pクイーンズブレイド4 UNLIMITED」

アニメ最新作やシリーズ初の3DCGを搭載した高尾美少女シリーズ屈指の人気タイトル最新作。初当り出玉ALL1,300個かつ継続率85%の強力ラッシュを搭載した1種2種混合ミドルタイプ。

 

(2) 不動産事業

 該当事項はありません。

 

(3) 電気事業

 該当事項はありません。

 

(4) 食品・EC事業

 該当事項はありません。