当事業年度における我が国経済は、中国をはじめとする新興国経済の減速の影響や、民間消費の回復力に弱さがみられたものの、企業収益が明確な改善を続けるなかで、国内の設備投資は改善の動きが見られ、全体として緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社は期初受注残から引き続き、全国的に幅広い受注に支えられ、活発な生産活動を維持いたしました。公共事業やオリンピック関連事業に向けての設備投資や建設需要もあり、主力製品である強力吸引作業車はレンタル向けや、深層工事需要による建設関連への売上が好調に推移いたしました。また、お客様のニーズに応じた製品を受注生産する一方で、短納期需要にも応ずるため、先行製作車を生産し対応してまいりました。
その他、除染に用いられた路面清掃車は製鉄所関係から需要があり、また、海外ではODAによる東南アジア向け売上が業績に貢献いたしました。
この結果、当事業年度は株式上場以来最高の売上高・利益を更新することができました。
業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は351百万円減の9,632百万円(前期比3.5%減)、売上高は758百万円増の9,438百万円(前期比8.7%増)となりました。収益面につきましては、営業利益は89百万円増の806百万円(前期比12.4%増)、経常利益は87百万円増の827百万円(前期比11.8%増)、当期純利益は88百万円増の539百万円(前期比19.6%増)を計上することとなりました。
当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。なお、製品の品目別の業績については、次のとおりであります。
(ア)強力吸引作業車
前事業年度に引き続き、インフラ整備事業及び工場関係向けの需要、またレンタル向けの需要もあり、売上高は大幅に増加しております。
業績は前事業年度に比べ受注高は772百万円減の6,271百万円(前期比11.0%減)、売上高は960百万円増の6,579百万円(前期比17.1%増)、受注残高は307百万円減の3,067百万円(前期比9.1%減)となりました。
(イ)高圧洗浄車
前事業年度に引き続き、下水道関係のインフラ整備事業の需要があり、受注高及び受注残高は大幅に増加しております。
業績は前事業年度に比べ受注高は386百万円増の1,482百万円(前期比35.2%増)、売上高は43百万円減の1,158百万円(前期比3.6%減)、受注残高は323百万円増の768百万円(前期比72.8%増)となりました。
(ウ)粉粒体吸引・圧送車
前事業年度は1台、当事業年度は4台の売上となりました。
業績は前事業年度に比べ受注高は226百万円増の294百万円(前期比329.1%増)、売上高は102百万円増の145百万円(前期比237.4%増)、受注残高は149百万円増の218百万円(前期比217.6%増)となりました。
(エ)部品売上
部品は堅調に販売されており、受注高・売上高ともに前事業年度に比べ53百万円増の810百万円(前期比7.1%増)となりました。
(オ)その他
その他は、上記に属さない製品、中古車の販売及び修理改造等であります。当事業年度は、官公庁及び高速道路会社向けの「リサイクルコンビ(水循環式排水管清掃車)」、吸引・洗浄と洗浄水のリサイクル技術を用いて路面を清掃する「ロードリフレッシャー(洗浄吸引型路面清掃車)」等の特殊製品の売上を計上しております。
業績は前事業年度に比べ受注高は244百万円減の773百万円(前期比24.0%減)、売上高は313百万円減の744百万円(前期比29.6%減)、受注残高は28百万円増の181百万円(前期比18.9%増)となりました。
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ65百万円減少し、917百万円(前期比6.7%減)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ602百万円減少し、186百万円(前期比76.4%減)となりました。これは主に、売上債権の増加409百万円及び法人税等の支払額269百万円等はありましたが、税引前当期純利益の計上827百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ449百万円減少し、99百万円(前期比81.9%減)となりました。これは主に、定期預金の純減少額76百万円及び有形固定資産の取得による支出138百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ54百万円増加し、152百万円(前期比55.8%増)となりました。これは配当金の支払い152百万円等によるものであります。
当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。
当事業年度における生産実績、受注実績及び販売実績を製品の品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
強力吸引作業車 | 6,552,666 | +9.0 |
高圧洗浄車 | 1,303,561 | +8.2 |
粉粒体吸引・圧送車 | 166,032 | +256.3 |
部品売上 | 810,204 | +7.1 |
その他 | 717,768 | △21.7 |
合計 | 9,550,234 | +6.9 |
(注) 1 生産高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車の生産等が主なものであります。
3 当事業年度から製品の品目区分を変更したため、前年同期比につきましても、変更後の区分に組み替えて記載しております。
品目 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
強力吸引作業車 | 6,271,794 | △11.0 | 3,067,569 | △9.1 |
高圧洗浄車 | 1,482,398 | +35.2 | 768,220 | +72.8 |
粉粒体吸引・圧送車 | 294,774 | +329.1 | 218,200 | +217.6 |
部品売上 | 810,204 | +7.1 | ― | ― |
その他 | 773,728 | △24.0 | 181,941 | +18.9 |
合計 | 9,632,899 | △3.5 | 4,235,930 | +4.8 |
(注) 1 受注高及び受注残高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車及び修理改造等の受注が主なものであります。
3 当事業年度から製品の品目区分を変更したため、前年同期比につきましても、変更後の区分に組み替えて記載しております。
品目 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
強力吸引作業車 | 6,579,768 | +17.1 |
高圧洗浄車 | 1,158,676 | △3.6 |
粉粒体吸引・圧送車 | 145,274 | +237.4 |
部品売上 | 810,204 | +7.1 |
その他 | 744,865 | △29.6 |
合計 | 9,438,788 | +8.7 |
(注) 1 販売高には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車の販売及び修理改造等が主なものであります。
3 当事業年度から製品の品目区分を変更したため、前年同期比につきましても、変更後の区分に組み替えて記載しております。
4 主な輸出先及び輸出高並びにその割合等は、輸出高が総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
5 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
当事業年度は、前事業年度に続き、売上高及び利益ともに株式上場以来、最高額を更新いたしました。
翌事業年度では、新たに策定した中期経営計画に基づき、景気に左右されず安定的な収益を確保できる企業体質に進化させるため、顧客信頼度強化、人材の成長、新市場開拓に向けて、以下の課題に取り組んでまいります。
① 品質の向上により、顧客ニーズにあったサービスの提供及び進化に努める。
② 生産基盤の再検証により既存製品の性能向上に努める。
① 企業価値・顧客満足向上のため、ジョブ・ローテーションの実施により人材の成長を図る。
② 階層毎の研修により従業員のレベルアップを図るため教育環境を充実させる。
① 全社一体となりコア技術を生かした製品開発戦略の構築に努める。
② マイクロ波抽出装置の高機能化と市場拡販に努める。
③ 中国市場を核とした海外市場の販路開拓に努める。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社がとっている特有の生産体制
当社は、製品の生産に当たり受注生産を原則としております。従いまして、見込・大量生産品との競合では納期・価格面で不利になることがあります。また、原材料の大量発注ができないため、値上がり等への対応が困難であります。
(2) 会社がとっている特有の仕入形態
当社製品の短納期対応を図るため、シャーシについては、販売先から注文書を入手する(受注)前に、当社の需要予測に基づき先行手配している車種があります。このシャーシが受注に至らず未使用となった場合には、長期在庫となる可能性があります。
(3) 特定の仕入先からの仕入の集中
当社製品、強力吸引作業車に使用している吸引用ポンプは、当社独自の仕様のポンプとするため、その大部分を特定のメーカーに発注しております。
(4) 特定の部品の供給体制
シャーシや主要部品等の供給元企業が、災害等の事由により当社の必要とする数量の部品等を予定通り供給できない場合、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 外注先の事業状況
当社では、製品の部品製作を高知県内の外注先に委託しております。しかし外注先では従業員の高齢化、若者の就業減少が進んでおり、事業の継続に懸念を感じる所も現れております。
また、品質向上のための設備投資等も充分に進まず、県外発注を重視する生産体制への移行も考慮する必要があります。
(6) 自然災害のリスク
高知県では近い将来、土佐湾沖にて発生すると言われる南海地震が懸念されております。BCP(事業継続計画)の策定・運用を通じて、被害の低減等の方策を検討してまいりますが、実際に発生した場合には、生産設備の被害による販売への影響、修復のための多額の損失が生ずる可能性があります。
(7) 海外取引
当社での海外向け販売は、ODAによるものが主でありますが、直接取引の引き合いも増加しつつあります。為替の変動、外国企業への与信、製品の模倣(知的所有権の侵害)等海外取引でのリスクが大きくなります。
(8) 中国市場において、製品や技術が模倣されるリスク
中国市場における活動展開の過程で、「製品の模倣品出現」や「製品の使用技術が模倣される」リスクがあります。そのような権利侵害の事態に至った場合には、技術移転先である重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)と協力し、必要な防御手段を講じてまいります。
技術移転契約
契約締結先名 | 国籍 | 契約内容 | 契約 | 契約期間 | 対価 |
重慶耐徳山花特種車有限責任公司 | 中国 | 強力吸引作業車及び高圧洗浄車の製造販売権 | 平成22年 | 平成22年11月25日から | 一時金及びランニング・ロイヤルティ |
当社における研究開発活動は、「社会のニーズに応ずるため、技術の錬磨と研究開発に努力する」という当社の経営理念に基づき、環境整備機器業界に関する情報を幅広く収集・分析し、顧客ニーズに応じた製品の研究開発を行うことを基本方針としております。
当事業年度における研究開発費の総額は80百万円であり、主な目的、課題、成果及び費用は、次のとおりであります。なお、当社は環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。
前事業年度と同様に、マイクロ波を用いた抽出装置は、バイオマスから有用成分の抽出を行い、抽出データを装置の抽出プログラムに組み込むことで、装置の抽出対象物の多様化を進めることができました。
また、前事業年度より、多量の農産バイオマスからの有用成分抽出と乾燥機能を有した連続処理式マイクロ波抽出装置の開発を行ってまいりました。
この結果、目標とするランニングコストと農産バイオマスの多量処理も達成し、製品化の見通しを立てることができました。また、高知県と共同で進めておりました乾燥した抽出残渣の2次利用は、畜産の配合飼料化や肥料化への見通しを立てることができました。
翌事業年度は、連続処理式マイクロ波抽出装置の実機開発を進めてまいります。
なお、当事業年度に係る研究開発費は、60百万円であります。
強力吸引作業車における粉体の吸引作業において、粉体は強力吸引作業車に搭載されているサイクロンとフィルターで集塵されますが、フィルターの目詰まりによる吸引性能の低下や、フィルター清掃に時間を要する等の問題があり、フィルターの上流側に設けられているサイクロンでの粉体の集塵効率の向上が求められています。
当事業年度は、前事業年度と同様に、粉体集塵効率の高いサイクロンの最適形状を求めるために、サイクロン内部の構造、寸法とサイクロン内部の空気の流れ及び、粉体を投入した場合の集塵効率の関係を調査いたしました。
この結果、サイクロンの最適形状を決定すると共に、強力吸引作業車にサイクロンを搭載し、実際の粉体の吸引作業現場にて実証試験を行い、目標としたサイクロンの高性能化を達成いたしました。更に、サイクロンが高性能化されたことによるフィルターの小型化と、吸引性能を長時間維持することを達成いたしました。
翌事業年度は、高性能サイクロンとフィルターの各車種への搭載を進めてまいります。
なお、当事業年度に係る研究開発費は、19百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
総資産は、前事業年度末に比べ441百万円増加し7,804百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少141百万円等はありましたが、売上債権の増加410百万円及び棚卸資産の増加105百万円等によるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ57百万円増加し3,777百万円となりました。これは主に、長期未払金の減少92百万円はありましたが、仕入債務の増加120百万円及び未払金の増加113百万円等によるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ383百万円増加し4,027百万円となりました。これは主に、剰余金の配当150百万円等はありましたが、当期純利益539百万円を計上できたことによるものであります。
(2) 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、9,438百万円(前期比8.7%増)となりました。
品目別では強力吸引作業車の売上高が前事業年度に比べ960百万円増の6,579百万円、高圧洗浄車の売上高が前事業年度に比べ43百万円減の1,158百万円となりました。これは主に、レンタル向けや大型機種の好調な販売等によるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上総利益は、2,364百万円(前期比8.2%増)となりました。
売上高の増加により、売上総利益も増加しております。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、1,557百万円(前期比6.1%増)となりました。
これは主に完成車両保管倉庫を用途とする地代家賃の増加及び人件費等の増加によるものであります。
(営業利益)
当事業年度における営業利益は、806百万円(前期比12.4%増)となりました。
売上高の増加により、営業利益も増加しております。
(経常利益)
当事業年度における経常利益は、827百万円(前期比11.8%増)となりました。
営業外収益として21百万円を計上しております。これは主に受取賃貸料によるものであります。
(当期純利益)
税引前当期純利益は827百万円(前期比11.7%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は287百万円(前期比0.7%減)となりました。なお、税制改正に伴う繰延税金資産の取崩しにより、当事業年度に計上された法人税等調整額は10百万円増加しております。この結果、当事業年度における当期純利益は539百万円(前期比19.6%増)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因
① 産業廃棄物に関する法規制の動向
既存製品の販売、新製品の開発方針に大きな影響を及ぼします。
② 原材料・資材の価格変動
原材料・資材の大幅な価格変動は、損益に大きな影響を及ぼします。
③ ディーゼル車の排出ガス規制
順次強化されていく全国的な排出ガス規制では、買替需要が期待されます。
④ 東南アジア諸国の環境施策とODA
各国の環境への関心の高まりとともに、環境整備機器への関心が高まればビジネスチャンスとなります。同時に、日本国のODAによる機器の供給が多くなれば同様であります。
(4) 戦略的現状と見通し
国内市場で大きなシェアを占めている、強力吸引作業車・高圧洗浄車は、高機能化・エコ化・低騒音化・新機種の投入等により、シェアの確保を行ってまいります。
また、新分野に対応した製品「マイクロ波抽出装置」では、バイオマス再資源化装置の実機開発と、バッチ式抽出装置の本格的な拡販に努めます。新設した広域営業課を通じ、様々な用途に向けての市場開拓を本格化させてまいります。
一方海外市場においては、重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)との強力吸引作業車・高圧洗浄車の技術移転を通じ、中国における新市場の開拓を進めてまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」を参照下さい。
当社の主な資金需要は、生産活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費であり、これらについては現在手許資金で賄える状況であります。今後も安定した経営基盤に基づく収益向上を図り営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努めてまいります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針
当社は、強力吸引作業車・高圧洗浄車の販売が好調に推移し、当事業年度も前事業年度に続き最高益を更新しておりますが、景気の変動に左右されず、常に安定した収益を確保できる企業体質に進化させるためには、製品と市場の幅を更に拡げることが不可欠であると認識しております。新分野に対応した製品(特に汚泥・汚水・バイオマス処理・放射能除染)や、コア技術を生かした製品開発により市場の開拓に努めてまいります。
また、強力吸引作業車・高圧洗浄車は国内で既に高いシェアを占めており、海外に注力すべきであることも認識しております。技術提携を通じた中国市場の開拓を更に推進するとともに、東南アジアでの営業活動を強化してまいります。