文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の経営理念は、「自社製品の公共性を自覚し、技術を通じ、社会の繁栄に奉仕します。」、「社会のニーズに応ずるため、技術の練磨と研究開発に努力します。」、「お互ひに切瑳琢磨し、人間性の向上につとめ、常に前進を目指し、いつもなにかを考えます。」の3つとしております。また、エンジニアリング、技術主体の企業でありたいという思いから「技術の兼松」をスローガンに、技術中心の会社運営を行っております。
(2)目標とする経営指標
当社は事業の発展、株主に対する安定配当の継続等を重視した経営を目指しております。そのため、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上と配当性向35%を目標として努めてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は創業以来、環境整備機器、特に産業廃棄物処理機器の開発・設計・製造・販売を行ってまいりましたが、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しております。
当社を取り巻く業界や市場の動向は、社会インフラ整備という安定的な需要はあるものの、国内需要が中心であります。また、強力吸引作業車・高圧洗浄車は国内で既に高いシェアを占めており、今後の販売に大きな伸びが期待できないため、製品と市場の幅を更に拡げることが不可欠であるとともに、海外市場に注力する必要があることも認識しております。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
① 産業廃棄物に関する法規制の動向
既存製品の販売、新製品の開発方針に大きな影響を及ぼします。
② 原材料・資材の価格変動
原材料・資材の大幅な価格変動は、損益に大きな影響を及ぼします。
③ ディーゼル車の排出ガス規制
順次強化されていく全国的な排出ガス規制では、買替需要が期待されます。
④ 東南アジア諸国の環境施策とODA
各国の環境への関心の高まりとともに、環境整備機器への関心が高まればビジネスチャンスとなります。同時に、日本国のODAによる機器の供給が多くなれば同様であります。
(5)会社の対処すべき課題
2020年3月期から2022年3月期までの3年間にわたる中期経営計画では、スローガン「挑戦」のもと、新たなステージに向かい全社一丸となり躍進するため、以下の課題に取り組んでまいります。
[徹底したユーザー志向への挑戦]
兼松ファンを1社でも多く増やすべく、ユーザー志向の徹底を図ります。
[徹底した効率化への挑戦]
新工場稼動と次期基幹システム導入により、従来の業務のやり方を抜本的に見直し、効率化の徹底を図ります。
[トラブル撲滅への挑戦]
業務と製品の品質向上と省力化を両立させる業務プロセスを構築します。
[人材育成への挑戦]
個々のモチベーション向上と組織の活性化を図り、人材の成長と働き甲斐のある職場創りを促進します。
[新市場開拓への挑戦]
お客様が抱えている課題を当社の技術力で解決することにより、お客様が利益を得る好循環を造ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社がとっている特有の生産体制
当社は、製品の生産に当たり受注生産を原則としております。従いまして、見込・大量生産品との競合では納期・価格面で不利になることがあります。また、原材料の大量発注ができないため、値上がり等への対応が困難であります。
(2) 会社がとっている特有の仕入形態
当社製品の短納期対応を図るため、シャーシについては、販売先から注文書を入手する(受注)前に、当社の需要予測に基づき先行手配している車種があります。このシャーシが受注に至らず未使用となった場合には、長期在庫となる可能性があります。
(3) 特定の仕入先からの仕入の集中
当社製品、強力吸引作業車に使用している吸引用ポンプは当社独自の仕様のポンプとするため、その大部分を特定のメーカーに発注しております。
(4) 特定の部品の供給体制
シャーシや主要部品等の供給元企業が、災害等の事由により当社の必要とする数量の部品等を予定通り供給できない場合、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、災害以外にも、供給者側のシャーシモデル変更等による一時的な供給体制の崩れが、前記同様の結果を惹起する可能性があります。
(5) 外注先の事業状況
当社では、製品の部品製作を高知県内の外注先に委託しております。しかし、外注先では従業員の高齢化、若者の就業減少が進んでおり、事業の継続に懸念を感じる所も現れております。
また、品質向上のための設備投資等も充分に進まず、県外発注を重視する生産体制への移行も考慮する必要があります。
(6) 自然災害のリスク
高知県では近い将来、土佐湾沖にて発生すると言われる南海トラフ地震が懸念されております。BCP(事業継続計画)の策定・運用を通じて、被害の低減等の方策をしておりますが、実際に発生した場合には、生産設備の被害による販売への影響、修復のための多額の損失が生ずる可能性があります。
(7) 海外取引
当社での海外向け販売は、ODAによるものが主でありますが、直接取引の引き合いも増加しつつあります。為替の変動、外国企業への与信、製品の模倣(知的所有権の侵害)等海外取引でのリスクが大きくなります。
(8) 中国市場において、製品や技術が模倣されるリスク
中国市場における活動展開の過程で、「製品の模倣品出現」や「製品の使用技術が模倣される」リスクがあります。そのような権利侵害の事態に至った場合には、技術移転先である重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)と協力し、必要な防御手段を講じてまいります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当事業年度における我が国経済は、年度終盤こそ、中国経済の先行きの不透明さから輸出や生産の一部に弱さは見られたものの、総じて設備投資を中心に内需、外需ともにバランスのとれた成長を遂げ、緩やかな回復が継続しました。
かかる状況下、当社は活発な生産活動を維持いたしました。
前事業年度に実施されたシャーシの一斉モデルチェンジの影響から、期初受注残高は前事業年度を下回る水準でありましたが、首都圏を中心とする都市再開発事業向け需要に加え、全国的なインフラ整備・長寿命化等に伴う幅広い需要は底堅く、通期では、前事業年度を上回る売上高・利益を計上いたしました。
また、足元の受注環境も好調に推移しており、期末における受注残高は、前事業年度末残高を大きく上回っており、引き続き高水準で推移しております。
経営成績につきましては、前事業年度に比べ受注高は1,444百万円増の11,710百万円(前期比14.1%増)、受注残高は1,098百万円増の5,493百万円(前期比25.0%増)となりました。
売上高は251百万円増の10,611百万円(前期比2.4%増)となりました。これは主として高圧洗浄車の売上高が前事業年度に比べ166百万円増の1,660百万円及び製鉄所構内や空港滑走路で使用する路面清掃車等の特殊製品の売上高が前事業年度に比べ127百万円増の791百万円、強力吸引作業車の売上高が前事業年度に比べ142百万円減の7,075百万円となったことによるものであります。
営業利益は11百万円増の863百万円(前期比1.3%増)となりました。売上総利益は52百万円減の2,414百万円(前期比2.1%減)となりました。一方、業績に連動した賞与支給額減少等による人件費減少等により、販売費及び一般管理費が63百万円減の1,550百万円(前期比3.9%減)となったことによるものであります。
経常利益は営業外収益として26百万円を計上し、9百万円増の890百万円(前期比1.1%増)となりました。営業外収益は主に、受取賃貸料17百万円によるものであります。
当期純利益は災害に関連する受取保険金等もあり、税引前当期純利益は896百万円(前期比4.2%増)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は291百万円(前期比10.4%増)となりました。この結果、当事業年度における当期純利益は8百万円増の605百万円(前期比1.4%増)となりました。
製品の品目別の業績については、次のとおりであります。なお、当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。
(ア)強力吸引作業車
OBDⅡ(車載式故障診断装置)適応シャーシへのモデルチェンジに伴う駆け込み需要やオリンピック以降も継続する都市再開発に向けた用途に受注環境は好調を維持しており、受注高及び受注残高は過去最高となりました。売上高につきましては、スーパーモービル等主力機種や工場関係向けの大風量の大型機種が好調に推移いたしました。
業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は1,190百万円増の8,150百万円(前期比17.1%増)、売上高は142百万円減の7,075百万円(前期比2.0%減)、受注残高は1,074百万円増の4,368百万円(前期比32.6%増)となりました。
(イ)高圧洗浄車
全国的に下水道関係のインフラ整備事業の需要が堅調で、前事業年度を上回る受注高、売上高及び受注残高となりました。特に売上高は北海道内で使用される寒冷地仕様の高圧洗浄車が納入台数を伸ばしました。
業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は49百万円増の1,706百万円(前期比3.0%増)、売上高は166百万円増の1,660百万円(前期比11.2%増)、受注残高は45百万円増の813百万円(前期比5.9%増)となりました。
(ウ)粉粒体吸引・圧送車
前事業年度は4台、当事業年度は5台の売上となりました。工場関係向けの需要は、作業効率向上や作業環境維持の目的で継続しております。
業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は6百万円増の202百万円(前期比3.2%増)、売上高は32百万円増の171百万円(前期比23.6%増)、受注残高は30百万円増の130百万円(前期比31.1%増)となりました。
(エ)部品売上
部品は堅調に販売されており、受注高・売上高ともに前事業年度に比べ66百万円増の912百万円(前期比7.8%増)となりました。
(オ)その他
その他は、上記に属さない製品、中古車の販売及び修理改造等であります。当事業年度は、製鉄所構内や空港滑走路で使用する路面清掃車、解体時に建物外壁の塗膜をウォータージェットで除去する際に使用する定置型吸引機及び回収タンク等の特殊製品の売上を計上しております。
業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は132百万円増の738百万円(前期比21.9%増)、売上高は127百万円増の791百万円(前期比19.2%増)、受注残高は52百万円減の180百万円(前期比22.7%減)となりました。
財政状態につきましては、総資産は、前事業年度末に比べ404百万円増加し、9,462百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少451百万円はありましたが、工場等用地(高知中央産業団地)取得等による有形固定資産の増加792百万円によるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ11百万円増加し、4,216百万円となりました。これは主に、仕入債務の減少59百万円及び引当金の減少44百万円はありましたが、未払消費税等の増加68百万円及び前受金の増加54百万円によるものであります。
純資産は、前事業年度末に比べ393百万円増加し、5,245百万円となりました。これは主に、剰余金の配当205百万円はありましたが、当期純利益605百万円を計上できたことによるものであります。
当社の主力製品である強力吸引作業車、高圧洗浄車の主なユーザー市場である、産業廃棄物処理・一般廃棄物処理業界は、その市場規模が今後大きく拡大することは考えづらく、一方で相当の市場シェアを持つ当社にとっては、新市場開拓による売上増を図るとともに更なる効率化の推進による安定利益の確保が経営の課題であります。
新分野としてマイクロ波抽出装置を利用した「バイオマス再資源化装置」の本格的な拡販に努めてまいります。
マイクロ波抽出装置では、高機能化評価実験を経て、バイオマス全般分野等様々な用途に向けての市場開拓を本格化させてまいります。
海外市場においては、重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)との強力吸引作業車・高圧洗浄車の技術移転を通じ、中国における新市場の開拓を進めてまいります。
また、近い将来発生すると言われる南海トラフ地震に備えてのBCPの実践も不可欠と考えます。
当事業年度においては、首都圏を中心とする都市再開発事業向け需要に加え、全国的なインフラ整備・長寿命化等に伴う幅広い需要は底堅く、目標とする経営指標につきましては、売上高経常利益率は8.4%、自己資本当期純利益率(ROE)は12.0%、配当性向は34.0%となりました。
翌事業年度では、中期経営計画の初年度として、新たな事業基盤を構築し、働き甲斐の創出とK&Eブランドの創造を担うものづくりを行い、選ばれ続ける企業として躍進するため、ユーザー志向・効率化・トラブル撲滅・人材育成・新市場開拓に向けて取り組んでまいります。
また、高知中央産業団地に取得した工場等用地において、生産性の向上と品質の維持のための設備投資を推進するとともに、南海トラフ地震に備えてのBCPの実践を進めてまいります。
当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ103百万円増加し、876百万円(前期比13.4%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ91百万円増加し、660百万円(前期比16.1%増)となりました。これは主に、法人税等の支払額283百万円及び売上債権の増加103百万円はありましたが、税引前当期純利益の計上896百万円及び減価償却費130百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ477百万円減少し、354百万円(前期比57.4%減)となりました。これは主に、定期預金の純減少額554百万円はありましたが有形固定資産の取得による支出909百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ5百万円減少し、202百万円(前期比2.7%減)となりました。これは主に、配当金の支払い202百万円によるものであります。
当社の主な資金需要は、生産活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費であり、これらについては現在手許資金で賄える状況であります。今後も安定した経営基盤に基づく収益向上を図り営業活動によるキャッシュ・フローの増加に努めてまいります。
当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。
当事業年度における生産実績、受注実績及び販売実績を製品の品目ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 生産高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車の生産等が主なものであります。
(注) 1 受注高及び受注残高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車及び修理改造等の受注が主なものであります。
(注) 1 販売高には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車の販売及び修理改造等が主なものであります。
3 主な輸出先及び輸出高並びにその割合等は、輸出高が総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
4 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。
技術移転契約
(注)契約期間を2016年11月25日から3年間延長しております。
当社における研究開発活動は、「社会のニーズに応ずるため、技術の錬磨と研究開発に努力します。」という当社の経営理念に基づき、環境整備機器業界に関する情報を幅広く収集・分析し、顧客ニーズに応じた製品の研究開発を行うことを基本方針としております。
当事業年度における研究開発費の総額は
当事業年度は、乾燥機能を有する連続処理式マイクロ波抽出装置の汎用性を高める研究開発を進めてまいりました。処理タンク構造と制御プログラムの改良を行い、硬くて水分量が少ない植物原料など、さまざまな性状の食品素材やバイオマスに対応できる装置として、抽出対象物の多様化を進めることができました。
また、並行してバッチ処理式マイクロ波抽出装置の品質向上に取り組み、製品に使用する主要部品の耐久性とメンテナンス性を大幅に向上させることができました。
香料業界では、マイクロ波抽出装置で生産された柑橘精油や芳香蒸留水の需要が年々高まっております。主に飲料水や化粧品の新商品に用いられ、これらの需要に対応すべく、当事業年度に装置を増設されたお客様や、増設を検討されているお客様もおられ、高い評価をいただいております。
翌事業年度も継続して、お客様のニーズに応える装置の改良改善に取り組んでまいります。
なお、当事業年度に係る研究開発費は、63百万円であります。