第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、2021年9月1日をもって創立50周年を迎えることが出来ました。エンジニアリング会社としてどんな場面においても新しい物を生み出そうとする創立時の熱意と精神を受け継ぎ、これからも、ものづくりを通じてより良い社会の実現に貢献してまいります。また、高知市の高台に新工場「テクノベース」を建設し、2021年8月より業務を開始しております。南海トラフ地震に対する自社製品の供給責任を果たすとともに、生産拠点の集約による生産効率の向上を進めてまいります。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響について、当社においては、当事業年度の業績に重要な影響は生じておりません。

現時点で国内各拠点においては、十分な対策を実施した上で事業活動を継続しております。また、受注状況及び生産状況については、平常時と同水準を維持しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大により生産活動の停止・遅延や営業活動の縮小などのリスクは考えられるものの、当事業年度における状況を踏まえた結果、翌事業年度の業績につきましても重要な影響を受けることを想定しておりません。

 

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社の経営理念は、兼松エンジニアリング精神「私達は、自社製品の公共性を自覚し、技術を通じ、社会の繁栄に奉仕します。」、「私達は、社会のニーズに応ずるため、技術の練磨と研究開発に努力します。」、「私達は、お互ひに切瑳琢磨し、人間性の向上につとめ、常に前進を目指し、いつもなにかを考えます。」、基本理念「企業は、従業員を育てなければならない。」、「従業員は、企業を繁栄させなければならない。」、「企業と従業員は、社会に貢献せねばならない。」としております。また、エンジニアリング、技術主体の企業でありたいという思いから「技術の兼松」をスローガンに、技術中心の会社運営を行っております。

 

(2)目標とする経営指標

当社は事業の発展、株主に対する安定配当の継続等を重視した経営を目指しております。そのため、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上と配当性向35%を目標として努めてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は創業以来、環境整備機器、特に産業廃棄物処理機器の開発・設計・製造・販売を行ってまいりました。
お客様の要望を徹底的に追求した製品作りの姿勢及びそれを可能にする技術力と個別受注生産体制によりお客様からの高い評価を頂いております。

しかしながら、企業を取り巻く環境は常に大きく変化しております。

当社を取り巻く業界や市場の動向は、社会インフラ整備という安定的な需要はあるものの、国内需要が中心であります。また、強力吸引作業車・高圧洗浄車は国内で既に高いシェアを占めており、今後の販売に大きな伸びが期待できないため、製品と市場の幅を更に拡げることが不可欠であるとともに、海外市場に注力する必要があることも認識しております。

当社製品は災害復旧や社会インフラの維持管理に欠かせないことから、環境整備機器メーカーとしての社会的(供給)責任を果たすための生産体制を構築する必要があることも認識しております。

 

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因

① 産業廃棄物に関する法規制の動向

既存製品の販売、新製品の開発方針に大きな影響を及ぼします。

② 原材料・資材の価格変動

原材料・資材の大幅な価格変動は、損益に大きな影響を及ぼします。

③ ディーゼル車の排出ガス規制

順次強化されていく全国的な排出ガス規制では、買替需要が期待されます。

④ 東南アジア諸国の環境施策とODA

各国の環境への関心の高まりとともに、環境整備機器への関心が高まればビジネスチャンスとなります。同時に、日本国のODAによる機器の供給が多くなれば同様であります。

 

(5)会社の対処すべき課題

2023年3月期から2025年3月期までの3年間にわたる中期経営計画では、スローガン「変革」のもと、技術力や対応力、お客様や様々な取引先との親密な関係性など、古くから大切にしてきた当社の良さを再認識した上で、新たに得られる生産基盤や技術・情報など時流に応じたものを取り入れて、新たな良さを加えつつ更に進化させていくため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

[顧客志向]

お客様を知り、お客様の求めるものを正確に把握し、相互理解を深めて期待を超える成果を提供します。

[人材]

働き甲斐のある職場とワークライフバランスを実現します。

[品質]

自工程と次工程に責任を持ち、高品質を追求します。

[効率]

新生産体制確立と新基幹システム活用で生産性を高め、収益力を向上させます。

[企業価値]

SDGsへの取り組みにより、社会に貢献します。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 会社がとっている特有の生産体制

当社は、製品の生産に当たり受注生産を原則としております。従いまして、見込・大量生産品との競合では納期・価格面で不利になることがあります。また、原材料の大量発注ができないため、値上がり等への対応が困難であります。

 

(2) 会社がとっている特有の仕入形態

当社製品の短納期対応を図るため、シャシについては、販売先から注文書を入手する(受注)前に、当社の需要予測に基づき先行手配している車種があります。販売方法の多様化(短納期での納車を希望されるお客様向け)を図っておりますが、このシャシが受注に至らず未使用となった場合には、長期在庫となる可能性があります。

 

(3) 特定の仕入先からの仕入の集中

当社製品、強力吸引作業車に使用している吸引用ポンプは当社独自の仕様のポンプとするため、その大部分を特定のメーカーに発注しております。

 

(4) 特定の部品の供給体制

シャシや主要部品等の供給元企業が、災害等の事由により当社の必要とする数量の部品等を予定通り供給できない場合が想定されます。新規取引先の開拓を継続的に行っておりますが、生産遅延、販売機会損失等が発生し、当社の業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、災害以外にも、供給者側のシャシモデル変更等による一時的な供給体制の崩れが、前記同様の結果を惹起する可能性があります。

 

(5) 外注先の事業状況

当社では、製品の部品製作を高知県内の外注先に委託しております。しかし、外注先では従業員の高齢化、若者の就業減少が進んでおり、事業の継続に懸念を感じる所も現れております。

また、品質向上のための設備投資等も充分に進まず、県外発注を重視する生産体制への移行も考慮する必要があります。

 

(6) 自然災害のリスク

高知県では近い将来、土佐湾沖にて発生すると言われる南海トラフ地震が懸念されております。BCP(事業継続計画)の策定・運用を通じて、被害の低減等の方策をしておりますが、実際に発生した場合には、生産設備の被害による販売への影響、修復のための多額の損失が生ずる可能性があります。

高台にある高知中央産業団地内の新工場「テクノベース」の稼働により、上記リスクの軽減を図っております。また、主要協力会社2社も高知中央産業団地内へ移転し、(4)特定の部品の供給体制のリスクについても軽減を図っております。

 

(7) 感染症のリスク

当社は、感染症発生に備え、早期復旧を図るために必要な対策・手順について計画を立て、危機管理の徹底に取り組んでおります。しかしながら、感染症の全てのリスクを回避することは困難で、当社の想定を超える規模での発生も考えられます。このような場合、事業活動が縮小されるなど、経営成績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 海外取引

当社での海外向け販売は、ODAによるものが主でありますが、直接取引の引き合いも増加しつつあります。為替の変動、外国企業への与信、製品の模倣(知的所有権の侵害)等海外取引でのリスクが大きくなります。

 

(9) 中国市場において、製品や技術が模倣されるリスク

中国市場における活動展開の過程で、「製品の模倣品出現」や「製品の使用技術が模倣される」リスクがあります。そのような権利侵害の事態に至った場合には、技術移転先である重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)と協力し、必要な防御手段を講じてまいります。

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による厳しい状況の中、景気は持ち直しの動きが見られるものの、感染動向は不確実であり、加えてウクライナ情勢による資源高等、不透明感が見られ先行きは弱含みで推移していくと見込まれます。

かかる状況下、前事業年度同様、安定したニーズを維持し受注環境含め、引き続き活発な生産活動により高水準の業績となりました。

また足元の受注環境も同様に好調であり、受注残高は、前事業年度を上回る高水準で推移しております。

 

経営成績につきましては、前事業年度に比べ受注高は50百万円増の12,492百万円(前期比0.4%増)、受注残高は621百万円増の6,844百万円(前期比10.0%増)となりました。

売上高は264百万円増の11,871百万円(前期比2.3%増)となりました。これは主としてその他特殊製品等の売上高が前事業年度に比べ138百万円減の829百万円となりましたが、高圧洗浄車の売上高が前事業年度に比べ222百万円増の1,729百万円、強力吸引作業車の売上高が前事業年度に比べ108百万円増の8,049百万円及び粉粒体吸引・圧送車の売上高が前事業年度に比べ61百万円増の315百万円となったことによるものであります。

営業利益は55百万円減の1,026百万円(前期比5.1%減)となりました。売上総利益は16百万円増の2,801百万円(前期比0.6%増)となりました。新工場「テクノベース」取得等に伴う償却費用の増加及び基幹システム更新等に伴う支払手数料の増加により、販売費及び一般管理費が71百万円増の1,775百万円(前期比4.2%増)となったことによるものであります。

経常利益は84百万円減の1,025百万円(前期比7.6%減)となりました。営業外収益は主に受取賃貸料19百万円によるものであり、営業外費用は自己株式取得費用27百万円によるものであります。

当期純利益は新工場「テクノベース」取得等に伴う明見工場他の売却を行いましたが、工場移転関連費用及び50周年記念関連費用もあり税引前当期純利益は1,016百万円(前期比4.2%減)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は265百万円(前期比22.7%減)となりました。この結果、当事業年度における当期純利益は33百万円増の750百万円(前期比4.7%増)となりました。

 

製品の品目別の業績については、次のとおりであります。なお、当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。

(ア)強力吸引作業車

インフラ整備事業や建設事業の更新、増車及び工場関係の大型更新需要、レンタル業者向けの複数台販売需要を安定的に維持しております。前事業年度を上回る受注高及び受注残高となりました。

業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は32百万円増の8,347百万円(前期比0.4%増)、売上高は108百万円増の8,049百万円(前期比1.4%増)、受注残高は297百万円増の4,986百万円(前期比6.4%増)となりました。

(イ)高圧洗浄車

下水道関係のインフラ整備事業の更新、増車の需要は安定しており、高水準を維持し、前事業年度を上回る売上高となりました。

業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は272百万円増の2,042百万円(前期比15.4%増)、売上高は222百万円増の1,729百万円(前期比14.8%増)、受注残高は312百万円増の1,240百万円(前期比33.7%増)となりました。

(ウ)粉粒体吸引・圧送車

前事業年度は6台、当事業年度は7台の売上となりました。工場関係向けの需要は、製品原料の輸送や作業環境維持といった目的で継続しております。

業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は18百万円減の268百万円(前期比6.3%減)、売上高は61百万円増の315百万円(前期比24.3%増)、受注残高は46百万円減の190百万円(前期比19.7%減)となりました。

(エ)部品売上

部品は高水準で堅調に販売しており、受注高・売上高ともに前事業年度に比べ9百万円増の946百万円(前期比1.0%増)となりました。

(オ)その他

その他は、上記に属さない製品、中古車の販売及び修理改造等であります。当事業年度は、「トンネル壁面清掃車」「水循環式排水管清掃車」「放散水車」及び柑橘類果皮から精油抽出等の「マイクロ波抽出装置」等特殊製品の売上を計上しております。

業績につきましては、前事業年度に比べ受注高は246百万円減の887百万円(前期比21.7%減)、売上高は138百万円減の829百万円(前期比14.3%減)、受注残高は57百万円増の427百万円(前期比15.7%増)となりました。

 

財政状態につきましては、総資産は、前事業年度末に比べ1,729百万円増加し、12,811百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少454百万円はありましたが、新工場「テクノベース」取得等に伴う有形固定資産の増加1,119百万円、売上債権の増加532百万円、未収消費税等の増加326百万円及び基幹システム更新等に伴うソフトウエア仮勘定の増加184百万円によるものであります。

負債は、前事業年度末に比べ2,241百万円増加し、7,099百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少159百万円、未払消費税等の減少143百万円及び引当金の減少58百万円はありましたが、借入金の増加2,462百万円及び未払金の増加149百万円によるものであります。

純資産は、前事業年度末に比べ512百万円減少し、5,712百万円となりました。これは主に、当期純利益の計上750百万円はありましたが、自己株式の取得911百万円及び剰余金の配当350百万円によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物は、前事業年度に比べ355百万円減少し、562百万円(前期比38.7%減)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において営業活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ1,183百万円増加し、243百万円(前期比125.9%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益の計上1,016百万円及び減価償却費の計上307百万円はありましたが、売上債権の増加532百万円、法人税等の支払額415百万円、未収消費税等の増加326百万円、未払消費税等の減少143百万円及び棚卸資産の増加107百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、前事業年度に比べ392百万円増加し、1,290百万円(前期比43.8%増)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入608百万円及び定期預金の純減少額100百万円はありましたが、有形固定資産の取得による支出2,010百万円があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、前事業年度に比べ1,413百万円増加し、1,178百万円(前期比600.9%増)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出939百万円及び配当金の支払額344百万円はありましたが、長期借入れによる収入1,800百万円及び短期借入金の純増加額700百万円があったことによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。

当事業年度における生産実績、受注実績及び販売実績を製品の品目ごとに示すと、次のとおりであります。

 

(1) 生産実績

品目

生産高(千円)

前年同期比(%)

強力吸引作業車

8,142,997

+0.7

高圧洗浄車

1,727,265

+9.8

粉粒体吸引・圧送車

261,805

△4.3

部品売上

946,785

+1.0

その他

728,882

△27.7

合計

11,807,737

△0.6

 

(注) 1  生産高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。

2  その他は、上記品目に属さない製品、デモ車の生産等が主なものであります。

 

(2) 受注実績

品目

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

強力吸引作業車

8,347,624

+0.4

4,986,503

+6.4

高圧洗浄車

2,042,415

+15.4

1,240,200

+33.7

粉粒体吸引・圧送車

268,400

△6.3

190,200

△19.7

部品売上

946,785

+1.0

その他

887,753

△21.7

427,629

+15.7

合計

12,492,979

+0.4

6,844,532

+10.0

 

(注) 1  受注高及び受注残高は、販売価格によるとともに、消費税等は含まれておりません。

2  その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車及び修理改造等の受注が主なものであります。

3 受注残高には、翌々事業年度の納入予定金額が含まれております。

 

(3) 販売実績

品目

販売高(千円)

前年同期比(%)

強力吸引作業車

8,049,731

+1.4

高圧洗浄車

1,729,698

+14.8

粉粒体吸引・圧送車

315,040

+24.3

部品売上

946,785

+1.0

その他

829,869

△14.3

合計

11,871,124

+2.3

 

(注) 1  販売高には、消費税等は含まれておりません。

2  その他は、上記品目に属さない製品、デモ車・中古車の販売及び修理改造等が主なものであります。

3  主な輸出先及び輸出高並びにその割合等は、輸出高が総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。

4  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれも総販売実績の10%未満であるため、記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の財政状態及び経営成績の状況については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (1)から(9)」に記載のとおりであります。

 

当社の主力製品である強力吸引作業車、高圧洗浄車の主なユーザー市場である、産業廃棄物処理・一般廃棄物処理業界は、その市場規模が今後大きく拡大することは考えづらく、一方で相当の市場シェアを持つ当社にとっては、新製品開発と新市場開拓による売上増を図るとともに更なる効率化の推進による安定利益の確保が経営の課題であります。

新分野としてマイクロ波抽出装置を利用した「バイオマス再資源化装置」の本格的な拡販に努めてまいります。マイクロ波抽出装置では、高機能化評価実験を経て、バイオマス全般分野等様々な用途に向けての市場開拓を進めてまいります。

海外市場においては、引き続き重慶耐徳山花特種車有限責任公司(中国)との強力吸引作業車・高圧洗浄車の技術移転を通じ、中国における新市場の開拓を継続してまいります。また、独立行政法人国際協力機構の委託事業に採択された、インドネシア共和国での下水道維持管理に向けた案件化調査の準備を進めてまいります。

 

当事業年度においては、全国的なインフラ整備需要は底堅く、目標とする経営指標につきましては、売上高経常利益率は8.6%、自己資本当期純利益率(ROE)は12.6%、配当性向は株式上場20周年記念配当を含め38.9%となりました。

 

翌事業年度は、先行き不透明な状況の中、インフラの維持、災害復旧等環境を守る製品の供給を止めることなく、環境整備機器メーカーとしての社会的責任を果たすべく、社会の変化に柔軟に対応し、新たな事業基盤を整備することで、K&Eブランドと働き甲斐を高め企業価値の向上を図るため、顧客志向・人材・品質・効率・企業価値の視点から各種施策に取り組んでまいります。

また、新工場「テクノベース」において、生産性の向上と品質の維持のための設備投資を推進するとともに、南海トラフ地震に備えてのBCPの実践を進めてまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社の主な資金需要は、生産活動に必要な運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費であり、これらについては現在手許資金で賄える状況であります。

当社の資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。また、金融・資本市場の混乱や緊急で資金が必要となる場合に備え、複数の金融機関と当座借越契約を締結し、資金の流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術移転契約

契約締結先名

国籍

契約内容

契約
締結日

契約期間

対価

重慶耐徳山花特種車有限責任公司

中国

強力吸引作業車及び

高圧洗浄車の製造販売権

2010年
11月25日

2010年11月25日から
2022年11月24日まで(注)

一時金及びランニング・ロイヤルティ

 

(注)契約期間を2019年11月25日から3年間延長しております。

 

(2) 固定資産の譲渡

当社は、2021年6月8日開催の当社取締役会において、固定資産の譲渡を決議し、2021年6月及び7月に不動産売買契約を締結し、2021年9月及び10月に引渡を行いました。

 

① 固定資産譲渡の理由

高知県南国市明見地区と高知市布師田地区に分散している生産拠点を集約し、十分な生産スペースを確保することで工場内の動線を見直し、生産性の向上と品質の維持を図ること及び高台移転することで南海トラフ地震対策とし、万一の事態においても生産体制を維持することを新工場建設の主目的としております。新工場建設に伴い、明見工場等売却により経営資源の有効活用を図るものであります。

 

② 譲渡資産の内容

資産の名称及び所在地

帳簿価額

現 況

明見工場   (高知県南国市)

340,448千円

生産設備

eセンター  (高知県南国市)

144,207千円

生産設備

技術センター (高知県南国市)

96,772千円

設計・生産管理設備

合 計

581,428千円

 

 

※1 譲渡価額については、不動産鑑定評価額を基礎に決定しておりますが、譲渡先との取決めにより公表を控えさせていただきます。

※2 譲渡損益については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (損益計算書関係)※3」に記載しております。

※3 帳簿価額については、譲渡時の帳簿価額を記載しております。また、明見工場及び技術センターにつきましては、減損損失計上後の帳簿価額を記載しております。

 

③ 譲渡先の概要

譲渡先につきましては、国内の事業法人4社でありますが、譲渡先との取決めにより公表を控えさせていただきます。なお、譲渡先と当社との間には、資本関係、人的関係、取引関係として特記すべき事項はなく、当社の関連当事者には該当いたしません。また、反社会的勢力との関係がない事も譲渡先と確認しております。

 

(3) 自己株式の取得及び自己株式の公開買付け

当社は、2021年11月9日開催の取締役会において、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として自己株式の公開買付を行うことを決議し、2021年11月10日から2021年12月8日を取得期間として本公開買付を実施いたしました。本公開買付により、2021年12月30日付で自己株式747,300株を取得いたしました。 

 

5 【研究開発活動】

当社における研究開発活動は、「社会のニーズに応ずるため、技術の錬磨と研究開発に努力します。」という当社の経営理念に基づき、環境整備機器業界に関する情報を幅広く収集・分析し、顧客ニーズに応じた製品の研究開発を行うことを基本方針としております。

当事業年度における研究開発費の総額は77百万円であり、主な目的、課題、成果及び費用は、次のとおりであります。なお、当社は、環境整備機器関連事業並びにこれらの付帯業務の単一事業であるため、セグメントごとに記載しておりません。

 

(1) マイクロ波減圧乾燥装置の研究開発

当事業年度は、前事業年度より開発を進めておりましたマイクロ波減圧乾燥装置の実機開発に取り組み、目標とする乾燥処理後の含水率とエネルギーコストを達成し、製品化いたしました。本製品は、藻類を用いたバイオ燃料生産を研究している企業へ納入し、バイオ燃料生産プロセスの中の乾燥設備として使用されております。

マイクロ波減圧乾燥は、熱風乾燥などの従来設備に対してエネルギーコストが低く、かつ減圧による低温乾燥が可能であることから、幅広い分野への適用が期待される低エネルギー型乾燥技術として注目され、大量乾燥ニーズも高まっております。翌事業年度は、大量乾燥ニーズへの対応として、製品の大型化の研究開発を進めてまいります。

なお、当事業年度に係る研究開発費は、37百万円であります。

 

(2) 真空予冷装置の研究開発

当事業年度は、当社の真空技術を用いた新たな取り組みとして、農業分野向け真空予冷装置の研究開発を進めてまいりました。真空予冷とは、葉野菜など青果物に含まれる水分の蒸発潜熱を奪いながらムラなく急速冷却する手法であり、真空冷却とも呼ばれます。従来の冷風式予冷設備では冷却に長時間かかるのに対して、真空予冷は30分程度で冷却し、青果物の鮮度を長持ちさせることができます。

当事業年度は、小型プロトタイプを製作し、葉野菜を用いた冷却試験を通じて実用化の検討・計画を行い、真空予冷の基盤技術を確立いたしました。翌事業年度も継続して、製品化に向けた研究開発を進めてまいります。

なお、当事業年度に係る研究開発費は、37百万円であります。