文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、以下の「社是」及び「企業理念」を経営の基本方針としております。
(2)経営環境
当社グループが提供する小型建設機械は、住宅建築の基礎工事、水道管、ガス管及び道路等の生活インフラ整備、工場、商業施設及び公共施設などの官民の建設投資をはじめ、衣食住の「住」に深く関わる製品で、人々の毎日の暮らしを支え続けております。
主な販売エリアは米国と欧州であり、ここ数年間の需要動向は、堅調なマクロ経済を背景に高い水準を維持しております。米国では、労働市場が力強さを維持し、所得の増加が継続する見通しで、個人消費及び住宅需要は緩やかに拡大していくと予想しております。欧州におきましては、英国のEU離脱問題や独仏伊の政治不安などを背景に、欧州主要国のマクロ経済は減速感が強まっているものの、人手不足を背景とした良好な雇用・所得環境は継続する見通しで、個人消費及び住宅需要は底堅く推移すると予想しております。また、米欧の両地域に共通して、生活インフラの老朽化が進行しており、行政によるメンテナンス工事が不可欠であり、計画的かつ確実に実施されると見込まれます。
世界的な都市化、まちづくりは今後も衰える気配がなく、新設工事、メンテナンス工事、時として災害復旧工事において、当社製品の需要は継続的に拡大していくと予想しております。
(3)対処すべき課題
当社グループでは3年間(2020年2月期~2022年2月期)の第二次中期経営計画を策定し、以下の課題に取り組んでまいります。
① 質的・量的に安定調達できる購買体制の構築
2020年2月期の予算策定において、買入部品の調達量が需要量に対して不足する見込みとなりました。高い品質を維持し、当社製品の強みである掘削力、耐久性、操作性、快適性を損ねることなく、需要に応じた調達、製造、販売を安定的に行える体制を整備することが喫緊の課題であると認識しております。購買、開発、品質部門が連携し、主に以下の施策に取り組んでまいります。
・既存サプライヤーとの連携強化
・新規サプライヤーをグローバルに開拓
・新規サプライヤーへの技術協力、品質監査・指導
② 販売ネットワークの強化
当社製品がお客様に選ばれ続けるためには、アフターサービスのレベル向上が益々重要になってくると考えております。これまでも、より素早く、精度の高い保守サービスを提供するため、欧米各地で保守トレーニングを実施してまいりましたが、これを強化します。合わせて、保守サービスや保守パーツ販売等のアフタービジネスの拡大に取り組んでまいります。
イ)拠点開設
米国販売子会社の敷地を拡大し、そこに保守トレーニング・センターを開設するとともに、同子会社の現有倉庫を増築して、保守パーツの在庫量を増やす計画です。また、欧州においても保守パーツ・センターを開設する計画です。
ロ)情報システムの構築
GPS機能が付いた情報通信機器を北米向けに続いて、欧州向け製品にも搭載を開始しました。製品の稼働状況をリアルタイムに把握し、故障発生時には即応することが可能となり、顧客満足度の向上につなげてまいります。また、アフターサービス業務のためのシステム構築は、販売パートナーごとに個別に行われていますが、これを統一する統合管理システムの構築に着手いたしました。当社や販売子会社、販売パートナーに分散されていたノウハウや知識が共有されることにより、サービスレベルの向上につなげてまいります。
③ 開発力の強化
市場ニーズに迅速かつ的確にお応えし続けていくため、耐久性、操作性、快適性など当社製品が満たすべき基準を明確化し、設計品質の維持・向上に取り組んでおります。また、排出ガス規制などクリアすべき基準をクリアするのみならず、バッテリー式ショベル等の環境にやさしい製品開発にも積極的に取り組んでまいります。これまで培った経験知と新たな工学技術・知識の融合を図り、お客様に選ばれ続ける製品開発を推し進めてまいります。
④ 生産能力の強化
当社グループの建設機械の生産台数は増加傾向が顕著であり、生産能力の強化は重要な経営課題であると認識しております。2016年2月には本社第3工場の新築工事、2018年2月には本社第1工場の拡張工事が竣工し稼動を開始しました。2019年5月には中国製造子会社の工場増築が完了し、同年6月より稼動を開始する予定です。今後は、本社工場の生産ラインへのコンベア導入や、工場レイアウトの変更による組立スペースの拡大等の諸施策により省力化、効率化を図るとともに、従業員によるボトムアップの改善活動と合わせて、現有の本社工場の生産能力を強化してまいります。
⑤ サステナブル(持続可能な)経営の推進
当社グループは、国連サミットで採択された“持続可能な開発目標(SDGs)”を念頭に、地球に優しく豊かな社会の実現に貢献したいと考えております。中でも、「11. 住み続けられるまちづくりを」は、当社グループの事業領域そのものです。より安全で、より効率的で、よりクリーンなまちづくりを支える建設機械の開発、製造、販売、保守メンテナンスを通じ、広く社会に貢献してまいります。また、バッテリー式ショベルをはじめとした環境にやさしい製品開発や、太陽光パネルによる電力供給を工場に取り入れるなど、環境活動にも積極的に取り組んでまいります。さらに、事業拡大に合わせて雇用を拡大し、当社グループの従業員が健康で働きがいを持って活躍できる環境整備に努めるとともに、ジェンダーや国際性の面を含むダイバーシティーな人材登用を推進します。
なお、第二次中期経営計画の最終年度(2022年2月期)の数値目標を以下のとおり定めています。
|
|
2019年2月期 実績 |
2022年2月期 数値目標 |
|
|
売上高 |
1,101億円 |
1,300億円 |
|
|
営業利益 |
154億円 |
155億円 |
|
|
買入部品の海外調達比率 |
30.1% |
35% |
|
|
為替レート |
米ドル 英ポンド ユーロ 人民元 |
110.06円 145.91円 129.16円 16.64円 |
108.00円 140.00円 122.00円 15.90円 |
※2019年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)為替相場の変動
当社グループの連結売上高に占める海外売上高は99%を超え、その部分が為替の影響を受けております。このため、為替予約等によるリスクヘッジを行なっておりますが、当社グループの想定を超えた為替レートの変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、決算期末における債権債務の為替換算に係る為替差損益等が発生する場合もあります。
(2)原材料価格の変動及び原材料の調達難
当社グループの原材料の主要なものは鉄板等の鋼材であり、鋼材価格は市況により変動します。当社グループは鋼材価格が高騰した場合には、生産ラインの合理化等のコスト削減策及び販売価格への転嫁などを推進してまいりますが、これらの施策が計画どおりに進まなかった場合及び原材料価格の高騰が継続し長期化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、天災や事故等により原材料メーカーが生産活動を停止する事態が発生するなど、当社グループの原材料調達が困難となり長期化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)経済、市場の状況
先進地域におきましては、建設機械事業は総じて景気循環的な産業であります。従いまして、当社グループの製品の需要は、公共投資、民間設備投資等の動向により影響を受けております。特に住宅建設関連工事に多く使用されておりますので、このような経済及び市場環境の変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)競合
建設機械業界は、競合他社の数が多く、世界各国での競争は大変厳しいものとなっております。当社グループの製品は、品質、性能面等での優位性を強調し、拡販を行なっておりますが、競合他社が当社グループの製品を、品質、性能面等で凌ぐ製品を開発、市場投入し、当社グループのマーケットシェアが低下した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)債権管理
当社グループは、取引のリスクを軽減するため、販売先の財務情報等を入手し、経営状況に応じた与信枠を設定し、与信管理を行なっておりますが、販売先の財政状態が悪化し不良債権等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)人材の確保・育成
当社グループの更なる成長のためには、市場に新製品を継続的に投入していく必要があります。そのため、研究開発の充実、特に技術スキルの高い人材の確保・育成が重要となっております。また、販売・管理体制の強化もこれと並んで重要であり、優秀な人材の確保・育成が必要となります。しかし、このような人材を十分に確保または育成できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)環境規制
世界各国の環境規制は、排出ガス規制、騒音規制等年々厳しくなる傾向にあります。当社グループの製品は、それらの環境規制に適応していく必要がありますが、そのためには研究開発費の支出や新たな設備投資が必要となることが想定され、これらのコストが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)その他公的規制等
当社グループは、主要な市場である北米及び欧州におきまして、さまざまな公的規制及び税制の適用を受けております。これらの公的規制等を遵守できなかった場合には、当社グループの活動が制限されるとともに、その公的規制等を遵守するために追加的なコストが発生する可能性があります。また、将来において、公的規制等に改正や変更等が生じ、同様の事態が発生した場合においても、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)生産拠点の集中
当社グループは、主力となる生産拠点が長野県の北部に集積しておりますので、地震等の自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの生産設備が壊滅的な被害を被った場合、当社グループの操業が一時中断し、生産及び出荷が遅延することにより売上高が低下する恐れがあります。この場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)製品の品質
当社グループは、品質と安全に十分留意して、製品を提供しておりますが、これら製品について品質上、安全上の不具合が全く発生しない保証はありません。当社グループは、製造物賠償責任保険に加入しておりますが、その補償限度額を超える賠償責任を負ったり、ブランド価値の低下を招いたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)情報セキュリティ・知的財産
当社グループは、事業活動において顧客情報や個人情報等を取り扱う機会があり、また営業上・技術上の機密情報を有しております。これらの情報の取り扱い、秘密保持には細心の注意を払っており、不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩、紛失等から守るため、取扱規則を定め、適切な管理体制を構築しております。しかしながら、情報漏洩等の事故が発生し、損害賠償責任を負ったり、ブランド価値の低下を招いたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、知的財産権につきましては、当社グループが知的財産権を侵害されたり、当社グループが第三者により知的財産権の侵害を訴追されたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループの主力市場である米国及び欧州の当連結会計年度(2018年3月1日から2019年2月28日まで)の経済は、概ね以下のとおり推移しました。米国では、景気拡大が継続したものの、関税発動による原材料コストの上昇や通商政策を巡る不確実性が重石となり、企業の設備投資は高水準を維持しながらも一服しました。住宅市場は、住宅価格や長期金利の上昇が影響して需給の調整局面に入りましたが、個人消費そのものは良好な雇用・所得環境が下支えとなり、好調に推移しました。欧州では、年度後半で景気の減速感が強まりましたが、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は底堅く推移し、製造業、サービス業ともに稼働率は高い水準にあり、設備投資や建設投資は堅調さを維持しました。英国では、EU離脱期限が条件付きで延期され、先行きに対する不透明感が強まりました。
このような環境の中、当社グループの製品需要は米国及び欧州ともに高い水準を維持しており、2018年1月にはクローラーローダーの新製品を、2018年3月にはミニショベルの新製品を市場投入し、積極的な販売活動を展開した結果、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの当連結会計年度の販売台数は、前連結会計年度に比べいずれも増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は過去最高となる1,101億7千5百万円(前連結会計年度比16.8%増)となりました。利益面につきましては、原材料価格の上昇及び販売台数の増加に伴う運搬費の増加等を増収効果で吸収し、営業利益は154億1千1百万円(同9.0%増)となり、経常利益は154億9千6百万円(同10.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を43億3百万円計上したため、113億9千1百万円(同19.3%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は401億4千7百万円(前連結会計年度比21.2%増)となり、セグメント利益は116億5千万円(同5.3%減)となりました。
(米国)
売上高は507億円(前連結会計年度比11.8%増)となり、セグメント利益は27億3千1百万円(同76.8%増)となりました。
(英国)
売上高は121億9千2百万円(前連結会計年度比12.7%増)となり、セグメント利益は6億3百万円(同12.8%増)となりました。
(フランス)
売上高は66億1千4百万円(前連結会計年度比39.8%増)となり、セグメント利益は2億3千7百万円(同24.5%減)となりました。
(中国)
売上高は5億2千1百万円(前連結会計年度比69.3%増)となり、セグメント利益は4億2千2百万円(同5.4%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ122億4千5百万円増加し、1,040億4千5百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円増加し、268億6千4百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ90億7千3百万円増加し、771億8千万円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払や配当金の支払による支出がありましたが、税金等調整前当期純利益などの収入があったこと等により、前連結会計年度末に比べ40億5千2百万円増加し、当連結会計年度末の資金残高は344億6千4百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は84億2千1百万円(前連結会計年度比19億8千5百万円の減少)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加額70億3千4百万円(同64億3百万円の増加)、法人税等の支払額43億9千3百万円(同10億8千8百万円の増加)、売上債権の増加額9億4千万円(同1百万円の減少)の支出がありましたが、税金等調整前当期純利益156億9千4百万円(同16億6千1百万円の増加)、仕入債務の増加額36億9千7百万円(同30億9千9百万円の増加)等の収入があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は22億6千8百万円(前連結会計年度比9億4千1百万円の増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出22億3千3百万円(同13億6千6百万円の増加)及び投資有価証券の取得による支出3億1百万円(同1百万円の増加)等がありましたが、撹拌機事業の譲渡による収入3億8千6百万円(同3億8千6百万円の増加)等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は17億1千5百万円(前連結会計年度比4億6千2百万円の増加)となりました。
これは主に、配当金の支払額17億1千1百万円(同4億7千万円の増加)等に使用されたことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
107,920 |
23.2 |
|
中国(百万円) |
3,823 |
67.3 |
|
合計(百万円) |
111,744 |
24.3 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
43,839 |
36.0 |
11,588 |
46.8 |
|
米国 |
54,027 |
9.7 |
15,213 |
28.0 |
|
英国 |
12,839 |
25.5 |
1,734 |
59.5 |
|
フランス |
6,713 |
24.5 |
1,753 |
6.0 |
|
中国 |
521 |
69.3 |
- |
- |
|
合計 |
117,941 |
21.1 |
30,290 |
34.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
40,147 |
21.2 |
|
米国(百万円) |
50,700 |
11.8 |
|
英国(百万円) |
12,192 |
12.7 |
|
フランス(百万円) |
6,614 |
39.8 |
|
中国(百万円) |
521 |
69.3 |
|
合計(百万円) |
110,175 |
16.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年3月1日 至 2018年2月28日) |
当連結会計年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
HUPPENKOTHEN GmbH & Co KG |
12,955 |
13.7 |
16,679 |
15.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は過去最高となる1,101億7千5百万円(前連結会計年度比16.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益も過去最高となる113億9千1百万円(同19.3%増)となり、増収増益を果たすことができました。主な販売市場は米国と欧州であり、市場全体としての需要動向が好調さを維持したことに加え、米国市場と欧州市場のそれぞれに向けて発売した新製品が貢献し、販売台数、売上高は米欧ともに大幅に拡大しました。販売子会社やディストリビューター、ディーラーから寄せられた市場ニーズに基づき、小回りよく新製品を開発して市場投入することによるシェアアップや業績拡大を志向しており、それが着実に具現化したと認識しております。反面、小型の新製品の売れ行きが好調で、全体に占める小型機種の販売構成比率が相対的に上昇した結果、利益率低下の一因にもなりました。また、地域セグメント別の売上高に関して、これまでシェアで見劣りしていたフランス販売子会社では、販売チャネルの改革に鋭意取り組んでまいりました。この成果が着実に現れてきており、当連結会計年度のフランスセグメントの売上高は、66億1千4百万円(同39.8%増)となり、為替を除いた現地通貨ベースでも順調に拡大しております。
一方で、買入部品の安定確保という重大な課題も発生しました。2020年2月期の予算策定において、買入部品の調達量が需要量に対して不足する見込みとなりました。高い品質を維持し、当社製品の強みである掘削力、耐久性、操作性、快適性を損ねることなく、需要に応じた調達、製造、販売を安定的に行える体制を整備することが喫緊の課題であると認識しております。既存サプライヤーとの連携強化と並行して、新規サプライヤーのグローバル開拓を購買、開発、品質部門が連携して推し進めてまいります。
b. 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ122億4千5百万円増加し、1,040億4千5百万円となりました。これは主に、現金及び預金が40億8千2百万円増加し、売上の増加により受取手形及び売掛金が7億3百万円増加し、翌期の需要最盛期に向けて製品在庫を積み上げたこと等により、たな卸資産が62億4千1百万円増加したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債総額は、前連結会計年度末に比べ31億7千2百万円増加し、268億6千4百万円となりました。これは主に、生産台数の増加により支払手形及び買掛金が29億8千9百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産総額は、前連結会計年度末に比べ90億7千3百万円増加し、771億8千万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が113億9千1百万円増加しましたが、配当金の支払により17億1千8百万円減少し、為替換算調整勘定が6億3千2百万円減少したこと等によるものです。
c. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
d. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料との購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、設備投資や新製品や要素技術の研究開発投資です。
運転資金需要及び投資資金需要の財源につきましては、現在保有する現預金に加え、営業キャッシュ・フローを源泉として資金を充当することを基本としております。なお、当連結会計年度末時点において有利子負債はありません。
資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末時点で現預金を350億7千2百万円保有し、連結売上高の3.8ヶ月相当の流動性を確保しております。
e. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、3年間(2020年2月期~2022年2月期)の第二次中期経営計画を策定しました。売上高、営業利益、買入部品の海外調達比率を主要な経営指標とし、主に以下の施策に取り組んでまいります。
・質的・量的に安定調達できる購買体制の構築
・販売ネットワークの強化
・開発力の強化
・生産能力の強化
・サステナブル(持続可能な)経営の推進
なお、第二次中期経営計画の最終年度(2022年2月期)の数値目標を以下のとおり定めています。
|
|
2019年2月期 実績 |
2022年2月期 数値目標 |
|
|
売上高 |
1,101億円 |
1,300億円 |
|
|
営業利益 |
154億円 |
155億円 |
|
|
買入部品の海外調達比率 |
30.1% |
35% |
|
|
為替レート |
米ドル 英ポンド ユーロ 人民元 |
110.06円 145.91円 129.16円 16.64円 |
108.00円 140.00円 122.00円 15.90円 |
※2019年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。
f. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本では、2018年3月にミニショベルの新製品を市場投入したこともあり、欧州向けミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は401億4千7百万円(前連結会計年度比21.2%増)となりました。セグメント利益は、原材料価格の上昇、運搬費の増加及び米国販売子会社への製品販売価格の引き下げ等により、116億5千万円(同5.3%減)となりました。セグメント資産は、第4四半期において買入部品の一部に納期遅延が発生し、調達済の原材料在庫が一時的に滞留したこと、また2019年6月に稼動開始を予定している試験棟の新設工事に伴い建設仮勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末から24億9百万円増加の589億2千4百万円となりました。
(米国)
米国では、2018年1月にクローラーローダーの新製品を市場投入したこともあり、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数が増加したこと等により、売上高は507億円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。セグメント利益は、増収効果、日本からの製品仕入価格の値下げ等により、27億3千1百万円(同76.8%増)となりました。セグメント資産は、春先の需要最盛期に向けて製品在庫を積み上げたこと及び業容拡大に伴う売掛金増加等により、前連結会計年度末から5億3百万円増加の312億1千9百万円となりました。
(英国)
英国では、ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は121億9千2百万円(前連結会計年度比12.7%増)となり、セグメント利益は6億3百万円(同12.8%増)となりました。セグメント資産は、業容拡大に伴う製品在庫の増加等により現地通貨ベースの総資産は増加しましたが、ポンド安の影響により、前連結会計年度末から2億5千9百万円減少の63億2千5百万円となりました。
(フランス)
フランスでは、ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は66億1千4百万円(前連結会計年度比39.8%増)となりましたが、セグメント利益は日本からの製品仕入価格の値上げの影響及び販売促進費の増加等により、2億3千7百万円(同24.5%減)となりました。セグメント資産は、業容拡大に伴う売掛金及び製品在庫の増加等により、前連結会計年度末から8億5千8百万円増加の53億1千9百万円となりました。
(中国)
中国では、ミニショベル及び油圧ショベルの販売台数が増加したこと等により、売上高は5億2千1百万円(前連結会計年度比69.3%増)となり、セグメント利益は日本への部品の供給が増加したこと及び貸倒引当金の戻入があったこと等により、4億2千2百万円(同5.4%増)となりました。セグメント資産は、2019年6月に稼動開始を予定している工場増設工事に伴い、建設仮勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末から7億7千6百万円増加の32億4千6百万円となりました。
(1)販売契約
|
会社名 |
相手方 |
契約品目 |
契約期間 |
|
|
名称 |
国名 |
|||
|
当社 |
HUPPENKOTHEN GmbH & |
オーストリア |
建設機械 |
2001年11月1日から 2004年10月31日まで 以降1年毎の自動更新 |
(2)株式譲渡契約
当社は、2018年4月17日開催の取締役会において、当社が保有する撹拌機の製造及び販売の事業を会社分割(簡易新設分割)により新設会社に承継させ、当該新設会社の全株式をエムケー精工株式会社に譲渡することを決議し、2018年4月18日付にて株式譲渡契約を締結いたしました。当該株式分割及び新設会社の株式譲渡につきましては、2018年6月1日付で完了しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」を参照してください。
当社グループは、主力の建設機械事業においては掘削機械・建設用トラクタ・不整地運搬車等、また、その他事業においては撹拌機等、今後の事業の中心的かつ成長分野となる製品について、新技術・新製品の開発と既存製品の改良等の研究開発活動を行っております。
これら当社グループの研究開発活動は、その全てを当社(日本セグメント)が行っており、当連結会計年度における研究開発費は、10億5千万円となっております。
なお、当社が保有する撹拌機の製造及び販売の事業を会社分割(簡易新設分割)により新設会社に承継させ、当該会社の全株式を2018年6月1日付でエムケー精工株式会社に譲渡したため、その他事業は同日付で廃止いたしました。
当連結会計年度における研究の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。
(1) 建設機械事業
① 掘削機械
新機能を装備し、内外装を一新した次世代シリーズの6.5トンクラスの油圧ショベルや環境にやさしく、低振動、低騒音の1.9トンクラスのバッテリー式ミニショベルの製品化に向けた開発及び第5次排出ガス規制に適合した製品の開発、改良に取り組みました。
研究成果は、欧州ノンロード・エンジン第5次排出ガス規制に適合した5トンクラス及び3.5トンクラスのミニショベルの新機種を開発し、生産・販売を開始しました。
② 建設用トラクタ・不整地運搬車等
クローラーローダーについて、前連結会計年度に引き続き既存製品の改良に取り組みました。
(2) その他事業
特記すべき事項はありません。