第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、以下の「社是」及び「企業理念」を経営の基本方針としております。

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(2)経営環境

 当社グループが提供する小型建設機械は、住宅建築の基礎工事、水道管、ガス管及び道路等の生活インフラ整備、工場、商業施設及び公共施設などの官民の建設投資をはじめ、衣食住の「住」に深く関わる製品で、人々の毎日の暮らしを支え続けております。

① 企業構造、主要品目、販売形態

 当社グループは、当社及び連結子会社4社の計5社により構成され、建設機械の開発・製造・販売を主たる業務とした事業を営んでおり、主要品目はミニショベル、油圧ショベル、クローラーローダーであります。主要品目及び販売形態に関する内容の詳細につきましては、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3事業の内容」に記載しております。

② 事業を行う市場の状況

 当社グループの主力販売市場は米国及び欧州であり、当連結会計年度の業績は、売上高、利益面ともに過去最高となりました。これは、コロナ禍にあっても欧米諸国の土木工事は継続していたことが挙げられます。水道管、ガス管及び道路等の生活インフラ工事において、当社製品は“なくてはならない存在”であり、「衣食住」の「住」に深く関わる当社製品の需要は、コロナ禍如何を問わず今後も底堅いと考えております。また、米国では、ウッドショックや人手不足が住宅関連工事に影響を及ぼしているものの、住宅需要そのものは力強さを維持し、住宅関連工事に用いられる当社製品の需要はコロナ禍前を上回る高水準となっております。

 世界的な半導体不足による影響やコンテナ不足に起因する物流混乱等の外部環境に懸念はあるものの、この欧米での旺盛な製品需要は2023年2月期も継続するものと予想しております。

③ 競合他社との競争優位性

 これまで当社は、世界の建設現場から寄せられるニーズに寄り添い、耐久性、操作性、快適性、そしてパワフルであることにこだわり抜いて製品を開発し、お客様の信認を得てまいりました。この強みを発展させつつ、今後は自動化や電動化といった性能面や環境面などのプラスアルファに磨きをかけ、お客様に選ばれ続ける製品開発を推し進め、事業のさらなる拡大を果たすことにより、当社グループの企業価値の向上につなげてまいります。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループでは3年間(2023年2月期~2025年2月期)の第三次中期経営計画を策定し、以下の課題に取り組んでまいります。

① 人的資本の投資

 「人財こそが企業力の源泉」「人への分配はコストではなく未来への投資」との基本認識のもと、従業員一人ひとりの力を最大限に引き出し、活躍の場を創るための施策を強力に推し進めます。従業員が意欲的に活躍するための人事・給与制度の構築、教育研修の強化、健康経営の実践、ワークライフバランスの向上等に取り組むことにより、従業員のモチベーション向上、優秀な人財の獲得、さらには企業としての競争力の向上につなげてまいります。

 

② 製品開発のスピードアップ

 当社製品がお客様に選ばれ続けるためには、アフターサービスのレベル向上が益々重要になると考えております。これまでも、より素早く、精度の高い保守サービスを提供するため、欧米各地で保守トレーニングを実施してまいりましたが、これを強化します。合わせて、保守サービスや保守パーツ販売等のアフタービジネスの拡大に取り組んでまいります。

イ)パワフル、耐久性、操作性、快適性といった当社製品の強みを発展させつつ、電池式建設機械のラインナップ拡充に向け、製品開発を加速いたします。

ロ)各国の建設工事現場では人手不足が進んでおり、建設機械のオペレーターの人手不足、さらには技量不足が問題視されています。そこで当社では、一定の作業を機械が自動的に行う開発に取り組んでおり、その製品化を推し進めてまいります。

ハ)電動化や自動化に向けた先進技術の研究開発にあたっては、他社連携、産学連携を視野に入れ、取り組んでまいります。

③ 生産能力の増強

イ)衣食住の「住」に深く関わり、社会インフラを支えるエッセンシャル事業に必要不可欠な当社製品の需要は、今後も安定拡大が見込めると考えており、日本国内と米国に新工場を立ち上げ、生産能力の強化を図ります。

 2022年2月期を100%とした2025年2月期の生産能力

機種

生産能力

増加要因

ミニショベル・油圧ショベル

150%

青木工場(2023年8月稼働開始予定)

クローラーローダー

140%

米国工場(2022年内稼働開始予定)

合計

148%

 

ロ)省力化設備や自動化設備、ITを生産現場に取り入れることにより、より安全で効率的な工場であると同時に、多様な人財が活躍し、働きやすい工場を目指します。

④ 販売網の拡充とアフターパーツの拡販

イ)生産能力の増強に呼応して、主要市場の欧米を中心とした販売網の拡充に取り組み、連結売上高2,400億円の達成にチャレンジいたします。

ロ)米国子会社及び欧州パーツセンターを起点としたアフターパーツの拡販により、より安定的な収益基盤の確立を目指します。

⑤ サステナビリティ経営の推進

 当社グループは、国連サミットで採択された“持続可能な開発目標(SDGs)”を念頭に、地球に優しく豊かな社会の実現に貢献したいと考えております。目指すべき持続可能な社会の実現に向け、以下の7項目の目標を設定し、主に以下の施策に取り組んでまいります。

何を

いつまでに

どうするか

製品からのCO2排出量

2030年度(2010年度比)

30%削減

工場からのCO2排出量

2030年度(2015年度比)

50%削減

1日以上の休業を要する労働災害

毎年度

ゼロ件

1人あたりの研修時間

毎年度

開示

育児休業の取得率(男女別)

毎年度

開示

CSR調達方針の同意書回収率

毎年度

95%以上

女性取締役

女性管理職比率

子会社の管理職のローカル比率

2023年度

2030年度

毎年度

1名選任

男女同率

開示

イ)住み続けられるまちづくりを(SDGsの目標11)

   当社グループの事業領域そのものであり、より安全で、より効率的で、よりクリーンな建設機械の開発、製造、販売を通じて、(SDGsの目標13)目標達成に貢献してまいります。

ロ)気候変動に具体的な対策を

   地球温暖化が事業にもたらすリスクと機会を評価し、シナリオ分析を通じた長期的な経営戦略の策定が急務と認識しております。TCFD提言に即した活動推進に努めるとともに、TCFDが推奨する情報開示に向けて取り組んでまいります。

 

ハ)働きがいも経済成長も(SDGsの目標8)

   安全で健康的な職場環境の維持・向上に努めるとともに、従業員が意欲的に活躍するための制度改革を推進します。また、サプライチェーン全体で人権尊重に取り組み、国際的な社会問題となっている児童労働や強制労働等の不当な労働慣行は、断固として認めません。

ニ)ジェンダー平等を実現しよう(SDGsの目標5)

   取締役や管理職、あるいは一般職の従業員に至るまで、女性の割合が低いため、男女比のバランスを中長期で是正してまいります。ジェンダーや国際性の面を含む多様な人財登用を推進します。

 

 なお、第三次中期経営計画の最終年度(2025年2月期)の数値目標は以下のとおり定めています。

 

2022年2月期

実績

2025年2月期

数値目標

売上高

1,408億円

 2,400億円

営業利益

 177億円

  240億円

1株当たり当期純利益

 279.91円

 377.00円

自己資本利益率(ROE)

  13.8%

  14.0%

為替レート

米ドル

英ポンド

ユーロ

人民元

 111.72円

 153.06円

 130.57円

 17.12円

 115.00円

 152.00円

 127.00円

  18.00円

 ※2022年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。

 ※以下のCAPM算定式を基準として、当社は株主資本コストを8%と認識しております。

  リスクフリーレート(1%)+ベータ値(1.2)×マーケットリスクプレミアム(6%)

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)為替相場の変動

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高は95%を超え、そのほとんどが欧米の市場で占めており、米ドル・英ポンド・ユーロの為替影響を受けております。また、決算期末における債権債務の為替換算に係る為替差損益等が発生する場合もあります。その対応策として、為替予約及び外貨建仕入の増加策等によるリスクヘッジを行なっておりますが、当社グループの想定を超えた為替レートの変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

(2)原材料価格の変動

 当社グループが製造する製品の主要な原材料は、鉄板等の鋼材であり、鋼材価格は市況により変動します。鋼材価格が高騰し、製造原価が増加した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、生産ラインの合理化等のコスト削減策の推進及び販売価格の見直しなどを行ってまいります。

 

(3)自然災害等

 大規模地震や自然災害、火災等の事故、感染症の流行、その他の要因による社会的混乱等により、当社グループやサプライヤー、販売先の事業活動が停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、各種損害保険への加入、本社工場の耐震強化のほか、自然災害などの緊急事態が発生した際にいち早く事業を復旧させるため、BCP(事業継続計画)を策定しました。

 また、新型コロナウイルス感染症がさらに拡大した場合には、製品需要の低迷、部材調達の停滞、当社グループの販売活動の制限及び販売先の収益悪化等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、従業員の安全と健康を最優先に考え、マスク着用・検温の徹底、不要不急の国内外出張の原則禁止、外部からの来社の自粛要請、ウェブ会議の活用、及びソーシャルディスタンスの確保など感染防止に努めております。

 

(4)経済、市場の状況

 当社グループの製品は、居住区域での小規模な土木工事(都市型土木工事)で多く使用されております。具体的には、住宅建築の基礎工事、水道管やガス管、道路等の生活インフラ工事、工場や商業施設、公共施設などの官民の建設投資であり、これらの市場環境や市場ニーズの変化は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、在庫不足や過剰生産に陥ることのないように市場環境をモニタリングし、市場ニーズを見誤ることのないよう更に顧客密着度を高め、新製品開発に反映しております。

 

(5)競合

 建設機械業界は、競合他社の数が多く、世界各国での競争は大変厳しいものとなっております。品質、性能、価格面等で当社製品を凌ぐ製品を競合他社が開発・市場投入し、当社グループのマーケットシェアが低下した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、当社製品の品質、性能面等での優位性を訴求しつつ更なる拡販を行い、競合他社との差別化を図ってまいります。

 

(6)債権管理

 販売先の財政状態が悪化し不良債権等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、金融機関等を利用したリスクヘッジのほか、販売先の財務情報等を入手し、経営状況に応じた与信枠を設定し、与信管理を行っております。

 

(7)人材の確保

 当社グループの更なる成長のためには、市場に新製品を継続的に投入していく必要があります。そのため、研究開発の充実、特に開発スキルの高い人材の確保が重要となっております。また、販売・管理体制の強化もこれと並んで重要であり、優秀な人材の確保が必要となります。しかし、このような人材を十分に確保できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、地域や学校等との連携を密にするとともに、インターンシップを活用した積極的な採用活動を行い、優秀な人材の確保に努めております。なお、中途採用につきましては、即戦力となる専門的知識を持つ人材を通年採用しております。また、従業員に期待する役割や成果を明確化し、従業員が意欲を持って働ける人事制度・研修制度へと刷新しました。

 

(8)環境規制、気候関連規制及びその他公的規制等

 当社グループは、様々な環境規制及びその他公的規制、税制の適用を受けております。また、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みが全世界的に強化されており、予期しない規制等が設けられ、対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、これら規制の情報収集を図るとともに、TCFD提言に即した活動を推進することにより、迅速に対応できる事業体制を構築してまいります。

 

(9)生産拠点の集中

 当社グループは、主力となる生産拠点が長野県の北部に集積しております。地震等の自然災害あるいは火災などの事故によって、当社グループの生産設備が被害を受け、操業が中断し、生産及び出荷が遅延した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、国内外を含めた生産拠点の分散を中長期で検討しており、2022年内には米国サウスカロライナ州で新工場が稼働開始予定です。

 

(10)製品の品質

 当社グループは、品質と安全に十分留意して、製品を提供しておりますが、これら製品について品質上、安全上の不具合が発生した場合には、賠償責任のリスクが生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、更なる品質向上を図るとともに、リスクヘッジとして製造物賠償責任保険に加入しております。

 

(11)情報セキュリティ・知的財産

 当社グループは、事業活動において顧客情報や個人情報等を取り扱う機会があり、また営業上・技術上の機密情報を有しております。それらに対し情報漏洩等が発生し、損害賠償責任を負ったり、ブランド価値の低下を招いたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、情報の取り扱い、秘密保持には細心の注意を払っており、不正アクセス、改ざん、破壊、漏洩、紛失等から守るため、適切な管理体制を構築しております。

また、知的財産権につきましては、当社グループが知的財産権を侵害されたり、当社グループが第三者により知的財産権の侵害を訴追されたりした場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。その対応策として、知的財産部門を設置し、外部の専門機関と連携を取りながら対応しております。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当社グループの主力市場である米国及び欧州の当連結会計年度(2021年3月1日から2022年2月28日まで)の経済は、概ね以下のとおり推移しました。米国では、新型コロナウイルス対策として政府により実施された現金給付やワクチン接種の進展を背景として、個人消費が引き続き増加しました。住宅市場においては、ウッドショックや人手不足が住宅工事に影響を与えているものの、住宅需要そのものは力強さを維持しました。設備投資においても、規制措置の緩和や経済対策が追い風となり、堅調に推移しました。欧州では、ワクチン接種の進展と好調な企業業績を背景として、個人消費、設備投資ともに正常化に向かっておりましたが、オミクロン株の出現により経済活動の制限を余儀なくされた国では、個人消費を中心に景気回復に影を落としました。世界各国においては、感染者数のピークアウトや重症化率の低さを理由に行動制限の緩和に動き出すなど、不確実ながらも新型コロナウイルスとの共生に向けて多くの主要国が舵を切ろうとした矢先に、ロシアがウクライナに侵攻したことで世界情勢は一転し、先行き不透明感は再び深まりました。

 このような環境下にあっても、欧米では水道管やガス管等の生活インフラの公共事業が引き続き活況で、特に米国では新築・増改築や庭整備等の住宅関連工事が各地で盛んに行われており、製品需要は好調に推移しました。また、当社グループは、2021年2月にはミニショベル「TB325R」を、2021年7月にはリチウムイオン電池式ミニショベル「TB20e」を市場投入するなど、より地球環境に優しい製品を加えた豊富なラインナップで積極的な販売活動を展開しました。この結果、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの当連結会計年度の販売台数は、新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前連結会計年度に比べて、大きく増加しました。

 以上により、当連結会計年度の売上高は過去最高の1,408億9千2百万円(前連結会計年度比25.5%増)となり、利益面におきましても、各段階利益はそれぞれ過去最高となりました。製造コストの上昇及び運搬費の増加等の減益要因はあったものの、売上高の増加及び製品価格の値上げ等により、営業利益は177億6千4百万円(同34.5%増)となり、経常利益は180億8千万円(同36.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用を47億3千2百万円計上したため、133億4千8百万円(同36.7%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は次のとおりであります。

(日本)

 売上高は489億8千1百万円(前連結会計年度比10.0%増)となり、セグメント利益は124億4千9百万円(同57.0%増)となりました。

(米国)

 売上高は687億1千2百万円(前連結会計年度比31.5%増)となり、セグメント利益は63億4千5百万円(同40.2%増)となりました。

(英国)

 売上高は139億2千3百万円(前連結会計年度比63.7%増)となり、セグメント利益は12億5千6百万円(同91.3%増)となりました。

(フランス)

 売上高は92億7百万円(前連結会計年度比33.2%増)となり、セグメント利益は6億2千3百万円(同41.3%増)となりました。

(中国)

 売上高は6千6百万円(前連結会計年度比31.2%増)となり、セグメント利益は8千5百万円

(前連結会計年度は2億1千万円のセグメント損失)となりました。

 

② 財政状態の状況

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ216億7千6百万円増加し、1,372億1百万円となりました。負債合計は前連結会計年度末に比べ75億円増加し、331億1千7百万円となりました。純資産合計は前連結会計年度末に比べ141億7千5百万円増加し、1,040億8千3百万円となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ70億2千9百万円増加し、466億4千8百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は137億8千万円(前連結会計年度比34億2百万円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額100億円の支出がありましたが、税金等調整前当期純利益180億8千万円、仕入債務の増加額35億6千7百万円、売上債権の減少額28億9千1百万円等の収入があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により使用した資金は43億3百万円(前連結会計年度比23億3千5百万円の増加)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入3億円等がありましたが、有形固定資産の取得による支出44億5千4百万円、及び無形固定資産の取得による支出1億4千8百万円等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動により使用した資金は25億3千2百万円(前連結会計年度比1億4千3百万円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払額25億3千万円等に使用されたことによるものです。

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年3月1日

  至 2022年2月28日)

 前年同期比(%)

日本(百万円)

136,890

26.9

中国(百万円)

3,276

90.5

合計(百万円)

140,167

27.9

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

51,638

△2.8

21,251

14.3

米国

148,426

168.6

100,685

380.1

英国

16,009

70.9

3,510

146.3

フランス

13,722

75.9

8,401

116.2

中国

66

31.2

合計

229,862

83.0

133,849

198.2

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年3月1日

  至 2022年2月28日)

 前年同期比(%)

日本(百万円)

48,981

10.0

米国(百万円)

68,712

31.5

英国(百万円)

13,923

63.7

フランス(百万円)

9,207

33.2

中国(百万円)

66

31.2

合計(百万円)

140,892

25.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年3月1日

  至 2021年2月28日)

 当連結会計年度

(自 2021年3月1日

  至 2022年2月28日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

United Rentals, Inc.

6,956

6.2

20,371

14.5

HUPPENKOTHEN GmbH & Co KG

18,792

16.7

17,690

12.6

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

 当社グループの主力市場である欧米において、住宅関連工事、生活インフラ工事が引き続き活況で、当連結会計年度の売上高は過去最高の1,408億9千2百万円(前連結会計年度比25.5%増)となりました。利益面につきましては、原材料価格の高騰や運搬費の増加等の減益要因はありましたが、増収効果と値上げ等により、営業利益は177億6千4百万円(同34.5%増)、経常利益は180億8千万円(同36.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は133億4千8百万円(同36.7%増)と各段階利益も過去最高となりました。

 前連結会計年度と比較した当社グループの販売台数は、上期は37.0%、下期は6.1%、通期は20.8%の増加となり、特に上期において新型コロナウイルスの影響で販売が低迷した前連結会計年度に比べて、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの主力製品すべての販売台数が増加いたしました。

 また、当社グループの当連結会計年度の受注高は2,298億6千2百万円(同83.0%増)となりました。大幅な受注増加を受けて増産したものの、現有の生産能力を上回る受注状況により、当連結会計年度末の受注残高は1,338億4千9百万円(同198.2%増)となりました。足もとの製品需要はこれまでにない力強さとなっており、欧米ともに今後も継続すると考えておりますが、原材料価格や海上運賃の高騰をこれまで以上に見込まざるを得ない状況にあり、次期の連結業績は増収・減益を予想しております。

 新型コロナウイルスの出口戦略やウクライナ情勢など、世界情勢は依然として予断を許さない状況が継続しております。このような先行き不透明な状況にあっても、社会インフラを支える企業として、当社グループがなすべきことを着実に推し進め、持続的な成長発展を果たしてまいります。

 

b. 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ216億7千6百万円増加し、1,372億1百万円となりました。これは主に、売上債権の回収により受取手形及び売掛金が14億3千5百万円減少したものの、たな卸資産が120億2千6百万円、現金及び預金が70億3千1百万円、青木工場建設等により建設仮勘定が27億1百万円増加したこと等によるものです。なお、たな卸資産の増加のうち、仕掛品が48億7千万円増加しました。これは電子部品の供給不足が主因ですが、当該仕掛品の大部分は欧米地域で保管されており、電子部品の供給の回復に伴い、速やかに完成品として販売される状態の現地在庫です。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ75億円増加し、331億1千7百万円となりました。これは主に、生産台数の増加等により買掛金が50億2千万円、未払法人税等が18億7千5百万円増加したこと等によるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ141億7千5百万円増加し、1,040億8千3百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払により25億3千万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により133億4千8百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が33億2千1百万円増加したこと等によるものです。

 

c. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

 当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資資金需要の主なものは、設備投資や新製品や要素技術の研究開発投資です。なお、設備投資の大型案件としまして、2022年1月より長野県小県郡青木村で新工場建設(約100億円)に着手するとともに、2022年4月には米国サウスカロライナ州で建設機械工場を取得(約40億円)いたしました。

 運転資金需要及び投資資金需要の財源につきましては、現在保有する現預金に加え、営業キャッシュ・フローを源泉として資金を充当することを基本としております。なお、当連結会計年度末時点において有利子負債はありません。

 資金の流動性に関しましては、当連結会計年度末時点の流動比率は358.7%であります。

 

d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループでは、3年間(2023年2月期~2025年2月期)の第三次中期経営計画を策定しております。売上高、営業利益、1株当たり当期純利益、自己資本利益率(ROE)を主要な経営指標とし、主に以下の施策に取り組んでまいります。

○人的資本への投資

○製品開発のスピードアップ

○生産能力の増強

○販売網の拡充とアフターパーツの拡販

○サステナビリティ経営の推進

 なお、2022年4月に公表した第三次中期経営計画の最終年度(2025年2月期)の数値目標を以下のとおり定めています。

 

 

2022年2月期

実績

2025年2月期

数値目標

売上高

1,408

億円

1,233

億円

営業利益

177

億円

121

億円

1株当たり当期純利益

279.91

377

自己資本利益率(ROE)

13.8%

14.0%

為替レート

米ドル

111.72

115.00

英ポンド

153.06

152.00

ユーロ

130.57

127.00

人民元

17.12

18.00

      ※2022年2月期の為替レートは、12ヶ月間の期中平均レートを表示しております。

      ※以下のCAPM算定式を基準として、当社は株主資本コストを8%と認識しております。

       リスクフリーレート(1%)+ベータ値(1.2)×マーケットリスクプレミアム(6%)

 

e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(日本)

 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められております。新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前連結会計年度に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、欧州ディストリビューター向けのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加し、売上高は489億8千1百万円(前連結会計年度比10.0%増)となりました。セグメント利益は、製造コストの上昇及び運搬費の増加等の減益要因はあったものの、売上高の増加及び製品販売価格を引き上げたこと等により、124億4千9百万円(同57.0%増)となりました。セグメント資産は、売上債権の回収により受取手形及び売掛金が減少したものの、たな卸資産及び青木工場建設等にかかる建設仮勘定が増加したこと等により、前連結会計年度末から43億6千6百万円増加の673億9千1百万円となりました。なお、たな卸資産のうち、仕掛品が最も増加しました。これは電子部品の供給不足が主因ですが、当該仕掛品の大部分は欧米地域で保管されており、電子部品の供給の回復に伴い、速やかに完成品として販売される状態の現地在庫です。

(米国)

 生活インフラ等の公共工事での製品需要の回復のほか、米国各地で新築、増改築、庭整備といった住宅関連工事が盛んに行われており、コロナ禍の長期化による郊外での住宅需要の高まりと合わせて、好調な販売状況が続いております。港湾での物流混雑と陸上でのトラック不足の影響を受け続けたものの、新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前連結会計年度に比べて、米国でのミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数は大きく増加し、売上高は687億1千2百万円(前連結会計年度比31.5%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加及び製品販売価格の値上げ等により、63億4千5百万円(同40.2%増)となりました。セグメント資産は、たな卸資産、現金預金及び売上債権が増加したこと等により、前連結会計年度末から84億5百万円増加の413億3千8百万円となりました。

(英国)

 新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前連結会計年度に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、英国でのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加しました。円安による追い風もあり、売上高は139億2千3百万円(前連結会計年度比63.7%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加及び製品販売価格の値上げ等により、12億5千6百万円(同91.3%増)となりました。セグメント資産は、現金預金が増加したものの、たな卸資産が減少したこと等により、前連結会計年度末から1億3千3百万円減少の71億6千4百万円となりました。

(フランス)

 新型コロナウイルスの影響で販売が後退した前連結会計年度に比べて、生活インフラ等の公共工事での需要を中心に、フランスでのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は大きく増加しました。円安による追い風もあり、売上高は92億7百万円(前連結会計年度比33.2%増)となりました。セグメント利益は、売上高の増加及び製品販売価格の値上げ等により、6億2千3百万円(同41.3%増)となりました。セグメント資産は、たな卸資産及び現金預金の減少等により、前連結会計年度末から15億3千3百万円減少の45億4千8百万円となりました。

(中国)

 日本セグメントでの建設機械の増産により、日本セグメント向けの部品販売が増加しました。この結果、売上高は6千6百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりセグメント利益は8千5百万円(前連結会計年度は2億1千万円のセグメント損失)となりました。セグメント資産は、たな卸資産の増加等により、前連結会計年度末から4億4千7百万円増加の33億2千8百万円となりました。

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

① 販売店契約

会社名

相手方

契約品目

契約期間

名称

国名

当社

HUPPENKOTHEN GmbH & Co KG

オーストリア

建設機械

当事者の一方が契約解除の通知を行わない限り継続

 

② 工事請負契約

会社名

相手方

契約締結日

契約内容

完成予定年月

当社

東急建設

株式会社

2022年1月14日

工事請負契約

(青木工場の新築工事)

2023年3月

 

③ 売買契約

 当社は、2022年2月25日開催の取締役会において、連結子会社のTAKEUCHI MFG.(U.S.), LTD.(以下、TUS)における固定資産の取得に関して、TUSがKobelco Construction Machinery U.S.A. Inc.(以下、KCMU)と売買契約を締結することを決議し、同日締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」を参照してください。

 

 

5【研究開発活動】

当社グループは、ミニショベル、油圧ショベル、クローラーローダー等の建設機械について、新技術・新製品の開発と既存製品の改良等の研究開発活動を行っております。

当連結会計年度の主な研究開発活動としましては、「これまでと変わらぬ使い勝手」を開発コンセプトとしたリチウムイオン電池式ミニショベル「TB20e」の製品開発及び販売面での技術支援、並びに製品の付加価値をさらに向上させるための新機能の開発等に取り組みました。

成果については、2021年7月にリチウムイオン電池式ミニショベル「TB20e」を出荷開始いたしました。

これら当社グループの研究開発活動は、その全てを当社(日本セグメント)が行っており、当連結会計年度における研究開発費は、1,256百万円であります。