第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは、2019年11月13日に、2021年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「Growth 2025」を公表いたしました。

『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』を新ビジョンとして掲げ、食の分野で、「おいしい」や「温かい」という価値を追求する製品・商品・サービス・情報を国内外の事業者に提供し、食文化の向上を通じて社会に貢献できる企業へと成長することを目標に、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 

(2)目標とする経営指標

中期経営計画の最終年度である2025年3月期の連結目標数値を、以下のように策定しております。

 ① 売上高     150億円

 ② 営業利益    22億50百万円

 ③ 営業利益率   15.0%

 ④ ROE       10.0%

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と事業上および財務上の対処すべき課題

当社は、1961年に製菓機械メーカーとして創業、そして、1981年に世界初の量産型小型寿司ロボットを開発し、世界の約80ヵ国に寿司ロボットを販売する世界シェアNo.1企業へと成長してまいりました。

事業成長と社会的価値向上による企業価値の最大化を図るために、「既存マーケットの拡大と深耕を推進する」「新たな成長分野・事業を構築する」「事業の成長に資する投資を積極的に実行する」の3点に加え、「新型コロナウイルス感染症拡大への対応」を対処すべき重要課題と定めております。

新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、世界的な景気の後退を引き起こす可能性があるだけではなく、世の中全体の価値観やライフスタイルにも大きな変化をもたらすものであると考えております。

短期的には、外食需要の低迷による顧客店舗数の減少や顧客の設備投資計画の見直し等による事業への影響が見込まれます。しかしながら、中長期的には、人々の価値観やライフスタイルの変化が、食に対する新たなニーズやビジネスを生み出すことにつながり、新しい生活様式へ移行する中で、当社の製品やサービスへのニーズが高まっていくものと考えております。

新型コロナウイルス感染症の影響も踏まえ、当社の中長期的な経営戦略を以下のように策定しております。

 

① 成長戦略

・国内戦略

当社が市場シェアの約80%を占める寿司ロボットのマーケットは、成熟期を迎えています。この寿司マーケットに続く、未導入の業態や店舗が多く存在する盛付けマーケットの創造を推進します。新型コロナウイルス感染症の影響が拡大する中で、消費者・事業者の衛生に対する意識が高まり、盛付けロボットを活用してご飯を提供するスタイルがさらに加速するものと考えております。

また、マーケティング・開発体制の強化と社外ネットワークを活用したオープンイノベーションを推進し、「世の中にない」「社会を豊かにする」製品開発を強化します。店内飲食が中心の外食店舗にも、テイクアウトやデリバリーサービスを行う店舗が増えてきており、外食産業の業態の多様化に対応した製品開発も強化していきます。

重点取り組み

● 盛付けロボットのマーケット拡大

● 食品工場向け大型機領域での業界トップの製品確立

● 米飯加工以外の製品開発の強化

● SUZUMOブランドの消費者への浸透

 

 

 

・海外戦略

和食の世界無形文化遺産登録、訪日外国人の増加等を背景にして、寿司、おむすびなどの米飯食は世界的レベルで認知度が高まり、市場の拡大が見込まれます。海外マーケットのさらなる成長を実現していくために、北米・アジア・欧州の主要3市場の深耕と中東などの第4の市場創造を推進します。

北米

日本食の大衆化が進んでおり、既存顧客への深耕と潜在顧客へのアプローチを拡大するため、提携も含めた外部との連携、販売・サービス拠点の拡大、新たな米飯加工品の提案を推進。

アジア

経済発展に伴い、日本食市場が急速に拡大しており、日系企業の進出サポートや現地企業の商品開発・品質等のコンサルテーションを推進し、「日本食先進国」を拡大させる。

欧州

日本食の普及が進む一方、事業者と消費者への日本的米飯食の広がりは限定的。拠点の新設、販売店網の再編を通じて、現地大手事業者との市場拡大に向けた取り組みを推進。

中東 他

現地や日本の事業者、食材や厨房事業者と事業の垣根を越えて連携し、日本食のバリューチェーンを構築し、米飯市場を創造する取り組みを推進。

 

 

・新規事業の創出

「社会変化:食のライフスタイル・未来像」「技術基盤:米飯工加工関連技術×新技術」「事業ネットワーク:グローバルフードバリューチェーン」の3つのテーマを柱に、自前主義から脱却し、M&A・提携を活用し、外部との共創により、これまでの枠を超えた新製品・新規事業の創出を図ります。

 

② 資本・財務戦略

事業を成長させるための新製品・新事業投資、設備投資、無形資産投資を積極的に推進し、企業価値の最大化を図ります。新型コロナウイルス感染症の影響により事業環境が大きく変化している中で、新規事業やM&A等の事業成長に資する投資機会が拡大すると見込まれ、こうした成長機会を積極的に取り込んでいきたいと考えております。

新製品・新事業投資

●外部との共創を積極的に進めるM&A、アライアンス等の投資

設備投資

●新製品開発に伴う金型投資

●売上規模拡大に伴う生産および販売能力の拡張への投資

●生産性の向上を進めるためのITシステム投資

無形資産投資

●事業競争力を向上させる人材、ブランド、研究開発への投資

 

 

安定配当を基本方針とした株主還元を行い、機関投資家および個人投資家向けIRの積極的な推進と国内外への情報開示を強化してまいります。

株主還元

●安定配当 年間配当20円以上

資本市場との対話

●機関投資家および個人投資家IRの積極的推進

●情報開示の強化

株式インセンティブ

●全グループ従業員(国内)を対象とした「譲渡制限付株式付与制度」の導入

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)顧客の出店計画に関するリスク

当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の小売業態を主力ユーザーとしております。このような広域に店舗展開している大手チェーンストアを中心に、継続的に当社製品を採用頂いております。

当社は、お客様に対する提案営業の充実やお客様のニーズに基づいた新製品の市場投入等を随時行っておりますが、お客様の新規出店・改装等の設備投資計画の変更や中止により、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

(2)市場競争に関するリスク

当社が主要な事業領域としている米飯加工機械市場においては、当社の他、業務用米飯加工機械を製造している数社の業者が参入しております。当社は、他社に先駆けて1981年より小型寿司ロボットの製造販売を開始し、米飯加工機械市場において、一定の市場シェアを有しているものと考えています。今後におきましても、顧客ニーズを先取りする新製品の開発に力を注いでまいりますが、将来においても、当社の市場シェアを維持できる保証はなく、更に競争が激化した場合には、当社製品の市場シェアが低下するなど、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)海外事業に関するリスク

当社が海外展開を行っている事業は、各国税制や各国法規制の予期せぬ変化、移転価格や事前確認申請の交渉における予期せぬ結果、各国政府による許認可政策や補助金政策の変化、各国の政情不安等の海外事業に付随したリスクを抱えております。これらのリスクが顕在化した場合、海外市場での安定的な製品の販売が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。

 

(4)企業買収及び事業・資本提携に関するリスク

当社は、既存の事業基盤の強化・拡大、新事業分野への進出のために、事業戦略の一環として企業買収及び事業・資本提携を行う可能性があります。当社は2019年11月6日にBluefin Trading LLCの株式の35%を取得しております。このような企業買収及び事業・資本提携の実施に際しては、十分なリスクの検討を行いますが、企業買収後の事業計画が当初の計画通りに進捗しない場合には、多額の資金投入が発生し、又はその収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失を計上し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)知的財産に関するリスク

当社は、知的財産の重要性を認識し、多くの特許を保有してきましたが、特定の国では特許権が完全に保護されない場合や第三者が当社の特許を侵害し、類似製品や模倣した製品を製造・販売した場合に、これらを防止できず、ユーザー及びターゲットの喪失により、当社の事業優位性に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の事業が他者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求又は使用差止請求等の訴訟費用の発生により、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料・資材の調達に関するリスク

当社は、外部の供給業者から多くの原材料や部品を調達しています。こうした原材料や部品の価格が需給のひっ迫や市況の変動等によって急激に高騰し、それらが長期化した場合は利益を減少させる可能性があります。また、原材料や部品の調達に支障をきたした場合、製品の製造や販売が困難となり、経営成績の悪化を招く可能性があります。

 

 

(7) 製品・サービス品質に関するリスク

当社はISOによる品質管理体制を構築していますが、当社が提供する製品やサービスに重大な瑕疵や欠陥があった場合、多額の賠償責任を負う可能性があり、当社の経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、そのような事態が発生した場合には、当社に対する社会的評価及びブランド価値の低下を招き、当社製品に対する需要を減退させ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害等の予測困難な事象に関するリスク

当社は、日本、アメリカ、シンガポールを拠点として事業活動を営んでいます。それらの国・地域において地震・台風・洪水といった自然災害、戦争・テロ・事故及び火災等の予測困難な事象が発生した場合、製品の製造や物流、販売活動に被害を受けることにより、当社の経営成績及び財政状態に重大な影響が生じる可能性があります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染症に関するリスク

国内外における新型コロナウイルス感染症の状況は、各国で経済活動が制限され、未だ収束時期が見通せない状況です。

当社は、回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の小売業態を主力ユーザーとしております。新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンド消費を含む外食需要の低迷による顧客数や顧客店舗数の減少、又は顧客の新店計画、既存店における当社の機械の入替計画の中止や見直しが発生し、当社の経営成績に大きな影響を与える可能性があります。また、各国において都市閉鎖、外出制限等が実施された場合、国内外の物流網の停滞により、海外市場への製品販売や部材調達が困難となり、当社の経営成績に影響を与え、事業の成長を阻害する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態および経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、第3四半期までは景気は緩やかな回復が持続していたものの、足元では新型コロナウイルス感染症の影響が顕著に見られる状況となっております。世界的な感染の拡大により、人の移動が制限され、経済活動が停滞し、世界の景気は全体的に失速しております。国内においては、インバウンド消費は大きく下振れし、輸出も世界的な需要減少により大きく後退しております。個人消費も外出の自粛等により、大幅な下振れが避けられない状況です。これらの事由から企業業績の悪化が見られ、これまで堅調に推移していた設備投資につきましては、慎重化の傾向が見られます。

このような環境の中、当連結会計年度の売上高は、89億30百万円(前連結会計年度比9.1%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。国内・海外別の売上高の内訳は、国内売上高が67億48百万円(同12.2%増)、海外売上高が21億82百万円(同0.4%増)となりました。国内売上高は、外食や小売業を中心とした既存顧客への小型機の入替および増設、新規開発大型機の販売が堅調に推移したほか、消費増税前の駆け込み需要が想定を上回り、反動減の影響も少なく、第4四半期においては新型コロナウイルス感染症の影響が少なかったため、前連結会計年度を大きく上回る結果となりました。海外売上高は、北米地域における売上高が堅調に推移したものの、アジア地域における売上高が情勢不安や新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により前連結会計年度を下回り、前連結会計年度に比べ微増となりました

 

当連結会計年度の国内海外別売上高

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

増減率

 

(自 2018年4月1日

 至 2019年3月31日)

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

 

百万円

百万円

百万円

国内

6,012

6,748

735

12.2

海外

2,174

2,182

7

0.4

合計

8,186

8,930

743

9.1

 

 

当連結会計年度の営業利益は、売上原価および販売費及び一般管理費が前連結会計年度を上回ったものの、売上高の伸びが大きく、7億65百万円(前連結会計年度比10.5%増)と前連結会計年度を大きく上回る結果となりました。経常利益は、持分法適用関連会社であるBluefin Trading LLCの持分法による投資損失68百万円を営業外費用に計上したものの、7億2百万円(同0.9%増)と前連結会計年度を上回る結果となりました。
 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、退任役員に対する特別功労金1億50百万円を特別損失に計上した結果、3億21百万円(前連結会計年度比31.4%減)となり、前連結会計年度を下回る結果となりました

なお、当社グループの報告セグメントは、当連結会計年度において報告セグメントを単一セグメントに変更していることから、セグメント別の記載を省略しております。

 

財政状態は、次のとおりであります。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3億98百万円増加し138億30百万円となりました。当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億26百万円増加し21億75百万円となりました。当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億72百万円増加し116億54百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額75百万円等による資金の増加の結果、前連結会計年度末に比べ1億円増加し、66億3百万円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少1億65百万円等による資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益5億63百万円、減価償却費1億92百万円等による資金の増加の結果、6億60百万円の資金の増加(前連結会計年度比4億49百万円の増加)となりました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、関連会社株式の取得による支出2億50百万円等による資金の減少の結果、3億56百万円の資金の減少(前連結会計年度比1億63百万円の減少)となりました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払1億29百万円、自己株式の取得による支出1億22百万円等による資金の減少の結果、2億75百万円の資金の減少(前連結会計年度比1億56百万円の減少)となりました。

 

③ 生産、受注および販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

米飯加工機械関連

6,303,932

103.7

合計

6,303,932

103.7

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

米飯加工機械関連

9,014,132

109.3

222,146

160.8

合計

9,014,132

109.3

222,146

160.8

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

米飯加工機械関連

8,930,153

109.1

合計

8,930,153

109.1

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、『食の「おいしい」や「温かい」を世界の人々へ』をビジョンとして掲げ、2019年11月13日に、2021年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画「Growth 2025」を公表し、新たな目標に向けて事業活動に取り組んでまいりました。

 

a. 財政状態の分析 

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3億98百万円増加し138億30百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が1億54百万円、現金及び預金が1億円、建設仮勘定が76百万円増加したことによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億26百万円増加し21億75百万円となりました。これは主に、未払法人税等が1億10百万円、未払消費税等が65百万円増加したことによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ1億72百万円増加し116億54百万円となりました。これは主に、利益剰余金が配当金の支払により1億29百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益により3億21百万円増加したことによるものであります。

 

b. 経営成績の分析

国内の取り組みは、外食や小売業を中心とした既存顧客への小型寿司ロボットの入替や増設の提案と前年度より開発を進めてきた食品工場向けの大型機の提案を積極的に展開した結果、前連結会計年度を上回る売上を実現しました。

海外の取り組みは、北米地域において新規顧客への積極的な提案を展開したことにより売上高は堅調に推移したものの、アジア地域が香港・韓国における政情不安や新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により売上が伸びず、前連結会計年度に比べ微増に留まりました。

営業利益および営業利益率については、売上原価および販売費及び一般管理費が前連結会計年度を上回ったものの、売上高の伸びが大きく前連結会計年度を上回る結果となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、営業外費用に持分法適用関連会社であるBluefin Trading LLCの持分法による投資損失68百万円や特別損失に退任役員に対する特別功労金1億50百万円を計上した結果、前連結会計年度を下回る3億21百万円となりました。

 

 

2019年3月期

2020年3月期

対前年増減率

2025年3月期目標

売上高

81億円

89億円

9.1%

150億円

営業利益

6.9億円

7.6億円

10.5%

22.5億円

営業利益率

8.5%

8.6%

15.0%

ROE

4.1%

2.8%

10.0%

 

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、新型コロナウイルス感染症の影響が挙げられます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響による世界的な消費の落ち込みや生産活動の停滞等により、世界経済が大きく減速することが懸念され、予断を許さない状況が続いております。当社グループにおきましても、国内外の外食・小売業・食品工場を中心とした取引先における設備投資計画の見直しや企業活動の停滞等により、足元の業績に影響を受け始めております。特に国内の回転寿司・レストラン・米飯ファストフード等の外食業態につきましては、緊急事態宣言が解除された後も、需要の回復がどこまで進むかは不透明な状況です。また、海外においては、一部の地域において経済活動が再開しているものの、需要の回復は限定的であり、日本食を扱う外食や小売業の設備投資意欲も不透明な状況です。

一方で、新型コロナウイルス感染症は、人々の価値観やライフスタイルにも大きな影響を及ぼしています。「最終消費者・事業者の衛生に対する意識の高まり」「テイクアウトやデリバリーの拡がり等に見られる顧客ニーズの多様化」のような変化は、当社製品が消費者や事業者の課題解決に貢献できるものであり、当社の事業機会を拡げていくものであります。

当社グループは、前述のような事業リスクに慎重な対応を行いながらも、今後の事業機会の変化や事業機会を的確に捉えた取り組みを積極的に行ってまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資金需要)

当社グループの資金需要の主なものは、金型等の設備投資、出資等の長期資金需要と製品製造のための材料・部品購入、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

(財務政策)

当社グループは、事業活動のための適切な流動性を確保し、事業戦略上必要となる投資等の資金需要に適応できる財務構造の確立を目指しております。また、営業キャッシュ・フローから生み出される資金を中心にして将来必要となる設備資金および運転資金を手当てしてまいります。

 

③ 重要な会計方針および見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

会計方針の適用および会計上の見積りにあたって、特に重要な判断を要する項目は以下のとおりであります。

a.たな卸資産の評価損

当社グループは、商品、製品、原材料、仕掛品については総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)で、貯蔵品については最終仕入原価法で評価しております。たな卸資産の評価は、たな卸資産が原価法に基づき正しく評価されているかどうかを確認するため、定期的に実施されております。当社グループは、主に長期滞留在庫や収益性の低下した製品在庫などについて、たな卸資産の評価損として計上しております。当社グループのたな卸資産の評価は適正と判断しておりますが、市況や消費者ニーズが当社グループの計画と大きく乖離する場合、たな卸資産評価損の金額は増加し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を与える可能性があります。

b.繰延税金資産

当社グループは、現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しております。当社グループの将来の収益性に係る判断は、将来における市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に悪影響を与える可能性があります。

 

c.退職給付費用及び債務

当社グループの主要な退職給付制度は、当社における退職一時金制度です。従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率を含む前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は年に一度見直しています。割引率は、退職給付費用及び債務を決定する上で、重要な前提条件です。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期国債の期末における市場利回りを基礎として決定しています。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えていますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

d.のれんの減損

のれんについては、少なくとも1年に一回、又は事業環境や将来の業績見通しの悪化、事業戦略の変化等、減損の判定が必要となる兆候が発生した場合に現存の判定を行っており、報告単位の公正価値の評価をしております。のれんの報告単位の公正価値を評価し、公正価値が報告単位の帳簿価額を下回っていると判断される場合には、その下回る額について減損損失として計上することになります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携契約)

当社は、2019年10月16日開催の取締役会において、当社がBluefin Trading LLCの株式の35%を取得することを決議し、2019年11月6日に株式取得を完了いたしました。同社は当社の持分法適用会社となります。

 

(吸収合併契約)
 当社は、2020年3月13日開催の取締役会において、2021年1月1日を効力発生日として、当社の完全子会社である北海道鈴茂販売株式会社を吸収合併することを決議し、本合併に係る合併契約を締結しました。

合併契約の概要は、次のとおりです。

(1) 合併の方法

  当社を存続会社とし、北海道鈴茂販売株式会社を消滅会社とする吸収合併であります。

 

(2) 合併に係る割当ての内容

北海道鈴茂販売株式会社は当社の完全子会社であるため、本合併による株式その他の財産の割当は行いません。

 

(3) 合併期日

   2021年1月1日

 

(4) 引継資産・負債の状況

当社は、2019年12月31日現在の北海道鈴茂販売株式会社の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに合併に至るまでの増減を加除した一切の資産、負債及び権利義務を合併期日において引継ぎいたします。

資産

金額(百万円)

負債

金額(百万円)

流動資産

124

流動負債

71

固定資産

6

固定負債

4

資産合計

131

負債合計

76

 

 

(5) 吸収合併存続会社となる会社(当社)の概要

  資本金    1,154百万円

  事業内容      米飯加工機械、充填機械、包装資材および寿司ロボットおよび食品資材等の製造販売など

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、主に回転寿司、丼チェーン店等の外食業態やスーパーマーケット等の小売業態の効率化・省力化等のニーズに応えられるよう、常に高付加価値製品の研究開発に取り組んでおります。

 研究開発活動は、営業部門が把握したお客様のニーズをもとに、新製品の開発、既存製品の性能の向上等を目的として、東京工場の技術部門および東京本社の商品部が中心に開発を行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費は116百万円となっております。

 当社はこれまで、1981年に、他社に先駆けて寿司ロボットを開発し、ライスバーガー用バンズ生産機としてライスプレート成形機、寿司を個別包装する機能がついた包装寿司ロボット、ご飯を正確に計量し盛り付ける盛付けロボット等を開発してまいりました。今後におきましては、AI、IoT、ロボティクス、5G、ビックデータ等に代表される最先端技術の動向を踏まえて、当社のこれまでの技術基盤を活用し、「世の中にない」「社会を豊かにする」を製品開発テーマとして、①開発人員の増強と体制の再構築、②研究・マーケティング体制の強化、③社外ネットワークを活用したオープンイノベーションの推進、④自社の特許・知財情報の分析と活用の4つを重点施策として、研究開発活動に取り組んでまいります。