文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、年々重要度が高まる海洋石油・ガス開発の分野において、浮体式設備の設計・建造・据付、販売、リース及びオペレーションを中核事業とし、海洋石油・ガス開発プロジェクトに関わるトータルサービスを世界各国の石油開発会社に提供しております。
事業の展開にあたっては次の経営目標を掲げ、21世紀の資源エネルギーを支えるグローバル企業として、幅広く社会に貢献してまいります。
・ 浮体式設備の分野で、世界的に信頼される企業を目指します。
・ 浮体式設備の建造・販売、リース、オペレーション等の営業形態の多様化により、事業ポートフォリオの最適化を図り、当社グループの安定的発展を推進します。
・ 事業領域を拡大し、顧客に対してトータルソリューションを提供します。
・ 上記の企業活動を通じ、海洋開発事業の担い手として広く社会に貢献します。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により国内外の経済活動が抑制され企業収益が減少するなど、極めて厳しい状況となりました。世界経済も、欧米を中心に経済活動の再開とともに一時は回復基調にあったものの、新型コロナウイルス感染再拡大の影響を受け回復の鈍化が見られるなど、依然として先行きが不透明な状況にあります。
原油価格は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う原油需要の低下や、OPECとロシアなどによる協調減産交渉の決裂等により、WTIが一時マイナスになったものの、その後は、主要国の経済活動再開で需要環境が改善する中、産油国の減産が合意に至ったことで、6月以降は1バレル40米ドルを挟んだ動きが続き、足元では、新型コロナウイルス感染症ワクチンの実用化による経済活動の正常化に対する期待から60米ドル前後まで回復しております。原油価格の下落は、短期的には石油会社による新規開発の遅延や停滞といった形で当社グループの収益に影響する可能性があるものの、エネルギー資源の持続的な供給の観点から、石油会社による深海域を中心とした開発は継続的に行われると考えられ、当社グループの主要事業である浮体式海洋石油・ガス生産設備に関する事業は中長期的に安定した成長が期待されます。
当社は事業モデルの進化により、サステナブルな社会の実現に貢献することを当社の長期ビジョンとして描いております。長期ビジョンの実現に向けて、「本業の収益力徹底強化」、「新規事業の研究開発・育成への投資」及び「環境・社会的要請への取組」という3つの中長期戦略のサイクルを回し続ける事で事業モデルの進化を目指します。
2021年からの3カ年の新たな中期経営計画においては、重要テーマとして①アセット・インテグリティ(安定操業を実現する生産設備の設計・建造及び機能の維持)の改善、②デジタライゼーション戦略推進、③研究開発:FPSOに次ぐ将来の収益源の育成、④環境・社会的要請への取り組みの4つを設定いたしました。
・アセット・インテグリティの改善:
船齢が上昇している初期ブラジル船の集中メンテナンス及び継続的なアセット・マネジメントにより、安全に石油・ガスを生産し続ける為のトータルサービス提供に注力いたします。
・デジタライゼーション戦略推進:
「更なるFPSO操業の先鋭化・効率化」、「操業から上流工程へデジタル適用領域拡大」及び「デジタルソリューション事業の立ち上げ」をデジタル戦略の柱として事業モデルを進化させます。
・研究開発:
FPSOに次ぐ将来の収益源の育成に向け、独自の浮体構造及び係留技術(TLP)を活用した浮体式洋上風力発電設備の事業化への取り組みを加速させ、また次世代のエネルギーとして期待される海底資源(メタンハイドレート)の回収技術開発を進めます。
・環境・社会的要請への取り組み:
国連の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals (SDGs))が掲げる17の目標のうち、当社が最も貢献できると考える5つの目標を選定し、達成に向けた重点的な取り組みを推進いたします。
目標5、「ジェンダー平等を実現しよう」
目標7、「エネルギーを皆に、そしてクリーンに」
目標8、「働きがいも経済成長も」
目標13、「気候変動に具体的対策を」
目標14、「海の豊かさを守ろう」
これらの活動の成果として、2023年に達成すべき数値目標は親会社株主に帰属する当期純利益200百万米ドル、ROE 12%を掲げております。
※1 2020年度のROEの実績については、親会社に帰属する純損失を計上したことから「-」としております。
① アセット・インテグリティの確保
浮体式海洋石油・ガス生産設備を大規模な海洋油田の開発に利用するプロジェクトは増加しており、FPSO等も大型化・複雑化する傾向にあります。こうしたなか、当社グループは、プロジェクト獲得を推進し、事業の発展と拡大を図ってまいります。
また、大規模な海洋油田の開発が進んだことによりFPSO等の使用年数は長期化しております。初期に設置されたFPSO等の船齢は上昇し、場合によっては当時の技術力が現在と比べ成熟していなかったこと等から事前に予期することが困難な事態の発生により生産が中断する可能性があります。
しかしながら、石油・ガスの安定かつ安全な生産は当社グループの最重要課題の一つであり、集中メンテナンス等各種対応を通じてFPSO等のアセット・インテグリティの確保に努めてまいります。
② プロジェクト・マネジメントの強化と人材の育成
FPSO等の設計・建造・据付に関する事業では、設置されるフィールドの多様な海気象条件や受注先である石油開発会社のニーズに応じて、多岐にわたる要素技術を組み合わせて最適化を図ると共に、サブコントラクターといわれる多数の外注先に対して品質、予算、工程及び納期を管理するなど、総合的なマネジメントを徹底することが重要であります。このため、当社グループではプロジェクト・マネジメント力の強化に努めており、特にプロジェクト・マネジャーをはじめとする人材の育成を図ってまいります。
③ 資金調達の多様化
FPSO等のチャータープロジェクトの増加及び大型化に伴って当社グループの資金需要は拡大しており、当社では、増資や金融機関からの借り入れによる資金調達力の強化に努めております。チャータープロジェクトの遂行に際してプロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社をはじめとするパートナーとの提携など、資金調達手法についても多様化を進めていく方針であります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<特に重要なリスク>
そのため、特に新たな進出地域におけるプロジェクトの遂行にあたっては、現地の法律や会計コンサルタント等からの情報収集及び顧客や取引先との間で最適な責任分担を図ることにより、これらリスクの低減に努めております。
当社グループがFPSO等の建造を行う場合の受注額は、最近では1件につき1千億円を超える大規模なものとなっております。そのため、原油価格の低迷に伴う石油会社の投資縮小によって新規プロジェクトが遅延したり、重大な事故、トラブル、クレーム等により当社グループが入札に参加できなくなったりした場合には、計画していた受注、売上が計上できず、損益面でも計画を大きく下回る可能性があります。
また、当社グループが石油開発会社に提供しているFPSO等のリース、チャーター及びオペレーションに関わるサービスは、契約期間が長期にわたり、安定した収入を期待できる事業ですが、操業を行っている海域における台風等の自然災害の発生や、鉱区を保有する国の政情などによってサービス提供が中断するリスクがあります。これらについては、客先である石油開発会社との契約において当社グループの免責を明文化することや保険付保といった手段によってリスク回避に努めておりますが、事前に予期することが困難な事態の発生によりプロジェクトが中断した場合には、当社グループの業績に一時的な影響を及ぼす可能性があります。
海洋油田の発見が探査の行われていなかった大水深海域に拡大していることを背景として、浮体式海洋石油・ガス生産設備の稼働数及び発注数は増加してきました。
しかしながら、原油価格が下落すると、石油開発会社は投資を縮小します。石油開発会社はまず探鉱活動に対する投資から縮小するものの、原油価格の低迷が長期化すると新規プロジェクトが遅延するため、当社グループもプロジェクトの受注が一時的に減少するといった影響を受ける可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて、当社グループにおいては、建造工事の中断や、機器の調達の遅れ、工事従事者の移動制限等が発生し、スケジュール全体の進捗に影響をおよぼす状況となっております。
今後の収束時期が不透明な中、感染拡大の長期化により建造工事スケジュールへの影響が続いた場合、当社グループの収益確保及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<その他の重要なリスク>
当社グループは海外での事業を中心としており、連結売上高に占める海外売上高の割合は2020年12月期においてほぼ100%となっています。
販売先やFPSO等の建造工事に係る仕入先及び外注先など取引先の多くは海外の企業であるため、事業上の取引及び資金収支の大半は米ドルを中心とした外貨によっております。従って、取引やその決済収支において為替変動による影響を直接受けることはありません。
しかしながら、決算上は外貨建ての資産・負債、収益・費用を円貨に換算する割合が大きいため、決算日における為替相場の変動は連結決算上の円貨換算額に影響を与える可能性があります。
FPSO等の浮体式海洋石油・ガス生産設備の建造にあたっては多額の資金を要するほか、これを当社グループが保有して石油開発事業者にリース、チャーターを行う場合は、そのリース、チャーター期間が10年を超えるなど建造資金の回収に長期間を要することになります。
当社グループはこうした事業資金を主に借入金によって調達しているため、2020年12月末における連結ベースの借入金残高は13,496百万円で、負債純資産合計に占める割合は3.8%となっております。
当社グループでは金利スワップを用いるなど金利変動リスクの低減に努めておりますが、金利の変動によって当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また、今後もFPSO等に係る新規プロジェクトを開始する場合には、新たに資金調達を行う必要があります。当社グループは、プロジェクトの推進にあたり総合商社をはじめとする事業パートナーとの連携によって資金負担の低減を図るほか、プロジェクトファイナンスの利用によるリスクの遮断も行う方針であります。
しかしながら、入札にあたって所要資金を十分に調達することが困難であったり、金利等の資金調達条件が悪化した場合には、プロジェクトの受注及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、PETROBRAS社より、1997年3月にブラジルのMARITIMA PETROLEOE ENGENHARIA LTDA(MARITIMA社)が受注し、当社が共同受注者として参画したFPSO建造プロジェクトに関する訴訟の提起を2002年12月に受けております。
訴状によればPETROBRAS社は、MARITIMA社が本プロジェクトに関して外部業者への支払不履行を起こした際、プロジェクトの遅延を懸念してこれらの費用を立て替えて支払ったが、MARITIMA社が費用の返還請求に応じなかったため、同社、同社の子会社であるMARITIMA OVERSEAS,INC.及び共同受注者であった当社に対する返還請求訴訟を提起した、としております。
2016年3月、リオデジャネイロの民事裁判所は、PETROBRAS社に対し、同社の返還請求を認めないとする判決を言い渡しました。PETROBRAS社はこれを不服として、2016年5月に上訴審に控訴いたしましたが、ブラジル控訴審は2018年6月、PETROBRAS社の訴えを退け、返還請求は認められませんでした。一方、本訴訟に関連して当社グループに発生した訴訟費用(弁護士費用)についての支払命令については上告が認められたため、現在、訴訟費用についてのみ最高裁にて審理中です。
当社グループは、国内外での事業の遂行にあたり、それぞれの国での各種法令、行政による許認可や規制等を遵守しております。しかしながら、これら法令の改廃や新たな法的規制が設けられる等の場合には、その結果が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、地震、風水害、感染症の世界的流行(パンデミック)など各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、危機発生時の対応体制や対応指針をまとめたグループ危機管理ガイドラインを策定しております。しかしながら、このような災害による物的・人的被害の発生や物流機能の麻痺等により、FPSO等の建造工事、リース、チャーター及びオペレーションといった当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。
(業績等の概要)
当連結会計年度の連結業績は、FPSO建造プロジェクトの新規受注等により、受注高は320,787百万円(前年比49.5%減)となりました。売上高はFPSO建造工事の進捗により309,925百万円(前年比6.8%減)となりました。
利益面では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、建造中のプロジェクトにおいては建造工事の中断や、機器の調達の遅れ、また建造工事現場への移動制限などからスケジュール全体の進捗に影響を及ぼす状況となっており、新型コロナウイルス感染症によって生じた工事の進捗への影響は短期間では解消できないとの前提から推定されるコストの増加を織り込んだこと等により、営業損失は21,614百万円(前連結会計年度は営業損失4,841百万円)となりました。なお、世界的なパンデミックが宣言されていることから新型コロナウイルス感染症による納期遅延は契約及び法令に照らして不可抗力事由に相当すると考えており、ペナルティの発生は見込んでおりません。既存のチャーターおよび操業サービスに係る事業は十分な対策を講じて遂行しており、新型コロナウイルス感染症による影響は限定的であったことから、利息収入や持分法投資利益などを加えた経常損失は12,854百万円(前連結会計年度は経常利益294百万円)となりました。これらにより、親会社株主に帰属する当期純損失は13,076百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失18,227百万円)となりました。
なお、当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の業績等の記載は省略しております。
(2) 財政状態について
当連結会計年度末の資産の状況は、主に売掛金の減少により、前連結会計年度末比25,657百万円減少して357,532百万円となりました。
負債は、主に前受金の増加により、前連結会計年度末比4,694百万円増加して262,517百万円となりました。
純資産は、主に利益剰余金の減少により、前連結会計年度末比30,351百万円減少して95,015百万円となりました。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、投資活動によるキャッシュ・フローが大きく減少したものの、営業活動におけるキャッシュ・フローがそれ以上に増加したことから、前連結会計年度に比べて12,603百万円増加し、64,746百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に比べて34,252百万円増加し、31,004百万円の収入となりました。これは主に、FPSO等の建造工事にかかる売上債権の回収時期と買掛金の支払時期のバランスによる変動であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、短期貸付金の純増減額5,219百万円があったものの、主に固定資産の取得による支出3,942百万円や関係会社株式の取得による支出1,878百万円により、742百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の返済による支出13,815百万円により、13,888百万円の支出となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しており、以下の各項目は当社グループ全体の実績を記載しております。
(注)1 上記の金額は、FPSO、FSO及びTLPの設計・建造・据付並びにその他の工事にかかる完成工事高であります。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の他に、持分法適用関連会社の「リース、チャーター及びオペレーション」に関する当社持分相当の受注残高は755,003百万円であります。
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 該当年度において売上高の10%未満であるため、記載を省略しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績に重要な影響を与える要因
① 関係会社への出資比率
FPSO等のリース、チャーター事業推進にあたっては多額の資金を必要とします。当社グループは、各々のプロジェクトごとに総合商社などと合弁で事業会社を設立することにより、資金負担の軽減を図っております。これらの事業会社に対する当社の出資比率は、プロジェクトの規模やリスク許容度等を総合的に勘案した上で決定しており、プロジェクトによって異なります。
連結財務諸表の作成にあたっては、出資比率などから支配権を有していると判断される関係会社を連結子会社とし、支配権を有しないと判断される関係会社を持分法適用関連会社としております。
事業会社を連結子会社としたプロジェクトでは、FPSO等の建造工事をグループ内取引と認識するため、建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供が開始されてから連結損益計算書において損益を認識します。また、連結貸借対照表にはFPSO等の固定資産が計上されます。
一方、事業会社を持分法適用関連会社としたプロジェクトでは、建造工事期間における損益を工事進行基準によって連結損益計算書に反映させます。ただし、期間損益のうち、当社グループの出資比率に相当する金額はグループ内取引と判断されるため、連結調整によって未実現利益として消去します。建造工事が完工し、リース及びチャーターサービスの提供を開始すると、当該関連会社の損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を、連結損益計算書において持分法による投資損益として計上します。
以上のとおり、事業会社に対する当社グループの出資比率等により、連結財務諸表への影響は大きく異なっております。
② 未実現損益の消去
プロジェクトの規模が大型化するに従い、リース及びチャータープロジェクトのために設立する事業会社に対する当社グループの出資比率は50%以下に止まり、事業会社は持分法適用関連会社となっております。前述のとおり、こうしたプロジェクトの建造工事期間中は工事進行基準によって連結損益計算書に売上高を計上する一方、期間損益のうち当社グループの出資比率に相当する金額を未実現損益として消去しております。
消去した未実現損益は、当該関連会社が所有するFPSO等の減価償却期間に応じて実現させ、連結損益計算書に計上しております。
なお、過去3年間の連結損益計算書において、営業損益に影響を与える未実現損益の消去額、未実現損益の実現額並びに未実現損益残高の推移を示すと下記のとおりです。
(単位:百万円)
(2) 経営成績に関する分析
① 受注の状況
当連結会計年度は、ウッドサイド社セネガル沖合サンゴマール鉱区向けFPSOの建造及びオペレーションの新規受注及び既存プロジェクトの仕様変更並びにオペレーションサービス等により320,787百万円の受注高となりました。受注残高は前年比149,920百万円減少し、1,237,132百万円となりました。また、持分法適用関連会社の「リース、チャーター及びオペレーション」に関する当社持分相当の受注残高は755,003百万円となりました。
② 売上高の状況
売上高は、主にFPSO等の建造工事の進捗とチャーター及びオペレーションサービスの提供により309,925百万円となりました。
③ 営業損益の状況
営業損益は、主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、建造中のプロジェクトにおいて建造工事の中断や、機器の調達の遅れ、また建造工事現場への移動制限などからスケジュール全体の進捗に影響が発生し、多額の追加コストの増加を見込んだことにより21,614百万円の営業損失となりました。
④ 経常損益の状況
経常損益は、持分法による投資利益の計上等により12,854百万円の経常損失となりました。
⑤ 特別損益の状況
特別損益は、修繕引当金戻入額1,552百万円による特別利益の計上があった一方、退職給付債務の計算方法について、従来までの簡便法から原則法に変更したことによる期首影響額447百万円を特別損失に計上しております。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純損益の状況
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は13,076百万円の損失となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (業績等の概要)(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資本の財源
当社グループの資金の源泉は主に営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入としておりますが、FPSO等の建造工事においては、工事代金の回収時期と工事費用の支払時期のずれにより当該建造工事に関わる債権債務が一時的に大きく変動し、営業キャッシュ・フローに大きな影響を与えます。当社グループではこれらの建造工事に関わる債権と債務のバランスを図ることで資金効率の向上に努めております。また、当社と一部の連結子会社は「CMS預貸制度(キャッシュ・マネジメント・システム)」により資金融通を行うことで資金効率を高めております。
② 建造工事期間における資金負担
FPSO等を客先に売り渡すプロジェクトの場合、建造工事に要する費用は工事の進行度合いに応じて前受金にて回収しているため、当社グループでは運転資金の調達を必要としません。しかしながら、リース及びチャータープロジェクトの場合、当社グループと総合商社等が合弁で設立する事業会社が建造工事の発注者となるため、当社グループには出資比率に相当する建造工事費用の負担が生じます。
当社グループは、建造工事期間における必要資金(以下、建中資金)を、主に短期借り入れによって当社が調達して関係会社へ貸し付ける方法、ないしは当社の債務保証によって関係会社が借り入れる方法によって調達しております。
③ 総リスク額の管理
当社グループでは、大型プロジェクトにおける多額の資金負担と、それに伴うリスクとを軽減するため、リース及びチャータープロジェクトのFPSO等への投資資金についてプロジェクトファイナンスによる調達を行っております。それによって当社の債務保証なしに関係会社が長期資金を調達することが可能となり、プロジェクト個々のリスクを当社から遮断する効果をもたらします。
当社グループでは、プロジェクトファイナンスを活用すると共に、総合商社などの事業パートナーをプロジェクトに招聘する等の方策により、総リスク額をコントロールして事業を展開する方針であります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、主な内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。また、連結財務諸表の作成にあたって、期末時点において連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与える判断、見積りを行っております。貸倒引当金、受注工事損失引当金などの各種引当金、繰延税金資産の回収可能性及び工事進行基準による売上など、見積りにあたっては、それぞれ合理的な方法によっております。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
当社グループの経営上の重要な契約は以下のとおりであります。
当社グループでは、研究開発活動として新規事業分野での既存技術活用による開発、及びFPSO運用上の課題を解決するための開発を行っております。
新規事業分野としては、洋上風力発電事業を当社の新たな事業分野とするべく、当社の浮体設備や係留技術の強みを生かした当社独自の浮体・係留システムの開発を進めております。この他、当社グループがこれまでに蓄積した技術を、レアアースやメタンハイドレートといった海洋鉱物資源及びエネルギー資源の開発に応用するための研究を推進しております。
FPSO運用上の課題解決としては、経年劣化した船体構造に対し、炭素繊維の適用により、火気工事を伴わず少人数・短期間で安全に施工可能な新しい補修法の開発を進め、この度、ABS船級協会より、標準的な補修法としての認証を取得しました。
当連結会計年度におけるこれらの研究開発に係る金額は
なお、当社グループは、浮体式石油生産設備の建造及びこれに関連する各種サービスを提供する単一の事業を展開しているため、セグメント別の記載は省略しております。