当連結会計年度(※)における世界経済は、米国の底堅い成長に加え、欧州では緩やかな回復基調が継続する一方で、中国の成長が一段と鈍化したほか、東南アジア諸国での停滞が持続するなど、新興国の減速により全体として緩やかな成長に留まりました。
我が国経済では、個人消費や雇用情勢の改善に加え、設備投資の増加など回復傾向が持続しましたが、新興国経済の減速を背景に輸出や生産に弱含みの兆しが見えました。
このような中、当社グループの当期業績については、国内市場は堅調に推移したものの、中国での油圧機器の低迷などを受け、売上高は187,000百万円、営業利益は15,294百万円、経常利益は16,418百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11,059百万円となりました。
(単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 |
当連結会計年度 | 187,000 | 15,294 | 16,418 | 11,059 |
前連結会計年度 | 219,657 | 23,615 | 27,193 | 17,746 |
前期比(%) | ― | ― | ― | ― |
※ 平成27年12月期は決算期変更の経過期間となることから、当連結会計年度につきましては、従来3月決算であった会社は9ヵ月間(平成27年4月1日~平成27年12月31日)、従来より12月決算の会社は12ヵ月間(平成27年1月1日~平成27年12月31日)を連結対象期間とした決算となっています。従いまして、前期比情報の記載を省略しています。
当連結会計年度のセグメントの業績は、次のとおりです。
精密機器事業の売上高は45,327百万円、営業利益は6,824百万円となりました。
精密減速機は、好調な産業用ロボット、工作機械およびその他FA向け需要を背景に伸長したものの、第3四半期(平成27年10月1日~平成27年12月31日)に一部のロボットメーカーでの減産影響を受け、精密機器事業の売上高は期首想定よりもやや弱まりました。
② 輸送用機器事業
輸送用機器事業の売上高は46,848百万円、営業利益は7,890百万円となりました。
鉄道車両用機器では、堅調な国内新車需要、補修部品ビジネスの拡大が見られたものの、中国高速鉄道案件の計画延期の影響を受けました。商用車用機器では、国内トラック需要は好調だったものの、ASEAN向け需要の停滞が持続しました。舶用機器では、中国市況の悪化により新造船の手元工事量の一部にキャンセルが見受けられました。以上の要因により輸送用機器事業の売上高は期首想定を下回りました。
③ 航空・油圧機器事業
航空・油圧機器事業の売上高は39,524百万円、営業損失は2,029百万円となりました。
油圧機器では中国における建設機械需要減の影響を大きく受けており、航空機器は堅調な民間航空機および防衛省向け需要を受け順調に推移したものの、結果として航空・油圧機器事業の売上高は期首想定を大きく下回りました。
④ 産業用機器事業
産業用機器事業の売上高は55,299百万円、営業利益は2,610百万円となりました。
自動ドアは国内および海外市場ともに堅調であり、為替効果も得られ順調に推移しましたが、包装機における海外需要の伸び悩みが影響し、結果として産業用機器事業の売上高は期首想定をやや下回りました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。) は、営業活動により獲得した資金8,746百万円を主に自己株式の取得、設備投資、配当金の支払等に充てた結果、34,709百万円と前連結会計年度末比15,745百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、8,746百万円の資金の増加となりました。増加要因としては主に税金等調整前当期純利益によるものです。一方、減少要因としては主に法人税等の支払によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,886百万円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、19,090百万円の資金の減少となりました。減少要因としては主に自己株式の取得、配当金の支払によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
精密機器事業 | 46,483 | ― |
輸送用機器事業 | 48,614 | ― |
航空・油圧機器事業 | 38,577 | ― |
産業用機器事業 | 58,105 | ― |
合計 | 191,781 | ― |
(注) 1 上記の金額は、販売価格により、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
3 決算期変更の経過期間につき、前期比については記載を省略しています。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
精密機器事業 | 45,187 | ― | 13,736 | △1.0 |
輸送用機器事業 | 46,718 | ― | 23,991 | △0.5 |
航空・油圧機器事業 | 40,840 | ― | 32,985 | 4.2 |
産業用機器事業 | 54,409 | ― | 21,873 | △3.9 |
合計 | 187,155 | ― | 92,586 | 0.2 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
3 決算期変更の経過期間につき、受注高の前期比については記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
精密機器事業 | 45,327 | ― |
輸送用機器事業 | 46,848 | ― |
航空・油圧機器事業 | 39,524 | ― |
産業用機器事業 | 55,299 | ― |
合計 | 187,000 | ― |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
3 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
4 決算期変更の経過期間につき、前期比については記載を省略しています。
今後の世界経済につきましては、中国経済は新5ヵ年計画でも明らかなように、投資型成長から消費型成長へ構造的な変化を進めており、過去のような高い成長率は期待できず、設備投資需要低迷による世界経済への影響が懸念されます。米国経済においては、新興国景気の減速、ドル高による企業業績の下振れはあるものの雇用は堅調に増加しており、内需による緩やかな成長が期待されます。欧州経済においては、相次ぐテロや難民問題など不安定な要素がある反面、欧州中央銀行による追加金融緩和も実施され、底堅く推移すると予想されます。
当社グループでは、旺盛な産業用ロボット向け精密減速機需要、鉄道車両用機器の中国における需要増や自動ドア事業における拡販を予想しています。
なお、当社は、平成27年12月期より決算日を3月31日から12月31日に変更しました。従いまして、平成27年12月期は経過年度となることから、次期の業績見通しにおける前年同期比較は行っていません。
以上を踏まえ、次期の売上高は250,000百万円、営業利益は25,500百万円を見込んでいます。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、下記企業理念のもと、平成32年度に向けた長期ビジョン達成への動きを着実にするため、平成26年5月に平成26年度を初年度とする3ヵ年の新中期経営計画 「Think Global! Act Local! For the Second Decade」 を策定いたしました。
( 企業理念 )
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( 長期ビジョン 2020年度の目指す姿 )
|
( 中期経営計画基本方針 )
|
・顧客満足の限りなき追求
・海外展開の一層の推進
・新技術開発の探究とオープンイノベーション
・グローバル生産体制の構築
・株主価値、企業価値の向上
当社グループは平成26年度から平成28年度の中期経営目標を、以下のとおり設定いたしました。
①さらなる事業規模拡大・収益性の追求 ・平成28年度の売上高目標2,800億円±5%、営業利益目標340億円(営業利益率12%)、 ・1株当たり当期純利益190円
②資産・資本効率(ROA、ROE)を意識した経営の推進 ・平成28年度末ROA 7.5%、ROE 15.0%の達成。
③成長性を考慮した企業収益の配分 戦略的な成長投資、財務健全性の確保、株主還元のバランスを考慮した適正配分 ・3ヵ年の累計設備投資額450億円 ・3ヵ年の累計研究開発費230億円 ・安定的配当の継続(配当性向30%以上、40%を超えない限り減配せず) |
(注) 本中期経営目標は決算期変更前の平成26年5月に発表し、平成29年3月期を最終年度として策定したものです。平成28年度(平成28年12月期)の計画については、「3 対処すべき課題」をご参照ください。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
新中期経営計画期間中は長期ビジョン達成に向けて、成長性を考慮した企業収益の配分を念頭に、将来の成長に向けた戦略的な投資を実施してまいります。
新事業の創出と新規市場への展開をすべく「Market Creation」を推し進め、それを支え・加速化すべく「Technology Innovation」に取り組み、この2つの重要戦略を「Financial Strategy」によって確実な事業成長へ繋げてゆきます。
①「Market Creation」による既存事業の伸長と新事業の創出
・「安全・安心・快適」を提供するBest Solution Partnerとして、高付加価値の新製品を市場に投入します。(精密減速機、鉄道車両用機器、航空機器、油圧機器など)
・海外展開を一層推進し、未進出の市場、特に新興国におけるプレゼンスを向上させます。
・安定収益を確保するため、有望市場におけるアフター・サービスビジネス(MRO)の体制構築と強化をはかります。
・「ナブテスコ」ブランドの強化・浸透に取り組みます。
②「Technology Innovation」による開発推進とグローバル生産体制の構築
・多様なニーズに対応する製品のスピーディな提供に向けた、自社開発及び共同開発を推進します。
・グローバル生産体制の構築により「地産地消」を確立します。
・国内工場のマザー工場化と近代化を推進します。
③「Financial Strategy」による戦略投資を支えるキャッシュインカムの創出と安定的な還元
・資産効率の向上を促進します。
・資金調達は、デットによる調達を基本としながら信用格付け維持をはかります。
・1株当たり当期純利益の継続的な拡大による増配を目指し、連結配当性向を30%以上とし、連結配当性向が40%を超えない限り減配しないことを新たな配当方針といたします。
・成長投資として、1)国内工場近代化、増産対応の実施、2)研究開発の推進、3)戦略的M&Aに備えた資金準備に取り組みます。
「事業の展開」
当面の最重要課題は中期経営計画の達成であり、下記課題に取り組みます。
・市場毎のニーズにマッチしたビジネスモデルの構築、海外事業の収益力強化
・多様な市場ニーズを捉えた製品開発、高い総合技術力を駆使した差別化製品の開発
・グローバル化に対応した迅速な意思決定体制の構築、リスクマネジメント力の強化
・グローバル展開のベースとなるグローバル人財の確保・育成・強化
・情報セキュリティのリスク回避に向けた管理体制の維持・強化
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性には、以下のようなものがあります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済、市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は、国内外の自動車、建設機械、鉄道、建築、産業機械などの各産業分野に直接的または間接的に関わっています。これら産業の景気変動及び設備投資動向などにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、成長性・収益性の追求のため、アジア、北米、欧州を中心に積極的な事業展開を図っています。このため、経済・市場の動向に関するリスクだけでなく、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制等の改正が行われる場合があり、各種製品の市場が影響を受け、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大規模災害に関するリスク
当社グループは、台風、地震、洪水、パンデミックなど各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、事業継続計画の策定、緊急連絡体制の整備や訓練の実施などを進めています。しかし、このような災害による人的・物的被害の発生や資材調達の停滞及び物流網の寸断により、当社グループの生産活動を中心とした事業活動に影響を受ける可能性があります。また、災害による損害が損害保険等で十分にカバーされるという保証はありません。
(4) 為替相場の変動に関するリスク
当社グループの海外売上高は、年々高まっています。原材料の海外からの輸入もあり、外貨建て取引に関しては為替予約によるリスクヘッジを行っていますが、当社グループの業績は為替変動による影響を受けています。また、在外子会社の業績についても、円換算にあたり為替変動による影響を受けています。
(5) 調達に関するリスク
当社グループは、原材料、構成部品等を多数の取引先から購入していますが、一部の部品について供給が滞り代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品品質に関するリスク
当社グループは、各種製品について、欠陥が発生しないように万全な品質管理基準のもとに製造しています。しかしながら、万一リコールや製造物責任につながるような重大な欠陥が発生した場合には、多額のコストの発生につながり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合に関するリスク
当社グループは、国内外において高い市場占有率を誇る製品を多数保有しています。各種製品の市場占有率が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これら情報に関する管理体制の強化と社員教育を展開し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じています。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産に関するリスク
当社グループは、特許を含む知的財産権により自社技術の保護を図り、これら知的財産権を厳しく管理するとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合、または当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、世界各地域において事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けます。当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準の企業倫理綱領を制定し、コンプライアンス体制の強化を図っています。しかしながら、これら対策を講じても、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することは出来ず、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境に関するリスク
当社グループは、事業活動による地球環境への影響を常に認識し、商品の企画・開発・設計にあたっては、エネルギー効率、省資源、有害物質の削減、リサイクル性の向上に努め、商品の生産・販売・物流・サービスにおいては、環境先進技術を積極的に採用し、また工夫することにより、CO2排出量の削減、資源の有効利用、ゼロ・エミッションへの挑戦など環境負荷の低減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染が生じた場合には、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生及び信用の低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 技術等導入に関する契約
契約会社名 | 技術導入先 | 契約の対象 | 締結契約 | 契約期間 |
ナブテスコ 株式会社
| 米国 | C.S.D.(発電機定速駆動装置) | 昭和42年6月 | 平成31年9月迄 |
F-2戦闘機用定速駆動装置の製造、 | 平成4年9月 | 平成31年9月迄 | ||
F-15戦闘機近代化用C.S.D. | 平成15年8月 | 平成31年9月迄 | ||
米国 | 航空機用燃料油圧ポンプ及び | 昭和46年7月 | 平成31年8月迄 | |
ヘリコプター用燃料噴射装置 | 平成元年8月 | 平成35年12月迄 | ||
米国 | AH-1Sヘリコプター用サーボ | 昭和58年1月 | 平成33年8月迄 | |
米国 | F-15戦闘機搭載装備品であるノーズステア・インプットノーズステア | 昭和58年1月 | 平成37年10月迄 | |
ヘリコプター用搭載機器に関する | 平成元年1月 | 平成37年10月迄 | ||
米国 | F-15戦闘機装備品ロータリーラダーサーボアクチュエータ・キャノピーアクチュエータ・スピードブレーキアクチュエータ・ディレクショナルコントロールバルブ・エアリアルリフュエールディレクショナルバルブの製造及び販売契約 | 平成27年7月 | 平成37年6月迄 | |
米国 | 航空機用燃料噴射ノズルの製造 | 昭和56年8月 | 平成37年6月迄 | |
米国 | ヘリコプター用燃料ポンプの製造 | 昭和63年12月 | 平成36年2月迄 |
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を支払っています。
(2) 技術供与に関する契約
契約会社名 | 技術供与先 | 契約の対象 | 締結契約 | 契約期間 |
ナブテスコ 株式会社 | 韓国 | 減速機付油圧モータ | 平成22年9月 | 平成32年8月迄 |
韓国 | 油圧制御バルブ | 平成18年6月 | 平成28年5月迄 | |
台湾 | ノンアスベストタイプ合成制輪子 | 平成8年9月 | 平成28年9月迄 | |
インド | ノンアスベストタイプ合成制輪子 | 平成13年9月 | 平成28年9月迄 | |
中国 | 中国中速車用ブレーキシステム | 平成17年11月 | 平成28年12月迄 | |
中国 | 中国新一代向けドアシステム | 平成22年5月 | 平成31年5月迄 | |
中国 | 広深港線向けドアシステム | 平成25年4月 | 平成34年4月迄 |
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を受け取っています。
(3) 連結子会社との合併契約について
当社は平成28年1月29日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社ハイエストコーポレーションを吸収合併することを決議しました。また、同日付で両社は合併契約を締結しました。
詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。
当社グループは、「独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供します」との企業理念のもと、利益ある成長の姿を研究開発活動のゴールに設定し、事業戦略と連携した研究開発計画を立案して研究開発に取組んでいます。研究開発投資については、既存事業の競争力強化や収益力強化につながる事業戦略上の開発テーマと、成長分野における新商品や新事業の創出・育成のための開発テーマに資源を集中させています。研究開発の推進体制は、技術本部を統括部門として、企画・実行をカンパニー各社、連結子会社を中心として技術本部もその一部を担当しています。開発活動で重視していることは、顧客とエンドユーザーのニーズに直結した独創性のある競争力の高い製品を提供することです。
なお、当連結会計年度の研究開発のための費用は、5,800百万円です。
セグメントごとの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりです。
(1) 精密機器事業
精機カンパニー、新エネルギー事業本部、シーメット株式会社及び大亜真空株式会社が中心となって、精密減速機及び同システム、風力発電機用駆動装置、光造形システム(3Dプリンタ)、真空機器・装置等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、コンパクトアクチュエーター「AFシリーズ」の上市、精密減速機RV用潤滑油・グリース「RV GREASE LB00」、オイル「RV OIL SB150」の上市、各種産業機械向け精密減速機の開発、太陽熱発電用機器の開発、風力発電用駆動装置機器等の開発、3Dプリンタシステムの開発、トランスデューサ型真空計用電源表示器「DGC-A12」の上市等です。当事業に係る研究開発費は、1,182百万円です。
(2) 輸送用機器事業
鉄道カンパニー、舶用カンパニー及びナブテスコオートモーティブ株式会社が中心となって、鉄道車両用ブレーキ装置及び同ドアシステム、舶用エンジン制御システム、商用車用ブレーキや乗用車用クラッチの各種装置・機器の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、グローバル市場向け鉄道車両用ブレーキ制御装置・機器の開発、グローバル市場向け鉄道車両用ドア開閉装置(Rack☆Star)のシリーズ開発、舶用低速4サイクル電子制御機関向け制御装置「BLUE-SYSTEM」の開発、商用車向け新型オイルキャッチャーの上市等です。当事業に係る研究開発費は、1,672百万円です。
(3) 航空・油圧機器事業
パワーコントロールカンパニー及び航空宇宙カンパニーが中心となって、建設機械用油圧機器及び同システム、航空機用油圧制御機器及び同システム、航空機用電動制御機器及び同システム等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、建設機械用走行ユニットおよび旋回ユニットのモデルチェンジ製品の上市、ボーイング737MAX向けフライバイワイヤー方式スポイラー・アクチュエーターの開発、ボーイング777X向けフライト・コントロール・アクチュエーション・システムの開発等です。当事業に係る研究開発費は、831百万円です。
(4) 産業用機器事業
住環境カンパニー、東洋自動機株式会社及びティーエスプレシジョン株式会社が中心となって、建物用自動ドア、プラットホーム用可動柵やスクリーンドア、福祉機器、自動充填包装機、金属塑性加工機械などの研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、アジア市場向け新型気密ドアの上市、新型多機能トイレ用自動ドアの上市、各種用途向け高速充填包装機の開発、スマートフォーミングマシンのSFシリーズ開発、CVJグローバル加工機(複合ハード加工機)の開発等です。当事業に係る研究開発費は、2,112百万円です。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、製品保証引当金、受注損失引当金、退職給付に係る資産及び負債、税金費用等の見積りは、それぞれ過去の実績等を勘案し合理的に算定していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。また、引当金の計上基準については、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当社の当連結会計年度における売上高は、187,000百万円となりました。これは輸送用機器事業における中国高速鉄道案件の計画の延期及び航空・油圧機器事業における中国の建設機械需要減の影響により期首想定を下回ったことによるものです。
セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比(%) |
(平成27年3月期) | (平成27年12月期) | ||
精密機器事業 | 51,547 | 45,327 | ― |
輸送用機器事業 | 61,388 | 46,848 | ― |
航空・油圧機器事業 | 47,857 | 39,524 | ― |
産業用機器事業 | 58,863 | 55,299 | ― |
合計 | 219,657 | 187,000 | ― |
② 営業利益
営業利益は15,294百万円、売上高営業利益率は8.2%となりました。これは上記売上高の減少による影響を受けたものです。
セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比(%) |
(平成27年3月期) | (平成27年12月期) | ||
精密機器事業 | 8,356 | 6,824 | ― |
輸送用機器事業 | 11,355 | 7,890 | ― |
航空・油圧機器事業 | 995 | △2,029 | ― |
産業用機器事業 | 2,908 | 2,610 | ― |
合計 | 23,615 | 15,294 | ― |
③ 経常利益
営業外収益は、主に持分法による投資利益1,710百万円により2,476百万円となり、営業外費用は、主に為替差損986百万円により1,352百万円となりました。その結果、経常利益は16,418百万円となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は、主に投資有価証券売却益2,064百万円により2,096百万円となり、特別損失は、主に連結子会社における固定資産の減損損失2,111百万円、退職給付制度改定損385百万円、固定資産処分損336百万円、事業構造改善費用287百万円により3,156百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は15,358百万円となりました。
以上の結果、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額及び非支配株主に帰属する当期純損失を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は11,059百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は88.85円、自己資本利益率は7.6%となりました。
(3) 財政状態の分析
当社グループは、各事業の収益力を高めるとともに、たな卸資産の削減等を進め、加えてグループ資金の集中管理(キャッシュプールシステム)により資金効率を高めるなど、使用資本の圧縮と有効活用を進めています。
① 資産
当連結会計年度末の流動資産は128,575百万円、固定資産は104,805百万円であり、その結果、総資産は233,381百万円と前連結会計年度末比12,611百万円の減少となりました。主な増加要因は、たな卸資産の増加3,256百万円、受取手形及び売掛金の増加2,635百万円、のれんの増加1,436百万円です。一方、主な減少要因は、現金及び預金の減少12,088百万円、有価証券の減少4,000百万円、投資有価証券の減少2,373百万円、繰延税金資産の減少1,033百万円です。
② 負債
当連結会計年度末の流動負債は73,000百万円、固定負債は11,456百万円であり、その結果、負債合計は84,456百万円と前連結会計年度末比2,871百万円の減少となりました。主な増加要因は、支払手形及び買掛金の増加1,035百万円です。一方、主な減少要因は、未払法人税等の減少3,609百万円、繰延税金負債の減少1,370百万円、短期借入金の減少1,234百万円です。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は148,924百万円です。自己資本は142,068百万円と前連結会計年度末比7,793百万円の減少となりました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益11,059百万円による利益剰余金の増加です。主な減少要因は、自己株式の取得による減少10,002百万円、剰余金の配当5,784百万円、在外子会社の為替変動による為替換算調整勘定の減少1,379百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,288百万円です。
以上の結果、自己資本比率は60.9%となり、1株当たり純資産額は1,150.41円となりました。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当連結会計年度末の社債及び借入金の残高は15,333百万円と前期比1,326百万円の減少となりました。これは主に短期借入金の減少によるものです。