(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、下記企業理念のもと、2020年度を最終年度とした長期ビジョン達成に向けて取り組んできましたが、当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、2017年度を初年度とする4ヵ年の中期経営計画「Move forward! Challenge the future! Create “New Value 2020”」を策定しています。
( 企業理念 )
( 長期ビジョン ) 2020年度の目指す姿
( 中期経営計画基本方針 )
2020年度の目指す姿実現に向けて、次の方針の下、戦略を実行していきます。
当社グループは2017年度から2020年度の中期経営目標を、以下のとおり設定しました。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
中期経営計画期間中は「Market Creation」「Technology Innovation」「Operational Excellence」を三位一体で取組み、長期ビジョンに掲げた「グローバルに成長し続けるベストソリューションパートナー」の実現に向けた戦略を実施していきます。
①「Market Creation」による新事業の創出
・M&Aの活用も含め、海外展開を一層推進します。
・ICT/IoTなど先端技術を活用し、アフターサービスビジネス(MRO)をさらに強化・拡大します。
②「Technology Innovation」による新たなソリューションの創造
・コンポーネントからシステム・ソリューション提供へ事業領域を拡大します。
・新工法開発など「ものづくり革新」により製品の新たな競争優位を確立します。
・国内工場の近代化/スマート化により高効率生産・高環境性能・快適労働環境を実現します。
・Corporate Venture Capitalを通じたスタートアップ探索から新技術の獲得を目指します。
③「Operational Excellence」による収益性・効率性の向上による企業価値向上
・生産改革/業務改革によりオペレーション基盤を強化し、収益力を向上します。
・事業運営の効率化と、事業間のシナジー創出を追求します。
・社内の管理指標にROIC(投下資本収益率)を導入し、資本効率を高めながら、着実にキャッシュを創出します。
・安定的に連結配当性向35%以上を維持し、機動的な株主還元を実施します。
・成長投資として、1)国内工場近代化・増産対応の実施、2)研究開発の推進、3)戦略的M&Aに備えた資金準備に取り組みます。
・「経営の透明性の確保(ガバナンス)」「安全・安心・快適の提供(環境・社会)」をマテリアリティ(重要なCSR課題)と位置づけ、ESGの幅広いテーマに体系的な取り組みを進めます。
当面の最重要課題は中期経営計画を達成することにあり、変化の激しい多様化する世界市場に対応すべく下記課題に取り組みます。
・市場にマッチしたビジネスモデルの構築、海外事業の拡大と収益力の強化
・顧客ニーズを捉えた製品開発及び幅広い技術力を活用した差別化製品の開発
・柔軟かつ迅速に対応できる意思決定・経営体制の構築
・当社のグローバル展開に対応する人財の確保・育成
・ガバナンス強化とリスクマネジメント力の向上
(注) 本有価証券報告書における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手している情報に基づき当社が判断したものであり、実際の業績等は、「2 事業等のリスク」に挙げた事項等により、異なる結果となる可能性があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があるリスクのうち主要なものは以下のとおりです。このようなリスクが現実化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。なお、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経済、市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は、国内外の自動車、建設機械、鉄道、建築、産業機械等の各産業分野に直接的又は間接的に関わっています。これら産業の景気変動及び設備投資動向等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、成長性・収益性の追求のため、アジア、北米、欧州を中心に積極的な事業展開を図っています。このため、経済・市場の動向に関するリスクだけでなく、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制等の改正が行われる場合があり、各種製品の市場が影響を受け、その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 大規模災害に関するリスク
当社グループは、台風、地震、洪水、パンデミック等各種災害に対して発生時の損失を最小限に抑えるため、事業継続計画の策定、緊急連絡体制の整備や訓練の実施等を進めています。しかし、このような災害による人的・物的被害の発生や資材調達の停滞及び物流網の寸断により、当社グループの生産活動を中心とした事業活動に影響を受ける可能性があります。また、災害による損害が損害保険等で十分にカバーされるという保証はありません。
(4) 為替相場の変動に関するリスク
当社グループの海外売上高は、年々高まっています。原材料の海外からの輸入もあり、外貨建て取引に関しては為替予約によるリスクヘッジを行っていますが、当社グループの業績は為替変動による影響を受けています。また、在外子会社の業績についても、円換算にあたり為替変動による影響を受けています。
(5) 調達に関するリスク
当社グループは、原材料、構成部品等の複数購買を推進することにより安定的な調達を図っていますが、部材価格の高騰や一部の部品について供給が滞り代替の調達先が確保できない場合には、製品の利益率の悪化や機会損失の発生により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 製品品質に関するリスク
当社グループは、各種製品について、欠陥が発生しないように万全な品質管理基準のもとに製造しています。しかしながら万一リコールや製造物責任につながるような重大な欠陥が発生した場合には、多額のコストの発生につながり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合に関するリスク
当社グループは、国内外において高い市場占有率を誇る製品を多数保有しています。各種製品の市場占有率が低下した場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報及び機密情報を入手することがあり、また、営業上・技術上の機密情報を保有しています。当社グループでは、これら情報に関する管理体制の強化と社員教育を展開し、情報システムのハード面・ソフト面を含めた適切なセキュリティ対策を講じています。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産に関するリスク
当社グループは、特許を含む知的財産権により自社技術の保護を図り、これら知的財産権を厳しく管理するとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう細心の注意を払っています。しかしながら、第三者が当社グループの知的財産権を侵害した場合、又は当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張された場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法令・規制に関するリスク
当社グループは、世界各地域において事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けます。当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準の倫理規範を制定し、コンプライアンス体制の強化を図っています。しかしながら、これら対策を講じても、個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクを完全に回避することは出来ず、重大な法令違反等を起こした場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 環境に関するリスク
当社グループは、事業活動による地球環境への影響を常に認識し、商品の企画・開発・設計にあたっては、エネルギー効率、省資源、有害物質の削減、リサイクル性の向上に努め、商品の生産・販売・物流・サービスにおいては、環境先進技術を積極的に採用し、また工夫することにより、CO2排出量の削減、資源の有効利用、ゼロ・エミッションへの挑戦等環境負荷の低減に努めています。しかしながら、当社グループの事業活動により環境汚染が生じた場合には、汚染除去費用や損害賠償費用等の発生及び信用の低下により業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 企業買収等に関するリスク
当社グループは、企業買収を通じて、国内外における製品の生産、販売・サービス体制の拡充や技術基盤の強化を図っています。しかしながら、企業買収当初に期待した効果が将来的に得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 固定資産の減損に関するリスク
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産等の固定資産を保有しています。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 人材の確保に関するリスク
当社グループは、製造・開発・販売、その他専門分野に携わる優秀な人材を幅広く採用・育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っています。しかしながら、人材の獲得競争の激化や社員の退職等によって十分な人材の確保及び育成ができなかった場合、競争力の低下につながり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績
当社グループの当連結会計年度の業績は、自動ドア事業が好調に推移した一方、米中貿易摩擦等による設備投資の低迷により精密減速機の需要が減少し、売上高は289,808百万円、営業利益は25,320百万円となりました。税引前当期利益は27,979百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は17,931百万円となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度のセグメント別概況は次のとおりです。
[売上高]
(単位:百万円)
[営業利益]
(単位:百万円)
② 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は179,154百万円、非流動資産は165,404百万円であり、その結果、資産合計は344,558百万円と前連結会計年度末比15,990百万円の増加となりました。主な増加要因は、IFRS第16号「リース」適用開始による使用権資産の増加9,004百万円、有形固定資産の増加6,510百万円です。主な減少要因は、営業債権の減少5,777百万円です。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は109,614百万円、非流動負債は35,810百万円であり、その結果、負債合計は145,424百万円と前連結会計年度末比6,112百万円の増加となりました。主な増加要因は、IFRS第16号「リース」適用開始によるリース負債の増加8,804百万円です。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は199,133百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分合計は187,398百万円と前連結会計年度末比8,696百万円の増加となりました。主な増加要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益17,931百万円に伴う利益剰余金の増加です。一方、主な減少要因は、配当による利益剰余金の減少9,074百万円です。
以上の結果、親会社の所有者に帰属する持分比率は54.4%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,508.53円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末比4,647百万円増加し、58,686百万円となりました。これは営業活動により獲得した資金38,433百万円を主に設備投資、配当金の支払に充てた結果です。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは38,433百万円の資金の増加となりました。主な増加要因は、当期利益、減価償却費及び償却費、営業債権の減少です。一方、主な減少要因は、営業債務の減少です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは20,086百万円の資金の減少となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは13,365百万円の資金の減少となりました。主な減少要因は、配当金の支払です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 1 上記の金額は、販売価格により、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと以下のとおりです。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2 上記の金額は、セグメント間取引の相殺消去後の数値です。
3 総販売実績に対し10%以上に該当する販売先はありません。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 注記3.重要な会計方針 及び 注記4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 売上高
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前期比1.6%減少し289,808百万円となりました。これは自動ドア事業が好調に推移した一方、米中貿易摩擦等による設備投資の低迷により精密減速機の需要が減少したこと等によるものです。
2) 営業利益
営業利益は、前期比15.7%増加し25,320百万円となりました。売上高営業利益率は8.7%となりました。
3) 税引前当期利益
金融収益は766百万円、金融費用は主に為替差損の発生により971百万円、持分法による投資利益は、前期において持分適用関連会社が実施した新株発行等に伴う利益が、当連結会計年度では発生しなかったこと等により、前期比68.8%減少し2,864百万円となり、その結果、税引前当期利益は27,979百万円と前期比6.6%減少となりました。
4) 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、法人所得税費用8,028百万円及び非支配持分に帰属する当期利益2,020百万円を差引いた親会社の所有者に帰属する当期利益は、17,931百万円と前期比14.7%減少となりました。
また、基本的1株当たり当期利益は前期比25.15円減少し144.50円となりました。親会社所有者帰属持分利益率は9.8%となりました
当連結会計年度のセグメントの業績の状況は次のとおりです。
コンポーネントソリューション事業の売上高は前期比10.1%減少し107,188百万円、営業利益は同21.3%減少し15,897百万円となりました。
精密減速機は、長引く米中貿易摩擦等による設備投資の低迷により需要が減少し、売上高は前期比減収となりました。油圧機器は、中国市場は堅調に推移するも、東南アジア市場の低迷により、売上高は前期並みとなりました。
(トランスポートソリューション事業)
トランスポートソリューション事業の売上高は前期比2.6%増加し83,994百万円、営業利益は、同187.8%増加し5,778百万円となりました。
鉄道車両用機器は、中国地下鉄向けが堅調に推移し、売上高は前期並みとなりました。航空機器は、民間航空機向けの増産により、売上高は前期比増収となりました。商用車用機器は、堅調な国内市場により東南アジア市場の低迷をカバーし、売上高は前期並みとなりました。舶用機器は、市況の緩やかな回復傾向が継続し、売上高は前期比増収となりました。
なお、当期はIFRS第16号「リース」(新リース会計基準)の適用に伴い事業資産が増加した影響等により、連結子会社OVALO GmbHに係るのれんの減損損失1,268百万円を計上しました。
(アクセシビリティソリューション事業)
アクセシビリティソリューション事業の売上高は前期比5.3%増加し79,971百万円、営業利益は同85.2%増加し8,565百万円となりました。
自動ドア事業は、好調な国内外での需要により、売上高は前期比増収となりました。
(その他)
その他の売上高は前期比6.4%増加し18,654百万円、営業利益は同3.8%増加し2,551百万円となりました。
包装機は、国内食品市場向けが堅調に推移し、売上高は前期比増収となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、営業活動においては、生産活動に必要な運転資本(原材料、人件費等)、受注獲得のための販売費、既存事業の競争力強化や新商品や新事業の創出のための研究開発費等があります。投資活動においては、製品の増産対応のための新規投資や設備更新を中心とした設備投資があります。当社グループは2020年12月期において、精密減速機における工場用土地及び設備の取得を中心に24,100百万円の設備投資を予定しています。
当社グループの事業活動に必要な資金は、主として自己資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、親会社所有者帰属持分比率やROE等の指標を注視しながら、最適な資金調達方法を選択しています。なお、当連結会計年度末の社債及び借入金の残高は43,936百万円と前期比1,375百万円の減少となりました。これは主に短期借入金の減少によるものです。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2017年度を初年度とする4ヵ年の中期経営計画における経営目標として、ROE15%、連結配当性向35%以上という目標を設定しています。本中期経営計画期間中の各指標の推移は以下のとおりです。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんについて一定期間にわたって均等償却を行っていましたが、IFRSでは償却を行っていません。これにより、当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べ、販売費及び一般管理費が1,759百万円減少しています。
(退職給付に係る調整)
日本基準では数理計算上の差異について、発生時にその他の包括利益として認識し、一定期間にわたって償却することにより損益に振り替えていましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益として認識し、即時に全て利益剰余金に振り替えています。これにより、当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べ、売上原価が184百万円、販売費及び一般管理費が137百万円減少しています。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
(のれんの償却)
日本基準ではのれんについて一定期間にわたって均等償却を行っていましたが、IFRSでは償却を行っていません。これにより、当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べ、販売費及び一般管理費が1,357百万円減少しています。
(退職給付に係る調整)
日本基準では数理計算上の差異について、発生時にその他の包括利益として認識し、一定期間にわたって償却することにより損益に振り替えていましたが、IFRSでは発生時にその他の包括利益として認識し、即時に全て利益剰余金に振り替えています。これにより、当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べ、売上原価が117百万円、販売費及び一般管理費が158百万円減少しています。
(1) 技術等導入に関する契約
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を支払っています。
(2) 技術供与に関する契約
(注) 上記契約に対する対価として、一定額又は売上高の一定率を受け取っています。
当社グループは、「独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供します」との企業理念のもと、利益ある成長の姿を研究開発活動のゴールに設定し、事業戦略と連携した研究開発計画を立案して研究開発に取組んでいます。
研究開発投資については、既存事業の競争力強化や収益力強化につながる事業戦略上の開発テーマと、成長分野における新商品や新事業の創出・育成のための開発テーマに資源を集中させています。研究開発の推進体制は、技術本部を統括部門として、企画・実行をカンパニー各社、連結子会社を中心として技術本部もその一部を担当しています。開発活動で重視していることは、顧客とエンドユーザーのニーズに直結した独創性のある競争力の高い製品を提供することです。また、持続可能な社会を実現するため、製品重量減や効率向上等気候変動に関する環境配慮製品の開発を進めています。
なお、当連結会計年度の研究開発のための費用は
セグメントごとの研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は以下のとおりです。
(1) コンポーネントソリューション事業
精機カンパニー、パワーコントロールカンパニーが中心となって、精密減速機及び同システム、建設機械用油圧機器及び同システム開発等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、次世代精密減速機「RV-Zシリーズ」のラインナップの拡充、ポジショナーユニット「RVPシリーズ」3機種の上市、ターンテーブルギヤヘッド「RS-50A」の上市、省エネ・環境対応に寄与するポンプ・バルブシステムの開発、走行/旋回ユニットのラインアップ強化等です。当事業に係る研究開発費は、
(2) トランスポートソリューション事業
鉄道カンパニー、航空宇宙カンパニー、舶用カンパニー及びナブテスコオートモーティブ株式会社が中心となって、鉄道車両用ブレーキ装置及び同ドアシステム、航空機用油圧制御機器及び同システム、舶用エンジン制御システム、商用車用ブレーキや乗用車用クラッチの各種装置・機器の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、グローバル市場向け鉄道車両用ブレーキ制御装置・機器の開発、グローバル市場向け鉄道車両用ドア開閉装置のシリーズ開発、ボーイング777X向けフライト・コントロール・アクチュエーション・システムの開発、舶用向け2サイクル電子制御主機関に使用される電子制御油圧バルブ状態監視BOXの製品化、及び電子制御油圧バルブの新機種(ELFI-B/ELVA)上市、従来の商用車用エアブレーキ機器や車両の電動化に対応した電動コンプレッサーの開発、既存バスの安全性向上に寄与する後付け非常ブレーキシステム(EDSS)の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(3) アクセシビリティソリューション事業
住環境カンパニーが中心となって、建物用自動ドア、プラットホーム用可動柵やスクリーンドア、福祉機器等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、防火設備「ナブコ防火戸(20)」シリーズ及び複合防火設備「ナブコ防火戸(20S)」シリーズの上市、鉄道駅舎プラットホーム向けの可動式ホーム柵及びスクリーンドアの開発、高付加価値歩行車・義足製品の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(4) その他
東洋自動機株式会社、シーメット株式会社、及びティーエス プレシジョン株式会社が中心となって、自動充填包装機、光造形システム(3Dプリンタ)、金属塑性加工機械等の研究開発を行っています。当連結会計年度の主な成果は、新しい包装容器に対応する製品や省人化に貢献する自動給袋装置及び包装機の稼働状況を把握するIoTシステムの開発、光造形装置や砂型積層造形装置及び透明高耐熱樹脂等の研究開発、砂型積層造形装置「SCM-800Ⅱ」の上市、多品種・工程集約・省スペース対応のCVJ複合加工機の開発、従来比で30%消費電力を削減したスマートフォーミングマシンのSFシリーズの開発、モーターコイルやバスバー等のEV関連部品加工技術の開発等です。当事業に係る研究開発費は、
(5) コーポレート部門
コーポレート部門では、グループ全体に共通する基盤要素技術や新事業分野に係る研究開発活動、大学・研究機関及び他企業と共同研究開発活動等を積極的に行っています。コーポレート部門に係る研究開発費は、2,538百万円です。