【要約中間連結財務諸表注記】
1.報告企業
ナブテスコ株式会社(以下、「当社」という。)は日本に所在する企業です。当社の要約中間連結財務諸表は2025年6月30日を期末日とし、当社及び子会社(以下、「当社グループ」という。)、並びに関連会社に対する持分により構成されます。当社グループの主な事業内容は「コンポーネントソリューション事業」、「トランスポートソリューション事業」、「アクセシビリティソリューション事業」です。詳細は注記「5.事業セグメント」に記載しています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
本要約中間連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2第2号に定める「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同第312条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しています。
本要約中間連結財務諸表は、2025年8月8日に当社代表取締役 木村和正によって承認されています。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約中間連結財務諸表は、下記の注記「3.重要性のある会計方針」で記載のとおり、公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成されています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの要約中間連結財務諸表は当社の機能通貨である日本円を表示通貨としています。
3.重要性のある会計方針
当社グループが本要約中間連結財務諸表において適用する重要性のある会計方針は、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様です。
なお、当中間連結会計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を用いて算定しています。
4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定
IFRSに準拠した要約中間連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を設定することが義務付けられています。実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しています。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間及び将来の期間において認識しています。
本要約中間連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、原則として前連結会計年度に係る連結財務諸表と同様です。
5.事業セグメント
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、ビジネスモデルの類似性に基づき、事業セグメントを集約した上で、「コンポーネントソリューション事業」、「トランスポートソリューション事業」、「アクセシビリティソリューション事業」の3報告セグメントに区分しています。
各報告セグメントの区分に属する主な事業内容は以下のとおりです。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性のある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同じです。
セグメント間の内部売上高及び振替高は市場実勢価格に基づいています。
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(単位:百万円)
(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、包装機械、立体モデル作成装置等及びこれらの部品の設計、製造、販売、保守、修理を行う事業で構成されています。
2 売上高の調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
3 セグメント利益(営業利益)の調整額は、各セグメントに配賦されない全社損益等です。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(単位:百万円)
(注)1 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、包装機械、立体モデル作成装置等及びこれらの部品の設計、製造、販売、保守、修理を行う事業で構成されています。
2 売上高の調整額は、セグメント間取引消去によるものです。
3 セグメント利益(営業利益)の調整額は、各セグメントに配賦されない全社損益等です。
6.顧客との契約から生じる収益
当社グループの事業は、コンポーネントソリューション事業、トランスポートソリューション事業、アクセシビリティソリューション事業及びその他の事業により構成されており、当社の取締役会が経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループでは、これらの事業を通じて得られる収益を売上高として表示しています。また売上高は、主要な製品別に分解しています。これらの分解した売上高と注記「5.事業セグメント」で記載しているセグメント別の売上高との関連は、以下のとおりです。
なお、当社グループの代理人としての履行義務はありません。
(注)金額は、外部売上高で表示しています。
7.非金融資産の減損
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
前中間連結会計期間末時点において、当社の連結子会社であるEngilico Engineering Solutions NV及びその子会社に係る資金生成単位ののれんについて減損テストを実施したところ、回収可能価額が帳簿価額を下回ったことから、当該のれんに係る減損損失を認識しています。
当該減損損失は、要約中間連結損益計算書の「その他の費用」に含まれており、その他事業において認識しています。回収可能価額は使用価値により測定しています(税引前の割引率:14.6%)。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。
8.配当金
(1) 配当金支払額
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(注) 2024年3月26日定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係るみずほ信託銀行株式会社の信託口(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託E口))が保有する当社株式に対する配当金24百万円を含んでいます。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(注) 2025年3月26日定時株主総会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係るみずほ信託銀行株式会社の信託口(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託E口))が保有する当社株式に対する配当金21百万円を含んでいます。
(2) 基準日が中間連結会計期間に属する配当のうち、配当の効力発生日が中間連結会計期間の末日後となるもの
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
(注) 2024年7月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係るみずほ信託銀行株式会社の信託口(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託E口))が保有する当社株式に対する配当金21百万円を含んでいます。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
(注) 2025年7月31日取締役会決議による配当金の総額には、株式給付信託(BBT)に係るみずほ信託銀行株式会社の信託口(再信託受託者:株式会社日本カストディ銀行(信託E口))が保有する当社株式に対する配当金18百万円を含んでいます。
9.1株当たり中間利益
(1) 基本的1株当たり中間利益の算定上の基礎
基本的1株当たり中間利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
(2) 希薄化後1株当たり中間利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり中間利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりです。
10.金融商品
(1) 公正価値の測定方法
① 償却原価で測定する金融資産
その他の金融資産
その他の金融資産の公正価値については、主に、一定の期間ごとに区分して、信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値に基づいて評価しています。
② 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
a ゴルフ会員権
ゴルフ会員権の公正価値については、相場価格等に基づいて評価しています。なお、ゴルフ会員権は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれています。
b デリバティブ金融資産
為替予約の公正価値については、先物為替相場等に基づき算定しています。なお、デリバティブ金融資産は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれています。
c 投資有価証券
主に売買目的以外で保有する社債で構成される負債性金融商品であり、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しています。なお、投資有価証券は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれています。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
投資有価証券
主に売買目的以外で保有する株式で構成される資本性金融商品であり、上場株式については取引所の市場価格、非上場株式については類似会社の市場価格に基づく評価技法及び純資産価値に基づく評価技法等を用いて算定しています。なお、投資有価証券は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融資産」に含まれています。
④ 償却原価で測定する金融負債
借入金
借入金の公正価値については、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。
⑤ 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
a デリバティブ金融負債
為替予約の公正価値については、先物為替相場等に基づき算定しています。通貨スワップ契約及び金利スワップ契約の公正価値については、取引先金融機関等より提示された価格に基づき算定しています。なお、デリバティブ金融負債は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融負債」に含まれています。
b 条件付対価
条件付対価に係る金融負債の公正価値については、主に業績の予想等を基礎として、モンテカルロ・シミュレーションを用いて算定した将来支払額の現在価値により算定しています。なお、条件付対価に係る金融負債は、要約中間連結財政状態計算書における「その他の金融負債」に含まれています。
(2) 金融商品の分類ごとの帳簿価額と公正価値
金融資産及び金融負債の要約中間連結財政状態計算書上の帳簿価額と公正価値は以下のとおりです。
なお、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債として指定する取消不能な選択を行った金融資産及び金融負債は保有していません。償却原価で測定する金融商品である現金及び現金同等物、営業債権、契約資産、その他の債権、営業債務、及びその他の債務については、短期間で決済されることから帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっているため、上表には含めていません。
(3) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
金融資産及び金融負債に関する経常的な公正価値については、以下の通り、測定・分析しています。これらの公正価値の金額は、用いられる評価技法へのインプット(入手可能な市場データ)に基づいて、3つの公正価値ヒエラルキー(レベル1~3)に区分されています。それぞれのレベルは、以下のように定義付けられています。
レベル1:活発に取引される市場で公表価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接、又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察不能なインプットを含む評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しています。
経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりです。
「(2) 金融商品の分類ごとの帳簿価額と公正価値」で開示している、償却原価で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、主としてレベル3で区分しています。
前連結会計年度及び当中間連結会計期間において、レベル1と2及び3の間の振替はありません。
なお、前連結会計年度末、当中間連結会計期間末において、非経常的に公正価値で測定された重要な資産及び負債はありません。
(4) レベル3に区分される公正価値測定に関する情報
① 評価技法及びインプット
レベル3に区分されたその他の金融資産及びその他の金融負債は、主に非上場株式及び条件付対価です。非上場株式の公正価値は、類似会社の市場価格に基づく評価技法及び純資産価値に基づく評価技法等を用いて算定しています。条件付対価に係る金融負債の公正価値については、主に業績の予想等を基礎として、モンテカルロ・シミュレーションを用いて算定した将来支払額の現在価値により算定しています。
② 評価プロセス
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しています。公正価値の測定に際しては、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いています。
③ レベル3に区分される経常的な公正価値測定の感応度情報
経常的に公正価値で測定するレベル3に分類される金融商品の公正価値の測定に関する重要な観察可能でないインプットは、財務予測に基づいて算定したEBIT倍率、非流動性ディスカウント等です。公正価値はEBIT倍率の上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
レベル3に分類される金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合の公正価値の増減は重要ではありません。
④ レベル3に分類された金融商品の期首残高から期末残高への調整表
(単位:百万円)
(注) 1 純損益に認識した利得及び損失は、当中間連結会計期間末に保有している金融商品にかかる評価損益であり、要約中間連結損益計算書上の「金融収益及び金融費用」に含まれています。
2 その他の包括利益に認識した利得及び損失は、要約中間連結包括利益計算書上の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の純変動」に含まれています。
11.企業結合
前中間連結会計期間(自 2024年1月1日 至 2024年6月30日)
該当事項はありません。
当中間連結会計期間(自 2025年1月1日 至 2025年6月30日)
該当事項はありません。
12.コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上確約している重要なコミットメントは以下のとおりです。
(単位:百万円)
13.重要な後発事象
(油圧機器事業の会社分割(簡易吸収分割)並びにComer Industries S.p.A.との株式譲渡契約及び株主間契約締結)
当社は、2025年7月31日開催の取締役会において、当社の油圧機器事業(以下「対象事業」)を、当社が新たに設立する完全子会社(コムテスコ株式会社、以下「新会社」)に吸収分割の方法により承継させ(以下「本吸収分割」。本吸収分割に係る契約を以下「本吸収分割契約」)、新会社に当社及び連結子会社の対象事業を集約した上で、新会社の発行済株式のうち70%をComer Industries S.p.A.(以下「Comer」)に譲渡(以下「本株式譲渡」)する旨の株式譲渡契約(以下「本株式譲渡契約」)及び新会社に関する株主間契約(以下「本株主間契約」)をComerとの間で締結することを決議しました。
なお、本吸収分割及び本株式譲渡に伴い、当連結会計年度において、油圧機器事業をIFRS第5号に基づき非継続事業に分類する予定です。
(1) 本吸収分割、本株式譲渡及び本株主間契約締結の目的
当社は、2025年2月12日に発表した新中期経営計画において、2030年をゴールとする長期ビジョンの目指す姿である「未来の “欲しい” に挑戦し続けるイノベーションリーダー」の実現に向け、Project 10により稼ぐ力を取り戻し(再興)、製品/ サービスの価値を高めるためにスマートモーションコントロールを志向(進化)することをお伝えしました。当社は、この新中期経営計画に基づいて、目指すべき方向性及び収益性(ROIC)を軸にポートフォリオバランスの最適化を図り、安定と成長を可能にするレジリエントな企業基盤の構築を目指しています。
対象事業は、世界シェア約25%(当社推計)を有する油圧ショベル用走行ユニットを筆頭に、小型から大型向けに対応した豊富な製品ラインナップを揃え、国内外の多くのお客様に当社製品を採用いただいております。しかし、昨今、中国ローカルの油圧機器メーカーの台頭や建設機械メーカーの内製化により厳しい競争環境が続いており、対象事業の収益力の回復が課題となっていました。そのため、当社は、対象事業の継続的な成長、当社の長期ビジョンの観点から、今後の対象事業のあり方について、パートナリングを含め総合的に検討を進めてまいりました。その結果、当社は、対象事業の継続的な成長のためには、当社グループにはない販売網や技術、製品ラインナップを有するComerがベストオーナーになり得ると判断し、本吸収分割を行った上で本株式譲渡を行うことを定めた本株式譲渡契約及び本株主間契約の締結を決定しました。
Comerは、これまで、付加価値の高い技術や製品への取組を通じて築き上げた、幅広い製品ラインナップを活かした戦略を展開してきました。今後は、対象事業とComerの相互補完的な販売網を活用した新たな市場機会の獲得、製品ラインナップの補完による提案力の強化により、今まで以上に多くのお客様により高い価値を提供できるものと確信しております。
当社は、本株式譲渡により得られる対価を、長期ビジョンの実現に向けたスマートモーションコントロールをはじめとする注力領域に充て、中長期的な企業価値の向上を目指します。
(2) 本吸収分割、本株式譲渡及び本株主間契約の概要
当社から、対象事業を吸収分割の方法により新会社に承継させ、新会社に当社及び連結子会社の対象事業を集約した上で、新会社の発行済株式のうち70%をComerに譲渡することを定めた本株式譲渡契約を締結しました。対象事業には、中国にある当社の子会社であるShanghai Nabtesco Hydraulic Co., Ltd.の当社保有持分の全て、タイにある当社の子会社であるNabtesco Power Control (Thailand) Co., Ltd.の当社保有持分の全て、ドイツにある当社の完全子会社(孫会社)であるNabtesco Power Control Europe GmbHの株式全てを含みます。また、新会社の運営等を定めた本株主間契約を締結しました。
(3) 分割する事業部門の概要
① 分割部門の事業内容
油圧ショベル用走行ユニット等の油圧機器の研究・開発・製造・販売
② 報告セグメント
コンポーネントソリューション事業
(4) 本吸収分割及び本株式譲渡の日程
(注)本吸収分割は、会社法第784条第2項に規定する簡易吸収分割として、当社の株主総会の承認を得ることなく行う予定です。
(5) 本株式譲渡の価額 142億円
(最終的な譲渡金額は、本株式譲渡契約に定める価格調整等を経て決定されます。)
(6) 連結業績へ与える影響
一連の取引が、当社の連結業績に与える影響については、現在精査中です。
(自己株式の取得及び消却)
当社は、2025年7月31日開催の取締役会において、以下のとおり、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定に基づき、自己株式の取得枠の設定に係る事項について決議するとともに、会社法第178条の規定に基づき自己株式を消却することを決議しました。
(1) 自己株式の取得を行う理由
1株当たりの株主価値を高めるとともに、資本効率の向上を図るため自己株式の取得と消却を行います。
(2) 取得に係る事項の内容
① 取得株式の種類 当社普通株式
② 取得し得る株式の総数 400万株(上限)
(発行済株式総数(自己株式を除く)に対する割合 3.32%)
③ 株式の取得価額の総額 100億円(上限)
④ 取得期間 2025年8月1日~2025年12月30日
⑤ 取得方法 東京証券取引所における市場買付け
(3) 消却の内容
① 消却する株式の種類 当社普通株式
② 消却する株式の数 上記により取得した自己株式の全数
③ 消却予定日 未定