第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、政府による成長戦略に基づく経済政策を背景に、企業収益の向上や雇用情勢が改善するなど、総じて緩やかな回復基調にありますが、中国をはじめとする新興国経済の減速、英国のEUの離脱問題や米国大統領選挙の影響等による為替相場が大きく変動するなど、先行き不透明な状況で推移しました。

このような状況のもと、当社グループは、「breakthrough 有効性の検証」を方針に掲げ、顧客への提案型営業に努め、顧客ニーズに応える応用製品の開発及び販売を促進することにより収益基盤を強化するとともに、引き続き、生産性の向上・原価低減等に努め、収益力の向上にも取り組んで参りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は、2,201,201千円(前連結会計年度比35.2%増)、経常利益は133,846千円(前連結会計年度比140.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は84,233千円(前連結会計年度比157.5%増)となりました。

主力製品であります直動機器につきましては、産業用機械業界及び民生向けに販売を進め、当連結会計年度の売上高は1,218,028千円と前連結会計年度と比べ164,286千円の増加(前連結会計年度比15.6%増)となりました。

精密部品加工につきましては、レース用部品の売上が好調に推移していることから、売上高は725,569千円と前連結会計年度と比べ272,122千円の増加(前連結会計年度比60.0%増)となりました。

ユニット製品につきましては、液晶製造装置等の産業用製造装置向けの販売が増加したことから、売上高は257,603千円と前連結会計年度と比べ136,435千円の増加(前連結会計年度比112.6%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、950,567千円となり、前連結会計年度末と比べ205,615千円の増加となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益112,318千円の他、減価償却費115,700千円、たな卸資産の減少額98,902千円及び仕入債務の増加額264,558千円による資金の増加に対し、売上債権の増加額325,792千円による資金の減少により、得られた資金は305,692千円(前連結会計年度は182,427千円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、主に有形固定資産の取得による支出121,866千円により、使用した資金は133,633千円(前連結会計年度は68,932千円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に長期借入金の増加額350,000千円による資金の増加に対し、長期借入金の返済による支出250,740千円及び短期借入金の減少額40,000千円による資金の減少により、得られた資金は34,344千円(前連結会計年度は179,307千円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループは、精密機器製造事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

生産高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

直動機器

957,163

49.3

93.7

精密部品加工

725,569

37.4

151.9

ユニット製品

258,448

13.3

194.7

合計

1,941,181

100.0

118.9

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

直動機器

1,323,907

123.2

185,148

226.8

精密部品加工

782,800

157.6

154,903

158.6

ユニット製品

304,797

241.8

92,663

606.1

合計

2,411,505

142.1

432,716

222.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。

品目の名称

販売高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

直動機器

1,218,028

55.3

115.6

精密部品加工

725,569

33.0

160.0

ユニット製品

257,603

11.7

212.6

合計

2,201,201

100.0

135.2

 

(注) 1.主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

THK株式会社

875,602

53.8

969,782

44.1

株式会社本田技術研究所

337,625

20.7

637,469

29.0

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「義の心」という経営理念のもと、創業以来円筒直動機器の専門メーカーとして常に新しいテクノロジーを追求し、多様化する顧客ニーズに適応する高品質・高付加価値製品を提供するとともに、経営の効率性と業績の向上を図ることで社会に貢献し、株主、取引先、従業員など全てのステークホルダーのご期待にお応えすることを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、主な経営指標としてROE(自己資本利益率)及び売上高経常利益率の向上を目標としております。収益構造の改革、コストダウン、資産の効率的運用などによりその改革をはかり、キャッシュ・フローを重視した経営を進めて参ります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、小径リニアボールブッシュのアジア拡販を目標に掲げ、製品の原価低減・品揃えに取り組んで参ります。また、継続して成長し続けるため、市場拡大が予想されるスマートフォンやタブレット端末に向けた産業用機械、電子部品産業及び民生分野への顧客ニーズに対応してゆき、主力の直動機器の製品力強化による売上・利益確保を土台とし、ユニット製品の製品力強化による売上・収益の拡大及び精密部品加工における加工技術力の維持による売上・利益の維持拡大により、収益性の向上、財務体質強化、企業価値の向上を図って参ります。

直動機器の製品力強化については、最優先の経営課題と位置付け、アジア市場への販売展開及び、徹底したコスト削減を追求することを軸に、小径リニアボールブッシュの拡販を目指し、既存製品のQCD追求による付加価値向上、顧客ニーズを満足する付加価値の高い応用製品の開発に注力して参ります。

精密部品加工については、創業以来培ってきた固有技術を一段と高度に磨き上げ、また同時にコストを追求することにより差別化を図り、次世代製品(環境・エネルギー・ロボット等)の機能部品加工の獲得を目指して参ります。

ユニット製品の製品力強化については、製品標準化による短納期対応を広げ、当社グループが得意とする小型位置決めステージにおいて、小型化、薄型化、高精度化等の性能向上を徹底的に追求する一方、QCDを徹底的に追求することにより、小型位置決めステージにおける当社製品の優位性の一層の強化を図って参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループの業績は主要市場である産業用機械業界、電子部品業界及び自動車関連事業等の国内・海外における設備投資の動向に大きく影響を受けております。

当社グループは、このような事業環境の中で、受注確保を第一の課題と認識し、顧客満足度の向上のため、営業・技術・製造の三位一体体制の更なる強化による顧客対応力の向上、QCDの追求による製品力の向上、固定費・変動費の削減等を強力に推し進め、収益の向上及び経営基盤の強化に努めて参ります。

重点方針は以下のとおりであります。 
 ① 生産能力増強とコストダウンによる採算性向上
 ② QCDの徹底追求による顧客対応力の強化 
 ③ 顧客ニーズに適合した応用製品の開発と販売 
 ④ 主力製品リニアボールブッシュの競争力強化による拡販 
 ⑤ 提案型技術営業による新規顧客開拓
 ⑥ 海外販売展開の構築・強化
 ⑦ 従業員の上昇志向と能力の向上

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及び株価に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 直動機器への高い依存度

当社グループでは、直動機器は産業用機械装置には欠かせない要素部品であると認識しており、今後も安定的に需要が見込まれるものと推測しておりますが、将来、諸外国の安価な製品の参入により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、各産業界の工作機械をはじめとする産業用機械の設備投資需要の急激な変動によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定販売先への高い依存度について

当社グループ製品の販売先のうち、THK株式会社及び株式会社本田技術研究所に対する当社グループの売上高に占める比率は高いものとなっております。

THK株式会社及び株式会社本田技術研究所とは、長年安定した取引関係を維持しておりますが、同社の受注動向や経営戦略の如何によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 知的財産権について

当社グループは、特許権等の知的財産権の重要性を強く認識しており、自社が保有する技術等については、特許権等の取得による保護を推進しております。しかしながら、出願した全ての知的財産権が取得できる保証はなく、また、取得したとしても、特許期間満了により他社が類似品を市場に投入する可能性があります。
 さらに、一部の製造技術・ノウハウについては技術流出をさけるため、特許出願等を行わないこともあります。
 そのため、他社が当社グループの製造技術・ノウハウと類似する特許等の取得を行った場合には、当社製品が他社の特許等を侵害する可能性もあり、その場合には事業展開の制約となる可能性があります。

 

(4) 原材料価格の変動について

当社グループの製品は、鋼材及び樹脂製品からなる部分があり、その仕入価格は市場価格の変動の影響を受けることがあります。需給関係の動向等が原材料価格の上昇を引き起こし販売価格への転嫁がうまく進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害、事故災害に関するリスク

地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害の発生により生産設備等が大きな被害を被り、部分的又は全面的に操業停止となり、生産及び出荷が長期にわたり停止した場合には、当社グループの業績が重大な影響を被る可能性があります。また、被害を被った生産設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(6) 海外での事業活動について

当社グループは、中国での事業活動を行っております。この海外での事業活動において、予期しえない自然災害や景気変動、為替変動、テロ・戦争・内乱等による政治的・社会的混乱、並びに法規制や租税制度の変更等が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(7) 重要な訴訟等について

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等はありませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) 為替変動の影響について

当社グループは、海外企業との取引の一部を外貨建てで行っておりますが、急激な為替レートの変動がある場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(9) 情報セキュリティについて

当社グループは、顧客・取引先等についての個人情報及び事業に関連する営業機密を保有しております。当社グループでは、これらの情報の管理に努めておりますが、コンピューターウイルスや情報システムの不具合等により情報が流出した場合には、当社グループに対する信頼低下につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、主要取引先と以下の契約を締結しております。

契約先

契約

契約内容

契約期間

THK株式会社

取引基本契約

製品等の取引に関する契約

自  平成28年4月1日
至  平成29年3月31日

株式会社本田技術研究所

部品取引基本契約

部品等の取引に関する契約

自  平成28年4月1日
至  平成29年3月31日

 

(注)  上記契約については1年毎の更新となっております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、円筒直動機器の専門メーカーとして、顧客満足度向上のために、一貫して技術力と創造力を磨き、新しいテクノロジーを追求し、新製品開発、既存製品の改良・改善、生産設備の開発を中心とした競争力の強化に取り組んでおります。

また、精密部品加工においては、レースでの競争力向上のために、顧客からの受託研究を中心に高機能部品の提案を積極的に行っております。

当連結会計年度における主な研究開発項目は以下のとおりであり、研究開発費の総額は43,873千円であります。

 

(直動機器関係)

・民生分野向け簡易リニアボールブッシュの開発、製品化

・新機構リニアボールブッシュの研究・開発

 

(精密部品加工関係)

・高機能ユニットの開発

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は4,535,813千円となり、前連結会計年度末と比べ441,994千円の増加となりました。主な要因は、現金及び預金205,615千円、売上債権324,254千円の増加に対し、たな卸資産102,879千円の減少によるものであります。

負債は1,429,316千円となり、前連結会計年度末と比べ365,665千円の増加となりました。主な要因は、仕入債務260,469千円、借入金59,260千円の増加によるものであります。

純資産は3,106,496千円となり、前連結会計年度末と比べ76,328千円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金77,990千円の増加によるものであります。その結果、当連結会計年度末における自己資本比率は68.5%となりました。

 

(2) 経営成績の分析

「第2  事業の状況、1  業績等の概要、(1) 業績」をご参照願います。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「第2  事業の状況、1  業績等の概要、(2) キャッシュ・フローの状況」をご参照願います。